狐と狼のシンキングタイム

30話:狐と狼のシンキングタイム


人狐娘、井岡永遠は散弾銃ウィンチェスターM1897の銃口を、
廃校廊下で鉢合わせになった黒と白の巨躯の狼に向けていた。

「待て待て、落ち着け。俺は殺し合う気は無い」

狼――上杉憲顕は、銃口を下ろすよう目の前の雌狐に促す。

「乗っていないと言う証拠は?」
「…お前、同じ事言われて証明出来る?」
「……分かった、信じるよ」

永遠はM1897を下ろし警戒を解く。

「私は井岡永遠。あなたは?」
「俺は上杉憲顕だ。殺し合いに乗っていないんだな? お前も」
「うん……」
「丁度良い。一緒に行動しないか?」
「……良いよ」

この先一人で行動するのも不安だと考えた永遠は上杉憲顕と名乗った狼の提案に、
素直に応じる事にした。二人は近くの教室に入りまず互いの支給品を見せ合った。
ここで、再び憲顕に支給されたノートパソコンに添付された謎のメッセージ入りの紙が議題に上がる。

「これ何? 意味深な事書いてあるけど」
「全く分からん。どうも電卓機能に何かある、て意味らしいが……。
試しに起ち上げて電卓機能いじってみたが何も起こらない。
多分この『離れた数字』とやらが鍵、なんだろうけどな…どういう事やら」

いくら考えても謎メッセージは謎のままである。
「離れた数字」の意味を明らかにしなければ、やはりどうにもならないだろう。
しかし謎が解けた所で、一体何が起きると言うだろうか。

「これは後回しだ。それより……永遠。俺はこの首輪を何とかして外したいと思っているんだ」
「mjd?」
「mjd。内部構造さえ分かれば何とかなる…かもしれない」

首にはめられた金属製の首輪を触りながら憲顕が言う。
しかし問題はどうやって内部構造を調査するか、と言う事だった。
自分や他参加者の首輪をそのままいじり回せば間違い無く爆発するだろう。
つまり機能停止した首輪をサンプルにする必要があるのだがそのためには――。

「…首輪を入手する必要がある。死体から、な」
「…それって、首を切り落とすの?」
「それしか無いだろうな」
「うわ…エグ」

首を切り落とす光景を想像し、永遠は気分が悪くなり口元を押さえる仕草をした。



【一日目/早朝/E-5廃小中学校】
【井岡永遠@オリキャラ・女】
[状態]良好
[装備]ウィンチェスターM1897(5/5)
[道具]基本支給品一式、12ゲージショットシェル(15)
[思考]
1:殺し合いはしたくない。死にたくない。
2:上杉さんと行動。
[備考]
※特に無し。

【上杉憲顕@オリキャラ・男】
[状態]良好
[装備]シグザウアーSP2340(12/12)
[道具]基本支給品一式、シグザウアーSP2340(3)、ノートパソコン(バッテリー残り98%)
[思考]
1:殺し合いはしたくない。首輪を解析したい。
2:永遠と行動。
[備考]
※特に無し。


海が見える、濁った水面が見える 時系列順 赤錆塗れの骨
海が見える、濁った水面が見える 投下順 赤錆塗れの骨
時が止まった学び舎 井岡永遠 飛べない鳥達のレクイエムがまた
時が止まった学び舎 上杉憲顕 飛べない鳥達のレクイエムがまた

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年01月22日 17:01
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。