知ってはならない事実も存在する

1話:知ってはならない事実も存在する


「うーん…ハッ、磯の匂い…ここは?」

篠原世以子(下は「せいこ」と読む。決して「よいこ」では無い)は、
エリアG-6埋立地の住宅地跡、海沿いの道に設けられたベンチの上で目覚めた。

「…海だ…」

目の前には水平線が見通せる大海原が広がっている。

「私、どうしたんだっけ…確か、みんなと一緒に天神小学校に飛ばされて…その後…。
直美と一緒に行動してたけど…喧嘩別れしちゃって…その後は…」

記憶の糸を手繰り寄せる世以子だったが、

「…首を吊って死んだ事は、覚えてるのに…それまでの経緯がどうしても思い出せないなぁ」

どうしても思い出せない記憶があった。
まるでそこだけ丸ごと欠落してしまっているようで気持ちが悪い。
いつまで経っても思い出せないので諦めて、現在置かれている状況を整理する。
死んだはずの自分がこうして生きているのにも驚いたが、
殺し合いを命じられた事にはもっと驚いた。
傍に黒いデイパックが置いてある事に気付き、手に取って中身を漁ってみる。
「ゲーム概要」と表紙に書かれた小冊子を開くとこの殺し合いの細かなルールが記載されていた。


【ルール】
参加者全員で最後の一人になるまで殺し合って貰い、
最後まで生き残った一人が優勝者となり、元の自分の世界へ帰る事が出来、
好きな願いを一つだけ叶えられる。
参加者の間のやり取りに反則は無し。ゲーム会場の施設の利用も自由。

ゲームの確実な進行の為、参加者全員に特殊金属製の首輪を装着する。
首輪は無理に外そうとしたり、立入禁止エリアに進入したり、
主催者に刃向かったり(ゲーム進行に大幅な支障を来す恐れがあると判断された場合)
すると爆発する仕掛けになっている。首輪を爆破された参加者は死亡する。例外無し。

ゲーム開始の際、支給品の入った肩提げ式のデイパックを参加者に渡す。
デイパックは参加者(死体含む)、明らかに規格外の物以外は、
何でも入れる事が出来、重量も変わらない。

基本支給品一式として最初から入っている物は以下の通り。

■地図
■名簿
■コンパス
■懐中電灯
■懐中時計
■メモ帳と鉛筆
■簡易医療セット(包帯×3、消毒液×1、ガーゼ×10、医療用テープ×1、ポケットティッシュ×3)
■ルール冊子
■水と食糧(参加者個人の体格に合わせられた上で一日三食×三日分)

これに加え武器などのランダム支給品が1~2個入っている。

0:00、4:00、8:00、12:00、16:00、20:00に主催者からの放送が行われる。
内容は死者と禁止エリアの発表。

放送から一時間後に指定のエリアが禁止エリアになる。

12時間新たな死者が出なかった場合、その時点での生存者全員の首輪を爆破する。
つまり優勝者無し(ゲームオーバー)となる。 また、参加者が全員死亡しても同様。


世以子が首に触れてみると確かに金属製の首輪がはめられていた。
しかも爆弾が内蔵されている危険な代物らしい。

「下手にいじったら駄目だよね…」

首輪の脅威を感じつつ、世以子は再びデイパック内を探る。
会場の地図には島が描かれている。主要な施設の場所も載っているようだった。
名簿を見付けたので開くと、自分を含め43人の参加者の名前が記載されていた。

「! 直美に、岸沼君に委員長がいる!」

知っている名前を三人見付ける世以子。

「直美…会いたいな。今どこにいるんだろう……」

喧嘩別れし、自分が死にそうになっていた時必死に助けようとしてくれた親友の事を思い浮かべる。
その後もデイパック内を漁っていると、

「何これ…銃? お、大きい…重っ!」

長物の銃――軽機関銃ブローニングM1918、通称「BAR」と予備のマガジン5個を発見した。
強力な武器だが世以子には余りに重過ぎて扱えそうに無かった。

「これが武器か…あ、もう一個入ってる」

世以子のランダム支給品はもう一つあった。それは革製の鞘に収められた鉈だった。
ブローニングM1918の方はとても持てそうに無かったので、
世以子は鉈を装備する事にした。

「とにかく、殺し合いだか何だか知らないけど、直美や委員長、岸沼君を捜そう…」

親友とクラスメイトを捜すべく、世以子は動き始めた。
しばらく歩いていると、中高生らしい制服姿の少年を見付けた。
ただの少年では無く、灰色の犬のような外見をしていたが。

(何あの子? 着ぐるみ、じゃないよね…話し掛けてみよう)

「ね、ねえ君」
「! 誰!?」
「待って! 私は殺し合いをする気なんて無いから」
「…本当に?」
「本当だよ! ええと、君は?」
「僕も乗ってないよ…殺し合いには」

犬獣人の少年は戦意が無い事を世以子に告げる。

「私、篠原世以子。如月学園って学校に通ってるんだけど…」
「僕は三浦京太。唐沢第二高校に通ってる…高校一年」
「え? 私の一コ下なの!? 中学一年くらいに見えたけど」
「良く言われる…」
「あ、ごめん…悪い事言っちゃった?」
「いや、そんな事無いよ」

殺し合いに呼ばれる前の親友との出来事の事もあり、
いつもより自分の言動に気を使う世以子。
世以子が思っている程京太は気にはしていなかったが。

その後、世以子と京太は互いに殺し合う気は無い事を再確認し、共に行動する事になった。

(篠原さん…良い人そうで良かったなぁ…でも、僕の性癖は知られないようにしないと)

心の中で京太はそう思う。
実は、京太は生粋の「M」であり「変態」である。
尻を掘られるのがこの上無く好きで、よく近所の公園に夜赴き、
ホームレスやケモショタ好きの男達の性欲処理便所になっていた。
身体を売って小遣い稼ぎも行っており、その金で密かに極太の大人の玩具を購入し、自室で愉しんでいた。
この事は家族と一部の友人しか知らない。

(僕が変態だって知られたら…きっと篠原さんに同行解消される…!
それは何としても避けないと…僕、死にたくないし)

「どしたの?」
「え? 何でも無いよ?」
「ふぅん…ねえ、京太君は何を支給されたの? 私はこの鉈と…これなんだけど」

そう言いながら世以子はデイパックを開け中に入っているブローニングM1918を京太に見せた。

「凄いな…僕はこれ」

京太は装備していた小型回転式拳銃S&WM36を世以子に見せる。

「良かったら、その軽機関銃と交換しない?」
「え? 良いけど…京太君無理でしょ、私より小さいのに」
「まあ見ててよ」

世以子のデイパックから、京太はブローニングM1918を軽々と取り出してみせた。
見掛けに寄らず、京太はかなりの筋力の持ち主である。
華奢に見える身体のどこに重い軽機関銃を取り回せるだけの力があると言うのか。
世以子は驚きのあまり開いた口が塞がらなかった。

「す、凄いね…それじゃ、交換してくれる? 私はそっちの拳銃の方が使い易そうだし」
「いいよー」

京太は世以子にS&WM36と予備弾を手渡し、世以子はブローニングM1918とマガジン5個を京太に譲った。

「取り敢えず、歩きながら色々話そうよ」
「分かった」

世以子と京太は埋立地の住宅地跡を散策しながら今後の事について話し合う事にした。


【一日目/早朝/G-6埋立地の住宅街南部】
【篠原世以子@コープスパーティーBCRF】
[状態]良好
[装備]S&WM36(5/5)
[道具]基本支給品一式、.38スペシャル弾(15)、鉈
[思考]
1:殺し合いはしない。直美、委員長(篠崎あゆみ)、岸沼君を捜す。
2:京太君と行動。
3:私は死んだはずじゃ……?
[備考]
※本編死亡直後からの参戦です。

【三浦京太@オリキャラ・男】
[状態]良好
[装備]ブローニングM1918(20/20)
[道具]基本支給品一式、ブローニングM1918のマガジン(5)
[思考]
1:殺し合いはしたくない。死にたくない。
2:篠原さんと行動(但し自分の性癖は隠す)。
[備考]
※特に無し。


≪支給品紹介≫
【ブローニングM1918】 支給者:篠原世以子(予備マガジン5個とセット)
天才銃器デザイナーのジョン・ブローニングが第一次世界大戦中に開発した軽機関銃。
愛称はBAR(Browning Automatic Rifle:ブローニング自動小銃の略)。
個人運用が前提で、堅牢な作りで威力もあり信頼性は高いが重さが9㎏近くある。

【鉈】 支給者:篠原世以子
枝打ち、木を削る、雑草を払う、動物を解体するなどの目的で使われる刃物。
刀身が厚く丈夫で、刀身の重さを利用して叩き切る。

【S&WM36】 支給者:三浦京太(.38スペシャル弾15発とセット)
1950年にS&W社が高い携行性を目的に開発した小型回転式拳銃。
通常の6連装から1発減らして5連装にすることでポケットに収まるほど小型になり、
非番時の警官などに護身用として愛用された。

≪オリキャラ紹介≫
【名前】三浦京太(みうら・きょうた)
【性別】男
【年齢】16歳
【職業】高校一年生、美術部所属
【身体的特徴】灰色の犬獣人。ケモショタ体型で可愛いらしい。中一ぐらいに見られる。
 学校の制服である白い半袖シャツにネクタイ、灰色のズボン着用
【好きな事・もの】ア○ルプレイ、自分の尻を鞭で叩く事、首吊り(死なない程度に)、ハンバーグ
【苦手な事・もの】乳酸飲料(飲むと腹を下す)
【特技】頑丈な尻(特技じゃない)
【趣味】近所の公園に夜行って便所になる事
【特筆すべき能力】力が異様に強い
【備考】変態ケモショタ。性格は至って温和だが変態。マゾ。なぜか力が非常に強い。
 しょっちゅう夜の公園の公衆便所に繰り出し性欲処理便所になっている。
 身体を売って小遣い稼ぎもしておりバイトもしていないのにやたら金を持っている。
 両親は「元気なのは良い事だ」と容認(と言うより放任)している


OP(俺得ロワ4th) 時系列順 愛に狂うのかそれとも狂った愛なのか
OP(俺得ロワ4th) 投下順 愛に狂うのかそれとも狂った愛なのか
ゲーム開始 篠原世以子 命の儚さ
ゲーム開始 三浦京太 命の儚さ

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最終更新:2011年01月12日 00:08
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