誰にも見せられない傷


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52話:誰にも見せられない傷


「おはよう……」
「おお、榛名。おはよう。早いな今日は」

いつものように、叔父さんに朝のあいさつをして、顔を洗いに洗面所へ向かう。
その後は適当に朝食を取って、部屋に戻って毛並みを整えたり、着替えたりする。
いつもと変わらない、平穏な、登校前の朝。
あの殺し合いは全て夢だったんじゃ無いかとも思った。

だけど……学校に行って、その考えは間違いだと言う事に気付かされる。

「……中村? 平池? 誰だそれ」
「そんな子うちのクラスにいないよね」
「やだー榛名、ちょっと寝ぼけ過ぎじゃない?」

「……!」

死んでしまった、中村さんと平池さんが、最初からいなかった事にされていた。
二人がいた席には自分は全く知らない人が座っていて、
でもその二人はずっとこのクラスにいたとみんなが言う。

(そんな…中村さんも平池さんも、私の記憶の中にしか存在しないって事…!?
そんなの…悲し過ぎる…! 二人が生きて来た今までって…何だったの!?)

余りに残酷すぎる。みんなの記憶の中にさえ残っていないなんて。

これから先、私はあの殺し合いの事を、中村さんと平池さんの二人の事を、
胸に秘めて生きていかなくちゃいけない。
あの殺し合いは何のために開かれたのか。
結局、主催者から満足な答えを聞く事も出来なかった。

私は生きて帰れた。でも、決して幸せなんかじゃない。


幸せな結末では、無い。




「ふぅ…お疲れ様っす、セイファートさん」
「ええ、柴田さん」
「いやあ、おかげで大成功しましたよ、今回の殺し合いは」
「死んだ人の存在はとりあえず消して、因果律とかも色々やっておいたから」
「ありがとうございます。これで依頼者達も満足してくれるでしょう。
しかしまぁ…大勢の人々を集めて殺し合いをさせるとは、本当に悪趣味な事を考える…。
しかも賭け事してたみたいですからね。優勝者の伊賀榛名に賭けていた人、
あんまりいなかったみたいで、悔しがってた人多かったみたいですよ」
「ふぅん…まあ、あの子はほとんど戦わ無かったものねぇ」

「それじゃ、俺は色々後始末するんで…」
「そう…私はこれで失礼するわ。もし機会があったらまた」
「ええ。宜しくお願いしますよ」




【新訳俺のオリキャラでバトルロワイアル    完】




幕を引く時主役は舞台に 時系列順
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幕を引く時主役は舞台に 伊賀榛名 生還
幕を引く時主役は舞台に 柴田行隆
第二回放送(新訳俺オリロワ) セイファート
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