朱の色と空の色


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45話:朱の色と空の色


「美琴はまだ生きてんのか…」

エリアE-5住宅街の一角。
四宮勝憲は放送にて二人いる内のもう一人の知人の生存を知る。

「くそっ…主催の連中…絶対ェ許さねぇ」

幼馴染をこの殺し合いで失った事で、勝憲は主催者の柴田行隆とセイファートに対し
更に怒りの炎を燃やす。

「……だけど、もう半分近くも減ってんのか……こんな殺し合いに、
そんなにやる気になってる奴がいんのかよ……狂ってるぜ」

吐き捨てるように言うと、幼馴染の持っていた刀を携え、隠れていた民家の庭先から出る。
そしてこれからどこへ行こうかと思案していた時。
南の方角にある曲がり角から一人の男が現れた。
青い髪に赤い鉢巻を巻いた青年だったが、その衣服は血塗れになっていた。

「……!」

その男――勤武尚晶が血塗れになっているのは怪我をしているからでは無いと勝憲は
遠目からでも理解した。
右手には自分と同じく抜き身の日本刀を所持している。
雰囲気的に、穏便な考えを持っているとは思えない。

(何だこいつ……すげぇ殺気だ……)

男との距離は数十メートル離れていたが、それでも男から発せられる殺気は痛い程
勝憲に伝わっていた。
男――尚晶は前方に立つ男、勝憲を捕捉し、舌舐めずりをする。
「獲物を見付けた」と。

ガキィ!!

「――――!!」

次の瞬間、勝憲は持っていた刀で、尚晶の斬撃を間一髪で防いでいた。

(は、早ェ…!)

「……へぇ……大抵の奴は見切れないはずなんだけどな……中々やるな、あんた」

自慢の瞬速の斬撃が見切られた事に驚きつつ、賞賛の言葉を勝憲に対し述べる。

(じょ、冗談じゃねぇ、化けモンだぞこいつ…! 駄目だ、ここは逃げ――――)

「だが、これで終わりだ」

そう言うと、尚晶は勝憲の刀を弾き飛ばし、
一気に持っていた刀を横に薙ぎ払った。
それは丁度、勝憲の腹の辺りだった。

「……?」

最初は何が起きたのか分からなかった勝憲だったが、すぐに異変は訪れた。

「ゴフッ…!?」

腹の辺りから下の身体の感覚が消え、喉の奥から生温かい、
鉄錆の味がする液体が大量に溢れ出た。
ズルリ、と、動いてもいないのに視界が横にずれた。
この時点で、勝憲は自分がどうなったのかを悟る。

(く……そぉ)

間も無く自分は死ぬ。その現実を、勝憲は受け止めざるを得なかった。
尚晶はもうする事は無いと、勝憲に背を向け歩き去り始めた。

せめて死ぬ前に、一手報わなければ。
勝憲は最期の力を振り絞り、腰の辺りに手をやった。
そして、「それ」を取り出すと、尚晶の背中に向けて声を掛けた。

「おい!」
「……ん」
「ちゃんと…止め刺しとけよ……油断、大敵……て、なぁ!!」

勝憲は、コルトM1917リボルバーの、最後の三発を全て、尚晶に撃ち込んだ。
その内の一発が、尚晶の額の中心を正確に撃ち抜き、尚晶の意識はその時点で消失した。
「人斬り勤武」と恐れられた男の余りに呆気無い最期であった。
そして、勝憲の最後に煌めいた命の灯も、遂に燃え尽きる。
空になったM1917を路上に落とした直後、勝憲の上半身がずり落ち、
続いて下半身が倒れ、血と臓物がアスファルトの上にぶちまけられた。

(あー……青いな……空………)

絶命するまでの数秒間、勝憲の目が彼に見せたものは、
白い雲が浮かぶ綺麗な青空であった。


【勤武尚晶    死亡】
【四宮勝憲    死亡】
[残り14人]


※E-5住宅街路上に勤武尚晶と四宮勝憲の死体と所持品が放置されています。


その道が正解とは限らないから 時系列順 [[]]
その道が正解とは限らないから 投下順 [[]]

心の奥までは偽れない 四宮勝憲 死亡
こんな村おこしは嫌だ 勤武尚晶 死亡
ツールボックス

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