オヤジはそんな高位存在だったのか


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26話:オヤジはそんな高位存在だったのか


「おーい、そこの!」
「……あ」

市街地を宛ても無くウロついていたオヤジ、川田喜雄は、
灰色のブレザーを着た青い狼獣人の青年を発見し躊躇無く声を掛けた。
青年――石川昭武は少し驚いた様子で自分に近付いてくる中年男性を見た。

「……何、ですか?」
「いや、突然で悪ぃな。お前、この殺し合いに乗っているか?」
「……」

殺し合いに乗っていると思っているならわざわざ声を掛けるだろうか。
そう思いながら昭武は喜雄の問いに答えた。

「…乗ってませんよ…でも」
「でも…何だ?」
「……」

昭武は少し間を置いてから、言った。

「一人、殺した…」
「な…!?」

喜雄の表情が強張った。この状況下で嘘を言うとも思えない。
たった今殺し合いには乗っていないと言っていたが。

「…殺されそうになって…無我夢中で……それで……」
「…ああ……そう言う事か……」

青年の話を信じるのであれば、殺されそうになり、その相手を逆に殺してしまったらしい。
それならば十分に正当防衛の範囲である。青年の話が真実であれば、の話だが。
真実かどうかは確かめようが無かったが、喜雄には青年がどうしても、
殺し合いに乗っているようには見えなかった。

「……殺されかけたんだろ? だったらそりゃ正当防衛だ。余り気に病むなよ…って言っても、
無理、だよな……」
「……ありがとうございます。ちょっと楽になりました……」

自分の命を守るためとは言え、人を一人殺してしまった罪悪感に
苛まれていた昭武にとって、この見知らぬオヤジの言葉は大きな救いとなった。
罪悪感が消えて無くなる、までは行かなかったが、だいぶ和らいだ。

「…俺は川田喜雄っつーんだ。川田屋って食堂やってんだよ」
「…石川昭武です。高校生です」
「そうか。あ、敬語じゃなくていいぜ」
「……分かった」
「なぁ昭武よ。折角だし一緒に行動しねぇか?」
「……ああ。良いよ。宜しく川田さん」


近くのオフィスビルの中に入り、喜雄と昭武は互いの支給品や、
知り合いの事を話し合った。

「分かった。お前の知り合いは香瀧宏叔、平崎吉治、立沢義の三人だな?」
「ああ。それで、川田さんは志水セナって子の一人だけか…」
「そうだ…だけど、正直言って会いたくねぇんだよなぁ。
こういう殺し合いにやる気になってそうな気がしてならねぇんだよあいつ」
「そうなのか…?」
「……まあ、とにかくだ……脱出しようにも首輪をどうにかしなくちゃいけねぇよな」

そう言いながら喜雄は首輪に触れる。

「爆発するって言ってたしな、主催者…だけど、どうすればいいんだろう」
「機械に詳しそうな奴捜して何とかして貰うしかねぇだろ。
ただ…都合良くそんな奴いるかどうか分かんねぇし、それに、
首輪の構造がそんな簡単とも思えねぇけど……だがこんな殺し合いに乗るよか
ずっとマシなはずだ。そうだろ?」
「…そうだな」

ほぼ喜雄が主導する形で今後の基本行動方針が決まる。
そして二人は地図を広げ、行き先をエリアF-3の病院に決定した。
と言うより現在位置と思われるエリアG-2周辺には、
廃工場と病院ぐらいしか目立つ建物が無かったのだが。
廃工場に行っても何も得られそうな気がしなかったため病院を選んだ。

「それじゃ行ってみっか?」
「ああ…」

喜雄と昭武は荷物を纏め、病院へと向かい始めた。


【一日目/朝方/G-2市街地】

【川田喜雄】
[状態]良好
[装備]FNポケットモデルM1906(6/6)
[持物]基本支給品一式、ポーション(5)
[思考・行動]
 基本:殺し合いからの脱出を目指すが自分の命最優先。店の常連客志水セナは放置。
 1:石川昭武と行動。病院へ向かう。
[備考]
 ※香瀧宏叔、平崎吉治、立沢義の情報を得ました。

【石川昭武】
[状態]良好、スピードリングにより素早さ上昇中
[装備]Nz75(15/15)、スピードリング
[持物]基本支給品一式、Nz75マガジン(2)
[思考・行動]
 基本:殺し合いはしないが自衛のためなら戦う。
 1:川田喜雄と行動。病院へ向かう。
 2:友人二人(平崎吉治、香瀧宏叔)、学校の先生(立沢義)と合流したい。
[備考]
 ※志水セナの情報を得ました。



酔っ払いはマジ勘弁 時系列順 EVE~逃亡劇~
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おふくろの味ならぬオヤジの味 川田喜雄 救いなど無い
近頃の若い奴はとよく言うけれど 石川昭武 救いなど無い
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