人は何故……。


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48話 人は何故……。


放送で呼ばれた32人もの死者。
その中に、小野妹子の捜し人である聖徳太子の名前は無かったが、
妹子は素直には喜べない。
何せ、同行者である女遊び人ことミルカの仲間二人と、
フラウのクラスメイト5人の内4人の名前が呼ばれてしまったのだ。
特に女遊び人のショックは大きいようだった。無理も無いだろう。
この殺し合いに呼ばれていた彼女の知り合いは、彼女と再会する事も無く、
全員が命を落としてしまったのだから。

「う、うあああああ……エリス……フィーナぁ……」
「み、ミルカさん……」
「……」

床に泣き崩れる女遊び人を気遣う妹子。
フラウは女遊び人にどう声を掛けていいか分からず立っているしか出来なかった。

「……妹子さん、ミルカさんをお願い出来る?」
「は、はい」

フラウは泣きじゃくる女遊び人の事を妹子に任せ、洗面所へと向かった。

蛇口を捻り、コップに水を注いでその水を口の中に注ぎ、飲み干す。

「まさか、もう32人も死んでいるなんて……残りは私達を入れてたったの16人……」

生存者16人、自分達三人を除けば13人しかいないが、
この生存者の中に、殺し合いをする気でいない者はどれくらいいるのか。
もしかしたら、自分達以外は全員、殺し合いに乗ってしまった者ばかりではないのか。
たった6時間で、参加者の4分の3が死に絶えるとはフラウは予想していなかった。
放送での口振りから察するに主催者も予想外だったのだろう。

「悠長にしてると、取り返しがつかなくなりそうね」

脱出手段を探すのは放送が終わってからでも十分だと思っていたが、
残り16人となると、のんびりしていられない。
早急に行動を起こす必要があった。
そのためにはまず、女遊び人ことミルカに立ち直って貰わなければならない。

「……どうなったかしら、何だか静かになってるけど」

いつの間にか、ミルカの泣き声は聞こえなくなっていた。
様子を見に行こうとフラウが振り向き、脱衣所の扉を開けた。

直後、腹に何やら、灼熱を感じた。
喉の奥からごぼごぼと、鉄錆の味がする熱い液体が込み上げる。
何が起きたのかフラウは分からなかったが、分かっていた事は、
目を腫らした女遊び人が何故か目の前にいるという事。

ゆっくりと視線を下に向ける。

女遊び人が柄を握り締めたドスの刀身が自分の鳩尾の辺りに根元まで食い込んでいる。
そこから広がった真っ赤な花はその滴りを床の上に落としていた。
ズル、と刀身が抜かれる。ふらふらと数歩後ずさりし、フラウは両膝を床にガクリと突いた。

「ど……う……して……」

何故、女遊び人がこのような行動に出たのか、
それをフラウが考えるには余りに残された時間は少なかった。



女遊び人ことミルカは先程までいた居間に戻った。
そこにはついさっき自分が刺殺したノースリーブの赤いジャージ姿の青年の死体が横たわっていた。

「もう、もう嫌……」

突然、この狂った殺し合いに巻き込まれ、自分の知らない所で、
大切な仲間二人が命を落とした。
その現実は元々殺し合いという状況で神経がすり減り続けていた彼女の心に、
暗い影をもたらしてしまっていた。
気付いた時、彼女は自分を慰めてくれていたはずの青年を、
青年の持物であるドスで滅多刺しにしていた。
何故、そんな事をしたのか、自分でもよく分からない。
だが、知らず知らずの内に、女遊び人の身体はドスを持ったまま、
洗面所の方へと向かい――狐の少女を、刺して殺した。

「……」

女遊び人は、ドスの切っ先を自分の喉に押し当てる。

「エリス、フィーナ、今から私も、そっちに行くからね」

そして。

真紅の華が、咲いた。




黒髪の妖艶な女性エロリアは放送後、食事を取り荷物を纏め市街地の通りを歩いていた。
放送で呼ばれた名前の中には先刻戦ったダークエルフの同僚である侍、
ストーカー相手のエルフの少女、そしてその偽物である自分の同僚の名前が呼ばれた。

「ディオナの奴、もう死んじゃったか……最期まで影の薄い奴だったわね……。
ダーエロの奴はまだ生きているみたいだけど……」

ダーエロが殺し合いに乗っていたのは、
放送で死者として名前が呼ばれた、彼のストーカー相手である、
ヘレンのためである可能性が高い。
となると、彼女の死を知ったダーエロはどうなるのだろうか。
自殺か、或いは暴走か、それとも目が覚めて殺し合いを拒否するのか。
どれにせよ、もう残り人数は自分を入れ16人しかいない。
今更殺し合いを止めた所で脱出手段が見付かる望みなど薄いのだが。
殺し合いをする気でいる自分には関係の無い事だ、とエロリアは思う。

「次はどこへ行こうかしら……そう言えば、地図に教会ってあったわね。
この道をずっと真っ直ぐ行けば着くらしいから、行ってみよう」

エロリアは次なる行き先をエリアA-2の教会に定め、通りを進む。



エロリアは気付かなかった。
何気無く通り過ぎた民家の内部に、三人の参加者の死体と、
所持品が放置されている事に。



【小野妹子@ギャグマンガ日和  死亡】
【女遊び人@ドラゴンクエストⅢ  死亡】
【フラウ@自作キャラでバトルロワイアル  死亡】
【残り  13人】



【一日目/昼間/A-4市街地中央部】
【エロリア@VIPRPG】
[状態]健康、A-2教会へ移動中
[装備]大宇K2(30/30)
[所持品]基本支給品一式(食糧一食分消費)、大宇K2予備マガジン(30×3)、青竜刀、
 デ○ルド、M24型柄付手榴弾(2)、拳銃型催涙スプレー(容量満タン)、
 水と食糧(2人分)
[思考・行動]
 基本:殺し合いを楽しむ。
 1:教会へ向かう。
[備考]
 ※小野妹子、女遊び人、フラウの死体には気付いていません。



※A-4市街地中央部民家の内部に小野妹子、女遊び人、フラウの死体及び
所持品が放置されています。



狂わば死鐘 時系列順 衝撃のアルベルト
狂わば死鐘 投下順 衝撃のアルベルト

迫る、事実を知る刻 小野妹子 死亡
迫る、事実を知る刻 女遊び人 死亡
迫る、事実を知る刻 フラウ 死亡
男は愛する人のために、女は己のために エロリア 空を仰ぐ――――
ツールボックス

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