「JOKER」


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気付けば相川始は、一棟の民家の中に立ち尽くしていた。
視線を左右に這わせ、何者かの存在を探索する。
人の気配はなし。少なくともこの家の内部には誰も居ないと、相川は判断した。
判断すると同時に、その場にて立ち尽くしたまま思考を始める始。
思い出されるは、つい数分前、唐突に行われた惨殺事件。
何時も通りに仕事を終え、束の間の団欒を過ごし、寝床についた筈だった。
しかしながら、覚醒と共に眼前で繰り広げられたものは、凄惨極まる反吐がでるような虐殺劇。
抵抗する気配すらなかった男を、一方的に殺害した兵藤という老人。
兵藤の口から語られる、バトルロワイアルと称された殺し合い。
人間が皆善人だとは思わない。
だが、ここまでの所業を愉悦を以て執り行える人間がいるとは、思いたくなかった。
アイツが救おうとした世界は、アイツが救おうとした人類は、こんな醜悪なものではない。

「……兵藤……」

それは、静かな怒りであった。
表面上は冷静に、だが心中には怒りという名の熱い奔流が渦巻く。
相川始はある男に救われた。
命ではなく、『相川始』という存在自体を、救われた。
そして、その男は同時に『世界』をも救った。
『相川始』と『世界』……そのどちらもを救った代償は、男自身の存在。
結果として男は、人間を止め化け物とならざるを得なくなったのだ。
それは男の存在の消滅と殆ど意味は変わらない。
人間を止めた男には、もう今までの生活を送る事など出来ないのだから。
始は許せない。
男がそうまでして救った『世界』で、こんな殺し合いを行う兵藤が、始には許す事ができない。

「兵藤……俺は貴様をぶっ殺す」

決意と共に、始は歩き始める。
静かな怒りを胸に、誰も殺させないと決意して。
アンデッドとしてではなく、ジョーカーとしてでもなく、『相川始』として戦う事を決意して。
始は進む。

(誰も殺させはしない……アイツのように人々を守ってみせる)

始の心中に浮かぶは、自分を救ってくれた男の姿。
何時いかなる時も人々を救う為に戦い続けた男。
奴のように戦おうと、始は思う。
幸い始には常人以上の力と、制限はされているものの不死者の身体もある。
ハートの2以外のラウズカードは没収されていた。その為カリスに変身する事は出来ないものの、それでも人並み以上に戦う事は可能だ。

(……ジョーカー化への欲求が強くなっているか……)

だが一抹の不安が無い訳ではない。
それは心の奥底に沸き立つ破壊への衝動。
今は気に掛ける程のものでもないが、その欲求は確実に殺し合いに参加させられる前よりも強くなってはいる。
そもそも殺し合いに参加させられるより前の時点では、ジョーカー化への欲求は皆無と言える状態だったのだ。
恐らくは、ラウズカードを手放した事により抑制が不充分になっているのだろう。
一度暴走してしまえば見境を無くし、自力で立ち直る事は困難になる。
目に映るもの全てを破壊するまでジョーカーは止まらない。
早々にカードを探し出す必要があるか、と始は思考した。

「俺はもう二度とジョーカーにはならない……相川始として戦う、この殺し合いを止める為に」

最強がアンデッドにして人間の心を得た存在―――相川始。
始の心にもはや迷いはなく、ただ自身の想いに任せて進み始める。
彼を救ったある男のように、その生き様を目指して、戦う。
相川始はもうジョーカーではなく、正義の使者・仮面ライダーとして、戦う。
ただ彼はまだ気付いていない。
彼を救ってくれた男がこの殺し合いに参加させられている事に、気付いていない。
ただ今は迷わず前へ。
自らの想うがままに、自らの心が求めるがままに、相川始は進んでいく。


【一日目/深夜/G-7・民家内】
【相川始@仮面ライダー剣】
[状態]健康、ジョーカー化への欲求(極少)
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、ラウズカード(ハートの2)@仮面ライダー剣、ランダム支給品×1~3
[思考]
0:殺し合いを止める。兵藤の元へ行き、兵藤をぶっ殺す
1:他の参加者を探す
2:ラウズカードの確保
※原作終了後から参加させられています


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