狂宴開幕~アタラシイサンゲキ~


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15話 狂宴開幕~アタラシイサンゲキ~


猫獣人のクォーター(外見はほぼ完璧な獣人)であるサーシャは恐怖していた。
いきなり巻き込まれた殺し合い。
最後の一人になるまで殺し合わされる死のゲーム。
ただの女子高生に過ぎない自分が生き残れるとは到底思えない。
首には爆弾付きの金属製の首輪がはめられている。
この首輪の威力は既に主催者の喋る狼比叡憲武によってまざまざと見せ付けられた。
全裸にされ、拘束された少女の首が爆発し、少女が血の海に沈む映像。
そこに自分の死体の幻影を思わず重ねてしまった。

「怖い、怖いよ……死にたくない……」

エリアC-5の森の中で、ある茂みの陰に座りながら、
サーシャは震えていた。
朝方とは言え見知らぬ薄暗い森の中に一人ぼっちと言うだけでも不安だと言うのに、
いつ襲われるか分からない状況が重なれば、もう居ても立ってもいられない。

サーシャの足元には二つのランダム支給品が置かれていた。
一つは回転式拳銃――RSAFエンフィールドNo.2。
ポケットの中とデイパックには予備弾が入っている。
二つ目は顔写真付きの参加者詳細名簿。
既に基本支給品の方の名簿を確認した時点で知っていたが、
クラスメイトも数人確認出来た。

クラスメイトに会いたい。だが、もしクラスメイトが殺し合いに乗っていたら。
信じたいのは山々だったが、死への恐怖がその思いを弱くさせていた。

「おい、誰かそこにいるのか?」
「ひっ!!」

背後から声を掛けられ、サーシャは思わず飛び起きた。
その際、足元に置いていたエンフィールドNo.2を手に取る。
茂みの向こう側にいたのは人間の青年――久保遼平だった。

「あ、驚かせた、かな? ごめん。えーと、大丈夫。俺、殺し合う気は無いから……」

遼平には殺し合う気は無かった。それ故、戦意が無い事を、
何とか目の前の猫獣人の少女に信じて貰おうと必死になっていた。

「あ……あ……!」

しかし、今のサーシャにとってそれは逆効果だった。
いくら遼平が口で殺し合う気は無いと言ってもそれがサーシャにとって、
真実なのかどうか見分けられる筈も無い。
ましてやこの殺し合いと言う状況、何でもあり得る。
殺し合う気は無いと言いつつ、腹の底では何を考えているか分からない。

サーシャはすっかり疑心暗鬼に陥っていた。

「こ、来ないで」
「え?」
「嫌ああああ! 来ないでえええ!!」

叫びながら、サーシャはエンフィールドNo.2の銃口を遼平に向け、
引き金を引いた。


ダアン!!


胸元に衝撃を感じた後、口の端から鉄の味のする液体が溢れるのを遼平は感じた。
何やら鈍痛のする胸元を右手で触ると、生温かい液体が手にべっとりと付着した。
見れば、何て事は無い、真っ赤な血液だった。

――そうか。俺、撃たれたんだ――――。

自分が銃撃された事を悟った直後、遼平の意識は消失した。



撃ってしまった。人を、殺してしまった。
サーシャは未だ銃口から煙を噴き出すエンフィールドNo.2を持ちながら、
立ったままブルブルと震えていた。
はぁ、はぁ、と呼吸が荒い。心臓の鼓動がとても速く感じた。

青年が殺し合いに本当に乗っていなかったのかどうか、今となっては確認する術は無い。
あの時、頭の中は死への恐怖で一杯だった。
殺し合いを否定しているこの青年の事が、どうしても信じる事が出来なかった。
気が付いた時には、銃の引き金を引いていた。

初めて人の命を奪ったという現実に、もはやサーシャは路頭に迷っていた。

「どう、しよう。私、どうしたら」
「死ねば良いと思うよ」

自分の右手側から、女性の声が聞こえた。


ダアン!!


右のこめかみ辺りをかなりの勢いで殴打された、とサーシャは感じた。
感じた瞬間、サーシャの目の前が真っ暗になり、二度と景色が浮かぶ事は無かった。


右手に自動拳銃――ツァスタバCZ99を構えた、
ウサ耳、尻尾にブレザーといういでたちの美少女、鈴仙・優曇華院・イナバは、
たった今撃ち殺した青い猫獣人の少女の死体を見下ろしていた。

事の顛末はおおよそ見届けていた。
この猫獣人の少女は恐らくこの殺し合いの中で疑心暗鬼に駆られていたのだろう。
青年の方が本当に殺し合う気が無かったのかどうかは分からないが、
ともかく、自分に危険をもたらすものと判断してしまい、猫獣人の少女は青年を射殺してしまった。
大方そんな所であろう。

もっとも鈴仙にとってそんな事はどうでも良い事だったのだが。

鈴仙は猫獣人の少女が持っていた回転式拳銃、
猫獣人のデイパックの中から予備弾、顔写真付きの参加者名簿、
水と食糧を抜き取り、続いて青年のデイパックの中を漁る。
しかし入っていたランダム支給品は、農作業用の鎌と、軍手だった。

「この状況で草刈りでもしろって言うの……まあ私の支給品じゃないし良いんだけど」

鈴仙は水と食糧だけ抜き取り、青年のデイパックを捨てた。

「顔写真付き参加者名簿か……どれどれ」

顔写真付き参加者名簿を興味本位で開くと、
この殺し合いの参加者総勢48人の顔写真が並んでいた。
顔写真は証明用に撮影されたものから盗み撮りされたようなものまで様々だが、
下に該当参加者の名前が記載されている事は同じである。

「ふぅん、女の子が多いわね。あと、獣人や獣も」

参加者は少女や獣人、獣が多数を占めていた。
普通の人間の男性はかなり少数派だ。主催者の趣味だろうか。

参加者の顔ぶれを一通り確認すると、鈴仙は顔写真付き参加者名簿を
自分のデイパックの中にしまった。

「さてと……どこに行こう」

次の行き先を考えながら、鈴仙は森の奥へと歩き去った。



【久保遼平@オリキャラ・再登場組  死亡】
【サーシャ@自作キャラでバトルロワイアル  死亡】
【残り  38人】



【一日目/朝方/C-5森中央部】
【鈴仙・優曇華院・イナバ@東方Project】
[状態]健康
[装備]ツァスタバCZ99(14/15)
[所持品]基本支給品一式、ツァスタバCZ99予備マガジン(15×3)、
 RSAFエンフィールドNo.2(6/6)、.380エンフィールド弾(18)、顔写真付き参加者名簿、
 水と食糧(2人分)
[思考・行動]
 基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
 1:次はどこに行こうか……。
[備考]
 ※特殊能力は一切使えなくなっています。



※C-5一帯に銃声が響きました。
※C-5森中央部に久保遼平とデイパック(水と食糧抜きの基本支給品一式、
鎌、軍手入り)、サーシャの死体とデイパック(水と食糧抜きの基本支給品一式入り)
が放置されています。



≪支給品紹介≫
【RSAFエンフィールドNo.2】
RSAF (Royal Small Arms Factory、イギリスの国営小火器工廠)が
製造した中折れ式回転式拳銃。
某大佐が使っているのもこの銃らしい。

【顔写真付き参加者名簿】
全員分の顔写真が載った名簿。
顔写真は証明写真や盗撮写真など様々。

【ツァスタバCZ99】
軍用向けの大型ダブルアクション式自動拳銃で、旧ユーゴスラビア(現セルビア)の
ツァスタバ アームズ社が開発し軍の制式拳銃に選定された。

【鎌】
草刈りなどに使われるごく普通の鎌。

【軍手】
何の変哲も無い作業用の軍手。



斬殺許可証 時系列順 今日心許ナシ
斬殺許可証 投下順 今日心許ナシ

ゲーム開始 サーシャ 死亡
ゲーム開始 久保遼平 死亡
ゲーム開始 鈴仙・憂曇華院・イナバ 集え、学び舎に
ツールボックス

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