7-250 悩んでも仕方ない


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147 名前:悩んでも仕方ない 1/4 投稿日:2006/11/12(日) 04:24:23
さて、日も変わり道中が太陽の光に照らされている頃。
楊儀と不思議な仲間達は念願の呉都までもう少しと言うところで放送を聞いた。
またすぐに踵を返さなくてはならないと知り、若干の落胆を味わったが、逆を言えば禁止エリアによる囲い込みで
魏延に近づける可能性が見出せた(ような気がした)ので、気を取り直し、報告も兼ねて逆行を始めていた。

「……楊儀殿、音楽を聞きながら歩くのはあらゆる意味で危険では御座らぬか」
後ろから李典が声を掛けるが、余り聞こえてないようだ。
最初は黙々と三人揃って歩いていたのだが、そもそもの言いだしっぺの癖に、楊儀は長い道程が飽きて来たらしく、
退屈を紛らわせる道具はないものか、と考えたところ、支給品のMDウォークマンの存在を思い出したのだ。

これまで聴いた曲はどれも彼の心に活力とヒントを与えてくれたものだが、果たして次の曲はどうだろうか。
期待半分、不安半分でイヤホンを耳に差し、再生ボタンを押した。

軽快な音楽と女の歌声が流れてきた。

 もう 伏目がちな昨日なんていらない 今日これから始まる私の伝説
 きっと男が見れば 他愛の無い過ち 繰り返してでも
 自惚れとか強かさも必要 そう 恥じらいなんて時には邪魔なだけ
 清く正しく生きる それだけでは退屈 一歩を大きく

 進もう毎日夢に向かって 漠然とじゃない 意図的に
 泣きたい時には 涙流してストレス溜めない

 ほんの些細な言葉に 傷ついた だけど甘い物食べて幸せよ
 気紛れに付き合うのも大変ね 悪いとは思うけど止められない

 新しい物 大好き 詳しいの 機嫌取るには何よりプレゼント
 男では耐えられない痛みでも 女なら耐えられます 強いから



148 名前:悩んでも仕方ない 2/4 投稿日:2006/11/12(日) 04:27:08
「……はああぁぁ……」
どうやら聞き終えたらしい楊儀が、盛大な溜息をついた。何故だか妙に落ち込んでいるように見える。
聞いている最中は拍を取ったり踊ったりしていたのに、どういうことだろうか。
「そうだよなぁ、気持ちの上でこのぐらい強くならなきゃ、本当は駄目なんだよなぁ」
そう言って、その場でうなだれてしまう。
一体何事かと思い、ぶつぶつ言っている楊儀の言葉を拾う太史慈と李典。
「……俺はこんな風に能天気に強くなれねぇ……
 つくづく凄いよな、女って生き物はよ……」
涙ながらに切々と語る楊儀。
どうも何かを勘違いしてそうな気がするが、そこについては突っ込まない。
再び大きな溜息を吐き、遠くを見る目に涙を溜め、ぽつりぽつりと述懐し始めた。
いや、ひとたび言葉が紡がれ出した以降は、むしろまくし立てていると言って良かった。

「なあ、本当は魏延とかマジでどうでもいいんだ、
 いやどうでもいいというか、むしろ絶対会いたくないって言うか……
 魏延だけじゃなくて、索敵即破壊みたいな物騒な奴とかマジ困る。痛いのとか耐えられないから、いやマジで。
 もうどっか遠くへ逃げたい……」

この殺戮遊戯が始まったばかりの頃を楊儀は思い出していた。
あのときは、魏延の形相が記憶に強く貼り付いて、とにかく逃げる事ばかり考えていた。
一度はそれじゃ駄目だと思って仲間探しや自己啓発をしてはみたものの、
やはり人間、恐怖に打ち勝つのはなかなか難しいものだ。



149 名前:悩んでも仕方ない 3/4 投稿日:2006/11/12(日) 04:32:11
うずくまって頭を抱えている楊儀の肩に、太史慈の手が置かれた。
「……今、ここから何処かへ逃げたら、その首に付いている奴が吹っ飛ぶぞ」
待て、論点はそこじゃねぇよ! 李典は心の底から突っ込みたい衝動に駆られた。
「そ、そうだな……こいつを、こいつをどうにかしなきゃな……」
自分の首に架せられた白銀の環を握り締めて、楊儀は小刻みに震えだした。
「そうだな、では私のこの『すたんど』で一撃粉砕――」
「だー! それやったら楊儀殿死んじゃう! 死んじゃいますから!」
さすがに心の中で突っ込むに留まらず、李典は太史慈を羽交い絞めにした。
「む、そうか、破壊しようとすると爆発するんだったなこいつは」
……忘れてたのか。うっかり殺されるところだった……。楊儀は別の意味で身体を震わせる。
「しかし、実際そんな物騒なものを首に付けっぱなしというのは、怖いものですな。何らかの手掛かりがあれば良いのですが……」
そこまで言って、ふと楊儀の耳元、そして掌に握られた四角い箱に目が行く。
「そういえば、今まで楊儀殿はそこから聞こえる歌に着想を得て、行動されていたのですよね。
 一応その【音の出る箱】は支給物ですし、もしかしたら、本当に手掛かりになるものが入っているのかも」
李典の言葉に、楊儀と太史慈がぐるっと首だけで振り向いた。
「そ、それだーッ!」
いや、そこで無条件に納得するなよ! 李典は一抹の不安を覚えた。

こうして、イヤホンをひとり1つずつ、一度に2人ずつでMDの中身をあらためることになったのだが、
5曲目を李典と太史慈が聴いている際、少し遠くに人影が見えた。こちらには気付いていないようだ。
大変均整の取れた体格の女性が、物凄い形相で何やらぶつぶつ言いながら早足で去って行くのを見て、楊儀は思った。
「……やっぱ女って凄ぇ……」



150 名前:悩んでも仕方ない 4/4 投稿日:2006/11/12(日) 04:33:58
<<楊儀くんと子義マンセー/3名>>
太史慈[スタンド使い]【ジョジョの奇妙な冒険全巻】
李典【SPAS12】
楊儀[ちょっと欝]【MDウォークマン】

※なんとか楊州まで行きましたが、禁止エリアになる為、来た道を引き返し中。現在は荊州南部辺り。
※とりあえず休憩がてら、MDの中身を一通り聞いてみることにしました。
※MDの4曲目は『THE iDOLM@STER』。
※いろいろな意味で楊儀は精神的に不安定なようです。
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