7-141 焔の夢


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379 名前:焔の夢 1/3 投稿日:2006/07/27(木) 00:29:27
エン州は東郡。
だんだんと日が差してきた薄暗い森の中を、
ガサリ、ガサリと音が立つのにも構わずに、その男は歩いていた。
(曹操)
血走った瞳に異常な光が宿る。
(賈、ク。何処に居るのだ)
ガサリ。ガサリ。
男―――張繍は手に持った山刀で周囲の枝を払いながら進む。
切っ先が滑る度に、梢が音を立てて切り落とされた。
(賈ク。何故迎えに来ぬのだ。董卓の下で培った私の武と、
 冷厳なるお前の智謀が合わされば、曹操など一ひねりだろう?)
今や、張繍は完全に狂っていた。
体は、曹操を屠る為のみに動き。
心は、この山刀が曹操の首を飛ばすことだけを願って、
彼はただひたすら、前へと進んでいた。
(賈ク、曹操は許昌だぞ。奴の行くところなど其処くらいしかあるまい。
 そうだ賈ク。許に着くまでに幾つか策を考えておけ。
 着いてから考えたのでは遅いからな、」
途中からは、口に出ていた。傍らに居るはずの賈クに言い聞かせていたのだ。
もちろん、隣には誰も居ない。
「よいか。曹操は生半可な策では死なぬぞ。
曹操はしぶといからな。曹操はな、曹、」


隣には、確かに誰も居なかったけれど。


380 名前:焔の夢 2/3 投稿日:2006/07/27(木) 00:30:27
辺りに銃声が響いてから、五分。
たっぷりの時間を待って、于禁は寝床としていた大木から滑り降りた。
六歩先にある張繍の死体には、心臓に小さな穴が開いている。
――張繍から六歩分、斜め後ろにある、大木。
そこから、狙撃した。
「・・・馬鹿か?」
あんなに大声で。むちゃくちゃに梢を切り飛ばして進んで。
ガサガサと、音を立てて。
―――撃ち殺されて当然だ。
于禁は、すこぶる機嫌が悪かった。
先ほどようやく寝付いたばかりだというのに、
この男の起こす音によって、容赦なくたたき起こされたのだ。
(大体あんな馬鹿でかい声で喋りやがって・・・こっちだって危険になるんだ、
 この糞、糞、糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞)
腹立ち紛れに、伏した頭蓋を踏み潰すと、ぐしゃりという嫌な音をして、
血と脳漿が周囲に跳ねた。
「きっ!・・・たねー、なぁ・・・」
びしゃ、と靴にこびり付いた脳漿を拭う。
その後で、硬直した死体の手から山刀をもぎ取り、
ザックの中から水と食料を取り上げて、于禁はその場から背を向けた。


381 名前:焔の夢 3/3 投稿日:2006/07/27(木) 00:32:17
――森には、各所から光が差し込んできていた。
張繍の死体がある場所から、幾許か離れたところで、于禁は立ち止まった。
周りに気を張りながら、リストを取り出して、広げる。
先程流れたばかりの放送を、少しばかり反芻してみた。

曹公は、ご無事のようだ。
――安堵。
張遼と張コウはまだ、生きている。
――よかった。
曹丕は、虞翻は。
――――――死んでいない。

(よかった)
天はまだ自分から、復讐の機会を取り上げる気は無いらしい。
(本当によかった)
于禁は、指紋のついた山刀をよくよく拭いながら、西南の方角へと足を進めた。
許都は、少しばかり遠くにある。


【張繍 死亡確認】


@于禁【AK47カラシニコフ、山刀】 『現在地 エン州・東郡南部』
※張繍が許都、許都言っていたので、
 刷り込まれて許昌に向かうことにしたようです。
※曹丕、虞翻を中心に、恨みのある将を狙います。
※曹操、張遼、張コウ相手には友好的です。
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