7-134 血統

353 名前:血統1/2 投稿日:2006/07/25(火) 23:42:06
馬超は武器を抱えたまま、ふらふらと歩き続けた。
意識はしていなかったが、染みついた習性が人の気配を避ける。
そのまま運良く誰にも会わずに、夜を迎えた。
山道を進んでいる途中に大木の洞を見つけ、そこに腰を落ち着ける。
…とたんに襲ってくる疲労。
瓦礫を退けた後、ここまで武器を抱えて歩いてきたのだ。
思えばそれなりの重労働であった。精神的なものもあったかもしれない。
ほどなくして、放送が聞こえてくる。
呼ばれた中に知った名もあったが、どうでも良かった。
なぜ自分がここにいるのか。何をすればいいのか。
考えがうまくまとまらない。一度死んだ脳だ、めぐりが悪いのも道理だろう。
そうだ、確かに自分は死んだ。親しい者たちに看取られて…。
心残りはあったが、自分には上等な死に方だったと思う。
今更「生き残る」ことを目的にも出来ない。とはいえ、進んで死にたいとも思わない。
爆弾を放ったのもそんな気持ちからだ。
しかし、これからも人を殺し続けるのか?勝ち残りたくもないのに?
…考えはまとまらない。
所在無く、参加者名簿を開いてみる。月明かりでなんとか読むことが出来た。
先ほど聞いた放送を思い出し、死亡者に印を付けようとしたが…やめた。
誰が生き、誰が死のうが自分には関係ない。
…関係…ないか?


354 名前:血統2/2 投稿日:2006/07/25(火) 23:46:11
たとえば、曹操。
この手で殺したい。今度こそ。
だがこの場で殺すのはもはや仇討ちではなく、ただの私怨。
しかも殺すことは…自分の望み以上に献帝の望みなのだ。
わずかに残った矜持が警鐘を鳴らす。愚かなことは止めろ、と。
それでも会えば、この望みを止められる自信はない。
…止めるつもりも無い。

たとえば、劉備。
彼の覇業を最後まで支えられなかった。
それは今でも申し訳なく思っているしている。
だが、この戦いで彼を支えることが…なんになるのだろう。
そもそもこの戦いの意義は何だ。
わからぬまま、ただ頭を垂れるのも我慢ならぬ。
殺したいとは思わない。だが、従いたいとも思えない。

関羽、姜維、黄忠、諸葛亮、趙雲、張飛…名簿に懐かしい名前を見つけては思いに浸る。
だが、どれも納得の行く答えは出ない。
そうして名簿を辿っているうちに…ひとつの名前に辿り着く。
馬岱。
遺していった、従兄弟。

あ、こいつは死なせたくないな、と思った。
何の迷いも無く得た答えだった。

@馬超【高威力手榴弾×7個、MP5、ダガー】
※馬岱を探すため漢中へ向かいます。敵、特に曹操は即殺します。
※劉備を始めとるする知人は殺しませんが、協力する意思も低いです。

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最終更新:2007年04月14日 23:18
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