村田担当セクション

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有価証券報告書より抜粋してまとめ。第58期25~30ページ

・ANAの直面している課題

基本経営方針:安全運行の堅持を大前提とした航空輸送サービスの基本品質とグループ収益の向上により、顧客、株主からの信頼を得ること

中長期経営戦略

一、経営基盤の強化・・・安全優先の企業文化の醸成、新幹線との競争を踏まえた定時性の強化、CSR(社会的責任)の確保

二、成長戦略・・・イノベーションとグローバリゼーション

三、国内路線の事業展開・・・路線ごとの需給適合の推進(収益の確保)、提携航空会社とのコードシェアの活用による効率アップ
                  羽田再拡張(2010)以後は羽田をハブとした路線の強化、基幹空港と地方における機材の運用をシンプルローテーション(単純往復)にすることで定時制、効率性を確保、乗り

継ぎ型運賃によるネットワーク競争力の向上

*シンプルローテーションっていうのは特定の飛行機をA空港、B空港の往復以外に移動させないということ。
そうでないローテーション、例えば羽田→セントレア→伊丹→セントレア→羽田みたいなローテーションだとセントレア→伊丹が欠航になったら後ろの運行も出来なくなって代わりの便を手配するのにコス

トがクソみたいにかかるのです。

国内線の営業戦略については「簡単・便利」を追求して「プレミアムクラス」の小型機への装備、マイレージのリニューアル







・事業等のリスクと対応策

1 原油価格変動リスク・・・コモディティデリバティブ(つまり商品市場での金融商品)取引の活用によるリスクヘッジ。具体的には先物取引とか、オプション取引(契約時の価格で原資を購入、売却)とか。
リスクヘッジするヘッジ取引量としては、国内外の調達数量のうち一定水準をヘッジ枠としてヘッジ取引の対象とし、四半期ごとに計画取引数量を設定している。
現実の取引では、一回あたりの取引数量を現物の価格に影響の無いような範囲で行い、現物引渡しはしないで差金清算のみで毎月取引が実施されている。
ただ、異常な原油高につき燃油費・税金の総額が2661億に上り(前年度比299億円増加)、営業費の19%を占めている。コスト削減策、運賃等への転嫁も限界に達しつつあり経営に影響を及ぼす恐れが。
(すでに路線縮小など経営に響いていますね)

2 為替リスク・・・航空燃料の購入を外貨建てで行っているので円安時の収支悪化が大きい。対策として売り上げによる獲得外貨を外貨建て取引になるべく充当したり先物為替予約や通貨オプション取

引を活用したりでリスク軽減を図っている。

*ANAの航空燃料はシンガポールケロシンを使っている(シンガポール市場における航空機燃料ケロシンのこと)ので、おそらく燃料取引は米ドルにペッグして行われているでしょう。

3 訴訟リスク・・・米国でのカルテル疑惑、欧州委員会でのEU競争法違反通知があるみたい。賠償金が出れば莫大な金額になるし、スターアライアンスの数社と国内線でコードシェアをしてるのでスタア

ラが解散させられると経営に支障あり。

4 フリート戦略でのリスク・・・フリート戦略(中期経営計画を見てください)ではボーイング社への航空機材の依存、三菱重工との間での低燃費ジェット計画の不確実性などがリスクとして存在。欧州路線

ではエアバス機導入もあるみたいだけどフリートの主な舞台であるアジアに関してはあんまり関係ないと考えてよし。

5 法的規制に関わるリスク・・・運賃、料金設定で独禁法とかに引っかかるかも。ANAが受けている法的規制としては航空法その他関連法、条約、二国間協定、IATAの決定事項、独禁法とか。

6 公租公課リスク・・・航空使用料が高くなるとヤバいってこと。国の軽減措置を受けてはいるが過去の事例として軽減が縮小している事もあるので安定的なものではないといえる。

7 環境規制によるリスク・・・温暖化ガスの排出量、環境汚染物質の使用や廃棄に関して法的規制がある。炭素税などが始まるとマズそう。

8 競合リスク・・・利益確保のために間接・固定費の軽減、機種統合による効率化などのコスト削減が必要であり、運賃・料金にコストを転嫁する必要がある。しかし、国内外の同業他社、代替交通機関と

の競争のためコスト転嫁に大きな制約がかかる。

9 合弁会社、提携戦略でのトラブルリスク・・・スタアラが解散する事による経営上リスクとか。







参考
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?queId=5782591
http://www.okaneyarikuri.com/deribatibu/deribatibu.html
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=196384&lindID=5
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0196384_01.pdf
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1516925.html

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最終更新:2008年08月08日 01:17