ゆっくりいじめ系711 ある植物型奇形妊娠の話


※人間は出てきません
※虐待分は最後の方にちょっぴりだけです





ここは、人の手が加わっていないだだっ広い河川敷。
冬の名残の雪も溶け切ったころの話。
日が落ち始めたそこに、二つの丸っこい影がもつれ合っていた。
ゆっくりの中でもポピュラーな種であるれいむとまりさのつがいだ。
二匹は体液をまき散らしながら、さらに激しく絡み合う。
そして……

『『すっきりー!』』

この日二匹の間に複数の命の種が、植え付けられた。


植物


――ゆっくりの巣

交尾してから数日後、れいむの頭から枝が生えてきた。
すでに蕾もいくつか見れた。
既に大黒柱としての自覚が芽生えたのか、まりさは今朝も早くから食料調達に出て行った。

『ふぁふぁいふぁ!いっふぁいふぉふぁんふぉってふぃふぁふぉ!!』
『おかえりなさい!まりさ!!』

まりさは、口一杯に頬張った物を吐き出した。
木の実、お花、虫さん等等……今すぐにも冬ごもりが出来そうな勢いだ。
赤ちゃんが生まれるのは冬ごろになりそうだから、まりさの頑張りもひとしおなのだろう。

通常、ゆっくり種は秋から冬に掛けては子作りをすることはない。
なぜなら、子を宿せば最も食料が必要な状態になり、巣に籠りがちになる。
そうなれば稼ぎ頭が一匹になり、冬ごもりへの備えと母体へのエサと負担が二倍になるからだ。
下手をすれば、備えが不十分なまま子を産み冬を迎え、一家心中にもなりかねない。

『こんなにたべられないよぉまりさ』
『れいむはあかちゃんのぶんまでもっといっぱいたべなきゃいけないんだぜ!!』
『わかったよ!あかちゃんのためにもっとたべるね!!』

しかし、この二匹はそんなことは気にしていなかった。
なぜなら、二匹ともここで育ってきたのだが、飢えを知らなかった。
周りは川に覆われ、孤島の様になっており、自分たちの競争相手がいないのだ。
しかも家の周りには、植物が群生していて食べ物にも困らない。
夏に川の水位が下がり、何匹かのゆっくりが迷い込んでくるが、すぐにまりさが追い返した。
そんな環境のおかげで、れいむはゆっくりの家族が何組も養えるほどの食料を一日で消費していった……


『ゆ~♪ゆ~ゆゆ~ゆゆ~♪』


枝が生えてから、約二週間がたった。
れいむはまりさとともに巣で我が子に歌いかけている。
計六つの実が成熟し、それぞれが既に目を瞬くまでになっていた。
植物系の特徴は早産があるが、それは栄養状態と生活環境の劣悪さから、母体の負担を減らすためだ。
また、産後の赤ゆっくりが枝から不足分の栄養補給、母体から独立することによる効果もある。
しかし、前述した様にこのれいむは体型が型の様になるまで食事を摂取している。
さらに、外敵はおろか、このつがい以外のゆっくりもいない最高の環境が出産の時期を遅めた。

『ゆ!う、うまれそうだよぉおまりさ!!』
『ゆ、ゆっくりがんばるんだぜ!れいむ!!』

六つのうち、最も大きく成長した実が……と言うより、異常に肥大した実が震え始めた。
この実はゆっくりれいむ種の様だ。
栄養が良すぎたのか、それは既に子ゆっくりサイズにまで成長し、表面はパンパンに張っている。

『ゆゆ~!』

プツンッ


赤ゆっくりは目が形成されてから、言葉は出せずとも意識を持っていたし、その間の世の中も見てきた。


わたしはさいしょにうまれてちょうじょになるんだ。
まずは、おとうしゃんとおかあしゃんにあいさつをしよう。
いもうとたちがうまれてきたらいっしょにあそぼう。
かぞくみんなでずっとゆっくちちようね!!


『ゆっくち――』

バチャンッ


落ちたそれは、地面に着いたと同時に餡子と皮の残骸と化した。
あまりにも早すぎる生涯の幕切れに、その死に顔はこの世の恐怖を一時に目の当たりにしたかのようなものだった。

『ゆ゛!?』
『どお゛じでぇぇぇ!?』

この二匹は知るよしもないが、この惨状の原因はやはり病的にまでに肥大したことだ。
この実は、成熟して落ちたのではなく、自重で落ちたのだ。
植物型の実は、外部からの衝撃から守るため、昆虫の様に硬い甲殻の様な皮に覆われている。
しかし、伸縮性の無い皮にパンパンに餡が詰まったそれは、無理やり皮を引き伸ばし、強度すらも奪っていた。
未だ落ちぬ赤ゆっくり達は、自分の未来の姿を見たかの様に震えだした。

『どぉじでじんじゃうのぉぉ!?』
『れいむおちつくんだぜ!あかちゃんはまりさがうけとめるんだぜ!!』

その後、まりさがクッションの役目をして、四匹は無事に生まれ落ちた。
内訳はれいむ二匹、まりさ二匹だ。
しかし、最後の一匹、この中で一番小さいまりさ種の子供が落ちてこなかった。
すでに目、口、飾りまで造形されており、あとは生まれ落ちるのみである。

『ゆっくりおりてきてね!!』
『ゆっくちおりれないよぉぉぉ!!』

最初に死んだれいむに栄養を持っていかれたのか、生まれ落ちる力もなかった。
結局、落ちてくるまでは仕方がないと、現状維持に留まった。

『ひとりへっちゃったけどこれからみんなでゆっくりしようね!!』
『『『『『ゆっくちちようね!!』』』』』
『おかぁしゃん!ゆっくちおなかがすいたよ!!』

長女が死んだことを忘れたのか、すでに餡子脳には食欲のみが支配していた。
この時、茎が落ちて赤ゆっくり達の最初の食事となるはずなのだが……

『ゆゆ?くきがおちないよ!!』
『ゆっくりおとすんだぜ!!』
『やめちぇおとうしゃん!くきがおちちゃらまりちゃがゆっくちできないよ!!』

一匹残っていたせいか、茎が落ちてくることが無かった。
仕方なしに、まりさが狩りに出て、すぐに食料を調達してきた。

『『『『むーちゃ♪むーちゃ♪ちぁあしぇー♪』』』』

生まれ落ちた四匹は、初めての食事にご満悦の様だ。

『まりちゃもあなかすいちゃ!』

茎にのこったまりさが、親れいむに催促した。
しかし、ゆっくり達では届かない高さに残っており、親れいむが食事をすることによって間接的に食事を与えた。

『ちゅーちゅーしゃーせー』

茎を伝って栄養が送られるのは分かったが、赤まりさは咀嚼しない分不満そうだ。
それでも一応血色は良くなったが、それ以来この茎ゆっくりは食事の時以外はほとんど喋らなくなっていた。

『『しんじゃったおねえちゃんのぶんもみんなでゆっくりしようね!!』』
『『『『『ゆっくちちようね!!』』』』』


それから数日後、シトシトと雨が数日続いていた。

『ゆぅ、ぼんぼんがいだぃ゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛』
『おかあしゃんどぼじでだじゅけでぐべろべろぇ゛ろ゛え゛ろ゛ぉ゛お゛』

そんな中、赤れいむと赤まりさがそれぞれ一匹ずつ食当たりで死んでしまった。
通常はあり得ないことだが、生まれ落ちる際に栄養が一匹に偏り、免疫となる茎を食べなかったことが原因であろう。
親ゆっくりは、子育ての経験が全く無く、今まで貯蔵することも無かったので、食料が傷むことすら知らなかった。

『ごべんね ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛』
『ゆっぐじぃ、ゆっぐじしでねぇ゛ぇ゛』

父も母もただオロオロと泣くばかりで、何の役にも立たなかった。

『むのうなおかぁしゃんはゆっぐりじねぇぇ』
『やぐだだづはばりざのおやなんがじゃないよぉぉ』

それから間もなく、二匹そろって無力な両親に呪いの言葉を残し息を引き取った。
この出来事がきっかけで、つがいは親としての意識を強く持つことになった。
まりさは以前にも増してエサを採ってきたし、れいむは傷みやすい食糧を見分ける事ができるようになり、貯蔵庫もしっかりと整理した。
赤ゆっくり達もそれぞれ大きくなりつつあった。
しかし、食当たりを起こした三日後、梅雨入りをしたのか以前と比べ物にならぬくらいの雨が降った。

『おとーしゃんたちゅけぶぇ゛ごぼごぼごぼごぼ』

巣の周りの植物を食べ尽くしてしまったので、親まりさが帽子を船にして川を渡って食料を調達していた。
赤まりさは何を思ったのか、親の後に続き、増水した川の流れに呑まれていった。
親まりさはそれに気付かずに、帰りに赤まりさの後を追うことになった。

『やさしいれいむがいれば、あのことだけでもゆっくりできるよね……』

親まりさは、今際の際に巣に残してきた親れいむと茎まりさ、既に死んだ赤まりさのことを思い残し、川の流れに果てた。



『ぷんぷん!れいむたちにおなかをすかせるなんてまりさはやくたたずだね!!』
『ゆ゛ぅぅぅ……』


一方巣では、既に優しい親れいむの姿はなかった。
空腹のためかギリギリと歯ぎしりをし、いなくなった赤まりさのことは気にも留めていなかった。
むしろ後の食料の取り分が増えるとまで考えるほどだった。
苛立ちから茎が揺れて、赤まりさは気分が悪くなってしまったようだ。
この茎まりさは、生まれ落ちるどころか、茎が太くなりより強く固定されていた。
飢えを知らずに育ってきたれいむは、自分勝手に自らの不満を述べ、発散するように跳ねる。

『ゆ゛べぇえ゛ろ゛え゛ろ゛え゛ろ゛』
『ゆ!?なにはいてるの!?ばかなの?しぬの?はいたられいむのえいようもなくなるんだよ!!』

その振動に耐えられなくなった茎まりさが嘔吐してしまった。
親れいむはそれを叱り、原因も分からずかより激しく跳ねる。
この親れいむは、巣でゆっくりしていれば親まりさがエサを持ってくることが当然になっていた。
運動不足から、子を産む前と同等か、それ以上にブクブクと肥っていた。

『はぐな!はぐな!はぐなぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!』
『う゛ぇ゛ろ゛う゛ぇ゛ろ゛う゛ぇ゛ろ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛』

親れいむは活力が吸い出される不快感にヒステリーを起こし、より強く跳ねる。
茎まりさは既に餡を吐き出す、物言わぬ蛇口と化している。
それに憤り親まりさが……と負の循環にはまっていた。

ズシンッ

ズシンッ

ビチャッ


『ゆ゛ゆ゛ぅ゛ぅ゛!?どぼじでぇ゛ぇ゛ぇ゛!?』

しばらく跳ねていると、地面から水が染み込んできた。
この巣は、俗に言う“中州”の上に建っており、流木の空洞を住まいとしていた。
連日の雨に川の水位は上昇し、土嚢代わりの植物群は食いつくし、ついに巣にまで水が来たのだった。

『ごんな゛どごろじゃゆっぐじでぎな゛い゛よ゛!!』

親れいむは巣から出ようと試みた。
しかし、今までロクに動こうとしなかったことが裏目に出て、出入り口から出られなくなってしまっていた。
何とかしてここから出なければ、永遠にゆっくりできなくなる!

『ごの゛や゛ぐだだず!ぼっどはげぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』
『お゛ぇ゛え゛べぇ゛ろ゛え゛ろ゛びち゛ゃ……』

追い詰められて出した結論は、茎まりさに余分の餡を全て吐き出させ、体型を元に戻そうというものだった。
跳ねずに、茎のみを重点的に揺らした。
どんどん餡子が減っていく不快感は耐えられないが、目論見どおり徐々に体は小さくなっていった。


ぷちん


あと一息というところで、茎まりさが生まれ落ちた。
勢い余って壁にぶつかり、頭から着水し、そのまま巣の外へと流れ出ていった。
親れいむはポカンとしていたが、すぐに赤まりさを追いかけた。

『ま゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛!べいぶをお゛いでいぐな゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!』

すぐに赤まりさの姿を見つけ、捕まえようとする。
……が、巣の入り口にピタリと詰まり、身動きが取れなくなった。
赤まりさは帽子の中でクルリと立ちなおし、川の流れに乗っていく。

『ばだじを゛だずけ゛ろ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!ごのおんじらずぅ゛ぅ゛ぅ゛!!』
『おかぁしゃんとはゆっぐじでぎないよ!!おとうしゃんといっしょにゆっぐじずるからおかぁしゃんはゆっぐじじねぇ゛ぇ゛!!』

先ほどまで嘔吐していたせいもあり、互いに濁った声で罵り合った。
親れいむは自ら嘔吐しようと試みたが、体験したことの無い不快感から嘔吐することができなかった。

『ゆ゛ぅ゛びゅ゛う゛ぅ!どぼじでべいぶがごんな゛めにぃ゛ぃ゛!!ばり゛ざはやぐべいぶをだずげろ゛!ばやぐごい゛ごのごびぐずぅ゛ぅ゛ぅ゛!!』
『おとうしゃん……いまあいにいくからね。いっっちょにゆっちちようね……』

赤まりさは、親れいむの呪詛を聞きながら川の流れに身を任せて巣立っていった。

『どぼじだ!ごびぐずびゃやぐごべぇぼごぼごぼごぉぉ』

親れいむは水に沈み、ようやく餡子を吐き出し、望み通りの体型になることができた。
しかし、巣の中から出ることはなかった。


この一部始終を、近くで見ている存在があった。
この中州のすぐ近くにあるゆっくりの集団だ。
彼女らはれいむ達より長くこの地に住んでおり、中州の危険性も知っていた。
水の引く夏に、忠告に行く度に追い返され、見捨ててしまっていたのだ。

彼女らは知っていた。

どんな優れたゆっくりでも孤立してしまえば、滅んでしまうことを……

彼女らは戒めていた。

目先の豊かさの先に、待っているものは破滅であると……


結局、最初に何の知識もなしに中州に住み着いたこと。
何の考えもなしに、周りの資源を食いつぶしたこと。
そしてなにより、無知からの奇形出産におよんだこと。
一つ歪めば、歯車はどんどんずれていき、破滅へと辿り着く。


降りしきる雨の中、赤まりさは今までに無いほど穏やかな気分だった。
帽子の中に雨が溜まり、全身をさらし続けていてもゆっくりできていた。

『おとうしゃん、いまあいにいきゅよ……』

この哀れな赤ゆっくりの願いは、間もなく叶えられた。







後書き

今回は、以前話題に上がっていた赤ゆっくりの話を書いてみました
植物に水をやりすぎたり、液体肥料をまんま使ったりすれば、根腐りや枯れたりしてしまう。
ゆっくりの植物型出産も同じじゃね!?
というのが持論だったり……

今まで書いた作品

紅い弾丸
ある新人ゆっくりーだーの話(前・後)


以後、自分のペンネームをケラ子とします



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2009年03月06日 06:20
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。