ゆっくりいじめ系3059 捕食者の宴

  • 俺妄想と設定多数注意
  • 軽い交尾表現有り










人里離れた山の奥。
そこにはぱちゅりーが統治する中規模の群れがあった。

村に侵入して好き放題暴れまくるゲスが居なかった事もあり、
この群れは人間に対して害が無いと言う事で、駆除対象にはならなかった。
長のぱちゅりーは人間に関わることを是としなかったし、最適な生き方を仲間に伝えている。
ここは素晴らしいゆっくりプレイスとして、未来永劫ゆっくり出来ると信じていた。

しかし、そんな良好な餌場を天敵が放って置く訳が無い。





「ゆーん!きょうもいっぱいとれたね!」
「きちょうなくだものさんもとれたよっ!」
「ふかふかのくささんもいっぱいだね!」

頬袋を一杯にしたれいむが急いで帰り道を跳ねる。
今日はご近所さんのまりさとありすで一緒に狩りに出た。
まりさの帽子もパンパンに膨らみ、十分な収穫を手に入れることが出来て大満足のご様子。
ありすも念願のベットを作れるので終始笑顔でゆっくりとしていた。

れいむもご機嫌だった。
滅多に食べれない貴重な果物がたくさん取れたのだ。
それに加えて、滅多に口に出来ない甘い蜜も少しばかり手に入る。
これはいざと言う時の薬に使える高級な物。

会心の狩りの成果にゆっくり達は満足そうにゆっくりと微笑む。
跳ねるスピード上げて、急いで家路に向かう。

「これでおちびちゃんもゆっくりできるね!」
「おなかいっぱいむーしゃむーしゃできるよ!」
「すてきなべっとですーやす-やするよ!」

三者三様に素敵な未来を思い浮かべてゆっくりと妄想に耽る。
そんな事を考えていたら全てのゆっくり達の足が止まっていた。
これはイケナイ!と思い直して帰り道を急ぐ。
今日は沢山の物で浮かれてしまい、遅くまで狩りをしてしまった。
辺りはもう闇に包まれている。

長のぱちゅりーから、暗闇に出歩くのはゆっくり出来ない。と言う事を聞いて育ってきた。
これは、群れのゆっくり達全員が理解している基本的な規則。

闇は確かに怖い。

だが、夜に見える星空も大好きな世代のゆっくり達にとって、夜は恐れる物も少なくなっていた。
要するに危機感が足りないのだ。
平和すぎるこの山奥ではそんなに恐れることは無い。


「ゆ?なにかあかいのがみえるよ?」
「こっちにむかってくるよ?」
「?」

だが…、
そんな平和な暮らしもここまでの様だ。

「ゆっ!?」
「ゆん!」
「………………!?」

れいむとまりさは何かに弾かれて転がっていく。
その時貴重な果物が口と帽子の中で潰れてしまった。
美味しい果汁がれいむの口の中で広がり、まりさの帽子からダラリと垂れてくる。

「ぶつかるのはやめてねっ!れいむのくだものさんがつぶれちゃったよ!」
「おぼうしがだらだらになっちゃったよ!」
「…………………ゅ……。」

抗議をするが辺りは真っ暗。
加害者が何処にいるのかが解らない。

「ゆ?ありすはどこ?おへんじしてね。」
「どこにいったの?ゆっくりしていってねっ!」
「………………ゅ…ぁ…。」

微かな声を聞いてチラリと上を見上げたれいむ達。
そこには赤い目を輝かせる見たことが無い生き物と。
苦痛の表情で中身を吸われ続けているありすが木の上に居た。

「ゆぇえぇぇぇぇぇぇぇっ゛!?」
「いったいなんなのぉおぉぉぉぉっ゛」
「ぶ。」

ありすが木の上から地面に落ちる。
口の中に収納してあった獲物が空中で散らばった。

ありすは中身を殆ど吸われて虫の息だ。
もう長くは無いだろう。
このままずっとゆっくりするまで地面とキスをし続ける。
口からベットになる予定のふかふかの草は、
吸われる際の苦痛で草をかみ締めた事により、ベチャベチャになって地面にばら撒かれていた。

楽しそうな笑顔でゆっくり夢を語っていたありすは、

もう居ない。


「ゆんやぁあぁぁぁぁっ!?おうちかえるぅうぅぅぅぅぅぅっ゛!!! 」
「こないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ゛!?」

赤い瞳が空中で線となり、れいむ達に迫る。
逃げようと必死に飛び跳ねていくが、所詮ゆっくり。
その狩人に叶うわけが無い。

白く尖った牙が眼前に映し出される。
もうそこで運命は決まった。

「ゆぁあぁぁぁぁっ!?いだいぃぃぃぃぃぃっ゛!!! 」
「れ…れいぶぅうぅぅぅぅぅぅぅっ゛!?」

口からボロボロと物を落としながられいむは空中で吼える。

れいむの頬が見た事の無い何かに齧られて、宙に浮いていた。
涙を流しながら身を捩るが、深く噛み付いている牙を外すことが出来ない。

「ほっぺがいたぃいぃぃぃっ!?ゆっぐちはなじでぇえぇぇぇっ!?」
「れいぶをがえじでねっ!?ゆっぐぢでぎないよっ゛!」

地面を跳ねながら必死に叫ぶまりさ。
しかし、その願いが伝わることは無かった。
れいむを口に加えたまま宙を反転して飛び去っていく。

「おちびちゃぁあぁぁぁぁぁあん!?まりざぁぁぁぁぁぁっ!!! 」
「まってね!まっでね!?まっでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ゛!!!?? 」

れいむが叫んだ最後の遺言は家族に直接伝わらないまま、漆黒の空へと消え去った。
まりさは痛む足を引きずりながら、まだ懸命に後を追う。
涙を地面に零しながら自分の非力差を悲観していた。

まりさは群れで最速なのが自慢だった。
そんな自分がれいむとありすを救えない。
あっという間に大切なご近所さんがずっとゆっくりしてしまった。

もう追う事も出来なくなる。
どこへ去っていったのかも解らない。
心も体もボロボロになったまりさは、満身創痍で群れへと帰る。

れいむとありすの死を伝える為に。





昨夜遅くまで帰って来ないまりさ達を心配していた家族達。
ご近所で集まり夜明けまで待っていたらしい。
朝方に無事に帰って来て、ホッとしたのもつかの間、そこにはまりさしか居なかった。

事情を聞いてただ事では無いと長の所へと向かう。
まだ家族達はれいむとありすの死を信じられなかった。



「むきゅ!?それはれみりあだわっ!」

長のぱちゅりーは報告を受けて飛び上がる。
よほど恐ろしい存在なのだろう
その顔は恐怖に歪んでいた。

「あれほどよるはきけんだといったのに!」
「………ゆぅ…。」

まりさは項垂れる。
まさかこんな事になるとは思わなかった。
死に直面する緊急事態にまで発展するとは夢にも思っていなかった。
夜なんかより、まだ雨さん方が危険だと今まで認識していたまりさ。

考えは180度覆された。

ありすを帽子から出して、事情を詳しく説明し始めたまりさを目の辺りにしたゆっくりの群れは、
「まりさが何かしたのか!?」との疑惑で群れがいきり立つ。

だが、その疑念は直ぐに晴れる事となる。

ありすの体に鋭い何かの後が痛々しく残っている証拠と、
そして、中身が全く残ってない状況がまりさの疑いを晴らした。

どう考えてもゆっくり技では無い。
生き残ったまりさを責めるゆっくり達は居なかった。
生還して帰還した事が奇跡なのだ。


「みゃみゃがぁぁぁぁぁぁっ゛!?」
「うわぁあぁぁぁっ!ありすぅうぅぅぅっ゛!?」
「れいむぅうっ゛!?うそだぁあぁぁぁっ゛!?」

赤ゆ達はれいむの番に寄り添い泣き崩れていた。
ありすの番はペラペラになった"元"ありすに顔を擦りつけながら叫ぶ。
家族は悲しみを胸に宿し咆哮し続ける。

それを見ながらまりさは鎮痛の思いで一杯だった。
そんなまりさに番のありすが優しく肌を触れてくる。
大丈夫だよと。
頑張ったねと。

まりさも無言で涙を流した。
その流れは止まる事なく湧き出て地面の染みを広げていく。


まりさの風体はボロボロで逆に勇敢に戦ったと群れでは賞賛される。
でも、まりさはその賞賛を受け入れることは無い。
誰も救えなかった救えない自分は無能だと、まりさは自分自信を責め続けた。



その後、長は群れと緊急会議を行う。
夜には外に出歩かないで、れみりあに会ったらゆっくりせずに逃げる事を、強く群れに訴えた。
群れのゆっくり達は、悲惨な被害にあった家族の悲痛な叫びをする姿を横目で見ながら、
『ゆっくりりかいしたよっ!』と声を揃えて合意する。

そして、群れはそれぞれ帰宅した。
これから狩りがあるのだ。
活きていく為には必要不可欠の行動。
ビクビクしながら外へと飛び出していくゆっくり達。



「うー☆うーっ☆」
「ゆわぁあぁぁぁぁっ゛!?
 れいぶのほっぺさんがぁあぁぁぁぁっ!?」

とある場所の洞穴の中。
日の光を拒むかの様に奥へと引きこもるゆっくり達。
漆黒の翼をパタパタ動かしながら甘い餡子に舌鼓を打つ、れみりあ。
頬がゴッソリ噛み砕かれて、恐怖と痛みに震えるれいむ。

「れいむはしにたくない!やめてねっ!ゆっくりさせてねっ!?」
「うーっ☆」
「いやぁあぁぁぁっ゛!れいむのあんこさんすわないでぇえぇぇぇっ゛!?」

捕食者が中身をジュルジュルと飲み干す。
れいむは白目になりながらだらしなく口を開けて涎を垂れ流す。

止めを刺さず、ジックリと獲物を舐るように味わっていく。
この苦しみが未来永劫続くかと思っていたれいむは、
一部の皮と飾をこの世に残して、ようやく涅槃へと旅にでた。

れいむの遺品を捕食者はゴミを片付けるかのように、部屋の隅へと放り投げる。
その場所がこれからの廃品置場に決まったらしい。

腹が膨れて満足そうな顔をしたれみりあは、欠伸をした後、狩りをする夜まで眠りにつく。



この悲痛な断末魔が森に響いていた。
それを聞いたゆっくり達は恐れおののいた。
恐怖と言う魔物が、ゆっくり達の心に住み着いた事で、狩りの成果が落ちる要因となってしまう。
そして、狩りに向かうゆっくりが激減し、庭に生える苦い草を齧る家庭環境が日に日に増える。

長のぱちゅりーは頭を抱えるしかなかった。





「………ゆぅ。」
「まりさ…。ゆっくりしていってね。」

木の根元に巣を構える一家。
親友のれいむとありすを失って元気が無いまりさを、番が慰める。

あれからまりさは目に見えて痩せてしまった。

負い目を感じているのだろう。
あれから死んでしまった家族に少々の食べ物を分け与えている。
まりさを責める気持ちは一切無く、家族達は要らないと断っているが、
強引に無理矢理置いていってしまうらしい。

そして、れみりあと再戦する為に、夜に出かけるようになった。
「危険だからやめてねっ!」と説得しても辞める気配が無い。
しょうがないから、ありすは腹が痛くて調子が悪いと嘘をついた。
そして、その嘘が功を成す。

今夜は久しぶりに家の中で、まりさと一緒に過ごしていた。
優しい言葉を掛けてくれるまりさを、こんな所で失う訳にはいかない。
ありすは、もう無茶をしない様に根気良く説得をしていた。
そんな夜。

しかし平和は。

一瞬にして崩れた。





叫び声を聞いた近所のゆっくりが巣の外に飛び出した。
そこには空中を飛んでいく二つの影。

「まりぃざぁあぁぁぁぁぁぁぁっ゛!?」

口を餡子だらけにしたれみりあが、ありすを咥えながら夜空を疾走していく。

それを唖然と見守るゆっくり達。
初めて眼にしたその恐怖の存在にパニックを起こす。

狂ったように泣き叫んで巣へと逃げ帰る。
そして、隅に蹲ったまま眠れない夜を過ごした。
もう安全な所は存在しないのだ。


翌朝。

ある木の根を利用した巣穴の中で、凄惨な姿のまりさが発見された。
余りの残酷さに同胞達の吐く餡子で床が黒く染まる。

これを受けて巣の戸締りがされることになった。

しかし、ゆっくり達の戸締りは簡易的な草や枝で覆われた粗末な物。
そんな偽装を容易く突破して進入してくる捕食者。
確実に群れは追い込まれていた。





「ゆー。ゆっくりのむよ。」

群れから遠く離れた小川のほとりで、喉を潤す一体のゆっくり。
俗に言う、群れに受け入れられないゆっくり。
罪を犯した親の子供達が大半に値する。

同属殺しは罪を犯していない子供に対しては認められていない。
そこで間接的に関わりあえない様にする為に、追放の処置を施す。
後は、野たれ死のうが不遇な子供を宿そうが知った事では無い。



追放されたこのゆっくりは一人で生きてきた。
食べ物に困ることはあまり無い。
この辺は他のゆっくりが居ない為、食料が豊富なのだ。

「ごーくごーく。」

薄暗くなった曇り空の夕方。
ゆっくりは喉をならして水を喉に通す。

その時、ふと薄い影が視界を覆う。
曇り雲に隠れる太陽が完全に沈んで居ないので、夜にはまだ早い。
疑問に思って顔を上げた目の前には。

綺麗な赤い目をした漆黒の翼を持つゆっくりが、妖艶に微笑んでいた。



「ゆーっ!おそらをとんでいるみたいっ!」

れみりあの頭の上で叫ぶゆっくり。
目の前に絶景がパノラマで広がる。
木々の上を飛んで行く夢のような光景に感動していた。

「すごいねっ!とってもゆっくりできるよ!」
「うーっ☆」

お友達になったこのゆっくりはなんて素晴らしいのだろうか!
お空を飛べるなんて凄すぎるよっ!

そんな事を考えながら、興奮するゆっくり。
終始笑顔で堪能していたが、空の旅を終えて、ある岩場の穴へと2体は入っていく。
薄暗い穴の中で不安になるゆっくり。
そんな落ち着き無く移動しているゆっくりの目の前に、黒い塊が差し出された。

「むーしゃ。むーしゃ?……しっしあわせーーーーっ!」

それは今まで食べたことが無い程のご馳走だった。
森にある果物とは比較にならない。
花を食べた時に感じる蜜の味を濃縮した様な、素晴らしい甘味。
こんな美味しい物が世の中にある事にゆっくりは感動する。


それから数日間この巣穴で一緒に暮らすことになった。

毎日出てくる素晴らしい黒い物体。
たまに白かった時もあったが、それも濃厚な甘露で黒い物体に引けを取らない。

そして、お空の散歩。
曇り空の夕方限定だが、地面を跳ねている時よりずっとゆっくり出来た。
日中、お外に出られない岩場の高い所で過ごしている為、この開放感が癖になっていく

甘い食べ物と空の散歩で、疑問を感じることなく日々を過ごしていく。



「れみりあっ!あかちゃんうんでねっ!」
「うーっ!うーっ!うーっ!」

巣穴の奥で赤ちゃん作りに励むゆっくり達。

「すっきりぃいぃぃぃぃっ!!! 」
「うーーーーーーーーーっ!!! 」

れみりあの腹がプックリと膨れる。
子供を無事授かったようだ。
感極まって涙が溢れるゆっくり。

「かわいいあかちゃんがうまれるといいねっ!」
「うー☆」
「ゆっくりたべてねっ!」
「うーうー☆」

黒い食べ物を愛するれみりあに渡すゆっくり。
赤ちゃんの為に栄養をつけて貰いたい一身で、自らの分を渡す。
(これからは自分が狩りに行かねばならない!)
そんな事を強く思い、ある種の心構えをしていたゆっくり。

しかし、愛するれみりあは、

「ゆっ!いたいよっ!?ゆっくりやめてねっ!?」

ゆっくりの頭に噛みつき、

「ゆっくりしてねっ!あたまをかまないではなしてねっ!?」

宙に強制的に浮かばされる。

その後、れみりあは外に出て、下にある岩場の穴へと向かう。
ペッ!と、れみりあの口から離されて床を転がっていくゆっくり。
部屋の奥の柔らかい何かにぶつかって、ようやく止まる。

「れみりあ!なにするの!?ゆっくりできないよ!」
「うー☆」

ゆっくりが抗議しても笑顔のままのれみりあ。
流石に腹が立ったのであろう。
口に空気を一杯に詰め込んで威嚇し始めた。

「ぷーっ!いいかげんにしないとおこるよっ!」
「うーーーっ☆」

そんな威嚇は全く通用せずに体当たりを受けて逆さまに転がるゆっくり。
起き上がろうとするが、焦りからか体勢が安定しない。
ゆらゆらと不規則に体が揺れる。

「ゆっ!ゆっくりおこして…ね……?」

逆さまになった視界に肌色の物体が飛び込んできた。
先程ぶつかったであろう柔らかいクッション。
そこには。

自分と同じゆっくりが山の様に積み上げられていた。


「ゆっ!?ゆゆっ!?なんでぇえぇぇぇっ゛!?」

目を疑った。夢じゃないかと。
でも悲痛な瞳が訴えかけてくる。
まだ死にたくなかったと。
これは現実だと認識した。

こんな残酷な事をしたのは、れみりあなのか?
それを問いただそうと目を向けたが、そこには急接近しているれみりあが。
白く尖った牙が煌く。

それを見たゆっくりの体が竦む。
何かしらの抗議が訴えを起そうとして口を開いたその時、
ゆっくりの足に深々と鋭利な八重歯が突き刺さった。

「ああぁぁぁあっ!?あんよさんがぁぁぁぁっ゛!?
 やめでぇえぇぇぇっ゛!ぴょんぴょんできなぐなっちゃうぅぅぅぅっ゛!!!?? 」

牙を付きたてられた後、そのままビリビリと皮を引き裂かれた為に、足の裏はボロボロになっていた。
跳ねる事はおろか、動く事すら間々なら無いだろう。

「どぼじでごんなごどずるのぉおぉぉぉっ!?」

訴えなど何処吹く風の様に、柔らかいベットに向かうれみりあ。
ふわふわの寝床に腰掛けて夢の世界に旅立つ。

「あしさんがいたいよ!おなかもすいたよ!ゆっくりしたいよ!」

必死に足を動かそうとするが、全く動かない。
ジワジワと足の裏から餡子がもれて来る。
逆さまの状態だったゆっくりは、その黒い命が零れるのを恐れた。
そのまま微動にしなくなる。
餡子を失わない為に。

「ゆぅうぅぅぅぅっ゛!ゆっぐぢじだいよぉおぉぉぉっ゛!?」

涙が髪の毛に伝わりグズグズになっていく。
泣きたくないのに涙が溢れてくる。
段々髪の毛がベトベトしてきて肌に張り付く。
ゆっくり出来ない頭髪に悲しくなって、また涙が溢れてくる。
その悪循環。

その離れたベットでスヤスヤとれみりあは眠る。
大事な我が子が入った腹を羽で優しく包みながら。



このゆっくりは種ゆっくりに過ぎなかった。
事がすんだら、出産をする為の栄養となる無駄の無いシステム。

この対象者を選別する時は群れから逸れたゆっくりを狙う。

自分の姿に恐れるのならば、その場で食べればいい。
そうでない場合は?
巣穴に連れて帰り飼い殺しにすればいい。

美味しいあまあまと空の開放感を与えて自分を信頼させる。
後は子供を作らせれば用済みだ。

相手の赤ちゃん種は腹の中で、れみりあの赤ちゃんが平らげてくれる。
生まれる事はない。
万が一生まれてきても、直ぐ誰かの腹の中に納まるだけだ。
運悪くその種に生まれついた不幸な命に未来は存在しなかった。

ゆっくりは逆さまになりながら、荒い息で苦痛に耐える。
このゆっくりにも未来は存在しない。
生まれ出る赤ちゃんの顔を見る事も無いまま、れみりあの栄養となって消えた。





暗闇の中で蠢くゆっくりの集団がある。

「むきゅー。ゆっくりにげるわっ!」
「そろーり!そろーり!」
「ゆっくりすすむよっ!」

大きな声で騒がしく進むゆっくり達。
最近大量に仲間が居なくなった後、れみりあの襲撃が無くなったのだ。
ゆっくり達は喜んだが、長のぱちゅりーだけは違った。

『わたしたちがふえてからまたおそいにくるつもりなのよっ!』

その言葉を聞いて青ざめるゆっくり達。
これはイカンと引越しを決意した。

「ゆっくりとおくまできたね!」
「ここまでくればあんしんだね!」
「ゆっくりしようねっ!」

早朝から出発して夜まで行進してきたゆっくりの群れ。
流石にここまで来れば安心だろうと、新しい巣作りを始めた。
クタクタだが、巣が無ければ雨が降って来た時に命が危険に晒される。
背に腹は変えられない。

「ゆん!いっぴゃいむーちゃむーちゃちゅるよっ!」
「おいちいねっ!」
「ぴゃぴゃのびゅんものこちてあげちぇね!」
「ゆっきゅりりきゃいちたよっ!おにぇえちゃん!」

赤ゆ達は持ってきた食料を口にする。
今日丸一日何も食べていなかったのだ。

全部平らげ様としてる所を互いに嗜めて、親の分を残す。
その気配りだけで、親達の胸とお腹が満たされていく感触で一杯になった。

「いいこにそだってるよ!おちびちゃんたちは!」
「そうだね!ゆっくりできるねっ!」

そんな親馬鹿の言葉があちこちで上がり出す幸せな光景。
そこに、

「むーちゃむーちゃ……ゆびっ!?」
「ぺーりょぺーりょ!ゆぶっ゛!?」
「ゆ?どうちたの?」
「おにぇえちゃん?きゃくれんぼはちゅるにはくらちゅぎりゅよ?」

赤い閃光が二筋闇夜に走る。



「ゆんやぁぁぁぁぁぁっ゛!?はなちてぇえぇぇぇっ゛!?」
「りぇいむはたべちぇもおいちくないよぉおぉぉぉっ゛!?」

赤ゆの声が暗闇に響き渡る。
空の上には大事な赤ちゃんと、少し大きい赤ちゃんが浮いていた。

「やめてねっ!ゆっくりはなしてねっ!」
「みゃみゃぁっ!?たちゅけてぇえぇぇっ゛!?」
「いたがってるよっ!?はやくはなしてあげてねっ!」

「ゆっ…?びやぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ゛!!!?? 」
「あああっ!?あがぢゃんがぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ゛!!!?? 」

ベチャリと赤ゆだった物が地面へと落下。
親は大急ぎで赤ゆに駆け寄る。
だが、幾ら呼びかけても、ぺーろぺ-ろしても、息を吹き返すことは無かった。

「どっでもゆっぐぢじだあがぢゃんだっだのにぃいぃぃぃっ゛!」

悲しみにふける親達。
空を飛ぶ小さな物に制裁を加えんとするゆっくり達の一部。
そんな憎悪渦巻くゆっくりの群れの中。
長のぱちゅりーだけは青ざめていた。

れみりあは何故姿を消していたのか?

その答えが目の前を飛んでいた。
赤ゆを手当たり次第にキズ付けて思うが侭に中身を吸っている、
全部で4体の子れみりあ。

出産の為、狩りに出てこれなかったのだ。
あらかじめ餌を確保しておいて巣穴に篭っていたらしい。
最近姿を見ないから安心しきって、のこのこと夜まで移動していたツケが回ってきた。
ゆっくりとした結果がこれだよ!
群れは、致命的なミスを犯した。

夜になる前に巣穴に閉じ篭るべきだった。
あれから頑強な壁を作れる位に技術が進歩していたのに。
これではその意味が無い!
好きなだけお食べなさい状態じゃないか!?

ぱちゅりーは自分の失態を悔やんだ。
しかし、後の祭りとはこの事を刺すのだろう。
向こうの暗闇から、大きい影が空を切り裂きながら飛行してきた。

口には干乾びたゆっくりを加えている。
それを宙に放り捨てて、大きく口を開いてぱちゅりーに接近してくる。

「うっ!?うわぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?? むぎゅっ!?」
「うーーーっ☆」

出産した直後のれみりあはお腹を空かせていた。
遠慮なくぱちゅりーの中身を吸いながら次の獲物を物色する。

端目には愛する我が子が、元気に狩りに興じている。
なかなか優秀。
将来が楽しみだ。
れみりあはそんな事を考えながら、夜空を疾走する。

ゆっくり達は命乞いをしながら逃げ惑う。
中には勇敢に立ち向かう物を居たが、そんな輩は親れみりあに真っ先にゆっくりさせられた。
食べる為ではなく、殺す為の一撃。
漆黒の空間にゆっくりの丸いフォルムが無残に歪んで、弾け飛ぶ。

心が恐怖と絶望に彩られ、群れ全体に感染していく。
我先にと未完成の巣穴へと向かう。

だけど、頭かくして尻隠さず。
体半分突っ込んだ所で、尻を齧られ無理矢理巣穴の外へ引きずり出された。
そして、家族の目の前でジックリと食われていく。

余りのパニック状態で木々に強くぶつかり命を落とす物。
口に赤ちゃんを隠したが、悲惨な現状に歯を食いしばってしまい、赤ゆを噛み砕く親。
そんな地獄の光景が深夜に展開されていた。

れみりあは、まだまだ食べ足りない。
お腹一杯になったら一番おいしそうなゆっくりを紅魔館に持って帰ろう。
そして、明日の朝食を素晴らしい赤ちゃん達と一緒に食べよう。

赤く光る目の奥で、今後の予定の算段をする。
笑みを深めて新たな獲物に牙を立てる。


夜の狩りはまだまだ始まったばかりだ





 終


「れいむとまほうのいた」「朝ゆっくり」
「金バッチ品質保障証」 「合わせ鏡の奥」
「まりさは優秀な劇団員」「ゆっくり( )が大好きだっ!」
「ぬし」        「無限輪」
「スィーらいせんす」

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最終更新:2011年07月29日 03:07
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