ゆっくりいじめ系3028 被虐のみょん_その二(後編)



      • 翌日
青年はまだ完治していないみょんを連れて花屋に向かった。
そして、昨日の花のようにゆっくりの虐待に使える花を買い込んで帰宅。

「このお花を食べると破裂して死ぬみょん」
「このお花は水につけると花粉が出て、それを嗅ぐとゆっくりはれいぱーになるみょん」
「このお花は昨日みたいにすると赤ゆっくりが生まれながら激痛に悶えて死ぬみょん」
「このお花は…」
「そのお花は…」
「…」
みょんに花の効能を聞いてメモを取ってちょっとした図鑑を作成する。
効能のメモを取る際にも、どのような虐待に使えるかを考えたり、
みょんに虐待に使うときの使い方を聞いたり。



「今日買ったお花で虐待に使えそうなのはこれくらいみょん」
「へぇ、お前、ゆっくりみょんなのにゆっくりゆうか並…いや、それ以上に詳しいんだな」
「ちょっと事情があったんだみょん」
「ふん、まぁいいや。今日はご苦労様。もう部屋に戻って寝てていいぞ」
青年はみょんにオレンジジュースを与え、ゆっくりの保管部屋に戻した。

「…」
みょんは部屋の隅に行ってじっとしていた。
(てんこは無事かなぁ…、あと、ちぇん達も元気にやってるかなぁ…)
その二点が心配であった。
脱出時はまだ種付けしたばかりだから多少の無理も出来たが、そろそろ腹も膨れ始める頃だろう。
そうなると、あまり動き回ることは出来ない。
どこかの群れに加えてもらえれば一番良いだろう、てんこの性格であればさほど難しくないだろうし。
らんとだいようせいが所属していた群れに入るのがベストだろう。
あの四匹にならてんこを任せても大丈夫。

思考に結論が出たところでみょんは当たりを見回す。
ここは二階。てんこを逃がしたときのようにはいかない。
出入り口はドア一つ。ドアノブは丸いタイプなので木の棒では回せない。
窓もあるが、二階から飛び降りれば死は免れない。

はぁ、とため息をついて今度はこの部屋に監禁されているゆっくり達を眺める。
皆今自分が虐待されていないから安全だと思っているのか、表情は明るい。
仲の良いゆっくり同士でおしゃべりや追いかけっこをして遊んでいる。

そんな姿を見るとみょんはまた寂しさがこみ上げてきた。
結構な数のゆっくりがいるというのに、皆みょんのことなど知らないと言った感じで、
それがみょんに孤独感を与えた。

(こんなに寂しいのはいつ以来だろう…)
弟子ゆっくりは大抵殺すために育てている。
そのため、みょんはわがままなゆっくり達に辛抱強く付き合った。
しかし、それに応えるようなゆっくりは殆どいなかった。
皆ある程度強くなるとみょんをないがしろにし、強くしてやった恩を忘れて命を狙ってくることもあった。

最期の群れのゆっくりほどみょんをまじめに尊敬し、師として仰いだゆっくりがいなかった。
だから、普段は決して教えることの無かった木剣の生成まで教えたのだった。

みょんが弟子ゆっくりに愛情を感じ、その死を悼んだのもその素直さに惹かれたからに他ならない。
いつもなら死んでも「自分で殺しておけば良かった」と考える程度。悲しむ事なんて無かった。

そんな中でもてんこはみょんのことを特に慕っており、
修行の修了後も自分からみょんとの修行を申し出たほどだった。

てんこと修行に明け暮れた日々はそんなに長くなかったが、みょんは幸せだった。
昔、まだ幸せだった頃に戻れたかのようで。
こんな日々がずっと続けばいいのにと思うほど。

しばらく思い出に浸っているとドアが開き、青年が現れゆっくり数匹を連れて出て行った。

(早速お花の効能で遊ぶつもりだね)
みょんは少しだけ身震いし、眠りにつくことにした。


「わがだ! だい! ぶぼっ!!!」
「本当、そのみょんって物知りなんだな」
盛大に中身を吐き出してビクンビクンと痙攣するちぇんを眺めながら青年の友人が呟く。

「でもさぁ、そんだけ聞き出せたってことは、もう用済みじゃね?」
「おいおい、みょんも虐待するに決まってるだろ」
「ならさ、俺たちにもやらせてくれよ! こんな面白いこと教えてもらったんだ、
虐待してやらなきゃ可哀想だろ! …主に俺たちが」
「お前は一体何を言っているんだ…」
呆れ顔の青年。

「ん、ゆっくり切れだな。」
先ほどのちぇんで持ってきたゆっくりは全部だった。
あまり殺しすぎるとストックしたゆっくりが全滅してしまうので、今日はここまで。

「んじゃ、解散だな。」
「なぁ、ちょっとお願いがあるんだが…」
「ん、何だ?」
友人の一人が青年に傷みょんを一晩だけ貸して欲しいと頼んだ。
青年は当然のように断るが、その友人はなかなか引き下がらない。
ついに根負けした青年は一晩だけみょんを貸し出すことにした。
絶対に殺さないこと。と、代わりのゆっくりを10匹ほどよこす事を条件として。



「ん、みょ………」
みょんが目を覚ますと、そこは青年の家のゆっくり部屋ではなく、『よくわからない部屋』だった。
自分はテーブルのような台の上に乗せられた透明な箱の中に閉じこめられ、
床にはゆっくりまりさや、ゆっくりれいむ等が固定されている。
表情などはさすがに伺えなかったが、この光景が異様なものであることくらいは理解できた。

(ここは一体どこなんだろう…)
異様な光景であるが、みょんは考えることをやめなかった。
おそらくは人間の家。しかも、みょんをさらった青年とは別の人物。
この家の主も虐待趣味を持っているだろう。
でなければみょんが透明な箱にとらわれていることも、床に固定されたゆっくり達についても説明がつかない。

がちゃ
「おや、起きたか。遅いお目覚めだね」
中に入ってきた男はみょんをさらった青年とは別人。その手にはハンドミキサーが握られていた。

「お兄さんは誰みょん?」
嫌な予感しかしないが、とりあえず聞いてみる。

「「「「ゆぎゃあ"ああ"あぁ"あぁぁ"あぁぁ"ぁあ"あ!!!!」」」」
みょんの声で目覚めたのであろう床に固定されたゆっくり達は友人を見るなり悲鳴を上げる。

「うるさいなぁ」
友人は近くにいたまりさの帽子をひょいとつまみ上げた。
「ゆぅぅぅ!!! まりさのお帽子!!! 返すんだぜぇぇ!!!」

カチ
グイイイィィィィィ!
友人がハンドミキサーのスイッチを入れると、その場にいた全ゆっくりの表情が凍り付いた。

「や、やめて欲しいんだぜ…?」
ガタガタ震えながらまりさが懇願するが、友人はにっこり微笑んでまりさにハンドミキサーを挿入した。

「ゆぎゃあぁぁぁああああ!!! いだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだい!!!」
「やめでええぇぇ!!!」
「まりざがしんぢゃうよおおぉぉぉ!!!」
「ばりざ! ばりざああぁぁぁ!!!」
「どおじでこんなごとずるのおおぉぉぉ!!!」
ガガガガと音を立てて中身を撹拌されるまりさを見て周りのゆっくり達が悲鳴を上げる。

「ゆ"っ、ゆ"っ、ゆ"っ、ゆ"っ、ゆ"っ、ゆ"っ、ゆ"っ、ゆ"っ、ゆ"っ」
まりさはあっという間に痙攣し始めた。

「むぎゅううぅぅぅ!!! ばりざ! じっがりじでええぇぇ!!!」
もはや友であったぱちゅりーの呼びかけにも応えられない様子。

ブツン!
まりさの口の近辺が破壊されたのだろう、何かがちぎれる音の後、
まりさの口から撹拌された餡子と舌の残骸と思われる破片が流れ出た。

「あ"ああ"あぁあ"ああ"あ!!! ばりざがぢんじゃっだああぁぁぁ!!!」
「むぎゅうううぅぅぅ!!!」
「わがだだいよおおぉぉぉ!!!」
部屋のゆっくり全員が大声で嘆くが、友人はお構いなしにハンドミキサーで
未だビクンビクンと痙攣するまりさをかき回す。

ブチブチブチ!!!
餡子を失い、まりさの頭の部分が陥没するとハンドミキサーは頭の皮と髪の毛をも巻き込み、破壊していく。

あっという間にまりさだった物は口から下だけを残してぐちゃぐちゃに破壊された。
飛び散ったまりさの破片を顔に受けたゆっくり達は皆中身を吐き出し、苦しむ。
この惨劇を巻き起こした張本人は別のハンドミキサーに交換して、みょんに向き直る。

「さぁ、みょん。次は君の番だよ」
唸りを上げるハンドミキサー片手にみょんに近寄る。

「…」
これはさすがに助からないだろうと直感したみょんは神妙な面持ちでじっと待つ。

「さぁ、物知りなみょんちゃんはどんな声で泣いてくれるのかなぁ?」

ぎっ、ブチブチブチブチ!!!
「………!!!」
みょんの饅頭肌に唸りを上げるハンドミキサーを軽く触れさせると、
髪の毛を巻き込み、触れた饅頭肌も音を立ててミキサーに吸い込まれた。
みょんは歯を食いしばって耐える。

ちょろろろ…
しかし悲しいかな、こんな状況でもみょんの感覚は激痛を失禁するほどの快楽として受け止めてしまう。

「おやおや、お漏らしなんて、ずいぶんと緩い子なんだねぇ…」
くすくすと笑う。
床に固定されたゆっくり達はと言うと、いつ自分が同じ目に遭うのかわからない以上、
友人のようにみょんをあざ笑うことなど出来ない。
皆恐怖でガタガタ震えている。

ーあぁ…、もっと、もっとみょんを刻んで…
ー全部の髪の毛を引きちぎって、それで、みょんの肌を全部引き裂いて…
そんな物思いに耽りながら快楽を貪っていたが、ハンドミキサーが中身に触れたとき、状況は一変した。

「ひ、ゆぐいいいぃぃいぃ!!!!」
快楽が突然痛みに変わったのだ。
中身が撹拌され、今まで快楽として届いていた痛みが、正真正銘の痛みとしてみょんに届くのだ。

「やべで! やべでええぇぇぇぇえ!!! この、ま、まじゃあああぁぁぁ!!!
みょ、みょんが、みょんがみょんじゃなくなっぢゃうううぅぅぅ!!!」
『自分』を破壊され、半狂乱で叫ぶみょん。
「お? どうした?」
友人は一旦スイッチを止め、みょんからハンドミキサーを引き抜いた。
みょんはぜぇぜぇと大きく息をつく。

「な、なによ、なんなのここ…」
(ん、口調が変わった?)
「どうしたんだい、みょん? もうへばったのか?」
「おじさん、誰? ゆうかはみょんじゃないわ。ゆっくり理解してね」
「…」

自分をゆうかだと主張するみょん。
あまりの刺激に狂ったのか?
とも思ったが、今まで同じ方法で何匹も葬ってきてこのような反応をしたことはない。

「ってことは…」
理屈はわからないが、この傷だらけのみょんの中にはゆうかが潜んでいて、
そのゆうかがみょんの博識な部分を司っていたのではないか?
それが、ハンドミキサーでかき回したことにより表に出てきたのだろうと予測した。

「なら、ゆうかの他には何が潜んでいるんだ!?」
「ゆ、痛、いだあいいいいぃぃぃぃ!!!!」
次は何が出る? まりさ? れいむ? それともゆゆこ? ゆかりんか?
期待に胸膨らませ、痛みでゆぐゆぐとくるしむみょんにまたハンドミキサーを挿入し、中身をかき混ぜた。

「ゆぎいぃぃぃ!!!」
「さぁ、君の名前は?」
「みょんだみょん!」
「…」
しかし、それ以降は何度かき混ぜてもみょん以外が出てくることは無かった。
中身を撹拌するたびに口調が変わったり、目つきが変わったりもしたが、それでも基本は『みょん』だった。

「ふぎっ!」
そしてついには何も反応を返さなくなってしまった。
「やべぇ…死んじまったかな…」
冷や汗をかく。
とりあえず、ハンドミキサーにこびりついた中身を丹念にみょんの中に戻し、
穴が開いた箇所は『ゆっくり補修キット』の『肌(汎用)』を用いて穴をふさいだ。

「………」
「ちっくしょー、壊しちまったか…、アイツになんて言い訳しようか…」
呼吸はしているものの、瞳は何も映さず、引っぱたいても、舐めても、何の反応も無かった。
もう、あの面白い物知りな傷みょんは死んでしまったのだろうと結論づけ、
翌日に生ける屍と化したみょんを青年に返した。

「てめぇ………!」
「すまなかった!!! この通りだ!!!」
当然のように青年は激怒したが、友人に貸し出した自分にも責任があると考え、
数発手加減無しで殴り飛ばし、怒りを収めた。





それからと言うもの、青年はみょんの快復に尽力した。
自分の意志では食事も取らないので、青年が無理矢理オレンジジュースを飲ませる。
効果があるかどうかはわからないが昔自分が読んでいた絵本を読み聞かせたり、
他のゆっくり達を脅し無理矢理歌わせたり。
他のゆっくり達に変なことをされないように自宅にいないときは鍵付きの透明な箱に入れ、
寝るときも不測の事態に備えて同じベッドで寝た。



「ゆっくりしていってね!!!」
一週間そうやっているとみょんはついにゆっくりとしての生を取り戻した。
仕事以外は基本的に一緒にいたためか青年によく懐いた。
性格も温厚で、下品な言葉も発さず、愛好家が見たらうらやましがるであろう個体になった。
ゆっくりとしての精神を破壊されたゆっくりが回復しただけでも奇跡に近い事だったが、
青年が望むのは悪知恵が働き、妙に物知りなあの傷みょんである。
ただのゆっくりみょんに等興味はない。



それから青年はさらに試行錯誤を重ねた。
はじめはとりあえず自分に沢山甘えさせ、
それで効果がなければ次は同族を殺させてみたり、同族の死体を食べさせたり。
毒性の弱い花で苦しめたり、単純に殴ったり千切ったりしたり。

しかし、どんなに甘えさせても、どんなに苦しめてもみょんは元には戻らなかった。

「畜生! 何でだ!? 何で戻らない!!?」
青年は片目が潰れ、あちこちが醜くちぎれて髪も殆どむしられたみょんを床に叩きつけて慟哭する。
青年はここ数ヶ月他のゆっくり達を虐殺して平静を保ってきたがそろそろ限界。
元に戻せない苛立ちをみょんにぶつけるが全く気が晴れない。
何せみょんに行っていたのはただの『八つ当たり』であり、自分の望む『虐待』ではない。

「おにいざん……どぼじで……みょんは、いっじょに、ゆ、ゆっぐりじだい、だげ、だのに…」
優しかった青年が自分を虐めるようになって数ヶ月たってもまだ、みょんは青年を信じていた。

それからさらに数ヶ月が経った。
青年はもう殆どあきらめていた。
壊れてしまった物はもう元には戻らない。
あのみょんは、あの時、友人に貸した時点で死んでしまったのだ。

「…」
ボロ雑巾のようになっているみょんを見る。
ボロボロの体を引きずりながら青年の足にすがり、頬ずりしている。
もはや見る影もないような姿だが、それでもみょんは青年を慕っていた。

「………ふぅ。俺の負けだ」
青年はため息ついて一つだけ決意した。このみょんはゆっくりさせてやろうと。
本当に短い間であったが、このみょんには楽しませてもらった。
饅頭の身でありながら、人間を出し抜き、度肝を抜かれた。
ゆっくりにしては広い知識で虐待に使える花を教えてもらった。
どちらも新鮮な出来事で、まるで初めて虐待をしたときのようなドキドキワクワクを与えてくれた。
どうせ、このみょんを虐待、殺害しても『あのみょんじゃない』というストレスでイライラするだけだろうし、
可愛がったところでつけあがるような事も無かったのでストレスもたまらなかった。
むしろ可愛がる方が自分にとってもみょんにとっても良いだろうと考えての決断だ。


「そうと決まればまずは治してやらないとな」
みょんを抱き上げ頭を撫でてやる。
わかりづらかったが、みょんの表情が明るくなった。
ようやく、青年がもとの優しい青年に戻ってくれたと思っているのだ。

「じゃあ、まず補修キット持ってくるから待っててくれ」
そう言って、みょんを床に置き、部屋を出た。



ガラガラガラ…
「みょ?」
青年が部屋を出て数分、突然窓が開いてそこから一匹のゆっくりが入ってきた。

「みょんはどこか、早く教えテ!」
数ヶ月前にみょんが逃がしたてんこである。
彼女の子供達は全員立派に成長し、すでに巣立ちを果たした。
群れの幹部にまでなっていたてんこであったが、
あの日約束したみょん救出のために地位を捨ててここに戻ってきたのだ。

「さあ、早く教えテ! ………………あれ?」
目の前にいるボロボロのゆっくりに聞き出そうと近寄る。
見るに堪えないほどの損傷具合だが、てんこからすれば、みょんの安否の方が心配なのである。
てんこが何気なくそのボロボロのゆっくりの飾りを見たとき、気づいた。
たとえ体がぼろ雑巾になろうとも、無惨な死体に成り下がってもゆっくりは飾りで個体判別できる。
てんこはこのボロボロのゆっくりこそが自分が愛したみょんであることを悟った。

「て、てんこは! みょんが、みょんがひどいことされたのをじって、、深いかなじみにおそわれだ!!!」
わんわん泣き出すてんこ。
何が何だかわからないみょんはおろおろするばかり。

「どうした? みょん」
物音に気づいた青年が修復キットを持参してやってきた。
するとそこにはゆっくりてんこ。

「何だおまえ」
「黄金の饅頭肌でできたみょんがゆっくりなんかに遅れを取るはずがない!
悪い人間にひどいことされて骨になる!」
「はぁ?」
いまいちてんこが何を言いたいのか理解できずにいたが、みょんの前に陣取って威嚇している姿を見て、
初日に脱走したてんこであると青年は直感した。

「はいはい、みょんを治すからどけよ」
「ゆ!」がっ!
「痛っ!」
みょんを持って行こうと手を伸ばすとてんこの木剣に阻まれた。

「力にしがみついた結果がこれ一足早く言うべきだったな? お前調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」
不適な笑みで挑発するてんこ。
いつもであればてんこをたっぷりかわいがるのであろうが、
今はてんこの後ろで苦しそうにしているみょんの治療が先。
青年はてんこに手を何度も叩かれながらもみょんを回収。

「ちょとsYレならんしょこれは・・?みょんを連れて行くならてんこに断ってやれよ。」
そういっててんこは青年の足を攻撃しようと跳ねてくる。
ここでは碌に治療もできないと判断した青年はてんこを蹴飛ばし、部屋を出た。

「…………………みょ、……みょ。」
みょんが目を覚ますと、そこは台所だった。
みょんの周りには手術で剥がした皮の残骸やほかのゆっくりの残骸などが散乱していた。

「お、気がついたか」
「!………お兄さん!!!」
みょんは青年に飛びつこうとするが、うまく動くことができない。

「治ったばかりなんだ。無理するな」
青年はそう言ってみょんにオレンジジュースを飲ませてから先ほどの部屋に戻った。

「みょんを返せー!!!」
入って早々てんこが突っかかる。
そういえばこいついたっけ。などと考える。

「ゆっくり早くみょんを返しテ! はやk…」
てんこはみょんを見て息を呑んだ。
先ほどのボロボロの死にかけ状態でなく、さらに前のように切り傷だらけというわけでもない。
むしろ傷などなく、肌ももっちりしていて実に美しい(ゆっくり基準)ゆっくりになっていた。
まるで別人だが、てんこはみょんのリボンを見間違えたりはしない。

「ほら、みょん見てみろ」
「ゆ?」
青年は鏡を用意し、みょんの前に立てかけてやる。

「…!!!」
とたん、みょんが凍り付いた。
青年は美ゆっくりになった自分に驚いているのだろうと判断し、
みょんに食べさせる餌を取りに行った。

みょんは鏡に映っているゆっくりに見覚えがあった。
かつて幼い頃師事していたことのあるみょんである。
そのみょんの姿、隣で心配そうに見つめるてんこの姿。
二つの刺激からみょんは記憶を取り戻した。

「……ここは、どこだみょん?」
ぼそりとつぶやくみょん。

「みょん! 元に戻ったの!?
混乱してみょんがおかしくなることがたまに良くあるらしい!」
みょんの復活を体を擦りつけて喜ぶてんこ。

「てんこ? いったい何がどうなってるみょん? 説明してほしいみょん!」
てんこは今日見たことを話した。
てんこが中に侵入すると、ボロボロになって死にかけてたみょんを見つけた。
人間がみょんを連れて、戻ってきたらみょんはけがも治って美ゆっくりになって戻ってきた。
それを聞くと、みょんに監禁され虐待されていた頃の記憶が戻った。

「みょん! はやくここから逃げるよ!!!」
てんこはいるかどうかもわからない神に感謝した。
もしかしたらみょんはもう死んでいるかもしれないと考え、
その場合は人間に一矢報いて死のうと考えていた。
しかし、みょんは存命で、さらには醜い傷跡も消えて元気な姿で戻ってきた。
あとはここから逃げて、二匹で生きてゆく。

「……! てんこ、動けないみょん。 みょんを置いて逃げてね……」
どのような治療を受けたのか思い出せないみょんは
きっと自分が虐待で二度と動けない体になったのだと勘違いし、そのことをてんこに伝えた。

「みょんのあまりに弱気な発言に完全な怒りになった
てんこの顔を三度までという名セリフを知らないのかよ!」
何とかみょんと一緒に脱出しようとみょんをグイグイ押す。

しかし、みょんの体はみょんの意志で動かない。てんこが押せば移動は出来るが、もの凄く遅い。
モタモタしているとまた青年が帰ってくる。
その時に、身動きのとれない状態にされたら万事休す。

「…」
てんこは一つ決意した。
木剣を咥え、みょんに近寄る。

「てんこ、何してるみょん。はやくにげ(ずぱっ!!)」
「………!!!」
てんこの斬撃がみょんの口の上を切断した。
ドロドロと流れ出すみょんの中身。オレンジジュースで中身が緩くなっているため流れが早い。




もう逃げられない。
でも、人間なんかにみょんは渡さない。
人間なんかにみょんを奪われるくらいなら自分で殺す。

これがてんこが出した結論。

「み"ょ………」
一方、みょんはというと、命が危険に晒されているというのに、恍惚の表情だ。
てんこに殺されるか、それも悪くない。そう考えている。

てんこはたまたま置いてあった円錐型の積み木目掛けて高くジャンプし、積み木を思い切り踏みつけた。

「ゆ"!」
ぶつり、という音がして、積み木が刺さりてんこの底部が引き裂かれた。
激痛に耐え、もう一度跳ねると、刺さった積み木が抜け、底部から大量の中身が漏れ出した。
これでてんこも助からない。
そして、木剣を咥えてみょんに向き直る。

「ごべんね……ごべんねぇ、み"ょん!」
「み"ょ………い、い"いみ"ょん、は、はやくその立派なモノで貫いて!!!」
みょんはてんこの意図を理解し、最後の瞬間は一緒にと考え叫ぶ。

「ゆ"うう"ぅぅぅ"ぅ!!!」
ずぶぶぶ…

てんこの木剣はみょんを貫ききれず、逆にてんこの咥える力が弱ったためか柄の部分がてんこを貫き
二匹は仲良く串刺し饅頭となった。


青年が戻ってくると、みょんはビクンビクンと痙攣し、てんこはぴくりとも動かない。
青年はあわててオレンジジュースを持ってくるが、その頃にはもう手遅れだった。
最後の痙攣が、死ぬ間際にゆっくりが見せる生理現象なのか、
それとも愛する者を殺し、愛する者に殺されることで絶頂して痙攣したのか。
それは誰にもわからないことだった。








ここはとある群れ。
今、流れ者のゆっくりてんこが乱暴者のまりさとけんかしている最中。

「はぁはぁ、もっとぶってね!!!」
「気持ち悪いんだぜ! こっちにくるななんだぜ!!!」
「照れなくてもいいから、てんこのこといっぱいいじめてね!!!」
「ゆ"ーーーーーーーー!!!」




終わる



言い訳タイム
      • 人間に捕まったのに交尾って…危機感なさ過ぎ
→それがいいんジャマイカ

      • てんこが家に入る時に出るときと違ってずいぶん楽に進入しているのだが。
→たまたまボロボロに腐食した鉄柵を折って中に入ってきたと補完してください。

      • 前回分かれた四匹って結局どうなった?
→全員でらんたちの群れに向かう途中、らんとだいようせいが発情。
ちぇんとちるのを犯し殺す。
正気に戻った二匹は岩に体をたたきつけて自殺。
その後、ちるのとちぇんの死体かららん、ちぇん、ちるの、だいようせいの赤ゆっくりが誕生。
それをてんこが引き取りました。

      • 青年戻ってくるの遅すぎ
→てんこ脱走時は、腹痛のためトイレに籠もってました。
二匹の無理心中時は大量のお菓子を用意したためです。

      • 最後のてんこって何者?
→みょんとてんこの子供のてんこです。
みょんの特性を引き継ぎ、マゾになりました。

      • 元ネタについて
→「駿河城御前試合」(シグルイの元ネタです)の第二試合「被虐の受太刀」が元ネタです。
これもまた血生臭い話でして。
主人公が超弩級の変態で、個人的にこれもシグルイ内で描いてほしいです。
これを剣繋がりという事でみょんでやってみました。

      • 四ヶ月もかかった理由は?
→やっぱり、モチベーションって大事。

ちなみに、てんこがトチ狂って無理心中しなければ二匹とも虐待されることなく幸せに暮らせましたとさ。
(青年はみょんに対する加虐心が無くなったため、今頃元に戻っても虐待する気にならないため。
てんこはみょんのおまけ程度の考えのため。)

今まで書いたSS
ドスまりさとゆうか1~3
ゆっくり闘技場(性)1
不幸なきめぇ丸
名物餡玉
行列の出来るゆっくり
スカウトマンゆかりん前・後
ファイティング親子とゆっくり
まりさの商売
ぱちゅりーの失敗1~4
盲点
進化
ぶっかけ!ぱちゅりー!
短い話を一つだけ
ありふれた話
対決!ドスまりさ!
被虐のみょん_その一
とあるきめぇ丸の一日
おさんぽバターみょん
さなえに首ったけ
ゆっくり兵団
不安のゆっくり1
幸せなゆうかのお話
短い話を一つだけ_2
短い話を一つだけ_3
ゆん園交響楽
掻き回してみた
短い話を一つだけ_4


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最終更新:2011年07月28日 23:29
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