ゆっくりいじめ系2035 赤ゆっくり

注意 自分設定があります。
   赤ゆっくりがでてきます。
   すっきりできないまま、終わるかもしれません。










「「「ゆっきゅりちていってね!」」」
「「「ゆっくりしていってね!」」」

ここはとあるゆっくりの群れ。
たった今、生まれたばかりのゆっくりが目をキラキラを輝かせながら親たちに向かって、お決まりの挨拶をする。
親たちもまた、お決まりの挨拶を返し、その後は頬を擦り合わせて親愛の情を示すのだ。
平凡かもしれないが、とてもゆっくりした親子たちであった。

子供たちは初めて見る『おそと』に興味津々であった。
あるもの全てがとても綺麗なものとして感じられる。
木々の緑、風の流れ、太陽の暖かな光、どれもこれも当たり前のものだが、全て素晴らしいものとして感じている。
この時の感情をゆっくり風に言い表すならば、『とってもゆっくりしている』であろう。
大人になってからでは目を向けないものだが、生まれたてのゆっくりだからこそ分かるのだ。
やがて子供たちは自分を生んでくれた親の元へと集まり、家族であることを確認する。
彼らはとても、とてもゆっくりしていた。

「へぇ、いっぱいゆっくりがいるなぁ」

「ゆっ!?」

人間の、どこか呑気そうな声が聞こえてきた。
ゆっくりは慌てて周囲を確認する。ゆっくりにとって、人間とは『ゆっくりできないもの』として分類されているからだ。
すぐさま、一匹のゆっくりが茂みから顔だけ覗かせている人間を見つける。
それは若い男であった。大きなリュックを背負って、物珍しそうにゆっくりたちを眺めている。
いきなり襲って来ないことに安堵したのか、ゆっくりたちはその場に留まって人間を威嚇する。

「ゆうぅぅぅ! にんげんさんはあっちにいってね! ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ!」

ぷくぅ、とゆっくりれいむは頬を膨らませて、身体を大きく見せる。
この動作は他の動物に対しても威嚇の効果はあまり持たないが、ゆっくり的には真剣である。
本気で相手を驚かせられると思っているのだ。
勿論、人間相手ではまったく威嚇の効果は見込めないが。

「いやいや、ごめんごめん。ゆっくりできないことはしないから、安心してくれよ」

笑顔のまま、男は両手を挙げて敵意の無いことを示す。
それでも、ゆっくりたちの威嚇の構えが解けないので、背中のリュックからあるものを取り出した。

「それじゃ、お近づきのしるしということで、これをあげるね」

それは山の中で採っていたキノコであった。
ここで、ゆっくりに人間の食べ物を渡すほど、男は知識不足なわけでもない。
人間の食べ物に舌が慣れてしまったら、大抵はろくなことにならないからだ。

「ゆゆゆ!? きのこさんだね! みんなはちょっとまってね!」

集団の中心ゆっくりと思しきゆっくりれいむが、まずは毒見をしてみる。先ほどの頬を膨らませたゆっくりれいむである。
むーしゃむーしゃ、と食べてみても、おいしいだけで毒はないようだ。

「きのこさん、おいしいよ! もっとちょうだいね!」

「はい、どうぞ」

ゆっくりにも食べやすいように、ある程度ばらばらにして地面にばらまく。
親ゆっくりたちはわっ、とそのキノコに群がって食べ始める。
出産直後であったために、とてもお腹が空いていたのだ。

「うめぇ! まじうめぇ!」「まじぱねぇ!」
「むーしゃ、むーしゃ! しあわせー!」

凄まじい勢いでキノコを食べていくゆっくりたち。その様子を男は笑顔で眺めている。
一方、子供のゆっくりらはまだキノコのような固形物を食べることはできないため、食べ終わるまで待たされている。
子供であるため、食べ物という概念を完全には理解できていないが、おいしそうであることはなんとなく分かる。
いいなー、というような視線で親達を眺めている。
男はそれを不憫に思ったのか、そちらへと話しかけた。

「君たちは可愛い赤ゆっくりだね。お持ち帰りをしたいくらいだよ!」

突然、人間に話しかけられた子供たちは「ゆゆ!?」と驚いて親たちの背中に隠れる
親れいむの方もぶくーっと膨らんで、再度の威嚇行動を取る。

「れいむのかわいいあかちゃんをもっていかないでね! ぷんぷん!」
「おかーしゃーん、がんばれー!」

「本当に持って行くつもりはないよ? そのぐらい、赤ゆっくりが可愛いってことさ!」

男の言葉に少しは気を許したのか、親れいむはぷひゅるる~、と頬から空気を抜く。
勿論、それにつけこんだ催促も忘れない。

「ゆっ! いくられいむのあかちゃんにめろめろになったからって、へんなこといわないでね!
 あと、きのこさんをもっとちょうだいね!」

随分と偉そうではあるが、親れいむは他の者を相手にする時、『下手に出たら負け』と思っている。
常に堂々としていることで、相手を圧倒しようというわけだ。これは同じゆっくり相手には通じる場合もある方法である。
場合によっては野生動物にも効くかもしれない。声に驚くこともあるからだ。
勿論、人間にはまったく効果はないが、男には人語を解してる、と感じられてむしろ好意的にすら思っていた。
男は普通の『良い人』であり、極端な嗜好の持ち主ではない。
ゆっくりによってもたらされた被害に眉をひそめることはあっても、潰そうとは思わない性格であった。
はいはい、と頷くと、男は再びきのこをばらまく。
ゆっくりたちもこの人間は敵ではない、と判断したのか、きのこを食べながら思い思いにゆっくりし始めた。

しばらくの間、男は触れるでもなく、ただひたすらに子供のゆっくりを眺めているだけであった

「いや、ホントに可愛いな~赤ゆっくりは」

ニコニコと満面の笑みを浮かべながら、何度目かになるその台詞を言う。
そこで、ようやくゆっくりたちは疑問を持った。

「ゆ? あかゆっくりってなに? れいむのあかちゃんはれいむだよ!」

親れいむがややこしいことを言う。
ちなみに、ゆっくりに個体名というのは存在しない。あるのは『れいむ』や『まりさ』などといった種族名のみである。
それでは相手のことを呼び合えずに不便に思われるかもしれないが、ゆっくりは飾りによって相手を識別している。
どんなに美しいとされるゆっくりでも飾りがなければ、ゆっくりできないゆっくりと思われる。
家族であっても、飾りのないゆっくりは排斥しようとするのだ。
飾りは取れやすい、という欠点はあるが、相手を識別するのに最も必要なものである。
加えて、ゆっくりは親しい相手のことは微妙なニュアンスで呼び分けてもいるらしい。

余談ではあるが、人間がそれぞれ違う名前を持っている、というのはゆっくりにはよく理解できないことなのだ。
だから、人間を『にんげんさん』や『おにいさん』などといって一括りにしようとする。
もしかすると、人間には飾りがないのでゆっくりしていないと思っている可能性もある。
飾りがないゆっくりとは、人間で言えば名前のない人間と例えれば、少しは理解できるかもしれない。

「ああ、赤ゆっくりっていうのはね、赤ちゃんのゆっくりのことだよ。
 可愛い赤ちゃんの赤を取って、赤ゆっくり」

男は親れいむを見ながら、丁寧に説明する。
その説明に親れいむも納得の表情を浮かべて頷く。

「ゆ! あかちゃんのことだったんだね! そうだよ! れいむのあかちゃんはかわいいもんね!」

元々、大きかった声をさらに張り上げて親れいむは胸、もとい顎を張る。
男は頬を綻ばせながら、ゆっくりの様子を見ている。

「皆が『れいむ』じゃ、ちょっと呼びにくいもんね。赤ちゃんのことぐらいはそう呼んでみたいんだよ」

男は人間なので、ゆっくりの区別は大きさの大小などでしか区別ができないため、一つそんな提案をしてみる。
親れいむはというと、その提案に乗り気であった。

「ゆゆゆ! おにいさん、あたまいいね! ゆっくりよんでいいよ!」

男は褒められはしたが、流石に苦笑いで返す。
しかし、許可は出たので思う存分、呼ぶこととした。

「それじゃ、赤ゆっくり可愛いな~。ウチでも飼いたいなぁ。でもなぁ……」

わずかに陰鬱な表情になりながらも、触れずに愛でる男。
猫好きなのに猫アレルギー持ちのような可愛がり方である。
親れいむはそんな男の様子を見ていて、なんとなくうずうずし始めていた。
先ほどから男の言葉が気になって仕方ないのだ。
赤ゆっくり。赤ちゃんを指し示す言葉である上に、ゆっくりという言葉が入っていれば気にならないわけがない。
つまるところ、自分も言ってみたいのだ。

「ゆっ、ゆっ! おにいさんだけにはあかちゃんをまかせておけないよ! れいむもよぶよ!」

すぐに我慢の限界が訪れ、よく分からない論理を展開しながらも親れいむが自分の子供に近寄る。

「ゆ~♪ れいむのあかゆっくり~♪ とってもかわいいんだよ~♪」
「「「ゆ~」」」

赤ちゃんゆっくりとは親れいむなりのアレンジだろうか。
子守唄のようなものを歌いながら、己の子供を頬ずりをする親れいむ。
頬ずりをされている赤ゆっくりはなんだか妙な表情をしている。親が重いのかもしれない。
そして、周囲にいたゆっくりもその光景を見て、ゆっくりしたくなってきた。

「ゆっ、ゆっ! まりさのあかゆっくりもゆっくりするよ!」
「あかゆっくりちゃんって、とってもとかいてきなかんじね!」
「ゆ! あかちゃんゆっくりかわいいな~♪」

などと、自分の子供とゆっくりし始めた。
各々がゆっくりしている状況を見て、男はゆっくりしているのを邪魔していけない、と感じた。
人間がゆっくりと関わっても、ゆっくり側に良いことはあまり起きないからだ。
そういう意味で男は少し関わりすぎた。

「それじゃ、僕はここで失礼するよ。後は皆でゆっくりしていってね!」

「「「「ゆっくりしていってね!」」」」

こうして、男とゆっくりたちは別れた。
できればもう一度会いたいな、などと考えながら、男は家路に着いたのであった。





男と出会ってから一週間程が過ぎた。
その間、親れいむたちは酷い目に会うこともなく、毎日を過ごしていた。
食べ物がちょっと少なかったり、木にぶつかったりなど、些細な不幸はある。
しかし、それを補って余りあるほど自分の赤ゆっくりは可愛いし、皆と一緒にいられるのもとても幸せである。
みんなゆっくりしている、はずであった。

なんだかあかちゃんゆっくりのようすがへんだ、と何となく親れいむは思っていた。
言葉ではうまく説明できないが、妙な違和感を親れいむは持っていた。
赤れいむに元気がないわけではない。むしろ、普通に甘えてきたりもする。
呼べば返事もちゃんとする。多少の偏食はあっても、さして重要視すべきことでもない。
だが、何か変だった。

「ゆ~? よくわからないよ? でも、ゆっくりできないからいいや!」 

親れいむは考えることを放棄した。元来、ゆっくりとは考えることを常とするモノではない。
刹那的に日々を過ごしていく奇怪な動く饅頭である。
ともあれ、親れいむは先ほどまでの考えをすっかり忘れて、我が子に頬ずりをする。

「す~り、す~り♪ れいむのあかゆっくり、ゆっくりしていってね~♪」
「ゆっきゅり~♪」

赤ゆっくりもそれに応じて、頬ずりをする。とても仲が良い関係であった。



さらに幾日か過ぎた。
何度かの不幸はあったが、親れいむたちはゆっくりしている。
しかし、なんとなく違和感が残ったままであった。

「「ゆっくりしていってね!」」

仲間同士で言い合う中でも、何か釈然としないものがあった。
誰もがなんとはなしに分かっているはずなのに、分からない。
そんな状態が長く続き、親たちはどこかゆっくりできなかった。
そんな中でも赤ゆっくりたちはいつもどおりにゆっくりしていたが。

ある日、親れいむは仲の良いゆっくりまりさに思い切って相談してみることにした。
自分の考えすぎかもしれないが、ずっと心の底からゆっくりできていないのだ。
これではストレスが溜まって仕方ない。
親れいむは親まりさを人気ならぬゆっくり気のない場所に呼び出して、問いかけた

「ゆぅ……まりさはゆっくりできてる?」
「ゆっくり、できてるよ! どうしてそんなこときくの?」
「ゆっ……!」

まりさの言葉の間、『ゆっくり』の部分にわずかな躊躇いがあることを親れいむは見逃さなかった。
もしかするとまりさもゆっくりできていないのではないか、と親れいむは感じたのだ。

「まりさ、ほんとうにゆっくりできてる?」
「ゆ……ゆっくりできてるよ?」
「ほんとうに?」
「ゆ、ゆぅ……」

親れいむに何度も問いかけられることによって、まりさも徐々にゆっくりできなくなっていく。
心の中にあったわずかな疑念が段々と大きくなっていくのが分かる。

「……まりさも、すこしゆっくりできてないよ……」

注意して見れば、まりさの身体は葉っぱなどによってできた擦り傷がいくつかある。
親れいむにもあるが、自分の赤ゆっくりのために食べ物を取って来る時にできた傷である。
子育てとは大変なものである。
だが、ゆっくりできない問題とはまさしくそこにあった。

「まりさのあかゆっくりが、へんなんだよ……」

まりさが沈痛な面持ちで語りだす。
そこには隠し切れない苛立ちも含まれていた。

「もうずっと、ごはんをあげてるのにぜんぜんゆっくりしてないんだよ……
 まりさががんばってるのに、ぜんぜんてつだってくれないし、もっと、ちゃんとしてほしいよ……」

まりさが愚痴を言うように呟き続ける。
親れいむにはまりさの辛い気持ちはよく伝わったが、何が起こっているのかはよく分かっていなかった。
出した結論は、

「やっぱり、まりさもゆっくりできてないんだね!」

だった。原因は未だ不明だが、その推測は当たっていた。
そして、このゆっくりできない状態は群れ全体へと波及していくのであった。



さらに数日。そこで繰り広げられている光景は酷いものであった。

「ゆっくりできないあかゆっくりは、どっかいってね!」
「「まま~! どおぢでそんにゃこどいうの~!?」」

「こんなあかゆっくりちゃんはとかいはじゃないわ!」
「「ときゃいはってな~に?」」

「あかちゃんゆっくりなんて、もういらないよ!」
「「おかーしゃーん!?」」

親であったはずのゆっくりたちが己の子を罵っている姿がそこにはあった。
その中には、あの親れいむの姿もある。

「どおして、れいむのあかゆっくりはおおきくならないのぉぉぉおお!?」
「「「おか~しゃん、おこらないでね!? おこらないでね!?」」」

親から受ける圧力に、赤ゆっくりはとてもゆっくりできていなかった。
どうして親たちが怒っているのかも理解できない。
しかし、言われも無い迫害を受けているとは言いがたい状態でもあった。
親れいむの言葉は真実である。
赤ゆっくりたちは男と会った時と比べても、ほとんど成長していないのだ。
いや、全く成長していないと言い切ってしまってもいいかもしれない。

「ほんとうに、れいむのあかゆっくりはじゃまだよ! ゆっくりできないよ!」
「「「どうちてしょんなこというのぉぉぉぉぉ!!??」」」

親れいむは可愛がっていたことも忘れて、赤ゆっくりを罵る。
赤ゆっくりが生まれてから、ずっと食べ物を与え続けているにも関わらず、まったく大きくならない。
それが、親れいむには不気味に映り、またゆっくりできないように思えたのだ。
赤ゆっくりは赤ん坊であるために食べ物を自力で食べられず、親が噛み砕いたものなどを食べる。
一般に言われている限りでは数週間もあれば、赤ゆっくりから子ゆっくりへと成長する。
子ゆっくりともなれば、親が噛み砕いたものを食べる必要はなく、それなりに固形物を食べられるようにもなる。
また、身体にも弾力性が出てきて、赤ゆっくりと比べてはるかに死ににくくなる。
赤ゆっくりを育てるというのは神経を使うものなのだ。
それが一向に成長しないともなれば、余計にイラつくのも無理はない。

「もうへんなあかゆっくりなんてそだてないよ! さっさときえてね!」

「「「おか~しゃ~~ん!!!」」」

親れいむの最後通牒によって、親子間に決定的な溝ができた。
かえってきて、と泣く子を無視して、れいむは自分の食べ物を探しに行く。
見れば、周囲の親ゆっくりたちも一様に我が子を見捨てて、思い思いに行動し始めている。

「ゆ~♪ これでようやくゆっくりできるよ! ゆ~♪ ゆ~♪」

れいむは意気揚々と跳ねていく。
その頭の中は己の願望で一杯であった。

「まずはあたらしいおうちをみつけないとね! 
 れいむのかわいいかわいいあかゆっくりがいっぱいほしいよ!
 ちゃんとおおきくなるあかゆっくりがほしいね!」





この家族は何か特別なゆっくりではなかった。そこらに存在している一般的なゆっくりでしかない。
それは群れのゆっくりも同じである。では、何故今回のようなことが起こったのか。
それは、『あかゆっくり』という言葉によるものであった。
群れの子供たちは己の名前ではなく、明らかに『あかゆっくり』などと呼ばれることが多かった。
本来、ゆっくりは人間が気づき得ない微妙なニュアンスの差異で他の個体を呼び分けている。
それによって、己の自我を確立し、他の個体とはわずかに違った精神構造を持つ。
それが『あかゆっくり』と一括りにされることで乱れてしまったのだ。
最初に自我を確立させるべき相手から、名前を呼ばれないことで奇妙な変化が起こっていた。
子供たちは自分のことを『あかゆっくり』であると思い込み、そうであろうとする意思が働いていた。

『あかゆっくり』であるから、大きくならない
『あかゆっくり』であるから、固形物を食べられない。
『あかゆっくり』であるから、身体が柔らかい。
『あかゆっくり』であるから、うまく喋れない。
『あかゆっくり』であるから、ものが良く分からない。
『あかゆっくり』であるから、『あかゆっくり』でなくてはいけないのだ。

つまり、『あかゆっくり』と呼ばれ続けることで精神と身体が赤ゆっくりの状態で固定されているのだ。
餡子の遺伝によって、親が思う『あかゆっくりとはこうあるべき』という形が子にまで伝わっていたのだ。
この状態は自分の子供を『あかゆっくり』と呼び続ける限り、変わらないのだろう

けれども、れいむたちは今後もそう呼び続ける。
「れいむのあかゆっくり」と括ることで、通常よりも「この子供は自分のモノである」と印象付けることが可能だからだ。
何に印象付けるのか。勿論、自分と周囲に対してである。
いわば、自分が如何にゆっくりしているのかを証明するアイテムが『あかゆっくり』となっているのだ。
恐らく、ゆっくりたちは何故自分たちが子供のことを『あかゆっくり』と呼びたいのかは理解してはいないだろう。
そう呼んだらゆっくりできる気がする、そんな程度の理由しか思っていないのかもしれない。
ゆっくりたちは、どの個体も皆ゆっくりしていたい。
自分がどれくらいゆっくりできているかの指標として、『あかゆっくり』が必要とされたのだ。

『自分はこんなにもゆっくりしているものを持っている。だから、自分はとてもゆっくりしているのだ』

要約すれば、こういう理屈になるはずであった。
しかし、現実に赤ゆっくりは生きている。
れいむはその弱々しい個体を生かし続けるのが苦痛となったために捨ててしまったのだ。
赤ゆっくりがいる家族は、見た目とは裏腹にゆっくりできることが少ないからだ。
れいむはこれからもさらなるゆっくりを得るために、『あかゆっくり』を産んでは捨てていくのだろう。
多分、死ぬまで。




「ゆっくりしていってね! れいむのあかゆっくり!」

「ゆっきゅりしていってね!」







書いた人 ゆっくりまんじゅうの人

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最終更新:2009年01月26日 10:27
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