ゆっくりいじめ系2001 ゆっくり訪問

※俺設定全開です
※虐待の直接表現はあまりないです



タイトル「ゆっくり訪問」


アパートに下宿している大学生である青年は、夜食の準備をしていた。
準備といっても、カップラーメンに入れるお湯を沸かすために、電気ポットに水を入れていただけだが。
磁石式コンセントをポットに接続したところで、ドアをノックする音が聞こえた。
「はいはーい」
気のない返事をしながら、宅配便でも来たのかと、不用意にドアを開ける。
誰もいない。
舌打ちしてドアを閉めようとしたところ、足下から声が聞こえてきた。
「むきゅ、ゆっくりしていってね!」
「ゆっくちちていっちぇね!」
声の方に目をやると、そこにはゆっくりの成体ぱちゅりーと赤ありすがいた。
「なんだよゆっくりか…」
一時期、ペットとして飼育するのが流行った不思議生物ゆっくり。
当初は人語を解するので、犬猫なんかより躾けやすいだろうと考えられていた。
しかし、少しでも甘やかすとまるで自分が主人だと言わんばかりにつけあがる。
おまけに人語で罵詈雑言を浴びせてくるので、飼い主のストレスがマッハとなり、捨てられるゆっくりが後を絶たず、社会問題化した。
喋れないからこそ犬猫は可愛いのだと再認識させられ、ゆっくりブームはあっさり収束した。
青年の眼前にいるゆっくりも、おそらく捨てられたペットなのだろう。
そんな考えを巡らせていると、ぱちゅりーが話しかけてきた。
「むきゅ、おにいさんは ゆっくりできてる?」
いきなり質問されたため、青年は反射的に応えてしまった
「できてねーよ、今からレポートだよ」
ぱちゅりーは「予想通りッ!」といった表情を浮かべて言った
「そうよね、ゆっくりできていないわよね!」
「できちぇないね!」
わざわざ赤ありすが復唱する。
青年は、これからレポートという現実から無意識のうちに逃避したい願望に捕らわれ、このゆっくり遊技につき合ってしまっていた。
「そんなおにいさんに ろうほうよ!」
「りょうぽうにょ!」
「この ゆっくりする ほうほうが かかれた ごほんをよめば、ゆっくりできるわ!」
「ゆっくちできりゅよ!」
「いまなら ごはんと こうかんしてあげるわ!」
「あみゃあみゃ ちょーらいね!」
今度は青年が「予想通り」といった表情を浮かべる番だった
「なんだよ、やっぱり集りか」
片手でシッシと追い払う動作をしながら言った
「ゆっくりに餌やるのは条例違反なんだよ。なつかれても迷惑だしな。帰れ帰れ」
「むきゅ!なにいってるのよ!これは きちょうな ごほんなのよ!」
ぱちゅりーはもみあげに器用に挟んだ小さなチラシのようなものを盛んに振り回す
「とくべつに ごはんと こうかんしてあげるって いってるのよ!」
「あみゃあみゃ、ちょーらいね!」
「いらねー、つってんだろーが、ボケが」
青年は騒ぎ立てるぱちゅりーと赤ありすを蹴飛ばした。
クリームやカスタードをまき散らされては叶わないので、思いっきり手加減して。
コロコロと転がって、フェンスに激突する2匹のゆっくり。
「もう来るんじゃねーぞ」
青年はダメージに震えながら立ち上がる(?)2匹を一瞥すると、ドアノブに手を掛ける。
体が弱いとされるぱちゅりーとは思えない回復力で立ち直ると、青年に向かって叫んだ
「まっでぐだざいぃぃ〜!ぱちゅは ごのごを ぞだでなぐちゃ いげないんでずぅ〜!」
「みゃみゃ〜!」
今度は泣き落としかよ。
呆れる青年だが、先ほど同様レポートからの逃避行動を取ってしまう。
腕組みして足でドアの開放状態をキープしつつ、ぱちゅりーの話を聞いてみることにした。
「ぱちゅと ありすは すっきりして あかちゃん うんだけど、ありすは しんじゃったの!」
ぱちゅりーは目から洪水のように涙を流しながら青年に訴える
「ぱちゅは かりが へただから、あかちゃんに ごはんを ちゃんとたべさせられないの!
 だから、ゆっくりできる ごほんと ごはんを にんげんさんに こうかんしてもらってるの!
 だって、ぱちゅには そうめいな ずのうしか ないから!」
「みゃみゃ〜!」
赤ありすがぱちゅりーに泣きながら頬ずりしている。
シングルマザーか…
青年はちょっと情に絆され、ささっと周囲を見渡した。
誰もいない。
丁度、さっき友人とファミレスに行った際にガメてきたスティックシュガーがあった。
この程度の袋なら、ゆっくりでも噛みきれるであろう。
青年はそれを泣き喚くぱちゅりーの帽子に差し込みながら言った
「ほら、コレやるから、さっさと巣に帰れ」
「むきゅ!むきゅ〜ん、おにいさん ありがとう!」
「ありがちょー!」
「この ゆっくりできる ごほんと こうかんね!」
もみあげに挟んであったチラシのようなものを、器用に口にくわえ直し青年に差し出した。
青年は流れで思わずそのチラシのようなものを受け取る。
さて、そこに書かれているという、ゆっくりできる方法とは…

『美白乳天使ホワイトエンジェル 95分10000円 チェンジ可…』

「…これは『ゆっくりできる方法』じゃなくて『すっきりできる方法』じゃあ、ボケェッッ!!!」
青年は今度はインサイドキックでゆっくり親子を、潰さないよう配慮しつつ、アパートの出口方向に蹴飛ばした。
「「ゆべぇっ!!!」」
道路に着地し、そのままコロコロ側道まで転がってゆく。
「ゆぅっ!ぱちゅ!おちびちゃん!」
アパートの出口あたりから、転がるぱちゅりーと赤ありすを追いかけるようにありすが飛び出した。
「むきゅ〜うぅぅん…」
「ゅぎゅうぅぅ…」
目を回しているぱちゅりーと赤ありすを舐めるありす
「ぺーろぺーろ、いたいのいたいの、とんでけー!」
どうやら先程ぱちゅりーが話していた、死んだはずのありすのようだ。
興醒めした青年は、ドアを閉め鍵をかけたのであった。

青年は友人に先程の出来事を報告するため、電話をかけた。
同じくレポート作成作業中のはずだから、怒鳴られるかと思ったが、電話せずにはいられなかった。
はたして、電話に出た友人からは、意外な声が発せられた。
「おう、今 俺ンとこにゆっくりがきたぞ!」

青年の友人もアパート暮らしだ。
友人がレポートに取りかかろうとノートPCに電源を入れたタイミングで、玄関をノックする音が聞こえた。
「はいはーい」
宅急便かな、何か頼んだかな?と不用意にドアを開けてしまった。
「こんにちわ、おにいさん!れいむだよ!」
でかい声が足下から響いてきた
「おにいさん、れいむに ごはんを ちょーだいね!」
バスケットボールサイズのゆっくりれいむは畳み込む
「れいむが『しあわせー♪』すると、おひかりさんが でるんだよ!」
ぽよんぽよんと跳ねながら、ヒートアップしてゆく
「おひかりさんを にんげんさんが あびると ゆっくりできるんだよ!」
れいむはそこで一区切りして俯いた。
そして、はち切れんばかりの笑顔を友人に向けながら言った
「だから おにいさん!れいむに ごはんを ちょーだいね!!!」
「うるせぇ、ボケが」
冷淡に言い放つと、れいむの顔面につま先をめり込ませた
「わけわかんねー事、叫んでンじゃねーよ」
フェンスまで吹き飛んだれいむは「ゆぎゅっ!!!」と呻き、蹲って震えている。
閉まるドアに、ゆっくりとは思えないスピードで入り込むと、友人に叫んだ
「まってね おにいさん!れいむの おひかりさんを あびたくないの!?」
友人は足で見事なストッピングを決め、そのままれいむを踏みつけながら言った
「…なんじゃい、その『おひかりさん』つーのは?」
とりあえず、青年と同じくレポートからの逃避行動として、れいむの話につき合うことにした。
「ゆゆっ!ばかな おにいさんに もういちど せつめいしてあげるね!」
友人の足にれいむが跳ねようとしている力が伝わってくる。
ウネウネして気持ち悪い。
「れいむが おいしいごはんをたべて 『しあわせー♪』すると、れいむから おひかりさんが でるんだよ!」
足から伝達するウネウネのテンポが上がってきた
「たいようさんのような おひかりさんは とてもゆっくりできるよ!
 おにいさんの あんこさんも きれいになるんだよ!」
友人はれいむの話を整理してみた。

1.れいむが餌を食べると体が光る
2.れいむから放たれた光を浴びると、人間はゆっくりできる
3.れいむから放たれた光を浴びると、餡子(血液?)が綺麗になる

「…訳が分からん」
そもそも、ゆっくりが餌を食べて「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」した時に光ったのを見たことがない。
もしかして、新種のゆっくりか!?
餌をやることは条例違反だが、周囲に誰もいないし、学生として学術的好奇心を満たさずにはいられない。
友人は先程青年と一緒に行ったファミレスからガメてきたスティックシュガーを与えることにした。
「オラ饅頭、あまあまやるぞ」
「ゆっ!あまあま!ゆっくりしないで はやくちょうだいね!」
足をどけてやると、上を向いて大きく口を開ける。
玄関のすぐ横がキッチン、手の届くところに調味料入れがあり、そこにスティックシュガーを入れていたので、すぐに取り出せた。
大きな口を開けて待機しているれいむの口の中に砂糖を流し込む。
れいむは涙を流しながら
「あまあま、あまあま、しあわせー♪」
とびきりの笑顔になったが、「おひかりさん」とやらは友人には確認できなかった。
「おい、れいむ。『おひかりさん』はどうした?」
「ゆゆっ?いま おひかりさんが でたでしょ?わからないの?ばかなの?しぬの?」
れいむが嘘をついているのでなければ、「おひかりさん」は出たのだろう。
ただしそれは、人間には見えない。
そして、健康になったりゆっくりしたりしていない現実があった。
「意味ねー」
友人はアパートの出口に向かって、れいむを蹴り出した。
あとにはれいむの絶叫と、友人が閉めたドアの音だけが残った。

「とゆー訳だ」
「条例違反じゃねーか」
友人の話に、青年はつっこんだ。
しかし、友人は反論する
「ちげーよ、盛り砂糖しようとしたらゆっくりが勝手に食べたんだよ。俺は被害者だよ」
「しかし、お前んとこのアパートと結構離れてんのに、似たような事件がおこるとはな…」
「多分、どこででも発生してると思うぜ」
二人で今回あった事件について考察してみた。

ゆっくりは、採餌やペット化など、成功体験が個体群間においてものすごい速度で伝播する。
メカニズムは不明だが、会話によるもの、繁殖時の餡子記憶伝達によるものが考えられる。
今回のドアをノックする方法も、石を銜えて頭突き(?)するという行動は従来見られなかったものだが、青年と友人のケースで共通していることから、伝播したものだと推測できる。
「つまり、どこかのゆっくりがピンクチラシを渡したら餌を貰えたのを、誰かが見たか他ゆっくりに話したか」
「ピンクチラシをポストに投函すると逮捕されちゃうから、もしかしたら、業者がゆっくりにやらせてんのかもな」
友人は人間の関与を疑っている
「ゆっくりに『このチラシを人間にあげれば、ご飯貰えるよ』とか言って」
「ゆっくりが『人間さんに言われたんですぅ』ってゲロして、チラシから業者たどればバレバレじゃん」
「そんなもん、チラシは盗まれましたって言やすむだろ。それに奴らが人間に餌をたかるのは日常茶飯事」
「おひかりさん、はなんなんだろうな」
「プリクラの撮影風景でも見たんじゃない?大体みんな笑顔になるから、それ見て『人間は光を浴びるとゆっくりする』と思いこんだか…」
「血液はなんだよ」
「アレだろ」
「アレか…」

次の日、大学に行ってみると、他の学生のアパートや自宅でも似たような出来事があったらしい。
実際にゆっくりが訪問してきた日付は各々でかなり違うのだが、人間の記憶などいい加減なもので、話題になったときが事件のあったときと錯覚する。
なので、市民はゆっくりが一斉に家庭訪問したかのような印象を受けた。
ゆっくりが餌をたかること自体は珍しくない。
問題なのは、その方法であった。
石を銜えて頭突きでノックするものだから、ドアに傷が付く。
アパートなどでは、全てのドアに大体高さ30センチくらいの所に傷やへこみができていた所もあった。
また、都市に住むゆっくりは車と住居の区別ができず、「人間さんが出てくるから、ここ(車)もおうちだね」
という勘違いをして、車のドアに傷・へこみをつけた。
アパートやマンションの管理組合や管理会社、車のオーナーなど市民、そして自治体を巻き込んで大論争がおこった。
管理組合や市民は自治体がゆっくり害の危険性を見過ごしていたと損害賠償を請求し、自治体は自然災害と突っぱねる。
それまで大して話題にならなかった、野良ゆっくりの「おうち宣言」や「物乞い」、繁殖しすぎて道路に飛び出しスリップ事故の原因になる事例までがクローズアップされ始めた。
怒りの矛先は、ゆっくりショップや愛好家にまで向かう。
ショップや愛好家が飼えなくなったゆっくりを捨てているのではないかという風評まで流れた。
犬や猫と違って、明らかに損害をもたらすゆっくりを排斥するという運びとなるのに、時間はかからなかった。
都市からゆっくりの姿が消えた。


あとがき
読んでいただいた方、ありがとうございます。
家のポストにチラシが放り込まれているのを見て思いつきました。
あれって、ゴミになるからいやなんですよね。


これまで書いた作品
ゆっくり爆弾
ゆっくりの光

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最終更新:2022年01月31日 03:20
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