ゆっくりいじめ系1795 水ゆースペシャル・鬼意山麓の洞窟で幻の生物ゆっくりを見た!

※作者名・天海


鬼意山の麓にある洞窟付近で、幻の生物・ゆっくりを目撃したという情報を入手した我々は、早速現地へと飛んだ。


現地へ到着した我々は、付近の住民に聞き込み調査を行った。
そこで入手できたのは以下のような情報である。
『ゆっくりは人間の頭を模したような、丸い生物である。』
『ゆっくりの挨拶は、ゆっくりしていってね、という物である。』
『ゆっくりの活動時間帯は昼で、夜になると洞窟に戻ってくるようである。おそらく巣にしているのであろう。』
我々はこれらの情報を元に、今回の作戦を立てることにした。


まずは探索時間帯。これは夜に行うことに決定した。
ゆっくりの行動範囲は不明であり、広い草原を探索するのはあまりにも確実性が無いためである。
そのため探索場所は必然的に、ゆっくりの巣であると思われる洞窟内部と決定した。
洞窟探索用の装備はある程度整っているため、すぐにでも探索を行うことが可能である事も、この決定を手伝うこととなった。
我々は洞窟から少し離れた人里近くにテントを張る許可をもらい、夜を待つことにした。



夜。我々は周囲を警戒しながら、洞窟へと向かった。
道中の川の近くにさしかかると、川の上に何か浮かんでいる事を1人の隊員が発見した。
我々は音をたてぬよう、忍び足でそれに近づき、姿を確認する。

月明かりを頼りにした我々の目に映った物は、人の顔を模した不思議な生物……
あれこそがまさに我々が探し求めていた、ゆっくり ではないか!
髪の毛にあたる部分は、夜のため少し不確かだがおそらく金色……金髪のゆっくり種であった。
興奮を抑えきれぬ我々は、早速ゆっくりに接触することを試みた。

「ゆっくりしていってね!」隊長の声が静かな夜の草原に響き渡る。
「ゆ! ゆっくりしていってね!」振り返ったゆっくりは笑顔でそう返事をしてくれた。
我々はついに幻の生物との接触に成功したのである!


……しかし次の瞬間、ゆっくりの表情は激変した。
「ゆううううううううう! ぼうさんがあああああぁぁぁぁ!」
そういって、白めを剥き出しにして驚いた表情をしたゆっくりは、そのまま川の流れに乗って逃走を開始したのである!

我々は必死に追おうとするが、川の流れには追いつけなかった。
「ゆっくりしたけっかがこれだよぉぉ!」
遠くでゆっくりが叫んでいるのを、我々は耳にした。
ぼうさんとは果たして…… 坊さんのことであろうか?
スキンヘッドの長谷川隊員の容姿を見て、僧侶と見間違い驚いたのであろうか。

川沿いにゆっくりを追っていくと、人が落下しても ただでは済まないであろう高さを誇る滝壺にたどりついた。
しかし、滝壺の下には謎の黒い物体が浮いているだけであった。
川に分岐は無かったというのに一体どうやって、あのゆっくりは逃走したのであろうか。
自然を利用した逃走経路を持つ、非常に高度な文化を持っているゆっくりに、我々は再度気を引き締めることとなった。
また、ゆっくりが僧侶を苦手としているという推測がたったのは、一つの収穫である。
長谷川隊員には平地でもヘルメットを装備するように隊長が指示し、我々は当初の目的である洞窟へと向かった。



目的地に辿りついた我々は、隊長を先頭に慎重に洞窟の中へと足を進めていった。
暗い洞窟の奥から、時折わずかながら ゆっくり達の小さな声が聞こえてくる。

洞窟に入ると月明かりがぎりぎり届くあたりに広間のようなスペースが見られた。
しかしどうやら、ゆっくりはこの部屋には見当たらなかった。
周りには複数の横穴があり、またさらに奥へ続いていると思われる ひと際大きな通路があった。
複数の部屋を、役割を持たせて運用しているのであろう。
やはり、ゆっくりは生物としてかなり高度な文化を持っているようである。


「よし、ここは俺だけで行ってこよう。」
横穴の一つを前にして隊長は小声でそう言うと、ゆっくりを警戒させないように懐中電灯の明かりを最低限まで絞った。
なにしろ川にいたゆっくりは、我々には理解できない手段で逃走を図ったくらいなのである。
光で怯えさせて、また逃走されてはたまった物では無いのである。

隊長は壁を手探りしながら、一歩一歩力強く地面を踏みしめる。
「ゆ゛っ!」「ゆ゛っ!」「ゆ゛っ!」「ゆ゛っ!」 隊長が足を進める度に奇妙な音が鳴る。
「足の感触が気色悪いな……」 隊長はそう言いながらも、手探りで横穴を進んでいく。

しばらく進んだところで、隊長は行き止まりに辿りついた。
「ここは小部屋になっているのか?」そう言って、懐中電灯の明かりを強くし、足元を確認する隊長。
足元には柔らかい土のような物が広がっており、赤くて小さいリボンや黒い布などが複数落ちている。

「これは……餡子か?」 土のような物を手にとった隊長がそう話した。
どうやらここは食料庫だったようである。
赤いリボンと黒い布は何かの印であろうか。おそらくは食料の取り分などを示した物なのであろう。
我々はここでも、ゆっくり独自の文化を目にすることができたのである。


丁度その時、洞窟の奥から謎の声が!
「ゆうう……すわないで……」「うー!うー!……」
一体奥で何が起きているのであろうか。
隊長が横穴から戻るのを待ち、我々はさらに奥へと進んでいった。


我々は警戒をさらに強めながら、慎重に足を進めていくと、突如として最後尾にいた長谷川隊員が足を止めた。
「どうした? 長谷川隊員!」隊長は少し苛立ちの籠った声で訊ねる。
「た、隊長、こ、これ……見てください!」少し興奮した様子の長谷川隊員。その手にあったものは!


「「「こ、これは……ゆっくり!」」」 他の隊員達が一斉に色めき立つ。
長谷川隊員の手に乗っていたのは、紫色の髪に帽子をかぶった、少し顔色の悪いゆっくりだった。
ついに我々はゆっくりの捕獲に成功したのだ!
……しかし次の瞬間!

「むぎゅっ!」隊長は突如として、手にしたハンマーでゆっくりを地面へ叩き落としたのだ!
隊長の奇行に、隊員一同は驚きの色を隠せない。せっかく捕獲したゆっくりを……

「馬鹿野郎!! そいつは毒ゆっくりだ!!!」洞窟内に響く隊長の怒声。
「「「「!!!」」」」 隊員達は驚きの色を隠せない。
まさか、ゆっくりに毒を持つ物がいたとは。隊員達は地面でつぶれたゆっくりを見やる。
確かに、緑色で毒々しいクリーム状の体液をまき散らしている。
「む、むぎゅぅぅぅ……」まだ息の残っていたそれに対し、隊長は足を踏みつけて止めをさした。
殺生は本来好ましくないのだが、やらなければ我々が逆にやられていたのだ!

「いいか! もっと注意を払え! 俺はこの隊から死人を出すつもりはないぞ!」そう続ける隊長。
しかし隊員達、特に直に毒ゆっくりに触っていた長谷川隊員はショックを隠せず、その身を震わせつづけていた。
その様子を察し、隊長は一つの決断を下す。
「……仕方ない、一旦戻るぞ。続きは明日だ。」

念のため、我々は洞窟の入り口に篭型のトラップと小型カメラをしかける。地面にしかけたセンサーが反応すると、上から籠が落ちてくるという古典的なトラップである。
少し強引な手法ではあるが、我々はなんとしてもゆっくりを捕獲しなければならないのだ。
我々はテントまで戻り、仮眠をとることにした。



翌日未明。けたたましいブザー音がテントに響く。
バッと起き上がる隊員一同。センサーに何かがひっかかり、トラップが作動したのだ。
小型カメラの映像を確認すると、何か羽のついた球体と、小さな子供のような物が映っていた。残念ながら映像が乱れて、それ以上は確認できない。
「これも……ゆっくりなのか?」隊長でさえも半信半疑であるが、ともかく我々は再度洞窟へと急いだ。
「「うああー!」」 洞窟に近づいた我々は洞窟方面から悲鳴のような声を耳にした。

我々が洞窟入り口に辿りついたのは、太陽が地平線から顔を出しきった頃であった。
そして何かを捕らえたはずのトラップは……もぬけの殻である
中には帽子のような物が2つ、謎の灰の上に残されていただけであった。
「まさか、トラップから脱出したというのか? どうやって……」 隊長がそうつぶやくと、我々の中に重苦しい空気が流れる。


しばらくの沈黙の後、隊長は各隊員の顔を確認する。
隊員達はそれぞれ、隊長にうなづく。

「……撤退だ。我々はあまりにもゆっくりを知らなすぎた。」隊長の勇気ある決断が下った。
そう、我々にはゆっくりに対抗する知識も、透明な箱やアルコールランプなどの装備も足らなすぎたのである。



1か月後に現地に確認をとったところ、洞窟周辺でゆっくりを目撃することは無くなったという。
我々の行動を察して、住処を移動させたのであろうか。

残念ながら、我々は今回ゆっくりを捕獲することはできなかった。
しかし、我々の冒険はゆっくりの生態を明らかにするまで終わることは無いであろう。

ゆっくりを捕獲するその時まで、行け!虐待お兄さん探検隊! 戦え!虐待お兄さん探検隊!

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最終更新:2009年03月20日 10:41
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