ゆっくりいじめ系1779 ゆっくり人面瘡 1

ゆっくり人面瘡1/2


諸注意
※初投稿
※幻想郷在住のおにいさんが主人公です。
※原作キャラが登場しています。
※モブにオリキャラが登場します。
※おにいさんと原作キャラが微妙に絡みます。
※虐待成分を含んでいますが、話の長さに比べて少ないです。
※パロディネタを多大に含んでいます。
※この話は他の作者さん達の作品の影響も多大に受けています。

※1と2に分かれています。



■■■序章■■■

幻想郷のとある山間に、狩猟採集を生業としたおにいさんがいました。
危険な妖怪も出没する山間での危険な仕事ですが、能力を持たない人間達に山の恵みを提供するための大切な仕事です。
山菜やきのこなどの食材や鹿や猪などの獣、時に檜皮などの木材も調達するおにいさんは、山のなんでも屋であり、
その仕事に誇りを持って仕事をしていました。

季節は年の瀬。
既に山の中腹まで雪が積もっており、年が明ける頃には里にも雪が積もりそうです。

その日は木々が茂った森の中で、おにいさんは珍しいキノコを探していました。
仕事柄、時に依頼があれば特定の材料を仕入れに行くことがあります。
この冬の寒い霜のある土の中に生える特殊なキノコだとのこと。
依頼主からそのキノコの詳しい生態を聞いていたので、アタリをつけて目指します。
自他共に認める山のなんでも屋ですから、地質状態の把握もなんのそのです。

目指すキノコは三番目のアタリをつけた場所に生えていました。
あとは採集すればこの日の仕事は終わりなのですが、ここに先客がいました。

「ゆゆっ!ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよっ。ゆっくりできないにんげんはかえれだぜ!」

そうです。ゆっくりです。
サッカーボール大の成体ゆっくりまりさの群です。
この不思議な生物は冬眠すると考えられていますが、冬でも暖かい時間帯には起きだします。
ちょうど草木の間に暖かい日差しが差し込んでおり、ひなたぼっこをしていたのでしょう。
5匹の小さな群れが、目的のキノコの前に陣取っていました。
確かに枯れ草がまるで布団のように暖かい空気を蓄え、ゆっくりした場所です。
目的のキノコを目の前で捕食されてはかないません。迅速かつ丁寧に採集する必要があります。
もちろん野生のゆっくりの捕獲を依頼されれば捕獲しますが、現在その様な依頼をおにいさんは受けていません。
力の差を教えてやりたいのもやまやまですが、相手の近くに依頼物がある以上下手につぶせません。

「やぁ、ゆっくりたち。ゆっくりしていってね!」

まず愛想良く挨拶します。

「っ! ゆっくりしていってね!!」

この生物の条件反射を利用し間を取り、懐から携帯していたチョコレートをとり出します。

「おかしをあげるよ。あまいぞー。ゆっくり食べてね!」

「「ほほおおおおっおっ」」

銀紙を剥がして数かけら足下に置くと、咆哮な甘い匂いにつられて我先にと飛びついてきました。

「「むーしゃむーしゃ♪しあわせー♪」」

と感涙しているゆっくりたちを尻目におにいさんは目的のキノコを採集します。
木の幹の根元に舞茸の如く大きな房をつくっていました。
うれしいことにまだ捕食されていない様です。
依頼者からは、完全な状態で採取してほしいいんだぜ。とも念を押されていたので、
そのまま引っこ抜かずに木の皮ごと削り出す事にしました。ナタを使って削りだしていきます。
しかしなかなかきつい体勢です。
一旦立ち上がって、たすきをかけ。ひと呼吸付きます。
そのとき

「おにいさん!もっとゆっくりおかしをちょうだいね。 ゆゆっ! まりさたちの“たからもの”になにしてるんだぜっ!!」

「“たからもの”だと?このキノコがおまえらのたからもの?」
 だから補食されていないのか。

「たからものにさわらないでねっ!」
「まりさのたからものになにするのぉ!?」

「すまんがこの“たからもの”とやらは俺が頂いていく。チョコをあげたんだ。ゆっくり理解してね」

「ゆっくりわからないよおぉぉぉ!」

一部のゆっくりはガラクタなどの一部のモノに対して“たからもの宣言”をし、異常な執着を示します。
このまりさの群は、集団でこのキノコを“たからもの”にしていたようです。
まさしくその“たからもの”を奪おうとしているおにいさんに歯を剥き出しにして体当たりを仕掛けてきます。

「ゆっくりできないにんげんはしんでねぇえっじぃぶっっ!」

しかし野生といえどゆっくりが人間にかなうはずありません。
おにいさんは片足で蹴り飛ばします。
もちろん今は依頼品がおにいさんの背中です。餡子や土で汚さないように慎重に。
商売道具のナタでつまらんモノを切りたくなかったのでここでは使いません。

「たからものにさわるなぁああっえぐぜっっぶっ!」

二匹を軽く潰しても、残り3匹が一斉に飛びかかってきました。

「「たからものぉぉおおうああああっっ!!!」」

三匹連続攻撃への対処も抜かりありません。

「ゆぼぉおっ?」

一匹目を踏みつけます。踏み台にはせずゆっくりと押しつぶします。

「あびゅばっ!」「うごぇすっ?」

二匹目は右手の手刀で地面に叩き付けつぶし、三匹目は左手でその口の中に正拳をぶち込んでやります。
そいつはラスト一匹です。派手にキメたいですね。
ゆっくりの体内で手の平を開き、勢いにまかせ背中の皮をぶち抜きます。
「ヒイィイイトゥォエンドォッ!」
虐待を好むおにいさんではありませんが、やる時はやる、キメる時はキメる性格の様です。

その時、

砂糖菓子でできているまりさの歯が、おにいさんの腕に傷をつけました。
シャイニンgではなくて、パンチの威力が加わったおかげで一矢報いたのでした。
しかし傷はたいしたことはありません。かすり傷です。
おにいさんはその時点で、とくに気に留めませんでした。
この傷が物語の始まりなのですが、ともあれ、
大した損傷もなく無事に目的の依頼品を手に入れるとおにいさんは帰路につきました。


■■■発症■■■

翌日

おにいさんは左腕に違和感を感じて目覚めました。
しつこいかゆみがするのです。
袖をめくると昨日ゆっくりを退治した時に付いた傷のあたりがかぶれています。

「漆にあたった覚えはないし。どうしたものか?」

はてな?と思いながらも、馬油を塗って包帯を巻き、その日も毎日と同じように、山に仕事に向い、
一日が過ぎ、その日の終わりにはその傷のこともすっかり忘れていました。


さらに翌日

うーうーうーと、うなるような音でおにいさんは目が覚めます。
左腕に何かが動く感覚があります。
しかも自分の腕からその音が聞こえてくるではありませんか!
布団から跳ね起きて袖をまくります。
包帯のしたでうねうねと何かがうごいています。
そのうごきに合わせて「うあーー」「ゆーー」とくぐもった声を出しているのです。


おにいさんは恐る恐る包帯を外します。

腕になにかがついています。

「ぷはー♪」

呼吸しています。

「ゆー♪」

しゃべりました。

わけのわからないもの。

おにいさんはおどろきのあまり声が出ませんでした。

なにをしていいのかわかりませんでした。


そこには前日まではただのかぶれだったものが、あの憎たらしいゆっくりの顔になっていたのです。
大きさは、小ぶりのあんまんを潰した位でしょうか。
目玉があり、口もあり、金髪の髪、とんがり帽子の様なものまでくっついています。顔だけですがどうみてもまりさ種です。ほんとうにあry
初めてルナティックをプレイした初心者の様に惚けていると、そのゆっくりの目が動きおにいさんと目が合います。

「ゆっくちしちぇってね♪」

「っっっっっっっっっっっっっ!!?」

緊張の糸が切れ、訳がわからなくブンブンと腕を降りながらただ声にならない叫びをあげました。
普段危険な生物、熊や猪、人をおそう妖怪に突然出くわしても、驚きはしても冷静な行動がとれるおにいさんです。
山を生業にする者のサガとでも言いましょうか。
そのサガが億病にも声を出す事はありませんでした。
しかし、山で熊に出くわしても、それは熊に出会うかもしれないという覚悟を常に持っているから。
この時ばかりはおにいさんに、覚悟が足りませんでした。

「ゆーぅぅぅ。めがまわりゅよぉぉ?」

 なんなんだ?いったいなんなんだ!?


自暴自棄になりそうで、そのわけのわからないものが視線のなかに入らぬ様、布団に腕をつっこみます。

「うー?うあいお?ゆーゆーううう」

声がこもり、その異様な光景から目をそらす事によってすこし落ち着いてきたようです。

あのとき付いた傷が原因か?し、しかしゆっくりが、人体に寄生するなんて!?わけがわからないっ!!
とにかくこの不思議生物がなぜ寄生しているのかは別として、とにかく取り除かなければならない!剥がさなくてはっ!!

体に蜂や蛭が取り付いてきた時のように、とにかくそれを払う事を考えます。
おにいさんは素数を数えて、自身の心臓の鼓動が落ち着くのを待ちました。
心を獲物を仕留める狩人にするのです。
息をゆっくり吸い。
ゆっくりと吐く。

そう、ゆっくりだ。こいつらがやっているようにゆっくりでいい。

521… 523… 537は…ちがう…541…!

そのあいだも「うー?にゃんにゃのー?」という声は聞こえてきます。
しかし、百番目の素数まで数え終えたおにいさんに死角はありません。
布団から腕を出し、改めてこの奇妙なゆっくりと向き合います。

「ゆっくっちしちぇってね♪」

「おまえはゆっくりまりさか?」
そう言いながら自分の腕を改めて観察します。

昨日かぶれていた手首から肘にかけて、皮膚がカピカピにひび割れている。
しかし、その中心部、前腕筋の膨らみの部分にあんまん大のゆっくりの顔がへばりついている!
ゆっくりの顔の周りだけは潤いがあり、通常のゆっくりたちに近い。

「ゆー♪ おにいさんはゆっくちできるひちょ? おにゃかがへったよ。ゆっくちえさをちょーらいね♪」

「質問に質問でかえすなぁ!」

温厚なお兄さんでもこの精神状態では流石に苛つきます。
鼻の辺りをつねってやりました。
端から見ると自分の腕をつねっているように見えます。

「ゆびぃいいっ!いだいいだい!ゆっぢりはなしてねええ!」

つまんだ部分がビロンと伸びます。
剥がそうにも、かさぶたのようにペリペリ剥がれるとはいかないようです。
しかし、それと同時に自分の感覚に気づきます。

「自分の腕が痛い……だと……!?」

どうやら作り物ではなく本当におにいさんの体の一部となっている様です。
試しに囲炉裏から、火箸を取り上げ軽くあててみました。

「うぎゃあああああああ、あづびいいいい。やべでえええええっ!」

まりさのおでこにあてられた部分が赤く腫れます。おにいさんの腕がヒリヒリします。
今度は外に出て行きました。
外に貯めてある水瓶に腕を突っ込み、たわしでごしごし磨いています。

「やべ、で、うぼぁ、うだ、うぁああば、ば、ばば、ばば」

まりさの声がやかましく響いた後、おにいさんのため息が聞こえてきました。
どうやらダメだったようです。

「はぁー いったいどうなっちまったんだ?これは医者にみせるしかないか…ああ、朝から騒いで喉がかわく」

仕事熱心なおにいさんですが、この日は臨時休業し、朝食後永遠亭のあの女医のところへ向かうことにしました。


■■幕間01■■


普段、朝起きたら顔を洗って目を覚まし、軽い運動をしてから朝食をとる、というのがおにいさんの日課です。
しかしこの日は、驚きによって顔を洗う前に目が覚め、すでに一汗流していました。
朝食は腹に適当に流し込むのですが、一人暮らしなのにこの日は賑やかです。

「ゆっくり朝ご飯を食べるね!」
おにいさんの独り言は虚しく響くだけでした。

「ゆー、まりちゃにもえさをちょーらいねぇぇ!」
「・・・・・・」
「むーしゃむーしゃしたいぃぃぃ!」
「・・・・・・」

おにいさんはとにかく医者に見せるまではシカトすることに決めた様です。
質素なおかずの食事ですが、その日一日の力をつけるためおにいさんはおむすび3個を平らげます。
「ふぅー食った食った」
「しあわちぇー♪」
「っ!」
見るとゆっくりはいかにも満腹満腹といった表情でにやついています。
しかしすぐに
「すーや♪すーや♪」
と気持ち良さそうに寝息を立てていました。
ムカつきます。
おにいさんは、このゆっくりにエサを与えていません。
しかしこのゆっくりの表情からおにいさんが食べた栄養もこのゆっくりに行き届いてしまう様です。
立ちくらみまでしてきました。
せっかく食べた食後の満足感も抜け落ちてしまいましたが、着替えを整え外出していきます。


永遠亭へ行く途中、いつもその日の収穫を卸している問屋にしばらく休むという事を伝えにいきました。
おにいさんの戦利品を金に替えてくれるお得意様です、おろそかにはできません。
もちろん腕のゆっくりを見せ物にする様な自虐趣味はないので、包帯で隠しています。

「・・・という訳で、ちょっと左腕を怪我しちゃいましてね、今日の卸しは休みになります」
「クリスマスも近くて樅の木やら雑貨の仕入れを頼みたかったんだが、
 妖怪に襲われたならしかたないね。まぁ春までにゆっくり直せばいいさ」
「ゆっくり♪」
「ゆっくり?」

しかしゆっくりの声はもれるようです。

「ゆっくりと我が身につく悪魔めぇ、静まれ!ここで目覚めるなっ!潰されたいのかっ!!」
「中二病も併発してるようだねぇ。ガムやるよ。養生しなさい。」

いらん赤っ恥をかきつつ、改めて永遠亭に向かいます。


■■■永遠亭■■■


太陽が空の三分の二ほどに登った頃、
おにいさんは月の頭脳こと八意永琳女医の診察を受けているようです。
既にレントゲンや血液検査等一通りの検査をうけ、今は診察結果を待ちつつ永琳が診断しています。

「うん、実に興味深いわね」
「手術でもなんでもいいんでとってくれませんか」
「まぁ、検査結果がでるまでちょっと観察でもしてみましょう」

今このゆっくりは包帯から解放されて診察室がもの珍しいのか「ゆ?ゆ?」ときょろきょろ見回しています。
永琳がはなしかけると

「ゆっくりしていってね♪」

と通常種のゆっくりと同等の反応をする。

「エサは与えたかしら?」
「いえ、俺が食ったらそれで満足するみたいです」
「寄生している訳ね」

診察台の引き出しからビスケットを取り出すと、ゆっくりにみせびらかします。

「ゆゆ♪おねえさん。そのおかしをちょーだいね♪」

ビスケットのひとかけらを口に放り込みます。

「むーしゃむーしゃ♪しあわせー♪」

「食べてるわねぇ。消化はどうしてるのかしら?」
「あげた後に聞かないで下さい。今のとこ、うんうんやらしーしーやらはしてませんが。」
「エネルギー変換や生殖方法等興味はつきないわねぇ」

「師匠〜検査結果でました〜」
「はい、ありがと。」

「ふむふむ〜あらっ?」
「やばいんですか?」
「血糖値が異常に高いわよ。あなた糖尿病?」
「一応健康な青年という設定なんですが。」
「問診では起きてからおにぎり三個となっているけど、本当に何も食べてない?バケツ一杯の砂糖水とか」
「飲んでませんよ。グラップラーじゃないんですから」
「だとしたら、異常ね。原因は…?」

ちらっと目線を問題の物へむけます。
永琳の助手でもある鈴仙が投影版にレントゲンを貼付け終えたのを見て

「やっぱり完全に結合してるわねぇ。分かりにくいけどここを見て。全体が腕なのは分かるわね。」

永琳はレントゲンに移った腕の骨と皮膚との境界辺りをペンで指し示します。

「肘から手首に欠けて、薄く道が出来ているでしょう?これは血管なのね。
 通常なら真っすぐ伸びているんだけど、このまんじゅうの部分で一度途切れてまた戻っている。
 そうやってこのゆっくりはあなたから栄養供給をうけて、おそらく餡子に変換している。この白い部分が餡子ね。
 そして排出されるうんうんとよばれている餡子は外部に排出せずに糖分に分解されてまた戻っている。
 血糖値の異常の原因はこれね。映ってないけど、感覚の共有からして他の神経系などもつながってると思うわ。
 まさしく寄生しているのね。半永久的なエネルギーの供給と変換ができる。
 まんじゅうにしてみればこれほどゆっくりした所もないでしょう。」

「ここはまりさのゆっくりプレイスだよ♪ゆっくりしていってね♪」

ゆっくりという言葉に反応したのか、おうち宣言まで発しました。

「っ!!そこはっ!!おれの身体だっ!!」

おにいさんは永琳の小難しい話に目がグルグルしていましたが、おうち宣言に苛つきます。

「先生早くどうにかしてください!とってくれたら差し上げますんで研究材料にでもしてください!!」
「薬で除去する方法もありそうだけど、あなたの精神衛生上、すぐ切除した方がよさそうね。鈴仙、簡易手術の準備をして」
「はーいー」

「部分麻酔で、ここからここまで除去するわ。10分ほどで終わるでしょ。
 術後直ぐは痛みが残るでしょうけど、あなたの年齢ならすぐに仕事に戻れるわ」

「よ、よろしくお願いします。」

おにいさんは永琳の説明もそこそこに、この寄生したゆっくりに対しての苛つき、ムカつきがあふれていました。


手術室ではおにいさんは、体勢を維持するため腕を横にのばしたリクライニング椅子状態で待機していました。
既に腕全体は麻酔が効いてあまり感覚がありません。
しかし
「ゆ♪ゆ♪」
と声が聞こえる事からゆっくりは意識を保っている様です。
「うるさいだまっていろ!」
「ゆ?」
「くそっ!!」

普段は些細な事では怒らず、ゆっくりにしてもただ人語を解する害虫くらいとしか思っていませんでした。
しかしこのゆっくりが腕に寄生している事で、おにいさんの苛つきが増している様です。

「さて麻酔は効いてきたかしら?はじめるわよー」
マスクをし手術着に着替えた永琳が入ってきます。鈴仙も一緒です。
「一応研究材料に欲しいから、傷つけず丸ごと切除するわね。よろしいかしら?」
「かまいません」
手術台を適当な位置に固定し、肩の部分に幕が貼られました。
「では術式開始」

痛みはありませんが、メスが動いているのが分かります。そして時折、
「ゆー?」
という忌々しい言葉が聞こえてきます。
始めはただ手術用具等に興味を示してましたが、自分が剥がされることをやっと理解したのか
「うがあぁぁぁ、ばぢざのおうぢになにじでるのおぉぉぉ。」
「鈴仙、脱脂綿」
「はい」
「おうぢぃうごおぉぉぉ」
永琳は冷静にそのうるさいまんじゅうの口を塞ぎます。

「だべぉ!」「ううぅっ!」「あん?ぇぇぇ!」とうめき声だけが聞こえていましたが、
10分もしないうちに
「はい、切除完了」
「うばぁっ!」
びちゃっという音とともに声がしました。
どうやらゆっくりは皿に移されたようです。
「ふぅー」
と手術も終盤にさしかかったところで誰とも無く脱力溢れる声が聞こえてきます。
「鈴仙、そいつはまだ生きてる?」
「かろうじて」
「ならオレンジジュースにひたしておいて」
「はーいー」
「あとは縫合して終り。」
「はい」
「はい術式終了」

あっという間に切除手術は終わり、幕が取り除かれます。
おにいさんの腕には既に血の跡も無く、一本の傷跡に縫合糸が見えるだけです。
「今はまだ麻酔で動かないでしょうけど、しばらくしたら動くようになるわ。重いものは持たないでね。」
サッサッと包帯を巻いていきます。
「血糖値の異常は元凶を取り除いたから、健康に生活してたらすぐに正常値に戻るでしょ。痛み止めだけだしておくわ。
 酷い時に水で飲みなさい。おだいじに♪」
「ありがとうございました!」


かくして寄生ゆっくりを取り除いたおにいさんは、はればれとした気持ちで帰宅したのでした。


■■幕間02■■

永遠亭からの帰宅途中、太陽が少しだけ西に傾いた時間帯。
いつもならまだ山に籠っているでしょうか、
おにいさんは正月に新しいパンツを履いた様に気分爽快な心持ちでした。

「災いの元凶もとれたしっ!時間も空いたしっ!久しぶりに外食しようかなぁ。
 みすちーのところで蒲焼きの特上をっ!こりゃたまらんっ!ヨダレずびっ!」

と、そこに数匹のゆっくりが現れました。どうやら森からエサを求めてはぐれてきた家族のようです。
先ほどまでニコニコしていたおにいさんの顔色が一瞬だけ変化します。

「おい、ゆっくり。ゆっくりしていってね!」
「「ゆっくりしていってね♪」」 
「ゆゆ!にんげん!」

「まぁそう気を張るなよ。別に殴る気はない。」
いつもなら、特に害悪を与えるゆっくり意外はスルーなおにいさんですが、
このときばかりは自分の腕に寄生された経験が、胸をムカつかせます。苛つきます。怒りがこみ上げます。

「冬眠中で腹減ってるだろ?エサをやるよ。はい、あーーん」
永遠亭に向かう途中に問屋の親父からもらったガムを見せつけます。

「ゆゆ♪やさしいおにいさんだよ♪ゆーーん♪」
「「ゆーーん♪」」

ひと家族が揃いも揃って、おにいさんの足下で口を開けています。
目をキラキラさせながら期待させていますが、
思い切り足を振り落としました。

「「ゆげぇえっ!?」」

一踏みで赤ゆっくり全てと、親であろうまりさの頬を踏みつぶします。
残された親れいむと頬をつぶされた親まりさは
「???」と疑問符を出した後、一旦遅れて

「ゆぎゃああ!! れいぶのあがぢゃんがあああぁぁぁぁ!!!!」
「ばりざのぼっぺがぁあああ!!! なんでっ!なんでぇぇぇ!?」

と遅れた知能で知覚しましが、
踏み出した足を軸足にサッカーボールの如くまりさを蹴り飛ばします。

「うぼぉわああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・ぐうぇっ!!!」
餡子をまき散らしながら奇麗な放物線を描き、ぐちゃっと乾いた大地に落ちました。音からしてうまくつぶれた様です。

「ばりざああぁぁぁぁぁ!!!!あびゎああああああ!!!どぼじでぇえ!?あがじゃぁああぁぁぁ、ばじざあぁぁうあぅぅぅっ!!!」

自分の赤ん房か、それとも自分の伴侶か。
れいむは行くべき所を迷いながら、びょんびょんと飛び跳ねています。

「おい。見てみろよ。」
おにいさんは踏みつぶした足を持ち上げ、見せつけます。
既にぐちゃぐちゃにつぶれ、言葉も発しない赤ゆっくりは、べっちゃぁ、と擬音だけ発しました。

「ゆばぁ、あ、あ、ああ・・・」

おやれいむは、この突然の悲劇にただ立ち尽くし(?)おもらししてました。

「あば、ば、ばば、ば、ば、ば、ばぴぷぺぽぉぁあ!」
「気が狂ったか。この前の出会ったゆっくりは、勇敢にも立ち向かってきたんだが」
「あぼぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼば、、、」
「今イチ、おもしろみにかける。プロである鬼意山たちの大変さがわかるな」

「ぽぽばばば・・・あがじゃん・・・ばじざ・・・」
本能がそうさせたのでしょうか、すでに狂った餡子脳でも愛する子供と伴侶を求める声を発します。

「っ!だまれっ!」

ばんっ!ともう一度四股を踏み、のこったれいむを潰します。餡子がキレイに広がりました。

「ふっ。いけないいけない。熱くなるな。冷静なのがいつもの俺だ。」

実にさわやかに中二病を併発しつつ、おにいさんは帰路に付きます。

「さて飯食いにいくかぁ。ピザとかいいな、マルガリータで。ボルチーニ茸をのせてもらおう。」



to be continued・・・2

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年12月26日 07:52
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。