ゆっくりいじめ小ネタ274 赤ゆってウザいよね

山菜を摘みに山へと入ってしばらくした頃、俺はゆっくりの群れを発見した。
まりさ種とれいむ種、そしてそれの幼生体、いわゆる赤ゆと呼ばれる奴らだ。恐らくはつがいとその子供といったところか。
茂みを掻き分け、ゆっくりの群れへと近づいていく。野草を食い漁っていたゆっくり共は、俺が茂みを越える音でようやくこちらに気付いた。
野生の生き物にしては致命的に勘が悪い。
「ゆ? ゆっくりしていってね!」
「ゆっくしちていっちぇねー!」
家長と思しきれいむが俺に声をかけ、追随して赤ゆがきゃいきゃいと喚く。正直気持ち悪い。
こんな不細工な生き物が人間の解する言葉を喋るのが気に喰わない。
「ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ! おにいさんはとっととどこかにいってね!」
しかめっ面のようなまりさの小憎たらしい表情が、俺の不快感をさらに煽る。
片割れはゆっくりしていけと言いつつ一方ででていけとはどういう意味だろうか。
問答無用で排除してやってもよかったが、ちょっとした悪戯心の湧いた俺は、ゆっくりに話しかけてやる事にした。
「此処がお前らのゆっくりプレイスなんて、誰が決めたんだ?」
「れいむとまりさがこのばしょをみつけたから、ここはれいむとまりさのゆっくりプレイスなんだよ! ゆっくりりかいしてね!」
「そんなこともわからないなんて、おにいさんはばかなの? しぬの?」
「ほうほう。じゃあ……『わあ、すてきなところだね! ここをおにいさんのゆっくりプレイスにしよう! まりさとれいむはとっととでていってね!』」
ゆっくりの話し方にあわせて、いかにも馬鹿っぽく宣言してやる。
予想外の反応だったのか、れいむとまりさは驚きに目を丸くした。
「ゆっ!?」
「やめてね! ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ! でてくのはおにいさんだよ!」
「どうして?」
「だからさっきもいったでしょ! れいむとまりさがこのばしょをみつ……」
「見付けたらゆっくりプレイスにしていいんでしょ?ならおにいさんもこの場所を見つけたじゃん。おにいさんのゆっくりプレイスにしても問題ないよね!」
「ゆ……! ゆぐ、ゆうぅー!!」
「おにいしゃんもいっちょにゆっくししゅるにょ? ゆっくちしちぇいっちぇね!」
言葉を喋るとは言え所詮は畜生。こんな言葉騙しにもならない暴論にも言い返す事ができず、れいむとまりさは悔しそうに歯軋りした。
一方、赤ゆは事態を飲み込めていないらしく、喧しく転がったり喋りかけてきたりする。
ああ目障りだ。ちょっと苛めてやるか。
俺は手近に転がってきた赤ゆを踏みつけた。
「ゆ~ゆ~♪ れいみゅはきゃわいいゆっきゅ……ゆぎゃっ!!」
「あああああ! まりさのあかちゃんー!」
「なんてことするの! れいむのあかちゃんをつぶさないでね!」
足の下で、赤ゆがもぞもぞと蠢く。抜け出せない、しかし踏み殺さない程度の力で上から捻るように押さえつける。
なんとか助け出そうと、れいむとまりさが俺の脚に体当たりをしてくるが、ゆっくりごときの力で人間を動かす事などできるはずがない。
俺に踏まれている赤ゆが、苦しそうに呻いた。
「ゆ、ゆ……っぐち、たちゅけちぇにぇ……」
「うん?『たちゅけちぇ』ってどういう意味だ?『たすけて』なら分かるんだがなあ……『たちゅけちぇ』じゃあ分からないや、ごめんなー」
「……れ、れいみゅを、た、しゅ、……た、たす、け、ちぇ……たす、けて!」
「『れいみゅ』って何? 俺が踏ん付けてるのは『れいむ』だし、『れいみゅ』なんて生き物は助けられないなあ」
「ゆ、ゆぎゅうううぅぅぅぅ……!」
ぼろぼろと涙を流す赤ゆ。
いい気味だ。媚を売るような喋り方でべたべたと、鬱陶しい。
かねてから赤ゆの舌っ足らずな喋り方に虫唾が走っていた俺は、ここぞとばかりに皮肉で返してやる。
「この、くそじいい! れいむのあかちゃんをはなして、とっととしね!」
「じじいってどこにいるんだ? お兄さんはお兄さんだし。じじいじゃないかられいむの赤ちゃんを離さなくてもいいよね!」
「ゆがあああああ!! このじじいいいいい!!」
俺の揚げ足取りに業を煮やしたれいむが、何度目かの体当たりをしてくる。
好きなようにやらせているが、わざわざ当たってやる義理も無いので、俺は身を引いてれいむを避けた。ついでに踏んでいた赤ゆを離し、蹴り転がしてやる。
「ゆうー! まりさのあかちゃん!! だいじょうぶ!?」
「みゃみゃー! れいみゅ、あちゃまふまれていちゃいよー!!」
すかさず赤ゆに寄り添うまりさ。
赤ゆは相変わらずの口調で親に擦り寄っている。
だから何でそんなに人の神経を逆撫でするのが得意なんだお前らは。
「みゃみゃって誰だよ。宮崎都か? 俺はその『こんな小さい子がこういう風に喋ると可愛いでしょ』っていうあざとい態度が大嫌いなんだよ」
いい加減我慢の限界が来ていた俺は、赤ゆのもみあげのような髪を掴みあげ、まりさとれいむに叩き付けた。
「ゆげぅ! ゆびゅ! ゆっびゃあ!」
「ゆぎぃぃ! ゆぐ、ゆぎゃ!」
「びゅぶっ! いぢゃい! ゆぶぅ!」
「おら、『みゃみゃ』に『しゅーりしゅーり』してやるよ。『まま』と『すーりすーり』したければ『やめて』って言ってみな」
「やっ、やめぢぇにぇー!」
「ハイ残念。『やめちぇ』じゃ俺何言ってるのか分かりませーん。ホント学習しないよなゆっくりって。馬鹿なの? 死ぬの?」
しばしの間ゆっくり親子をどつき回し、俺は赤ゆを手放した。三匹とも最早虫の息だ。
「ゆっ……ゆっ……」
「……ゆぅ…………ゆ……」
「……」
赤ゆに至ってはただ泣くだけで、もう喋る気力も無い。あるいは俺の『教育』のお陰で、うかつに喋ると痛い目を見るとやっと学んだのか。
「もう、やだ……! おうちかえる……!」
「おうちで……ゆっくり、しようね……まりさ……」
ほうほうの体で、赤ゆを帽子に入れてまりさが逃げ出そうとした。
跳ねる気力は無いようで、這いずるように逃げていく。
俺が歩くよりも遅い速度だ。無言でその後を着いていく。
「ゆっ……? つ、ついてこないでね!」
「何で? 俺がどこに行こうと俺の勝手でしょ」
「ゆ、ゆ……ゆっくり、しね!」
「はっはっは、殺せるならごゆっくりどうぞ、殺してみな」
「れいむ、じじいなんてむしして、はやくおうちにいこうよ。おうちならゆっくり……」
「ふむ。お前らのおうちを俺が『見付けて』、俺のゆっくりプレイスにするのも面白いかもな。さあ、俺にかまわず早くおうち帰れば?」
「ゆ、ゆああああああああ……!」
「どうじでえええええええええええ……!」
ゆっくり共の悲哀の叫びが木霊した。

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最終更新:2008年12月09日 18:49
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