モピレンジャー

【もぴれんじゃー】

ジャンル アクションパズル
対応機種 MSX
発売・開発元 コナミ
発売日 1985年
定価 4,572円(税別)
判定 なし
ポイント 水流の概念を持つドットイートアクション
常に詰みの恐れのある高難易度


概要

  • 1985年にコナミからMSXにてリリースされたアクションパズル風ドットイートにあたる一作。
  • 主人公であるモピラを操作し、水辺を舞台に敵であるラゾンにさらわれた子モピラを救出するのが目的。
  • 一人プレイ専用、全50ステージ構成(25ステージ×ニ周回)。

内容

  • 使用コントローラーはレバーでモピラの四方向移動(斜め移動は不可)、ボタンは各自、ビームボタンと自爆ボタンに使用する。
  • 各ステージにて複数の子モピラが散らばっているので、それらに触れてすべて救出すればクリアとなる。
  • 敵であるラゾンがモピラに襲い掛かってくるので、それを振り切りながら子モピラを救出しなければならない。なお、ラゾンには4種類のタイプがおり、それぞれ行動のアルゴリズムに相違がある。
    • その他にも岩を食べる上にビームも効かないが一定時間経過で消滅する「ビッグラゾン」、その場から動かず接近したモピラやラゾンを食べてしまう「バルボア」、左右に炎を吐いて攻撃する「アチチ」という敵も存在する。
  • ビームボタンを押せば直進型にビームを放つ。これをラゾンに当てるとその場から一切動かなくなる「岩」に変化させる事が可能。このゲームにおいては、直接的に敵を倒す効果のある攻撃は存在せず、このビームよる岩変化のみが間接的な攻撃手段となっている。なお、岩になったラゾンは原則として元には戻らない(岩のまま)だが、岩にされた代わりの新しいラゾンが何度でも出現するので、単に岩にすれば安全というものではない。
    • 岩はラゾンとは無関係にステージ最初から配置されている場面がある。また、ラゾンの出現位置によってはビームを撃っても岩にならない場所もある。
    • 岩はその方向にレバーを入れると押す事が可能だが、引く事はできない。また、岩を消滅させるには、敵であるビッグラゾンに岩を食べてもらう以外に方法は無く、岩そのものをモピラ自身が消し去る事はできない。よって、あまり岩を増殖させるとモピラの通行が阻害され、身動きが取れなくなる詰み状態に陥る恐れがあるので要注意
      • もし詰みに遭遇してしまったら、わざと敵に触れるか、自爆ボタンを押してミスになるしかない。
    • 各ステージの道には水流という概念が存在し、水流によってモピラの移動スピードに変化が生じる仕掛けとなっている。水流側に移動すれば速く動け、逆に水流に逆らえば動きが遅くなるといった具合。水流の道にて何も移動操作しなくてもその水流向きへ勝手に移動してしまう。
      • 水流による移動影響があるのはモピラだけであり、ラゾン側には一切の抵抗は受けない。また、岩やバルボアなどのその場に留まる対象に関しては、水流に関係なくその場からは一切動かない。
  • ステージ5の倍数ステージはボーナスステージであり、ミス要因は基本的に無い。
  • 残機制の戻り復活で全てなくなるとゲームオーバーとなる。コンティニューは一切存在しない。ミス条件は「ラゾンなどの敵に触れる」「自爆ボタンを押す」のいずれかで、ミス後の復活においてはすべての子モピラなどの配置がステージ初期状態にリセットされる。
    • 各ステージをクリアする度に無条件で1UPするボーナスがある。また、時間経過にて消費されるタイマーがあり、ステージクリア後にて残りタイマー分のスコアボーナスが入るが、タイマーが0になってもクリア後のスコアボーナスが入らないだけでミスにはならない。

評価点

  • いわゆる『パックマン』などのドットイートアクションに、戦略的なパズル要素を組み合わせたようなゲームといえる存在で、従来のドットイートとはまた違ったゲーム性を持っている。
    • 本作は単に敵を倒したり、ドット(このゲームでいうところの子モピラ)を取るだけではなく、どのように移動して水流に身を任せるのか、ラゾンをどのような位置で岩に変化させるのか、といった頭脳プレイも要求される。
  • ステージをクリアするだけで残機が増える。残機を増やせる制限もないためなるべくミスせずにクリアし続けることができればそれだけリトライ回数も増える。
    • 一般のゲームでは一定の点数を超えたり、アイテムゲットで1UPする形式が普通なので、難易度が高めである本作においては一種の救済処置にもなっている。

問題点

  • 難易度はかなり高い部類
    • 岩を増やしすぎると序盤ステージからいとも簡単に詰んでしまう恐れがあり、それでいてミス後はすべてのステージ配置がリセット、さらにはコンティニューが存在しない仕様もあり、慣れない内は訳のわからないまま即ゲームオーバーに陥る危険性も孕んでいる。
      • 一応はビッグラゾンが出現しないステージ限定で、大量にラゾンを岩にさせまくるとバグ的な要因でそのステージはクリア可能との事。但し、かなり大量(20~30個位)の岩を出現させなければならず、これはこれで難易度が高いというオチ。
    • クリアできる腕前まで極めたとしても、本作はセーブ機能やステージセレクトが存在しない状態で50ステージも挑まなければならないので、時間的な負担が大きいのは不便な次第であろう。
  • 当時のゲーム容量的に仕方がないとはいえ外観やステージのバリエーションはあまり多いとは言えない。
  • 水流がどのように流れているのかが視覚的にわかり辛い。
    • 当時MSXの映像出力環境はファミコンと同様にRF端子による接続が主流であった為、画面上の滲みや走査線によって障じる波の影響で水流の流れが視認しにくくなっている。
    • 後述のコナミアンティークスMSXコレクションでも画面が縮小表示される影響で水流が殆ど見えない上に取扱説明書には水流に関しての記述が全く無いのでオリジナルを知らない人がプレイすると疑問に感じる事受け合いである。

総評

意外な程に骨の折れる難易度ではあるが、なかなかやり応えのある内容で、ドットイート好きならば抑えておきたい一作。


オムニバスソフト

発売元は共にコナミ。

  • コナミアンティークスMSXコレクション Vol.1(プレイステーション、1997年11月20日発売)
    • 2006年11月22日からプレイステーション3/同ポータブルのゲームアーカイブスにて配信されている、要600円。
      • セーブ機能は存在しないので、やはりぶっ続けプレイを強いられたまま。
  • コナミアンティークスMSXコレクション ウルトラパック(セガサターン、1998年7月23日発売)

タグ:

1985年 MSX ACT コナミ
+ タグ編集
  • タグ:
  • 1985年
  • MSX
  • ACT
  • コナミ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月13日 00:25