ファミリージョッキー(FC)

【ふぁみりーじょっきー】

ジャンル レース
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売・開発元 ナムコ
発売日 1987年4月24日
プレイ人数 1~2人
定価 3,900円
判定 良作
ポイント クラシックが超長距離の障害レース
勝つためには進路妨害上等
序盤のレースは常に1-2にBET
テクニックだけでなく運もなければ勝ち抜けない
ナムコットファミリーシリーズリンク

概要

1987年4月にナムコがファミリーコンピュータ用ソフトとして発売した競馬のレースゲーム。
ファミコンでは初の競馬ゲームだが、現在では競馬ゲームというよりレースゲームとして扱われることが多い。
1頭の馬を最大16戦駆って、GI(ジーワン)制覇を目指すゲーム。

1986年12月に発売された『プロ野球ファミリースタジアム』に続く『ファミリーシリーズ』の2作目でもある。


内容

  • プレイヤーはまず決められた16頭から1頭を選ぶ。
    • 馬はそれぞれ、スピード(Sp)、スタミナ(St)、ガッツ(G)、ジャンプ(J)、ターボ(T)、タイプのステータスを持っている。
      レース中に、コーナー中間点で上記のマークの入ったアイテムが散乱しており、これを取ることでそれぞれ1ずつ上げられ最大は10(10の場合表示は「A」)。
      • スピード・最高速で、1ごとに0.5km/hずつ上昇し7以上では1ごとに1.0km/hずつ上昇。
      • スタミナ・これが高いほど走行時のスタミナのロスが小さい(メーター最大値は変わらず)。
      • ガッツ・高いほど他馬との衝突に強くなり、衝突時のスタミナロスが小さくなる。また多少後ろからぶつかっても前に出やすくなる。
      • ジャンプ・ジャンプの高さで、これが高いほど障害の飛越がしやすくなる。
      • ターボ・加速力で、これが高いほど鞭1回でスピードが上がりやすくなり、少ない回数で最高速に達せられる。
      • タイプ・ダートや重馬場の適応力で、これが高いほど悪条件時の能力ダウンが小さくて済む。これはアイテムで上げることができない。
    • 上記の他にアイテムは「スター(スタミナが回復)」と「ドクロ(スタミナが減少)」があり、これらは2400m以上のレースのみで出現する。
  • レースは常に6頭立てで、平地戦と障害戦があるが、大部分のレースは障害戦である。また、全てのレースが左回りになっている。
    • 平地、障害問わずコースの区切りは「ゴール前直線」「コーナー」「向こう正面」に分かれており、コーナーとコーナーの間にある短い直線部分がアイテムが散乱する「アイテムゾーン」になっている。
    • 障害はハードルと生垣があり、ハードルは重なっていない部分ならば楽に飛び越せるが、生垣は幅があり、ダッシュを伴うジャンプでないとまず飛び越せない。
    • 障害を飛び越せないと転倒してしまう。転倒状態では、少し進んで復帰できるがスタミナはガッツリ奪われるし、転倒状態のままスクロールに抜かれて画面外後方に出てしまうとリタイア(失格)になる。当然ゲームオーバー。
      • 転倒していない状態でスクロールに追いつかれた場合は、そのままスクロールに押されて進めるが、この時もスタミナはガッツリ失われる。
  • 3着以内に入ることで賞金が貰える。4着は賞金が貰えないだけで次に進むことはできる。5・6着ではゲームオーバーとなる。
    • レコードタイムで勝利すると1着賞金にプラスして1着賞金の半分のボーナスが貰える(実質的に1着賞金が1.5倍になる形)。
  • 最初は新馬から始まり、1着になれば条件戦へ、なればければ未勝利戦へ進む(以後1着が取れるまで未勝利戦を繰返す)。
    • 条件戦は500万、1000万、2000万それぞれに分かれており、現在の賞金(スコア)に準じて出走するレースが分かれる。
      賞金は現実の「以下」ではなく、それぞれ「未満」という解釈になる*1
      • 2000万に達すればGIII、8500万でGII、3億5000万且つ11戦目でGIへ進むことができる。
      • 16戦走ると、それが最後になる。この時まで未勝利のままだとゲームオーバー扱いで、それ以外ならエンディングになり、獲得賞金(スコア)とGIタイトルが表示される。
    • 2人プレイの場合、どちらかが満たしていれば上位のレースに進める*2
  • プレイヤー馬と、その初期能力値。
    • プレイヤーが選ばなかった他の馬は条件戦でのライバルとして登場。
    • 日本や外国で実在した競走馬をもじられたものもいれば、ナムコキャラルーツなもの(ライバルのみ)もある。
名称 スピード スタミナ ガッツ ジャンプ ターボ タイプ
カモノネギ 1 1 1 2 2 8
パフォーマンス 1 2 3 4 3 2
キングコング 0 3 1 4 2 4
イーグルゴー 2 3 2 2 0 3
ハイテック 3 4 0 0 0 6
リキパワー 1 3 3 3 0 3
プリンスメロン 1 4 3 0 0 4
エクスプレス 4 0 0 1 2 9
ディスコボーイ 2 2 2 2 2 5
サクラタイガー 2 3 1 1 1 7
テンカウント 3 2 2 3 0 2
ブルーグラス 2 1 2 1 4 6
ミスターダービー 1 0 1 3 4 5
モモタロー 3 1 0 1 3 5
インターラプター 4 1 3 0 0 8
アイアンホース 0 4 4 0 1 7
+ 条件戦の詳細
  • 新馬戦(芝1200m平地)
  • 未勝利戦(ダート1600m平地)*3
  • 500万下条件戦(芝1200m障害)
  • 1000万下条件戦(ダート1600m障害)
  • 2000万下条件戦(芝1600m障害)
+ GIIIレースの詳細
  • リュウヘイキネン(芝2000m平地)
  • オーミステークス(ダート2000m障害)
  • ミズホショウ(芝2000m障害)
  • サボテンステークス(芝2000m障害)
  • グレートスプリント(ダート2400m障害)
  • イーナシーカップ(芝2000m障害)
  • ネギマキネン(芝2400m平地)
  • ポークステークス(ダート2000m障害)

このクラスのライバル馬たち

名称 スピード スタミナ ガッツ ジャンプ ターボ タイプ
アカテンスキー 0 2 2 3 3 8
シンガリルドルフ 2 1 5 1 5 A
テクノオー 1 2 2 2 3 6
トーキョーボーイ 3 3 3 4 0 3
キタノサカバ 2 3 0 2 1 5
ササコニシキ 5 2 3 3 2 9
オノノコマチ 1 4 4 4 0 8
サクサクフッキー 5 0 1 3 3 1
イトシダイナ 4 1 3 3 0 3
ディスコキング 3 0 4 0 4 8
フクタロー 4 2 2 3 1 5
デンデン 2 3 1 2 3 7
ガブリヨリー 3 4 3 0 6 5
コシノヒカリ 2 4 4 2 4 A
オノノトーフ 6 3 0 4 1 8
ミホノナカギリ 0 4 3 1 4 4
+ GIIレースの詳細
  • ナムコカップ(芝2400m平地)
  • レコードカンショウ(芝2400m障害)
  • コータローキネン(ダート2800m障害)
  • サクラダモンショウ(芝3200m障害)
  • カントリーカップ(芝3200m障害)
  • ビーフステークス(ダート3200m障害)
  • ヤヨイショウ(芝3200m障害)
  • サクラフブキショウ(芝2800m障害)

このクラスのライバル馬たち

名称 スピード スタミナ ガッツ ジャンプ ターボ タイプ
テキノカチドキ 4 2 1 1 2 5
レッドバロン 2 4 4 2 6 4
ユウユウ 8 4 2 0 6 A
ヤヨイトユウコ 2 4 5 0 3 6
トミクニオー 3 5 3 0 2 8
ヒョウヒョウ 1 8 2 1 1 6
ダイナオリバー 1 6 4 2 1 7
トイポップ 2 4 6 6 2 3
サッカーボール 4 4 3 3 4 3
アオヤギターフ 5 4 8 1 2 3
リョウマクン 3 3 5 3 3 5
エフワンマッハ 8 4 4 0 0 A
ピッカリスター 4 3 2 3 4 4
ボグダスキー 8 3 5 1 3 3
ギャラガ 8 5 3 1 2 7
ドットットー 4 6 7 5 7 A
+ GIレースの詳細
  • 皐月賞(芝3600m障害)
  • ダービー(芝4000m障害)
  • 菊花賞(芝3200m障害)
  • ジャパンカップ(芝3600m障害)
  • 有馬記念(芝4400m障害)
  • 天皇賞(芝3200m障害)

このクラスのライバル馬たち

名称 スピード スタミナ ガッツ ジャンプ ターボ タイプ
ブルーマックス 3 5 A A 9 9
ハーイセイコ 5 7 4 7 A 5
シンサン A 8 7 4 3 7
ハシカチドキ 4 A 6 A 4 8
ワンダーモモ 5 A 9 2 7 3
キッシッシー 7 7 7 7 7 6
ウチベンケイ 5 9 5 9 5 5
パックマン 8 8 6 8 4 4
ナガシマオー 7 5 5 7 5 9
ピノエース 9 9 9 3 3 6
ワルキューレ 9 7 8 3 8 7
キョンキョン 6 6 A A 5 2
アナダパンチ A 5 7 2 A 4
ミチマサオー 8 9 8 6 6 6
ロングフェイス 5 A A 8 3 9
プレストントン 5 A 6 5 4 A

ファミリーゲーム

  • レースのみを行う「オンリーレース」の他に、実際の競馬のようにベットできる「ファミリーゲーム」というモードがある。
    • このモードは4人の家族キャラ(トーサン・カーサン・ヤヨイ・ユウタ)がそれぞれ10,000円ずつ持っていて、毎回馬券購入でベットするものである。
      馬券は連勝複式*4のみで、1人あたり3枚までベットできる。
      • 因みにファミリーゲームであっても、プレイヤーの馬が4着以内に入れなければゲームオーバーである。
        反対にベットする4人が全員持ち金ゼロになった場合、以降ベットはできないがレースは続けられる。つまり「オンリーレース」と同じと言うことになる。

評価点

  • 他の自動車系レースゲームと差別化が充分できており、競馬らしさがしっかり取り込めている。
    • ただやみくもに連打して叩いて先頭でブッチ切ればいいわけではなく、ちゃんとスタミナを配分する必要がある。
    • また道中のアイテムゾーンをしっかりモノにしなければいくらレコードで圧勝しても、GIIやGIで強力なライバルホース相手にまず歯が立たないステータスで戦わなければならないので、必ず行き詰まる。
      • 結果的に実際の競馬同様の、抑えるところは抑えて、叩くべき時に叩くという形ができている。
  • 馬たちはいずれも個性を持っており選択の幅が広い。
    • この時期でプレイヤーキャラが16通りも選択できると言うのは非常に豊富である。
      • また、後述のアイテムが運に左右されることもあって、予めどの能力値が優先的に欲しいか選択できることにもなっている。
    • プレイヤーだけでなくCPUのライバルたちも個性をそれぞれ持っている。
  • レース自体はシンプルで盛り上がりやすい点は『ファミスタ』に共通する。
    • 鞭入れなどは非常にわかりやすく、またスタミナもゲージ化されているのである程度配分も考えられる。
    • また、条件戦は連打連打で先頭ブッチギリ逃げで勝ててもGIII途中あたりから、それではスタミナ切れして勝てなくなるので低年齢層でも上記のようなレースバランスに早期のうちに気付きやすい点なども、好バランスと言えるだろう。
  • ファミリーゲームの細かいオッズ計算。
    • 当時アーケードのベット系競馬ゲーム(例・1988年に稼働開始したセガの『ワールドダービー』など)でもオッズは固定だったのに、本作ではちゃんとベットに応じてオッズが再計算される。

賛否両論点

  • GIは現実のクラシック等八大競走の名前になっているが、どれも障害戦でしかも距離も天皇賞以外現実と全然違う。
    • 現実との整合性を考えるとメチャメチャだが、当時のレベルでは、平地のみで現実同様の細かい再現は難しかったのでゲームとしては妥当という声が多い。
    • また、レコードによるボーナスも実際の競馬を無視しているが、ゲームとしてはそれに目的意識を持たせている。
  • ブロック妨害上等のレース。
    • 言うまでもなく現実の競馬では進路妨害は失格だがゲームではそれが一切ない*5
    • しかし、ゲームとしてはガッツの強い馬は少々後ろからぶつけても前に出られることがあり、ガッツが弱いなら逃げ気味のレースをしたりとそれを活かしたレース展開を作り出している。

問題点

  • アイテム獲得がかなり運に左右される。
    • 基本的に「スピード」は最大まで欲しい反面「ジャンプ」はあっても5もあれば充分。
      • なのに、何が出るかはランダムなのでかなり運が絡む。
    • GII以上では「スター」が出ないことには絶望的。特に機会が少ない2400mでは、アイテムが全てドクロで実質詰み同然で失格敗退なんてこともザラ。
      • これが非常に深刻な問題で、特に障害ではこれがないと生垣を飛び越えるのが不可能も同然になる。
        多少は運が絡むのは仕方が無いにせよ、最低でもスターは1つ出るぐらいの調整は欲しかったところ。
  • コーナー出口でプレイヤー馬が先頭だった場合、スクロールがついていかず画面外前方に出て見えなくなることがある。
    • このせいで、前にガンガン突っ込んでいくと見えなくなり障害を察知できずひっかかってしまうこともしばしば。
  • CPUのライバル馬たちは障害の飛越に失敗しても転倒せず、失格もない。
    • 一応、生垣なら何度もその上でジャンプを繰り返すのでスピードダウンには違いないが、さすがにこれは不公平感が否めない。
  • エンディングとゲームオーバーの扱い。
    • 16戦で4着以内を続ければ、未勝利でなければ無冠に終わっても「Congratulations」と表示され、ゲームオーバー時はたとえ16戦15勝5冠で1度の5着だったとしても、単に獲得したGIタイトルが表示されるだけで普通のゲームオーバーと同じ。
      • 普通ならどう考えても後者の方が讃えられるものであり、ゲームとしても明らかに後者の方が難しいのでこの扱いはさすがに無視できないものがある。

総評

まだまだ初期のゲームということで、運が絡む部分のケアができておらず「スター」が出ないとほぼ勝ちを諦めなければならなかったり能力バランスなど多少の問題はあるものの、競馬らしくスタミナの配分だったり、それが転じて先行や差しなどの競馬らしい展開に繋がっているなどゲームとしての出来は良い。
八大競走なのに障害戦だったり、進路妨害がまかり通っていたりと競馬として考えれば目を覆いたくなるが、そこは別物として純粋にゲームとしてのみ見られるか、どうしても意識してしまい邪道なものとして拒絶してしまうかで意見が分かれる部分であろう。

ゲームとしてはそれでバランスがとれていたり、対戦にしても1人プレーにしてもその独特なレースに熱くなれる展開が多い。
総じて、文句なく楽しめる良作といってよいだろう。


その後の展開

  • ナムコ『ファミリーシリーズ』は以後『ファミリーボクシング』『ファミリーテニス』『プロ野球ファミリースタジアム'87年度版』(以後『ファミスタシリーズ』としても歴史を重ねていく)とスポーツをはじめ麻雀やピンボールなど様々なジャンルに展開していく。
    『ファミリージョッキー』としては1991年3月29日にゲームボーイソフトで移植されている。
    • 詳細は後述の通りで一応、移植のような扱いだが若干アレンジされている。
  • 1994年12月22日に本作の続編としてスーパーファミコン向けに開発されながらいったんお蔵入りになったプログラムをヴァージンゲームがナムコからライセンスを受ける形で『バトルジョッキー』として発売している。
  • 2020年6月18日にはニンテンドースイッチ『ナムコットコレクション』のDLC第1弾およびパッケージ版の収録ソフトの1つとして移植されている(DL版本体は無料)。
    • こちらはM2開発によるFC版に忠実な移植となっている。また、本作だけ遊びたい場合でも税込み330円で購入可能なので気軽に楽しめる。

余談

  • 1990年代に入ると競馬ゲームは競走馬育成シミュレーションの『ダービースタリオン』『クラシックロード』『サラブレッドブリーダー』といったシリーズのシミュレーション系に取って代わられた。
    • そのため1994年3月18日にスーパーファミコンソフト『ダービージョッキー』(アスミック)が発売されるまで、唯一馬を直接走らせる競馬のレースゲームとして長らく存在感を示してきた。
  • ネオジオの『ステークスウィナー』(開発はザウルス 1995年)は、ファミリージョッキーの精神的正当続編と言える内容で、調教ステージのBGMはファミリージョッキーのメインBGMほぼそのまま。ゲーム内容含めて特にクレームなどの問題は無かったようで、好評だったのか2も登場し、それぞれ家庭用移植も配信販売もされている。開発に元関係者がいたのかは不明。

ファミリージョッキー(GB)

【ふぁみりーじょっきー】

ジャンル レース
対応機種 ゲームボーイ
発売・開発元 ナムコ
発売日 1991年3月29日
プレイ人数 1~2人
定価 3,500円
判定 良作
ポイント FCと少々勝手が違ってもバランスは良い
馬たちが新時代に合わせてモデルチェンジ
障害戦だらけなのは相変わらず
ナムコットファミリーシリーズリンク

概要

1991年発売されたゲームボーイの競馬レースゲームで、4年前にファミコンで発売された同名作品(上記)のアレンジ移植版。
大まかな操作性やレースの特徴などは上記作品からそのまま引き継がれている、本項目では主に相違点を扱うものとする。
ゲームの根幹に当る部分は上記ファミコン版を参照のこと。


FC版からの変更点(GB)

  • ファミリーゲームが家族4人枠で取られていたのが1人のみになった。
    • ベットプレイヤーの名前を入力できる。
  • 1Pは3枠出走、2Pは4枠出走になった。
  • スタミナが減少する「ドクロ」がなくなって「?」に置き換えられた。
    • これはスタミナが回復するか減少するか、それぞれ1/2というもの。
    • 回復確定の「スター」はFC版から継続で登場。
  • お互い個別の画面を持つシステムに合わせお互い自分の馬が中心にスクロールするようになった(ファミコン版では先頭の馬が中心)。
    • これにより、障害で転倒している間にスクロールに抜かれての「コースアウト失格」がなくなった。
    • また反対に転倒していない状態でスクロールに押されて最高速で走ることもできなくなった。
  • 操作性では叩きながら方向を十字ボタンで押さないと遅くしか進めなくなった。
  • 馬同士がぶつかっての跳ね返りが小さくなった。
  • プレイヤー馬の名前が新しい馬モデルに一部変更。ただし能力値はファミコン時代のをそのままに名前だけが変わった格好。
  • FC版では16戦で打ち切りだったが、GIに入れば天皇賞までは参戦できるようになった。
  • ステータスの影響がより大きくなった。
    • FC版では直接数値化された「スピード」以外は、どれも今一つ進歩が感じにくい一面があったが、その影響が大きくなった。
    • 併せて上記のスクロール仕様や馬自身のアイテムが取れる有効範囲が広がったことで先頭を逃げていてもアイテムの取得がしやすくなった。
  • FC版同様に、コーナー内ラチ沿いの馬場が荒れているのだが、ここでの馬にもたらす悪影響も大きくなった。
    • そのためFC版よりも巧みなコース取りの重要性が高まった。
  • 裏技で『風のシルフィード』に登場する馬のパロディ「シルフィーロ」が「エクスプレス」と入れ替わって登場する。
    • 能力が最高のオールAなのでゲームに慣れない初心者への救済にもなっている。
    • この技はゲームボーイそのものでなければならずスーパーゲームボーイ(1・2とも)やアドバンスでは不可能。

評価点(GB)

  • FC版では2400m以上ではスターが出ないと絶望でギリギリセーフの4着狙いがやっとだったのだが「ドクロ」が「?」になったことで希望が持てるようになった。
    • もちろん「?」でも減る時はあるのでリスクがゼロになったわけではないが何度やっても全部ドクロばかりで気が萎えることは起きにくくなっている。
  • 6冠を狙いやすくなった。
    • FC版では10レース目までにGI出走条件の賞金(スコア)を稼いで11レース目で皐月賞に出走できなければその夢は潰えたが本作は16レースリミットが撤廃された。
  • アイテムが取りやすくなった。
    • FC版ではガッツリ前から触れなければダメだったが取得判定範囲が広がったことで、ある程度触れていれば取れるようになった。
    • 同時にスクロールが自馬中心になったことで事前の出現察知もしやすくなった。
  • 裏技で登場するお助け馬「シルフィーロ」。
    • FC版に比べると十字ボタンコントロールの重要度が増しているなど難度自体はFC版より上がっているため救済措置になっている。

賛否両論点(GB)

  • 馬のバリエーションを新しい馬に合わせたが、特徴はFC版と同じ。
    • たとえばアグリキャップはFC版で姿を消したパフォーマンスからステータスデータを引き継いでいる。
      • これならわざわざ変える必要がないと感じられる。
      • また、上記のモデルにあたるオグリキャップは公営の笠松競馬出身ということもあるが、ダートは得意としていたのでダートが苦手(タイプ値が低い)の旧パフォーマンス枠に入れたのはミスマッチに思えるかも。

問題点(GB)

  • スクロールに押されて走れなくなったことで、スタミナ切れが詰みになりやすくなった。
    • ある意味お助けのようなものになっていたので、慣れないうちはポツンと取り残されてあとはなすすべなくビリでの入線を待つだけになることも…
    • 勝ちは絶望でもギリギリ次に進める4着キープ程度なら上記の方法でなんとかすべり込むぐらいはできたので、そのチャンスを失っている。

総評(GB)

ゲームボーイの性能により表現を簡素化したり、スクロールのシステムや衝突時の弾かれ度合いなどFC版から変わっており「『ファミリージョッキー』がゲームボーイでどこでもできる」という程度の感覚でいると勝手の違いに戸惑う一面はある。
しかし、そこはFC版とは違ったものとして捉えることができれば新しいゲーム性を存分に楽しめる作りにはなっているし、元々がシンプルなゲーム性だけに慣れに時間がかかるようなものでもない。
もちろん新システムの根本はゲームボーイの特性を活かしたものあることに違いはない。そういった部分は前年の『ファミスタ』以上にゲームボーイの強みを活かしている。
それだけではなくアイテムが取りやすくなっていたりドクロの廃止など運による詰みを緩和しているなど、ハードとの相性を抜きに改善している点も少なくはなく基本的には手軽に競馬レースが楽しめるスタイルは変わりない。


その後の展開(GB)

  • 1991年9月20日にはPCエンジンソフト『ワールドジョッキー』が発売された。
    • 4人プレー対応だけでなく、馬の能力が強化され勝ちやすくなっている。加えて現実の騎手のように様々な馬に乗ることになるゲームモード「ジョッキーモード」が追加された。
    • こちらも『ファミリースタジアム』→『ワールドスタジアム』同様ファミコン外移植恒例の「ワールド」を冠した名前になっている。
  • 続編として1993年8月27日に『ファミリージョッキー2 名馬の血統』が発売。
    • レースのみならず『ダビスタシリーズ』のように、馬の配合を考えたりするちょっとしたシミュレーションの要素も兼ね備えたものになっている。
      • 周辺機器のバーコードボーイに対応しておりバーコードのデータを馬データに変えて取り込むことができる。
    • このようなゲーム性なのでシリーズ初のバッテリーバックアップ機能を搭載している。

余談(GB)

  • 当時少年マガジンで連載され、本作にも隠れ扱いながら登場している「シルフィーロ」の原作『風のシルフィード』のゲームも後にスーパーファミコンで『スーパー競走馬 風のシルフィード』(1993年10月8日発売・キングレコード)として発売されている。
    • この作品の発売から間もない49号(11月24日号)で原作は最終回を迎えている。

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最終更新:2023年06月13日 14:21

*1 つまり、ジャスト1000万なら2000万条件になる。

*2 例えば1Pが9000万で2Pがずっと4着で0万だったとしてもGIIのレースになる。

*3 因みにダートでの平地はこれのみ。

*4 1・2着を当てるもので、その順番は不問。順番まで問うものは「単式」という。

*5 この当時は進路妨害=即失格(降着が導入されたのは1991年)だった。本作発売の5日後に行われた天皇賞で2着したニシノライデンがこれで失格になっている。