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Wizardry: The Return of Werdna - The Fourth Scenario

【うぃざーどりぃ ざ りたーん おぶ わーどな ざ ふぉーす しなりお】

ジャンル RPG
対応機種 PC:AppleII、PC/AT、PC-8801、PC-9801、Windows 98/Me/XP
家庭用:PCエンジン スーパーCD-ROM2、プレイステーション
原語版発売・開発元 SIR-TECH
日本語版発売元 【PC88】アスキー
【PCE】ナグザット
【PS】ローカス
【Win】エレクトロニック・アーツ・スクウェア
日本語版開発元 【PC88】フォアチューン
【PCE】アクセス、ナグザット
【PS】ソリトンソフトウェア、サンダーストンジャパン、グラフィティ・ラボ
発売日 【AppleII】1987年11月
【PC88/98】1988年12月15日
【PCE】1994年3月04日
【PS】1999年10月28日
【Win】2002年8月22日
備考 PCE版は『ウィザードリィIII・IV』に収録
PS/Win版は『ウィザードリィ ニューエイジオブリルガミン』に収録
判定 ゲームバランスが不安定
Wizardryシリーズ


概要

Wizardryシリーズの4作目。 「1作目のラスボスであるワードナ側になって、冒険者を叩きのめしつつ地上を目指す」という逆転の発想に基づき、これまでのシリーズ作をクリアしてきたプレイヤーに対する挑戦状として製作された作品である。

  • ちなみに、メイン開発者の一人ロー・アダムスはパソコン雑誌「ソフトーク」の編集者であり、1作目から製作のバックアップを行ってきた。さらに『ウルティマ』『バーズテイル』の製作にも関わっている。

ストーリー

狂王トレボーから「魔除け」を奪った上に、あろうことか城塞都市の地下に迷宮を築き上げ立てこもった邪悪な魔術師ワードナ。
彼はトレボーの布令によって世界各地から集まってきた冒険者の手によって倒されたが、その遺体はいかなる方法をもってしても滅ぼすことができなかった。
ワードナの復活を恐れたトレボーは、次善の策として残された迷宮を「魔除け」の力で作り変え、その最深部にワードナの遺体を封印した。

それから百年後、トレボーの予想通りワードナは蘇った。
そして彼は「魔除け」を再び手に入れるため、その力で世界を制覇するため、地上を目指す…。
  • 上記は取扱説明書などに記載されている簡略版で、実際には「アミュレットとガントレットの物語」という詳細なストーリーラインが存在する。これはロー・アダムスが「より細かいストーリー設定はないのか?ないなら作った方がいい」と提案して作成されたものである。
+ アミュレットとガントレットの物語

遥か昔のこと… ある夜、偉大なる魔術師によって「忘れられし神々の神殿」より「大いなる門」が開け放たれ、神々が地上に降臨。 世界が破滅するかのように思われたが、明け方に何者かによって神々は送還され、「大いなる門」も、偉大なる魔術師も消え去った。 それから数世代の後…「神々の神殿」から「アミュレット」が発見された。 凄まじい力を持つと推測されたアミュレットは、その後長らく歴史の闇に封印されることとなる。

そして更に数千年の時が経った後…1人の王と1人の魔術師が同時期にある巻物を手にする。 それは偉大なる魔術師の弟子によって残された巻物であり、そこにはアミュレットの力について記されていた。 アミュレットが強大な力を持つこと。そしてアミュレットに触れるためには、その強大な力を抑えるための「ミスリル・ガントレット」が必要であること。 あらゆる手段を使ってミスリル・ガントレットの片手分を手に入れた魔術師は神々の神殿に向かったが、アミュレットは既に王に奪われた後であった。

魔術師は王の居場所を突き止め、彼の寝室に転移呪文で侵入。 悪魔の石「ダミアン・ストーン」を置き土産に、アミュレットを盗み出すことに成功した。 激昂した王は、国中にお触れを出す。 『邪悪なる魔術師を倒しアミュレットを取り戻した者に、莫大な恩賞と近衛兵として登用する名誉を授けよう』と。 それから5年後、エルフの忍者*1「ホークウィンド」が率いる6人の冒険者が、広大な地下迷宮の最深部に潜む魔術師のアジトに踏み入る。 冥界からの客分「ヴァンパイアロード」をもてなしていた最中だった魔術師は、その一瞬の油断ゆえに討たれ、野蛮な冒険者共がアミュレットを剣の先に吊るして持ち帰ろうとする光景を目に焼き付けたまま、その生涯を閉じた。 しかし…魔法を極めた魔術師の肉体は、滅ぶことはなかった。 アミュレットを奪還した王は魔術師が復活することを予期し、アミュレットの力を用いてかつての地下迷宮をさらに複雑な、そして多数の強力な守護者を配置した墳墓へと変化させてしまう。

そして100年後…王の予想した通り、魔術師は蘇った。 再びアミュレットを手にし、世界を手中に収める為に、魔術師は地上を目指す。

特徴

主人公が1作目のラスボス

「自分でキャラを作って冒険する」これまでのシリーズとは違い、主人公がワードナとなっている。
ワードナは魔物を召喚してパーティを組み、ダンジョンの各地に散りばめられた謎を解きながら地上を目指す。

  • ワードナは生前(前作ラスボス)時から大幅に弱体されており、魔法使いとしての力量も底辺ランクにまで落ちてしまっている。ただし、ダンジョンの各地に「魔法陣」が存在しており、ここに入るとワードナがレベルアップして能力が上昇する。
    • 魔法陣にはレベルが設定されており(後半のものほど高レベル)、レベルに応じたモンスターを3種類(それぞれの個体数は一定数でランダム)召喚することができる。
    • 経験値の概念はないため、ワードナのレベルアップは魔法陣に入った時のみ行われる。いきなりレベルの高い魔法陣に入って飛ばしレベルアップも可能。低いレベルの魔法陣に入っても下がることはない。ただし、低レベルのモンスターの召喚を余儀なくされる。
  • 冒険者達との戦闘に入ると、画面上部にこちら側の戦力、画面下部に冒険者のパラメータが表示される。これは従来のウィザードリィと同じ画面構成であり、あくまでワードナ側はモンスターである、ということを印象付けている。
  • 召喚されたモンスターは戦闘中に自動で行動する。命令指定はできない。勝手に逃走することもある。その場合二度と戻ってこない。
    • 冒険者側にとって脅威であった麻痺やエナジードレイン等のバッドステータス・特殊攻撃も健在。今度はこちらが恐怖を与える側になり、上手く活用すれば強敵も楽に撃破可能。というよりも活用しなければ死あるのみなのだが…。
  • 冒険者達を全滅させた後は戦利品として装備していたアイテムを奪える。本作では鑑定の概念はない(入手前は不確定名で表示されるが、入手した時点で自動的に識別される)。
    • 装備品に関しては過去作よりも充実しており、専用の剣(エンディングの分岐に作用)といった特殊なものが多い。

謎解き・キーアイテム取得によるストーリー進行

  • 過去作でも特定の場所を通過するのにキーアイテムが必要だったり、「○○が欲しければ××を持ってこい」といったフラグ管理がなされていたが、本作ではさらにそれが突き詰められた結果、1フロア当たりのイベントの密度がこれまでの作品よりも大幅に増加している。
  • 謎解きには複雑なフラグ立てやアイテム回収、このゲームの範囲内に留まらない幅広い知識が求められる。しかし、その難易度はというと…
  • セーブはオートセーブではなく任意のタイミングで8箇所行えるようになっている。
  • また、マルチエンディング制が採用されており、選択により数種類のエンディングを迎える。

賛否両論点

自重しないパロディ要素

元々パロディが多いシリーズであるが、中でも本作はパロディやバカ要素が特に多く盛り込まれており、全く自重していない。その内容はあまりに多すぎて書ききれないが、以下に例を挙げる。

+ パロディ要素の一例
  • 冒険者「トーリン」を倒すと「モルドール・チャージ」なるクレジットカードが高確率で手に入る。実際に金の代わりとして使えるのだが、他人名義であることがバレると…。
    ちなみにモルドールは『指輪物語』の地名(国名)、トーリンは『ホビットの冒険』のドワーフたちのリーダーが由来。
    • 更に言うと本作のパッケージにはおまけとしてプラスチック製の実物が同梱されている。もちろんおもちゃなので実際にクレジットカードとしては使えない。
  • ダンジョン内に「ボルタック商店」の宣伝をする飛行船が飛んでいる。
  • 最強の頭防具は「アデプト・ボールドネス(ADEPT BALDNESS)」。しかしコレ、なんと「ハゲ頭のカツラ」なのである*2。にもかかわらず「呪文によるダメージを80%カット」という超強力な効果が備わっているため、これがあるかどうかで勝率がずいぶん変わる。
  • トレボーの亡霊を成仏させるアイテムが「聖なるトレボーのケツ(ST.TREBOR RUMP)」。遺骸を聖遺物とするのはわかるが…よりにもよってなんでケツ?*3
  • 後述する「壁が回転するフロア」で閉じ込められた場合、「脱獄カード」なるアイテムを使うとその階の入り口まで戻れるのだが、ニューエイジオブリルガミンの図鑑におけるイラストはどう見ても「モノポリー」の共同基金カード
  • 染料を作成する際に、絵の具のかき混ぜ棒の代わりに「カシナートの剣」を要求される。カシナートの剣がフードプロセッサーのパロディ*4であることを知らないと謎が解けない。
  • ラスボスは「ホークウィンド」という名の忍者なのだが、これが作者ロー・アダムスの分身にあたるキャラクターであり、『ウルティマ』や『バーズテイル』にも同名の人物が登場、出身も「スカラ・ブレイ(これも共通で登場する都市の名前)」出身だと作中で明言されている。
    • ホークウィンドはこちらの攻撃を完全に無効化し、こちらを完全に無視して昼寝をする、戦闘中に寿司を注文するなどやりたい放題。あげくの果てにワードナを神への生贄に捧げて強制敗北させてしまう。倒すにはとある事が必要である。

問題点

シリーズ中最高クラスの難易度

このゲームは「マニアへの挑戦状」的な位置付けの作品となっており、ヘタをすれば過去作経験者でも序盤で脱落しかねない程に難易度が高い。
そのためシリーズ初挑戦のプレイヤーには絶対におすすめできない。
実際、パッケージには「For Expert Players Only」と書かれていた *5だけあり、以下の内容から見てもまさしく「看板に偽りなし」の代物である。

  • 1.謎解き関連
    • ゲーム開始直後、いきなり小部屋に閉じ込められている。しかもレベル0、HP1、呪文使用不可能という驚きの能力値。小部屋の中には魔法陣が1つあるだけ。とりあえず魔法陣に入るとレベルが1になり、レベル1の魔法使い呪文を使用可能になり、3種類のモンスターを召喚することができる。しかし、この後どうしたらいいかは全くのノーヒント。
      正解は「Lv1プリーストを召喚した状態でランダムエンカウントし、ミルワ(明かりの呪文)を唱えてもらう」。こうすると扉が出現して先に進めるようになる。ここまでで既に「明かりがないと隠し扉は見えない」という従来作の常識が求められている。ただし、過去作では見えないだけで通過は可能であったが、今作では見える状態でないと通行不可能。
    • 恐ろしいのはこの程度の障害はほんの序の口にしかすぎないという事である。
      この後も「フロア一面がほぼ対人地雷(ダメージ床)で埋め尽くされている」「壁が複雑に回転するため進み方を間違えると閉じ込められる」などの奇天烈なフロアが多く、攻略にはセーブ&ロードを駆使する必要がある。
    • 謎解きのヒントも抽象じみたものが多く、そのものズバリなヒントはまず出現しない。
      • 前述の「かき混ぜ棒」のような日本人には馴染みが薄い要素だけでなく、キリスト教やカバラといったマニアックな知識を要求されることもある。言うまでもないが発売当時はカバラを下敷きとしたメジャーな創作作品(アニメ『エヴァンゲリオン』やゲーム『真・女神転生II』等)など出ていない。日本で当時カバラを知っていたのは余程の占い・オカルトマニアぐらいだろうと思われる。
    • ダンジョン内には狂王トレボーの亡霊がさまよっており、同じフロア内を長時間うろ付いているとトレボーに強制的に冥界へ連れていかれて即死する。完全に回避するためにはあるアイテムが必要なのだが、それを入手できるのはゲームも後半に入ってから。
    • そして未だに「RPG史上最凶のダンジョン」として名高いのが地下1~3階、通称「コズミックキューブ」と呼ばれるエリア。
      コズミックキューブは上下構造が一定でないので、例えば「地下2階で落とし穴に落ちたが、落ちた先が地下1階」なんてことは日常茶飯事。さらにダークゾーンや回転床、落とし穴、テレポーターが満載。上下構造が一定でないこともあって適当に歩けばすぐに迷子になる事は間違いない。
      • しかもクリアするためにはこのコズミックキューブを完全にマッピングしなければならない。というのもマッピングすることでラスボス撃破のヒントが現れる仕掛けになっているため。攻略本などのネタバレに頼りたくない人は気合を入れて歩き回る必要がある。
      • 出口付近までたどり着いたとしても、コズミックキューブに入る前に手に入れなければならないアイテムを所持していなければ最後の壁が破れずに詰む。
      • シナリオクリアに必要なアイテムをこの階層に出現する冒険者が多数所持している(ドロップはランダム)のも辛い要素。1度地上に出てしまえばワープ呪文「マロール」が自由に使用可能になるため、だいぶ楽にはなるのだが…。
      • 敵冒険者の強さも異常で、前作までならばもはややり込みに近いLvのキャラが当たり前のように出現しワードナの命を奪っていく。最強モンスター軍団を引き連れていても安心は出来ない。
  • 2.戦闘バランス関連
    • 強力なモンスターを引き連れることができるとはいえ、ワードナが死んでしまえば即ゲームオーバーとなり、セーブした箇所からやり直しとなる。敵の成長速度がこちらの成長速度をはるかに上回っているので、集中攻撃や呪文の波状攻撃を受ければすぐ死ぬ。もちろん「適正なワードナのレベル&召喚モンスターを引き連れている」状態で、である。
    • モンスターは種類こそ多いが殆どは役立たず。間違ったモンスター選びをすれば死に直結する。
    • 敵の盗賊は「こちらの所持アイテムを盗む」という、今までのシリーズではなかった荒業を繰り出してくる。重要アイテムだろうがお構いなしに盗まれてしまう。

総評

今までのシリーズに比べ明らかに異端である作品。自重しないパロディ要素やあまりの高難易度などの要因により、洋の東西を問わず「受け入れられた」とは言えないのが実情である。
しかし、単純な善悪という括りを離れたストーリー展開(特に真エンド)は悪くなかったり、後作品にも取り入れられた要素があるなど、単純に「クソゲー」と割り切るには惜しい点があるのもまた事実である。

家庭用ハードへの移植

前評判の段階から「これは移植しても元が取れないだろう」と判断されたのであろうか、FC版の移植で高い評価を受けていたアスキー&ゲームスタジオは本作の移植を断念した。
そのため、家庭用ハードへの移植はPCエンジン版(担当はナグザット)と、PS・PC版『ウィザードリィ ニューエイジオブリルガミン』(担当はローカス)の2つだけである。
両社に共通しているのは「PC版の雰囲気や攻略法はそのままに、万人向けゲームとしてアレンジが施されている」こと。

  • PCエンジン版
    • 成長関連が強化されており、敵を倒すと経験値を獲得、ワードナだけでなく召喚モンスターも通常の経験値加算方式で成長する様になった。なお、ワードナは魔法陣での成長も可能。
    • 通常の魔法陣に加えて「EXCHANGE CIRCLE」が追加され、アイテムを捧げて得たポイントでワードナのHPを回復したりモンスターの補充をすることができるようになった。
    • 範囲攻撃魔法「モリト」が魔術師呪文レベル2に引き下げ、#5に登場した強力な単体攻撃呪文「ツザリク」が追加されるなど呪文関連も調整され、スペルユーザーの価値が上昇した。
    • 恐らくバグと思われるが、ホークウインドに何故かエナジードレインが効き、限界までレベルを吸い尽くすと正攻法でなくとも倒せてしまう。ただし、最初から積極的に攻撃してくるように変更されているので、ゲームバランスの都合による可能性もある。
    • 既存のパソコン版ではゲーム後半で多額のゴールドが必要だったが、PCエンジン版では普通に戦闘を繰り返せば手間は掛かるが貯められる額に引き下げられている。
  • 『ニューエイジオブリルガミン』(※#4と#5のカップリング移植。ここでは#4についてのみ触れる)
    • 「オリジナル版」と「アレンジ版」が収録されており、オリジナル版は(インターフェース面こそ今風にアレンジされているが)原作の雰囲気再現を重視している。
      一方アレンジ版ではメッセージ変更・ヒント追加により謎解きの理不尽さをある程度解消したり、より快適になるようにゲームシステム・バランスを変更したり、周回プレイ・図鑑コンプリートによるやりこみ要素の追加など多くの変更点が加えられている。入手難易度も考えるとこれから#4をプレイしたいならこれがおすすめ。
    • ただし、一部(版権が関わる部分)のあからさまな変名、特定条件で登場するとあるパーティの削除*6、一部冒険者の台詞が変な翻訳になっている、独特だったエンディングがアレンジでは一般的なものになっているといった賛否両論な点もある。

余談

  • 敵冒険者の名前の由来はほとんどが一般公募及びサーテック社に修理のために送られてきたソフトのデータに登録されていた冒険者が元ネタになっている。
    • ラスボスの前座のパーティ「ソフトークオールスターズ-1」はロー・アダムスの所属していた雑誌「ソフトーク」の編集者達である。日本で言うなら「ファミ通」の編集者がラスボスとして出てきたようなものか。ちなみに「-1」なのはホークウィンド(=ロー・アダムス)が抜けた5人パーティーであるため。
  • 当時ウィザードリィはノベライズの題材に選ばれることが多かったが、本作では下記の3作品が挙げられる。
    • 『ウィザードリィIV ワードナの逆襲』
      • スタジオベントスタッフに所属するライター、手塚一郎による小説化。当時の日本におけるウィザードリィの需要に応じて、作中のギャグやパロディ要素が徹底的に排除されている。そのため「作中のプロットのみを流用したエログロホラー小説」とも言うべき作品に仕上がっている。
      • 氏によると「ゲームとしては大嫌いだが、設定だけは好み」との事。後に「あなたはこの作品を何も理解していない!」という怒りの投書も受け取ったそうだが、手塚本人は「あくまで個人の解釈の問題」としている。
        また、#4はカシナートの剣のくだりのような「古典Wizardryの世界観における基本設定」が攻略に密接している為、パロディ要素を完全に無視する以外に日本人向けの作品として成立させようがなかった、という実情もある。
  • 『ウィザードリィ異聞 続々リルガミン冒険奇譚』
    • ゲームアーツに所属のライター、竹内誠の執筆した短編集の三冊目。その内の一篇『魔法の護符』に本作の概要が収録されている。短編なので要所中の要所に限った描写ではあるが、シリーズ中における本作の位置付けと物語の大筋だけは理解できる。裏を返すとネタバレであるため、気になる人はプレイ前に読んでしまわないよう注意。
  • 『ウィザードリィ正伝 トレボーと黄金の剣』
    • ログアウト冒険文庫から発行された小説。著者は多摩豊。
      厳密には本作のノベライズではなくIの前日譚なのだが、「なぜ地上に『魔除け』が出現したのか」「なぜワードナはトレボーをつけ狙うようになったのか」といった本作にも関わる重要な部分の描写がある。
    • なお、タイトルに「ウィザードリィ正伝」とついているが公式設定ではない。これは著者がノベライズの際に「アミュレットとガントレットの物語」と本作のプロットを製作者に直接伺った上で、「制作者原案のストーリーだから『正伝』くらいはシャレでつけてもいいかな」と考えた結果であるため。
  • FC版『女神転生』は擬似3Dダンジョン、モンスターを仲間とするシステムなど本作の影響を強く受けている…と誤解されることが多いが、FC版『女神転生』の発売は1987年9月11日、こちらのAppleII版の発売は1987年11月であり、時期的に一致しない。
    • とはいえ、FC版『女神転生』製作者の一人である岡田耕始氏も初代女神転生を開発する前にPC版ウィザードリィをやりこんでいたため、そこからの影響は強く受けているらしい。
      そして後に氏は『BUSIN ~Wizardry Alternative~』を制作することになる。

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最終更新:2021年10月28日 21:38

*1 (一応旧作で可能だったとはいえ)「エルフ」と「忍者」の組み合わせに違和感を感じる人もあるだろうが、欧米のファンタジー作品ではエルフは北欧風にされやすい日本と異なり、東洋風の造形にされることが多い。

*2 adept=熟練した・達人(原義は「錬金術の達人」) baldness=禿げ頭・(文体の)無味乾燥さ

*3 英語の「rump」は「尻(の肉)」の他に「残り物・残党」の意味もあるので、原語では「聖トレボーの残骸」との掛詞になっている可能性あり。

*4 デザインのモデルはアメリカの有名な家電メーカー『クイジナート社(Cuisinart)』のフードプロセッサであり、名工カシナートが鍛造した長剣、という独自解釈は日本の攻略記事から広まった。

*5 AppleII版、PC/AT版、PC-88版、PC-98版はほぼ共通のパッケージデザインであったため、この表記が確認できる。更に「Experience With "Proving Grounds of the Mad Overlord" Required.(要約すると「1作目のプレイ経験が必須」。)」と書かれている。

*6 モンティパイソンでもネタにされた「スペイン宗教裁判」のパロディ。これに関しては流石にシャレにならないので仕方がないが…。原作でもよく登場させられたものである。