塊魂TRIBUTE

【かたまりだましいとりびゅーと】

ジャンル 転がして大きくするゲーム
対応機種 プレイステーション3
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 バンダイナムコゲームス
ナウプロダクション
元気
発売日 2009年7月23日
定価 6,279円
廉価版 PlayStation 3 the Best
2010年6月3日/2,940円
判定 なし
ポイント 歴代作品の復刻ステージ目白押し
新規ステージは控えめなものの総ボリュームは随一
素敵ソングも過去作アレンジが豊富
塊魂シリーズ


概要

『塊魂』シリーズの5作目。
ジャンプの特訓をしていた王子を見兼ね、王様が手本としてジャンプをするが、大惑星に頭をぶつけて気絶してしまい、記憶を失ってしまう。
困った王子はメイツと共に王様の代わりとなる王様ロボを作ったが、ロボは暴走して星たちを破壊しつくしてしまった。
王子は星を蘇らせるため、そして王様の記憶を取り戻すために塊を転がす事となる*1

初代』『みんな大好き塊魂』『ビューティフル塊魂』に収録されているお題を中心に、シリーズ最多の30以上のお題が収録されている。
PS3の処理能力により、様々なビジュアルで遊べるほか、様々な新要素が追加されている。

特徴・評価点

  • ステージは「ロボコスモ」と「王様コスモ」の二種類に分類された。
    • ロボコスモはとにかく塊を大きくする課題を中心に、制限時間内でハイスコアを目指すステージ。評価基準は『ビューティフル塊魂』に近く、塊のサイズ以外に、特定カテゴリのモノを巻き込む事で上限120点の100点満点評価がなされる。
    • 王様コスモは特殊な課題をクリアするステージ。最初のうちはモノトーン調だが塊にモノを巻き込む事でステージ上のモノが本来の色を取り戻していく「ロマンチック演出」が起こる。
    • 『ビューティフル』で不満が多かったDLCは今作には無い。
  • ゲームモードは4つに増え、新要素が使える本作初登場の「あたらしい塊魂」、新要素が使えない「いつもの塊魂」、制限時間の無い「エターナル」、塊の動くスピードが速くなる代わりに制限時間が短くなる本作初登場の「塊ドライブ」の中から選べる。ただし最初の内はあたらしい塊魂しか選べず、高得点を出したり何度もプレイする事で他のモードが解禁されていく。
    • 塊ドライブは制限時間が短い事もありテンポが良い。自動で転がり続けるレース場のステージとなると元の速さも加わり制御が困難なほどに速くなるが、爽快感も倍増。
  • 新技として、コントローラーを振るかR2ボタンを押す事により高い所にジャンプができる「王子ホッピング」が追加された。
    • 高い所に移動できるほか、狭い所に挟まった時の脱出にも使える。今までではできなかった思わぬショートカットが可能になることも。
  • ステージ上にアイテムとして配置されているハートを巻き込むことで発動し、周囲の物を一定時間塊に吸い寄せて巻き込める「王様フィーバー」、ギザギザハートを巻き込むことで発動し、より広範囲の周囲のモノを一気に吸い込める「王様ショック」が追加された。
    • 2種のハートは隙間にあるモノも根こそぎ取れるので爽快。ただ、塊よりも大きいモノは吸い寄せることができない他、巻き込みたくないもの*2も吸い寄せてしまうので取るタイミングを考える必要がある。
  • フルHD画質(1080P)に対応してより画面解像度が大きくなった。勿論モデリングはおなじみのローポリゴンである。
  • ゲームを進めていくと、ステージ中のビジュアルを変える事ができるようになり、計4種類から選べる。
    • 絵本のような雰囲気になった「あたらしいタッチ」・あらゆる物が木目調になった「木目調タッチ」・アニメ絵のような「コミック調タッチ」・そして従来の「いつものタッチ」が選べる。
      • デフォルト設定では「あたらしいタッチ」であり、ゲームを進めるまでは「あたらしいタッチ」固定となっている。
  • 巻き込めるモノは4000種以上。前作より500種ほど増えた。
  • 今作でも王子のイトコ・ハトコ・ルーキーである「メイツ」に新顔が登場。王子も含めて総計58人。もちろん全員プレイヤーキャラに出来る。
  • 前作から引き続き、ネットワークランキング対応。
    • 恒例のエンディングのミニゲームは今作、『みん大』『ビューティフル』の3つが遊ぶ事ができ、こちらもネットワークランキング対応。BGMも原作通りのものが流れる*3
  • ステージ中の楽曲である「素敵ソング」には、シリーズ歴代最多の豪華21組のアーティストが参加。『TRIBUTE』に因み、塊魂シリーズのトリビュート・アルバムのような体を成している。サウンドトラックもシリーズ初の二枚組になっている。
    • 曲目は総集編らしく、そのほとんどが過去作の素敵ソングのアレンジ。『僕の私の』のマップ曲「カタマリゾート」に歌詞を加えた「カタマリゾート・ソング」、『みん大』の楽曲「灼熱のサバンナ」を堀越高等学校吹奏楽部が生演奏した「灼熱のサバンナ高等学校」、『初代』の楽曲「LONELY ROLLING STAR」のアンサーソングである「LONELY ROLLING NO MORE」や『みん大』の楽曲「Everlasting Love」と『初代』の楽曲「you are smart」をマッシュアップ&歌詞を英訳した「Everlasting Love+you」などなど、様々なテイストでカバーされた曲を聴きながら塊を転がすことができる。
    • OP曲は『みんな大好き』の「塊オンザスウィング」をスキマスイッチの大橋卓弥がカバーした「塊オンザウィングス」。原曲の明るい雰囲気をそのままに、J-POP風の新鮮なアレンジがされている。
    • 過去作に参加していたキリンジ、松崎しげるが再起用。また、サウンドディレクターの三宅優も「ゆうさま」として、再び歌唱に参加している。
      • 特に松崎しげるは『初代』から『僕私』まで皆勤賞だったため、前作で降板した際に落胆していた多くのファンを喜ばせた*4
      • 氏の熱唱するエンディングテーマ「SHADOW AND LIGHT」は本作の素敵ソングの中でも特に評価が高く、初代の「愛のカタマリー」と双璧を成す名曲と称賛する声も少なくない。最早お約束の「日に焼けた肌」のフレーズもばっちり完備。
      • 曲自体の良さに加え、エンディング恒例のミニゲームの綺麗な画面も相俟って、本編もすごく感動的なストーリーだったのかと錯覚してしまうほど見事なスタッフロールとなっている*5。順当にプレイしていれば、曲の盛り上がりに伴って画面がどんどん壮大且つ綺麗になっていくのもポイント。
      • 曲が終わる前にミニゲームをクリアできれば、最後に粋な演出も追加される。是非クリアして、最高潮の感動でフィニッシュを迎えよう*6

賛否両論点

  • 先述の通り、「素敵ソング」は過去作の楽曲のリミックスやカバーバージョンが盛りだくさん。その豪華っぷりへの評価は高いが、一部の楽曲はかなり癖が強く大胆にアレンジされており、賛否両論の意見が見受けられる。
    • 歴代と比べてダウナーなアレンジの楽曲が多い傾向にあり、特に『初代』の「塊オンザロック」のアレンジ「塊オンザロック(5cm Prince Remix)」や『ビューティフル』の「Katamari Dancing」のアレンジ「Katamari Dancing All Night」などはプレイしていて盛り上がらないと言われがち。
    • これらの楽曲も出来自体は決して悪くなく評価する声も一定数あり、あくまで個人の好みに委ねられる所である。
  • 原作のステージと比べて制限時間が短くなっているステージが多い。目標サイズが大きくなっているステージもいくつかあり、そういったステージは難易度が総合的に上昇しているといえる。
    • 特に塊をシリーズ最大規模まで大きくできる「王様を起こす」ステージは、原作の17分から12分と大幅に削られており、巻き込む物の種類も意識しないといけない120点クリアとなると緻密なルート構築はほぼ必須。その分やり込み甲斐が増したとも言える。

問題点

  • ステージの偏り
    • 新作のステージはチュートリアルを含めて4つのみ。総集編であるからとはいえ、新規要素を求めるファンには物足りない。
      • 既存ステージでも新システムで新しい体験をすることはできるものの、やはり過去作をプレイしたことのある人にとってそこまで大きいものではない。
    • 過去作ステージは『みん大』のステージが18個で一番多く、逆に『初代』のステージは3つだけ*7
    • ロボコスモはそれなりに出典作のバランスが取れているが、王様コスモは全17ステージのうち『みん大』が13ステージを占める。残りは『ビューティフル』が3つ、新ステージが1つで、『初代』の星座を作るステージは一つも採用されていない。
      • それだけ『みん大』はシチュエーション豊富で捨てがたいステージが多かった、という事でもあるのだろうが…
    • 『僕の私の』のステージは未収録。ただし、これは携帯機から据置機への移植の難しさ、および一部ステージの独特な遷移の仕様も影響していると思われる。
  • 『ビューティフル』では可変60fpsだったが、今作は30fps固定となっている。

総評

『塊魂』の総集編であり、そのボリュームはシリーズ随一。
『ビューティフル』で改善された点はそのままに、新要素もゲームバランスを崩さず、かつ空気でもないちょうど良いバランスであり好評。
新ステージの少なさや、過去曲の好みの分かれるアレンジなど、一部シリーズファンから不満が出やすい部分もあるが、シリーズ最大級のボリュームでたっぷり遊べる塊魂なのも間違いなく、これからシリーズを始める人にもお勧めできる。

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最終更新:2023年07月10日 23:59

*1 王様がやらかして発生した事件を王子が尻拭いする、というのはシリーズおなじみのあらすじだが、今回の王様に関しては完全に不運&とばっちりである。

*2 塊の熱さを10000℃にする課題ではアイス等の塊を冷やしてしまうモノを吸い込んだり、塊を特定の大きさに近づけるお題の場合は、周囲のものを根こそぎ巻き込み制限超えで即ゲームオーバーとなる。

*3 ただし、『みん大』のミニゲームではミニゲームに登場するメイツを使うとミニゲーム中で本人が消えるため巻き込める数が一つ減る。

*4 もっとも、松崎しげる自身がある不祥事を起こしてしまったが故の仕方ない降板ではあったのだが…。

*5 実際は王様から何の脈絡も無く「ジャンプ力が足りない」「王子ホッピングなど問題外」とダメ出しされ、エンディングの間にジャンプの練習すると言う身も蓋も無い話なのだが、そんな事などすぐに忘れるだろう。

*6 失敗するとその時点で真っ暗なスタッフロールに移行。曲が良いのが救いだがちょっと格好がつかない。

*7 一応、『初代』の舞台となるエリア全てで転がすことはできる。