妖怪ウォッチバスターズ 赤猫団/白犬隊

【ようかいうぉっちばすたーず あかねこだん/しろいぬたい】

ジャンル アクション

対応機種 ニンテンドー3DS
発売・開発元 レベルファイブ
発売日 2015年7月11日
定価 各4,600円(税別)
判定 なし
ポイント 妖怪たちによる協力アクション
不便なオンラインと極玉システムが難点。
妖怪ウォッチシリーズ

概要

RPGで二作品のゲームが発売され、アニメ放映もなされた人気コンテンツ『妖怪ウォッチ』シリーズの番外作品。
『妖怪ウォッチ2 真打』に収録(『元祖/本家』には大型更新「鬼進化」で実装)されていた「真・妖怪ウォッチバスターズ」をベースに、大型ボスとの専用戦闘シーンや新規ボス等を盛り込んでいる。
また、操作キャラクターの使用する技や装備品を選択して性能をカスタマイズする要素などもある。
妖怪ウォッチ本編に登場する友達妖怪は基本的に総出演する他、シリーズの主要格キャラとしてアニメから活躍を始めたUSAピョンも登場する。友達妖怪の総数は400種以上。

赤猫団/白犬隊の2バージョンが発売され、友達にできる妖怪や選択できるミッションの一部がそれぞれ異なる。
2015年12月には、大型の無料アップデート「月兎組(げっとぐみ)」が配信され、ストーリーモード・ビッグボス・操作キャラクター・アイテムの追加等に加え、ゲーム内容の微調整が行われた。

デザイン周りや一部BGMの基礎を映画「ゴーストバスターズ」のパロディで構成しており、それ以外のパロディネタもシリーズ恒例で多く存在する。

ゲームシステムは『新生FF14』の影響が強く、日野社長も新生14の入門編として開発したことを明言している。

特徴

ゲーム進行

  • 人世のはざまで妖怪たちが活動する「鬼時間」に、悪さを働く不届き者。それを成敗する正義の妖怪チームが「バスターズ」である。物語は、とある落ちこぼれバスターズチームに所属するジバニャン・砂夫・ムリカベ・ヒキコウモリの元に、鬼教官ブリー隊長がやってくるところから始まる。
    • 最初に遊べるのは、ムービーやイベントシーンを挟んで物語に応じたミッションをこなしていく「ストーリー」。チュートリアルも兼ねてこれを進めていくと、マップ上で敵を倒しつつ友達妖怪を増やしていく「パトロール」や、道中で倒したボスキャラと戦える「ビッグボス」といったミッションが開放される。
  • 各ミッションには、アイテムの回収や指定妖怪の撃破といった目的が設定されており、一部条件を満たすとミッションを終了するフスマが出現する。
    • 目的達成前に脱出すると、ミッションを中断しそれまで入手したアイテム等を獲得して帰還。目的を完全に達成していればミッションクリアとなる。
  • ミッションに登場する敵の内、マップに赤い魂で表示されている妖怪は、倒すと一定確率で「友達チャンス」が発生する。簡単なミニゲームを行い、成功するとその妖怪はミッションクリア後に友達として仲間に加わる。

バスターズハウス

  • ミッション前の準備を行う場所。ミッションの受注やパーティ編成を行う基本機能の他、ショップ等の各種施設が揃っている。
    • 地下から屋上まで6フロアあり、3DSの下画面にプレイヤーの現在位置が表示される。フロア移動は階段や滑り棒で直接行う以外に、下画面のフロア表示をタッチするとワープ移動できる。

妖怪の育成

  • バスターズチームは4人1組。プレイヤーはリーダーを操作し、他3名の妖怪はAIで動く「おとも」として戦闘に参加する。
    • 画面下のチェンジボタンをタッチすると、おともとして連れている妖怪をリーダーとして操作出来る。
  • ミッション中に敵を倒すと、鬼玉や素材アイテムを落とす。また、ミッションをクリアすれば更に多くの報酬をもらえる。素材アイテムと鬼玉を支払って装備品を作成し、鬼玉を妖怪に与えてレベルアップする事でキャラクターを強化していく。
  • Aボタンは通常攻撃。XとYボタンには、それぞれ1つずつ「技」をセットする。
    • 妖怪は一定レベルに達すると技を習得し、最終的に3~4種の技を扱えるようになる。これ以外に、HP・力・妖力・守り・素早さ(速い・普通・遅いの3段階)のパラメータ、妖怪ごとに固有のスキル、必殺技、得意属性/苦手属性、これらを総合したもので妖怪の性能が決まる。
      • ちなみに、本編RPG系作品は全友達妖怪が何らかの妖術を使用したが、本作は妖術技を持たない妖怪も多数存在する。
  • 装備は、素材から作る装備品の他に「魂(こん)」がある。これは本編RPGシリーズにもあった要素で、大まかに表現すると、友達妖怪を装備アイテム化したもの。元となった妖怪ごとに特殊な装備効果を発揮する。
    • 魂同士を合成してレベルを上げると効果量が上がる他、所定の組み合わせの合成でしか入手できないレアな魂もある。
  • 友達妖怪は、メインのダメージソースとして活躍する「アタッカー」、味方の回復が得意な「ヒーラー」、特殊能力を駆使する「レンジャー」、敵の注意を引き味方を守る「タンク」の4系統に分類される。

ゲームモード

  • ストーリー
    • ストーリーは全11話構成。ゲーム進行に必須のミッションと、任意で受けるサブミッションが、1話あたりに5~8本ほど含まれる。
      • 各ミッションの内容は、後述するパトロールに似たスタイルで指定の雑魚妖怪を倒したり、ビッグボスと戦ったりするというもの。
    • プレイヤーが最初に操るバスターズは、最初はバスターズランク「1」から始まり、1話クリアするごとにランクは1ずつ上昇する。10話クリア時点でエンディングムービーが流れて物語は一区切りつき、以降は妖怪の育成やビッグボスの討伐、友達を増やして大辞典を埋めるといった遊び方が中心にシフトしていく。ランク11以降は、多くのミッションをこなす事でマスクパラメータが溜まり、一定値を越えるとランクが上昇する模様。
  • パトロール
    • 2D俯瞰マップで表現された妖怪ウォッチ世界おなじみの舞台を歩き回る。うろついている妖怪を倒す事で鬼玉やアイテムを稼いだり、倒した妖怪を友達にしたりするのが主な目的。クリアしなくても、ストーリー進行の支障はない。
  • ビッグボス
    • 基本は三人称視点の3Dアクションで、カメラ固定のステージもある。ストーリーを進める上で一度撃破したビッグボスは、このモードでボス戦闘のみを楽しむ事ができる。
    • ノーマル・超・極の3段階でボスのパラメータが上昇し強くなる。クリア報酬も、段階に応じて良いものが出る。
      • 極モードのみ、ミッションを受注するのに「極玉」という専用の消耗品が必要。このアイテムは各ボスごとに入手条件が異なり、基本的には超モードのビッグボスを倒す事でもらえる。
      • ボスの行動パターンは全モード共通。極のみの独自モーションなどといった要素は無い。
    • ビッグボスは26種(+1)。この内、「レッドJ」「トキヲ・ウバウネ」は赤猫団、「マイティドッグ」「イカカモネ議長」は白犬隊のみがミッション選択可能。別色のボスと戦うには、マルチプレイで遊ぶ必要がある。
      • なお、上記の「+1」は、各バージョンに1種存在する隠しボス*1。別バージョンのボスとは戦う事ができない。

マルチプレイ

  • ストーリー第2話の途中から、ローカル通信やインターネット通信による最大4人のマルチプレイが可能になる。
    • ミッションクリア時の報酬は参加人数分出る。ただし実際に入手できるのはその内の1つだけであり、複数のプレイヤーで希望した報酬が被った時は「コマバトル」の結果に従い振り分けられる。
      • コマバトルは、報酬を取り合うプレイヤーに対応した色のコマがぶつかり合い、最後まで残っていたプレイヤーが獲得するというもの。勝利判定はランダムで、結果に関与はできない。
    • フリーチャット機能はなし。「よろしく」「OK」「ちょっとまって」等の定型文をテロップのように流すチャットでコミュニケーションを行う。
    • 極玉を消費するのは、ミッションを選択する一人だけでOK。他のメンバーはそのまま参加できる。

その他の特徴

  • ビッグボスの攻撃は、その多くで攻撃判定の明示を行う。
    • 「先に赤い色の範囲が表示され、しばし間を置いてダメージ判定が発生」という流れ(いわゆるAOE)であり、プレイヤーキャラが余程の隙を晒していない限り、それらを見てから動いて避ける事が容易となっている。また、行動に応じた技名がウィンドウ表示される。
  • マップにはバトルアイテムが落ちており、2個まで所持できる。これを消費する事で、操作キャラのHPを回復したりトラップを仕掛けて戦いを有利にしたりといった効果を得られる。
    • バトルアイテムはミッションで使わなければ持ち帰る事ができる他、バスターズハウスのショップでも販売されている。
  • ミッション中にHPが0になった妖怪は、その場で気絶する。この時表示される昇天ゲージは、別の妖怪で近づきBボタンを押し続ける事で回復でき、一杯まで回復すると気絶した妖怪が復帰する。
    • ゲージが尽きるとその妖怪は昇天してしまい、ミッション終了までゲームから除外される。
    • ソロプレイ時の特権として、昇天直前の妖怪がいると低確率でおじいさんが現れ、HP1で自動的に蘇生する事がある。
  • 報酬の出現傾向について
    • 多くのミッションは、大当たり・中当たり・小当たりという段階ごとに2種類までの報酬が設定され、参加プレイヤーの赤猫団/白犬隊の割合に応じて出やすい報酬が分かれる。報酬で特定の品を狙う場合、参加プレイヤーの色を偏らせる事で確率をある程度操作できる。
    • 一部ミッションに設定されたスペシャル報酬は、特定のミッションを、同じ色のプレイヤー4人がマルチで遊んだ時にのみ、低確率で出現する。
      • SP報酬の内容は、レアな友達妖怪のメダルであったり、妖怪を進化させるアイテムであったりと、価値の高いものが多い。また、入手手段がこのSP報酬に限られたものもある。
  • 妖怪ウォッチコンテンツを象徴する「妖怪ガシャ」は本作にも登場。バスターズハウスの屋上に設置されており、ゲーム中で入手したガシャコインを使う事で、アイテムや友達妖怪を入手する。
    • ゲーム外関連商品に付属するQRコードやパスワードから入手できる特別なコインもここで使う。
    • 1日にガシャを回せる回数は、3~10回ほどのランダム日替わり。稀に30回引ける日もある。後述の鬼ガシャと福ガシャで回した回数もカウントされる。
      • 3DS本体の日付や時刻を変更すると約2日間ガシャが使えなくなる。
    • 鬼ガシャはコインの代わりに鬼玉を注入して回す。注入量が多い程大当たりが出る確率が高い。
    • 一定条件を満たすと福ガシャが出現する。こちらは福ガシャコインでなければ回せない。

評価点

  • 豊富なプレイアブルキャラクター
    • そこそこボリュームのあるアクションゲームで、操作キャラ総勢400種以上という数字はかなりのもの。もっとも、大多数の妖怪に3種程度の色違いが存在する本シリーズにおいて、姿形や動きの種類で言ってしまえば大きく数を減らすが、それでも十分に多い。
    • 妖怪のモデリングは丁寧であり、技ごとに個性的な動きを見せる。好きな妖怪を自由に動かして戦える、ファンにとって嬉しいキャラゲーアクションとなっている。
  • 動かしやすいインターフェース
    • 技の使用は対応するボタンを押すだけ。たまに長押し程度の操作があるくらいで、動かすだけならとても簡単。扱う技の種類も一度に2つまでと分かりやすい。
    • 行動の隙を別の技でキャンセルする事も可能。操作に慣れればボスの動きに適宜対応しながら自由にキャラを動かせるようになる。
    • ただし一点、気絶と蘇生に関する操作には、重大な難点あり(詳細は後述)。また、newでない旧3DSでは画面表示がカクつく事もある。
  • 個性豊かなビッグボス
    • ミニゲーム時代を彷彿とさせるフィールドマップと、ボス戦闘用のマップ、それぞれで動きの特徴や攻略法が異なる。グラフィックも、特徴的なキャラデザインの再現度が高い。
    • ボスの攻撃は見た目と判定がおおよそ一致しており、安全地帯やタイミングの見切りは一般的なアクションゲームと比べて楽。細かな予備動作に注視する観察力や反射神経がなくとも対処可能であり、それでいて上手く動きを合わせるには相応のコツがいる。
    • ほとんどのビッグボスに、大技を凌ぎきったり、攻撃を逆利用したり、ステージギミックを上手に起動したりといった行動で一定時間のチャンスタイムを作る方法があり、攻略上での程良いスパイスになる。
    • 本作を「狩りゲー」とみなした時の27種というボス数は決して多くはない方だが、上記の点から、大きなボリューム不足は感じさせない。
  • 良質な新規BGM
    • 本編系列やアニメからの流用BGMを多く使用しているが、数少ないながらも本作用に新規で用意されたBGMは、既存曲でなじみのフレーズを巧みにアレンジして盛り込んだ、作品の雰囲気によく合ったものばかり。どこかのんびりとした可愛らしい曲から、ビッグボスとの激しい戦闘を表すアップテンポな曲まで、幅も広い。
  • 1ゲームあたりの軽さ
    • 1ミッションあたりの所要時間は、3~10分程度。マルチプレイで上手い人が集まればもっと速く終わる。ちょっと遊ぶだけならかなり手頃な部類。
  • ストーリーモードの難易度
    • メイン格のジバニャンは万人向けの性能をした扱いやすい妖怪で、自分で操作するキャラのレベルをきちんと上げていけば、初期メンバーやシナリオ進行上で加入する妖怪だけでもストーリーのエンディングを十分クリア可能。ボスの隙やステージギミックの使い方をちゃんと理解すれば、特別強い妖怪を揃えなくとも好きな妖怪で好きに攻略できる。
    • なおかつクリア後のミッションには、それまで順調にゲームをこなしてきたプレイヤーでも高い壁を感じるように強いボスが出てくる。また、エンディング到達のご褒美として遠距離攻撃の得意な物理アタッカーを開放され、タイミング的には一応の救済にもなっている。

賛否両論点

  • 攻撃力デバフ戦術によるバランス破壊
    • 赤猫団/白犬隊の隠しボスを極モードで倒した時の大当たり報酬で手に入るボス魂は、装備する事で「攻撃を当てるたびに対象の攻撃力を下げる」という一時効果を持つ。一定時間以上の間を空けずに攻撃し続けると効果が蓄積し、最終的には受けるダメージが1になるまで下がる。
    • これに対抗できる行動を持つボスは少なく、容易に無力化できてしまうボスすらいる。使うかどうかはもちろんプレイヤー次第だが、オンラインで他プレイヤーがこれを狙う事までは止めようがない。
  • コマバトルによる報酬の振り分け
    • 現状の報酬システムの上では、希望がかち合った時にランダムで適当に振り分ける事自体は仕方がない。しかし、それまで協力してボスと戦ったメンバー同士が人気報酬を巡る敵としてヘイトを高めあうシステムそのものに嫌悪感を示す意見がある。
    • とはいえ、マルチ協力がウリの一つでオンライン環境も整え、発売後半年以上に渡りロック要素解禁の各種キャンペーンを行っていく前提での仕様である。運の悪い人が割を食いつつも、その間のゲーム寿命を維持する効果は恐らくあっただろう。
  • 通信エラー等で通信が切断されてしまうと、切断された人の妖怪が退場してPT数が少ない状態で戦わなければならなくなる、切断された人が集めた鬼玉・ミッションクリア後の報酬が貰えなくなるなどのペナルティが発生する。
    • 特に部屋を建てたホストの接続が切れた場合、部屋が解散されて参加していた全員がソロプレイを強いられる事になる。タンクやヒーラーでビッグボス戦に参加していた人にはクリアも困難。
    • 消耗品である極玉やオーラ(特定のボスに対して攻撃力が上がっている状態)はリセットしても戻ってこないので、これらを使っていたとしても諦めざるを得ない事もある。
    • 切断に何のペナルティも無ければ新たな問題が発生していたかもしれないが…
  • 極モードビッグボスの難易度
    • 極のビッグボス討伐の難易度は、「妖怪ウォッチ」コンテンツメイン層である子供にとって、かなり厳しい。基本的に全ての攻撃が一撃必殺級の威力で、世紀末よろしく「死ななきゃ安い」戦いを強いられる。
      • 本作は、装備によるキャラクター強化が非常に重要であり、レベル上げだけでは極のボスとはまともに戦えない。妖怪の特性に見合った適切な装備の組み合わせを選び、強力な極ボス又は超ボスを倒して装備品素材を入手、魂も別途用意して、妖怪のレベルをMAX99にする事が、当然の前提条件となる。しかし、情報無しではそれらの全てが高いハードルとなる。
      • 要するに「極ボスを効率よく狩る条件を揃えるには、(強くて時間もかかる)極ボスを倒して得る報酬が必要」である。育成途中の段階で、かなりの忍耐力を要求される。
      • 装備によるステータス上昇が最重要。しかし逆に言えば、高性能の装備さえ作ってしまえば低ランク妖怪でも極ボス相手に立ち回ることが可能になる。(勿論レベル上げは必須だが)
      • 中途半端に守りを補強しても等しく一撃死ならば、いっそのこと守りを投げ捨て、(前述の高性能装備を揃えた上で) レベル1・HP1 で挑むドMな猛者も存在し、世紀末で言うところの修羅の領域に踏み込んでいる*2
    • 情報収集をしてゲーム攻略の最適化・効率化をする事に慣れた層にとっては、一般的な狩りゲーの難度よりは接しやすく所用時間も短めな中で、それなりに歯応えある戦いを楽しめるだろう。
      • その手頃さは、アクションゲームの苦手な小さい子供を得意な人でフォローしながら一緒にボスを倒しきる事が、十分に可能なレベル。何度ミスを重ねようと最終的に誰か一人でも生き残りHPを削りきれば勝ちという、シンプルなルール故の良さがある。

問題点

※ここに挙げる問題点は、基本的に発売時点でのもの。一部は、大型アップデート「月兎組」にて一定の改善が見られている。

ゲームバランス面

  • キャラクター性能による優遇・冷遇
    • クリティカルによるダメージ補正が非常に大きく、その威力と発生率に関わるスキルを持つキャラが強い(例.オロチ、さきがけの助等)。
      • これに関連するトップクラスの強妖怪とそれ以外の妖怪は、(ごく一部の例外を除き)ダメージ効率が段違い。ミッションクリアの所要時間に倍以上の差がつくこともある。
    • 攻撃妖術の使い勝手が悪く、妖術主体のアタッカーが不遇。
      • 妖術は威力を上げるのに溜め時間が必要であり、発動から着弾までにタイムラグがあり、使用後の硬直が長く、有効範囲外で使用すると不発になってしまうリスクがある。中程度離れた間合いを保つとはいえ使用者の防御力は傾向として低く、なのにダメージ効率の面で物理アタッカーに到底かなわない。
      • 強いて言えば、強力な範囲攻撃であるという強みを持つが、物理技にも範囲攻撃はあるので妖術に限った特権という訳でもなく、またそれを十分に活かせる局面も少ない。
      • 妖術には溜め時間が必要とはいえ、チャージを利用することで恩恵を得られる装備品も存在するには存在する。しかし、物理攻撃にもチャージが可能な技が存在している上、威力やチャージ速度もそちらの方が高性能なので妖術におけるチャージは独自性が皆無といっていい。
    • また、遠距離攻撃は妖術の専売特許というわけでもなく、普通に物理の遠距離アタッカーも存在する。しかしその遠距離物理攻撃は妖術よりも圧倒的に使い勝手がよく、そこそこの威力の攻撃を遠距離からチャージを必要とせずに連打できるため、DPSでは妖術に圧勝している。しかも後隙はほぼ皆無であるために妖術とは安定感が別次元レベルで違う。
      • この問題点はビッグボスどんどろ(物理無効化と妖術無効化を切り替えながら戦う難敵)との戦闘にも影響し、ダメージ効率の悪化が露呈している。
    • 回避性能の高い妖怪=使いやすい、逆もまた然り…という図式が成り立ってしまった。
      • 極ボスの攻撃力が非常に高いため、「足が遅く攻撃避けに役立つ技も持たないが比較的タフ」という特徴の妖怪でもすぐに気絶してしまう。
      • 代表例として、本編シリーズで圧倒的な強さを誇るSランク妖怪の鬼系が、本作では全員扱い辛く、逆に最初から使えるジバニャンは、出の早い三段攻撃・性能のいい回避と相まって扱いやすさはトップクラス*3、途中で加入するコマさんは三段攻撃と回復の術を両方持つ唯一の妖怪で、物理攻撃は非力だがDランクなので数値の高い「逆転」系装備でカバー可能、技の組合せと装備次第では単騎でビッグボス撃破も難なくこなせる万能型。
      • 長めのモーション中に全身無敵効果が続く攻撃技「疾風ステップ」が、攻撃性能と回避性能の両立を担っている。これを持っているかどうかが妖怪の使い勝手を左右するとしても過言ではない。
      • ダメージを軽減・無効化する技は他にも色々存在するが、技の再使用までにかかる時間が総じて長く、その多くが純粋な防御技であるという点で見劣りしてしまう。しかし、超・シールドは自分だけでなく回りの味方のダメージも無効化することができる上にクールタイムも良心的な方なので、この技は回避との差別化ができている
    • 通常攻撃の性能差が大きい。
      • 大きく分けると「攻撃」「三段攻撃(ボタンを連続で押すと3回まで連続攻撃する)」「遠距離攻撃」がある。三段攻撃は総ダメージ値が高く、遠距離攻撃は使用者の安全面から使いやすいが、これらを持たない大半の妖怪は相対的に弱くなる。またパラメータが妖力偏重のキャラクターも力のパラメータで殴るのみというアンバランスさが目立つ。
      • 同じ通常攻撃でも、モーションによって出の速さと戻りの隙が異なる。近接で使う単発技の「攻撃」は特に顕著で、モーションの速い妖怪は遅い妖怪が1発殴る間に2発殴れるほどの差がある。
  • 一部レジェンド妖怪の解放難度
    • RPG作品では解放が比較的簡単だったブシニャンとネタバレリーナは本作では絶望的な解放難度を誇る。大辞典完成を阻む要素の1つで、どちらも極モードボス撃破が絡んでいる。
      • 赤猫団4人(もしくは白犬隊4人) で特定の極モードボスを撃破し、超低確率のスペシャル報酬として手に入る妖怪。ブシニャンはこれが原因で 1人プレイでは絶対に自力で解放不可能
      • 特定の極モードボス妖怪撃破時に大当たりで入手出来る妖怪。
      • 福ガシャコインの大当たり妖怪。福ガシャコインを容易に入手出来る枚数はようかいの輪解放による1枚のみで、2枚目以降は特定の極モードボス撃破の大当たりで入手となる。
    • 該当する妖怪を通信交換で貰って解放する手もあるが、それ相応の価値を持つ妖怪を入手する手段に乏しく、この方法も事実上不可能に近い。
    • 一方、山吹鬼とやまタンの解放条件はRPG作品の山吹鬼同様、種族別の色コインでガシャを回し、大当たりで手に入る妖怪で統一されている。時間と根気が要るが、本作ではこちらの方が相対的に楽。
    • もっとも、レジェンド妖怪が居なくてもストーリーで入手出来る妖怪だけで一通りの戦力が揃うので、大辞典完成にこだわらないのであればそれ程気にする必要は無いのだが・・・。
  • 役割の優遇・冷遇
    • 平たく言うと、ほとんどアタッカーの一強状態。
      • 前述した強いスキル・技は、基本的にアタッカーのもの。ヒーラーは言わずもがな、レンジャーやタンクにもほとんど使い手はいない。
      • レンジャーが持つ搦め手の特殊能力は、ビッグボスに対して有効でないものが多い。ボスの動きを封じるトラップは便利だが、同効果のものがアイテムとしてショップでも売られている。味方を巻き込む地雷系の攻撃技は、上手く当てるのは難しい上に迷惑がられてしまう。
      • 基本的にはパーティに1人ヒーラーを入れる構成が無難で人気だが、回復・蘇生も、保険程度とはいえアイテムで代替可能。パーティ全体の腕前と火力が十分であれば、ヒーラーが不要なほど短い時間で勝利できる。また、前述の通り極モードのボスの攻撃は、一撃食らうだけで即死もしくは瀕死になるため、回復妖術で味方を回復する暇がない。
      • 本来なら守備面に不安を抱える存在であろうアタッカーやヒーラーが無傷~軽傷で戦えてしまう親切設計により、相対的なタンクの価値が低い。高火力を叩き出せるタンクといった個性を持つ妖怪もほとんどいない。
    • フォローすると、マルチプレイで効率を求める場合は自然とアタッカー一択となるが、ボスの周りの雑魚が強いミッション等はタンクで雑魚敵を引き寄せれば楽に攻略出来る場合もあり、ビッグボスに慣れてない内やソロプレイ時にはアタッカー以外が全く使えないという訳ではない。また、レンジャーのデバフは非常に下げ幅が大きい上、超・まもりダウンに至っては一度使うだけで手軽に味方全員の火力を強化できるため、短気決戦では無類の強さを誇るなど、運用によって光る役割があるのも事実である。
  • おとものAIが悪い
    • 攻撃は手ぬるく、技は適当にぶっ放し、一度蘇生をし始めたら完了するまで動かない。
    • 「三段攻撃」を使いこなせず、一段目しか撃たない。
    • 移動しながら攻撃するタイプの行動に全く対応できず、気絶するまで攻撃判定に突撃し続ける。そして仲間の蘇生開始、共倒れ、全滅。自分からダメージを受けるエリアに突っ込む事もある。
      • ソロプレイでおともを3人連れての極ミッション攻略について、有志の研究によりいくつかの回答は出ているが、徹底的な防御性能盛り、ヒーラー3人体制、いっそ死んでもらって持続するスキル効果だけ残す…等、明らかにバランスがおかしい。
    • おともの行動は、ミッション前に決めたざっくりとした4種の作戦設定に従うが、自分の周囲に呼び寄せたり、撤退を指示したりはできない。また、散開して別行動することも不可能。
  • 属性
    • 属性相性を度外視できるほどクリティカルの補正量が多く、属性攻撃に関わる特殊能力は目立つ成果を上げられない。ほぼ機能していないと言って良い状態。また、妖術の価値の低さにも繋がってしまっている。
    • そして元も子もないが、本作の後半に登場するビッグボスのほとんどには得意属性も苦手属性も存在しない。そのため、属性攻撃の恩恵を受ける機会が全くない場合が往々にして存在する。
  • RPG作品で存在した、妖怪の種族ごとの個性が無くなっている
    • パーティ内に同じ種族の妖怪を複数投入すると発動する陣形効果が無い。
    • 基本能力が圧倒的に高いが、何も装備出来ないデメリットを抱えるのが特徴の怪魔族は本作では他の種族と同じように装備出来る。
  • ビッグボス「日ノ神」のバリア関連。(『月兎組』の覚醒日ノ神も同様)
    • 日ノ神はHPが一定以下になるとバリアを展開し、HP回復技を使ってくる。バリアを破壊するには事前に呼ばれたビーム銃を持った社員のビームを誘導して日ノ神のバリアに複数回命中させなければならない。
    • ところが本作では回復後もバリアを継続する上にエリート社員(サーベル二刀流)しか呼ばなくなる。この時点でビームを撃つ社員が味方に倒される等々で全滅となっていた場合、この状態に陥ると詰みとなる。
    • 社員のビームをいくら当ててもバリアが壊れなくなるバグもある。逆にバリアが展開時点で最初から赤くなっていて社員ビーム1発で壊れる事もある。
    • バトルアイテム「はつでんしんトラップ」をバリア展開直前のタイミングに合わせて使用し、痺れさせてキャンセルを狙うのが予防法だが、ワープで躱されることも多い。本作はバトルアイテム所持数が最大2個までしか持てず、ビッグボス戦での事故死対策として普段は用意する筈の身代わり系アイテムを持つ余裕を潰してしまっている。
    • 以上の問題は 最終更新のver2.3でも残っており 、これらの改善は翌年発売の『妖怪ウォッチ3 スシ/テンプラ/スキヤキ』に持ち越されることになった。具体的な改善内容は同項目の評価点を参照。


仕様面

  • 極玉関連システム
    • 極モードのボスを倒す段階に入ったプレイヤーにとって、超モードの報酬は鬼玉数も含めてほとんど魅力が無い。にもかかわらず、極ミッションを受けるためだけに超ミッションをこなさなければならないという面倒臭さがある。
      • 特に、上位の強い極ボスの極玉は、特定の超ボスを3種倒す必要がある。入手できる極玉は、1回につき1~3個。この締め上げは、過剰な時間稼ぎとして不評であった。しかも、一度でもミッションに失敗するとすべてリセットされてしまう。
    • 様々な超ボスをこなして玉を手に入れ、腕前も上げてから極ボスへ挑むのが、性善説に基づいた時想定される理想的な流れだったのかもしれない。しかし、練習もそこそこにいきなりオンの協力プレイに臨んで、極玉も攻略も人任せにする迷惑プレイヤーが続出した。最悪ミッションを失敗すれば、極玉と時間を浪費する事になる。
      また、それ故に極玉を出し渋り、他人の貼ったミッションに乗っかっては次々と部屋を渡り歩くマナー違反も散見された。
    • この“挑戦権”の存在は特にオンラインマルチプレイにおいて、使用妖怪の画一化、部屋ホストによる参加者の選別、自分一人ではボスを倒しきれないヒーラーのなり手不足、といった諸問題を誘発・加速させている。
  • オンラインマルチプレイにおけるコミュニケーション手段の不足
    • 限られた単語によるチャット以外に協力プレイ向けのコミュニケーションツールがなく、チャットの種類も少ない。異なる色同士のプレイヤーが協力しないと達成できない目的があるにもかかわらず、円滑なマルチ募集を行えないケースが多かった。
      • プレイヤー側はこれに対し、「妖怪のニックネームで文章を作る」「プロフィールの一言コメントで会話する」といった苦肉の策を駆使した。もちろん、手間がかかり融通も利かせにくい、極めて不便な手段である。
    • 報酬や確率を操作するために参加者の色を調整したいホストは、意に沿わぬ色のプレイヤーをその都度キックする事になる。ひどいようだが、そうするしかない。条件を明らかにした募集ができない、入る部屋を選ぶ際に条件の有無が判らない、という仕様上の不備があった。
    • 妖怪を交換する目的の部屋を作れない。
      • オンラインで妖怪を交換するには、合意した者同士でフレンドとなり、一度オンを抜けて改めてメダル交換用のモードをオンラインで立ち上げ直す必要がある。つまり、そこに居合わせた交換当事者以外の者は、待たされた挙句メンバーに抜けられるという一方的な迷惑を被る。
  • 蘇生とダッシュの両方にBボタンを使う事
    • 蘇生(B長押し)はその場に長く留まる動作、ダッシュ(B+スライドパッド)はその場から動こうとする動作。相反する性質のアクションが同じボタンに割り当てられており、気絶したプレイヤーに足を取られて動けなくなるという致命的な事故が起こりやすい。
    • このため、気絶される事の迷惑度は高く、蘇生すればいくらでもゲーム続行できるという易しさの良点を潰してしまっている。
  • 隠しボスとの戦闘条件
    • 本作の色限定隠しボスは、同色で協力しないと戦えない仕様となっている。ノーマルは2人、超は3人、極は4人必要で、別色が混ざってはいけない。オンラインマルチプレイのできる環境でない限り、このボスとの戦闘及び報酬素材からの装備作成はおよそ絶望的。
      • 更には隠しボスと戦うにはイベントをこなす必要があり、これが最短でもリアルで10日かかる。ワンランク上のモードを解禁するためには、一つ前のランクをクリアしてからまた同じイベントをこなさなければならない。そのため極モードの隠しボスを出すためには最短で30日もかかってしまう。
  • 半端なコマバトル演出
    • 開始時点で上から振ってきたコマが必ず勝つ。ドットアニメの出来は良いのだが、ネタが割れてしまえば時間的な無駄が多い。
  • アイテム整理に融通がきかない
    • 消耗品、装備、素材といったカテゴリごとにタブ分けをしてくれているが、自由な並べ替えはできない。
    • 魂は装備品と違って固有のグラフィックが無い。元となった妖怪の種族に応じた8色・B魂・一部の特殊魂といった汎用グラフィックが規則性もなく並べられており、検索性が悪い。
      • これらが原因で、装備の付け替えは非常に面倒。マルチプレイでは他人を待たせる事になってしまうので、複数の妖怪で使いまわすため、同じ装備をたくさん作るプレイヤーは多い。
  • 鬼玉関連
    • 本作の鬼玉は経験値、買い物、魂へんげ、進化等様々な用途で使用する為、消費が必然的に激しくなる。
    • ミッションクリア時に参加した妖怪にクリア時に経験値が入らないようになっており、レベルアップには鬼玉が必要でレベル上げの効率が非常に悪い。
      • 鬼玉の個数=経験値の為、レベルアップに必要な経験値は妖怪のランクの高さに比例して多くなり、高ランク妖怪をレベル99まで上げるには多大な労力を要する。
      • 更に本作はこれに追い打ちをかけるようにレベルアップに必要な経験値が初代から『3』までのRPG作品よりも極端に多く設定されている。レベル60程度までは大差ないが、それ以上のレベルでハッキリと差が付く。*4
      • 低ランク妖怪を進化させる場合、早めに進化させるとその分だけレベル99までの鬼玉を余計に浪費させられる。
    • 『2』や『3』では魂へんげを無料で実行出来たが、本作では元となる妖怪のランクに比例して鬼玉を消費させられる。この為金策には使えない。
  • 極端に低い友達確率
    • ミッション中にマップ赤く表示された敵を倒すと友達チャンスが発生する事があるが、その確率が他作品と比べても極端に低い。
    • スキル「モテモテ」を持つ妖怪をメンバーに加えた状態で出動させれば友達確率を上げられるのだが、 肝心の「モテモテ」を持つ妖怪の友達チャンス発生確率が他の妖怪よりも更に低く設定されており 、誇張抜きで下手すれば何百回、いや何千回挑戦しても全く友達にならない。
      • ストーリーやサブミッションで「モテモテ」を持つ妖怪が加入する等の救済措置も無い。
    • タチの悪いことに、『3』の発売当初でもこの仕様を引きずっているが、あちらはクエストによる救済措置が用意されている。妖怪の能力バランスも本作と『3』で似通っており、システムを使い回した可能性が高い。
  • なかなか作れない・揃わない高レア装備
    • 作る為には指定された素材の他に一定数の鬼玉を消費する為、本編よりも上がりにくい妖怪のレベル上げの妨げになっている。
    • 前述のレベル上げ極ボス攻略でも、せっかく倒したのに目当ての素材が全く出てこない事が多い。
    • 特定の高ランク妖怪の魂を要求する装備も存在し、バージョン限定や友達確率の件もあってほぼ作成不可能レベルの苦行と化している。
    • 装備は1体につき1つなので、単純計算でも同種類の装備を4体分揃えるには4倍かそれ以上の労力を要する。
      • 比較参考として、システムが類似する『スーパーカービィハンターズ*5は高レア装備の購入条件が非常に緩く、陳列条件の特定高難度ボス撃破は初回のみで良い、要求される特定の素材が入手しやすく他の装備購入に活かせる汎用性もある、当該装備を1つ入手したら味方NPCも共有可能。如何に本作のゲームバランスが破綻寸前レベルで狂っているのかが分かる。
  • 協力プレーの場合、フィールドミッション開始時の初期位置がバラバラ
    • 協力プレーで一部ボスバトルやパトロールを選択した際、フィールドにバラバラに散った状態で開始される。このため他プレイヤーとの合流までに時間を要することになる。
      • 操作する妖怪が十分に育ってなかったり回復手段が無い場合、ヒーラーと合流する前に敵の攻撃を受け死亡、という事も有り得る。
  • 極めて重大なバージョン格差
    • 赤猫団には、がらあきん坊などの優秀なアタッカーや、最強クラスの装備を作成するために必須になる激ドラゴンなどの強力なバージョン限定妖怪が存在するが、白犬隊にはそのような妖怪がほとんど存在しない。そのため、上述のような妖怪を手に入れるためには、別バージョンのフレンドと交換しなければならない。 ボッチキラー
      • また、赤猫団にはミッション開始直後からグレート化できたり、最初に倒した雑魚敵が必ずともだちチャンスになるといった強力な効果を持つオーラが多数存在するが、白犬隊には存在しない。
    • また、上述の問題に対する救済措置は ない
      • しかし、白犬隊が赤猫団に勝っている点もある。白犬限定装備の月影丸は赤猫団限定装備の月光一文字よりも強力な効果を持つ装備であるし、白犬限定妖怪のKANTETSUは本作最強クラスのレンジャーである。
  • ウィスパーの扱い
    • 『2』に続き、アニメ逆輸入の無能設定を踏襲。更に冒頭でブリー隊長の踏み台にされた。
    • ブリー隊長は本作を皮切りに以降のバスターズに於いても隊長ポジションの看板キャラクターとして定着したものの、この件が原因で不毛な経緯が含まれている。

大型アップデート「月兎組」

主な変更点

  • ストーリー
    • 3話分のストーリー追加。本作発売以降に劇場公開された映画と連動した内容を含む。
    • 一部の極玉入手条件に指定されていた超モードの色限定ボスがストーリーミッションに登場し、それまでマルチプレイを要した極玉入手の救済になっている。
  • ビッグボス
    • 新規のビッグボス7体を追加。
      • 既存ボスの亜種が4種と、ステージやギミックを完全新規とする「キャプテンサンダー」「ぬらりひょん」「ブシ王」の3種が登場。
      • バージョン限定の隠しボスは別色のものとは戦えないが、月兎組で亜種が登場。こちらは、赤白どちらの色でも参加できる。
    • 従来よりも短い間隔で繰り出してくる攻撃パターンが増え、難度は上がっている。
  • 真チャレンジ
    • フィールドマップ上でボスを倒したり逃げるボスを叩いたりして鬼玉を稼ぎノルマ越えを目指す「鬼玉集め」が3種、複数のビッグボスを同時討伐または連戦してクリアタイムを競う「タイムアタック」が5種*6用意されている。一度開放条件を満たせば、いつでもプレイ可能。
  • 操作キャラクター
    • 主な目玉は、2015年12月に上映開始した映画連動イベントの主要キャラ「エンマ大王」(映画入場特典の専用メダルに付属するQRコードが必要)。
    • この他に、月兎組ストーリーの牽引役となるUSAピョンの別版*7「B-USAピョン」、これまでビッグボスとして戦ってきた「レッドJ」「マイティドッグ」「カブキロイド」等、15種が追加。
  • アイテム
    • 新ビッグボスのドロップ素材から作れる装備品を追加。また、アップデート以前の一部装備品に新たな強化派生先が現れた。
      • 新規の装備品は、既存の装備品と比べて抜きんでた強さを誇るものではない。しかし、遅れて新規参入したプレイヤーがゲームを進めるにあたり、手っ取り早く実践投入できるだけの性能は持っている。
      • 新ビッグボスのB魂もそれぞれ独自の効果を持ち、一部妖怪の個性と合致して新しい運用方法を生んだ。
    • 月兎組の新キャラやUSAピョンに対し、メダル付属のQRコードによるキャンペーンを主体に専用装備が配信された。いずれも優秀であり、極モードのビッグボスを相手に必要最低限以上で戦える性能を持つ。
  • VIP連動
    • 赤/白のローカル通信でVIP連動を行うと、とある施設からVIPルームという場所に入れる。ここには、レア妖怪ばかり出現するパトロールや、貴重品を売るショップ、1日1回引けるVIPガシャといった特別サービスを受けられる。
    • 既存のレア妖怪が手に入りやすいだけでなく、月兎組の新妖怪の多くもここで手に入る。
  • 『鉄鬼軍』との連動
    • 2016年3月2日配信のVer.2.3から、アーケード版『妖怪ウォッチバスターズ 鉄鬼軍』との連動ができるようになった。月兎組では鉄鬼軍での「ブシ王」や鉄鬼軍版ビッグボスへの挑戦権が得られるチケットが得られ、鉄鬼軍でそれらを倒すと月兎組でアイテムが獲得できる仕組み。
    • 鉄鬼軍に送れるチケットは有効期限が設定されており、それを過ぎると使用できなくなる(戦えなくなる)点に注意を要する。
  • 仕様上の変更点
    • 「回避」という技の無敵時間が以前より延びて使いやすくなった。
      • ビッグボスが繰り出す攻撃の大半は、この技を上手く使えば無傷でやり過ごす事が可能。再使用までの待ち時間は短く、疾風ステップより使いやすい側面もある。
      • これにより、それまで注目されていなかったが実用レベルまで盛り返した妖怪、新しい立ち回りを会得して強化された妖怪が大勢いる。アタッカー以外にもこの技を持つ妖怪は多い。
    • オンラインマルチの部屋立てに際し、フレンド限定や色限定、バスターズランク制限といった条件設定が可能になった。また、部屋の目的として「エンジョイ」「素材集め」「本気募集」「極玉集め」などのコメント定型文が追加され、円滑なメンバー集めの一助となっている。
    • オンラインマルチで使用できるチャットワードが少し増えた。
  • その他の変更内容
    • 技使用等に付随するボイスの種類が増えた。人気はあるのにボイスが1種しかないキャラクターも多くいたところ、地味に嬉しい変更点。
    • 極玉の入手が若干緩和された。超ボスを3種回るものは1~3が2~4になるなど、条件達成1回当たりの入手数が+1個程度増加している。
    • ミッションをクリアした時、極玉を出した人にちょっとしたボーナス*8が追加。
    • ゲーム外アイテム「うたメダル」と連動した、うたレコードが追加。本作の出演妖怪がボーカルを務める短い曲をミッション開始時にかける事で、メンバー全員に対しパラメータ補強やHP回復といった効果が及ぶ。ちなみに、歌い手本人と同じ種類の妖怪は効果量がより大きい。

月兎組の不満点

問題点の多くに改善や負担軽減の見られる大型アップデートではあるが、不十分な点もある。

  • 妖術アタッカー不遇のバランスに関しては未着手。
    • むしろ、遠距離攻撃を得意とする物理アタッカーが強力な専用装備を引っ提げてきた現状は、妖術使いが完全に立場を食われてしまったとも言える。もっとも、妖怪によっては全く使えないという訳ではないが。
  • オンラインにおけるメダル交換問題への対応度が今一つ。
    • 部屋に設定する定型文に「ともだち増やそう」というものがあり、これで多少は交換目的をアピールできる。しかし、特定のミッションクリア報酬によってメダルをもらえる妖怪もおり、完全には区別できない。
    • メダル交換にかかるバグ対策の意味があるのか、手順の面倒臭さとはた迷惑さも相変わらず。しかし、色限定の妖怪や、それらの入手を条件とする強力なレジェンド妖怪といった誰もが欲しがるレア要素を持つ以上は、大きな不満点として残される。
  • 鉄鬼軍連動限定の報酬を集めるのが非常にシビア。
    • 月兎組アップデートにより「月光一文字(赤猫団限定)」「月影丸(白犬隊限定)」という強力な装備が追加された。共に作中最強クラスの攻撃力を誇るが、前者は使用者の攻撃力バフ効果、後者は相手の守備力デバフ効果とそれぞれ異なった性質を持つ。
    • 合成に必要な素材は「同色4人で」ボスを倒した際の報酬であり、6個集める必要がある。仕様上逆バージョン側の素材はゲームをプレーしているだけでは入手することができない。入手するためにはAC版バスターズの鉄鬼軍との連動が必須となる。
    • 前提として、①月兎組でボスミッションをこなすことによって挑戦券(権)を入手 ②鉄鬼軍側で挑戦券を消費しボスを倒して報酬を得る ③月兎組で報酬を受け取る という工程を踏む必要がある。無論近場に鉄鬼軍の筐体が無ければスタートラインに立つことすら叶わない。
      • 1クレジット100円でカード1枚&ゲームといういわゆるデータカードダス系の筐体だが、単独プレーではよほど手際がよくないと1クレ内でボスを倒すことができない(一応コンティニューは可能)。また、鉄鬼軍内でイベントバトルが発生しているときはそちらの討伐が優先になるため挑戦券を使用することができず、わざわざクレジットを消費してボスを倒すか他のプレイヤーが倒すのを待つ他ない。
      • 鉄鬼軍をプレーした分だけこの素材が手に入るかと言えば決してそのようなことはなく、受け取れる報酬の中には既存ボスの極玉や換金アイテムなどのハズレも多い。一応プレー回数のボーナスでも貰えるのだが、80回でようやく2個という渋りようである。残りの4個は完全に運任せとなる。
      • このような仕様上、本来のプレー対象である筈の小学生が入手するのは非常に困難であり、かといって財力に余裕のある大人がプレーするには周囲の視線が痛いという誰得感が否めない連動となっている。
  • フミちゃん降板の決定打。
    • 追加されたミッションの1つとして、アニメ版67話*9をベースにしたものが存在する。
      • しかし、実装タイミングがアニメ版セカンドシーズン移行*10後だった為に、このミッションが実質的にフミちゃんが主人公の座を降ろされた決定打と見做されている。

総評

一つのアクションゲームとしての出来栄え、キャラゲーとしての豪華さといった面を見ると、番外作品としてはかなりの高水準でまとめられている。バランス面は大味で粗削りではあるものの、「妖怪ウォッチ」のファンはもちろんのこと、ファンの親兄弟や友人を巻き込んで一緒に楽しめるだけのポテンシャルを持つ。
しかし、コミュニケーション手段が不自由である事、肝心な部分を善意とランダム運に頼る報酬の仕様、これらの難点を強調させる極玉システムの相乗効果により、協力プレイが楽しいゲームであるにもかかわらず他者に嫌気がさしたという声は多く聞かれる。
不安であれば顔も分からない相手とのオンラインプレイは避け、親しい友人間でのみ遊ぶようにしよう。報酬の譲り合いも忘れずに。

余談

  • 2017年12月16日に『妖怪ウォッチバスターズ2 秘宝伝説バンバラヤー ソード/マグナム』が発売された。
  • 2019年12月5日発売の『妖怪ウォッチ4++』には「ぷらぷらバスターズ」が実装されている。
    • 本作をプレイした人からは本作の正統続編とする声が多い一方、極モードにあった世紀末な難度が無くなった*11のを惜しむ声も。
    • 鬼玉の収出バランスや極モードボスの火力等々、本作の重大な問題点の多くが改善されているのでプレイする価値は十分ある。
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  • 妖怪ウォッチ

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最終更新:2023年10月08日 21:02

*1 赤猫団/白犬隊それぞれのバスターズチームの守り神とされており、反対色のそれと戦う流れになる。

*2 過去には『真・三國無双4』の難易度「修羅」攻略でも同じ事が起こっていた。

*3 妖怪ウォッチシリーズの主役妖怪であるジバニャンの使い勝手が悪かったらそれはそれで問題だが…

*4 Dランク妖怪同士の比較:レベル98から最大の99まで上げる時点で、RPG作品が約3万程度で済むのに対し、本作だと約6万もかかる

*5 余談だが、小説版はアニメ版を元にした展開が存在し、この点でも本作と似てしまっている。

*6 内1種は、ゲームイベントにおける本作の大会参加賞メダルで開放される。

*7 キャラクターの性能を変える「お着替え」という要素があり、元の版にもジバニャン・コマさんという妖怪に対する「B-ジバニャン」「B-コマさん」が存在した。

*8 「記章」という、ゲーム内アイテムと交換できる特別なリソースを100貰える。他では、ミッションクリア時に自分以外の同色プレイヤー1人あたり+10貰える程度のレート。

*9 2015年4月放送。当該回はフミちゃんがウォッチ使いとなる、ウィスパーの夢オチ。

*10 『赤猫/白犬』発売と同時期。

*11 その代わり本編ボスの難易度に「炎極」が追加されており、基本的に本作の極モードに匹敵する。