スペランカーII 勇者への挑戦

【すぺらんかーつー ゆうじゃへのちょうせん】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 アイレム
開発元 ナウプロダクション
発売日 1987年9月18日
ポイント あのスペランカーの続編はまさかの別物
アーケードの「スペランカーII 23の鍵」とは無関係
出来は悪くないがインパクト不足

概要

有名ファミコンソフト『スペランカー』の続編。
しかし、内容は前作とは全く別のゲームとなっている。

  • 主人公はライフ制になっており、けっこう頑丈。自分の身長以上の段差を飛び降りても一定ダメージを受けるに留まる。
    • 敵がたくさん出現し、プレイヤー側も普通の攻撃手段は無制限で繰り出せるという一般的なアクションゲームの文法に則っている。
    • アクションRPG風のつくりも、1987年当時のファミコンソフトのトレンドであったため、時代に合わせようと「挑戦」したのであろうと思われる。
  • それぞれ性能の異なる「探検家」「エスパー」「聖職者」の3人のうち誰かを主人公として選択し、ステージのゴールの鍵となるアイテム「水晶」を守っているボスを探して広いマップを探検していく内容になっている。
    • 制限時間の概念は撤廃された。

※アイレムが近い時期にアーケードで展開していた『スペランカーII 23の鍵』とは無関係の内容である。

評価点

  • グラフィックは当時の基準でみると平均より上を行っていた。
    • 前作は岩肌のマップチップの描き込みが美麗である代わり、背景は完全に真っ黒だった。前作のシンプルさから雰囲気的にかなり洗練されている。
    • 各キャラクターや背景は、目立つ所も目立たない所も見づらくならない範囲でよく描き込まれている。
      • 些細な例でいえば、探検家とエスパーの基本武器であるナイフのアイコンも、よく見ると細部が変えてあるなど。
  • 謎解きに近い要素や、想像力をかき立てるメッセージを閲覧できる機会の多さから、全体を通してのやりごたえはなかなか。
    • 色々な所に様々な理由で道半ばで散ったであろう先人達の「遺書」が遺されているが、これらはいずれもヒントの塊であり、ストーリーの断片である。
      • 遺書の中には、ラストバトルの衝撃的な内容の伏線となるものも混ざっている。一つ残らず閲覧すれば、ストーリーの全容が見えてくる仕掛けにもなっている。
    • 3キャラとも、中盤それぞれ別の場所で劇的なパワーアップを遂げるイベントが用意されているが、演出がシンプルながらもファンタジックで印象に残る。
    • また、ラスボス戦で大幅に有利になる強力な武器を入手するイベントが終盤に用意されており、展開を盛り上げる。
  • 3人の主人公は性能のベクトルが大幅に異なり、同じルートを通るにしろ必然的に3通りのプレイスタイルになる。
    • 1987年当時では「プレイヤーキャラクターの任意選択」という概念自体が珍しかった。事実、本作の広告ではその点が最大の宣伝材料となっている。
  • 些細なミスでのゲームオーバーは基本的には無く、アクションゲームが苦手な人でもマッピングなどをすれば延々詰まるようなことは無いと思われる。
    • 回復アイテムを複数持ち歩ける仕様および、「徳」システムの関係で谷底への転落に対しても救済措置が用意されている。
    • ある遺書を読むことで、コンティニューの方法が確認できる。普通に通るような道に配置してあるので、見落とす事はまず無いと思われる。

問題点

  • プレイヤーキャラ3人のうち探検家のメリットが弱く必然的に高難度になってしまう。
    • スペランカー(探検家)というタイトル通り、探検家が主人公らしい出で立ちかつデフォルトでカーソルが合っているにもかかわらずである。
      • エスパーは移動面で、聖職者は攻撃面で突出した性能の特技を持っている。しかし探検家は「最初に持っているアイテムが少々多い」くらいしか長所が無い。
  • 本作はノーヒントで普通にプレイすると数時間単位ではきかないほどの長丁場になる可能性があるが、パスワードが無い。
    • 全3ラウンドと取説に明記してあり、一見短そうに思えるが…。
  • 衝撃的な展開を伴うものの、ラスボスに華が無い。エンディングもマルチエンディングを謳っているものの代わり映えがしない。

賛否両論点

  • とにかく「前作と全く別物」であるという一点に尽きる。前作のようなゲーム内容を期待した人は間違いなく肩透かしをくらったことだろう。
    • 単体の作品としてみれば、当時の幾多のゲームの中でも水準の高い部類の作品に入る。
    • 攻略本なしでもきちんとクリアできるような完成度を持ったアクションRPGは当時そう多くはなかったという点はあるのだが。

総評

死にゲーと言われた前作の「完全な原作(PC版)通り」のストレートなシビアさから当時のトレンドに合わせ大幅に方向転換したが、それが裏目に出て前作ファンをガッカリさせる結果となった感が否めない。
当時の単体のゲームとして見れば完成度は高い部類に入るものの、全体的に小粒でインパクトが薄く、新規のファンを掴めてはいない。
有名タイトルのシリーズに名を連ねながらも知名度も低いままとなってしまい、幾多の凡作の一つとして埋もれてしまった。
スペランカーファンなら一度プレイしてみるのも悪くないと思われるが、現在はまだバーチャルコンソールなどの配信がなく、ファミコンなどの対応機種を持っていなければならない。

余談

  • 本作はまだバーチャルコンソールなどでは配信されてはいない。配信が望まれる。
    • PS3のスペランカーシリーズ移植作品集『スペランカーコレクション』にも収録されていない状況となっている。
  • とにかく「操作ミス=即残機喪失」というこれ以上無いほどシンプルかつシビアなルールの前作はライトユーザー間で「クソゲー」的な意味での知名度が極めて高いのだが、本作の知名度は非常に低い。知っている人も、プレイしたのではなくブログやニコニコ動画で知ったという人が多い。
    • アーケードの『スペランカーII 23の鍵』同様発売は日本のみなので、日本以外での知名度は輪をかけて低い。
  • 本作は、前作ファンや今作未経験者からイメージだけで理不尽にクソゲー扱いされている節がある。
    • スペランカーの特集でも取り上げられることが少なかったり、アイレムのホームページに掲載されている『スペランカー先生』でスペランカー先生が本作の夢を見てそれを「悪夢」と表現していたりと最早存在自体が公式に自虐ネタ扱いされている有様。
  • なお、『みんなでスペランカー』はライト層、およびスペランカーファンからは好評であり良作との声も多い。