バイオニックコマンドー マスターD復活計画
【ばいおにっくこまんどー ますたーでぃーふっかつけいかく】
ジャンル
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2Dスウィングアクション
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対応機種
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Xbox360(Xbox LIVE ARCADE) プレイステーション3(PlayStation Store)
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売元
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カプコン
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開発元
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カプコン GRIN
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発売日
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2008年8月13日
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価格
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【360】800マイクロソフトポイント 【PS3】1,200円
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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判定
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良作
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バイオニックコマンドーシリーズ
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概要
1988年にFCで発売された名作アクション『ヒットラーの復活 TOP SECRET』をリメイクした作品。
ゲーム性はそのままに、グラフィックや一部の挙動を現代の技術で作り直されている。
敵の名前やタイトルを海外版に合わせ、新規ボス・ミニゲームなどが追加されている。
原題は『Bionic Commando Rearmed』となっている。
翌年(2009年)には続編『バイオニックコマンドー』も発売された。
以下、単に『バイオニックコマンドー』と記述しているものは全て2009年版を指すものとする。
(GB版『バイオニックコマンドー』とは別作品なので注意)
オリジナルからの変更点
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基本的なストーリー、ステージ構成はオリジナルそのまま。しかし、様々な部分に手が入っている。
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主人公はジャンプできず、バイオニックアーム(ワイヤー)を引っ掛けてスウィングしたり、上の足場に登るなどして移動する点はそのまま。
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新たに敵やドラム缶をアームで掴んで投げ飛ばすことが出来るようになった。
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武器の種類が追加。自分が撃ったバズーカなどの爆風に当たるとダメージを受けるようになった。
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オリジナルはステージ開始前にしか装備を選べなかったが、今作ではステージ中でも自由に装備を変えられるようになった。
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敵の通信を傍受する際に簡単な3Dパズルを解くようになった。
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1つのボールと複数の箱が浮かんでおり、ボタンを押すとボールが画面奥に向かって落下する。スティックで回転させることが出来、これを利用してボールを落とす方向を決める。
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赤い箱は障害物、青い箱はボールが触れると他の青箱にワープ、緑の箱に触れるとクリアとなる。箱に触れずに落下するとミスとなる。
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特定の場所でよりスウィングアクションを楽しめるチャレンジルームを遊べるようになった。
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一度見つけたチャレンジはメニュー画面からいつでもプレイ可能になる。
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協力・対戦プレイが追加され、最大4人で遊べるようになった。
評価点
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3D化されたグラフィックはオリジナルの雰囲気を残しつつリアルになっており好評。
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グラフィック自体は3Dだが、挙動はオリジナルほぼそのままで面白さは損なわれていない。オリジナル同様に、スウィングをはじめると立っていた足場を貫通するところも同じ。
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敵が吹っ飛んだ際には物理演算が働き、派手に吹っ飛ぶようになった。他の演出もド派手で爽快感がある。
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スタッフが当時の関係者から意見を聴いて開発したとの事で、面白さはそのままにシステム面が改良されて快適にプレイ出来るようになった。
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一部(と言っても実質半分以上)のボス戦が新ボスに入れ替わっており、新鮮味がある。
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新ボスはこちらを画面中央に固定して移動できなくしたり、素早く足場に上って弱点を破壊していくといった、オリジナルにはなかったタイプになっており、アームを駆使して攻略していく必要がある。
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オリジナルではボスを倒さずとも、奥にあるコアを破壊すればクリアだったのでボスの存在感が薄かったが、本作ではボスと強制戦闘するようになったので大幅に存在感が増している。
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ストーリー部分の会話も追加されており、よりB級映画っぽくなっている。
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追加されたボスたちもノリの良い会話と森気楼氏デザインの濃いキャラクターグラフィックで印象的。
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味方との会話などはオリジナルのテキストの雰囲気を残している。
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チャレンジルームは全部で50ステージ以上用意されており、ボリューム満点。
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後半は非常に高難易度のステージが用意されており、熟練プレイヤーでも一筋縄ではいかない。完全攻略は至難の業である。
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クリアタイムを競うことも出来るため、熱中するプレイヤーも多かった。
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逆に本編の方は若干難易度が下がっており、オリジナルより遊びやすく調整されている。
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敵の攻撃が激しくなるハードモード、スーパーハードモードも用意されているので、全体的なバランスは良好と言えよう。
賛否両論点
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音楽面はあまりアレンジされておらず、FC版の面影が濃い。
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ストーリーの改変によりラッドとスーパージョーの関係性が変化。更にそれに伴って続編『バイオニックコマンドー』では重大な事態が発生している。
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ネタバレ注意
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旧作では「伝説の英雄スーパージョーを助けるため、若き戦士ラッドが敵地へ潜入。二人で困難を乗り越えて戦ううちに戦友としての友情が芽生え、最後はジョーがラッドに命を救われる。任務を終えて生還を果たしたジョーは、新たな英雄ラッド・スペンサーの誕生を祝福する」という内容であり、全編が若い友に未来を託さんとするジョーの回想であったことがEDで明かされる。
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一方本作ではスーパージョーはバイオニックコマンドー隊の指揮官であり、ラッドとの関係は上官と部下という間柄になってしまっている。二人の間に友情こそあれども、旧作とはだいぶ趣が変わってしまっている。
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また旧作ラストは「"私に構わず脱出しろ" という命令を無視して爆発炎上する基地に取り残されたジョーを助けに向かったラッドが、人間の腕でジョーを掴み、バイオニックアームでヘリにつかまって間一髪で敵地を脱出する」というシーンで、二人を結ぶ固い絆が感じられる名場面である。しかし本作では「敵基地を破壊後、脱出地点で待っているジョーと合流し、ごく普通に二人でヘリにつかまって脱出する」というだけになってしまった。
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この場面はGB版でも改変されているが、こちらは「アルバトロス計画を阻止したジョーとラッドが、上官の制止を振り切って救助に駆けつけた仲間のヘリに、バイオニックアームで捕まって間一髪脱出する」というもので、やはり味方部隊の固い絆を演出した名場面であり、それに比べると本作のEDはテーマを汲み取れていない。
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もっとも、この時点で続編『バイオニックコマンドー』を意識していたのなら、やむを得ない改変ではある。またあくまで旧作や過去のリメイクと比べると見劣りするというだけで、本作のEDそれ自体の出来が悪いわけではない。
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『バイオニックコマンドー』ネタバレ注意
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そして『バイオニックコマンドー』では、あろうことか
本作の時点でスーパージョーがラッド・スペンサーを裏切っていた
という衝撃の展開が待ち受けている。特に深い理由も止むに止まれぬ事情もなく、裏切られたラッドも葛藤することなく殺害を決意し、さらにプレイヤーにとってもジョーはラスボスに相当するため、『戦場の狼』のファンや『ヒットラーの復活』ファンにとっては辛いものがある。
PVで歌われていた「二人を結ぶ固い絆」とはなんだったのか。
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ただこれについては本作からシリーズに参入したユーザーにとっては特に問題はなく、ストーリー自体も続編を匂わせる形で終わっているため破綻はしていない。しいて難点があるとすればスーパージョーがラッドを裏切る原因となった事件の詳細が、海外限定のコミックスでしか語られていないという点か。
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問題点
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マップ画面でトラックに触れた際の『戦場の狼』風のステージもそのまま収録されているが、あまり変わり映えせず正直微妙。
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他の部分に比べてあまり手が加わっていないのも原因と思われる。
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また、マップ画面が斜め見下ろし視点になったため、現在どこにいるか分かりづらくなったという意見も。
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前述のように新ボスは既存のボスと入れ替えられているため、バリエーションの面ではあまり変わらない。
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後半になるとボスたちが強化されて再登場するが、攻略法は変わらないため新鮮味が薄れる。
総評
オリジナルを尊重しつつ、グラフィックのリニューアルや新要素の追加でさらに遊びがいのあるゲームになった良リメイク。
『まいにちいっしょ』で「製作者のオリジナルへの愛を感じる」と評されたが、まさにその通りの内容と言えよう。
オリジナル版プレイヤーも新規プレイヤーも楽しめるタイトルである。
ただストーリーは、続編『バイオニックコマンドー』を前提とした改変が行われている。
それに伴って演出も大きく変更されているため、純粋なリメイクとはいえない点が残念である。
余談
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360版は当時XBLA関連のキャンペーン「Summer of Arcade」の第3弾とされていたが、
カプコンということで日本で本当に配信されるのか不安視されていた。
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結局配信自体はされているが、日本やドイツなどは他地域とは別扱い(実績も別枠)となっている。
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Win版もSteam等でDL配信されているが、日本を含む東アジア地域では購入不可の「おま国」である。
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続編『バイオニックコマンドー』には、本作を所有していると主人公のグラフィックを変更できる特典が用意された。
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ちなみに本作のラッド・スペンサーは旧作のデザインをもとにリメイクされたものだが、『バイオニックコマンドー』では大きくデザインが変更されており、人種さえ異なっているように見える。
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翌年に発売された続編に合わせてPVが製作されたが、そのPVで流れるイメージソングを歌っているのがなぜかアニキこと水木一郎氏。熱い歌声と叫びを披露してくれている。
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この曲のCDはガガガSPが歌う『DEAD RISING ゾンビのいけにえ』のイメージソングとカップリングされ、カプコン公式通販で販売された。
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そのPV
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余談だが、50秒前後のスーパージョーとの会話シーンにおいてメッセージ送りのボタンが360版のPVにおいても○(PS3版と同様)となっている。
Aに置き換えておけよ
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本作のデベロッパーであるGRINは、『GHOST RECON:Advanced Warfighter』のPC版の開発や2008年公開の映画「WANTED」をベースにしたTPS『WANTED:Weapons Of Fate』などを手がけていたが、惜しくも2009年の『Terminator Salvation』(360/PS3/Win)の発売後に倒産している。
最終更新:2022年03月03日 21:40