ライジング ザン ザ・サムライガンマン

【らいじんぐざん ざ・さむらいがんまん】 

ジャンル 3Dアクション
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 1枚
発売元・開発元 ウエップシステム
発売日 1999年3月25日
定価 5,800円(税抜)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
(※ゲームアーカイブスで付与)
配信 ゲームアーカイブス
2011年12月21日/600円
判定 バカゲー
ポイント 「やっちゃった」感丸出しのおバカな世界観
アクションゲームとしても十分楽しめる

ストーリー

大開拓時代のアメリカ。ヒーローを夢見る青年ジョニーはとある田舎町で保安官見習いをしていた。
「最近行方不明者が頻発している渓谷がある」という噂を聞いたジョニーはその渓谷へとたどり着いたが、見たこともない出で立ちの一団に襲われ、瀕死の重傷を負ってしまう。
マスターニンジャ・スズキに助けられたジョニーは、彼からその一団がアメリカの侵略を企てている暗殺集団『邪火龍(ジャッカル)』であることを聞き、さらに奴らに打ち勝つための稽古をつけてほしいと懇願。
スズキは彼の懇願を受け入れてともにジパングへと渡り、ジョニーをいっぱしの漢に鍛え上げた。
力と自信を付けたジョニーは自らの名前を「スーパーウルトラセクシィヒーロー『斬』」と改め、邪火龍を倒すべく生まれ故郷の西部へと戻っていった…。


システム

ライフ制のアクションゲーム。ライフゲージが0になるとその場でゲームオーバー。難易度は数段階から選択可能。

  • 刀と銃を使ったアクションで敵をなぎ倒す。
    刀攻撃はチェーンコンボで連続攻撃が行える他、コマンド入力で繰り出せる必殺技も存在し、組み合わせることも可能。ただし必殺技は「スピリッツゲージ」を消費する。スピリッツゲージは時間経過で回復する。
    銃攻撃は通常弾に関しては弾数制限が存在せず撃ち放題。ただし威力は低めで速射性にも欠ける。なお、「スピリッツゲージの続く限り早撃ちを行う」必殺技もある。高威力の特殊砲弾は残弾制。
    • 他にも2段ジャンプ、回り込み、攻撃弾きといったテクニカルな技も存在。そしてそれをいかにうまく使うかが攻略の上でも魅せプレイにおいても重要となる。
  • ヒーローメーターとハッスルタイム
    • 敵を倒す、パンツマン(敵に捕らえられている住民)を救助する、後述の「漢イベント」を成功させることで「ヒーローメーター」が上昇。一定以上貯めた状態で△ボタンを押すと「ハッスルタイム」に突入することができる。
      ハッスルタイムは時間制だが、大幅なスピードアップ、刀のリーチが伸びる、スピリッツゲージの消耗が無くなる(=必殺技使い放題)と大きくパワーアップする。
  • 漢(おとこ)イベント
    • 1ステージに最大1回挿入されるQTEで、降りかかってきたピンチ(巨大爆弾が振りかかる等)をボタン連打で切り抜ける。方向キーやLRボタンも含めて、合計12のボタンを連打しなければならない。
      成功すればヒーローメーターが増加するが、押し負けたり時間切れになったりすると失敗となりダメージを受けてしまう。
    • プレイヤーの漢度が試されるシステムといえる。なお、説明書にはクレーム対策?として「かなり疲れますが、これは漢(おとこ)のゲームです。ぜひがんばってください。」と表記してある。
  • トドメ・ファイナル
    • ボスを倒すと「トドメ・ファイナル」と呼ばれるトドメのシーンが入る。漢イベントと同じ要領で全てのボタンを連打することで入力時間が増加し、稼いだ時間内でどれだけの技を叩き込めたかによってシメの技が変化。相手を一刀両断にする「GASSHO(合掌)」、細切れにする「DAISETSUDAN(大切断)」など数パターン用意された技でボスが華々しく散って行く。
    • トドメ・ファイナルの結果に応じて「TODOME」ポイントが加算され、ステージクリア時の評価に影響が出る。
    • 同じ技ばかりを決めていくと加算されるポイントが減っていくので、高得点を狙うなら複数の技を使い分ける必要はある。とはいえ難しく考えすぎる必要はない。
  • 目指せ!スーパーウルトラセクシィヒーロー!
    • ボスを倒せばステージクリア。ステージをクリアすると、プレイ内容に応じた「ヒーローとしての評価」が下される。
      項目は「TIME(クリアまでの所有時間。短いほどセクシィ)」、「LIFE(終了時のライフ。高いほどセクシィ。ノーダメージだとさらにセクシィ)」、「『KATANA』&『GUN』(刀・銃を使った割合。両者をバランスよく使うとセクシィ)」、「SEXY(敵の攻撃を弾き返す、ダメージを受けずノーガードで連続攻撃をする等するとセクシィ)」、「TODOME(トドメ・ファイナルで得たポイント。高いほどセクシィ)」の6項目を総合、最低の「CHICKEN(チキン野郎!)」から最高の「SUPER ULTRA SEXY HERO(スーパーウルトラセクシィヒーロー!)」まで5段階評価される。
      • 難易度NORMAL以上でステージクリアすると、評価に応じたヒーローバッジを取得できる。これを一定数以上集めることでプレイ可能キャラが追加される。
    • ちなみに本作においては「セクシー」表記ではなく「セクシィ」が正しい。地味に重要。

評価点

  • クレイジーな世界観
    • 何と言ってもこの一言に尽きる。西部開拓時代のアメリカに忍者や相撲取り、芸者と言ったイロモノキャラが侵略すると言う世界観は「クレイジー」としか表現のしようがない。正に「外国人が持つ間違った日本像」を突き詰めたと言うべきもので、メーカーが帯に「やっちゃった」と書くほど。
    • 敵も味方も「ヘリコプターのように日本刀を振り回してジャンプの飛距離を伸ばす」「四股踏みで上から無数のタライを落とす」「人間大砲」「敵の火炎放射を日本刀を振り回して回避」といった漫画チックなアクションにあふれており、インパクトは絶大。
    • 突出しておかしいのは敵キャラが話す怪しい日本語である。字幕では「お前のような ピー(放送禁止用語) をわしの道場に入れる訳にはいかないでドスコイ!」と書いてあるのだが、音声は「ドスコイドスコイ ピー ドスコイ!!」しか言ってない。にもかかわらず、「ピー」の部分にはしっかり規制音が入っている。どういうことなの…?ちなみにほぼ全員こんなノリであり、バリエーションも非常に豊富。
    • 回復アイテムもお約束の寿司や天ぷら。しかも食べると「ごっつぁん!」とセクシィなボイスが入る。なお、和食が選ばれた理由は「斬の好物だから」。
    • 「スーパーウルトラセクシィヒーロー」を自称する時点で想像が付くだろうが、主人公・斬も凄まじく濃い男である。漢イベントやトドメ・ファイナルで見せる超人的な漢ぶりは勿論、本編中でも馬を飛び下りて自分の足で列車に追いつくなど、とにかくスーパーウルトラセクシィな活躍を見せてくれる。
  • 意外と?しっかり作られているアクション部分
    • バカゲー要素ばかりをクローズアップしてきたが、後述する一部の問題こそあるもののアクションゲームとしてもそこそこまとまっている。
    • 「刀と銃を併用し、敵をなぎ倒していくアクションゲーム」「どれだけカッコよく立ち回れたかが評価対象」「武装が強化・攻撃が高速化するゲージ式ハイパーモード」「1発でも攻撃を受けたら即ゲームオーバーの最高難易度が存在」等後作に取り入れられた要素は多く、『デビルメイクライ』等に絶大な影響を与えた…という事に(一部では)なっている。
    • ステージ数は全9面(トレーニングを含めると10面)と多い方ではないが、各ステージは比較的長めでボリュームは十分。一度クリアしたステージは以降そこだけ選んでプレイできる。
      内容も先述の漢イベント等のミニゲームやトラップ、敵キャラが随所に散りばめられており、バラエティ豊かで飽きにくい。
    • ヒーローバッジを集めることで、スズキの孫娘「初音」が解禁される。性能的には斬のマイナーチェンジ版(一部の技が使えない)といったところだが、トドメ・ファイナルやエンディング等が変更されており、おまけとしては十分。
  • 熱い主題歌『サムライガンマン 斬 ザ・ザーン』
    • 主題歌はなんとあの影山ヒロノブが歌っている。無駄に豪華で、無駄に熱い。シングルCDまで作られてしまった。
    • トドメファイナルの際にはこの主題歌の一節が流れる中でボスを滅多切りにする。ここまで爽快感溢れる勝利演出も珍しい。
    • その主題歌はこちら。マイナーゲームメーカーのタイトル主題歌ではあるが影山氏のライブでも披露されている。また、シングルとアルバム(サントラ)でバージョンが違ったりと妙にこだわっている。
+ オープニング映像


問題点

  • アクション部分
    • 壁との当たり判定が今一つ曖昧。
    • 視点変更にやや難あり。フリーカメラではなく「L1ボタンを長く押すと斬の正面にカメラ移動、短く押すと敵をロックオン」となっている。また、敵をロックオンすると「左右移動がロックオンした敵を中心とした円移動になる」ので、単独の敵相手には使いやすい一方集団戦ではやや使いづらい。
    • 戦闘においても「刀の必殺技の動作中は完全無敵」である点の比重がかなり大きい。だからといってヌルゲーというわけでもないが。
    • ある程度以上の強さの敵はガードを多用するため、やや爽快感に欠ける感がある。対策としてガード不能の技も存在するが、5段コンボの最後のモーションなので繰り出すのに時間がかかる。
    • 敵アルゴリズムがやや単調。タイマン時の闘いに緊張感がない場面も。
  • ストーリーが投げっぱなし
    • 説明書に邪火龍帝の説明があるが本編には未登場。米国西部方面に絞ったストーリーと割り切ってしまうしかない。

総評

アクションゲームとしては佳作レベルではあるが、何より「やっちゃった」感あふれるぶっ飛んだ世界観が素晴らしい。機会があれば是非堪能していただきたい。


余談

  • 海外版は内容が若干異なる。主題歌は斬の声優であるGreg Weber氏が歌う別の曲になり、敵を倒すと派手に血飛沫を散らすといったグロ演出が加わった。
  • 漫画家の和月伸宏氏が出世作『るろうに剣心』終盤の執筆中に本作に思いっきりハマり、ケースと説明書を残してソフトを紛失した事を明かしている。氏からの評価も「愛おしいほどにバカ(褒め言葉)」であった。
    • さらに『るろうに剣心』の連載終了後に発表した漫画が西部劇『GUN BLAZE WEST』だった。本作の影響が大きく出たのは間違いない。
  • かつてはそこそこのプレミア価格が付いていたが、2011年12月21日にゲームアーカイブスにて配信開始され、入手難度は大幅に改善された。

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最終更新:2021年07月13日 21:14