恋するプリン! ~恋は大冒険! Dr.カンミの野望!?~

【こいするぷりん こいはだいぼうけん どくたーかんみのやぼう】

ジャンル どきどき きゅ~とアクション
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 256MbitDSカード
発売元 トライファースト
開発元 タムソフト
発売日 2008年11月6日
価格 5,040円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 同名少女漫画のゲーム化
丁寧な作りのパズル風アクションゲーム
ボリューム不足なのが難点


概要

2006年4月号から2008年4月号までの間少女漫画月刊誌『ちゃお』に連載されていたラブコメ漫画『恋するプリン!』のゲーム化作品。ジャンルとしては横スクロールアクションゲームに該当する。
原作単独としては唯一のゲーム化作品となるが、同じDSソフトの『ちゃおドリームタッチ! ハッピーあにばーさりー』で他の"ちゃお"キャラクターと共演した過去がある。
一般的な漫画原作のキャラゲーは"連載中にゲーム化される"のが通例だが、本作は連載終了後にゲーム化された稀な存在であった。さらに、そのゲーム化が発表されたのは原作の終了と同じ『ちゃお』2008年4月号となっている。
原作キャラの多くが出演したオリジナルストーリーでゲームが進められる。なお、ストーリーは原作者である篠塚ひろむ先生が監修を務めている。
オートセーブ方式。ゲーム中の操作は十字ボタンとボタンがメインとなる。


ストーリー・登場キャラ

いつものように裕也をめぐって争う"りな"とプリン。
言い争ってる2人の前に突然、「Dr.カンミ」と名乗るナゾの人物が現れます。"りな"を見かけて一目惚れしたカンミは、唐突に結婚を申し込みに来たのです。
もちろん、"りな"は"裕也"一筋。あっさりと"これ"を拒否しますが、その事にキレたカンミは裕也をさらって行ってしまいました。
カンミを追いかけ、妖怪ヒコーキでカンミアイランド上空にたどり着いた"りな"達ですが、妖怪専用だったヒコーキに人間の"りな"が乗っていた為、不時着してしまいます。
気が付くと、"りな"とプリンだけを残し、みんな散り散りになっていました。

こうして、カンミアイランドでの大冒険が始まったのです…。

  • 主要登場キャラの紹介。
    • 内田 りな
      • 本作の主人公で、中学二年生の人間の女の子。裕也とは恋人関係にある。
      • 不時着したカンミアイランドを舞台に、残されたプリンと共に"はぐれた妖怪達との合流"と"裕也の救出"を目指して活躍する。
  • バケツプリンちゃん *1
    • プリンの姿をした妖怪の女の子。裕也に恋愛感情を抱いており、裕也の恋人である"りな"としょちゅう喧嘩をしている。
    • ゲーム開始時では"りな"と共に行動する唯一の仲間として活躍する。
  • キャンディーちゃんソーダアイスちゃんコーヒーゼリーくんソフトクリームちゃん
    • プリンの友達の妖怪達。「ちゃん」付けなのが女の子・コーヒーゼリーくんは男の子。
    • ゲーム開始時では遭難しており、その存在は行方不明となっている。ゲームを進めていくと、いつかは合流できる…はず。
  • 吉川 裕也
    • 中学二年生の人間の男の子で、"りな"の恋人。彼は双子の兄であり、弟の"吉川 直也"もチョイ役で登場する。
    • "りな"達と一緒にいる所に、カンミによってさらわれてしまう。
  • Dr.カンミ
    • いきなり"りな"に求婚をした挙句、裕也をどこか遠くへとさらっていった困った人。多分人間。
    • 本作唯一のオリジナルキャラであり、篠塚ひろむ先生自身がキャラクターデザインを担当している。

その他、各キャラの詳しい情報はWikipedeiaを参照にされたし。


主なルール

  • ゲームの流れ。
    • 基本的には"一般的な横スクロールアクションと同じノリ"でのプレイとなる。
      • 各ステージ共に制限時間は設けられておらず、タイムアタック目的でもない限りは急ぐ必要はない。
      • "りな"達(以下:自機)の進め方によっては、スクロールが上下左右へと進行する。スクロールの後戻りは原則として可能だが、とある仕掛けを作動してしまうと後戻りができない場面も少なくない。
    • 本作はステージセレクト方式を採用している。全30ステージ構成(5ワールド × 6ステージ)。
      • 各ワールドにおけるステージ1~5は「通常ステージ」。道中戦を潜り抜け、ステージ奥に配置されているゴールポイントにコンビモード時の自機が触れればクリアとなる。
        ワールド5のステージ5はボスラッシュを兼ねた通常ステージとなっており、道中戦とボス戦を交互に挑まなければならない。
      • 各ワールドにおけるステージ6は「ボス戦ステージ」。すぐさまに出現するボス敵を倒せばクリアとなる。道中戦は例外なく発生しない。
    • 通常ステージでは必ず、複数の「メダル」が至る場所に配置されている。
      • 各ステージにおけるメダル総数は「銅メダルが10枚」「銀メダルが3枚」「金メダルが1枚」ずつあり、チャンスがあれば取得しておく事が好ましい。
      • メダルはステージクリア条件とは無関係なので、単にクリアしたいだけならば無視しても問題はない。しかし、メダルコンプをしないと、下記のドレスアップが集まらない恐れが出る。
    • ステージクリア後はステージセレクト画面の該当ステージに、「クリアまでの最短時間」「取得したメダル総数(通常ステージのみ)」が記録される。
  • 操作系統。
    • 自機の各操作は以下の通り。
      • 十字ボタン左右で左右移動。Yボタンを押しながら移動するとダッシュが可能(コンビモード・一部妖怪モード限定)。
      • 十字ボタン下で"しゃがみ動作"(コンビモード限定)。
      • "はしご"に触れた状態で十字ボタン上下で"昇り降り動作"(コンビモード限定)。
      • 水中にいる状態において、十字ボタン左右・及びBボタン連打で"水中内を泳ぐ動作"(妖怪モード限定)。
      • Bボタンで"ジャンプ動作"。ボタンの押す長さによって若干のジャンプ力が変わり、移動制御も可能。
      • Xボタンで「コンビモード ⇔ 妖怪モード」の切り替え。
      • AかYボタンで"妖怪能力"の使用。但し、モードと連れている仲間によって使用できない場合あり。
      • 下画面をタッチすると、"妖怪仲間の選択"が行える。
  • モードチェンジ・仲間の性能について。
    • 本作の自機は「コンビモード」と「妖怪モード」という2つモードを、状況に応じたチェンジの使い分けで操作しなければならない。
      • ゲーム開始時におけるお供の妖怪は"プリンちゃん"のみだが、ステージを進めていくと他の妖怪も仲間にする事ができる。仲間にできる妖怪は(表面上では)5キャラいる。
      • お供の妖怪が複数いる場合は、ステージ中に誰か一人を任意で選択しなければならない。自機が地面にいる状態であれば、回数制限なしで何度でも選択が可能。
  • コンビモードは「"りな"とお供の妖怪が一緒に行動する」モード。
    • このモードでは「自機は"りな"となり、妖怪側は"りな"の後ろへと付いていく」形となる。敵ダメージなどは"りな"側に及ぶが、妖怪側は影響を受けない。
    • 「"りな"は妖怪よりも体(やられ判定)が大きい上に、踏みつけ以外の攻撃ができない(仲間によっては例外あり)」というデメリットを持ち、あまり機敏性に優れた性能とはいえない。
    • しかし、「コンビモードでないと一部仕掛けが通過できない」という特性があり、コンビモード抜きで攻略する事は許されない。
  • 妖怪モードは「お供の妖怪が単独で行動する」モード。
    • このモードでは「自機が"選択している妖怪"」となる。妖怪モード中における"りな"はその場で眠ってしまうが、この状態での"りな"にダメージが及ぶ心配はない。
    • 「妖怪は"りな"よりも体が小さく、何かの専用動作・及び攻撃を持つ」「ダメージを受けても、ほとんどの場合はライフが減らない」というメリットを持つ。
    • しかし、「妖怪モード中は"妖力ゲージ"が徐々に減少し、ゲージが尽きると強制的にコンビモードへと戻ってしまう」という制限がある為、永久に妖怪モードを維持する事はできない。
    • 妖怪モードからコンビモードへと変わると、以前"りな"が眠っていた場所へと戻される。よって、いくら妖怪モードで先に進んでも、ベルに遭遇しない限りは足止めになってしまう。
    • 妖力ゲージは5キャラ分個別で設定されている。妖怪モード中に他の妖怪へ切り替えが行える為、「ゲージが尽きそうなキャラを切り替え、他キャラ使用でモードを持続」という行動も可能。
  • コンビモード・及び妖怪モードの性能は以下の通り(知りたい方はリージョンをクリック)。
+ モード別の性能一覧
  • コンビモード ("りな"の操作)
    • 直接的な攻撃手段を持たない。"りな"単体では「敵をジャンプで踏みつける」のが唯一の攻撃手段となる。
    • しゃがみ・ダッシュ・"はしご"の昇り降り・動かせる台座の前押しができる。
    • コンビモード時でないと"妖怪トンネル利用"や"ゴールポイント到達"ができない。
    • コンビモード中に連れている妖怪によって、以下の特殊行動が行える。
      • 「プリンちゃん」…Bボタン押しで"りな"がプリンちゃんを踏みつけて大ジャンプする。
      • 「キャンディーちゃん」…Aボタン押しで前方に"キャンディー爆弾"を投げて攻撃する。爆弾は塞がれた破壊可能ブロックを壊せる効果がある。
      • 「ソーダアイスちゃん」…Bボタン押しで"りな"が溶けたソーダアイスに乗って"スライダー移動"する。
      • 「コーヒーゼリーくん」…Aボタン押しで前方に3方向の"コーヒー豆"を投げて攻撃する。
      • 「ソフトクリームちゃん」…Aボタン押しで"傘"を出し、上空の一部敵攻撃を無効化できる。十字ボタン下とAボタン押しで"ホッピングジャンプ"をする。
  • 妖怪モード (プリンちゃんの操作)
    • ダッシュ・二段ジャンプ・水中内での泳ぎ移動が可能。
    • Aボタンで接近攻撃である"プリンキック"を出す。
    • 壁に向かって十字ボタンを押しながらBボタン押しで"壁ジャンプ"をする。両端の壁を利用して、壁ジャンプによる"擬似的な三角飛び"も行える。
  • 妖怪モード (キャンディーちゃんの操作)
    • 水中内での泳ぎ移動が可能。
    • Aボタンを1回押すとキャンディ爆弾を持ち、もう1回Aボタン押しで"それ"を前方に投げつける。コンビモード時と同様、破壊ブロックを壊す効果あり。
    • 放置されているキャンディーブロックをYボタン押しで持ち上げられる。再度Yボタンを押せば"それ"を前方に投げる。
  • 妖怪モード (ソーダアイスちゃんの操作)
    • 水中内の泳ぎ移動が可能。
    • Aボタン押しで自身が"溶ける"。溶けた状態では他のモードやキャラでは通れない狭道を通過できる上に、一部の壁を這える。Aボタン再度押しで元の体系に戻る。
  • 妖怪モード (コーヒーゼリーくんの操作)
    • 水中内の泳ぎ移動が可能。
    • Aボタン押しで1方向のコーヒー豆攻撃。十字ボタンとの組み合わせによって上左右斜め方向への攻撃が行える。
  • 妖怪モード (ソフトクリームちゃんの操作)
    • 水中内の泳ぎ移動が可能。
    • Aボタン押しで接近攻撃である"棒"攻撃。十字ボタンとの組み合わせによって上左右斜め方向への攻撃が行える。
    • 空中に配置されているソフトブロックに近づいて"棒"を出すと、ラバーリングアクションの要領で"それ"にぶら下がれる。ぶら下がり後にジャンプや再度ぶら下がりをする事も可能。
  • アイテム・敵・仕掛けについて。
    • 各ステージ内には以下のアイテムが出現する。
      • 「金メダル」「銀メダル」「銅メダル」…各通常ステージに金・銀・銅が計14枚配置されている。詳細は上記参照の事。
      • 「スイーツ」…コンビモード時限定で取得可能のアイテムで、ライフ回復が一定数回復する効果。ライフ最大状態で取得し続けるといい事が起きる…?!
      • 「妖怪ドリンク」…妖怪モード時における妖力ゲージを全回復する効果。任意使用型アイテムであり、取得後は下画面内の操作で使用できる(使用回数は1回のみ)。
    • 同じく各ステージ内には以下の敵や仕掛けが出現し、攻略していく上で上手く利用しなければならない。
      • 「雑魚敵」…通常ステージに"わんさか"出現する敵達。Dr.カンミが製作したスイーツ型量産妖怪であり、作中においては「デビルスイーツ」という物騒なネーミングで呼ばれている。
      • 「ボス敵」…各ワールドにおける戦闘ステージのボスを務める強敵。こいつを撃破すればステージ・及びワールドクリアとなる。
      • 「ヒントブロック」…ブロック下からジャンプすると、ゲームに関するヒントが聞ける。
      • 「キャンディーブロック」…妖怪モードのキャンディーちゃん操作時限定で、ブロックの持ち上げや投げつけが行える。ブロックを重ねて足場に利用できる。
      • 「ソフトクリームブロック」…妖怪モードのソフトクリームちゃん操作時限定で、ブロックに"棒"を出してぶら下がれる。
      • 「破壊可能ブロック」…コンビモード時・妖怪モード時を問わず、キャンディーちゃんのキャンディー爆弾を当てると破壊できるブロック。
      • 「はしご」…コンビモード時限定で上下に昇り降りができる"はしご"。昇り降り中にジャンプして"はしご"から離れる事も可能。
      • 「移動する台座」…規則的に動いている台座。「浮遊する台座」「船の台座」「高速移動する台座」といったバリエーションもある。
      • 「トロッコ」…台座の一種。トロッコに乗ると行き止まるまで自動的に前方へと動き続ける。動いている最中にジャンプが可能。
      • 「動かせる台座」…コンビモード時限定で触れると、台座を前へと押せる。台座は足場に利用できる。
      • 「沈む台座」…台座に乗ると"すぐさま"に沈んでしまう。一定時間経過すると台座が元の位置に戻る。
      • 「バーナー台座」「電流台座」…双方共に、時間おきにバーナー(電流)が流れたり止まったりする台座。コンビモード時にバーナー(電流)放出中の台座へと触れるとダメージ。
      • 「ベルトコンベア」…台座の一種。コンベアに乗ると特定方向へと流されやすくなる。流される方向はコンベアに表示された矢印で示されている。
      • 「スイッチ」…スイッチを踏むか攻撃すると作動し、周辺で閉じていたシャッターが開いたり、同じく周辺の固定台座が移動する。
      • 「シャッター」…普段は閉じられており、スイッチを作動する事でシャッターが開く。一部シャッターは時間が過ぎると再び閉じられてしまう。
      • 「バウンド雲」…雲に乗ると強制的にバウンドジャンプする。乗る度にジャンプの繰り返しとなる為、上手くジャンプの機軸を調整しないと思わぬトラブルになりやすい。
      • 「バウンドマシュマロ」…触れるだけでバウンドしてしまうマシュマロ。密着的に配置されている場面が多く、ピンボールでいうところのバンパー並みにバウンドの連続となりやすい。
      • 「ダメージ障害物」…「トゲ」「岩」「機雷」「こんぺいとう」などがあり、コンビモード時に"これら"へと触れるとダメージ。
      • 「水中」…コンビモード時に水中へと触れると"りな"が溺れてしまい、ダメージ後の戻り復活となってしまう。妖怪モード時では水中内を自由に泳げる。
      • 「落とし穴」…コンビモード時・妖怪モード時を問わず、落とし穴へと落ちるとダメージ後の戻り復活となってしまう。
      • 「ベル」…妖怪モード時にベルへと触れると、強制的にその場でコンビモードとなる。ステージによっては、ベルによるモードチェンジを行わないと先に進めない。
      • 「妖怪トンネル」…コンビモード時限定で、トンネルに触れると次のフィールドへと進める。進んでしまうとトンネル前に後戻りできない。矢印の形をした隠しトンネル(?)も存在する。
      • 「ゴールポイント」…通常ステージにおいては、コンビモード状態でゴールにたどり着くとステージクリアとなる。
  • ミス条件について。
    • 本作はライフ制を採用している。ライフがすべて尽きるとゲームオーバー。
      • コンビモード時における"りな"が敵や障害物ダメージを受けてしまうとライフ少し減る。妖怪モード時では落とし穴ダメージを除き、ライフが減る要因はない。
      • ゲームオーバー後はコンティニューかステージセレクトでの再トライとなる。ステージ途中からの再開は不可。
  • ドレスアップについて。
    • ステージセレクト中では、ステージ内における"りな"の服装の色と模様の変更が行える。
      • 素材は色・模様共に各10種類あり、総計で100通りの服装バリエーションが用意されている。どの服装にしても、自機性能が変化する事はない。
      • ゲーム初期時では少数の素材しか選択できない。素材の種類は「単にステージクリアする」「メダルコンプでステージクリア」といった条件を満たすと増えていく。

評価点

  • 原作のノリを忠実再現。
    • 篠塚ひろむ先生がストーリー監修を務めているだけあって、原作におけるドタバタギャグのノリがゲーム内で上手く再現されている。
      • 各ステージ前後の多くに数々のイベントが挟まれるが、原作を知る者にとっては「紛れもない『恋するプリン』だわ、これ…」と納得させられるであろうノリのイベント内容となっている。
      • "りな"とプリンちゃんとの泥沼争いは相変わらずであり、裕也救出の最中なのに口喧嘩を繰り広げる様が「何というか…」という気持ちにさせられる。仲間となった他の妖怪の対応もまた…。
      • オリジナルキャラ・兼黒幕を務めるDr.カンミのキャラ像もいい味出している。役柄としては悪人だが、ヘナチョコかつ重度のドジっ子で憎む気になれない。ある意味、本作最大の萌えキャラかも?
      • 原作ではサブキャラ扱いだったコーヒーゼリーくんがメイン扱いとなっているのも嬉しい。確かにサブに収めるには勿体無いキャラではあったのだが…。
    • イベントはすべてスキップ可能。よって、こういうキャラゲーにありがちな「同じイベントを繰り返し見せ付けられる」という問題は無縁といっていい。
  • 丁寧な作りのアクションゲーム。
    • 単にキャラゲーとしてではなく、アクションゲームとしての作りもしっかりとしている。
      • 操作性は非常に軽快であり、スムーズな操作でステージを攻略できる。キーコンフィグはできないものの、現状のボタン配置でも操作の不備は感じられない。
      • お子様層がターゲットだと思われしゲームであるが故に、総合難易度は低めな部類。ダメージによるライフ減少がゆるい為、そう簡単にはゲームオーバーになりにくい。
        雑魚敵を倒すと頻繁にスイーツアイテム(ライフ回復)が出現し、妖怪モード時ではほとんどのダメージを受けなくなるので、尚更ゲームオーバーへの危機は薄い。
  • 適度に頭を使わせるパズル要素。
    • 確かにゲームオーバーにはなりにくい配慮はされているが、だからといって"ごり押し"だけでクリアできる程甘くは作られていない。
      • 本作においては、アクションの腕前以上にパズル的な関門が多く、"各ステージに配置された仕掛け"と"モードの使い分け"の相性を考えて攻略しなければならない。
      • 「明らかに"りな"の体では通過できない狭道に足止めされた」「ソフトクリームブロックだけが配置された大きな落とし穴がある」などの関門を、パズル感覚で解いていくのが楽しい。
      • 複雑な仕掛けの先にメダルが配置されている場面が多い為、メダルコンプクリアを目指すとなると"より"多くの関門を突破しなければならず、熟練プレイヤーにも歯ごたえのある攻略が味わえる。
    • 発売・開発元は違うものの、同時期にリリースされた『超劇場版ケロロ軍曹3 天空大冒険であります!』と本作のゲーム性は非常に似通っている。何という奇遇…。
  • グラフィック・BGM周りのクオリティも高い。
    • ステージ中におけるグラフィックはすべてドット書きだが、この書き込みが非常に細かくて一見の価値あり。
      • "りな"やお供の妖怪達のアニメーションパターンが豊富で、どのキャラも非常に滑らかに動く。まさに「動かしているだけでも楽しいアクションゲーム」の良いお手本といえる程に…。
      • 各ワールド毎に特色のある舞台背景が描かれ、クリアする度に「先のワールドへと進んでいる」という実感が沸いてくる。地味な事だが、こういう演出の細かさも嬉しい。
    • 曲数は少ないものの、良曲BGMの数々がゲームを盛り上げてくれる。派手さはあまりないが、爽やかで心地よい楽曲がメインとなっている。

問題点

  • 純粋なるボリューム不足。
    • 総ステージが少なく、難易度調整も存在しないので、オールクリアまでの道のりが思いのほか短く感じられる。
      • 全30ステージ中、ボス戦の5ステージ分は"ボスと戦うだけ"で終わってしまう。よって、まとまった内容のステージは通常の25ステージと"さら"に限られる。
      • しかも、通常ステージの攻略手順を覚えてしまうと、クリアにさほど時間がかからない為、プレイヤーの腕前によっては数日で完全オールクリアが達成できてしまう
    • 偶然にも本作もまた、『天空大冒険であります!』と似た問題点を抱えてしまっている。
  • 若干不便なシステム周り。
    • 先の視野が確認し辛く、突発的なダメージなどに遭遇しやすい。
      • 本作は自機が大きめに描かれている影響で、地形などの画面比率も必然的に大きくなっている。それ故に、視界が見えない状態でのアクシデントに陥りやすい。
      • この辺は"地形配置などを覚えて慣れる"しか解決方法がない。幸いにも、超絶的にイラつく初見殺しは皆無なので、慣れれば気になる程の問題でもないと思われる。
    • 取り逃したメダルの回収が困難。
      • 妖怪トンネルを利用すると、トンネル前のフィールドには戻れなくなる。すなわち、トンネル前に取り逃したメダル回収ができず、メダルコンプクリアへの道が絶たれる
      • 先述同様、この辺に関しても"何度もステージを再トライしてメダル配置を覚える"しかない。メダル配置さえ頭に入れておけば、メダルコンプクリアもそう難しくはないはずである。
      • 初期のステージでは「どう頑張ってもメダルコンプ不可能」という場面があり、事情を知らないと延々とメダル探しの為に彷徨う事になりやすい。
        これは「先のステージで仲間となる妖怪を連れ、再度同じステージを攻略すればメダルコンプ可能」という仕様で、決してバグや不具合の類ではない。
  • 一部メインキャラの出番が極度に少ない。
    • 特に割を食らっているのが、さらわれ役である裕也の出番。オープニングとエンディングで少しだけ出演するのみ
      • まぁ、裕也は"カンミにさらわれた後に行方不明"という立場なので仕方がない面もあるのだが…。
      • とはいえ、裕也はまだメインキャラとして出演している分マシである。弟の直也に至ってはオープニングの数カットしか出番がない
    • 直接ストーリーに絡まないものの、特定条件を満たすと「"りな"とプリンちゃんが合体したレア(?)キャラ」が自機として操作できる。
      • レア故に出番こそは非常に少ないものの、自機としてはかなりのチート性能となっており、上手く扱えば楽々にステージクリアができてしまう。
      • 使用するか否かは完全任意な為、「正当な攻略がしたい」というプレイヤーは関わらなければいい話である。「攻略に詰まっているプレイヤー向けの救済処置」というべきキャラといえる。

総評

「どうせ子供騙しなキャラゲーだろ?」という目で見られがちだが、実際はちゃんと普通に遊べるアクションゲームとして仕上がっている。
ボリュームの少なさや一部メインキャラの扱いが非常に残念な点ではあるが、原作のノリをきっちりと再現しているため、原作を知る人ならば楽しめるだろう。

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最終更新:2022年09月20日 16:33

*1 以下「プリンちゃん」で統一。