真・女神転生デビルサマナー

【しんめがみでんせいでびるさまなー】

ジャンル RPG
対応機種 セガサターン
発売・開発元 アトラス
発売日 通常版:1995年12月25日
サタコレ:1997年6月20日
定価 通常版:6,800円(税別)
サタコレ:2,800円(税別)
判定 良作
女神転生シリーズ

概要

  • 人気RPG『女神転生シリーズ』派生作品のひとつ『デビルサマナーシリーズ』の1作目。
  • 従来の人類文明を巻き込んだ唯一神と悪魔の軍勢との壮大な戦いから、現代社会が存続している裏側で超常の悪魔を使役する能力を持った者が活躍する様子を描く作風にシフトした。
    • シナリオの根幹もそれまでのような啓典宗教ではなく、バビロニア神話やオカルト偽史がベースになっている。
    • 本筋とは殆ど関わりがないものの、『真・女神転生』における「東京大破壊」が起こらなかった時間軸の物語である。
      • 冒頭のニュースで報道される「ゴトウがクーデターの寸前に逮捕される」「トールマン大使が急逝」というメッセージによって、東京大破壊に至る要因がなくなったことが示される。
  • 「敵として登場する『悪魔』を交渉で『仲魔(悪魔の仲間)』とし、仲魔を召喚・命令したり、合体により強化する」というシリーズの伝統を受け継ぎつつ、本作独特のシステムが多数追加されている。

ストーリー

彼女の頼みでチケットを受け取りに行った主人公は、異界化し悪魔の跋扈する雑居ビル内で、粗暴な探偵「葛葉キョウジ」と出会う。
彼は悪魔と戦うことを生業とする「デビルサマナー」だった。

彼と彼のパートナーの助けもあって命からがら逃げのびたものの、主人公は怪しい黒人神父に拉致され、そのまま殺されてしまう。
しかし三途の川で出会った船守の「カロン」が蘇らせてくれるという。
が、何故かよくわからないが元の体に戻れないとのこと。
やむなく、同タイミングで住人不在になったキョウジの体に半ば強引に押し込まれる。

主人公は"葛葉キョウジ"としてデビルサマナーの活動をしつつ、元の体に戻れない理由、そして自分が殺された原因を探ることに。

従来シリーズからの追加・変更点

  • 場所指定移動の導入。
    • 本作では、舞台である「平崎市*1」の俯瞰図が全体図として表示され、一覧から行きたい地域を指定して瞬時に移動できるようになっている。
    • 該当地域進入後は『真II』等と同様の構成で「2Dの地域マップ+要所の3Dダンジョン」を攻略していく。
  • 前衛・後衛の概念の導入。
    • 従来作では前衛も後衛もなく「味方1グループvs敵○グループ」で戦っていたが、本作では敵味方とも、最大で「前衛3名+後衛3名」という隊列を組んでの戦闘となる。
    • これに伴い、武器や技にもそれぞれ射程や使用可能位置(相手の後列に届くか、自分達の後列から使えるかどうか)が設定された。
  • 忠誠度システム。
    • 本作では忠誠度と呼ばれる概念があり、仲魔にした悪魔はこの忠誠度が高くなければ細かな命令ができず、低すぎると命令を聞いてくれない。
    • 忠誠度タイプには「物欲型」「レベル差型」「つれあい型」の三種類があり、物欲型はアイテムを渡すことで、レベル差型は主人公のレベルと悪魔のレベル差が大きい(主人公>悪魔)ほど、つれあい型は命令を忠実に実行した回数によって上昇していく。
  • 自由に育成することができる「造魔」が登場。造魔は忠誠度がMAXで固定されており、基本的に命令を忠実に実行する。
  • 合体することで元の悪魔の特徴そのままにステータスを強化する種族「御霊」が登場、より育成要素が増加している。
  • その他隠し要素。
    • 性格が物欲型悪魔は、忠誠度が限界まで上昇した状態だと魔晶変化(アイテム化)が可能。変化するアイテムも武器防具など、それらに物理攻撃反射などの特殊能力が付与している物もあるので有用なアイテムを探す楽しみがある。
    • 合体には想定外の悪魔が出来る「合体事故」の可能性がつきまとうが、この合体事故でしか作れない種族「秘神」「珍獣」「死神*2」が存在する。
    • 作中ではホテル業魔殿(それまでの「邪教の館」に相当)の主「ヴィクトル」の意味ありげな謎の台詞だけがヒントとなっている種族「英雄」の悪魔。
  • 悪魔との交渉時に渡す金品などをこちらから指定できるケースが発生するようになった。従来の悪魔側から指定されるケースも発生する。
  • パートナーの習得魔法が序盤の選択肢で攻撃・補助・回復の3タイプに変化するようになった。
  • 生体エナジー協会でマグネタイト(MAG)の売買が可能。
    • 従来作でのMAGは現金取引できない資源だったが、本作では1MAG=100円程度で購入・売却可能になっている(交換レートはゲーム内で変動)。
    • ちなみに本作では現金を得る手段が限られており、MAG等の売却以外では依頼の報酬を貰うか、悪魔との交渉で手に入れる位しか無い。
  • マルチエンディング制ではなく、決まった結末を迎えるようになっている。
  • 他の仲間が生き残っていても、主人公が死亡するとゲームオーバーになる。

評価点

  • コンピュータを使った悪魔召喚という設定にマッチした、現実社会に密接したハードボイルドで胡散臭い世界観。
    • しがない探偵(表向き)が、裏世界ではデビルサマナーとして悪魔絡みの依頼を解決していくという、ちょっとコミカルで怪しいハードボイルドな作品である。
  • 増子司氏と田崎寿子氏による良質なBGM。
    • アンダーグラウンドの怪しい雰囲気を上手く表現しており、本作の独特の世界観を作り出すのに大きく貢献している。
    • 戦闘曲は増子節が色濃く出ており、ボスバトルや新市庁舎の曲、田崎氏によるハード調の探偵事務所の曲やアストラル界の曲は人気がある。
  • 世界観に見合った怪しいキャラクター達
    • 裏社会の住人であるデビルサマナーに協力する各種施設の主も、世間一般向けの「表の顔」と、サマナー向けの「裏の顔」を持っている。
      • 例えば武器・弾薬は不動産屋(裏では闇武器売買)で調達し、傷ついたらボクシングジム(裏では闇医者)で治療し…といった按配。先述の「ホテル業魔殿(表向きはあくまでホテル、裏では悪魔合体)」もしかり。ホテルで合体…というのは程よいジョークである。
      • これも、どこにでもある街の風景の裏にすぐ悪魔に関わる世界がある…という、アングラさと悪魔の身近さを演出している。
    • 主要NPCはもちろん名前不明の通行人に至るまで個性的。
  • CD容量になったことで、同一デザインや色違いといった、似通ったデザインの悪魔が登場しなくなった。
    • 過去作からデザイン流用した悪魔の数も少なく、大半の悪魔が描きなおされている。
  • 前述の人間キャラ達や、様々なタイプの悪魔との会話も楽しい。
    • 特にヤマチチ、クドラク、モスマン等の「シニカル」口調は「~してやらないこともない」「ううっそ」「なめんな 死んでいいよ いやいやマジで」などの独特の台詞回しが人気を呼んだ。
  • 地味な点だが、従来の女神転生は3Dダンジョン表示が画面の半分程度だったのが、今作から画面目一杯使ったダンジョン表示になって没入感が上がった。
    • 従来は容量節約や処理の負荷軽減等のために限定表示に留めており、「スコープ等を介した視野」と言い訳じみた解説をされていたが、ある意味ようやく一人称視点になったともいえる。

賛否両論点

  • 人によっては少しバッドエンドと感じるシナリオ。
    + EDの若干のネタバレ
  • ストーリーにもあるように本作の主人公は、魂のみがデビルサマナー・葛葉キョウジの肉体に宿ってデビルサマナーとして活動するのだが、事件を解決しても結局元の肉体には戻れず、一生葛葉キョウジとして生きていくことを強いられてしまう。なお元の肉体は意識不明のまま、市内の病院に入院していることが語られている。
  • 一筋縄ではいかない高難易度。
    • メガテンらしさといえば聞こえは良いが、本作のそれは調整不足からくるシビアさ・理不尽さが目立ち、あまり擁護できるものではない。
      • 序盤で仲間にできるある仲魔を魔晶変化させると、どう見ても設定ミスとしか思えない、ゲーム進行度と不釣り合いなゲーム中最強の銃が入手出来るのでこれを使うか否かで戦闘難易度が極端に変わる。
    • 主人公のレベルを下げたり高確率の即死攻撃をしてくる敵が普通に出現してくるので、初見の悪魔がどんな技を使ってくるのかには常に注意が必要となる。
      • その程度ならまだしも、本作の状態異常の一部はタチが悪く治す方法がごく限られているため、そこいらのRPGと同じ考えでプレイすると大変な目に会う。
    • 即死攻撃が結構飛んでくるのに、主人公一人が死んだら即ゲームオーバー→三途の川→タイトル画面直行。「II」「旧約」「IV」のような"カロンに有り金払って復活"なんて救済措置はない。
      • 無間地獄(=あの世)でゲームオーバーになっても三途の川を渡るシーンが挿入されてしまう。ある意味でシュール。
    • 女神転生シリーズ屈指のダンジョン構造。特に中華街・天堂屋敷・新市庁舎の3つは(シナリオ上ほぼ連続で探索するが)非常に嫌らしい造りになっている。
      • ダンジョンが後半になるにつれてワープや目印も無い落とし穴、一方通行や幻惑の嵐となり体感的に難易度が跳ね上がる。
      • COMP使用不可のダンジョンも存在し、攻略中は悪魔との会話・オートマッピングの参照・仲魔の召喚が出来ない。COMPが使用できる通常のダンジョンと連続していることが多く、気がついたら使用できなかったということも多い。
      • 不幸中の幸いというべきか、今作のダンジョンは主に罠や仕掛けの嫌らしさで勝負しており、余りにも広過ぎてうんざりするようなマップは存在しない。離脱魔法トラエストや、1個しか持てないがどこでもセーブできるアイテム「バックアッパー」等、プレイヤーに対する配慮も一応はある。
    • 悪魔との交渉が難しい。せっかく話をいいところまで進めたのに、あと一歩で会話を打ち切られて最初からやり直しになったり(同じ質問でも正解は毎回変わる)、ようやく交渉へこぎつけてもその時点で絶対手に入らないアイテムを要求されたりもする。
      • ただし会話パターンのバリエーションはあまり多くないので、確率の高いパターンが把握できれば交渉までこぎつけるのは比較的楽である。
      • 「会話で仲間にならないDARK属性の悪魔に貢がされた上トンズラ」という恒例の意地悪も存在。特に本作は、初見の悪魔の種族を判別できないため、事前情報無しでは回避できない。
      • 「スタンス」という仕様があり、とある口調の悪魔と友好的になると、口調が同じタイプの悪魔を簡単に仲魔にさせられるようになる。ただそれによって仲魔にしづらくなる口調の悪魔が必ず出てくる。
  • 悪魔のグラフィックが色違い無しのものになったが、その代わり従来作の様なアニメーションはしなくなった。
    • その分、攻撃や悪魔の消滅などでのエフェクトが派手になったが、動きある悪魔のビジュアルは女神転生の他とは違う特徴でもあったので、寂しいという人も。
  • コンピュータライクを出そうとして、英単語で表示される箇所が増えた。
    • 戦闘シーンでの「Cherry blossom」など、かっこよさや雰囲気作りにはなっているが、年齢対象を引き上げる事につながっている。ファン層は子供では無いにしてもCERO判定はAである。たとえば兄弟で兄が遊んでいるのを幼い弟が見てもよくわからないだろう。
      • この問題はSFC時代から「TALK」「ESCAPE」等のコマンド箇所にあった問題ではあるが、悪化した形。
  • シリーズ恒例ではあるが、仲魔の使い勝手にはやはり大きな差がある。
    • 特に先述の隠し仲魔「英雄」は非常に強力で、明らかにバランスブレイカー。その中でも「英雄ヨシツネ」の「はっそうとび」は 『8回攻撃』 という冗談としか思えない特技で、タルカジャと組み合わせると驚異的なダメージを叩き出すことができる。

問題点

  • 仲魔に指示を聞いてもらうようにするためには、忠誠度を相当高くしないといけない。
    • 苦労して仲魔にしても、「GO*3」→「Boycott*4」が頻繁に起こる。戦闘でしか忠誠度が上げられない「つれあい型」の仲魔は、この時期を抜け出すのに何十回と戦闘しないといけない。
      • つまり、「そのダンジョンで捕まえても即戦力ではない」。仲魔を育て、触れ合う演出・システムがシナリオ進行に噛み合っていない。これは徐々にデビルサマナーシリーズで改善されてはいる。
    • AIも賢いとは言えない。敵が攻撃範囲外で届きもしないのに同じ攻撃を繰り返す通常攻撃が強いのにダメージの入らない特殊攻撃しか使わない、自分が放った即死魔法を反射され即死したり等。
      • 仲魔には忠誠度タイプの他にも「臆病」「剛健」など個々の性格もあるのだが、「すぐ自爆しようとする」「HPがちょっと減っただけですぐ回復魔法を唱え続ける」「HPが減ると防御しかしない」などの行動を取る性格もあるので、仲魔の行動には常に目を光らせておく必要がある。
    • レベル差で忠誠度が発生する悪魔は、必要なレベル差が大きすぎて言うことを聞くようになった頃には戦力外。悪魔側のレベルによっては忠誠度が最高値まで上がらない
      ただし、特別な事をしなくても忠誠度がある程度上がるため、合体素材としては比較的使いやすい(悪魔合体では忠誠度も引き継がれる)。
      • アトラスのこの頃のゲームは「ちょっと考えればわかるだろう」的な邪魔でしかない要素を入れる事が多く*5、「レベル差で言うことを聞く」=「その時は戦力外」が何故想定できなかったのか。
  • パートナーの習得魔法タイプの格差
    • 攻撃・補助タイプと比べて、回復タイプの習得魔法が大きく見劣りする内容になっている。
      • 回復タイプは回復魔法の他に状態異常治療魔法や呪殺防御魔法のテトラジャ、移動中補助魔法のリフトマ、エストマを習得するが、いずれも序盤から安価で購入できるアイテムで代用できてしまう。*6終盤で全体全回復魔法のメ・ディアラハン、全回復蘇生魔法のサマリカームを習得するが、仲魔に継承させやすい回復魔法なのでパートナーが使うメリットは高くない。
      • 攻撃・補助タイプでもディア、メ・ディアラマなどの回復魔法を覚える点が回復タイプの不遇さに拍車をかけている。回復タイプは念動属性のサイ系の攻撃魔法を習得するが、弱点を突く機会に乏しく使い勝手はあまり良くはない。
    • 複数の属性攻撃魔法を習得し積極的に攻めていける攻撃タイプ、カジャ系・ンダ系・カーン系が揃う上に仲魔召喚魔法サバトの存在で玄人好みの補助タイプに比べるとやれる事が乏しいため、回復タイプの選択は縛りプレイとも言われる。
  • SS版の初回版のバグ。
    • 武器や魔法攻撃の追加バッドステータス発生率が極端に低い、人間キャラクターの速のアビリティが25以上になると戦闘の行動順が最後になるなど、ゲームバランスそのものに影響が出るものがある。
      • 若干入手しにくいもののSSで本来のデビルサマナーを楽しみたいなら、これらが修正されているサタコレ版かスペシャルBOXのものを推奨する。
    • ただしドリーカドモン複数体入手やLAW-CHAOS両属性同時召喚など、有利に働くバグも同じぐらい多く、これらはサタコレ版でも修正されていない。
  • 賛否両論にもダンジョンの難易度に触れられているが、その中でも最たる仕掛けが難しすぎる。
    • COMP不可箇所ワープ、しかも発動SEが鳴らない」という、かの難易度で語り草になる『Wizardry』のワープと同等のもの。
      • プロデューサーの岡田氏が大のウィズファンなのは知られた逸話だが*7、コンシューマゲームに持ってくる難易度としては、それほど広大では無いとは言っても投げ出したくなる代物。
      • 後々の『真・女神転生III-NOCTURNE マニアクス』でも追加ダンジョンに同様の「マップ不可、ワープだらけ」が仕組まれている箇所があるが、そのダンジョンはカクヅチ齢で避ける事も可能で突破には必須では無い。

総評

終末観の漂う壮大な世界を『真II』でやり尽くし新たな路線へと舵を切った作品。ドラマ仕立てのシナリオなど、後の展開の口火を切ったのが本作でもあるといえよう。
真・女神転生シリーズのシステムの長所をうまく引き継いでおり、女神転生シリーズの新たな試みとしてセガサターンのRPGの中でも高い人気を得ることとなった。ただ忠誠度などの練りこみ不足もあり、これは次回作で改善されていくこととなる。
中毒性のあるコアな魅力を持ちつつも飛びぬけた点を持たなかった本作は次回作で全面的に昇華され、日本型RPGの完成形である『デビルサマナー ソウルハッカーズ』へと繋がっていく。

続編



移植版

ジャンル ロールプレイングゲーム

対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 アトラス
開発元 アイ・ティー・エル
発売日 2005年12月22日
定価 5,229円
廉価版 アトラス・ベストコレクション:2007年3月8日/2,800円
DL版: 2010年1月21日/2,310円 (税込)
ポイント システム面のテンポ改善
SS版から画質まで移植
BGMの迫力が…
判定 良作

変更点・評価点(PSP)

  • UIをソウルハッカーズ仕様に変更するなど全体的に遊びやすくなる調整がされている。
  • バックアッパーの仕様変更
    • 携帯機であることを考慮してか、SS版では一つしか持てず使い切りだったバックアッパーの使用制限がなくなった。
  • ノーマルとハードの難易度選択が追加。
    • ハードモードはボスのHP2倍、被ダメージ量が1.5倍、バックアッパーの使用が満月・新月の時しかできなくなる。
  • 悪魔全書の追加
    • 真・女神転生III NOCTURNE』から「悪魔全書」システムが導入された。マグネタイトを支払えばその場で登録した悪魔を召喚、仲魔にできるので、合体の材料集めの煩わしさがかなり解消された。*8
  • 忠誠度システム調整
    • レベル差型、つれあい型の忠誠度が上がりやすくなっていた。
  • その他
    • ロードが格段に短縮、戦闘アニメーションや移動速度も倍になりテンポが向上した。
    • EXダンジョンに4体のボスが追加された。

問題点(PSP)

  • ゲーム画面がPSPのワイド画面(480×272ドット)に非対応
    • 画像はSS版から使い回されており、タイトル画面などごく一部を除き、フィールドもダンジョンも戦闘画面もすべてSS版と同じ解像度(320×224ドット)である。
    • ゲーム中にオリジナル解像度、拡大、全画面引き伸ばし(当然アスペクト比は異なる)の三種類から選択する仕様は、ゲームアーカイブスでダウンロードしたソフトと同じである。
    • 文字の大きさも、悪魔のグラフィックも、小さく粗く、見づらい。
      フィールドマップもGBA版『真I』や『Persona』の様な描き直しが無く粗いグラフィックのまま。
  • テンポ面が見直された一方、前時代的で不便な仕様が残されたままになっている。
    • 所持アイテムの品目数が60種類のまま。本作は回復アイテムの最大所持数には制限が掛かっており、多めに武器などを持つことでメリットが発生するわけでもないことから、単にこまめに処分する手間が生じるだけで何の意味も無い。当然アイテムコンプリートは不可能。
    • フィールド・ダンジョンで通行人に遭遇したとき強制的に会話するかどうか聞かれて止められる。他の作品にはない仕様で非常に評判が悪かったのだが、改善されることはなかった。
    • 合体ムービーやDDS-NETなどの飛ばせないデモ・エフェクトがしばしば挿入される。
    • 会敵した悪魔の種族が表示されない仕様もそのまま。
  • 音楽の劣化
    • 音源が変更されたため、サターン版と比べ音楽が迫力に欠ける。評価の高いボス戦闘の曲も音が軽くなり、迫力が薄まってしまっている。
  • バグ
    • Lv99に上がった時点でレベル差型の仲魔を連れていると、ゲームがフリーズしてしまうバグが存在する。

総評(PSP)

  • オリジナル版から全体的なテンポの是正、忠誠度の改善、悪魔全書の導入など、プレイングのしやすさに改善が入ったのが目玉。
  • 一方でグラフィックの解像度がSS版そのままの移植となり、携帯機でプレイするには小さくて見づらい、古いという印象が否めない。しかしそういった古きメガテンを楽しみたいという意味では購入の価値がある移植となった。

余談

  • 本作発売から二年後(1997)、地上波深夜の時間帯に実写ドラマが放送された。
    • 詳細は本サイト外のことなので言及しないが、ディレクターの岡田耕始氏、および女神転生シリーズで悪魔デザインを担当している金子一馬氏がゲスト出演している。
    • ゲーム同様にGUMP*9を用いて悪魔召喚するが、悪魔の演出は仲魔というよりペルソナっぽい。実際に主人公の仲魔であるヴィシュヌのデザインは、『女神異聞録ペルソナ』でのヴィシュヌのデザインをそのまま流用している*10
    • ドラマ最終回にて本作の主人公が持つ銃型コンピューターの1/1がプレゼントされた。
  • このTVドラマ版を元に更にアレンジした小説版も三作が出版されており、独自の裏設定や、小説オリジナルの本編以上にハードで混沌とした展開も数多く用意されている。
    • 著者は後に葛葉ライドウの外伝ストーリーも執筆。
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最終更新:2023年03月27日 14:33

*1 横浜がモデル。

*2 死神はダーク系悪魔の合体での作成も可能。

*3 特に指示せずAIに行動をゆだねる。忠誠度が低いとこれしか選べない。

*4 プレイヤーの指示を完全に無視。

*5 魔法継承システムを駆使しなければならないのに「合体事故」の恐怖がつきまとう真Ⅱ、前例後列が取り入れられているにもかかわらず、弾数所持が有限な真if等。

*6 エストマは習得自体も遅い。

*7 好きがこうじて和製ウィズのBUJINを手掛けている。

*8 余談だが、本作には「悪魔全書」の名を冠したファンディスクが存在する。

*9 銃型コンピューター。本作におけるハンディCOMP

*10 これは、元々初代ペルソナのペルソナは、特撮ヒーローのスーツを意識したデザインなので相性が良かったという理由もあるだろう。