ボンバーボーイ
【ぼんばーぼーい】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ゲームボーイ
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メディア
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1MbitROMカートリッジ
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発売・開発元
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ハドソン
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発売日
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1990年8月31日
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定価
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3,500円
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判定
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良作
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ボンバーマンシリーズリンク
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概要
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ゲームボーイで発売されたボンバーマン1作目。
本作オリジナルの「ボンバーボーイ」と、ファミコン版移植の「ボンバーマン」の2つのモードで遊べる。
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「ボンバーマン」の内容は画面サイズ以外はほぼファミコン版そのままなので『ボンバーマン』の記事を参照。パスワードも同じものが使える。
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バグ面に行けるパスワードも一応入力できるが、FC版と同じステージナンバーは表示されてもステージ表示画面でほぼフリーズしてしまう。
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もしかしたらコンシューマにおける「過去の名作を現行ハードで復刻」の元祖と言えるかもしれない。
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以下は「ボンバーボーイ」の解説である。基本的な部分こそ『ボンバーマン』と同じだが本作独自の部分も多い。
特徴
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ステージセレクトが出来る。全部で8つのステージがあり、最終ステージ以外ならどこからでもスタートできる。ステージ内にはいくつかのラウンドが存在し、全てクリアする事でそのステージはクリアとなる。ラウンドの数はステージセレクト画面で確認でき、面数が多いほど難しくなっている。
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全ての敵を倒し、ソフトブロックの中に隠されている出口から脱出することがラウンドクリア条件。
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各ステージには「上下がループしている」「ソフトブロックの破壊にボムを2発当てる必要がある」などそれぞれ特徴がある。
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ステージセレクト画面ではショップにも行ける。本作にはお金の概念がありショップでアイテムを買える。最初は買えるアイテムも限られているがステージをクリアすると対応するアイテムが買えるようになる。いらないアイテムは売る事も可能(売った場合は半額)。
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アイテムは装備式。ステージに突入するとアイテム選択画面になり手持ちのアイテムの中から選んで装備しなければいけない。アイテムには死ぬまで有効なもの(丸型のパネル)と、死ぬかラウンドをクリアするとなくなるもの(四角型のパネル)がある。
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火力アップ・爆弾アップ・スピードアップといった基本アイテムが丸型、リモコンやファイヤーパスのような特殊アイテムが四角型に割り当てられている。
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例えば、装備した場合死んでもその場で復活できるエリクサー(四角型のパネル)を装備してラウンドをクリアした場合、効果を発揮しなくても装備分のエリクサーが全てなくなる。
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このエリクサーは、装備しなくてもストックにあれば死んだ時に一つ消費して同じラウンドから再挑戦できる、残機も兼ねている。
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つまり、ミス時にエリクサーを装備していた場合は他の装備中のアイテムを失うことなくその場で復活できるが、ラウンドをクリアした時点で装備中のエリクサー(を含む四角型のパネル)を全て失う。一方装備しなかった場合は装備中のアイテム全てを失うが、そのラウンドのアイテム装備画面からやり直しが可能(エリクサーのストックがある限りゲームオーバーにはならず、ステージ選択画面まで戻されることもない)という違いがある。
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ステージ中にもこれらのアイテムがソフトブロックに隠されている場合もあり、取得した次のステージで装備が可能となる。
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また、装備するアイテムとは別にステージで取得した時点で効果が発揮される「一定時間無敵になるビックリマークのパネル」「取得した時点でラウンドクリアとなる出口パネル」「スコアが加算されるファミコンやゲームボーイを模したアイテム」等がある。
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まだ買えないアイテムはボンバーマンの無敵パネルと全く同じ「?」になっている。本作でも無敵パネルはあるがそれは「!」になっている。
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面をクリアするごとに残り時間と破壊したブロックの数に応じてお金が手に入る。
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通信ケーブルを使用した二人対戦が可能。ブロックからアイテムを探してパワーアップするか、最初から火力と爆弾を置ける数がマックスかの二通り選べる。
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対戦の導入自体は実はPCエンジン版より先で本作が初。
評価点
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ショップ及びアイテム装備の概念により独特のカスタマイズ性を持つ。『スーパーボンバーマン5』のコンフィグバトルモードの先駆けとも言える。
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元々のシステムでは火力やスピードを上げすぎるとリスクもあるが、本作では着脱によって調整できる。
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一度に装備できるのは10個まで、所持できるのは30個まで。ラウンドごとに何を使うか選ぶ必要がある。
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やろうと思えば、開始直後にエリクサーを売り払ってパワーアップを買い揃えるハイリスクな選択も可能。
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ちなみにショップ店員(若い女性)のグラフィックには妙に気合が入っており、ここだけ別のゲームのようである。
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ステージセレクトと携帯機の相性の良さ。
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最初から個性の強い7ステージを選べるので、クリアできなくても毎回新鮮な感覚で遊べる。
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ファイヤーパスのパネルを先にとれば後は無双状態でバランスブレイカーのように思えるが、そのステージは非常に難度が高く初期状態でのクリアは相当難しいのでバランスが取れている。
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携帯機との相性の良さを感じる対戦モード。
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対戦では自分の周囲のみしか見えていないため画面外から強襲したりすることもでき、常に全体を1画面に納めなければならない据え置き機ではできない対戦ができる。
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ファミコン版『ボンバーマン』を丸ごと収録しているのは、当時としてはかなりお買い得な印象であった。
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裏技扱いではあるが、この時期のゲームボーイのゲームには珍しくサウンドテストが存在する。
問題点
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パスワードに所持アイテム及びラウンドクリアの状況が保存されない。ゲームオーバーになっても失われる。
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「ボンバーマン」では基本パワーアップは維持できたが、本作ではそれすらも失われる。
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もっとも、所持金は引き継がれるので致命的な事態にはなりにくい。
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所持アイテムについては
買値
と同額のお金に変換されて所持金に加算されるので、再開後に買い直せば以前の状態を復元できる。
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パスワード自体もわずか8文字で、「ボンバーマン」の20文字より遥かに短い。
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短いこと自体はむしろ評価点だが、情報の大部分を切り捨てた結果なので、パスワードとしての機能に難が出ており素直に評価できない。
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上記のコンティニューの仕様を別にしても意外と難易度が高い。本作の敵キャラにはトリッキーな動きをするものが多く、一部のステージには厄介な仕掛けもあり、組み合わされるとかなり手ごわい。(特にWINDRIAステージで苦戦した人は多いはず)。
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後半は制限時間もきつくなる。ただし時計のアイテムで制限時間の減りを遅くすることは可能。
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エリクサーが残機を兼ねているというのが分かりにくい。
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またミス後に残ったエリクサーで復活しても、それ以前に装備していたアイテムは消失してしまうので残機のような形で使う必要性が薄い。
総評
ファミコン版をベースにしながらも、独自の要素をもったゲームとなっている。
難易度は高めだが言いかえれば手ごたえがあるとも言える。
余談
最終更新:2023年11月04日 14:58