注意:このページでは、『メダロットR』(クソゲー)について紹介する。また、参考として関連作品『メダロットR パーツコレクション』(判定なし)についても解説する。



メダロットR

【めだろっとあーる】

ジャンル ロールプレイング
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 プレイステーション
発売元 イマジニア
開発元 ナツメ
発売日 1999年11月25日
価格 5,800円(税抜)
判定 クソゲー
ポイント ロード頻発、且つ長い
被/与ダメージのインフレ
メダロットデザインは好評
メダロットシリーズリンク

概要

メダロットシリーズの第三作。
初の据え置き機での発売であり、シリーズ唯一の非任天堂据置ハード発の作品。カブト/クワガタといったバージョン並立はしていない。
これまでに登場した全てのメダロットに新登場の機種を加えた253機種ものメダロットが3Dポリゴンで動きまわる。
主人公は『メダロット2』同様に天領イッキだが、キャラクターデザインはほるまりん氏ではなくスピンオフ漫画『メダロッターりんたろう!』の作者である藤岡建機氏。
サイドストーリーの類ではなく、イッキがメダロットを始めてから様々な事件に巻き込まれるという『2』のパラレルストーリーとなる。

システムに関してはインターフェースこと若干異なるものの『2』と同等である。
本作に登場する旧作品(1・2)のメダロット・メダルの能力も『2』のものと同じ。

問題点

  • とにかくロードが頻発し、そして長い
    • たとえばメダロットのパーツを組み替えるだけでもメニュー→メダロッチ→(ロード)→メダロット→(ロード)→機体選択→(ロード)→パーツ選択→パーツ一覧→(ロード)→装備というありさまである。
      • このあたりは、元来のシステムの複雑さや歴代最多の機体数から来ていると思われる。
    • マップ切り替え時、エンカウント時、メダロット選択前、戦闘前など様々なタイミングで大小のロードが挟まる。
  • シナリオが一本道で、サブイベントがほとんどない。
    • 他の作品にはED分岐や隠しエリア、クリア後のイベント、女装などの寄り道などがあったがそういうものが一切ない。
    • サブイベントと言えるものは期間限定かつノーヒントの快盗レトルトとのロボトルのみである。
      • レトルトは姿が見えないにもかかわらず、特定時期に特定の位置に移動することが発生条件であるため、攻略本無しで見つけるのは至難の業である。また、時としてシナリオと関係の無い場所に潜んでいる事さえある。
    • 『2』ではメダロッターのための商業施設で、買い物やメダリンクのランキング戦、クリア後のパーツンラリーなどが行われた「メダロッターズ」はランキング戦専用施設になっている。
      • フロアには受付があるだけの閑散とした構造であり、イベントらしいイベントも無く順番に上位ランカーとロボトルしていくだけという極めて単調なもの。しかも100位から始まるのでその対戦回数は99。確実に飽きる*1
    • エンディング後は『2』のパーツンラリーのような大掛かりなイベントなど無く、ただメダロッターズで1位を目指すぐらいしかやることがない。
      • 1位になれば各メインキャラに話しかけてロボトルができるようになるが、別に1位である必要は無いのではないだろうか。
      • エンディング後はマップ上のNPCのほとんどが同じこと*2しか言わなくなる。
  • シナリオ自体『2』の焼き直しにはなっていない独自性のあるものだが、登場人物は少なめで絡みが薄いキャラもいるため『2』に比べるとやや盛り上がりに欠ける。
    • 極端に短い訳ではないが、『2』がGBながらかなりボリュームがあった事を考えると、大容量のPSソフトになった割には短い印象がある。終盤も少々ぶつ切り感がある。
    • 『2』では全編に渡って登場したセレクト隊の隊長と副隊長の出番はエンディングのみ*3。『2』ではそれなりに重要キャラだったナエは研究所の受付程度の役割しかない。
    • 快盗レトルトもほぼストーリーに関わらないばかりか、なんと正体を明かす事なくゲームが終わってしまう
      • 正体であるヒカルも、メインストーリー上では序盤のコンビニのシーン以外は出番無し。そんな状況なのに「にせヒカル」なんてのが出てきたりする*4
      • レトルトレディに至っては本当にポッと出で終わる。その正体であるキララはメダロッターズの対戦相手としてしか登場しない。せっかく本作しか見られない藤岡デザインに描き下ろされているのに。
    • ラストダンジョンも、仲間達が勢揃いした『1』『2』と違って一本道のダンジョンを一人でボスを倒しながら駆け上がるのみという寂しいもの。BGMもロボロボ団のテーマの使い回し。
      • ラスボスの前座(敵の大ボスではある)戦では『2』のラスボス曲が流れるのだが、その後の真のラスボス戦では中ボス曲に戻ってしまう。
    • 『メダロッターりんたろう!』とのリンクを匂わせる割に『りんたろう』キャラは殆ど出番無し。主役のりんたろうですら、パッケ裏に描かれているにもかかわらず出番は僅かである。
      • りんたろう自身は終盤にある大会の準決勝の相手で、メダロッターズでもヒカルに次ぐ2位だったりはするのだが、ストーリー上の扱いを見るとあまり優遇とも言い難い。1位のヒカルはほぼ変装姿でしか出ない訳だが。
  • バージョンの違いが無いため、本作では最初に貰えるメダロットはKBT型とカブトメダルで固定。
    • KWG型一式は中盤に差し掛かる頃に必ず貰えるのだが、クワガタメダルは入手が期間限定の上にノーヒント。あるシナリオをクリアして帰宅する前にコンビニに寄ってヒカルと話すというものなので、初見でそうそう気付けるものではない。
    • しかもKWG型を貰う前日の話なので、知らずにKWG型を入手した時点で既に手遅れ。パーツを貰ったしそのうちメダルも貰えるのかな?という期待は、そのままエンディングまで行ってしまうことで脆くも打ち砕かれる。
  • 攻撃力のインフレ。
    • 本作のパーツステータスは前作『メダロット2』の数値を流用している。新規機体にも強力なものはいるが、それは『2』での常識を覆すほどではない。
    • 当然HPも『2』と同様な訳だが、肝心の被/与ダメージは何故か『2』の約2倍。初期状態の主人公機ですら100以上のダメージを叩きだす(装甲の最大値は160)。
    • 行動後の敵のパーツを一撃で破壊する「デストロイ」攻撃のうち、貫通するものは確実に相手の全パーツを破壊し一撃で倒してしまう。
    • 戦闘テンポの改善を狙ったものと予想できるが、結果的に攻撃が強くなりすぎ、防御や回復などの価値が激減してしまった。本作には威力59、装甲120という歴代でも最強の防御パーツが存在しているが、それでさえ攻撃力のインフレにはついて行けていない。
      • ただし例外として、完全防御パーツであるボディアタックやホーリーウォールは使い道がある。これらのパーツは問答無用でダメージを0にするという優れ物。
    • がむしゃらが『2』以上に強く、第2章のレッドマッコウ戦は敵のカイゾクロがどれだけがむしゃらを使ってこないかという『2』の初回コウジ戦以上の運ゲーと化している。無論がむしゃらを連発されれば勝ち目は無い。
      • そして『2』の時点でただでさえ狂気に満ちた攻撃力を叩き出していた我らがトラウマ、ゴッドエンペラーに至っては……*5
      • ちなみに第2章のレッドマッコウ戦はその時点で店売りのある脚部パーツを使用し、初手サブマシンガンを使えばほぼ確実に勝てるのだが、よほどメダロットをやり込んだプレイヤーでないと気がつかないだろう。
  • 試合テンポが非常に悪い。
    • 試合前には長いロードが挟まり、その後お互いのメダロットが1体1体転送される演出が入る。3vs3になるとこれだけでかなりの時間を要する。
    • シャトルランのスピードがかなり下がっており、行動間隔が長い。
      • 後述のように6角形型のゲージ式になったが、これが溜まるのが遅い上にゲージも長いので動作までの間隔が長くなってしまっている。
    • 演出が強化された分、攻撃動作やダメージ時の動作など、個々の動作も長めになった。
    • 結果、ランダムエンカウントの雑魚戦が非常に億劫。エンカウント回避には本流同様にロボロボメダル(消費アイテム)かミニハンドルが必要になるため、これらのない序盤には地獄を見る。
    • 実はメダロッチを開いたりメダメダ天気予報*6を観るとロードを挟むためかエンカウント判定が初期化される。そのため、こまめにこれらを開けばエンカウントを回避できる。しかしロード地獄を挟む事には変わりはない。
  • 新規機体の中に右腕、左腕、頭部の内、頭部の性能が最も低いなど明らかに適当に作ったとしか思えないものが多数存在する。その筆頭がカマゴエモン。威力、成功共に0、使用回数1の頭部パーツ「マゲミサイル」には利用価値が全くない。
    • 他作品にもチンペットの様に一見弱い機体は存在するが、それらにも幾つかの用途はあった。
  • メダフォースのエフェクトがしょぼい。
    • 攻撃系メダフォースは種類を問わず、メダロットが力を溜めた後、光の弾が飛んでいくというあまりにシンプルなもの。いっせいしゃげきだろうとたていっせんだろうと同じ。
    • 『2』ではいっせいしゃげきならばミサイルやリボルバーなどの弾が飛んでいき、たていっせんならばちゃんと格闘攻撃のエフェクトがあった。
  • 3Dでのロボトルを表示するために、従来ではシャトルランと非公式に呼ばれていたゲージ表記が見難くなった。
    • 画面では次に行動する(または次に命令を受ける)メダロットが走っている様子が表示され、充填や放熱の状況を表示するのは6角形型のゲージになった。
    • 行動済みのメダロットは後ろ向きになるなど直感的な従来作の表示に比べ、行動順の把握がやや難しくなった。
  • 他にも、クワガタメダルに加えて「かぜのつばさ」までもが期間限定の入手アイテムになっている。携帯機と違いパーコレ内で全機体のコンプができないなど仕様に疑問を感じる部分がある。
    • 最も酷いのは、対戦時お互いの行動選択が筒抜けになること。プラットフォームの関係上、GBと同じようにするのは難しかったとしても、読み合いが入り込む余地がないのは対戦ツールとして致命的。
      • ただし、据え置き機の制約上外で見知らぬ人と……というのはできないため、親しい人同士で楽しむだけならこれでも十分といえる。

賛否両論点

  • キャラクターデザインが藤岡氏のため、ヒカルがイケメンなど『りんたろう』準拠にキャラクターがデザインされている*7
    • それに伴い、キャラの雰囲気もGB版とは大幅に異なり、コウジの一人称が“僕”であまり熱血していなかったり(一応アニメ版には近い)、イッキが妙にまじめな性格だったりと他の作品と比べると良くも悪くも独特な雰囲気を醸し出している。
      • 他媒体のデザインに馴染んできた人には違和感が否めないが、これはこれで気に入る人もいる。特に(モブを含む)女性キャラの可愛らしさには定評がある。
    • キャラ絵自体は豊富であり、モブメダロッターの種類も『2』に比べてかなり増えている。サーファー、現場監督、幼稚園児と言った『1』の頃に居たようなキャラの他、アイドル*8、ボーイ(ガール)スカウト、トレンチコートヤブ医者なんてのも。

評価点

  • シリーズ最多の登場機体数253体。
    • メダロットシリーズはこの作品までは機体のリストラがなく、『1』と『2』の全機体に加え多数の新規機体が登場している。
      • 極端な性能の機体が多いが、症状射撃、威力格闘*9など他のシリーズではなかなか見られないような行動も存在する。
  • シリーズ初の3Dポリゴン。
    • これだけ膨大な機体の全身を3Dポリゴンで観賞できる。
    • 前に突き出た長いツノを持つ機体や下半身がそのままバイクになっている機体など、GBの平面では難しかったデザインも可能になった。
    • オープニングムービーではKBTとKWGの戦いがフルCGで描かれ、据置機ならではの迫力のあるものとなっている。
  • 珍しく、女性型にも威力無効や、常時充填のパーツが存在する。
    • 攻撃力で劣る部分もあるが、前作と比べると比較的女性型を使いやすく、デザインもかわいらしいものが多い。
  • 据え置き機だけあってその音源を生かしたBGMは新規曲・アレンジ曲共に好評。
    • ファンの間で評価の高い中ボス戦BGM「strike enemy」も高クオリティで聴ける。
  • ストーリーは完全にオリジナルで他のシリーズ作と関係しないため、新規層でもシナリオを理解しやすい。プラットフォームの関係上、ソフト自体を見つけやすく、2バージョン買う必要がないなど物理的な意味ではプレイしやすい。
    • 上述したような盛り上がりに欠ける面や物足りなさはあるが、ストーリーそのものは悪いものではない。
    • 『りんたろう』に登場していたジック先生が主要キャラとなり*10、『2』とは幹部含めて全くの別組織となったロボロボ団との戦いが描かれる。本編シリーズとはまた違ったイッキ達の物語を楽しめるため、ファンには見所がある。
      • ヒロインエンディングは無くなったが、ラストシーンではアリカからの「ご褒美」が待っている。実質、アリカEDで固定のようなもの。カリン派は堪えるように。
    • マップはおみくじ町を除いて全て新規且つオリジナル。『2』ではメダロポリスが四つものマップを占有していたが、今作ではメダロポリスの規模は縮小し、他に様々な町が登場するという『1』に近い形に。
    • 『2』のように本編で徒にロボトルを挑まれることもなく、ストーリー中の強制戦闘回数も妥当な範囲に落ち着いている。
    • 偽快盗レトルト(レディ)なる人物も登場しており、そのクオリティの凄さ(勿論悪い意味で)は必見。
      • ただ、シナリオ上は本物よりも偽物の方が出張ってくる点はあまり褒めるべきではないかもしれないが。
  • メダロッターズのランキング戦は単調ではあるが、本編で戦う機会の無いナエやメダロット博士は勿論、セレクト隊隊長と副隊長、ヒカル、キララ、ソルティと言った『2』でも戦えなかった相手とも対戦できる。
    • しかし出来るならここよりも本編に出番を与えて欲しかった所だが…。

総評

ロード周りは当時のCD媒体のゲームには大なり小なりあった問題とは言え、本家からして「一戦毎に要する時間が長い」「エンカウントが回避し辛い」という問題を抱えている本シリーズとしては致命的であり、
加えて悪化したバランスにサブイベントの無さ、意地悪だったり不便だったりする仕様の数々などから評価は低く、シリーズ初の据置機&3D作品としては残念な出来になってしまった。

バランスは一部機体以外はゲームとして成り立っていないほど破綻しているわけではなく、それとロードの長さに目を瞑ればという条件付きだが、ブーム全盛期の勢いを感じることのできる作品ではある。
当時としては数少ないメダロットを3Dモデルで見られるゲームであり、「アークビートル*11」「シンセイバー*12」「ファンシーロール*13」をはじめ本作から登場した人気機種もいるため、あと数年遅く出ていればもしかしたら化けていたかもしれない。

余談

  • 本作のメダロットデザインはイラストSNS・pixivのランキング常連で有名なイラストレーターであるまるかた氏が担当している。
    • 正確には、まるかた氏を含めたデザイン担当3名による分業である。
    • ゲーム中には彼がモデルらしき「サークルカッター」なる人物が登場している。詳しくはここで。
  • 本作の発売に際して『りんたろう』も『メダロッターりんたろう!メダロットR』に改題。上述のアークビートルが主人公機となるなど、ゲームとのリンクが行われるようになった。
    • しかし漫画自体は独自路線に進み、ゲームの方も漫画とほぼ関係ないオリジナルのストーリーとなった。漫画はイッキ達は登場こそするが主役はりんたろうのままであり、逆にゲームの方にはりんたろうは上述の通りチョイ役でしか登場していない。
      • 漫画ではタイトルの「R」とは「りんたろう」の「R」であり、作中でりんたろうが「宇宙メダロッターR」に任命されることでタイトルに意味を持たせていたが、ゲームではそれらの設定も無く特に明かされることはない。
    • 作風自体、他のメダロット作品同様ゲームと漫画で大きく異なり、イッキ達の性格も本作ではゲーム寄り(上述したように本作独自の味付けはある)、漫画はアニメ版やほるま氏の漫画版に近いものであった。
      • 漫画自体は本作発売後もしばらく続いていたが、最後は打ち切りのような形で終わっている。改題時に大掛かりな予告が掲載され、伏線と思しき意味深な台詞が多数書かれていたが、それも殆ど回収されることは無かった。
    • また、アークビートル自体も本作の看板メダロットのように宣伝されていたが、実際にはメダロッターズ1位のヒカルが使用する形でしか登場しない、実質のエンドコンテンツ扱いである。しかもその後でコンビニでヒカルと再戦しても使ってこないので、1位戦しか入手の機会が無い。
  • 『りんたろう』ではヒカルは最強のメダロッターにして伝説的存在であり、非常に格好良く描かれている。しかし本作では外見こそ『りんたろう』準拠で最強のメダロッターにも違いないが、中身は他作品と同じく三枚目な青年である*14
    • 同じく『1』のキャラであるナエは『りんたろう』では『2』に先行して成長した姿(藤岡氏オリジナルのデザイン)で登場して毎度のようにヒドい目に遭っていた*15が、『1』の頃の面影など殆ど無いかなり大人びた容姿で描かれていた。本作でもそちらに準拠した姿で登場。本作では出番も少なく、ヒドい目にも遭わなかった。
    • 『りんたろう』は『2』から始まったイッキ編と同時期の話となっているが、元々はもっと未来となる時期を想定して描かれていた。藤岡版のヒカルやナエが『2』以降よりも大人びているのはそう言った事情もある。
      • 同様にほるま版もイッキ達の年齢設定はそのままにゲームより数年未来になっているが、こちらはゲームの方とデザインを共通しているので藤岡版ほどかけ離れてはいない。
      • このようにゲームと漫画では全体的に時代設定が違っている。その関係からか公式年表ですら「魔の十日間事件」の頃からズレが生じており、矛盾点や相違点が多い。

メダロットR パーツコレクション

【めだろっとあーる ぱーつこれくしょん】

ジャンル ロールプレイング
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 プレイステーション
発売元 イマジニア
開発元 ナツメ
発売日 2000年3月16日
価格 3,129円(税込)
判定 なし
ポイント ロード・ゲームバランスはそのまま
パーコレよりも力の入ってるポケステ
パーコレなのに全部揃わない
メダロットシリーズリンク

概要(Rパーコレ)

メダロットシリーズおなじみ「パーツコレクション」。
本作もロボトルを勝ち抜くことでパーツ・メダルを集めていくことができる。
しかし、プラットフォームによる独自のシステムで一層パワーアップキットらしい仕様になっている。

他のパーコレと比較して値段が安い。
この値段でも内容と釣り合いが取れているのかと言われると厳しいが。

特徴(Rパーコレ)

  • メダロットR(本編)のメモリーカードのセーブデータを読み込み、メダロットRパーツコレクション(パーコレ)のデータとして使用することが出来る。
  • 本編のデータを読み込んだデータでパーコレをプレイし、パーコレのデータを再度本編のセーブデータとして戻すことが可能。
    • 本編のデータをロードしてプレイしないと非常に手間がかかる(そもそも本編のパワーアップキットだから当然か)ので推奨する。
  • ポケットステーションを使用した「ポケットロボトル」で遊ぶことが出来る。
    • パーコレ内のセーブデータに保存した自分のメダロットとあらかじめダウンロードした敵メダロットを1対1で戦わせる。
    • 勝利するとパーコレ内で使用できるポイントを入手できる。
  • 基本的なカスタマイズやシステムは本編と同じ。
    • セーブデータを新たに作った場合の初期入手メダロットは固定。
      • 初期データからでもクリアできなくもないが非常に大変。
  • 今回はランキング戦になっておりプレイヤーは最下位の100位から始まる。
    • 上位のランカーに挑戦するには、ランクに応じたポイントを要する。
    • 一度勝利した相手以下のランカーとのロボトルはポイントを消費しない。
  • ロボトルに勝利すると相手のランクに応じたポイントを入手できる。
    • ポイントは上位ランカーとロボトルに挑戦する、ショップでメダロットを購入するのに必要。
    • 上記のとおり、ポケットステーションによる「ポケットロボトル」でもポイントを入手可能。

評価点(Rパーコレ)

  • R本編では入手できないパーツやパスワード入力パーツの入手が可能。
    • もちろんセーブデータを読み込んでおけばで本編で使用可能。
  • ハードが持つ特性によって、通信ケーブルなどの手間のかかるやり取り無しに、パーコレで入手したパーツを本編で使用することが可能になった。
  • R本編では入手の難しいメダルも入手可。
    • ランキング1位になると全メダルが全てプレゼントされる。
      • すでに持っているメダルに関してはそのメダルの全熟練度が増加する。
    • メダロット図鑑を完成させることで旧メダルが全てプレゼントされる。
      • 2では1からの転送で入手できたが、Rではパスワードによるパーツ転送しか無かったため、フォローともとれる。
  • ポケットステーションとの連動。
    • ポケットロボトルの内容は簡略化された行動で自動戦闘させるだけ。ドット絵は腕時計型玩具メダロッチ*16に使用されているものと同じ。
      • パーツの構成を変えるときちんと反映され、R初登場のメダロットにもグラフィックが用意されている。
  • メダロット図鑑を搭載。
    • 機体ごとに所持しているパーツ部位のみを表示するのは「メダロット パーフェクトエディション」に採用されていたが、明確に一項目に分離された。
    • これが以降のシリーズにも形を変えて*17採用される。

問題点(Rパーコレ)

  • 『パーツコレクション』のくせに全てのパーツが揃わない。
    • 本作は メダロットRのパーツコレクションにもかかわらず、Rで初登場したメダロットのパーツが一部揃わない。
    • 厳密に言えば『メダロット2 パーツコレクション』も『メダロット2』に初登場した全てのメダロットのパーツが揃うが、『メダロット1』のパーツは入手できなかった。が、それとこれは別。
      • もちろん1・2のメダロットのパーツも本作を利用することですべてそろうというわけではない。
      • このためメダロットRで全パーツをそろえるためには本編に加え、Rパーコレ(Rパーコレのみ入手可能なメダロット)、2(Rへパスワードによる転送)、1(1→2への転送、その後2でRへパスワード転送)が必要となる面倒なことになっている。
  • 更に戦闘に勝っても1パーツずつしか手に入らない。
    • 他のパーコレでは戦闘に勝つと初回のみ入手、パーツは決められたものが4つ一度に手に入る。
    • 長いロードのこともあり、パーツを集めるのには膨大な時間が必要。パーコレの利点が大きく損なわれている。
  • シナリオが何もない。
    • 本当に対戦相手99人のランキング戦のみ。もちろん通常のロボトル。『1』『2』パーコレのような必要最低限のストーリーや舞台設定も無い。
      • というか、そもそもランキング戦自体『R』本編のメダロッターズの使いまわしであり、セーブデータを取っておけば本編だけでも同じことはできる。
      • 使用メダロットこそ差異はあるものの、ランクインしているメダロッターも本編と同じ顔ぶれ。99人全員、順位も全く同じである。ランカーも元々モブメダロッターの名前を変えただけのキャラや同じ種類のモブキャラが多く、戦うことしか出来ない本作では本編以上に気になってしまうかもしれない。
    • 2パーコレに存在した「スペシャルロボトル」や3パーコレに多く盛り込まれたサブイベントといったようなものは一切無い。
      • つまり本作ではメダロット購入以外の寄り道が存在しないということになる。
    • 便宜上一応ロールプレイングにしているが、ぶっちゃけRPGはしていない。
  • パーコレとR本編のセーブデータは同じメモリーカードに入れられるのに、なぜかR本編のデータの取り込みは差込口2。
    • これにより、メモカを一つにまとめた場合は、パーコレのロード(差込口1)→本編のロード(差込口2に差し直す)→プレイ→本編セーブ(差込口2)→パーコレセーブ(差込口1に差し直す)……となり、メモカを二つに分けた場合は、ディスクを変える時に一緒に差込口を交換しなければならないので、どちらにしろ面倒な事になっている。
  • システムはRのままなので、ロードの長さやタイミング、戦闘バランスの悪さはそのまま。

総評(Rパーコレ)

作品単体でも1本のソフトとしてそれなりに遊べる他の『パーツコレクション』シリーズに比べ、本当の意味で「パワーアップキット」になっており、所謂アペンドディスクに近い位置づけになっている。
しかし「パワーアップキット」として見てもそのパワーアップに膨大な手間が掛かることと、何よりこれ単体ではパーツが揃わないという点がガンとなり、「パーコレ」シリーズの中でも特に評価が低くなってしまっているのも否定できない。

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最終更新:2023年06月12日 18:20

*1 『2』のメダリンクは25位から始まっていた。

*2 大会で優勝して有名人になったイッキを讃える台詞。

*3 ある時期にセレクト隊支部に行けば会えるが、それだけ。しかもそれ以外で支部に行っても無人である。

*4 ヒカル自体は伝説のメダロッターとして知られるが、コンビニの冴えないバイトの彼がその人だとは本編のシナリオ中では明かされない。

*5 ラスボス前座は『2』同様のゴッドエンペラー3体。ラスボスは『2』の裏ボス同様のプリミティベビー&ゴッドエンペラー2体。結局今回も反撃パーツ頼りになるプレイヤーが続出した。

*6 現在地で有効なパーツを紹介するシステム。メニュー画面から参照できる。

*7 アリカやカリンなどは小学4年生にもかかわらず“胸のふくらみ”がかなり大きい。

*8 テレビ局でエンカウントするが、敗北時の台詞が「アイドルを引退します…」。そ、そこまで思い詰めなくてもよいのでは…?

*9 「サムライ」のパーツなど。

*10 但し、性格は『りんたろう』とだいぶ違う。

*11 ヘラクレスオオカブトをモチーフにした重装甲カブトムシ型。ゲーム及びアニメで怪盗レトルトの愛機として登場する。

*12 新撰組をモチーフにした浪士型。Rの機体らしく行動はパーツごとにバラバラだが右腕「コテツザンゲキ」の威力が魅力的。

*13 白とピンクの魔法少女型。デザインでは二足歩行だが魔法少女らしく飛行タイプで、行動はやはりパーツごとにバラバラ。余談だがアニメでの登場回はトラウマ回として有名である。

*14 普段は好青年として振る舞うも、ロボトルで負けるや否や「なんでオレが負けるんだよ~」と素を晒す。

*15 会社の重役に未完成のブラックメイルを強引に持ち出された上に潜水艦に同乗させられ、沈没にも巻き込まれた。後の回では何故かその重役の左遷の巻き添えで北国に飛ばされている。

*16 メダロットシリーズに登場するメダロットを管理するための媒体。それをホビー化したものであり、イマジニア販売ナツメ開発。スロットにメダルをはめると液晶画面にメダロットが表示される。

*17 4・5のライブラリー、DSのアルバムアプリに相当