MOTHER3

【まざーすりー】

ジャンル RPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 256MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 任天堂
東京糸井重里事務所
ブラウニーブラウン
ハル研究所
発売日 2006年4月20日
定価 4,571円(税別)
セーブデータ 2個(フラッシュメモリ)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2015年12月17日/650円(税別)
レーティング CERO:全年齢対象
判定 良作
ポイント 前二作とはまったく異なる世界観
全体的に重いが、作り込まれたストーリーと演出
描写不足で人によって解釈が分かれる結末
恐怖のきゅうきょくキマイラ
MOTHERシリーズ
MOTHER / MOTHER2 / MOTHER1+2 / MOTHER3


概要

糸井重里氏プロデュースの任天堂のRPG『MOTHER』シリーズの3作目にして(現状の)最終作。
キャッチコピーは「奇妙で、おもしろい。そして、せつない」。

制作者である糸井氏から本作がシリーズの完結編であることが明言された。


発売までの経緯とユーザーからの評価

当初はSFC用ソフトとして製作が始まった。その後N64DD→N64にプラットフォームを移して開発が進められていたが(WebArchive)、長期の発売延期の末様々な要因が絡み開発は見送り、発売中止となった。*1
その後ようやくGBA用ソフトとして開発が再開し、ニンテンドーDS Liteも発売されたGBA最末期にようやく発売となった。そのために日本一難産だったゲームとも呼ばれている。
タイトルも『MOTHER3 キマイラの森』→『MOTHER3 奇怪生物の森』→『MOTHER3 豚王の最期』→最終的に『MOTHER3』と、紆余曲折を経ている。

12年ぶりのシリーズの新作、ファミ通レビューにおけるシリーズ最高点/プラチナ殿堂、柴咲コウをCM起用しての力の入ったプロモーションと、ユーザーの期待はいやが上にも煽られることになった。
そうでなくとも一度開発中止が公表された際に多くのファンが落胆していたため、本作の発売は大きな喜びを持って迎えられた。
それはGBA末期、任天堂の次世代型携帯機「ニンテンドーDS」が既に発売されていたにもかかわらず、約40万本の売上を達成し、日本語版Wikipediaにも「GBA最後のヒット作」と記述されている事からもうかがえる。

以上の経緯から、本作は発売当時のファンの期待が相当に大きいものであった。
そのため、かつてはシリーズファンからかなりシビアに評価をされる傾向にあったことにも留意。


特徴・新要素

  • ストーリー・世界観について
    • 前作までの架空の現代アメリカ風の世界観からガラリと変わり、謎の時代・謎の世界に存在するただ一つの島「ノーウェア島」を舞台に今回の冒険は繰り広げられる。
      • アメリカンカルチャーを根幹のモチーフとして統一していた従来作と異なり、今作中の名詞などには日本的な要素も取り入れられている。
        例を挙げると、地名「タツマイリ」「オオウロコ」、両親に対する主人公たちの呼びかけが「おとうさん」「おかあさん」など、日本語由来の表現が多い。
        一方でキャラ名は日本語風・英語風だけでなく、メインキャラのデフォルト名であるリュカはフランス語源、その兄・クラウスはドイツ語源だったり、ある種族はギリシャ語の音楽用語から名前をとっていたりと多国籍的な雰囲気を漂わせている。
      • 加えてストーリーの舞台となるノーウェア島の"Nowhere Islands"="どことも知れぬ場所の島"というネーミング通り、本作の世界観に関する全容はストーリー開始時点や取扱説明書ではほとんど説明されずにスタートする。
    • シリーズ独特の「糸井風」なセリフまわしやキャラクターは健在だが、本作ではそこで特に重いストーリーが展開される。
      ネタバレは避けるが、物語が進むにつれ、前作の牧歌的雰囲気や前々作の若干リアリティがあった雰囲気とは大きく異なる世界観であることが明らかになる。
    • 前2作と比べ、登場人物一人一人の描写が細かく、ドット絵の動きも凝った作りになっている。
    • 実は本作は『2』の続編でもあり終盤においてとあるキャラクターを中心に『2』との繋がりを感じさせる要素が登場するようになる。
  • シリーズ恒例の凝ったライブシーンは健在。そのシーンを担当するバンドグループ「D.C.M.C.」は本作メインキャラと非常に縁深く、前作における「トンズラブラザーズ」を上回る勢いでストーリーの本筋へ関わってくる。
  • 戦闘システムの新要素「サウンドバトル」
    • プレイヤー側キャラクターは通常攻撃の際、戦闘BGMのリズムに合わせてボタンを押していくことで、通常攻撃の攻撃回数を増やしてダメージ量を上げる事が出来る。
      • その効果は馬鹿にならず、最大16HITSまで行くと約2.5倍のダメージを与えられる。2HITS以降の威力は低いが、10HIT目と16HIT目はやや高い。
      • なお、「敵に通常攻撃の一発目を回避された」場合や「敵が物理攻撃に関するシールドを貼っている」場合など、追加攻撃ができずサウンドバトルが成立しないケースが存在する点には注意が必要。
    • 戦闘曲は多種多様で難易度にも落差があり、エンカウント時に先頭を務めたモンスターによってどの曲が割り当てられているかが個別に決まっている。
      • 強い敵になると変則的・不規則なリズムを持つものや、途中でリズムとテンポが大きく変わる、唐突に余分な変拍子・休符が入るなど、HIT数を露骨に打ち切ってくる嫌らしいBGMを持つ。
      • 小ネタ程度だが、BGMを変える技を出してくる敵もいる。
    • 『2』から継承された「ドラムロール式パラメータ」との兼ね合いにより、致命的なダメージを受けた場合などはサウンドバトルを長々と狙うよりも迅速な回復を優先したり、あるいはボタン連打で手早くターンを回して通常攻撃を連発し、捨て身で攻撃し続けたほうが良い場合もある。
      • 上記のような状況が考えられる以上、敵の強烈な全体攻撃が目立つようになる終盤では「サウンドバトルでの16回攻撃完走」が可能になるまで練習したからといって固執すると逆に痛い目に遭うことがある。上達におけるマンネリ化が防がれている側面でもあると言えるだろう。
  • 新要素「とくぎ」
    • 『2』にもキャラ専用の効果を持つコマンドは存在したが、本作ではそれが更に掘り下げられ、個別に「とくぎ」が与えられた。なおシリーズおなじみの「PSI」も「とくぎ」の一種扱いとなる。
      • 例えば1章の主人公・フリントのとくぎ「きあいをいれる」は、自力でバフ効果を得たりぶんまわして全体攻撃したり、外れやすいが強烈な一撃を与えるコマンドが選べる。2章の主人公・ダスターのとくぎ「ドロボーグッズ」は何度でも使える異なる効果を持つ6種の道具を使える。
      • 基本的に主人公にはならないメインキャラ・ボニーにも、『2』のジェフが相手の特徴をチェックするのを元にした「においをかぐ」というとくぎが与えられており、キャラの個性をよりわかりやすく深めている。
  • 『2』から継承された「ドラムロール式パラメータ」の改良
    • ドラムロール式パラメータの詳細については前作の項を参照。
    • ドラムの回転速度は前作よりもかなり遅くなり、キャラが成長する毎に致命的なダメージを受けた場合の対処を立てるだけの余裕が広がっていく。ガード中は更にHPの減少が遅くなる。
      • その分、後半の強敵の攻撃力はターン制RPGとしては相当高く設定されている。過度なレベル上げでもしない限り、終盤は「致命的なダメージを受けながら無理矢理戦闘を続行する」非常事態を乗り越えつつ戦うことを半ば前提としたバランスともとれるようになっている。
    • ドラムロールの仕様は前作と少々異なり、HP計算がドラムロールを介さずに行われるようになった。
      つまりどのタイミングで回復したり・ダメージを受けても、最終的なHPは変わらない。
      • 例:HP150で300のダメージを受けた直後にHP120回復した場合:減少は必ず120で止まる。ドラムが120を下回っていた場合、120まで上昇しだす。
      • HP300でダメージ290を受けた直後にHP120回復すると:必ず(300-290=10)+120=130HPとなる。ドラムが130を下回っていなかった場合、130まで減少し続けてからストップ。
  • 戦闘時に敵が多く出現した際の仕様の変更
    • 本作は、戦闘で同時出現する敵の最大数は3体まで。しかし敵パーティーは4体以上の編成もありうるようになっており、その場合は先に画面上で戦っている敵を倒した時点で4体目以降が空きスペースに増援として出現する。こういったシステムはシリーズ初となる。
  • 便利なセーブポイント「カエル」
    • 前作までは電話、或いはその類の物で主人公のパパに連絡する事でセーブとお金の振り込みを行っていたが、世界観の変更により、そこら辺にいる「カエル」に話しかけてセーブする形式となった。
    • 電話形式だとセーブポイントがほぼ家か町中に限定されていたのに対し、今作ではカエルだからかフィールドの途中やボス戦前などかなり細やかに配置され、ゲームオーバーによるやり直しのストレスが大幅に改善されている。また『MOTHER』らしく、カエルにも場所によって個別のセリフやユニークな行動を取っていたりと、個体ごとの個性が実に豊か。
    • 「DP」という通貨のような概念を取り扱うこととなる後半は、カエルでDPを預けたり引き出したりする要素が追加される。『2』でいう「キャッシュディスペンサー」の役割も担う様になり、益々便利になる。DP関連のことが出来ないカエルも一部居るが、買い物が出来る場所の近くには必ずDPを担当できるカエルが存在する。
  • 便利な回復ポイント「温泉」
    • 回復ポイントもまた世界観の変更により、前作・前々作のように「ホテルや宿に有料で宿泊してHP・PPを回復する施設」の要素は廃止されている。*2
    • その代わりに、あちらこちらに少し浸かるだけでHP・PPが全回復できる「温泉」、或いはお風呂的なものが存在する。こちらも長いフィールド移動の途中や特定のダンジョンに配置されている事が多く、近くにセーブカエルがいる事も少なくない為、拠点にしてレベル上げやDP稼ぎをしやすくなった。
    • また温泉ほどの外見的インパクトはないが、『2』の「インスタントエナジーマシン」を彷彿とさせる瞬時回復ポイントや、「青いクッション」「おやすみソファー」といった回復ポイントもある。
    • 前作までは戦闘不能になると幽霊の様な姿になり、病院(有料)やアイテム・PSI等で蘇生させる必要があった。今作は戦闘不能になるとぐったりとしてはいるが後をついて来てくれ、上記の回復ポイントで全快出来るようになった。また、全滅しても全員全快状態でセーブポイントからリスタートするようになった。これに伴い、前作までの病院に相当する施設も本作には登場しない。
      • なお、前述した通貨「DP」を取り扱う後半では全滅すると所持DPが半減するペナルティあり。カエルに預けているDPは全滅しても減らないので、リスク分散として一部預金しておくのも立派な作戦。
  • 世界観の変更により前作までの「町から町」への移動シチュエーションが皆無になった故の要素ではあるが、「カエル」と「回復ポイント」のおかげで、結果的に移動・探索面では前作よりも快適となっている。
  • 前作のともだち2(ジェフ)の専用アイテムの様な強烈な効果を持つアイテムは無くなったが、その代わりに全部のアイテムを全員が使える様になった。
  • 「サウンドプレイヤー機能」の導入
    • ゲーム中のほとんどのBGMを自由に視聴できる機能。複数の曲をお気に入りリストに登録して、まとめて聴いたりすることもできる。
    • 現時点では聞いたことのないBGMも名伏せで聞ける。そこで聞ける収録総曲数はなんと250曲。GBAでは破格の曲数と音質である。
      • 曲数が膨大な理由は「サウンドバトルのためにリズムが変わったアレンジ曲」をそれぞれ別々にカウントしているからという一因もあるが。
    • タイトル画面からサウンドプレイヤーに入れるため、GBAを携帯プレーヤー代わりに使う事が出来た。当時としては画期的な機能だろう。
  • 「たたかいのきおく」と呼ばれるモンスター図鑑が追加された。
    • 一度戦った敵のグラフィック、『糸井節』あふれる図鑑説明が自動で登録される。模擬戦も行えるので敵の戦闘BGMを聴いてサウンドバトルの練習もできる。詳しくは後述。

評価点

ストーリー面

  • 後述している通り非常に重い部分が点在するが、そういった陰の部分は本作の持つ顔のひとつに過ぎない。
    翻弄されるフリント一家などのタツマイリ村の村人、玩具の様にキマイラへと改造されながらも生きつづける動物たち、謎の超常的存在である「マジプシー」、悪役ながら様々な側面を見せてくれるブタマスク軍……
    悲しい展開が目立つものの、人間讃歌・命の讃歌というコンセプトは一貫している。
    • 最初は甘えん坊の気弱な幼子という脇役として登場するリュカは、物語が進むにつれて肉体的にも精神的にも成長していくき後半のメイン主人公となる。しかし、冒険の果てにリュカが挑むラストバトルは、あまりにも重く悲しい。
    • 悲劇に苛まれ続けてなお息子2人を支えようとする亡き母の愛、ダスターとウエスの不器用な親子関係、DCMCメンバーの絆、シログネ山でのエピソードなど、人の優しさ、人と人との繋がりが描かれる場面が非常に多く、そういった部分に感動・共感するプレイヤーは多い。
  • 本作の舞台設定は簡素なようで非常に練られている。冒険の果てに辿り着く「世界の真実」はプレイヤーに多大な衝撃を与える事必至。
    • 序盤はいかにも田舎の牧歌的な村といったタツマイリ村は、ブタマスク軍によって歪で急激な近代化を遂げて、村人達の絆も揺らいでいく。一見安易な文明侵略とそれへの批判的描写にも思えるが、この世界の真実/過去を知ると一種の悲しみと皮肉が見えてくる。
    • 最初から登場しているタツマイリ村の住人には原則として名無しのモブが存在せず、全員に明確なキャラ付けがされている。ストーリーの展開に伴い彼らの人生も展開してゆくなど、人物描写はかなり細かく丁寧。また、飼育されている動物や村に住み着いている「ノラいぬ」など個人名が分からない動物もいるが、多くの者は過去シリーズ同様に人間の言葉で普通に喋るため人物描写が細かい。
      • 最初は気づきにくいが、これが「みんな居なくなってしまう寂しさや恐ろしさ」にパンチを加えている。
  • 敵役であるブタマスク軍団は、序盤は謎の侵略者達という完全な悪として描かれているものの、中盤以降はこき使われてくたびれてる下っ端、中間管理職的な立場に悩んでいる少佐といった人間味あふれる姿で描かれている場面も多く、ブタマスクも黒幕に従う悪役ではあっても自分と同じ人間であるとプレイヤーに感じさせる。
    • はからずも敵側の人間に扮して敵の施設に潜入する事になる場面がいくつかあるが、そんなブタマスク達と戦うことがない場面では、彼らはむしろ過剰なまでにお世話を焼いてくれるのも面白い。
    • 動物たちは序盤は明確に被害者として描かれているものの、年月が経つとキマイラになった後も独自の生態系を築いて暮らしている「ぶんちょうぼう」のような種族がいたりすることも分かる。キマイラそれぞれのシュールなデザインと相まって、大自然のたくましさをユーモラスに描いている。
  • 「きゅうきょくキマイラ」のインパクトが抜群。
    • 中盤に訪れるダンジョンで登場し、ダンジョンの中にいるキャラクターたちから「奴には近づくな」というニュアンスのセリフを幾度か聞かされる。
      • そして、なんと、触れるだけで戦闘にすらならず、かじりつかれてゲームオーバーになってしまう。「隠しボスの類かな?」などと勢い勇んで突っ込む数多のプレイヤーを返り討ちにした。このインパクトが大いに受け、話題となった。
  • 非常に充実した小ネタの数々。
    • 前作までは一部を除き、背景の棚や引き出しといったオブジェクトをチェックしても大抵「◆もんだいなし。」であったが、本作ではオブジェクトにも逐一コメントや小ネタ、一言ネタが隠されている。中には意外なアイテムを手に入れられる場合も。
    • ストーリー進行上全く寄る必要が無い場所でも、思わぬ変化が起きていることが多い。
    • 村人達もゲームの進行によってどんどんとセリフや状況の変化が起きる。村人それぞれがそれぞれの生活をし、心境の変化が起きている事もセリフからうかがえる。
  • 『2』EDには今作に繋がる重要な伏線があり、それは本作においてしっかりと回収されている。

前作からの進化

  • キャラクターの動きおよびグラフィックのパターンが多彩になり、滑らかにアニメーションするようになった。
  • Bボタンによるダッシュで、いつでも走って高速移動できるようになった。
    これにより過去作の問題点の移動速度の遅さが大幅に改善された。
    • 走っていると主人公より圧倒的にレベルの低い敵を蹴散らせるので、不要な雑魚との戦闘をしなくて済む。
      • ただし、前作と異なり経験値は入らない。圧倒的なレベル差があるならこの程度は不要だろうが…
        またこの要素の導入に伴ってか、「戦闘画面に入る前の決着」は廃止となっている。
    • 便利なだけでなく、走らなければいけない場面が幾つかある他、走ることで見られる小ネタもいくつかある。
  • アイテム欄の改善
    • ストーリー進行に関わる最重要アイテムは、通常アイテムとは別枠で「だいじなもの」として管理されるようになった。
    • 預かり所で預かってくれるアイテム数も大幅に増加した。
    • 小さく簡易的だが、装備品やアイテムのグラフィックが表示されるようになった。
      面白い名前や効果を持つ装備やアイテムも多いだけに、地味に嬉しいところ。
  • 戦闘中にSELECTボタンを押すと、戦闘中にPSIやアイテムの簡単な説明が常時表示される状態にも変更できるようになった。必要がないときは再度SELECTボタンで説明非表示に戻すこともできる。
  • その場所のマップが入っている青いヒモのプレゼントボックスが登場。一旦手に入れれば、ダンジョンでもそれぞれのマップが見られる様になった。
    • マップについても、マップ所持済の場所であればボタンひとつで即閲覧する事ができるようにUIが進化している。

戦闘

調整不足により高難易度気味だった『1』、敵も味方側も全体的にインフレ傾向の『2』と基本的にMOTHERシリーズはバランス面での大味さが目立っていたが、本作は全編絶妙な難易度でまとめられており、シリーズで最もゲームバランスは良好な範囲に収まっている。

  • ゲームバランス
    • ストーリーを進めながら適度に戦闘をこなせば概ね適正レベルに到達して新しい装備品を大体買い揃えるお金が貯まり、ボスには適度に苦戦できる…という絶妙なバランス。
      地味ながらレベルアップ式のオーソドックスなRPGとしては一番の評価点と言っても差し支えない。
  • PSI
    • 実質PKフリーズ一強だった『2』から、攻撃PSIに調整が入った。特に『1』のような全体攻撃に戻って威力も効く相手も増えたPKファイアーや、サイコシールド貫通のランダム単体攻撃というのはそのままだが有効な敵が出てきて命中率が大幅に上がったPKサンダーなど、攻撃系PSIが大幅に強化された。
    • 逆にPKフリーズは耐性を持つ敵がほぼ居らず一強の攻撃PSIであった『2』から性能自体はほぼ変わらず扱いやすいものの、強耐性を持つ敵が多く増えている。強さはそのままに使い分けの必要性を持たせたのは良調整といえる。
    • シールドをかけた、またはかかった状態で対応する攻撃を受けた時にステータス部分にシールドのアニメーションが表示されるようになった。前作では文章と音でしか表示されず、シールドがかかっているのか効果があったのかわかりづらい部分があったので、大きな改善と言える。これは敵にシールドがかかっている時も同様。
    • 状態異常回復の「ヒーリング」も上位のものに互換性がついた『2』仕様を更に強化。「α」はきぜつ(戦闘不能)以外のどれか1つ、「β」はきぜつ以外の個人の全異常回復、「γ」はきぜつからも復活、「Ω」で復活も含め全体化……と大幅にわかりやすく、かつかなり強力に。
      • また前作の「ふしぎなきもち」「ミニミニユーレイ」の様なヒーリングでも治せない厄介な状態異常は全て廃止されており、あらゆる状態異常がその場で対処可能となった。
  • 前作ではイマイチ効果の薄かったバフ・デバフの効果が大幅に強化された。特に終盤のボス戦はこれの活用を念頭に置いてバランスが組まれている。
  • 前作に比べてドラムの回転速度が遅くなった分、敵の一発の攻撃力が高めなので、致命的なダメージを受けた場合の適度な危機感という、ドラムロール式HPの妙味を味わう調整となった。
  • サウンドバトル
    • 詳細は前述したとおりだが、通常攻撃について「ボタン連打が最適解」ではなくなり、飽きにくくなっている。うまく決められれば1ターンでの火力が最大2倍程度になり中々爽快感がある。
    • ゲームに必須というほどのものではなく、サウンドバトルを成功させなくても前作に近い感覚で戦闘を行うことができ、クリアは十分可能という按配で割と良好な調整。「無理に狙わなくてもいい」事はゲーム内のアドバイスキャラにもきちんと言われる。
      • これも前述したとおりだが、パーティー全員の大ダメージなど「サウンドバトルを成功させ長くコンボをつなげていた方が被害が大きくなる」状況も考えうる。そのため、最大数ヒットを狙える腕前になってからも数コンボで終わらせる、ボタン連打で早くターンを送る、などの使い分けの余地もある。
    • 相手の「ねむり」状態がサウンドバトルの補助要素となっているためか、本作はRPGでも類を見ないほど相手が「ねむり」状態になりやすい。ボスにまで「ねむり」が通用する事がある。
      • ただし、「ねむり」状態は本作では敵味方とも「ダメージを与えたら解除される可能性がある」という仕様に変更されている都合上、ねむり状態にしたからといって一方的に倒せるほどではない。また、ボスへの成功率は高いわけでもない他、一部の敵は完全耐性があるので過信は禁物。
  • 装備
    • 前作までは防具は基本的にディフェンス(防御力)上昇とPSI・状態耐性くらいしかなく、より良いものにステップアップしていく以外の選択肢がなかったが、本作ではPP値上昇や他のステータス上昇ボーナスを持つ防具が大幅に増えて、より高いディフェンスを取るかボーナスを取るかといった選択肢も増えた。
    • 武器も同様に少し上昇値が低くてもステータスアップボーナスを持つ武器が登場する様になった。
  • 敵キャラのグラフィックのバリエーションが増えた。
    • フィールド上の敵シンボルは、ある例外を除き完全に敵ごとに固有。
    • またボスを除いたほとんどの敵には、戦闘画面でのグラフィックに「後ろ姿」といったものが追加された。敵シンボルに背後から接触すると、後ろ姿の敵と戦闘開始になる。
      • 敵に背後から接触すると1ターン先制攻撃できるため有利。逆に背後をとられると基本的には不利(今回は背後を取った方が逆に不利な相手もまれにいる)。敵のフィールド上での行動パターンも前作に増して個性がありシンボルエンカウント形式を存分に活かしていると言える。

サウンド

  • 音楽の質・収録数共にGBA最高峰とも言われる。
    • 新作・旧ハードからの移植作共にどんな名作でも問題点・ガッカリ要素に挙がりやすい「GBAの音質の悪さ」だが、本作はGBA末期の発売とはいえ、既に発売していた次世代機のニンテンドーDSとほとんど遜色無い高音質を実現している。少なくともGBA作品にありがちな「くぐもった様な音」「GB音源が目立ちすぎる箇所」は本作には全く無い。
    • 旧作の鈴木氏・田中氏コンビからバトンタッチされた酒井省吾氏のBGMも評価が高く、本作のテーマソング「愛のテーマ」を始め印象的な音楽も多い。
      • タツマイリ村のテーマ曲「ハッピータウン?」は最初は幸せそうな雰囲気だが、進行するにつれシナリオに寄り添った空虚さ・孤独感を孕むアレンジへ変化していく名曲。
      • バトル音楽も『2』は全体的にサイケでエキセントリックなバトルBGMが多かったのに比べ、『3』ではシリアスな音楽からコミカルな音楽、果てはクラシック音楽を流用した荘厳なものまで幅広く用意されている。中でも、ボス戦BGMとして流れる機会が多い「いわれなきリベンジ」「ブッコワシ賛歌」の2曲は、『大乱闘スマッシュブラザーズX』で使用されたこともあり人気が高い。
      • 過去作のアレンジ曲・オマージュ曲も数多く、前作までの音楽に親しんだプレイヤーならニヤリとできるようなBGMも。
    • それだけにサウンドプレイヤーの導入は嬉しいところ。プレイヤーとしての操作性もかなり良好。
    • 上述のバトルとの絡みやサウンドプレイヤー、収録曲数なども含めて完成度は高め。
    • 質の高さもさることながら、場面にあったメロディーがしっかりとアレンジされており、演出としての評価も高い。

賛否両論点

ストーリー面

  • 前作よりもストーリーやイベント面にはかなり力が入っており単体の作品としては非常に高評価されているのだが、基本的に明るいイメージが漂う世界観だった前作から一転してシリアス要素を強く含んでいる。
    • 実際にキャッチコピーや異質なタイトルロゴ等からも分かるように本作は決して明るいゲームとはされていない。特に前2作では間接的表現に留まっていた「キャラクターの死」が明確に描写されるシーンがいくつもある他、ショッキングなシーンや心をえぐる様なセリフ・表現が点在しており、ゲーム単品で見ても単純明快な内容からは明らかに離れたストーリー展開となっている。
    • この内容により発売から長い時間が経過しても「本作のノリが受け付けられない」として拒否感を示すファンが多く、中には『3』はなかったと黒歴史扱いする人もいた。
    • とはいえ初代『MOTHER』では終盤の街で壊滅的な状況やメインキャラの悲惨な生い立ちを目の当たりにする、各地で誘拐事件や失踪事件が発生しており、被害者の中にメインキャラの家族が存在しているなど、描かれ方はさりげないがシリアス要素そのものは1作目で既に描かれている。
    • また本作を否定するファンから比較に挙げられる『MOTHER2』も全体通してこそ明るいものの「ムーンサイド」の話、ラスボスの姿など『3』以上に狂気を孕んだシーンは数多く存在した。そのため「唐突に路線変更した」という意見は厳密には正しくない。
    • シリーズで前作までからストーリーの方針を大きく変えるといった事は往々にしてよくある話であり、それ自体は否定要素になり得ない。つまるところ、プレイヤーの感性がこの作風に合っていたか否かといった話でしかない。
    • しかし基本的に明るい世界観を維持していたシリーズで全体通して重くシリアスなストーリーが描かれるという今作の作風の毛色の違いに戸惑う人は非常に多かったのも事実ではある。
      • 特に「鬱ゲー」と呼ばれる所以は、本作屈指のショッキングなイベントが、よりにもよってゲームを始めたばかりの第1章にあり、その際の出来事が最後までメインストーリーに関係してくるのも一因と思われる。
      • この第1章では幸せに暮らしていたメインキャラのフリント一家に悲劇が襲い掛かり、プレイヤーの心を打ちのめす構成となっている。この演出は本作の黒幕の起こした残酷な所業がしっかり作中で表現されており、後に登場する主人公のドラマを盛り上げる事にも繋がる重要な部分ではあるが、結果的にこれが『3』全体の暗いイメージを固定してしまったのは否めない。
    • なお「終始プレイヤーを打ちのめす、重く暗い、鬱ゲー」という先入観で語られがちであるが、メインストーリーの中にもちゃんと明るくコミカルなシーンや、キャラ間の愛や友情に思わず暖かさを感じホロリとさせられてしまうシーン等、従来の『MOTHER』らしい要素は全編でちりばめられている。プレイしてみれば、楽しさも悲しさも切なさも全て体験できる、いつもの『MOTHER』をより濃密にしたものである事がわかるという意見は現在としては数多い。
  • 本作においても「糸井節」とも言える印象的なセリフ回しは存分に発揮されているが、キャラを通じてプレイヤーの心を困惑させたり掻きむしる様な「イヤなセリフ」や、シリアスなシーンに躊躇なくブチ込まれる悪ふざけの様なギャグが少なからず点在する。
    • これ自体は前作までにも見られた要素だが、単純に数が増えた上、本作のシリアスシーンが今までより重苦しい物になっているため、より目に付きやすいものとなっている。
      これを本作のストーリー展開をより深いものとする「エッセンス」と受け止めるか、単なる「悪趣味」と感じるかは人によって分かれやすいと言える。
    • 糸井氏は本作にて、 あえて「心に傷跡をつける」様なセリフを増やした 事を明言している。
  • 終盤で本作の世界観に関する重要な事実がある人物によって明かされるのだが、その内容が唐突かつやや説明不足。
    • ゲーム最終盤、本作の世界観に関する非常に重要な設定が判明することとなる。しかし、ノーウェア島から出ることがない本作のストーリーの都合上、全てテキストで語られるに留まり明確な形で描写されることはない。
      伏線自体は張られ続けているのだが、それまでのストーリーで直接回収するようなイベントが無く、あくまでそれを知った上で初めて気が付く程度に収まっている。
      そもそも知った所でその設定を確かめる術が作中になく、設定を明確に活かしきれているとは言えないため、プレイヤーからすると「ただ裏設定を並べ立てただけ」にしか見えない。悪く言えば製作者の自己満足に見えてしまいかねないものとなっている。
    • 開発当初はもっと主人公が多く、全12章構成の予定だったものが、最終的に全8章構成にまとめられた関係でこうせざるを得なかったとのこと。
      • ちなみに一部のユーザーからは、GBAの容量不足の問題でこうなったと思われているが、実際にはN64での開発中にすでに8章に組み直されていた。
        というのも糸井氏の構想があまりに壮大だったため、ゲームでの完全実現は無理だと判断されていたとのこと。
      • 糸井氏も「シナリオを本にして出したらどうだ」などと言われたと述べている。が、そういった本は(今のところ)出版されておらず、当初想定していたシナリオも結局明かされることはなかった。

ストーリー面以外

  • 前二作と比べると平均クリア時間は約20時間ほどとボリュームは薄め。
    • その大きな原因はマップと冒険のスケールにある。『1』はアメリカの片田舎という規模的にはこぢんまりした舞台設定ながら広大なマップでボリュームある冒険を演出しており、前作に至っては地球規模の世界を舞台にしたスケールの大きい世界観の中で旅情感溢れる冒険を繰り広げていた。
      一方、本作の舞台はノーウェア島のみである上、マップも広大というわけではない。その都合上、どうしても世界観のスケール感やゲーム全体のボリュームを感じにくくなっている。
      • マップが狭い分しっかりと作り込まれており、シナリオの進行によって様々な変化が起こる。そうした細かな変化を見出すことに楽しみを見いだせるプレイヤーにとっては評価点といえる。 また、舞台が狭いからといってもマップが代わり映えしないということはなく、ひとつの島のストーリーとは思えないほど場所ごとに変化に富んでもいる。
  • 細かなストーリー誘導
    • 今作は舞台が狭くなった分、前2作にも増してシチュエーションやイベントが多い。そしてそんなイベントの区切り毎にタツマイリの村人やマジプシーや仲間達、果ては敵であるはずのブタマスク達までもが、時にシリアスに時にコミカルに「次にどこに行って何をすべきか」を親切丁寧に教えてくれる。中でも村人のひとり「地図好きのマップソン」に話しかければマップに行くべき場所をチェックしてくれるということで、『2』の「ヒント屋」は廃止されている。
    • だが親切丁寧な一方、ストーリーも基本的には一本道なので「自分で考えて進むのではなく、ただゲームに誘導されているだけ」という意見も少なからず存在している。少なくとも「ゲームとしての自由度」は前作にも増して低い。
      • ただし7章では、ポイントを知っていれば話の流れを無視して針の抜く順番をいくつか自力で変えることも可能。戦闘の難易度は上がるが。
      • そしてスタッフもそれを見越して、流れを変えた場合でしか見られない小イベントや小ネタ・セリフが用意されている。シークエンスブレイクへの丁寧な対応策はさすがの任天堂作品である。
  • 最終章である8章はタツマイリ村から離れたある場所が舞台となり、8章が始まるともうそれ以外のノーウェア島内の各土地には戻れない
    正確には7章の終了時点でイベントによって、強制的に最終章の舞台となる場所に移動する。8章はその一つの大きな場所を探索する事となる。
    • 『2』のラストダンジョンも一度行ったら後戻り出来ないという要素があったが、今作はそのラストダンジョンに相当する場所だけでまるまる1章分充てられている。8章は非常に濃い上にそれまでの章と比してもかなり長い章となっており、ボリュームたっぷりなだけに「もう後戻り出来ないラストダンジョン」のつもりで挑むことは非推奨。
    • ただ経験値稼ぎやアイテム購入等、突入後の準備・強化が十分できるようになっているので、ノーウェア島内を自由に散策できなくなったからといってゲームの進行が困難になる事はまず無い。
      最終章に行ける直前の段階ではタツマイリ村のほとんどの住人は先んじてそちらに移動しており、すっからかんになってもいる。
    • 当然ながらアイテムや「たたかいのきおく」を取り逃していると7章終了時点で回収は不可能になる。
      もっとも「たたかいのきおく」はストーリー展開を知らないでコンプリートできる代物ではないし、取り逃して最終章の進行で損をする様なアイテムも特にないため、その点は配慮されていると言える。
    • 後述にもあるが、本作ではセーブデータ枠が2つしかないので、尚の事この点を感じやすい。
  • サウンドバトル
    • 戦闘面での本作のウリの一つだが、この手のリズム要素が苦手な人は少なくなく、誰にでも楽しめる要素ではない。
    • BGMをじっくり聞かないと満足に行えないため、人通りの多い場所や騒音のする場所でプレイする場合にイヤホンが必要になってくる。
      • またGBAのボタン音は決して小さくないのでBGMを聞きにくくタイミングを合わせづらい。眠らせることで正解のリズムに合わせた効果音が流れるが、ハード上の問題の前では同じことである。
  • 「たたかいのきおく」をコンプリートするのが非常に大変
    • 本作のやりこみ要素のひとつで、基本的に戦うだけで追加されていく。だがほとんどのザコ敵が通常絵と背後絵の両方が用意されており、それもコンプリートしようとすると非常に大変。
      また上述したストーリー進行の都合上すべての敵が期間限定と言え、しかも「たたかいのきおく」はサウンドテストと異なりプレイデータ中のアイテム扱いなので、一回のプレイでコンプリートしなければならない。
      • 背後絵に関しては、ダスターがパーティにいる時は戦闘中にとくぎで敵を後ろに振り向かせられるが、ダスターが居ない時期にしか戦えない敵も少なからずいる。
        その場合は「マップ上で動き回る敵シンボルの行動ルーチンを完璧に把握してどうにか背後を取る」「戦闘終了後や逃走直後の無敵時間の間に敵シンボルに重なって無敵時間終了と同時に無理矢理背後をとる」「レベルを過度に上げて主人公から全力で逃げるようになった敵シンボルを追って背後を取る」といった方法でカバーすることになる。
    • ストーリー上では行く必要がない場所とタイミングでしか戦えないレアモンスターも数体存在する。
  • 全体的にアイテムの種類が少ない。
    • 前作までにあった、能力を上げてくれるアイテム・味付け小物*3はカットされた。
      • しかしそれらは前作でも効果がとても大きいというほどでもなく、あくまでオマケ要素である。
    • 前作はPP回復アイテムが買えたが、本作ではプレゼント箱やスロットを除けば、敵のドロップ等でしかPP回復アイテムを入手できない。
      • 更に前作は80PP、味付け小物のシステムを利用すれば160PPまで回復できたが、本作は回復力もケーキの50PPが最大で、入手できたときのリュカやクマトラの最大PPと比べると効果は控えめ。
    • 前作はHP全体回復アイテムや高性能なHP・PP同時回復アイテムもあったが、今作では圧倒的高性能のHP・PP回復アイテムは無くなっている。1から存在した気絶していない状態での味方のHPを全回復するアイテムも本作ではなくなった。300~400位回復するアイテムはあるものの、気絶回復のアイテム(HPを全回復して復活する)より入手しづらい。
    • もっとも、本作にはダンジョン中の無料全回復ポイントも少なからず設置されている為、相当PSIを乱用しなければPP切れによる進行困難には陥りづらくはなっている。
  • 普通に進めていれば最終章まで、もしくは最終章の最中に攻撃も回復もΩレベルのPSIが揃うバランスなのだが、ごく一部要求レベルが高いPSIが存在する。
    • リュカが覚える「リフレッシュ」と、クマトラが覚える「PKグラウンド」が該当。この2つは習得レベルが他のPSIと比べてかなり高く、ある程度のレベル上げをしてもラストダンジョンで覚えるかどうかギリギリといった高さ。存在を知らずにクリアした人も少なくないのでは。
    • 当然ラスダンでレベル上げして覚えるという方法はある。
      「リフレッシュ」は本シリーズ特有の特殊な終盤ボス戦で有用な持続HP回復効果、「PKグラウンド」は多くのザコ敵が無効にする代わり終盤のボスに対し強い性能を持つピーキーな攻撃系PSI。
      どちらも覚えなくてもクリアは出来るが、せっかくの本作新登場のPSIでありながら、影が薄くなってしまっているのは否めない。
      • なお「PKグラウンド」の効果は 地面にいる 敵全体に、敵HPに対する割合ダメージを何発も当てる地震攻撃という、よく効く相手に対しては非常に強力なもの。その為、一種の「隠しPSI」を想定していたのかもしれない。
        ただ一旦覚えてから後述の「データ引き継ぎバグ」を使用すれば、クマトラが使用できる場面なら序盤から存分に使用できる。
  • 過去作の特徴が変更された部分
    • フィールドマップ描写が平面的になった。
      • 『2』までは完全に斜投影図*4で描かれていたため立体感のあるマップになっていたが、今作ではポケモンのようなトップビュー視点になった。ここは別段、批判されるべき点ではないのだが、『MOTHER』らしいグラフィックの特長とも言える点であったため、残念がる人も多かった。
    • 『1』や『2』に存在していた要素や施設、具体的には『2』にあったヒント屋、写真撮影、新聞読み上げサービスなどが本作では存在しない。(ただし、前作までと比べて文明的に退化した世界が舞台という設定上の都合という側面が大きい)
    • 前作までのパンくずやテレポートといった、常用出来る一度行った場所へのワープ手段が本作ではカットされている。
      ストーリーの進め方が基本的にタツマイリ村を中心に遠出してまた村に戻るといった形が多い為、複数の町やポイントを行ったり来たりする必要がない為であろう。
      • ストーリーで村に戻る際はイベントや一定期間使える乗り物等ですぐに戻る・移動できる為、基本的に面倒な点はない。
        しかし上記の特定のレアモンスターや隠しアイテムの様なやり込み要素はストーリーの流れを無視して無関係な場所へ訪れなければならない場所もあり、そういった場合は徒歩でかなりの遠征をしなければならない場合もある。
    • 『2』にあったアイテム管理を補助するシステム(道具屋の看板、エスカルゴ便)が存在しないので、その点ではアイテム管理の柔軟性は劣化している。
      特に預かり所自体がなくパーティーの頭数も揃っていない1~3章などは、アイテム管理にやや注意する必要がある。もっとも1~3章はアイテム管理に失敗して大幅に損をする場面は無く、最終章である8章についてもちゃんと預かり所があるので然程問題でもないが。
    • 主人公の好きな食べ物を設定できるが、母親が作ってくれる好きな食べ物を食べて体力を全快するというお約束のパターンがストーリーの都合上なくなり、完全に小ネタ用設定となっている。これもまた前作からのファンは気になる点であろう。
      • 例えば、デフォルト設定である「ふわふわオムレツ」を入力した場合、ある看板を調べると「ふわふわオムレツのなえ」というメッセージが出たりする。

問題点

  • 最も重要なエンディングの内容が描写不足。
    + ネタバレのため格納
    • ラスボスに勝利したリュカたちが最後の使命を果たすと、イベントの後に最終的に画面が真っ暗になってしまい操作ができなくなる。ここでしばらくすると「THE END」と表示されるが、実際はこの表示が出てもまだ操作可能であり、更にイベントが続くようになっている。
      • 当時、かなりのプレイヤーはこれで終わったと誤解している人も多く存在したため、この表現の仕方は不親切だという批判も大きい。
    • また続く内容も画面が真っ暗なまま会話だけが続くという状況で、具体的にどのような状況なのかは確かめられないため、肝心のエンディングが投げっ放しと批判されることが多い。また、画面が暗いままで会話の主の姿や表情が全く分からないために会話中の人々の胸の内や発言の意図すら察することすらできないため後味が悪いという意見もある。
      • 最後の作品なのだから、ハッピーでもバッドでもハッキリとした描写をして欲しかったという意見が数多い。
  • バグ・不具合
    • データ引き継ぎバグ
    • クリアしたセーブデータをもう片方のデータに写してからタイトル画面に戻りニューゲームを始めると、装備品とPSIがクリアデータの状態を引き継ぐバグが存在する*5*6
      実質的な「強くてニューゲーム」となり、ゲームを進めてイベントで覚えるPSIや、上記の「PKグラウンド」の様な覚えるのが最終盤で活躍の場が少ないPSIも序盤から使っていける。
    • プレイヤーに有用なバグであり使用によるデータ破損の報告も挙がっていない為、これに関しては一概に問題点とは言い切れない。
    • 上記の通りセーブはカエルが担当するが、イカヅチの塔のとある部屋では、セーブカエルと周囲のオブジェクトに挟まれて、身動きが一切取れなくなる危険性がある。
    • 些細なことであるが、第4章以降においてカエルの台詞が、「ごようですね? ・はい ・いいえ」→「セーブですか?DPかんけいですか? ・セーブする ・DPかんけい」と2度に分けて選択肢を表示しているため、これらを利用するときに若干面倒。メッセージウィンドウが2行表示(選択肢がある場合は1行)なのが、その原因かもしれないが。
    • サウンドバトルで流れる各キャラの楽器の音は複数のパターンが用意されているがダスターのベースのみバグにより1種類しか使われなくなっている。
  • 何故かサウンドプレイヤーに収録されていない曲がある。最終章の映画館の曲などがその一例。
  • 『1』や『2』ではセーブデータを3つまで作成できたが、今作では2つしか作れない。

総評

N64版の開発中止を経て発売された待望の『MOTHER3』は、あらゆる面において旧作の作風から大きく変化したそのゲーム内容により、結果的に長らく「一つのゲーム作品」として冷静かつ公平な評価をするのに困難にさせるまでにファンに衝撃を与えた。
後述の『余談』の項目でも触れられているが、殊更に『2』のような明るくポップな路線を期待していたプレイヤーは、今なお本作のショッキングな部分を厳しく評価する事も少なくない。

しかし本作の「どこかの世界の一つの家族」が織り成す物語は、単なる「鬱ゲー」などという言葉で片付けられない事は留意しておくべきである。
悲しみも恐怖も辛さも、面白さも楽しさも優しさも全てが込められている本作はまさしく「奇妙で、おもしろい。 そして、せつない 」。
現在はめでたくNintendo Switch Onlineに配信されているので、上記の事を意識してプレイして頂きたい。


その後の展開

  • 本作の主人公のリュカは、かつて64版で発売中止になった代わりを受け持って始まった『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』の『X』以降にプレイヤーキャラとして参戦している。
    • 必殺ワザのPSIなど『2』主人公のネスと共通したワザも多いが、通常攻撃は足技が多い・つかみアクションでヒモヘビが登場するなど、ダスターを彷彿させる全面差し替えが行われ、必殺ワザも細かい仕様が異なっている。色変えによってクラウスカラーにできるなどの小ネタも。
      • for』ではリストラの憂き目に遭ったが、後にDLCファイターとして復活参戦。新規ファイターほど手が混んではいないが参戦ムービーも公開された。
      • SP』では全員参戦の文言通りに最初から収録。PSI攻撃のエフェクトがより原作に近いものになったほか、クマトラとボニーも新規に3Dモデルが用意され「最後の切りふだ」の演出として客演を果たした。
    • 『X』では本作の黒幕がアドベンチャーモード「亜空の使者」にてボスのひとりとして登場する。
      • 本作の中でもかなりのストーリーを背負ったキャラクターの筈だが、アドベンチャーのシナリオでは何の説明もなく現れ、リュカはおろかネスと対面しても特段反応を示さないまま戦闘に突入し、撃破されて以降は登場すらしなくなる*7というよくわからない扱いを受けている*8
        搭乗するメカの奇怪に作り込まれたモーションや原作ネタを含んだ攻撃、加えてシナリオ上では無敵状態の「キングのぞう」から逃げるパートがあるなど、彼にまつわる演出自体は非常にこだわりがうかがえる出来となっている。
        残念ながら『for』以降はボスとしては登場しなくなった。
    • 『X』『SP』では対戦ステージとしてニューポークシティも登場。しかもなんと本作最凶の敵である「きゅうきょくキマイラ」がやくもの(ステージトラップ)として現れる。噛みつかれると『X』では100%~200%の超大ダメージを受けて大きく吹っ飛ばされ、『SP』では原作通りの即死扱いとなる。
  • 発売時期などの諸事情から、本作はシリーズ三作(およびスマブラ参戦作)で現在唯一、海外未発売タイトルとなっている。
    • 一方当然ながら本作の存在は海外でも知られており、あまつさえ熱心な海外ファンにより発売してすぐに英語訳パッチが制作されている。さらにはイタリア語版やスペイン語版、中国語版のパッチも作られており、非公式ながらかなりワールドワイドにプレイされている作品だったりする。
      未だに公式ローカライズ版の発売を求める声も根強く、中には全訳版を作ってNintendo of Americaに持ち込んだり、本作が発売されないことについてまとめた書籍を出版するファンまでいるほどである。
      • MOTHERファンとしても有名な『UNDERTALE』製作者・「Toby Fox」氏も、特に『3』をリスペクトしている事を公言している。
    • 2006年から2019年までNintendo of Americaの社長を務めていたレジナルド氏はこれらの要望に対し、「今後配信される可能性が0ではないが、実現は厳しい」とコメントしている。
      • しかし、社長時代のレジナルド氏へのインタビュー等では現行のハードや販売戦略の話題を差し置いて本作に関する質問が話題にあがることがたびたび見受けられていた。
        こうした事態にレジナルド氏も色々思うところがあったのか、E3 2014の公式映像では『MOTHER3』を出してくれと頼み込んだ記者をレジナルド氏が燃やすという一幕が存在した。
      • 一方で海外ユーザーの本作を求める声を「しっかり把握している」と近年発言していたものの、発売・配信が叶わないままレジナルド氏は19年4月にNOA社長の座を退き、同社を退職した。
      • 2022年5月7日、レジナルド氏はBloombergのインタビューにて本作の海外版をリリースしなかった理由を改めて述べている。氏の発言によると「『MOTHER3』が発売された2006年は既に次世代機であるニンテンドーDSにプラットフォームが移行していたこともあり、旧世代機(GBA)のローカライズはビジネス的なニーズや状況に基づいた判断から却下された」とのこと。また、発売されない理由の憶測として頻繁に上がっていた「作中に登場する『資本主義への批判』や『性的マイノリティーに対する描写』が原因なのか?」については「そのような理由では決してない。 全てビジネス的ニーズの問題だった 」と憶測についても改めて否定している。(ソース)
  • 2009年12月9日から配信したニンテンドーDSiウェア『かっぱ道』で、本作に登場した「さんそ補給マシン」と「ブタマスクのお面」などがゲスト登場している。
  • 2015年12月17日よりWii Uのバーチャルコンソールで配信されていた。
  • 2024年2月21日より『ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online』で配信されている。既に『1』と『2』が配信済みであり、「そのうち『3』も配信されるのではないか」と予想した人も多いだろう。
    • これにより、MOTHERシリーズ3部作全てがSwitchで遊べるようになった。

余談

  • 発売された当時はネット上でも本作の評価は賛否両論真っ二つに割れ、様々な意見が見受けられた。当wikiでも「賛否両論」判定が付けられた後、幾度かに亘って判定基準が変更され、基準にそぐわない状態が続いていたにも拘らず判定が変更されず維持されていたという事実からも、本作を正当に評価するには多大な時間を要さざるを得ない程に本作への意見が割れていた事がうかがえる。
    • 上記の通り重いシナリオ部分が独り歩きし終始暗い雰囲気の鬱ゲーと評されることも多かった。
      「『MOTHER』という名を冠していなければ……」「『MOTHER』として見なければ……」という意見や、本作を受け入れられなかったユーザーにより「はやく『MOTHER3』出ねえかなあ」といった極めて批判的な投稿も各所でなされたりしていた。
    • 発売から10年以上経った現在では荒れた評価も落ち着いており、『MOTHER』シリーズの一作としては概ね好意的に受け入れられている模様である。
  • 『MOTHER』らしさとは何か
    • 『MOTHER』というタイトルとファンの大きすぎる期待を背負い、大作を宿命づけられた本作のゲーム内容は、旧来のファンが求めていた『MOTHER』とはズレたものと拒否するプレイヤー達を多く出現させた。
      『2』の全体的にポップでカラッと明るい印象や作風が、余計に本作の「MOTHERらしくない、鬱ゲー」という誤解を引っ張っている側面もあるだろう。
      • 誤解なきよう言っておくが、『2』にも陰鬱な要素がないわけではない。ただそういった部分の表現が『1』や『3』のように直接的なものではなく、間接的なものとなっているため明るいという印象が強いのである。
      • そして普及率も高いタイトルである上に、本作でのストーリーの重要な登場人物や演出にもかなり関連があるため、そのことも比較される一因と考えられる。
      • ちなみに、N64版の開発時に公開していた情報の時点で『2』の様な現代劇ではない事、明るさよりも重いストーリを展開する事は度々明言されており、ビジュアル面でも伊藤「アシュラ」紅丸氏によるキャラクターデザインによる3D化など大きな変更が行われていた*9。『2』から『3』の変遷の長い歴史からいえば、GBA版はこれでも十分ファンが求めていた『MOTHER』らしさを踏襲して世に出たと言えよう。
    • 本作がはらむメッセージにも全てに明確な答えがあるわけではないので、プレイヤーの受け取り方に全て委ねられている。この点はシリーズ全体にも言える。
  • 新作の可能性
    • 本作が完結編であることが明言されたのは概要で述べたとおりだが、「NINTENDO DREAM」2006/8月号において糸井氏は「誰かから『4』をつくりたいんだけどって言われたら、俺、『いいよ』って言っちゃうかも(笑)。」「『MOTHER4』があったら(プレイヤーとして)やりたいねえ。」などのコメントを残しており、任天堂の他チームによる開発・発売の可能性は残っている
      • 事実、この発言を言質に有志による非公式の『MOTHER4』を制作するプロジェクトが浮かんでは消えている状態が続いている。有名なのは2011年頃に発表された物で、PC向けに2015年リリースを目標に開発が進められていたが、任天堂法務部に睨まれるのを恐れ2017年にオリジナル作品として作り直されることが発表され、2020年に『Oddity』にタイトルが変更された。2021年11月にはこれとは別のプロジェクトチームによる『MOTHER4』の企画が立ち上げられている。
    • ただ「糸井氏全面監修」の可能性は前述の通り極めて薄いと思われる。
  • 没にされた内容
    • 内部データには、ある重要キャラクターの大変ショッキングな没グラフィックが残っている。動画サイトに上がっているので興味がある方はどうぞ。
      またHAPPY ENDという意味深な没ロゴも存在する。
      • これらや一部没テキストからも、幾多のシナリオ変更の名残が覗える。あるいは当初(元の作品であるN64時代も含めて)はもっと陰鬱な内容になる予定だったという名残か。
    • 没にした理由は、CERO指定に配慮したのか、糸井氏自身の心境に変化があったのかなど、定かではない。
      • 途中の幻覚シーンは製品版でも充分気持ち悪いのだが、CERO指定に配慮する前はもっと酷かったという。
      • またN64の段階では、『2』までの世界からつながると思しき過去の世界の崩壊の様子がはっきりと描かれていた。
      • N64版・GBA版ともに『2』の主人公ネスを操作できる場面が用意されていたが、製品版では友情出演程度に留まっている。上記のことも合わせて、製品版では台詞での説明しかなかった過去の世界のシーンが描かれる予定だったと思われる。
  • 『1』と『2』ではイラストレーター・みうらじゅんの知人である鳥取県出身のアーティスト「トットリくん」が作ったキャラクター人形が公式のアートワークとして随所に使われていたが、今作にはない。
    • ただし、本作のキャラクターデザイン兼ドット絵を担当した元ブラウニーブラウン所属の今川伸浩氏のTwitterで開発当初のラフスケッチやアニバーサリーイラストが公開されている。
  • 本作のサウンドトラックはiTunesにて「MOTHER3i」というタイトルで配信されている。
    • メドレー形式での収録、ゲーム版と音源が異なる等の細かな問題点もあるが、押さえるべき曲はしっかりと押さえられている。
      • 特に「Twist and Battle」の一部として収録されている「こうもりさんツイスト」は生JAZZ演奏一発取りの様な気持ちよさとカッコ良さがたまらないので必聴。
    • また、大貫妙子氏やクレイジーケンバンドといったゲストを招いて制作された「MOTHER3+」というアルバムも別に配信されている。
  • 「ゲーム批評」で珍しく?ベタ褒めしていたゲームでもある。
    • おそらく6章あたりまでの評価でドラゴンの針やラストまではやっていないのが明白だが、糸井重里氏の章仕立てのシナリオの仕掛けについて解説されている。ゲーム批評を読んでからやり直すとブタマスクに目が離せなくなること必至。
  • 本作のメインキャラクターである双子のデフォルトネーム「リュカ」と「クラウス」は、1986年のフランスの小説『悪童日記』から始まる「双子三部作」の主人公から取られている。
    大戦時下で共に必死に生きていた双子の少年がお互い段々道を違えていくその重い内容は、本作に大いに影響を与えた事がうかがえる。
    • 「LUCAS」と「CLAUS」は綴りがアナグラムになっている。これも「双子三部作」そのままの拝借で、重要な意味を孕んでいる。
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最終更新:2024年03月30日 00:01

*1 本作及び『カービィのエアライド』がN64での開発を延期したため、半ばお遊びで開発して社内コンペで落選にされていた『大乱闘スマッシュブラザーズ』が穴埋めとして世に出ることになった。

*2 厳密にはタツマイリ村に宿である「YADO」自体はあるが、これはイベントや会話で訪れる事が大半の施設となっている。訪れるタイミングによってイベントで宿泊する流れになったり、回復ポイント「青いクッション」が利用できる状態である場合などはある。

*3 次に使用した食べ物アイテムに勝手にふりかける調味料アイテムで、相性が良いと本来のHPやPPの回復量を倍にしてくれる。

*4 トップビューとクオータービューの中間の手法。真正面から見たオブジェクトを基準に斜め方向に奥行きを形成することで立体感を演出する。『2』では完全なクォータービューで描かれているマップも一部ある。

*5 リュカは最初はPSIを使えないが、初めてPSIが使えるようになる場面で、写したセーブでのPSIを最初から全て使えるようになる

*6 あくまでバグなので装備品はゲームを進めると初期装備に上書きされてしまう。しかしボニーだけは特定の簡単な進め方で最終装備のまますすめられる

*7 最終ダンジョンでの再戦を除く

*8 『X』のアドベンチャーモードは台詞による進行を廃しているため、説明不足なのは仕方ない面もある。また『スマブラ』シリーズの世界観設定を考えると原作に完全準拠した描写にならないのは当然とも言える

*9 3Dビジュアルに関しては、当時トレーラーなどで実際に公開されている。