注意:このページでは、オリジナル版の『スターオーシャン Till the End of Time』と、その調整版『スターオーシャン Till the End of Time ディレクターズカット』について解説する。判定はオリジナル版が「シリーズファンから不評」、調整版が「良作/シリーズファンから不評」。
【すたーおーしゃん てぃるじえんどおぶたいむ】
ジャンル | アクションRPG | ※重大なバグあり 購入時要注意! |
対応機種 | プレイステーション2 | |
メディア | DVD-ROM 1枚 | |
発売元 | エニックス | |
開発元 | トライエース | |
発売日 | 2003年2月27日 | |
定価 | 8,190円 | |
プレイ人数 | 1人 | |
判定 | シリーズファンから不評 | |
ポイント |
『聖剣2』並みなバグの総合商社 後半以降のストーリー展開にシリーズファンから批判多数 3D化により洗練されたハイテンポな戦闘システムは高評価 後半を除けばシナリオは良く、キャラクターやBGMの人気も高い |
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スターオーシャンシリーズ |
ゲーム開発会社・トライエースの看板タイトルである『スターオーシャン』シリーズの本編タイトル3作目。
ナンバリングタイトルだが、見ての通り正式名称には『3』とは付いていない。
一方でタイトルには「スターオーシャン3」と併記されており、略称も『SO3』が最も浸透している。
その理由は開発時の仮称が「スターオーシャン3」だった事と、実際の三作目にあたる『スターオーシャン ブルースフィア』より開発開始が早かった事や、そもそも『ブルースフィア』は外伝である事、などが挙げられる(*1)。
時系列は前作『スターオーシャン セカンドストーリー』の400年後となっており、シリーズが『6』まで続いた現在でも最も未来を描いたものとなっている。
PS2のHDD(BB-UNIT)に対応しており、インストール中の画面には戦闘システムの説明が表示される。
全宇宙の破壊を目論む「神の十賢者」との戦い、そしてエナジーネーデの消滅から約400年後。
西暦2858年(宇宙暦772年)には銀河連邦は既に銀河の1/3の探査を終えるほどの繁栄を極めていた。
地球人の青年フェイト・ラインゴッドは銀河有数の紋章遺伝子学の権威である両親と、幼馴染のソフィア・エスティードと共に保養惑星ハイダを訪れていた。
ソフィアに駄々をこねられて渋々同行したフェイトだったが、趣味のファイトシミュレータに興じたりソフィアとホテルを散策したりと何だかんだで家族旅行を満喫していた。
しかしその平穏な時間も長くは続かなかった。
突如、ハイダが正体不明の宇宙軍に攻撃され、無残に蹂躙されたのだ。
避難の最中、両親と引き離されつつもフェイトはソフィアと共に脱出艇で星を飛び立つが、宇宙にて敵軍の更なる追撃を受け、ソフィアとも離れ離れになってしまう。
たった一人になったフェイトを乗せた脱出ポッドは、付近の未開惑星へと降下していった。
+ | ネタバレ |
本作のプレイヤーは、まず数々のバグによる強烈な洗礼をあびせられ、それを乗り越えた前作ファンも終盤のストーリーによって止めを刺されることになった。
そのため、発売当初は関連スレやファンサイトは大いに荒れ、特に前作の熱心なファンからはシリーズ最駄作の烙印を押される例も複数見られた。
その反面、爽快感の高い戦闘システムや前作にも匹敵するキャラクター性など評価すべき点は少なくなく、今作から入った新規プレイヤーからの評価は比較的高い。
また、上記の点を評価する古参のプレイヤーも少なくなく、シリーズファンの間でも評価がかなり分かれている。
ただ、肯定派もバグだけは擁護できず、これさえなければ…と言う声も多かった。
もっとも、現在ではDC版の存在もあり、そういった声はほぼ聞かれない。
【すたーおーしゃん てぃるじえんどおぶたいむ でぃれくたーずかっと】
無印版の発売から1年足らずと、程なくして発売されたバージョンアップ作品。
追加要素や調整を加えたいわゆる完全版ではあるが、当時はファイナルファンタジーシリーズの「インターナショナル版」などの同様の販売形式が多かったことや、本作の発売によってバグ問題がほぼ一掃されたことから、比較的批判無く受け入れられた。
システムの刷新で主要な問題点にも手が入り、本作は無印に代わる作品として位置づけられることとなった。
更に完成度を高めた戦闘システムやバグの修正もあり、プレイヤーからの評価は概ね好評、無印の汚名を返上できたと言える。
特に戦闘システムの評価は今もって高く、シリーズ内どころかPS2のRPG全体で見てもトップクラスの人気がある。
また、戦闘以外にも音楽やCGのクオリティも高く、同時代の名作・大作と比べても決して見劣りしない。
そのためか、現在はシリーズで前作『SO2』に次ぐ評価を確立しており、キャラクター人気等にもそれが表れている。
反面、今作の(後半の)シナリオはやはり現在まで尾を引いていて、本作でシリーズを見限ってしまったという人も散見される。
+ | ネタバレ |
*1 尚、『4』『5』も本作同様にタイトルロゴにナンバリングを含まず、その下にナンバリング付きタイトルを併記する形になっているが、ややこしい事に正式名称にナンバリングを含まないのは本作のみとなっている。
*2 2ちゃんねるのキャラ萌えスレッドのスレッドタイトルとして、よく使われるスラング。
*3 但し姉弟か兄妹か不明などころかゲーム中で血縁関係がある事自体はっきり言及されておらず、血縁関係ではないかとプレイヤーに思わせるだけに留まっている。
*4 ただ、彼のキャラクターは『男性には常に喧嘩腰で、女性に媚を売りまくる生意気な12歳の子供』であり、否定的な意見も多い。わざわざ助けなかった場合の専用シーンを作るあたり、ある意味、スタッフも狙ってやったのかもしれない
*5 ミラージュに関しては、当初は仲間入りする予定だった。カップルEDに彼女のEDがあるのはその名残。
*6 この曲が始めて流れるボス戦にあっていないという理由だが、今までの音楽と違い何故この音楽が流れるのか申し訳程度に推察できる理由はある。……が、辞書の項目をこまめに見ていないと分かりようがない
*7 命令とは言うがその場で立ち止まって「何をやっておるか!」と嘆くだけで、実質的には何の効果もない
*8 ちなみにアーリグリフ王もこのお方
*9 TIMEゲージが最大になるとコストとなる資金が消費される。
*10 クリエイターにはパーティメンバーも選択可能。
*11 本作はその内容から2019年に公開された『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』を基にした映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を語る際にも同系統のストーリー展開だとして引き合いに出されることが少なくなく、その『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』に関しても批難された。
*12 「世界は新生したのであって作り物で完結したわけではない」という声も少なく無いが「なら、その後の話をちゃんとみたい」という声もまた少なく無い。しかし、シリーズは頑なに過去時系列の作品しか出さないという状態が続いているため、ファンのモヤモヤは晴れないままとなっている。
*13 PTメンバー3人がLV1の状態でラスボスを倒すというもの。コレのためにLV1で加入するんじゃないかと揶揄された。
*14 BCの取得設定ができないアースモードを除けば難易度不問のBCがあり、それをユニバースで取得可能だったことから、指定難易度よりも上位であればどのBCも取得できると勘違いされることがある。
*15 無印版ではグラビティの力を発揮できる近距離型だった。
*16 主人公のフェイトと、最も加入の早いソフィアのみ6種類。他のキャラは4種類。
*17 シリーズ20周年記念のアニバーサリーブックにて、トライエース小川浩氏が回答。
*18 ネルの使い回しではあるものの、内部データにクレアの戦闘中のグラフィックが存在しているとの事。
*19 正確には4:5だが、男性キャラの1人は離脱するので最終的にこうなる。そうでなかったとしても平等ではないが。
*20 ちなみに『SO1』『SO2』もPSP版ではキャラの追加で女性率が上がっている。これも時代の流れか。
*21 1巻はクリフ登場まで進むが、2巻でアーリグリフ地下水路まで、3巻でカルサア山洞まで。本編をプレイした人なら展開の遅さが分かるだろう。
*22 上述の通り、本作のシナリオが尾を引いている所為と言う声が多い。