ゲイルレーサー

【げいるれーさー】

ジャンル レースゲーム
対応機種 セガサターン
発売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 システムサコム
発売日 1994年12月3日
定価 6,800円(税別)
判定 劣化ゲー
ポイント AC『ラッドモビール』の移植版
BGM以外は劣化


あらすじ

かつて
地上最速の名を欲しいままにした男がいた
彼の走りは人々を驚嘆させた
彼は、走り屋たちの憧れであり
目標であった
人々は、敬意を込めて
彼のことをこう呼んだ
"Gale Racer"と
それから数年後

招待状
君の活躍ぶりは風の噂で聞いている
相変わらず派手にやっているようだな
ところで最近、"Gale Racer"の
名を語る輩が増えてきた
そこで、今回
だれが最速かを決めるにふさわしいレースを
開催することにした
その名も"Saturn Rally"だ
スタートは、L.A.
ゴールは、N.Y.
細かいルールは一切なし
一番先にゴールした者のみが勝者だ
勝者には、"Gale Racer"の称号が
与えられるでだろう
栄光と名誉を賭けて、戦おうではないか
君の参加を楽しみにしている
健闘を祈る

概要

セガが1991年にACで稼働を開始したレースゲームである『ラッドモビール』の移植作。
アメリカを横断するという設定で、一本道のコースを全部で15分ほどかけて走る。

原作との違い

  • 原作はオーバーステア気味のハンドリングであったが、こちらはアンダーステア気味。
    • そのため原作と同じ感覚で走ると混乱しかねない。
  • コースは区間ごとに分けられており一部の区間ではライバル車との対決になるのだが、その間他の敵車は現れない。
    • ライバル車のバリエーションはそこそこ多い。
  • 最高速度が181km/hから301km/hに変更されたものの、表記上のみの変更であるため体感速度はほぼそのまま。
  • 原作は敵車もクラッシュするのだが、こちらは一部のライバル車しかクラッシュしなくなった。

問題点

  • 車のみポリゴンで表示されているものの、恐ろしくカクカクしている。
    • 他のゲームと比較するならば、『バーチャレーシング』のポリゴン数に劣るといえば分かりやすいだろう。
    • 原作ではSystem32基板*1を使用し、スプライトによる疑似3D描画で表現していたのだが、恐らくセガサターンのメインメモリでは足りなかったのか本作では3Dに差し替えられた模様。
  • 視野が半分程度の狭さになり、突然目の前に車が現れるようになり事故を起こしやすい。
    • フレームレートも原作の60fpsから30fpsにダウン。
  • 区間ごとにロードが頻繁に入るためテンポが悪い。
    • 原作ではシームレスにコースが変わるためロードに遭遇することはない。
  • 敵車を抜かしつつ1位を目指すのだが、出来レースかと疑いたくなるかのようなスムーズすぎる順位の上がりやすさ。
    • 序盤で順位が低くても、後半の特定のポイントで敵車が大量に現れる。
  • 原作にあったパトカーに追われなくなり、もちろん逮捕されるといった緊張感を煽る要素までカット。

評価点

  • BGMは全て別の物に差し替えられており(一部はアレンジ)、差し替え後のBGMの評価は非常に高い。
    • 熱くなるBGMがやたら多いため嫌でもテンションが上がるようになっている。
    • 雨のステージのBGMは特に人気が高い。
    • 原作を知っていてもこちらを高く評価する人もいたが、やはり変更された事を残念に思う原作ファンもいた。

総評

当時としては最高峰のムービーを使用したCMで購入前のユーザーからの期待は大きかった。しかしいざ発売されてみると全面スプライトというムービーとのギャップの大きさからショックを受けたユーザーも多い一種の詐欺ゲー。
一応、全体的な劣化ゲーというわけでもなく、BGMの評価は高い。


余談

  • 原作の『ラッドモビール』は『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の初登場作品*2であり、本作でも原作同様コクピット内にマスコットとして吊るされている。
    • さらに本作では敵車を一定数追い抜くとマスコットが別のソニックキャラに変化するという要素が追加されており、テイルスやメタルソニックといったお馴染みのキャラクターから『セガソニック・ザ・ヘッジホッグ』に登場するマイティーとレイといったマニアックなキャラクターまで登場する。
    • 最終的に、累計1000台の敵車を追い抜くことでスーパーソニックに変化する。
  • 自車および最後のライバル車のエンブレムが『夢見館の物語』に登場するあるエンブレムと同じものである。
    • 開発元が同じであるため一種のファンサービスだと思われる。
  • 2011年にはラッドモビール20周年を記念したサウンドトラックが発売された。
    • 『ラッドモビール』と『ゲイルレーサー』の両方のBGM+「ラッドモビール」のBGMである「Soup Up」のアレンジバージョンが収録されている。
    • BGM自体は、『ラッドモビール』のものは1991年にリリースされたコンピレーションアルバム『Formula -G.S.M. SEGA 5-』にて初収録。
    • 『ゲイルレーサー』についてはBGMがCD-DAとして収録されていたため、ゲームソフト自体をサントラ代わりにすることで聴くことができたが、単独でのサントラ化はこれが初。
  • 2020年12月17日発売の『アストロシティミニ』に、原作である『ラッドモビール』が収録された。
    • リリースから実に29年越しでの完全移植である。

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最終更新:2023年08月19日 19:31

*1 『ラッドモビール』はSystem32基板のデビュー作でもある。

*2 『ラッドモビール』は、MD版初代『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の発売の1年前、1990年3月に稼働開始した。