新宿の狼

【しんじゅくのおおかみ】

ジャンル ハードボイルド刑事アクション
対応機種 プレイステーション2
発売元 スパイク
開発元 ワイズケイ
発売日 2009年2月19日
定価 4,980円(税抜き)
分類 バカゲー
ポイント 俺が…法律だ!
ファミ通レビュー18点
新宿を舞台にしたハチャメチャアクションゲーム
作りは粗いがゲームとしては十分遊べる


概要

  • 一言で言い表せば「新宿版グランドセフトオート」または「龍が如くが如く」
    • おそらく現在唯一の国内メーカー開発、日本を舞台にしたGTAライクゲームでもある。
  • 基本はハードボイルドな刑事シミュレーションゲームなのだが、自由度がかなり高くいろんな遊び方ができてしまうため、遊ぶ人によっては刑事が変な格好しながら街中の物を素手やバズーカで破壊し尽くし、因縁つけて一般人暴行するバカゲーに変貌する。

  • クソゲーオブザイヤー(KOTY)でも審議されたが、作りは粗いがゲームとしては十分遊べるという評価に落ち着いた。
  • 一時期カプコンが製作していたが、開発中止となり、色々あってスパイクが発売することになった。
    • 開発元が同じかどうかは不明。

問題点

絵面の悪さ

  • PS1並のグラフィック、おかしいモーションなど、2009年のPS2のゲームとは到底思えないほど見栄えが悪い。その絵面の悪さは一時期はKOTYで話題に上がるほどに。
    • プリレンダのOPムービーもそこまで美麗ではない。本編が悪すぎるためまだまともに見えるが。
    • ストーリーでもムービーがたまに入るが、ここでも潔くリアルタイムレンダリング。
  • 新宿の街は確かに再現されているのだが、微妙に古い。
    • 時代設定の都合なのかもしれないが、ただ単に合わせる手間と時間がなかっただけだと思われる。
  • 人物のデザインもおかしい。やたら顔のパーツが強調されたデザインだったりして濃い顔の人物が多い。
    • 特に主人公の人相がとてつもなく悪い。しかもそれが真っ正面に拳銃を構えている姿がパッケージ絵…。
      • パッケージ絵はプリレンダだが、ゲーム本編のリアルタイムレンダリングの顔の方もほぼ同じ顔。
      • セリフ回しも含めてその辺の893よりも893っぽい *1

どこかで見たことのあるゲームシステム

  • システムに関してはGTA+トゥルークライム+龍が如く+喧嘩番長+独自要素と言ったところだろうか。
    • 独自要素がいろいろとアレだが、全体的にどこかで見たゲームっぽい印象を受ける。グラフィックとモーションは比較対象が見つからないが……。

音声関連

  • ボイスがあるのだが、専業の声優ではなく俳優が演じているものが多く、棒読みの人物と自然な人物の差が激しい。
    • 主人公・三上英二を演じた岩尾万太郎氏の演技はうまく、声質的にも完璧と言っていいほどはまり役なのが救いか。
    • また(予算がなかったのか)字幕の文字とボイスの文句が一致していないという部分も多い。
  • ナレーションが変。
    • どう変なのかは伝えづらいのだが、ドキュメンタリー風、あるいは教育用に警察が作ったビデオ風である。
    • ナレーションを務めたゴブリン氏はTV番組などでナレーションを経験したこともあり、ナレーションの演技そのものは自然。
  • BGMがチープ。
    • 刑事ドラマの傑作「太陽にほえろ!」のオマージュなのか、管楽器メインのBGMが多いのだが、古臭い雰囲気を感じる。音質もあまり良いとは言えない。
    • イベント戦闘や道端での戦闘など戦闘場面にはBGMが用意されているが、一種類だけ。
    • 逮捕した時の効果音が「チャー♪」といった感じのやけに軽快な音。でかでかと画面に映る「逮捕」の字もあってシュール。

おかしな値段設定

  • PS2で4980(ヨンキュッパ)をウリにしているが、それは税抜き。ちょっと危ないのでは。流石に製品仕様のところでは税込みになっている。
    • あまりお得感が感じられない。むしろ中途半端な印象で敬遠された感もある。
    • 思い切って2000円台とか、あえてフルプライスにするとかした方が売り上げは良かったのかも。

バカゲー的要素(賛否両論?)

チュートリアル

  • チュートリアルのテキストの言葉遣いがバカバカしく、「(笑)」や「♪」が混ざっていて妙に軽い調子。そして指示に従って目的を達成すると「お見事です!」「完璧でした」とやたら褒めちぎる。説明自体はやけに丁寧で非常にわかりやすいだけに、逆に気に障るとも。
    • その内容も後輩をボコボコにして取っ捕まえると言うもの。刑事の訓練として考えれば別におかしくはないのだが、銃を使って撃つことも出来るのはどうなんだろう。
    • だがこのチュートリアルではロックオンや銃の撃ち方、タバコの吸い方を教えてくれない。微妙に不親切。しかしそのことすら「都合で全部を紹介することはできません」「本当に申し訳ないのですが、説明書を読んでください」「新しい発見があるかもしれませんよ(笑)」と親切(?)に教えてくれる。

全ての車は盗めて、壊せる仕様

  • 街中を走る車は車種に限らずすべて盗める(始末書が発生するが)。その際運転手を引きずり出して乗り込むのがシュール。
    • 当然自由に走ることができ、人も轢ける。盗んだ車で歩行者に向かって突っ込み、人に当たる直前で車から脱出するとペナルティなし。ボス戦では…後述。
    • パトランプを載せることが可能で、あらゆる車がサイレンを鳴らしながら走れる。
  • 車は便利そうに見えて意外ともろく、素手でぶち壊せる
    • バズーカで主人公ごと吹き飛ばされる事態も多々起こる。どうやら車にはバズーカの攻撃を軽減する機能が無い事が原因らしい。
      • 当然だろと思うだろうが、主人公は防弾チョッキを着ているとバズーカ耐性がついて死ななくなる。

気力の回復手段

  • これが喫煙するというもので、どこでも可能。そしてポイ捨て。喫煙者への風当たりが強い中意欲的である。
    • 喫煙所で吸うと気力回復速度が上がる。
    • また、愛煙家のせいか走ると息切れを起こす。アイテムに酸素の缶があり、息切れを阻止できたりする。妙なところがリアル。
    • これとかこれとか、煙草がアイテムとして使えるゲームはどうもバカゲーやどこかおかしい作品になる傾向があるようだ。

「俺が法律だシステム」

  • 通称「俺法」。逮捕の時に気力ゲージが一定以上なら選ぶことができ、「豚箱にぶちこむ」「無罪放免にする代わりに賄賂」「個人的に罰金(金額はルーレットで決定)」の三つを選ぶ。まさに汚職警官。
    • 選んだあと容疑者に手帳から稲妻を走らせるなど、無駄にハデなエフェクトも突っ込み所。真面目にやられると生々しいと言う事もあるのだろうが。
    • 「俺が法律だ」といっても別にユン・ピョウの映画やガンダム00を意識しているわけではない。

逮捕関連のシステム

  • まず、逮捕する前に悪人を探すのだが、その方法が刑事の勘。刑事レベルが低いと誤作動することもある。
    • しかし一般人の中にも犯罪者が多すぎ。職質すれば大体は何かやっている。
      • しかも武術の達人、こうなったら抵抗するしかない等と反撃してくる上、割と強い。
      • そして喧嘩が始まると一般人でもはやし立て始める。威嚇射撃をすると逃げていく。
      • あっさり罪を認める者もいる。
    • 冤罪逮捕でも刑事レベルが上がる。冤罪逮捕能力も刑事スキルの内なのだろうか。
    • その他にも、おとり用財布を落として拾ったら逮捕。おとり捜査には慎重を要するはずだが、狼には関係ない。
  • イベント犯罪(?)の内容にAVについて口論等おかしいものがある。
    • 職質の選択肢の中にも「それ犯罪か?」と言うようなものがある。不倫は民事だし…。
  • 容疑者は勿論、通行人ですら言いがかりをつけてボコボコにして逮捕出来る。俺法発動も可能。たけしの挑戦状かいな。
    • 肩ぶつけまくって怒った所を殴って逮捕しても始末書が発生しない。
    • 勿論銃も使える(ただし始末書の増え方は早い)。
    • 勿論乗っ取った車で撥ねることも出来る(ただし始末書の増え方はもっと早い)。
      • DIO様よろしく「歩道が広いではないか」と言いたいところだが、交通量が少なすぎる為、結局車道の方が広い。
  • 一定以上溜まるとちょっとした問題が起こる始末書システムという物もあるが、そのペナルティが少なすぎ。10人ぐらい冤罪逮捕しないと中々問題のあるところまで行かない。
    • 始末書が50枚を超えるとタクシーが利用不可になり、始末書が100枚を超えると逆に指名手配される。何故かスポーツ紙で告知されるのはリアリティ重視なのか無視なのか。
    • 何故か始末書の始末が連打。16連射で10枚処理というよく分からない換算も謎。
    • 手配は厳しい(バズーカを持ち出してくる、新宿ではバズーカは標準装備なのだろうか…)が振り切ると別のゲームに。
    • そしてそんな中でも警官を逮捕できる。
    • ちなみにゲーム時間で48時間、実時間で48分逃げる必要あり。
    • そして逃げ切るとボーナスとして格闘スタイルが貰える。何故だ。

その他

  • 刑事ゆえ拳銃を装備している主人公だが、この銃、やたらと弾数が多い・威力が低い(溜めはある)・喰らいモーションが変と色々おかしい。
    • 撃った時に主人公が「ボンクラがぁ!」と相手を罵倒したり、高笑いしたりする。笑わせにきているとしか思えない。
    • シナリオが進むと新宿の裏で生きる男・マダラが登場。シナリオで情報をくれるが、彼に頼んで銃を改造してもらうこともできる。連射力を上げるとすごいことになる。
      • さらに、マダラはバズーカまで売ってくれる。もちろん、普通に市民にぶっぱなせる。
  • ストーリーで戦闘があるたびに外に出る。律儀である。と思ったらたまに出ない。
    • なお、ストーリー戦闘中も車を持ち出して轢き殺せる。その際一般人を轢き殺してもお咎めなし。治安維持活動だから仕方がない。どうも主人公だけが問題なのではなく、警察の体制に問題があるようだ。
  • これもまたGTAよろしく衣装替え要素があるが、刑事の服の方が少ない。しかも一部の服を着ていると専用の台詞が通行人から聞ける。
    • 衣装の種類もカフェ店員・ハワイアン・カウボーイ・特殊部隊・上半身裸etc…
      • 挙げ句の果てにはレイザーラモンHGのアレ。もちろんその格好で格闘するわバズーカぶっ放すわ…

評価点

ストーリー

  • さぞ無茶苦茶なのだろう、と思えば意外と普通どころか出来は良い
    • セリフ回しは荒っぽいものの、伏線などは丁寧に作られている。「俺が法律だ!」の決め台詞も効果的に使用されている。
    • まあ、何だかんだ言って暴力は振るうし、歩いてるだけの人間を撃ち殺すわひき殺すわな人間が何言ってんだという話だが…。
  • 前半は外国人組織と暴力団をつなぐ男の存在、およびその男が流した7つの拳銃の回収がメインとなる。後半は主要人物の死者が出たり、主人公の暗い過去が明らかになったり、と結構鬱も入り、主人公の性格も段々尖っていく。そして最後はその暗い過去の原因となったある男に迫っていくが……。
    • カプコンが発売出来なかったのはシナリオにおける主人公の性格がヤバすぎたからでは、とも。と言うかこれCERO:Cと言うのは嘘では……?
  • 見栄えはともかく、登場人物は個性的な者が多い。
    • 物語前半で拳銃を購入した人物は本当にろくでもないやつが多く、それをえげつない方法も交えて打ちのめす主人公は痛快。かと思えばかなり重たい過去を抱えて拳銃を購入した者もおり、その人物とのやり取りもなかなか素晴らしい。
    • チュートリアルでボロ雑巾(笑)にされる後輩刑事の米村だが、ストーリーでは若さゆえに失敗し、三上に叱られながらも成長していくという過程が描かれる。しかし最後は……。
    • 人に依るがヒロイン?が意外とかわいい。基本的に男の世界の出来事である為、出番は余りないが。
  • 分岐も多少ある。
  • エンディングまでのプレイ時間は30~40時間ほどとボリュームはそこそこ。

意外と充実して自由度の高いシステム

  • ADVパートのシステムは異様に親切。スキップ、ポーズ、台詞送りなど。わざわざ画面で説明されている当たりも心憎い。
  • 難易度も三種類あり初心者でも安心。
  • キャラ育成は格闘スタイルを選べたり、またそれが成長したり、パラメータ成長が選べたりとそれなりに自由。
    • 最大まで強化すると動きが若干キモくなると言うペナルティがあるにはある。
  • 自由時間の行動も、本当に自由である。おまけに作りが細かい。
    • 雀荘に行ったりパチンコに行ったりバッティングセンターに行ったり飯食いに行ったりコンビニに行ったりと実に生活感溢れている。
      • 店には開店・閉店時間があったり、値段設定がリアルだったり、余りに治安が悪くなると店が閉まったりと細かい。
    • 敵対勢力と喧嘩したり通行人を殴ったり、バズーカをぶっ放したり車を奪ったり銃を乱射したりとやりたい放題できる。
    • タクシーがある(&車を奪える)ので移動も苦にならない。
    • 自宅で仮眠を取ることができる。
      • が、布団を使わない。また、主人公が寝る場所は大抵背中が痛くなりそうなところばかり…そのせいか頻繁に悪夢を見ている。
    • 自由度の高さはまさに和製GTA。あるいは「現代版『たけしの挑戦状』」とでも言えよう。あれよりはシステムがまともだが。
  • 留置場にぶち込んだ人間を自白させるサブゲームもある。と言うか自分からぶち込んでおいて(ry
    • 自白させるまでの下準備としてアイテムや会話で好感度を上げる必要がある。いよいよ何のゲームだかわからない。
    • 何故か改築が私費で可能。改築するべき場所を間違っていると思うのだが。
    • 「新宿の狼」を褒めちぎる選択肢が存在し、それを選ぶと感謝のメッセージを述べながら一気に自白。したたかなメーカーである。
  • 車やアイテム、衣装など収集要素もそれなりにある。

総評

グラフィックやモーション等、見た目を気にしなければそれなりの良ゲー、バカゲーとして遊べるだろう。今なら安いし…。
むしろ、これだけシナリオ・システム周りが整っていて何故グラフィックやモーションのレベルだけが低いのかが謎。もしPS2の初期に出てたら評価高かったんだろうなぁ…と思わせる。
嘘か誠か「新宿の狼2」の噂もあるので、ファンは期待しよう。

余談

  • ファミ通クロスレビューでは18点(4743)をたたき出した。やはり絵面の悪さが響いたか。
  • 「公式で値段をウリにしている」「ゲーム性は高いのにグラフィックがショボい」という特徴から、SIMPLE5000等と揶揄されることも。
    • 実際、SIMPLEプライスで投げ売られてしまった。
  • お笑い芸人「狩野英孝」とコラボしており、二週目のサブシナリオで本人が出現する。
    • 知名度はあれで人気芸人というわけでも無かった狩野英孝となぜコラボしたのかは謎。
    • 二週目以外にも、街頭テレビやポスターにいたり、留置所を豪華にしていくとテレビに映っていたりする。