ゆっくりいじめ系794 野生のれみりゃ家族


※れみりゃはれみりゃでも体無しのれみりゃです。

『野生のれみりゃ家族』








とうに日も暮れて真っ暗な森の中、子れいむと子まりさが身を寄せ合いながら進んでいた。
夜目が利かない二匹には何も見えていない。
勘を頼りに家族のおうちへと向かおうとしていた。
しかしそんな二匹を見つめる影が一つ。

「うー!」

れみりゃである。
れみりゃと言ってもで体の無いれみりゃで、人間で言う耳の辺りから生えている羽で空を飛んでいる。
夜行性で夕方に目を覚まし、日が昇る前に眠りにつく。
主食はれいむ種とまりさ種、まさにれみりゃの目の前をウロウロしているアレだ。

「うー、たーべちゃうぞー!」
「ゅっ!? れ、れみりゃ!?」
「こ、こないでね! こっちにはいないからこないでね!!

れみりゃの声に自分が狙われていることに気づいた二匹は逃げも隠れもせず、立ち止まってキョロキョロと辺りを見回す。
だが何も見えない。見えると言ったらすぐ隣にいる親友ぐらいのものだ。
だから気が付かなかった。
れみりゃはもうすぐそばまで飛んできていたことに。

「ゆ"ぅぅぅぅ!! ずわないでぇぇぇ!!」
「ま、まりさ!?」

れみりゃが狙ったのはまず子まりさだった。
頬に噛みついてそこから餡子を吸い上げていく。

「あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"……」

れみりゃは成体、まりさは子供。
食欲旺盛なれみりゃはあっという間に子まりさの中身を吸い尽くしてしまった。
子まりさの体は中身を吸われてペラペラの皮。形を遺しているといるとすれば目玉と髪、あとは帽子ぐらいか。

「まりさっ! まりざあぁぁぁぁ!!!」

もう喋らないまりさの帽子にれいむは縋りついて泣きわめく。
しかし亡き親友を想って泣くような時間などれいむには元々なかった。

「うー!」
「ゅ"ぁ"っ!?」

次の瞬間れいむは宙に浮いた。
れみりゃがれいむの体に噛みついて飛び立ったのだ。
通常ならおそらをとんでるみたいなどと呑気なことを言っていたかも知れないが、今はそんな余裕など無かった。
それよりもずっと強い刺激が与えられたから。

「ずわないでぇぇぇぇぇ!! れいむばおいじぐないよぉぉぉ!!!」

れみりゃはれいむの中身を吸いながら飛んでいた。
普通に考えてわざわざ飛びながら食事する必要は無いのだが、このれみりゃにはそれなりの理由があった。
れみりゃの飛んでいく先にその理由がいる。








元はゆっくりの家族が住んでいた洞穴がれみりゃの巣だ。

「ゆ"っ、ゆ"っ…」

中身の餡子を半分近く吸われて痙攣しているがれいむは生きていた。
れみりゃはそれ以上餡子を吸わずに巣へと持ち帰る。

「ぅー! ままおかえりー!」
「うーうー!」
「まーま! まんま! ぅー!」

巣の中には小さなれみりゃが数匹いて、れみりゃを笑顔で出迎えた。
れみりゃの赤ちゃんだ。
小さな羽をパタパタと忙しく動かして母れみりゃの周りを飛び回る。

「うー! ごはんだよ!」

母れみりゃはれいむを床に落とす。
れいむは「ゅ"」とだけくぐもった声を出して床にへたり込んだ。
赤ちゃんれみりゃは一斉に衰弱しきったれいむへと飛び付き噛みついた。
そしてちぅちぅと中身を吸っていく。

母れみりゃがわざわざれいむを殺さずに持ち帰ったのは赤ちゃんのため。
餡子を半分だけ吸っておいたのも食べ物であるれいむが暴れて赤ちゃんに危害を与えないようにするためだった。

「ぅぁぅぁ、ちあわしぇー!」
「ぅー、ぅー、あまあま!」
「あまくておいちい! ぅぅぁー♪」

美味しそうに食事する赤ちゃんを見て、母れみりゃは満面の笑みを浮かべた。
この赤ちゃん達を産んだ時に最愛のパートナーは死んでしまったので苦労も多い。
だが赤ちゃん達が幸せそうにしているのを見れればどんな苦労も報われ、疲れなんて吹き飛ぶというものだ。
食事が終わると赤ちゃんれみりゃの口の周りに付いた餡子を舐めとってあげる。
その後はおうちの中でパタパタと家族全員で飛び回るのだ。

このれみりゃ家族の巣は元々ゆっくりの大家族が住んでいただけあってとても広い。
なので小さな赤ちゃんれみりゃにとっては外に出なくとも十分運動でき、
母れみりゃが狩りに行ってる間も巣の外へ行こうとする子はいなかった。
それ故に母れみりゃは気兼ねなく狩りに行くことができ、すべての子をゆっくりと育てることが出来たのだ。







母れみりゃが狩ってくるれいむやまりさを食べてゆっくりと赤ちゃんれみりゃは子れみりゃと呼ばれるまでに成長した。
子れみりゃも食欲がますます旺盛になり、母れみりゃが持ち帰る獲物では満足いかなくなってきた。
そろそろ狩りに連れて行ってもいいだろうと母れみりゃは思っていた。
日が暮れて、いつも狩りに出かける頃に母れみりゃは子れみりゃに呼びかけた。

「うー! きいてー!」
「ぅー?」
「なーに、ままぁ?」

「きょうからはみんなでかりいくー!」

突然の提案に子れみりゃ達はお互いに顔を見合わせ、一瞬の沈黙の後決断した。

「ぅー、かりいくー!」
「うー! いっぱいたーべちゃうぞー!!」
「ままとかりいくのー! ぅぁー♪」

満場一致だ。
生まれつきの捕食種であるれみりゃだ。
狩りとは憧れであったし、本能的にも狩りという行為を求めていたのだ。
母れみりゃが出かけている間に、

「いつかままとかりにいくー」
「れみりゃはいっぱいかるのー! うー!」
「うぅー! れみりゃのほうがいっぱいかるもん!」

などと語り合い、いつか来る狩りを夢見ていたぐらいだ。
子供達の熱意と期待に満ちた目を見て母れみりゃのやる気も漲ってきた。
今ならば、ドスすら狩れる気さえした。もちろん現実的に無理だが。

「うー! かりにいくー!」
「「「ぅー!!!」」」

れみりゃ家族は元気よく巣を飛び立っていった。
母れみりゃを先頭とし、子れみりゃ達が後を追う形だ。




「ゆ"うぅぅぅぅぅ!!? なんではいっでごれだのぉぉぉぉ!!?」
「ごわいよ、おがーじゃーん!!!」

まず最初の獲物は以前から目を付けていたれいむ親子だった。
このれいむ親子はおうちの入口の隠し方が下手で、暗い森の中とはいえ夜目の利くれみりゃからすれば一目瞭然だ。
そして入口の前の枝をどかして中に侵入したわけである。

母れみりゃは母れいむを最初に狙う。
子れいむを最初に狙うと母れいむが激昂して暴れだす危険があるからだ。
逆に母れいむさえ押さえれば後は子れいむや赤ちゃんれいむの群れ。
健康な子れみりゃ数匹で十分狩り尽くせる。

「ゅ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!! ずわ、な、いで…ぇっ!!」
「ながみが、なぐな、でぐぅぅ!!」
「おが、ぁ…じゃん……」

「ぅーぅー、うまうま♪」
「うあうあ♪」
「おいちー!」
「うー! うー!」

母れいむにとってそれは地獄絵図だろう。
目の前で自らの餡子を分けた子供たちが為すすべもなく捕食されていくのだ。
子れみりゃに噛みつかれた子れいむ達は皆一様に中身を吸われて皮だけになって死んでいく。
なまじ姿を遺している分だけ悲しみや絶望も多い。
中身だけ吸われたので子供達の死体は残る。
母れいむは目の前の死体を見て、愛する子供たちが死んだ事を認めざるを得ない。
中身を戻せば生き返りそうですらある綺麗な死体を、生き返らないと理解しながらも見続けさせられるのだ。
まさに悪夢。
だが頭に食い込む母れみりゃの牙による痛みが、これが夢なんかではないことを認識させ、さらに母れいむを絶望させる。

そして恐怖や絶望で染まった母れいむの餡子を一気に吸い上げるのだ。美味い。
恐怖こそが獲物の味を格段に上げる調味料であることを母れみりゃは知っているのだ。
だからこそ子れいむ達が全滅するのを見せつけた。

「ぁ"ぁ"…ゆっぐり、じだがっだ……」
「う"ー♪」

母れいむは絶望の中死んでいった。
少しずつ中身を吸い取っていったため、実にゆっくりと死んでいった。




初めての狩りは大成功に終わった。
子れみりゃ達はたくさん食べてもう満腹だ。
これなら今日はもう他のゆっくりを狩らなくても問題ないだろう。
特に子れみりゃ達にとって一番の成果は初めての狩りを成功させたという経験だ。

「うー! うー!!」

母れみりゃは上機嫌に月に向かって高らかに鳴いた。
子れみりゃ達も母に続いて威勢よく鳴き声をあげた。
迫力も何もないか細い鳴き声であったが、そこには確かな自信がこもっていた。





それかられみりゃ家族は毎晩ゆっくりを狩った。
夜が更けて森のゆっくり達が眠りについた頃にれみりゃ家族は狩りに出かける。


そして母れみりゃは今日の獲物を見つけた。
茂みの中にまりさの親子がいる。
草木に覆われていて、空中から眺めている分にはその姿を見ることは出来ない。
だが子まりさが寝てる間に転がったのか、茂みからはみ出ていたおかげで見つけることが出来た。
こんな所に潜んで寝ているところを見ると、きっとおうちを持ってない親子なのだろう。

「うー! たーべちゃうぞー!!」
「うー!!」

れみりゃ達は滑空してまりさ達の隠れている茂みへと滑空した。
ガサガサと茂みに体を突っ込んでまりさの姿を見つける。
まりさ達は目の前に危機が迫っていることに気付かずスヤスヤと眠っている。

しかしれみりゃ達が草木をかき分ける音に母まりさが目を覚ました。
目の前には笑顔で口を開ける母れみりゃの姿が。
母まりさの顔が寝ぼけ顔から不思議そうな顔、そして驚きの顔に変わり、最後は顔を一気に青ざめていく。

「れ、れみ…っ」「うー!!」「あ"あ"がががが!!?」

状況を把握して悲鳴を上げようとしたときに噛みつかれた。
他の子まりさは眠ったまま噛みつかれて中身を吸われている。
恐怖を知らずに死んでいくのはこの状況ではむしろ幸せなことだろう。

「ゅ"う"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"!! はなじでぇぇぇ!! こどもはだべでいいがらまりざだけはだすげでぇぇぇぇ!!!」
「うー! だめ!」
「い"や"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!」


こうして狩りはあっけなく終わった。
体無しれみりゃが夜行性なのは寝込みを襲うことで狩りの成功率を上げるためなのかもしれない。





また次の狩りでは巨石の割れ目に住むゆっくりを見つけた。
そのゆっくり達はもうとっくに日が暮れたというのに珍しく起きていた。

「まりさぁぁぁ! すっきりじようねぇぇぇ!!」
「いいよありすぅ! いっぱいこどもつくろうねぇぇ!!」

ありすとまりさのカップルだ。
どうやらすっきり中らしいがれみりゃにはそんなこと関係ない。
獲物が何していようとも獲物であることに変わりはない。

「うー! たーべちゃうぞー!」
「たべちゃうー!」
「うあうあー!」

黙って襲えばいいのにわざわざ宣言してから襲う辺りはゆっくりらしい。
といってもお互いに頬を擦り合わせて快楽をむさぼり合っているありすとまりさはれみりゃの接近に気付かない。
母れみりゃは発情して危険なありすを先に押さえつけた。

「なっ、なにするのよ!! ってれみりゃもがわい"い"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"い"だい"ぃ"ぃ"ぃ"!!!?」

発情ありすを押さえつけるだけではまだ危険だ。れみりゃと言えども発情ありすは脅威になる。
なので間髪入れずに中身のカスタードを吸い上げた。

「ゆ"、ぐ…なにず、るのよ"ぅ"…」

1/3ぐらい中身を吸えば元気に動くことは不可能になる。
これで後はゆっくりと食べることができる。
残るまりさも子れみりゃより二倍近く大きく、普段なら危険な相手だ。
しかし今のまりさは快感で脱力してしまっていた。
さらに子れみりゃ達が一斉に吸いつき、残る体力も奪う。

そしてありすもまりさも動けなくなった所で母れみりゃは子れみりゃに提案する。

「うー! すこしずつたべたらうまうまー!」
「ぅー、やってみるー!!」
「ちょっとずつすうー!」

「や"め"でぇぇ! はな、じでぇぇ!!」

まりさは必死でもがいて逃げようとするが、全然動けておらず、少しずつ吸われていく。
子れみりゃは一気に中身を吸い上げたいのを我慢して、人間が熱い飲み物を飲むときのようにゆっくりと吸っていく。
体の中が吸われていくまりさはとてつもない恐怖を味わうことになる。
少しずつ感覚が狂っていき、記憶が欠けていく。

産まれて初めてお母さんに挨拶したこと。
初めて友達が出来て一緒に遊んだこと。
野菜がいっぱい生えてる場所でお腹いっぱい食べたこと。
妻であるありすが何故か大怪我していた自分を介抱してくれたこと。
ありすと結婚して初めて結ばれた日のこと。

今までの幸せな記憶が一瞬浮かんで、そして消えていった。
代わりに残ったのは恐怖という感情とどこまでも深い闇だった。

「まりざっ! まりざぁぁぁぁ!!」
「うふふふふ…ふふ…ふ……」

ありすの必死な呼びかけも全てを失っていき壊れていくまりさにはもう届かない。
そして生命の維持に必要な分の餡子を失ったまりさは奇妙な笑い声すら出さなくなり、ただの饅頭と化した。

「まりざぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ぅー! おいちかったー!」
「うまうま♪」

ありすの悲痛な叫びなど聞こえていないのか、子れみりゃ達は吸うごとに美味しくなっていったまりさの味に満足の様子だ。
これは恐怖を与えれば美味しくなるということを教えるための教育でもあった。
子れみりゃ達はまだ獲物は何か分からないけど美味しくなるという程度の認識しか持っていないが。

「よぐも、よぐもまりざをぉぉぉ!!!」
「うー! たーべちゃうー!!」

後は母れみりゃが存分に恐怖を味わったであろうありすを一気に吸い上げた。
ただひとつ、母れみりゃの誤算としてはありすが感じていたのは恐怖よりも怒りの感情が強かったことか。
おかげで粘度の高くて若干苦いカスタードを食べる羽目になってしまった。

それさえ除けばこの狩りも成功だった。
しかし子れみりゃは一匹のまりさを分け合って食べたため満腹ではなく、
その日のうちに他のゆっくりを狩ることになったが。






そのまた次の狩りで見つけた獲物は大物だった。

れみりゃ家族の巣よりも広いおうちの中に巨大なれいむがいた。
母れみりゃよりもずっと大きく、1mほどもあった。
頭には複数本の太い茎と、その先からはまだ目覚めていない赤ちゃんが実っている。
もう片方の親のまりさはおうちの入口にいたので早速食べさせてもらった。
何かを守ってるような感じであったが、まさかこれほど大きな獲物を隠していたとは。

「うー! たーべちゃうぞー!」
「ぅぅー! いっぱいはえててどれからたべるかこまるー!」

「やめてね! ゆっくりできないれみりゃはさっさとでてってね!!」

「うー? やだ。たべるー!!」
「ぅー、ぅー、ぅあぅあ!!」

「こ、こないでね! れいむたちはまずいれいむだよ! あかちゃんもおいしくないよ!! だからやめてね!!」

しかしそんな事を言われて帰る捕食者などいない。
何せこれほど大きく、さらにたくさんの小さい獲物を生やしている個体は初めて狩る。
捕食者としてこれほど心昂る獲物はなかなか見つけられるものではない。

「や、やめてね!! あかちゃんだけはやめてぇぇぇぇぇ!!!」

しかしこのれいむ、まったく動こうとしない。
これは動くつもりがないのではなく動けないのだ。頭に生えた太い茎が重過ぎて最初から動こうにも動けないのだ。
だからこそまりさに食事や門番などの雑用をすべてまかせていた。
だが自分を守ってくれるはずのまりさはもういない。

「うー! ちっちゃいのからたべるー!」
「ぅー! おいしそー!」

「やめてっ! れいむはどうなってもいいからあかちゃんだけはぁああ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!

「ちぅちぅ、しあわせ、うー!!」
「なかみすくないけどおいちー!!」
「うまうま、うー♪」

母れみりゃも子れみりゃも巨大れいむが実らせた多数の赤ちゃん達を手当たり次第に吸っていく。
次々と赤ちゃんれいむと赤ちゃんまりさが産声を上げる前に皮だけの死体に化していった。

「やめでぇぇぇぇ!! もうあがじゃんをごろざないでぇぇぇぇ!!!」

母れいむは頭上で起きている惨劇に泣いてやめてくれと懇願することしかできなかった。
だがそれに対するれみりゃ家族の返答は赤ちゃんの味に対する感想だった。

「うー! おいしー!」
「あかちゃんうまうま♪」
「まだまだいっぱいあるー!!」
「いっぱいたべるよ、うー!!」

「ゆ"ぅ"ぁ"あ"あ"!! なんでごんなごどずるのぉぉ!!」

「だってれいむはれみりゃのごはんー♪」
「だからたべられるのはあたりまえー、うー♪」

「ぞんなのっでないよ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"!!!」

そうして、れみりゃは泣き叫ぶれいむとの会話を楽しみながらほぼ半数の赤ちゃんゆっくりを吸い尽くした。
さすがにもう満腹で食べれなかった。

「うー、またあしたもくるー!」
「またあしたもよろしくだよー!」
「あしたもたーべちゃうぞー!!」

「ゅ"あ"あ"…」

そんな事を言いながら去っていくれみりゃ家族を力ない瞳で見送るれいむはもう生きた心地がしなかった。
自分は直接傷つけられていないが、死んだまりさと死んだ赤ちゃん達の数だけ心を切り裂かれたような気分だった。

「はやく、うまれてねあかちゃん…」

巨大れいむはまだ目覚めない赤ちゃん達にそう話しかけた。
次の夜までに赤ちゃんが産まれれば逃がすことも可能なのだ。そうなれば軽くなる自分も逃げられるかも知れない。

だが赤ちゃんゆっくりが茎から離れるのは最悪のタイミングとなった。


そして次の夜。

「うー、うー、いっぱいうまうまー♪」
「やめでぇぇぇぇぇ!! せめでこれいじょうはごろざないでぇぇぇぇ!!!」

結局ほとんどの赤ちゃんはお母さんを見ることも、地に触れることもないまま物言わぬ皮と化してしまった。
残る赤ちゃんは数匹。
その赤ちゃん達にも子れみりゃの牙が突き刺さろうとしたところで赤ちゃんは茎から離れた。

「ゆっ!?」

巨大れいむは赤ちゃんゆっくりが目の前に落ちたことで泣きやんで心は期待に満ちた。
目の前の赤ちゃん達はゆっくりと目を開いていく。
そして目が合うと、

「ゆっくりちていっちぇね!!」
「ゆっきゅりしていっちぇね!!」
「おかーしゃん、ゆっくりしていっってね!!」

産まれて初めて母である巨大れいむに向けて挨拶した。

「ゆっくり、していってねぇぇ…」

辛いことはいっぱいあったけど可愛い赤ちゃんが産まれた。
巨大れいむは感動して涙した。

今がどんな状況であるかを忘れて。

「うー!」
「ゅ? おねーちゃんもゆっぎゅべぇっ!?」

地面に落ちた赤ちゃんをれみりゃが捕らえたのである。
他の赤ちゃん達も何が何だか分からないまま捕まって中身を奪われてしまう。
この世に生を受けて数秒。
それがこの赤ちゃんゆっくりの生涯だった。

「…??」

巨大れいむは目の前で何が起きたのか分かりたくなかった。
だがここまで巨大に育つほどのゆっくりの知能では現実逃避したくでも出来なかった。
分からない振りをしても分かってしまう。
可愛くてゆっくりしている赤ちゃんは目の前で食べられたのだ。

「ゆぅぅぅぅぅぅぁぁあああぐぐぅぅうぁぁあああ!!!!!」
「う、うー?」
「うぅぅ!?」
「ぅあー、ごわいのがいるー!!」

れみりゃすら怯えさせるほどの咆哮。
悲しみと怒りの篭った空気を震わせる叫びだ。

つぶしてやる。
あかちゃんたちのふくしゅうをしてやる。

巨大れいむは手始めに目の前の子れみりゃ達を潰す。
そして母れみりゃに見せつけてやるのだ。
そして、そして…

だがしかし、実行には移せなかった。
いくら気持ちが昂ろうとも重い自分の体を動かすほどの力を出せなかった。
地を這うばかりで跳ねることも出来ず、目の前の子れみりゃを潰すなんて夢のまた夢。
一瞬怯えたれみりゃ達も巨大れいむがやっぱり動けないことに気づくと巨大れいむへと襲いかかった。

「うー! たーべちゃうぞー!!!」
「こわがらせたばつー!!」

「ぁ、ぁぁ……」

憎しみの炎も一瞬で鎮火し、巨大れいむの心は恐怖に塗り替えられていった。
それに伴って餡子の味がれみりゃの大好きな恐怖に染まった味になっていく。
それこそがれみりゃの求めていたものだ。
れみりゃ達は巨大れいむに群がって思い思いの場所から餡子を吸い上げていった。

「ゆぐうっぃぃおああぁぁっぁええええ!!!!」

体の至る所から体の中身を吸い上げられる痛みに、巨大れいむは白眼を向いて体を痙攣させる。
痛みに対する叫びももはや言葉になっておらず、声帯を滅茶苦茶に動かした結果の音となっていた。
れみりゃ達の食欲は凄まじく、ものの10分ほどで巨大れいむは死に瀕していた。

「ごめん、ね。あがじゃん…てんごくで、ゆっぐり……じよ……ぅ」

巨大れいむはその言葉を最後に生涯の幕を閉じさせられた。






それかられみりゃ家族は複数回の狩りを成功させた。
子れみりゃ達は数々の経験の中で成長し、一人前の捕食者と言えよう。
独り立ちの日も近いのかもしれない。
今日の狩りを終えたら子供達に独り立ちさせよう。
母れみりゃはそう決意して子供たちとの最後の狩りに向かうことにした。

だが、巣を出ようとしたときに思わぬ来客がれみりゃ家族を襲うことになる。

「ゆっくりしね!!」
「ゆっくりちね!」

それはゆっくりふらんの家族だった。それも体無しの。
その天敵の姿を見てれみりゃ達は震えあがった。

「うー! みんなにげてー!」
「にげるー!」
「うー!!」

「にがさいないよ! ゆっくりしね!!」
「ゆっくりちね!」「ゆっくりちねぇ!!」

ふらんは大口を開け、そこから人間のような腕を突きだしてれみりゃを殴りつけた。
どういう体内構造をしているのか。
とにかくこの喉から出る手がふらんの武器だった。

「う"あ"ー! う"あ"ー!」
「ぅ"ー! い"だ"い"ー」

ふらんの口から飛び出た握りこぶしがれみりゃの顔にめり込み、
れみりゃは今まで感じることのない痛みに泣き叫びながら地面を転がった。
そんなれみりゃにふらんは追撃をかける。

「しね! ゆっくりしね!!」
「ちねちね!」
「しねしねしんじゃえ!!」

「う"あ"ー! もうやめでー!!」
「ま"ま"ー!! だずげでー!!」

子れみりゃは子ふらんに幾度も殴られながら母に助けを求めるが、
母れみりゃも同じように動く間も与えられずに殴られて動けない。
ふらんの狩りはれみりゃとは違い、食事がメインではない。
「ゆっくりしね」と言っているもののふらんの求めるものは獲物が苦しむ姿だった。
だからふらんはれみりゃを殺さずに殴る。さらに殴る。もっと殴る。まだ殴る。

「う"ぅ"っ! う"ぁ"! やべっ、でぇ!!」
「ゆっくりしね! ゆっくりしね!!」
「ぅ"あ"ーーー!!」

何度も殴られた皮は伸びて中身の色が薄らと見えている。
羽も破けてもう飛ぶことは出来ないだろう。
母れみりゃがそれなら子れみりゃはもっと悲惨だった。
相手が加減を知らない子ふらんだったのもあるが、すでに皮は破れて中身が辺りに飛び散っていた。
大きく見開いた瞳は涙を流しながら空を見ていた。
あの様子ではもう長くは持たないだろう。

なんでこんなことになったのだろう。
子育ては間違いなく成功していたし、独り立ちした後も立派な捕食者として夜空を駆けたはずなのに。
なのになんでこんなに無残な姿になって地面に転がっているのか。

「う"ぅ"ー!!」

がんばって育てた子を目の前で崩されていく。
母れみりゃにとってこれほど悔しいことなかった。
理不尽だと母れみりゃは怒りも感じていた。
しかしこれはれみりゃ家族が他のゆっくりに対する狩りと同じなのだ。
弱い者は強い者の糧となり、強い者はさらに強い者の糧になる。
単純により強い者に狩られただけなのだ。
ゆっくりの場合は食べるだけではなく苦しませるという行為が増えるだけのこと。


子れみりゃの苦しみは死という形で終わったが、母れみりゃはまだまだ苦しみの未来が待っている。
ふらんは自分の巣に獲物を枝など棒状の物で突き刺して保管する性質がある。
母れみりゃがふらん達に連れていかれた先はまさに地獄だった。
絶対者であるふらん家族からはれみりゃもれいむもまりさも全て同列として扱われ、同じようにいたぶられた。
たまに子ふらんが加減を間違えて"運良く"死ぬことが出来たゆっくりもいた。
だが再生力の高いれみりゃはいつまでも運良く殺されることはなかった。

「う"ー…たべ、てー……」
「ゆっくりしね!!」
「うぎゃっ」

殺してほしいと願い出ても答えは拳で返ってくるだけだった。
子を失った母れみりゃはすでに生きる気力は無かったが生かされ続けた。
ああせめて後一日。もう一日早く子を独り立ちさせていれば少なくとも子供達は無事だったのに。
我が子恋しさで独り立ちを遅らせてきたことを後悔した。
もし独り立ちさせていれば、子供達の雄姿を想像することでこの苦しみも少しは緩和しただろう。
しかし現実に子れみりゃは目の前で死んだ。
いくら子の雄姿を想像しようにも「もし〜ならば」とifの空しい妄想でしかなく、
悔やまれて強い苦しみとなって母れみりゃの心を締め上げた。

考えれば考えるほど苦しい。
だからこそ痛みで他の辛い事を忘れられるふらんの暴力の時間が、
母れみりゃの心の安らぎとなるのにそう時間はかからなかった。

























by ゆっくりしたい人


そして母れみりゃが転生したのがドMてんこ。





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最終更新:2008年09月14日 08:48
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