ゆっくりいじめ系3011 水上の救出劇1

「ゆっゆっゆ~っ♪」
「ゆゆっ、ゆゆ~っ♪」
「ゆゆん、おじょうずだよ、おちびちゃんたち」
「ゆゆーん、とってもゆっくりしたおうたをまりしゃたちにきかせてあげちゃいよ」
 声は、大きなれいむが一匹と小さなれいむ三匹が発しているものであった。楽しそうに
話しながら、こっちに近付いてくる。
「れいぶぅぅぅぅ! ごっぢにぎぢゃだめだよぉぉぉぉぉ!」
 川面に浮いていた親まりさが必死に声を上げる。
「ゆゆっ、まりさの声だよ」
「おとうしゃんの声だにぇ!」
「ゆっくりしないではやくいこうにぇ!」
 声は聞こえたようだが、れいむたちはその内容を吟味することもなく、声の方へとやっ
てくる。
「ゆ゛あああ……なんでぎぢゃうのぉぉぉぉぉ!」
 現れたれいむたちを見て、親まりさが絶望する。
「ゆゆっ? まりさ、どうしたの? ゆっくりしてないの?」
「おかーしゃん、おとーしゃんがおかちいよ」
「ゆっくちおうたをきかせてあげようよ!」
「ゆゆっ、それはいいかんがえだよ!」
「ゆっゆっゆ~っ♪」
「ゆゆっ、ゆゆ~っ♪」
 れいむ親子たちは、早速自慢のおうたでゆっくりしていないまりさたちをゆっくりさせ
てあげようとする。
「こいつら、家族みたいだな」
「小さいのが三ついるぞ。実験続行できるぜ」
「よし、帰るの中止、実験続行!」
「「おう!」」
 その背後で少年たちが交わす溌剌とした会話などは聞こえていないようだ。
「どう、まりさ、れいむたちのおうた、すごくゆっくりできるでしょ!」
「できるでちょ!」
「ゆゆーん、ゆっきゅちちていっちぇね!」
「れいぶぅぅぅ、うじろ、うじろぉぉぉぉ!」
「もうまりさ、どうしたの? ぜんぜんゆっくりしてないよ! うしろになにかあるの?」
 ようやく、大きなれいむが後ろを振り向くと、
「ゆゆーん、おそらをとんじぇるみちゃい~」
 人間さんに摘み上げられた子れいむがとってもゆっくりしていた。
「ゆゆっ、とってもゆっくりしたにんげんさんだね! あまあまもちょうだいね!」
 少年たちはそれには何も答えずに、子れいむを長女まりさの帽子に乗せて水面に浮かべ
る。
「ゆ? これはまりしゃおねえしゃんのおぼうちだにぇ!」
「ほれ、いってこーい」
「ゆゆ?」
 釣竿で押され、糸に引っ張られて、子れいむを乗せた長女まりさの帽子はゆっくりと親
まりさへと近付いていく。
「ゆゆっ、おとーしゃん! ゆっきゅちちようにぇ!」
「れいむ、ゆっくりしないではやくこっちに飛び乗って!」
 後に何が起こるかわかっている親まりさは必死に呼びかけるが、とてもゆっくりしてい
る子れいむには、いまいちその緊迫感が伝わっていない。
「ゆぅ……おとうしゃん、ゆっきゅちちてにゃいよ? もっちょ」
 ゆっきゅちちてね! とでも続けようとしたのだろうが、その瞬間に、子れいむの乗っ
ていた帽子は釣り上げられ、そんなことは全く予期していなかった子れいむは、そのまま
水に落ちた。
「ゆ゛びゃああああ、だじゅげでええええ!」
 じたばたと水を跳ねる子れいむを、親まりさが棒を使って救い出す。
 親まりさの帽子のツバに子れいむが乗ったのを見て、少年たちは、
「よし、四匹目も大丈夫」
「次いこうぜ、次」
 と早くも次の子れいむを摘み上げていた。
「なにずるのぉぉぉぉ! やべでえええええ!」
 さすがにこの人間さんたちがとってもゆっくりしていない存在だと認識した親れいむが
子れいむを摘み上げた少年の足に体当たりする。
「ゆぴゃああああん、きょわいよぉぉぉぉ!」
 残った子れいむが恐怖に震えて泣き叫ぶ。
「あ、そいつ捕まえとけよ」
「うん」
 だが、その子れいむも、さっさと摘み上げられてしまった。
「やべでね! やべでね! おちびぢゃんをはなじでえええ!」
「さすがにうっとうしいな」
 痛くはなくとも、成体サイズのれいむが絶えず体当たりをしてくるのを邪魔に感じた少
年がれいむを軽く蹴飛ばした。
「ゆ゛べっっっ」
 ごろごろと転がっていくれいむ。すぐさま起き上がり戻ってきて体当たりを再開しよう
とするが、既に竿で押す役と、糸で引っ張る役の少年とは別の少年がれいむを蹴って遠ざ
ける役になっていて、全く手が出せなかった。
 そして――
「ゆええええん、だじゅげでええええ!」
 二匹目の子れいむが落ちた。
 後は同じである。親まりさが必死に棒を使って救い出し、子れいむがツバに乗る。
「うーん、まだいけそうだな」
「よし、六匹目いこう」
「やべでええええ! おぢびぢゃんにひどいごとじないでえええ!」
「ほい、あっちいってろ」
「やめぢぇぇぇぇ! れいみゅ、おみずしゃんにぽちゃんずるのやじゃあああああ!」
 子れいむが泣き喚き、親れいむが必死に体当たりしようとしても、涙混じりの懇願は無
視され、決死の攻撃はあっさりと阻まれる。
「やぢゃああああ、やめぢぇぇぇぇ!」
 長女まりさの帽子に乗せられた子れいむが親まりさに近付いていく。そして、後は何が
起こるかは決まっている。
 何度も同じことを見ていた長女まりさは、機をうかがっていた。あまりおつむのよろし
くない餡子脳をフル回転させて、長女まりさはゆっくりなりにゆっくり考えた結果、あの
最後の子れいむがやってくる今が帽子を取り戻す最後のチャンスであると思っていた。
 ゆんゆん泣きながら、子れいむが近付いてくる。そろそろだ。そろそろ、帽子が釣り上
げられる。帽子が斜めになってからでは間に合わない。その前に飛び乗るのだ。
「ゆんっ!」
 長女まりさは飛んだ。そして、その時は当然、まだ子れいむが帽子の上に乗っている。
「ゆ゛ぴゃ!」
 かまわず、子れいむを押しのけた。子れいむは必死に落ちまいと踏ん張る。
「おねえじゃん、にゃにずるのぉぉぉぉ!」
「いいから、れいむははやくおちょーしゃんのおぼうちにいってね! これはまりしゃの
おぼうちだよ!」
 はやくいけといわれても突然のことなので子れいむはうろたえるばかりだ。
「なにやってんだ」
「上げちゃえよ」
「うん」
 さらには、なにやら二匹の子ゆっくりがもみ合っているのを見て、少年が竿を上げた。
 ぐぐっ、と釣り針の刺さった箇所が浮き上がる。
「ゆゆっ! れいむ! おさえてね! ここをおさえてね!」
 長女まりさは、すかさずそちらへと体重をかけて、子れいむにもそうするように促す。
「ゆゆっ、ゆっきゅちりかいしちゃよ!」
 子れいむもわけのわからぬ状態に具体的な指示を与えられて慌ててそれに従う。
「あれ?」
 さすがにそうなると、今までと同じ力では上がらない。
「それっ」
 しかし、少し力を強くすれば簡単なことだ。少年は腕に力を込めた。
 ぶつっ、と――
 子ゆっくり二匹が必死に押さえる力とそれを遙かに上回る引っ張り上げる力に、帽子の
ツバが耐えられなかった。釣り針はツバに傷跡を残しつつも、もはやそれからは離れてい
ってしまう。
「ゆわーい、やっちゃよ、おぼうちをとりかえちたよぉぉぉぉ!」
「ゆゆーん、おねえしゃん、しゅごーい」
 歓喜の声を上げる長女まりさと子れいむ。
「ゆゆ? ちゅめたいよ?」
「ゆゆゆゆ? にゃんでおぼうちがしずんでりゅのぉぉぉぉ!」
 釣り針と糸によって引っ張り上げる力は、本来子まりさ一匹が定員の小さな帽子に二匹
の子ゆっくりが乗っていても沈まないようにもしていたのだ。それを失えば、もちろん徐
々に沈み始める。
「おちびちゃんたち、うごかないでまっててね、すぐいくよ!」
 親まりさが駆けつけようとするが、ツバに子ゆっくり四匹を乗せているのだから機敏な
動きは到底不可能である。それでも、長女まりさたちがじっとしていればなんとか間に合
ったかもしれない。
「ゆびゃああああ! きょわいよぉぉぉぉ! だじゅげでええええ!」
 子れいむは恐怖に突き動かされて力の限り暴れ回った。
「れいむ! やめちぇぇぇ! あばれにゃいでええええ!」
 長女まりさは、こういう時はじっと動かないでお父さんが助けに来るのを待つべきだと
教え込まれていたが、子れいむはそうはいかなかったのだ。
「ゆ゛わあああああ!」
「まりじゃのおぼうぢぃぃぃぃ!」
 親まりさがもうすぐ到着するというところで、長女まりさの帽子は転覆し、二匹の子ゆ
っくりは水面に投げ出された。
 親まりさは必死に棒を操って二匹の子供を救い出すが……帽子を拾うことはできなかっ
た。
「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……まりじゃの、まりじゃのおぼうぢぃぃぃぃぃ! ゆ゛えええ
えん!」
 泣き出す長女まりさ、それを見ていた次女まりさと末っ子まりさも、改めて自分の大切
な帽子が失われたことを思い出して泣き喚いた。
「ゆっくりおちついてね、おちびちゃんたち、ゆっくり泣き止んでね」
 親まりさが、オロオロとしつつも懸命に子供たちを宥める。
「ゆ゛ああああん、まりじゃのおぼうぢぃぃぃ!」
 しかし、帽子を失った子まりさの泣き声も、
「ぎょわいよぉぉぉぉ、もうおうぢがえるぅぅぅぅぅ!」
 慣れぬ水上の恐怖に震える子れいむの泣き声も、止むことはなかった。
「まりざぁぁぁ、はやぐごっぢにぎてええええええ!」
 親れいむが呼びかけるが、親まりさは苦しそうに首というか体を左右に振った。
「だめだよ、れいむ、おちびちゃんがみんな乗ってると、重くてすすめないよ」
「ぞんなあああああ」
「たじゅげでえええええ!」
「おうぢがえりだいよぉぉぉぉ!」
「もうやじゃああああああ!」
 絶望の声を上げるゆっくりたち。
「おおー、六匹乗ったよ」
「すげえなあ」
「じゃ、帰ろうぜ」
 少年たちは帽子のツバに六匹の子ゆっくりを乗せた親まりさに一頻り感心してから荷物
を片付け帰り支度を始めた。
「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、なんでがえるのぉぉぉぉ、まりざだちをだずげでね!」
 それに親れいむが噛み付いた。この人間たちのせいで家族がゆっくりできないことにな
っているのに、それを放置して帰ろうとは何事だ。
「助けるってもなあ」
「うーん」
「どうすりゃいいんだろうな」
 と、考え込む少年たち。実を言うと、答えは簡単である。この川はそれほど深いわけで
はないので、腰まで濡れることさえ厭わねば、ゆっくりたちを助けるのは簡単である。だ
が、その選択肢は少年たちの中に最初から無い。そんなことをするぐらいなら助けないで
そのまま帰る。
「あ、これこれ、ほら」
 一人の少年が何かを思い出したように少し離れた所まで歩いていき、そこで何かを拾っ
てきた。
「ああ、それ」
 少年が拾ってきた板切れは、他の二人も気付いていた。厚さ1センチほどの木の板で、
何日も前からそこに落ちていたもので、釣りの行き帰りに、そういうものが落ちてるなあ、
というのは認識していた。
「これに乗っていけばいいんじゃない?」
「ああ、ちょうど、あいつら全部乗れるぐらいの広さあるよな、これ」
「ゆゆっ! それじゃあはやくしてね! ゆっくりしないでね!」
 なんかもう何から何までやってもらおうとする親れいむであるが、少年たちも、散々遊
ばせてもらったので、その程度は聞いてやろうという気分になっていた。
 15センチ×50センチほどの縦長の板を、親まりさたちに短い方を向けて浮かべ、そ
の真ん中に親れいむを乗せる。
「そーれ」
「そーれ」
「そーれ」
 そして、板を釣竿で押しやった。
「ゆゆーん、おかーさんがいまいくからゆっくりまっててね!」
 すいーと水上を進む親れいむに、家族からの歓声が降り注ぐ。
「れいむ、はやくきてね!」
「おきゃあしゃん、たじゅげでえええ」
「はやくきちぇええええ」
 やがて、板切れが親まりたちの所へと到着する。
「ゆん、それじゃおちびちゃんたち、このいたさんへ乗ってね!」
 一番近いところにいた子れいむが、親れいむに言われた通りに板に飛び乗ろうとするが、
失敗したら水に落ちると思うと怖くて踏み出せない。
「ゆぴゃあああ、きょわいよぉぉぉぉ、きょんにゃのむりぢゃよぉぉぉぉ」
「ゆゆっ! だいじょうぶだよ! そうだ! おかあさんが受け止めてあげるよ! それ
ならこわくないよね!」
 と、言いつつ親れいむは母性溢れる笑顔で、ぽよん、と前に飛んだ。
 板の真ん中から、そうやって端に向かって飛んだのである。
「ゆびゃっ!」
「ゆべっ!」
 親れいむの着地した板の端は沈み、反対側の端がぐるりと空に弧を描いて、親まりさの
頭に直撃した。
 その衝撃自体にはなんとか耐えられたものの、板が凄い勢いで向かってくるのを恐れた
子ゆっくりたちが動いたために、親まりさの帽子のバランスは非常に危うくなっていた。
「ゆびゃあああああ、だずげでね! だずげでね!」
 水に落ちた親れいむが助けを求める。
「おきゃあしゃん、れいみゅがたしゅけるよ!」
「まりしゃも!」
 健気にも子れいむと子まりさが親れいむの髪の毛をくわえる。母を想う余りの美しい行
動ではあるが、完全に無謀であった。親れいむも冷静であれば、危ないから止めろと言っ
て、親まりさの救助を待ったであろうが、もちろんそんな余裕は無い。
 子供たちの健気な声も聞こえぬままに暴れ続け、結果、自分を助けようとした優しい子
れいむと子まりさを水の中に引きずり込んでしまうことになった。
「ゆぴゃあああああ!」
「だじゅげでえええ!」
「だずげでね! ゆっぐりじないでだずげでね!」
 たちまち、水面でもがき跳ねる仲間に二匹の子ゆっくりが加わった。
「ゆゆゆゆっ! すぐ助けるよ! この棒につかまってね!」
 親まりさが華麗に棒を差し出すが、それに親れいむが噛み付いてしまった。

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最終更新:2011年07月28日 03:30
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