ゆっくりいじめ系161 奇形ゆっくり2


「奇形ゆっくり2」




※奇形はあまりメインじゃないです。





ここのところ晴れの日が続き、草原の雪は完全に融けきっていた。
本格的な春の訪れに心を躍らすのは、何も人間だけではない。
今までまばらだったゆっくりの数も、最近になって増え始めた。
待ち望んでいた春を味わおうと、巣から一斉に出てきたのだろう。

「ゆっくりしていってね!!」

僕の耳に入るのは、“ゆっくり”と呼ばれる饅頭生物の本能に刻まれた、定番の台詞である。

「あたたかいね!!みんなでゆっくりしようね!!」
「わかるよー!!ゆっくりするよー!!」
「せっかくだから、とくべつにゆっくりしてあげてもいいよ!!」
「私は別に強さをアッピルなどしてはいない私を強いと感じてしまっているやつは以下略」
「ダリナンダ!オデノジャバヲズルノバ!」

たまにゆっくりっぽくない声も聞こえるが、この草原には僕を除けばゆっくりしかいない。
それにしても、ゆっくりって…こんなにたくさんの種類があるんだな。
ポ○ケモン図鑑みたいに、ゆっくり図鑑とか作ってみたら面白いかもしれない。

「おにーさんもゆっくりしていってね!!」
「はいはい、ゆっくりゆっくり(笑)」

と、出会うゆっくりはみな僕に話しかけてくるので、適当に返しておく。
そんなことをしばらく続けながら草原を歩き回り、10分ぐらい経っただろうか…
突然、周りのゆっくりがざわめき始めた。

「ゆ!!あのことはゆっくりできないよ!!ゆっくりどっかいってね!!」
「こっちにこないでね!!きたないのがうつるからこないでね!!」
「そんなきもちわるいれいむとはゆっくりできないよ!!」

よく聞いていると、どうやらゆっくりたちにとって“ゆっくりできない”ゆっくりがいるらしい。
それはれいむ種で、『きたない』とか『きもちわるい』とか、そういう言葉で罵倒されていた。
僕はそいつがどこにいるのか探してみたのだが…

「…ゆぅ!……ゆぅ!!」

こちらに向かって弾んでくる、一匹のゆっくり。おそらくこいつだ。
周りのゆっくりが離れていくので、必然的にそいつが一匹ぽつんと取り残されることになるから見つけやす
かった。
…見たところ、そいつは普通のゆっくりれいむである。
大きさからすると成体でリボンもちゃんとついているから、そういった点では至って普通だった。
ただ、他のゆっくりから攻撃を受けたのか、破れた皮が塞がった後が多数残っている。
しかし、普通ではない点は…他にあったのである。

「ゆ!いまだしてあげるからまっててね!」

ぺっ、とれいむが吐き出したのは、2匹の子ゆっくり。子れいむと子まりさだった。
子ゆっくりと言えば、『ゆっくりちていってね!』などと声を上げながら跳ね回るのが普通なのだが、この
二匹の子ゆっくりは…口から吐き出された衝撃でぼよんぼよん震えたと思ったら、それ以上何の動きも示さ
なかった。

「ゆ!ゆ!ゆっくりうごいてね!!ゆっくりはねてね!!」

母れいむが心配そうな顔をして、後ろからぐいぐいと子ゆっくりを押している。
それでも、子ゆっくりたちはコロコロ転がるだけで…自力で跳ねようとはしなかった。

「ゆぎゅ!!やっぱりだめだよ!うごけないよ!」
「うううぅぅぅぅ…!どうして!?どうしてまりさはうごけないの!?
 みんなといっしょにゆっくりしたいよ!!!」

そう、こいつらは自力ではまったく動くことができないのだ。
どうやら…この2匹の子ゆっくりは、“奇形ゆっくり”らしい。
人間でも同じことが起こる様に、ゆっくりの場合も妊娠中に有害な物質を多量に摂取することで、奇形児が
生まれる確率が上がるらしい。
そんな話を、加工所の図書室で読んだことがある。

「ゆゆゆ…!!どうして!!どうしてうごかないのおおおおお!?」

母れいむもどうしていいのか分からず、喚き散らすだけだ。
この後何が起こるのか気になって、木の陰に隠れて様子を見ることにする。

「ゆゅゅ……………!!」

母れいむは、視線を下に向けて何か考えているらしい。
餡子脳で何を考えられるというのだろうか?
そして、パッとひらめいた様な顔をすると…

「ゆぎゅう!!!こんなのれいむのこどもじゃないよ!!ゆっくりしね!!」

不安は消し飛び、いつものゆっくりらしい笑顔で2匹の子供を押しつぶし始めた。

「ゆぎゃあああああああああ!!おがーぢゃんやめでよおおおおおおおお!!!」
「まりざをごろざないでえええええええ!!ゆっぐりざぜでええええええ!!!」

なんて酷い親だ。こいつ…自分の子供を殺そうとしてるぞ…!

「こんなぶきみなこどもとはゆっくりできないよ!!ゆっくりあのよにいってね!!」
「れいむもゆっぐりずるがらああああああ!!おがーじゃんといっじょにゆっぐりいいいいぃぃぃ!!!」
「いっじょにゆっぐりじようよおおおおおおおおお!!??」

母れいむは自分の子供を下敷きにしたまま、何度も何度も跳ね続けた。
落下してくる母れいむに踏み潰され、何度も何度も口から餡子を吐き出す子ゆっくりたち。
逃げたくても、生まれつき動けないためどんなに頑張っても逃げることは出来ない。
自力で出来ることなど何一つない子ゆっくり達にとって、母がすべてなのだというのに…
生れ落ちたとき、動けずに泣き喚いている自分を励ましてくれた母ゆっくり。
自分では何も出来ないから、取ってきた餌を口移しで食べさせてくれる母ゆっくり。

そんな。そんな母ゆっくりによって。殺されようとしている。
今、唯一のよりどころであった母親によって、殺されようとしているのだ。

「いだいよおおおおおお!!ゆっぐりじだいよおおおおおおおおー!!!」
「もうやめでえええええ!!じにだぐないよおおおおおおおお!!!?ぶぎゅえ!!??」

皮の裂け目からも、餡子が漏れ出した。
どすんどすん、テンポよく餡子を吹き出す子ゆっくり2匹。
そして…2匹の悲鳴が聞こえなくなると、母れいむは跳びはねるのを止めた。

「これでやっとみんなとゆっくりできるよ!!」

迫害の原因となっていた子供を殺すことによって、自分だけでもゆっくりしようってか。
ゆっくりのこととはいえ、なんだか腹が立ってきたぞ。

「みんなー!!いっしょにゆっくりしようね!!」
「ちょっと待った!」

去っていった他のゆっくりのところへ行こうとする“元”母れいむ。
僕が目の前に立ちはだかると、先ほどの陰気くさい顔はどこへやら。
満面の笑みで、例の台詞。

「おにーさんも、ゆっくりしていってね!!」
「はいはいっと。それよりもれいむ、あれはなんだい?」

そう言って、僕は子ゆっくりだったモノを指差す。
途端、不機嫌そうな顔に早変わり。不満を口にし始めた。

「しらないよ!!あんなかわいくないばっちぃのしらないよ!!」
「でも見てたんだよね、お兄さん。君が自分の子供を潰してたの」
「ゆ!?だってばっちぃあかちゃんがいるとゆっくりできないんだもん!!
 でも、あかちゃんがしねばれいむはゆっくりできるよ!!おにーさんもゆっくりしていってね!!」

などとへらへら笑いながら言うものだから、僕の怒りが有頂天になった。

「へぇ~そうかそうか。自分がゆっくりするために、赤ちゃんを殺しちゃうんだぁ」
「そうだよ!!あのこたちのせいで、いままでぜんぜんゆっくりできなかったよ!!」

ぷんぷん、と怒ってみせるれいむ。
僕はハンドボール大のそいつを掴みあげると、皮が破れない程度に強く締め付け始めた。

「ゆぎゃあああああああああああああ!!!はなぢでええええええええええええええ!!」

顔がひょうたんみたいに歪んでいる。
ちょっと和んだが、まだまだ僕の怒りはおさまることを知らない。
少しばかり締め付けを緩めてやると…

「ゆ゛っ!おにーさんとはゆっくりできないよ!!れいむをゆっくりはなしてね゛っぎゅあああああ!?」
「え?なんか言った?」

聞こえないフリをして、再び締め上げる。

「や゛っめ゛っ…!!…ゆっぐりでぎなび…ゆッぐりざぜでよおおおおおおおおお!!!!」
「そういった赤ちゃんに、お前はなんて答えたの?」
「ゆ゛っ!!??」

信じられないほど小さい記憶容量を誇る餡子脳。
それでも、数分前の出来事…数分前の自分の発言ぐらいは、覚えているはずである。

「ねぇ?なんて答えたの?『ゆっくりさせて!』って叫ぶ赤ちゃんに、お前はなんて言ったの?」
「ゆぐっ!!!」

一瞬強く締め付けると、れいむは痛みに声を漏らした。
瀕死の赤ちゃんに、嬉々としてぶつけた言葉。忘れるわけがないよな?
嬉しかったんだよなぁ?忌々しい奇形ゆっくりとさよならできたことが。
だったら忘れるわけないよな。ゆっくりの餡子脳は、楽しいことはしっかり覚えてるんだから。

「ねぇ?『しにたくない!』って叫んでた赤ちゃんに、お前はなんて言ったっけ?」
「ゆ…“ゆっくりしね”…?」
「うんうん!!他には!?」

と言いながら、締め上げる力を強くしていく。
“言わなければ死ぬ”という脅迫めいたものを感じたれいむは、素直に記憶をたどる。

「早く教えてよー!『いっしょにゆっくりしよう!』って言った赤ちゃんに、お前さまは何とおっしゃった
 のですか?」
「ゆ…“ゆっくりあのよにいってね”…うわあああああ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「そうでーす!正解でーす!だからそっくりそのままお返ししまーす!!」

徐々に締め上げる力を加えていく。
まだ、皮が破れて餡子が漏れるには至らない。

「やめでえええええ゛え゛え゛え゛!!じにだくないよおおおお゛お゛お゛お゛!!!」
「えー!?こんな不気味なゆっくりとはゆっくり出来ないよ!!ゆっくりしね!!」
「ぶぎみじゃないいいいいいい!!!れいむはがわいいのおおおおおおおおおおおお゛お゛お゛!!!」

命の危険が迫ってるのに、まずそこを否定するのか。餡子脳の神秘を垣間見たよ。

「こんなの可愛いゆっくりじゃないよ!!ゆっくりあの世に逝ってね!!」
「いやだああああああ゛あ゛あ゛!!!だじげでえええええ゛え゛え゛え゛!!!」
「え?死にたくないの?しょうがないなあ。じゃあ、何でも言うこと聞くなら助けてあげる」
「ぎぐ!!ぎぎまず!!だがらだずげで!!ごろざないでえええ゛え゛え゛え゛!!」
「ほいっと!!」

締め付ける力を一気に緩めると、れいむはぶるんと震えてそのまま地面に落ちた。
涙を流しながら僕のほうを見て頭(体)を下げて謝っている。

「ごめ゛んなざい!!もういいま゛ぜんがらゆずじでぐだじゃい゛!!」
「はいはい、許す許す(笑)…ただしさっきも言ったとおり、言うことを聞いたら、だけど」

恐る恐る、僕の表情を窺うれいむ。
僕がれいむに要求したのは…

「そのリボンかわいいね。僕がそれを貰うよ」

その瞬間、れいむは最高に笑える表情をしてくれた。






あとがき

奇形ゆっくり』の続きってことにしてくれてもいいし、別物ってことでもいいです。

最初奇形ゆっくりに対する迫害を書こうとしてたら、いつの間にかIKEMENのお兄さんが言葉攻めしてた!!

不思議だね!!

前作より短くまとまったね!!よかったね!!

最後に、いつの日か聞かれそうな質問に前もって答えておきます。

Q.どうしてゆっくりっぽい変な口調で言葉攻めをするのですか?

A.趣味。

作:避妊ありすの人






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最終更新:2009年02月07日 23:00
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