ゆっくりいじめ系2611 僕はこうして困りました

『僕はこうして~』の人物が登場

息子:ゆっくりと人間の中間生物。それ以上でもそれ以下でもない。






学校が終わり、なんとなく寄り道をしたくなる日が彼には偶にある
そいういう時は学校の裏山に行く。それほど大きい山ではなく、軽い散歩したい時なんかに最適で
この山は同級生が殆ど来ない上に、好物のゆっくりが豊富にあった

山の中腹あたりまで行くと程よい休憩スポットがあり、そこには既に先客が二人いた
「来てたのか」
彼とは異なる高校の制服を来ている青年に声をかけられる
「先輩、こんにちは」
青年のほうが年上のため彼は『先輩』と呼んでいた
「あ、ゆっくりに好かれてるおにいさんだ」
先輩の後ろから地元の中学校の制服を着ている小柄な少女がひょっこり現れた

「いっ、妹さんもこんにちは」
「どうしてお前は毎回毎回ウチの妹を見るたびに嫌そうな顔をするんだ?」
「いえ決してそんなわけじゃ・・・」
ある理由から彼は妹のことが少しだけ苦手だった


妹は持参したお菓子を集まってきたゆっくりにあげていた
その様子を眺めながら彼と先輩はベンチに腰掛け世間話を始めた
「今日はどうしてこちらに?」
「あいつの体力づくり。歩くのが一番だって医者が言ってたからな」
「まだ肺の具合悪いんですか?」
「いや。最近は大分良くなってる。セキをする回数も減ってきた」
彼女に目をやるとニ袋目のお菓子の封を開けてゆっくりに配り始めていた
「にしても妹さん。本当にゆっくり好きですね」
「あんな糞饅頭のどこかがいいんだか・・・おら死ね!!」
「ゆぎゅう!!」
ハーフの彼に一目惚れし、アプローチをかけようと近寄ってきたゆっくりれいむを蹴り上げた
「ゆ、ゆっぐりでぎないよーー」
3mほど吹き飛んだれいむは泣きながら妹の周りにあつまっている群れに逃げ帰っていった
「先輩は相変わらずのゆっくり嫌いですね」
「あったりめーだ。一日の3分の1はゆっくりを殺すことを考えてる」
不機嫌さを全開で露にして膝に頬杖を立てる
「あのおにーさんはぜんぜんゆっくりできないよ! ぷんぷん!!」
靴の甲の跡を額に作ったれいむが餌をくれる妹に不満を漏らした
「あーー! 兄ぃちゃんまたゆっくりに暴力振るったーー!!」
「告げ口してんじゃねーよ下糖生物! 殺さないだけ有難いと思え!!」
「この子たちだって頑張って生きてるんだからいじめちゃ駄目だよ!」
「うっせぇ。それでもお前よりは“マシ”だ!」
たまらず抗議した
「?」
兄の言葉の意味がわからず首を傾げる妹
「自覚がないだけ性質(たち)が悪いな」
本当ですね。と彼も同意した

直後、妹と戯れるゆっくりの一匹に黒い影が降りた
「ゆっ! と、とりさんゆっくり・・・いたい! いたいよ!!」
一羽のカラスがれいむのリボンをクチバシで突きはじめた。リボンには先ほど妹が配ったお菓子のクズが付いており、それを食べようとしている
「やめてね! ゆっくりやめてね!!」
あちらこちらに跳ね回るが、その程度でカラスを振り切れるわけなどなく執拗に突かれる
れいむのリボンは地面に落ちてしまった
「ゆがああああああああああああああああああああああ!!」
拾おうと慌てて体を反転させるが、それをカラスは咥えて飛び立ってしまった
「かえしてね! れいむのおりぼんさんかえしてね!」
必死の形相でれいむはカラスが飛ぶ跡を追いかけていった。当然追いつけるはずなどない

「はじまったな」
「はじまりましたね」
兄は楽しそうな表儒で、彼は気の毒な表情を浮かべる

『クックー』
「ゆ?」
何かの泣き声が聞こえて一匹のまりさが草むらの方をみた
『クックー』
とさかを持つ鳥が一羽現れた

「ありゃ矮鶏(チャボ)だな」
「今日は鳥尽くしですね。この前は落石でしたっけ?」
「それと雨だ。毎度毎度、いろんなパターンがあるんだな」

「ゆっくりしていってね!!」
まりさはやってきたチャボにいつもどおりの挨拶をする
『クックー』
「ゆ~ゆ~♪」
チャボの返事に満足げに笑うまりさ
『クックー』『クックー』『クックー』
「ゆ?」
草むらからさらに二匹飛び出した
『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』
『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』『クックー』
「ゆゆゆ!?」
次から次へと、まるで工場のライン生産のようにチャボは増え続ける

「斬りつけると四方八方からニワトリが襲ってくるゲームあったよな」
「夢を見る島?」
「町民を殴ると、四方八方から岡引が襲ってくるゲームあったよな」
「ゴエモン?」
「黄金銃使うと、四方八方から友達が襲ってくるゲームあったよな」
「ゴールデンアイ?」

チャボの集団は散開しゆっくりを取り巻くように散っていく
「に、兄ぃちゃん。どうしよう!?」
その中心にいる妹は兄に助けを求める
「巻き添え喰うからこっちに来い。生足だしてんだから」
「で、でもこの子たちが・・・」
「それも自然界の掟だ。人間がどうとか出来ることじゃない、それにチャボにそいつらを簡単に殺すだけの力は無い」
「う、うん・・・」
ゆっくり達を済まなそうに一度見てから、彼らのいる方に駆け出した

「妹さんの“体質”も相変わらずですね」
「あのレベルまでいくと“体質”ってより“呪い”だな」
――なぜか妹に触れたゆっくりには災難が降りかかる
天気予報が外れる日があっても、このジンクスが外れる日はなかった
「前世でゆっくりと何かあったんですかね? ゆっくりのせいで死んじゃったとか?」
「あははははははは! かもなっ」
彼の発想がツボに入ったのか、膝を叩いて笑う
「それにしても。本人にその自覚がないのがまた凄いですね。教えてあげないんですか?」
「俺はあいつらなんて死ねば良いと思っているから教えない」

妹が二人の元に戻ってくる頃には、チャボとゆっくりの乱戦は始まっていた
「ゆっくりしんでね!!」『ケェー!!」』
ゆっくりは噛み付きと体当たりを、チャボは突きとジャンプしての鉤爪攻撃でダメージを与える
「良い勝負だな。ハブとマングースみたいに見物料とれそう」
数はゆっくりの方が多いが、体の丈夫さ力の強さならチャボが遥かに勝っている
兄は腕を組んでその光景に見入っていた
血が騒ぎ出して、足をトントンと貧乏ゆすりを始める
「やべぇ混ざりてぇ」
「あ、ちょっと兄ぃちゃん!?」
群れに飛び込んでいく兄
「行っちゃった」
「どうしてお兄さんはあんなにもゆっくりが嫌いなの?」
「『理由なんて無い。見ただけで虫唾が走る。殺意が湧く』っていつも言ってる」
「もしかして、お兄さん前世でゆっくりに殺されたことある人?」
「そうだったら面白いね」
ゆっくり嫌いの兄と、関わったゆっくりを不幸にする妹
この兄妹とゆっくりに何かのイワくがあるような気がしてならなかった

「コラッ、逃げんなニワトリ! 俺は味方だ!」

結局、兄が乱入したことでチャボが驚き逃げていったことで呆気なく終戦を迎えた



三人は山頂にたどり着く
「さっき俺らを異常者扱いしてたけど、お前も相当だぞ」
「うん」
兄の言葉に妹は首を縦に振って賛同する
「?」
彼はチャボとの戦いで虫の息になっていた一匹のまりさを捕まえて食べながらここまで来た
兄妹はもう少しでゆっくりを丸々一匹を食べきりそうな少年を見る
「いいか? お前が食べてるゆっくりまりさの大きさはこれくらいだ」
両手でボールを持つようなジェスチャーでまりさの大きさを表現する
「がんばれば食べられる大きさだとは思うが。胃がもたれないのか?」
「全然」
「おにーさん。ほっぺに餡子付いてるよ」
妹が彼の頬を拭った
「あっ」
しまったと彼は心の中で思った
「どうした?」
「い、いえ。別に・・・」
妹の“体質”の対象は彼も例外ではなかった
残り一口になったまりさを口に放り込み、周囲を見回し災難の要因になりそうなモノを探す
「痛っ」
口の中でガキンと嫌な歯ごたえ
歯が何か硬いものを噛んだ。口の中の異物をペッと吐き出して確認する
「石?」
口の中で薄っすらと鉄錆のような臭いがした
「多分さっきの乱戦のとき体に入り込んだんだろうな。ゆっくりなんて食うからそうなるんだよ」
「大丈夫?」
呆れる兄と彼を心配そうに覗き込んでくる妹
「・・・・・・」
彼女に触れられるたびにこんな不運に見舞われる
過去にも、彼女が「ちぇんと遊ぶ」といって持ち出した猫用のマタタビスプレーを手元が狂い誤って浴びてしまい
その帰りに近道で通った路地裏で猫の大群と出くわして擦り傷だらけになって帰宅したことがあった。他にも挙げたらキリが無い
彼が彼女のことが苦手な理由がこれだった

「そろそろ降りるか。お前この後も暇か?」
「一応は」
「あのボーリング場に行くの?」
「ボーリング場?」
「行けばわかる。面白いぞ」

下山し、三人が向かったのは。町の賑わいから外れた通りに佇むボーリング場。寂れた外装は入る者に小さな不安を与える
「今日もガラガラだね」
「この不況でよく潰れませんね」
「二階のカラオケが結構繁盛してんだよ。それに土日はそれなりに混むぞ」
兄が受付の向かう

「いらっしゃいませ」
「『特別レーン』でお願いします。人数は三人で」
「かしこまりました」

受付をすませ、シューズをレンタルして指定されたコースに行く

「玉の代わりにゆっくり?」
「な。面白いだろ」
「「「ゆっくりなげていってね!!」」
本来ボーリング玉がある場所にゆっくりが並んでいた
種類は全て安価なれいむ種とまりさ種だった
全て質悪なもののため、食べることは出来ない
「ここのオーナーさんが物好きな人でね。『ゆっくりでピン倒したらウケるんじゃないのか』だって」
「どうやって遊ぶんですか?」
「簡単だ」
兄はまりさを取る。まりさの帽子にはゴムひもが付いていて、簡単には落ちないようになっていた
「初心者はれいむがお勧めだ。帽子が無い分転がりやすい」
れいむの髪を掴んでコースに立つ
「ゆっくりなげてね!!」
「だが断る」
サイドスローで、川に石を水平に投げる時のように腕を振るう
「ゆゆっ!!!」
滑り転がってれいむはピンにぶつかった。左端を残してピンは倒れた
「7本か・・・よし第二投」
今度はまりさを掴み。オーバースローで投げた
「いぎぃ!」
投げられたまりさは不気味な声をあげて飛んでいった
「げっ1本かよ。真ん中に寄りすぎた」
「いいんですか今の?」
「ゆっくりが玉なら何をしてもいいんだって」
妹が兄の代わりに答え、まりさを持ってコースに立った
「投げるときにスカートに気をつけろよ。今日はコイツがいるんだから」
「うっ・・・」
少しだけぎこちない動きでまりさを抛った
「ああ。ガーターだ・・・・」
まりさは溝にはまってしまった
「ゆっくりもどるよ」
自力でまりさは彼女の元まで戻ってきた
「お前は力が無いんだから『手動』よりも『自動』にした方がいいんじゃないか?」
「そうする」
(手動? 自動?)
彼女はまりさを両手を持ち上げてその顔を見詰める
「お願いね」
「ゆっくりりかいしたよ!!」
元気に言葉を返したまりさは彼女の手を離れ自分からピンに向かって行った
「ゆっくりころがるよ」
帽子の抵抗をものともせずころんころんと転がっていく
「めがまわったから、ここからはゆっくりはねるよ」
最後は普通に跳ねてピンに体当たりをした
画面には6本と表示されている
「ゲーム性なさすぎません?」
「いいから。次お前の番だぞ」

彼はれいむを選んだ
「ゆゆ~~ん♪」
選ばれ嬉しそうなれいむを持ちコースに立とうとした時、玉(ゆっくり)が戻ってくる台から奇妙な音がした
「なんだろう?」
気になり機械の奥を覗き込んだ
「うわっ!!」
突然餡子が飛び出してきて彼の顔にかかった
「この味・・・まりさの餡子だ」
*1
少し遅れてまりさの帽子が出てきた
「ばりざああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
彼のもっていたれいむはそれを見て大声で叫ぶ
「どうかしました? ああ、ゆっくりがベルトに巻き込まれて餡子が詰まってますね」
騒ぎを聞きつけてやってきた定員に事情を説明をすると隣のレーンを使うように言われた
「改めて訊きます。これ楽しいですか?」
「楽しいじゃないか。人目を気にせず堂々をゆっくりをブン投げられるし、妹が投げる度にズタズタになって帰ってくるゆっくりが見られる」
「先輩限定ですよそれ」

そしてゲームは進んで行き

「やべぇ・・・俺負けそう」
終盤になり点差が大きく開けてきた
現時点で一位は息子。二位が妹。三位が兄である
息子は全て『自動』で投げた。そのときゆっくりが張り切ってストライクやスペアを連発した
妹も全て『自動』で投げたが、息子のようにはいかなかった。ちなみに彼女が投げるゆっくりは一定の確率で磨り潰されて出てきている
潰されたゆっくりが出てくる度に彼女は複雑な表情をした
兄にいたってはゆっくりを痛めつける投げ方ばかりしたためストライクやスペアはほとんど無い
「遊びすぎだよ兄ぃちゃん」
「勝つ気はあるんだが、ゆっくりを見るとつい」
「ゆゆゆっ! おにいさんへたくそだね!!」
「「「げらげらげら」」」
一斉にゆっくりたちが笑った

「あぁ?」
額に血管を浮かべ、自身を笑ったゆっくり達を睨む
「兄ぃちゃん?」
不安げな表情で兄を見る。「許してあげて」とその目が訴えている
「・・・・ああもうっ」
その妹の視線に気づき面倒臭そうに頭を掻いた
「大丈夫だ、こんなんで切れてたらキリが無い。一息入れるか? 済まないがジュース買ってきてくれ。釣りはやるから」
500円玉を妹に渡す
「俺はサイダー。お前は? 奢ってやる」
「じゃあお汁粉で」
「うんわかった、サイダーとお汁粉・・・お汁粉ぉぉ!?」
「お前やっぱり変だわ」
「?」

リクエストを確認して自販機のある場所に彼女は向かった

「さてと。お前ら覚悟は出来てるな?」
(やっぱり)
妹の姿が見えなくなるのを確認して指の骨を鳴らす
幸い、定員は引継ぎの作業中で奥に引っ込んでいる。しばらくは戻ってこない
玉置き棚のゆっくりは逃走防止のため固定されているため自分の意思で逃げることが出来ない

「お前ゆっくりを殴ったことあるか?」
「結構」
捕食するためにゆっくりを殴るのは彼の生活の中でそう珍しいことじゃない
「殴った手が皮を突き破ったことは?」
「たまにあります」
「手が貫通したことは?」
「それは無いです」
「じゃあやり方を見せてやる」
兄は握り拳を作る
「握力全開でコブシを硬くするのも大事だが重要なのは“ここ”だ」
握っていない方の手でコメカミを指さす
「頭ですか?」
「正確には脳だ。殴る時は【ゆっくりをゆっくりだと思わない】こと」
「どういうことですか?」
「ゆっくりを殴る時、脳は『ゆっくりの体は柔らかいからこれくらいの力でいいや』と判断して、無意識のうちに力をセーブしてる。これポイントな」
「はぁ?」
いまいち実感がわかない彼を置き去りにして説明を続ける
「硬いものをイメージする。イメージするのは鉄でもボーリング玉でも硬けりゃなんでもいい。イメージ出来たらそれをゆっくりに重ねる」
腕まくりをしてから振りかぶった
「そして思い浮かべたモノを叩き割る映像を思い描いてから。打つ」
「ゆ゛!!」
宣言した通り、振るった手は額を抜け後頭部から出た。棚がガタンと大きく揺れる
「脳を騙して力を引き出す。いわゆる“プチ火事場の馬鹿力”ってやつだ。感覚を掴めば意識しなくても出来るようになる。実践してみろ」
「無理です」
即答した

兄が殴った衝撃で棚の拘束が緩んだらしく。数匹のゆっくりが彼らの足元に落ちた
この二人は気づかなかったが、このゆっくり達は全て玉選びの際に妹に触れられていた
「おにーさんのせいでたくさんしんじゃったよ!!」
「まりさをかえしてね!!」
「れいむをかえせえええええええええええええええええ!!」
開放されたゆっくり達は仲間の死に怒っていた
「ゆるさないよ!!」
「さっさとしんでね!」
体当たりを彼らの足に繰り返る

「これって正当防衛になるのか?」
「さぁ?」

兄が殆どのゆっくりを潰し終えた時に妹は戻ってきた

妹はカンカンに怒り。定員を呼んで事情を話した
三人は謝り、弁償するつもりだったが
ゆっくりはただ同然で仕入れたものなので構わないと言い
逆に店側が棚の拘束が不十分だった点を謝罪し、御代はいらないと説明を受けて開放された


「良かったね。お店の人がゆっくり虐待好きの人で」
「しかし災難だったな」
「元はと言えば兄ぃちゃんのせいでしょ。反省してよ。迷惑かけたんだからおにいさんに謝って」
「いやいや全部ゆっくりのせいだろ。煽ってきたのはあいつらだ」
「もうお風呂一緒に入ってあげないよ?」
耳元で、息子に聞こえない声で言った
「その条件を持ち出すなんて卑怯だぞ!」
「 ? 」
「その・・・・色々面倒なことにつき合わせて悪かったな」
その言葉には確かに誠意があった
「そんな。充実してましたよ。お礼を言いたいのはこっちです」
「おにいさん、ありがとう。また遊んでくれる? 兄ぃちゃんこんな性格で友達少ないから」
「ほっとけ」

妹が手を差し出した

「う・・・」
その手に触れることで自分がどうなってしまうのか想像した
少し困った顔してから
「うん、また遊ぼう」
しっかりと手を握った

途中まで道は同じだったので、分かれ道に着くまで雑談をした
「じゃあ僕はここで」
「うん」「またね」
そこで彼は兄妹と別れた


二人の姿が見えなくなってから自分の手をじっと見る

「やっちゃった・・・・」
この後、我が身にどんな厄災が降りかかるのかと考えると身震いした
(一体どうやっ…駄目だ駄目、頭を切り替えよう)
恐怖に支配されつつあった頭を振るい、それらを払い落とす
こういう時にこそ気を強く持たなければ運は回ってこない
(気を強く持とう。立ち向かう気持ちで。逃げ腰は一番いけない)
逃げないと誓い、心に旗を立てた

その誓いは次の角を曲がり、知り合いの黒人と出くわしたことであっさりヘシ折られた

この日。日付が変わる直前まで、彼の不運は続いた



end


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最終更新:2011年07月28日 12:39
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*1 わかるの?