ゆっくりいじめ系2298 育児放棄? そんな程度じゃないんだぜ!! 後編その2-1

これは fuku5158の続きです。
長いし意味わかんねえ。という方は先にそちらをお目通しください。よろしくお願いいたします。

ゲスまりさ注意
そんなまりさを制裁もの
子ゆっくりは……少し虐待
お兄さんの活躍が少し足りない
ストレスマッハ注意
ストレスを解消しきれない可能性あり
めんどくさいほど長文……。時間がある時にお読みください
それでも構わないという方はどうぞ下へ







育児放棄? そんなもんじゃないんだぜ!! 後編 その2





「ごろじゃにゃいで!! ばりじゃをごれいじょういじめないでぐだじゃあああ!!」
「だから潰さないっての…。話聞けよゲスが……」

逆さまに箱へ閉じ込められたゲスまりさは、もはや泣いて謝り続けることしかできない。
泣き喚くたびに、将棋盤のように切り分けられた底面が細かく痙攣する。

「……さて、それじゃあまりさ。剥こうか」
「ぞんばごどいいがらがえじでぐだざいいいいいいいい!!!」

もはや何度目になるか分からない叫びを無視するお兄さん。
そして床に放置しておいた爪楊枝を手に取ると、ゲスまりさの顔がよく見える正面へ腰をおろした。
まりさには、お兄さんの手に握られている物がどんな道具だかわからない。
小さくて鋭い何か。その正体を知るため、おそるおそる質問する。

「ゆ…!! なに、…ずるの? おにいざんなにをもっでるの?」
「ああ、これは爪楊枝って言うんだ。お菓子とかを食べる時にも使える道具だな。羊羹とか……」
「ゆ……!! おがし!? おがしどご!? どごにあるの!?」
「ここだよ」

痛みよりも食欲を優先するのは、さすがゆっくりというべきか…。ならばすぐ期待に応えなければなるまい。
お兄さんは即答すると、無作為に選んだゲスまりさの網目状に切り分けた足の一つに、爪楊枝を深々と突き刺した。
ぷすっ…。と、気の抜けるような音が、一人と一匹の耳に届く。
同時にお兄さんの手には、ぱさぱさ乾燥した饅頭を刺した感触。
同時にまりさの身体には、全身の餡子が底冷えするような鋭い痛み。

ぺりぺり……ぴりっ

小麦粉の皮膚を爪楊枝が貫通したことを確認すると、手を捻り餡子から強制的に足の皮を引っぺがすお兄さん。
ぴくんぴくんと、小刻みに不規則な痙攣を始める切り分けられた足。
茶色く土で汚れた皮に守られていたまりさの餡子が、直接外気に晒される。

「うわ、剥がれやす…。水分減らし過ぎたかな…」
「………いじゃああああああ!?」

今度は、ぞわりと全身が逆立つような激痛に騒ぎ出すまりさ。
まりさがその痛みに反応した時には、すでにお兄さんの手によって、足の一部を引き剥がされた後だった。
彼の握る爪楊枝の先端には、数センチ四方の饅頭の皮が一切れ。

「じゃ!? じゃびゃ!? ばああああああああ!!」
「さすがに蜥蜴の尻尾みたいに動くことはないか…」

剥がした皮を見て、どこか残念そうに呟くお兄さん。

「なにじでるのおおおおおおおおお!?」
「……何って、まりさの足を全部剥がしてるんだよ。ほら、わかるかい? 皮が剥がれて中の餡子がスースーするだろ?」

そう答えながら、底面部から覗くまりさの餡子を持っていた爪楊枝で突くお兄さん。
先端が餡子へ触れるたびに、まりさの全身には形容しがたい痛みが走る。筋肉や神経に当たる部分を直接刺激されているようなものだ。
人間でも想像したくない痛みだが、それをまりさは刻まれた皮の部分で味わうこととなる。

「おうぢ!! おうぢにがえじで!! ゆっぐりでぎないいいいいい!!」
「焦るなよ。まだ一枚目なんだから…」

お兄さんは答えると、本格的に皮を引き剥がす作業へと移る。
無論ここでも妥協は一切しない。常にベストを尽くす。それがお兄さんの虐待生活。
一列ずつ手をつけていくと、次にどこをやられるか気付いて構えられてしまう。
そのためお兄さんは、一回事に剥がす箇所を不規則に選び、まりさの予想ができないよう工夫を凝らす。
刺される箇所もタイミングも把握できない現状によって、刺激はまりさの恐怖を増長させる。
また見えない傷へ意識を集中してしまうことで、皮肉にも皮を剥がされる痛みも鋭敏化されることとなった。

ぺりぺり……ぴっ
ぺりぺり……ぴりり…
ぺりぺ…みぢ……

「だずげで!! だじゅげぢぇえええええ!!」
「あ、いけね。深く刺し過ぎた。……うぇーい」

まりさが何か声を上げるが、失敗失敗と笑って無視するお兄さん。気を取り直して作業続行。
一枚一枚と引き剥がすたび、ゲス饅頭が死ぬぅ! だの、おうち帰るぅ! などと言うが、どちらも叶わぬ夢である。


そうしてしばらくの間、部屋には皮をはがす音とゲスまりさの悲鳴だけが上がっていた。


ぷすっ………ぺりぺり……ぴりっ!

「ゆぁぎゃ!? ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「はーい、終わりでーす」

ようやく最後の底辺の皮を引っぺがしたお兄さん。
彼の横、逆さに箱へ入れられたまりさの目の前には、饅頭の足だった生地が山積みにされていた。

「ば……、ばりじゃのあじがああああ………」

己が身体の一部だったものを目の当たりにして、絶望の声を上げるゲスまりさ。
皮を剥がされた底辺からは、餡子がまる出しとなって甘い香りがお兄さんの鼻腔をくすぐっている。
とはいえさすがに水分を流し過ぎたようで、見てわかるほど餡子はぱさぱさに乾燥していた。
これでは到底食べる気になれそうにない。お兄さんは足の生地の山を用意していた袋へと仕舞いながら、ゲスまりさへと声をかける。

「さあまりさ、気分はどうだい?」
「いいわげないでじょおおおおおおおおおおおおお!!」
「ですよねー」
「ばりざのあじをがえぜええええええええええええ!!」
「相変わらず無茶を言う。治すわけないじゃん、馬鹿なの、死ぬの?」

もはやお約束となった会話を繰り返しながら、お兄さんはひっそりと熱を入れていた鉄板に視線を移す。
十二分に加熱されたことを確認すると、逆さまにしたまりさを閉じ込めた箱を抱えて立ち上がったお兄さん。

「ねえ、まりさ」
「ゆぐぅ……がえぜ、ばりざのあじをがえぜえええ……」
「そんなことは僕にはどうでもいいんだよ。それより、箱から出たい?」
「あだりまえでじょおおおおお!! どうじでぞんなごどもわがらないのおおお!?」
「いやいや、まず確認しておこうと思ってね」

そう言って、むき出しにされた底辺の餡子を手の平で擦るように撫でる。
当然まりさの全身に走るのは激痛。中身を削ぎ落とされる様な感触は、言葉にすることが不可能な衝撃だ。

「~~~!? !!!!!!!!!!!!!」
「…ん? どうやら言葉も出ないくらい痛かったかな? 新しい体験じゃないか。今日はお赤飯だ」

まあ、その赤飯は自分でどうにかしろよと笑うのはお兄さん。ぞるり、と再度剥き出し餡子を撫でる。
悲鳴が上がっても、彼にはどこ吹く風らしい。
そのまま箱ごとゲスまりさを熱された鉄板の真上に運んで来ると、再びお兄さんは口を開く。

「さて、ゲスまりさ。今君の足…、身体は餡子が剥き出しなわけですが、このまま元に戻したらどうなるかな?」

間違えたら、餡子さんはボッシュートです。と付け加える。
その問に、ゲスまりさは餡子脳をフル稼働して答えを探す。
さすがの餡子脳でも、底を切り取られた饅頭が元の体勢に戻った場合、どうなるかは理解できたらしい。

「……ゆ……、や、やべでね? まりざのあんごさんがでぢゃうよ!? おにいざんはゆっぐりやべでね!?」
「どうしようかなあ…。それにゲスまりさ。いつまでも逆さまでいられないだろう?」
「ぞ、ぞうだよ!! じ……お、おにいざんはゆっぐりじないでもどじでね!!」
「でも、このまま戻したらまりさは餡子が全部出ちゃうだろうなぁ。皮だけになっちゃうけど?」
「あんござんでだらゆっぐりでぎないよ!! ばりざはじにだぐないよ!!」
「………ふぅん? ねえ、まりさ。すぐ下にある黒い物は見えるかい?」
「みえばず!! みえばずがらだずげでぐだざい!!」
「実はね、このままだとまりさの餡子は中身が出ちゃうけど、あの鉄板の上に乗せると漏れないで済むようになるんだよ」

実際は彼が箱の角度を変えて、まりさの視界に否が応でも入るように仕向けているのだが…。
そんなお兄さんの説明に、まりさがゆっくりにあらざる速度で素早く反応する。

「あのうえなら、ばりざのあんごもれないの!?」
「ああ、漏れないように出来ると言う意味でね」

お兄さん、嘘は言っていない。

「だっだらばやぐばりざをあのうえにおいでね!?」
「いいのかい?」
「ばやぐじでよ!! ばりざのあんごぼれじゃうでじょ!! ばがなの!? じぬの!?」 (まりさの餡子漏れちゃうでしょ)
「まあ、聞きなよ。あれはね、鉄板と言ってこんがりとあまあまを焼く為に使おうと思ってるんだ」
「……あまあま?」
「そう。ほら、まりさの餡子そのままだと漏れちゃうだろ? でも、焼くと水分が飛んでね……ああ、いいや、後悔するなよ」

とうとう説明することにも飽きたお兄さん。
まりさを過熱した鉄板の上にまで運ぶと、そこで素早く箱を半転させる。
勿論重力に従って箱から出るゲスまりさ。その先に待つのは、高熱の黒い鉄板。

「ゆっ!? おぞらをとんで…………ゆぎゃああああああああああああああああああああああああ!?」

じぃゅああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

おいでませ、焦熱地獄(体験版)。続きは地獄の製品版で。
もう何度目か分からないゲスの悲鳴。さすがに食傷気味のお兄さんも、うんざりした表情。
ゲスまりさは、たしかに元の態勢に戻っても餡子が漏れることはなくなった。
代わりに待っていたのは、体内を直に高熱で焼かれるという苦痛。
だがおかげで餡子の水分が飛んで、まりさが餡子を失うという危機は回避される。
死にたくない。そういう意味ではまりさの判断は正しかった。
だが、潰されるよりも辛い苦痛を味わうこととなったのは、果たして正解だったのか。

「あぢゅ!? びゃ!!!! ぴゃああああ!? ぎょろ!? ゆびゃ!? みゃみゃあああ!!?」
「……何言ってるかわかんないな………と?」

そこで、ふと虐待部屋の戸を叩く音に気づいたお兄さん。
ゲスまりさの悲鳴が聞こえないように、素早く戸を開閉して滑るように部屋の外へと出る。
そこには扉を叩くための棒を咥えたゆうかと、葉っぱに乗せられ餡子を吐いている印のないまりさ、そして他の赤まりさたちの姿。
餡子を吐いた赤まりさの姿を見て、すぐにお兄さんは見当がついた。

「あぁ……、やっぱり無理だったみたいだね……」

お兄さんは心底残念そうな口調で、これでもかと肩を落として落胆してみせた。

ゆっくりゆうかの話によると、以下の通りらしい。
畑で野菜の仕組みを説明していたのだが、そのうち印のない赤まりさが我儘を言い出して野草を食べてしまったらしい。
ゆうかとしては雑草だったので咎めるつもりはなかったようだが、赤まりさ達に雑草と観葉植物の違いはわからない。
庭に生えている植物全てをお兄さんのモノと勘違いした印付きの姉まりさたちは、当然問題のまりさを注意した。
しかしゲスさが色濃い妹まりさは姉たちの忠告を聞かず、さらには一番弱っていた長女まりさに体当たりをして罵詈雑言をぶつけたらしい。
これに追随し、他の印のない赤まりさも植物を食べ始め、中にはおうち宣言までする個体もいたという。
ここまでゲス度が濃いと、矯正も無理だとゆうかは判断したという。
それは極めて正確だとお兄さんは同意する。
したがってゆうかはお兄さんに言われた通り、ゲスを矯正不可とした場合の対処法を行うことにした。
その方法とは、印のある赤まりさたちをひたすら母親と同じようにゲス呼ばわりし、侮蔑することだった。
ゲスと呼ばれたくない為に、お兄さんとゆうかにお願いした長女まりさたち。
だが、努力する以前ですでにゲス扱いをされてしまい、尚且つ母親とそっくりだと言われてしまった印付きの赤まりさ達。
それは、母親に半死半生で捨てられた長女まりさのトラウマを深く抉るものだ。
無論、トラウマを植え付けたのはお兄さんであり、傷口に塩を塗りこんだのはゆうかのペアだ。
ゲスと同じ扱いをされる事に激しいジレンマを覚えた姉まりさ達の取った行動は、元凶の妹まりさを排除することだった。
言葉でダメなら力づく。まりさ種本来の狡猾さと深層のゲスさが相いまった故の判断ともいえるだろう。
突如怒り出した姉たちに襲われた妹まりさは、すぐさま命乞いに転ずるが、それを許すほど長女まりさ達の怒りは浅くなかったらしい。
逃げようとすれば、退路を塞いで後ろから体当たりし、転がればすぐさま四方から押しつぶす勢いで飛びかかる。
圧迫されて餡子を吐けば、その姿を嘲笑してさらに突き飛ばす。許しを乞おうと口を開けば、黙れと罵られてさらに体当たり。
元々体力のない赤ゆが動けなくなるのも早く、土に埋もれた妹まりさの帽子を奪うと、姉たちは喜々としてそれを引き裂いたという。
半狂乱で帽子を探す妹まりさだが、それを妨害するためにさらに姉達はさらに破片を細切れにしてしまったらしい。
身も心もずたぼろになった妹を、九個の饅頭は土をぶつけながら嘲笑したという。
放っておけば、すぐに動かなくなっていたであろう。赤ゆがどうなろうと、それはゆうかの知ったことではなかった。
だが、ゆうかはお兄さんからゲスと判断した個体は連れてきて欲しいと頼まれていたことを覚えていた。
彼女は姉まりさ達に妹を運ぶように命令すると、葉っぱに乗せてここまで運ばせてきたのだと話してくれた。

「おにいさんのいったとおりになったよ」
「ふふん、すごいだろ? 惚れ直した?」
「ばかじゃないの?」
「ですよねー」

そう言いながら、彼は懐から複数の花の種を入れた袋をゆうかへと渡す。
彼なりのひとまずのお礼である。報酬を受け取ったゆうかは少しだけ笑みを浮かべると、小さく跳ねながら畑の方へと戻って行く。
その嬉しそうな後ろ姿を見送るお兄さん。彼の顔は赤まりさたちに見せた表情とは全く違う、普通の青年の笑みだ。
ゆうかが廊下の角を曲ったところで、ようやく赤まりさたちへと視線を移す。
葉っぱの上には、口から餡子を吐き出して弱々しく呼吸する印のないまりさ。
そして不機嫌そうにその妹まりさを囲んでいる姉まりさ達。
よっぽどこの妹が憎らしいらしい。だが、まだ潰させるわけにはいかない。
お兄さんは妹を葉っぱに乗せたまま持ち上げると、残りの赤まりさたちを空いた手に集めて声をかける。

「この傷は、まりさたちが付けたのかな?」
「しょうだよ!!」
「きょのげしゅがわりゅいんだよ!!」
「みんにゃでしぇいしゃいしちゃんだよ!!」
「うるしゃいきゃら、だみゃりゃしぇちゃんだよ!!」
「ゆっきゅりしにゃせてやりゅ!!」

お兄さんの質問に、片手に乗った姉まりさ達が口々に肯定する。

「そうだね、ゲスにお仕置きは大事だね。でも、その前にやることがあるんだ……」

そう話すと、お兄さんは再び台所へと赤まりさ達を連れて戻り、今度は妹まりさをまな板の上に置いた。
姉まりさ達にはお兄さんの声が聞こえるように、すぐ隣の机の上に待機させている。
彼は何度か声をかけて妹まりさの意識があることを確認すると、数滴だけオレンジジュースを与えて喋れる程度まで回復させた。

「まりさ、どうしてこんな目にあったかわかる?」
「ゆぅ……ゆひぃ……たしゅけちぇ……」

こちらの質問には答えないが、言いたいことは通じるだろう。
お兄さんは餡子脳にわかりやすく、そして一方的に妹まりさへと説明を行った。
痛みが引いて来た妹まりさも、さすがにこれ以上痛みを受けるのが嫌らしく、情報を整理するため彼の話に耳を傾けた。
そうして彼の根気強い説明もあり、妹まりさは自分に原因があったことを理解した。
傍で聞いていた姉まりさ達も、どこか心当たりがあるのか、気まずそうに帽子で顔を隠していた。

「ゆぅ……、まりしゃがわりゅかっちゃよ……」

潰れかけた身体全体で反省の色を見せる妹まりさ。どうやらよほど堪えたらしい。
それに満足した表情を見せたお兄さんは、いまだまな板の上で落ち込んでいる妹まりさへ声をかける。

「わかってくれたみたいだね…。それじゃゴミ同然のまりさにはお仕置きだ」
「ゆっ!?」

お仕置きと言う予想外の単語に、妹まりさが身体を強張らせる。
どうして、自分はもうお仕置きを姉たちから受けたのに。そう言いたげな表情だ。
だがお兄さんには、そんなこと知ったこっちゃない。『彼から』の教育的指導が残っているのもまた事実だからだ。
彼は待機していた姉まりさたちに視線を移すと、長女まりさを他の姉妹によく見えるように持ち上げる。

「ゆぅ~ん、おしょらをとんでりゅみちゃーい」
「黙れクソ饅頭……じゃなかった、……ええと、(長女)まりさ。いつまでも動きづらいし見えづらいのは嫌だよね?」
「ゆ? ……ゆぅ、まりしゃもみんにゃみちゃいにはしりちゃいよ……」(みんなみたいに走りたいよ)
「「「「おにぇーしゃん………」」」」

長女まりさの身体は、先のゲス母まりさによる暴力で、片目を失い足の一部は潰れたままだ。
そのため、動きがどの姉妹よりも劣っている。
責任感の強い姉は、妹たちを引っ張っていけないことが無念で仕方無かったのかもしれない。
長女まりさは悔しそうに唇をかんだ。

「そうだね、全部あのゲスな母親が悪いんだよね。でも大丈夫、お兄さんが治してあげよう」
「ほ、ほんちょうに!?」
「ああ、お兄さんに任せなさい。そのためには………このまりさの足と目玉を使わなきゃダメなんだけど」
「「「「…………………ゆっ!!!?」」」」

これにはさすがの赤まりさ達も驚いた。
まさか、姉を助けるために妹を身代わりにしろと言われると思わなかったようだ。

「別に驚くことじゃない。そもそもこのまりさはゲスなんだ。ゲスとはゆっくりできないじゃないか?」

当たり前のように話すお兄さん。さらに彼は話を続ける。

「つまりね、こいつの足と目玉を(長女)まりさに移し替えるんだ」

ゲスはゴミ同然。最初に説明しただろと、お兄さんは呆れたようにため息をついた。
赤まりさたちは、戸惑いを隠せず姉と妹を交互に見やっている。さすがに長女まりさも困惑気味だ。

「何を迷ってるんだい? まりさたちはこいつを潰すつもりだったんだろ?」

忘れたのか、と笑みを浮かべながら、まな板を軽く叩いてみせるお兄さん。
ふと見れば、妹まりさは小刻みに震えていた。姉たちによるリンチを思い出したらしい。
そして姉まりさ達は、お兄さんの言葉に反論ができないでいるようだ。
潰そうとしたのは事実だが、今は怒りも薄まっていて、できれば危害を加えたく無いのかもしれない。
しかし、そこへお兄さんがさらに言葉を重ねていく。そもそも、議論でゆっくりが人間に勝てるわけがない。
すでに赤まりさ達は、言葉の袋小路に入っているのだ。

「もちろん、ゲスまりさから足と目を取って(長女)まりさに移すのは僕がやるよ」
「や……やめちぇね!? あんよしゃんちょりぇたらゆっきゅりできにゃいよ!?」
「生ゴミには過ぎた物だよ」
「どぼじで!? どぼじでぞんなごどいうのおおおお!?」
「そりゃ、まりさがゲスだからだよ」
「ゆっきゅりしゃしぇちぇえええええええ!!」
「それはお姉さんたち次第だね」
「おにぇーしゃんまりしゃをたしゅけちぇえええええ!!」
「何を言ってるんだ。お前のせいで、みんなゲス扱いされてるんだぞ?」
「まりしゃはげしゅじゃないよおおおおお!!」

どうにか助けてもらおうと、訴え続ける妹まりさ。
だが、お兄さんはそうはさせまいと言葉の逃げ道を塞いでいく。

「まりさ、よく考えるんだ。このままゲスと呼ばれ続けるのかい?」

そう言って、お兄さんは姉たちに振り向く。
ひたすら助けを求める妹まりさだが、姉まりさたちの表情は強張ったままだ。
妹を捨てるか、姉を治すか、さすがに即断できないらしい。

「お、おにーしゃん!! おにぇーしゃんをなおしちぇあげちぇ!!」
「「「ゆゆっ!?」」」

やがて声を上げたのは、他の印付き赤まりさだった。
長女まりさも、まさか他の姉妹が自分を治す選択肢を選ぶと思わなかったらしい。

「どぼじちぇえええええ!! どぼじちぇしょんやきょちょいうにょおおおおお!!??」

信じられないのは妹まりさだ。
まあ、まさか姉まで自分を見捨てるとは思いたく無かったろうに。
けれども、発言した姉まりさの反応は冷たいモノだった。

「うるしゃい、きょのくじゅ!! じぇんぶおみゃえがわりゅいんだ!!」(全部お前が悪いんだ)
「…………それは暴論というもので……」
「しょうだしょうだ!!」
「おみゃえのしぇいで、おにぇーしゃんかりゃもおこりゃりぇちゃんだ!!」(お姉さんからも怒られたんだ)
「ゆっきゅりしにぇ!!」
「おにーしゃん、はやきゅやっちゃっちぇね!!」(早くやっちゃってね)

一体の発言でここまで傾くとは…、さすがと言うか何というか。
すでに赤まりさ達に反省の色はなく、再び憎悪の炎に身を焦がしている。
まあ、選んだならば行動に移さねばなるまい。お兄さんは、懐から爪楊枝とピンセットを取り出した。
その手に握られた物を見て、さすがに妹まりさも彼が本気であることに気づく。
このままでは本当に危ないと、より大声をあげて止めるように懇願してくる。

「や、やめちぇ!! やみぇちぇええええ!!」
「それは無理だよ。お前のお姉さんが選んだんだから」
「おきゃーしゃん、たしゅけちぇええええ!!」
「母親に捨てられたのに、何言ってんの? 今度はお姉さんにまで捨てられてさ、はっはっは」
「ゆううううううう!?」
「これで本当に独りぼっちだね」
「だりぇきゃたしゅけちぇええええええ!!」
「誰もお前のこと要らないのに、助ける必要なんて無いよね?」
「やめちぇやめちぇやめちぇえええええ!! ゆっきゅりできにゃいいい!!」
「自分しかゆっくりしないこと考えるゲスには、そんな資格ありません」
「ゆるしちぇね!? まりしゃいいきょににゃるよ!? にゃんでもしゅりゅよ!?」
「じゃ、目と足を頂戴ね」
「しょりぇはいやあああああああ!!」
「嘘を吐くゆっくりは、ゲスです」
「ごみぇんにゃしゃい!! まりしゃをたしゅけちぇくだしゃい!!」
「……………やだなあ」
「や、やめ……ぴゃぎゃあああああああああああ!!」

そこまで言うと、爪楊枝で貝の中身をほじる様にして、目玉を刳り抜くお兄さん。
……じぃぃぃん。と心の雲が晴れるような気分になるのを、お兄さんは実感する。
そう、この悲鳴。成熟したゲスには出せない、裂けるような悲鳴。これが聞きたかったのだ。
今まで我慢してきた分だけあって、その声は食傷気味だったお兄さんのストレスを洗い流してくれる。
やはり悲鳴を聞き続ける場合は、一匹より複数のゆっくりで楽しむのが一番だ。
思わずもう片方も抉りたくなるが、ここは自制するお兄さん。
そんな彼の眼下には。鋭い痛みにのたうつ妹まりさ。しーしーとうんうんを垂れ流し、全身を痙攣させている。
予想以上の光景に、姉まりさ達は声も出せない。
しかし、これで終わりではない。今度はピンセットに持ち替える。

「ゆぴひぃ……ゆぴひぃ……たしゅきぇ……たしゅきぇちぇ……」
「痛い?」
「やめちぇええ……、いちゃいよぉぉぉぉ………」
「そっか。じゃ、次は足ね」
「たしゅきぇちぇええええええ!!」
「ダメだねえ……」

ぷちっ…。小さな、しかし決定的な音が台所にいた全ての耳に届く。
続いて二回目の妹まりさの悲鳴。すでにうんうんとしーしーは出し切っているので、流れるものは涙しかない。
よほど姉たちには凄まじい声なのか、妹と同じように失禁するモノやうんうんを垂れ流す個体まで出始めた。

「さて、これで終わり。潰さないではおいてやるよ」
「ゆぴゃは……ゆぴゃは……」

そのままにしておいた方がむしろ楽になれそうだが、ここでオレンジジュースをかけて傷口を防ぐ。
まだこの妹まりさには使い道があるので、潰すわけにはいかない。
傷口が塞がったことを確認すると、適当な皿の上に乗せて今度は長女まりさをまな板の上に置く。
同じ様に悲鳴を上げるが、こちらは空っぽの眼窩に寒天の眼球を入れるだけであるし、皮を引きちぎって付け足すだけだ。
妹まりさのように言葉で責める必要も無いので、悲鳴を楽しむだけに留めておく。
同じように長女まりさも別の皿に乗せて、完治するまで放置する。
そこで、お兄さんはずっと鉄板の上に放置していたゲスまりさの方へと戻ることにした。
その際赤まりさ達には、垂れ流したうんうんなどを全て食べて置けと命令しておく。
残していた場合は同じ目に合わせると釘をさすのも忘れない。
台所から出る背中へ悲鳴の混じった懇願が聞こえてきたが、それを完全に無視するお兄さん。
虐待部屋へ戻ると、そこには餡子の焦げる匂いが充満していた。わずかにゲスまりさの底からは黒い煙も上がっている。
残された片目は白濁し、ぼろぼろになった口からは舌がだらりと垂れさがっていた。
何度か逃げようとしたのか、まりさの周囲には餡子がわずかに擦れた跡が見られる。
結構な時間焼いていたが、時たま痙攣している以上まだ生きているらしい。
驚くべき生命力だが、それも応急処置にオレンジジュースで練った小麦粉のおかげだろう。
お兄さんは髪を掴んで持ち上げると、餡子が漏れないことを確認して、再びゲスまりさを箱へ戻す。
粗雑に扱ってもゲスまりさは苦悶の表情のままで反応しない。底辺から漂う匂いは、焼き饅頭そのものだ。
このまま意識が戻らなくても困るので、お兄さんは砂糖を加えたオレンジジュースを大量に与える。
やがてゲスまりさの目に輝きが戻り始め、少なからず声を発するようになってきた。
さらにジュースを追加して待つこと数十分。ようやくゲスまりさは意識を取り戻した。

「ゆ……ゆああああああああああ!? ゆ!? ゆめ……なんだぜ?」
「まさか、現実だとも」
「………あ゛……あ゛」
「……やあ、ゆっくりしていってね」

身体を焼かれていた痛みが収まっていたことで、全てを悪夢だと勘違いたらしい。
目の前が森でないことには疑問を持たないのが不思議だが、それも餡子脳だからだろう。
だが、現実は非情だ。特にゆっくりに対して。
わざわざ背後で待機していたお兄さんは、わずかな安らぎを見せたゲスまりさの前へ、ゆっくりと回り込んだ。
一瞬何か理解できなかったゲスまりさだったが、彼の顔を見るや、全身を引き攣らせて硬直した。
その様子に、お兄さんは歪んだ笑みを見せる。
無理矢理意識を引っ張ってこられたまりさだが、すでにその顔に生気はない。もはや発狂するほどの元気も無いのだ。
もう少し彼の責めが続いていれば、まりさの精神は壊されていただろう。しかし、彼はその一歩手前で止めた。
まさに死んだ方がマシという状態で繋ぎとめられた理性。
もう、まりさも自分が元の生活に帰れるとは思えなかった。それでも死を選ぶことができない。
水分を失い、所々ひび割れている肌を揺らし、ゲスまりさは殆どの歯を折られた口を震わせる。
すでに人間に対する抵抗を起こす気力は失われ、ゲスまりさは人間の全てに屈伏していた。

「た……だじゅげぢぇぐだじゃい……、ばりじゃを、ご、ごご……ごろじゃないで、ぐだざい…」
「だからしないって……」
「お……おねがいじばず。いうごどぎぎばず。なんでぼじばず。……ばりざをだずげでぐだざい」
「………それなら今日からゴミを食べ続けるんだ。残さなければ痛みを与えない」

それだけ言うと、彼は袋に詰めた生ゴミを大量にゲスまりさの頭へぶちまけ、念を押すように箱を蹴って部屋から出ていった。
誰もいなくなった部屋の中で、ぼろぼろの饅頭は泣く事も出来ずに生ゴミへ舌を伸ばし始める。
普通のゆっくりならば、むしろ潰される方を選ぶだろう。覚悟するなら今のうちだ。
だがゲスは、生きることに特化したゆっくりだ。後の地獄を考えるより、今の平穏を享受してしまう。
頭では分かっているがそれでも選べない苦しさ。ゲスまりさは残った歯を使い、卵の殻を咀嚼し始める。
破片が千切れた歯茎に刺さるが、ゲスまりさはぶるっと震えるだけだ。
ぐしゃぐしゃにされたその顔には、後悔以外の何物も浮かんでいなかった。




「さて、これで当面のゴミ事情はいいか」

晴れ晴れとした表情で虐待部屋を出るお兄さん。たい肥置場に運ぶ手間が省けたことに笑みを浮かべる。
すでにゲスまりさの心は折れた。当分は便利なゴミ箱として役立ってくれることだろう。
これからは赤まりさたちの教育である。
当面の予定を立てて、台所へ戻ったお兄さんが見たものは、印のない妹達にうんうんを食べさせている姉まりさたちの姿だった。
涙を流して古い餡子を口に含み、砂糖水を舐める妹まりさたち。
三体の饅頭が声を上げるたび、それを見ていた姉たちが体当たりする。

「ゆるぢでおにぇえじゃあああああん!!」
「うんうんにゃんきゃちゃべりゃりぇにゃいいいい!!」(うんうんなんか食べられない)
「だまりぇ!! げしゅはそりぇしきゃちゃべしゃしぇにゃいよ!!」(ゲスはそれしか食べさせないよ)

妹たちが不満を口にするたび、攻撃する姉まりさたち。
長女まりさに事情を聞くと、妹たちは先ほどのゲスと同じく畑で粗相をした連中だという。
罰としてうんうんを片づけさせているとのこと。
全てはゲスである妹たちが悪いのだと、憤慨している姉まりさ達。妹まりさが何かを言えば、容赦ない体罰を振るう。
ある意味自主的に虐待の土台を作ってくれて有難いが、発想が母親のゲスまりさと似通っている部分を見つけるお兄さん。
やはりゲスの子はゲスらしい。ゆっくりには、鳶が鷹を生むという諺はあてはまるのだろうか…。
とにかく、赤まりさ達がゲスを憎むようになれば占めたものだ。
お兄さんは笑みを浮かべて長女まりさ達に声をかけた。

「さすがまりさたちだ。こうしてゲスにお仕置きしてくれるなんて、なんて賢いんだろう!!」
「ゆっゆっゆっー!! まりしゃたちえりゃい?」
「ああ、偉いとも!! どんどんゲスにお仕置きしてね!!」
「わかっちゃよ! げしゅにゃゆっきゅりはまかしぇちぇね!!」(ゲスなゆっくりは任せてね!!)

お兄さんの言葉に喜び勇んで跳ねる印付きの赤まりさ達。まだ休んでいる長女まりさも、嬉しそうに身体を左右に揺らす。
彼はゴミ袋からこぼれていたキャベツの欠片を拾うと、それを印付きまりさたちに差し出した。

「さあご褒美だ! ゲスなゆっくりをお仕置きしてくれるまりさたちはこれをお食べ」
「おにーしゃんありがちょおおお!!」
「おやしゃいしゃんだよおおおお!!」

そもそも新鮮な野菜を知らない赤まりさ達だ。異臭さえしていなければ満足するだろう。
それを見て、うんうんを食べていた妹達もおこぼれに与ろうと駆け寄ってきた。
だが、ここでお兄さんが印のない赤まりさ達を全て透明な箱へ入れたうえで、残されていたうんうんを放り込む。

「ゲスなまりさたちに食べさせるものはないよ。うんうんでも食べててね!!」
「しょ、しょんにゃ……!」
「ぷきゅー! まりしゃにもおやしゃいしゃんちょうらいね!!」
「文句あるなら、さっきの妹まりさみたいにしてやろうか? 生ゴミども」

声のトーンを低くして恫喝すると、悲鳴すら上げず大人しくなる妹まりさ達。
お仕置きを避けるため、我先にうんうんを貪り始める。
どちらにせよ、どんなに臭かろうが不味かろうが、空腹を紛らわせる為に食わねばならないのだ。
食べさせてもらえるだけ感謝してほしいものだ。

「そうだね、ゲスにはうんうんがお似合いだね。ずっとうんうんを食べててね」
「ゆぅぅ…ゆっきゅりできにゃいよ…」
「うんうんしゃんくちゃいよ……」
「生ゴミまりさにはお似合いだよ。あと、ゴミは喋るな」

お兄さんの前では、口を開くことも許されなくなった妹まりさたち。
声をあげれば末妹の様になるので、涙を流してうんうんを口に含んでいく。
そして、姉まりさ達にも粗相をすればゲスの箱へ入れることを教えるお兄さん。
また、ゲスとして箱に入れられたら、二度と普通のゆっくりには戻れないと伝えることも忘れない。
その事に自信満々で頷く姉たち。その判断基準は彼の気分次第だと知る由もないままに…。
とはいえ、さすがに理不尽すぎる事でゲス扱いをするつもりはお兄さんにも無いが。
ひとまず治癒中の妹はゲスの箱へ、大方回復した姉は普通の箱へと入れる。
失意に暮れるゲスまりさ達を視界の外に、みんなでちゃんとしたゆっくりになろうと、元気よく頷く姉まりさ達。
しかし残念ながら、ゆっくりらしいゆっくりさを得ることは、この饅頭たちには二度と来ない。
そんなことをおくびにも出さないお兄さんにより、『ゲスにならない為のゆっくり授業』が始まった。

「はい、いいですかまりさ達。これからゲスと呼ばれない方法を教えまーす」
「「「「「「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ!!!」」」」」」

紙とペンを使い、実に分かりやすく説明していくお兄さん。
難解な部分では絵を使い、それでも理解しきれない場合には思い切った例えを使用する大胆な授業内容だ。
その姿は、群れの教育係を請け負う事が多いぱちゅりー種よりも、他のゆっくりたちを引きつけることだろう。
ただ、やはりその内容は辛辣極まりない。
野菜は人間の作ったもの。盗むゆっくりはゲス。特にまりさ種はゲスが多い等など……。
わざとまりさ種を陥れる授業を展開していくお兄さん。
たまに表情が陰ったり硬くなったりして、説明を聞く印付きまりさたち。
幼い餡子脳へ、トラウマとジレンマを延々と刻みこんでいくお兄さん。
その日の授業が終わるころには、赤まりさたちの頭は知恵熱を出しそうなほど煮えたぎっていた。
だが、赤ゆたちへの教育はこれだけではない。
夕飯前から寝る直前まで、お兄さんは今まで確認されているゲス種の行動をまとめたビデオを繰り返して赤まりさたちに見せる。
食いぶちを減らすため、家族を食らうまりさ種。
すっきりをした途端、にんっしんしたれいむを捨てて逃げるありす種。
気に入らない子供を捨てて、また新しい番いを探し始めるれいむ種。
留守番している子供の巣を襲撃し、食糧を奪って赤ゆたちを潰すぱちゅりー種。
お兄さんは徹底的に、ゲスという存在と同列だと自覚している赤まりさのジレンマを突いていく。
生きるためには仕方無い行動も収録されていたが、その映像の次には必ず人間によるゲスへの制裁シーンが入れられている。
実はこのビデオ、飼いゆっくり専用の教育ビデオだ。悪いことをすれば、必ず制裁されるという事を、餡子脳へ叩きこむのである。
餡子を吐いたり失神する印付きまりさたちだが、そのたびにお兄さんは箱を蹴って最後まで見ることを強要した。
そうして日が沈むころには、長女まりさたちの中でゲスとは絶対的な悪だという図式が確立されたのだった。
ゲスは死ね。ゲスは死ね。その夜は遅くまで妹達の箱へ、姉まりさ達が呪詛を吐き続けていた。



次の日からは、午前中にゆうかの畑で雑草などの除去作業が加わった。
雑草自体が姉まりさ達の朝食となるので、幼いながらも必死で咀嚼せねばならない。
姉まりさ達の食生活だが、朝は美味くもない雑草か、たまたま見つけた昆虫。昼も同じで、夜は一日に出た野菜くずの一部。
もしお菓子などを要求しようものならすぐさまゲス箱行きとなる。
ある日雑草の味に飽きた印付きの一体が文句を言ったので箱へ入れると、他の姉たちは二度と甘い物を要求する事はなくなった。
実際、野生よりは量も栄養も確保されている食生活なので、お菓子を食べなくとも満足できるのだ。
姉たちは日々喜んで生ゴミを漁り、特に人参のヘタなどを見ると涙を流して歓喜してくれるのだから、こちらとしても有難い。
その際に出たうんうんが、ゲスと判断された妹まりさたちの食料とされる仕組みである。
別室で残飯処理をさせられている母ゲスまりさのうんうんもあるため、充分な量を確保出来るのが唯一の救いだろう。
ちなみに帽子と片目、足を奪われた妹まりさは、他の印無しまりさたちからの陰湿な虐めを受ける日々を送っていた。
ゲスと判断された姉たちの憎悪を一身に向けられたからだ。
起きてから寝るまで、執拗に自分を追い立てる姉たちからうんうんまみれの身体を引きずって逃げる妹まりさ。
それを黙認したお兄さんは、寝れば元の体力を取り戻せる程度に、毎晩オレンジジュースを妹まりさへ与えるようにする。
これにより姉たちはうんうんを食べては妹を叩き、叩いては食べるということを繰り返しているのだ。
許してください。妹まりさの一日は、姉たちへのお願いから始まる。
助けてください。妹まりさの一日は、お兄さんへのお願いで終わる。
だがその両者からの返事は、生かしてもらえるだけ感謝しろ。の一言のみ。
そして姉たちは、妹を潰してしまうと次に弱いモノが暴力を受けることを自ずと理解したらしい。
そのため妹まりさが体のいいスケープゴートとして選ばれた事は自然な流れであった。
どうしてと訊ねても、誰も答えてくれない。それがより一層妹まりさの嘆きを大きくさせた。
生かさず殺さずをキープされ、治る先から再び痛みを与えられる毎日。最近では、うんうんに潜って逃げる事も覚えた様だ。
ゆっくりにとって悪臭を放つ餡子の中での安らぎが唯一、妹まりさがゆっくりできる場所であった。
無論、ゲス姉たちは妹まりさが潜るうんうんすら食べて追いかけるので、その安穏すら長く続かないのだが…。



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最終更新:2009年03月12日 11:46
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