ゆっくりいじめ系1663 もっとうんうんしたかった

※うんうん注意



「よし、れいむ。お前もそろそろ、それ卒業しろ」
「ゆ?」
「うんうん卒業。な?」
「ゆゆっ!?」

 うんうんの真っ最中。俺の思いつきの言葉に、ゆっくりれいむは驚きに身を固くした。
 このれいむは、何匹目かになる飼いゆっくりだ。
 今まで飼ってきたゆっくりは、気に入れば可愛がり気に入らなければ虐待した。
 気まぐれに、適当に。もう何匹のゆっくりと出逢い、別れて来ただろう。
 ゆっくりにちなんで三匹目から先は数えていない。
 このれいむとのつきあいは約二ヶ月。わりと長続きしている方だ。
 特別可愛がるほどかわいくはないし、虐待したくなるほどゲスでもない。だから適当に接してきた。
 結局平凡なのが長生きのコツというものなのかもしれない。だが、平凡は退屈を生む。
 なにかしら変化が欲しい。
 そこで、うんうんをするこいつを見て思いついたのだ。
 ゆっくりの中にはうんうんをしない個体もあると聞く。
 思いこみで生態を変化させるという餡子不思議生物。ちょっといじればうんうんをしなくなるかもしれない。
 このれいむはちゃんと躾をしているから所構わずうんうんしたりはしないが、最終的にそれを片づけるのは飼い主である俺だ。
 考えてみたらなんでこの俺がゆっくりのうんうんを後始末しなくてはならないんだ。なんだか腹が立ってきた。
 思いついたら即行動だ。 俺はさっそくバンソウコウを用意すると、れいむのあにゃるを塞いだ。
 そこでようやく俺の言葉に固まっていたれいむはゆっくりと気がついた。

「ゆゆっ!? おにいさん! これじゃうんうんできないよ!」
「そうだな。でもこれはおまえがもっとゆっくりするのに必要なことなんだ」
「どぼじで!? うんうんしないとゆっくりできないよ!」
 俺ははぁ、と大げさにため息を吐くと、がっしりとれいむを掴み、たった今こいつがだしたうんうんへと触れそうになるほど押しつけた。
「や、やめてよ! うんうんはくさいよ! ゆっくりできないよ!」
 人間からすればどう見ても餡子でしかないのに、ゆっくりには臭いと認識されるうんうん。
「そうか、れいむ。うんうんはゆっくりできないものか」
「そうだよ! うんうんはぜんぜんゆっくりできないよ!」
「でもな……そのゆっくりできないうんうんは、お前が出したものなんだぞ」
「ゆぐっ!?」
「ゆっくりはうんうんしなくても生きていけるそうだ。だからお前もうんうんをしなくなれば、今よりずっとゆっくりできるようになるぞ」
 ゆっくりと言う生き物は自分がゆっくりするためには全力を尽くす。
 そのために敵いもしない人間に無謀にも立ち向かってきたり、時には同族を殺しさえもする。
 この動機付けなら少々の無茶も通るはずだ。
「ゆっくりりかいしたよ!」
 あっさり通った。
「そうか! やっぱりゆっくりはゆっくりの為に生きるものだよな!
 まったく単純な生き物だよ! はっはっはっ!」
 れいむの快い即答に、俺は楽しい気分になった。だから、
「ゆっくりりかいしたから、はやくうんうんにおしつけるのをやめてよ!
 くさいよぉぉぉぉ!」
 れいむのなんか言ってるが無視して、俺はしばらくゆっくりと高笑いを続けた。


 翌日の夜。
「おにいさん……」
「どうした、れいむ。顔色が悪いぞ」
「うんうんしたくなってきた……」
 れいむは今日もいつものように食べ、そしていつもの時間にうんうんをしたくなったようだ。
 やはり昨日の今日。ゆっくりの単純構造と言えど、いきなりうんうんをやめることはできなかったようだ。
 だが、これも予想済みだ。
「よし、れいむ。俺に任せろ!」
 俺はれいむを持ち上げた。
「わ~、おそらをとんでるみた……いいっ!?」
 れいむは最後までテンプレワードを続けることができなかった。なぜなら、
「レッツシェイキング!」
 俺が激しくれいむを揺さぶったからだ。それも発情をうながすときのようなぬるいものじゃない。
 バーのマスターよろしく、強く激しく上下左右に、容赦なく振り回した。
 うんうんとは、ゆっくりの中で劣化した餡子を排出することらしい。
 しかしこいつらは腐りかけた生ゴミでも食べ、餡子に変換することが出来る。
 うんうんだって餡子は餡子。ゆっくりの不思議能力をもってすればまた体内で新鮮な餡子に変換することも可能なはずだ。
 だがらこうしてシェイキング! 中のうんうんと餡子を混ぜ合わせるのだっ!
「ゆぐ、ゆげ、おに”い”ざんやべでぇぇ、き”ぼぢわるいよ”ぉぉぉ!」
「ゆっくりに三半規管なんて上等なものは無いはずだ! 気持ち悪いなんて気のせい気のせい!」
「ぞんなごどないよぉぉ! やべでよ”ぉぉぉ!」」
「もっと激しくシェイクシェイクシェイク! おお、これはいい運動になるな!」
「ゆぐ、ゆげ、ゆぎゃぎゃぎゃぎゃ!」
 なんだか楽しくなってきた。れいむも楽しいのか、いい声をあげてくれる。
 ひとしきり振り切ると、れいむを床におく。身体がすっかり暖まった。
 おそらくうんうんをしなくなるまでは数日かかるだろうし、これは筋トレになるかもしれない。
 まったくもっていいことづくめだ。
「れいむ、楽しかったなあ?」
「ゆっ……!」
「ゆ?」
「ゆげぇぇぇぇえええぇぇぇぇ!」
「おわあっ!?」
 いきなりれいむは餡子を吐き出し始めた。
「うっわ、バッカおまえ何やってんだ!」
「だっで、だっでぇ……ゆげげげげげげぇぇぇぇ」
 れいむは本当に気持ち悪くなってしまったらしい。
 結局れいむは、その日するはずだっただろうううんうんと同量の餡子を吐きだしてしまった。



「なあ、れいむ?」
「な、なに、おにいさん?」
「そろそろうんうんしたくなってきたんじゃないのか?」
「そ、そんなことないよ! れいむはすごくゆっくりしているよ!」
 翌日。昨日の一騒ぎと同じくらいの時刻。れいむの顔色がかげるのを、俺は目ざとく見つけた。
 餡子脳にもあのシェイキングの苦しさは刻み込まれたと見えて、れいむはうんうんしたいのを隠すつもりらしい。
「よし。れいむはゆっくりしているんだな。じゃあちょっと遊ぼうか?」
「ゆゆ? なにしてあそぶの?」
 あっさり乗ってきた。さすが単純生物のゆっくり、御しやすい。
 俺はほくそ笑みながら準備を進めた。
「さあ、れいむ。このなかに入るんだ」
「ゆゆ? なにをするの?」
「楽しいことだよ」
「ゆっくりりかいしたよ!」
 れいむは俺の用意した大きめのたらいに入った。
「さあいくぞ、ごーろごろ、ごーろごろ」
「ゆゆ?」
 俺はたらいを傾けると、れいむをゆっくりと転がせた。
 これは昨日の失敗を反省してのことだ。
 激しく揺らすと吐いてしまう。ならばゆっくりと揺すればいい。
 また気分が悪くなったとしても、このたらいの中でなら後始末が楽だ。
「どうだー、れいむー?」
「ゆゆ~♪ たのしいよ~♪」
 どうやら今回は大丈夫らしい。しかも気に入ったようだ。
「ごーろごろー、ごーろごろー」
「ご~ろごろ~♪ ご~ろごろ~♪」
 俺がたらいを傾けるのに適当に声を出すと、それに合わせて楽しげに声を合わせてくる。
 顔色もすっかり元通り、もううんうんなんてしたくないかのようだ。
 でも、本当に大丈夫だろうか?
「ごーろごろー」
「ご~ろごろ~♪」
「うんうんごーろごろー」
「うんうん♪ ……うんうん?」
「うんうん混ざれー、ごーろごろー」
「ゆゆっ!? おにいさんやめてよ! なんだかゆっくりできないよ!」
「しっかり混ざれー、ごーろごろー」
「ゆゆーっ!?」
 そんな感じで言葉で刺激してみた。
 だが、結局この日、れいむはうんうんをすることも餡子を吐き出すこともなかった。


 そんなことを続けて、一週間が過ぎた。
「きょうもうんうんたいそうはじめるよ~♪」
 れいむは……馴染みやがった。
「う~んう~ん、ご~ろごろ~♪ まざれまざれ、ご~ろごろ~♪」
 もうたらいを使う必要もない。れいむは「うんうん体操」と称して自分からごろごろ床を回っているのだ。
 それはもう、実にゆっくりとしたご様子だ。
「う~んう~んご~ろごろ~♪」
 うぜえ。訳もなく踏みつぶしたくなる。
 だがそれは躊躇われた。もちろんこいつがかわいくなったとかそんなんじゃない。
 こいつは今うんうんを自分の体の中で混ぜている。それを踏みつぶすと言うことはなんだかすごく嫌に思えるのだ。
 いや、餡子なのはわかっている。わかっているんだ。これは気分の問題だ。
「あ、そうだ、れいむ」
「なあに、おにいさん?」
 れいむはうんうん体操をやめるとこっちにやってきた。そのれいむからおもむろに、
「そりゃ!」
「ゆぎっ!?」
 ずっと貼りっぱなしだったバンソウコウを剥いだ。
 驚いたことに、あにゃるは跡形もなくなっていた。
「れいむ……お前本当にうんうんから卒業したんだな……」
 いや、半分冗談だったんだが。うまくいかなかったらそれをネタに虐待するのもいいかと思っていたのだが。
「ゆっへん。れいむはとってもゆっくりしたゆっくりだよ!
 うんうんなんてゆっくりできないこと、しないんだよ!」
 ああ、そうだ。ゆっくりってすぐに調子に乗るんだよな。
 まあでもこいつは頑張った。たまには褒めてやってもいいだろう。
「よくがんばったな、れいむ。すごいぞ」
「ゆへへ、ありがとうおにいいさん!」
「ああ。これでお前の身体の中はうんうんまみれだ」
「ゆゆっ!?」
「これからはうんうんれいむとでも呼んでやらなきゃいけないな」
「ゆゆっ!? やだよ、やめてよっ!」
「うんうんれいむは嫌か?」
「やだよ!」
「じゃあ……うんうんまみれいむ?」
「どぼじでぞんななまえづげようとずるのぉぉぉ!?」
「お前”さあ、おたべなさい”とか言うなよ。俺ぜったい喰わないからな」
「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ!?」

「いや、むかついたから。
 そうだな……そう呼ばれたくなかったらうんうんして見ろよ、ほら」
「ゆゆっ!?」
 いきなり今までの苦労の全否定。混乱にゆがむれいむの顔がかわいくてたまらない。
「ゆ~ん、ゆ~ん、ゆ~ん……どぼじでうんうんでないのぉぉぉ!?」
 れいむは必死に身を震わすが、なんの成果も上げられない。
 あにゃるは塞がっているのだから出しようがない。いやあ、ゆっくりは頭悪いなあ。
 俺もようやくむかつきが収まった。
 このれいむはからかいがいがあるし、もうしばらく一緒に暮らしてやってもいいか。
 そんなことを考えた。

 しかし、幸せとは長続きしないものだ。

「んほぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉ! しゅっきりぃぃぃぃ!」
 ある日、帰宅した俺を迎えたのはそんな耳障りな絶叫だった。
 急いで家に上がると、そこには予想通りレイパーありすに襲われる俺のれいむがいた。
 しまった! 「レイパーありすが忍び込んできて家のれいむが襲われたらそれはそれで楽しげだなあ」と
 人間には出入りできない大きさの小窓の鍵をかけない習慣が仇になった!
「そりゃあ!」
「ぐべぇ!」
 蹴り一発でありすを絶命させる。虐待して楽しもうとは微塵も思わなかった。
 意外だった。
 こうなれば、認めざるを得ない。
 それほどまでに、このれいむは俺にとって大切な存在になっていたのだ。
 ありすの虐待なんてやり尽くした。この世にも珍しいうんうんまみれのれいむこそが、今の俺の楽しみなのだ。
 だが、どうやら手遅れだったらしい。れいむからは二本の茎が生え、そこには黒ずんだ赤ゆっくりがなっている。
 それはすなわち、赤ゆっくりを生かすことが出来ないほどれいむが消耗していることの証明に他ならないのだ。
「れいむ……」
 ああ、こんなことならもっと可愛がってやればよかった。精神的にねちねちと、執拗に。
「ゆ……おにいさん?」
「れいむ!? しゃべれるのか?」
「れいむはだいじょうぶだよ。ゆゆっ! あかちゃんができてるよ!」
 本当に元気なようだ。無邪気な笑顔を浮かべて頭の上にぶら下がる赤ゆっくりを見ている。
 無理矢理すっきりさせられたばかりだと言うのに、まったくゆっくりってやつはのんきなものだ。
 しかし、おかしい。確かにうちのれいむは健康優良、二本の茎ぐらいでは栄養を吸い尽くされるはずがない。
 ならば何故、赤ゆっくりは黒ずんでいる……?
「ゆゆ!? 生まれるよ!」
「なに!? 植物型にんっしんっ! にしても早すぎるぞ!」
 驚く間もなく次々と床に降り立つ赤ゆっくり。その数8。
「ゆっくりしていってね!」
 この異様な出産に気づかないのか、れいむはゆっくりの本能にしたがって生まれたばかりの赤ゆっくり達に声をかける。
 それに、赤ゆっくり達は答えた。

「「「「……もっとうんうんしたかった……!」」」」

「………」
「………」
 俺は無言。れいむも無言。リアクションに困っている間に、その異形の赤ゆっくり達は永遠にゆっくりした。
「あ、あかちゃん……?」
「………」
「で、でいぶのあかちゃんがぁぁぁぁ!?」
 生まれたばかりの赤ゆっくりを失った、れいむの慟哭。
 かける言葉もない。
 ただ俺は、れいむをそっと押し出した。
「く、くしゃい!」
「ああ、やっぱり」
「あかちゃんどぼじでうんうんのにおいするのぉぉぉ!?」
 子供というものは親の願いを受けて生まれる。
 出生後すぐに動き喋り髪まで生えて飾りまでつくゆっくりならその傾向も強い。
 れいむの潜在的な願い……それは、「うんうんしたい」だったのだろう。
 あにゃるはダメ、吐くのもダメとなれば……もう産み落とすしかなかったのだ。
 いややっぱり素人が品種改良のまねごとなんかするもんじゃないね。いい勉強になった。
 まあ、そんなことはどうでもいい。
「どぼじで、どぼじでなのぉぉぉ!?」
「それはな、れいむ……おまえがうんうんれいむだからだ」
「ゆ!?」
「いや、うんうんまみれいむ?」
「ゆゆーっ!?」
 れいむは実にいい声で泣いてくれた。
 いや、なかなか楽しい。ありす種ではこういう結果になったが、他の種とかけあわせたらどうだろう?
 あるいは、回数を重ねたら変化はあるのだろうか?
 そしてそのたび、れいむはどんな声で泣いてくれるだろうか。
 新しい虐待。俺は期待に胸を膨らますのだった。


過去作品
  • 夢みるれいむの覚めない悪夢

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最終更新:2008年12月09日 18:47
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