サーヴァント

クラス Fate/stay night Fate/Zero Fate/EXTRA Fate/Apocrypha Fate/strange Fake 帝都聖杯寄譚 Fate/Prototype
セイバー アルトリア ガウェイン 鈴鹿御前 モードレッド ジークフリート リチャード1世 ペルセウス 沖田総司 アーサー・ペンドラゴン
ランサー クー・フーリン ディルムッド ヴラド三世 エリザベート カルナ ヴラド三世 ○○○・○○○○ エルキドゥ 李書文 クー・フーリン ブリュンヒルデ
アーチャー エミヤ ギルガメッシュ ロビンフッド カズラドロップ アタランテ ケイローン アルケイデス ギルガメッシュ 織田信長 ギルガメッシュ アーラシュ
ライダー メドゥーサ イスカンダル ドレイク ヴァイオレット アキレウス アストルフォ ヒッポリュテ ペイルライダー 坂本龍馬 ペルセウス オジマンディアス
キャスター メディア ジル ナーサリーライム アンデルセン シェイクスピア アヴィケブロン フランソワ・プラレーティ 大デュマ マクスウェル メディア パラケルスス
アサシン 小次郎 百の貌のハサン 李書文 パッションリップ セミラミス ジャック 真アサシン アサシン子 岡田以蔵 佐々木小次郎 静謐のハサン
バーサーカー ヘラクレス ランスロット 呂布 キングプロテア スパルタクス フランケンシュタイン エジソン ジャック 森長可 ヘラクレス ハイド
セイバー・オルタ ネロ メルトリリス 弁慶 ダビデ ??? イアソン、ヒュドラ 豊臣秀吉
ルーラー 呪腕のハサン 玉藻の前 アルキメデス ゲオルギウス 坂田金時 ??? スキュレー、董白 明智光秀
アヴェンジャー アンリ・マユ 覚者 BB 天草四郎時貞 ジャンヌ ??? 徳川家康 666の獣
Fate/Grand Order
マシュ ジャンヌ・オルタ ソロモン エドモン 両儀式 エミヤ アイリ イリヤ クロ ??? ???
アルテラ カエサル デオン シグルド フェルグス ラーマ ベディヴィエール 宮本武蔵 ??? ??? ??? ???
ロムルス レオニダス スカサハ ブリュンヒルデ ヘクトール フィン オルタニキ 乳上 ジャガーマン ??? ??? ???
アルジュナ オリオン エウリュアレ テスラ ビリー 俵藤太 トリスタン イシュタル ??? ??? ??? ???
マリー 牛若丸 アレキサンダー ブーディカ ティーチ マルタ アン&ボニー 女王メイヴ ケツァル・コアトル ??? ??? ???
ステンノ 荊軻 ファントム サンソン マタ・ハリ 酒呑童子 風魔小太郎 クレオパトラ キングハサン 謎のヒロインX ??? ???
メフィストフェレス アマデウス 孔明 ダ・ヴィンチ バベッジ エレナ エジソン ジェロニモ 玄奘三蔵 ニトクリス マーリン ???
ダレイオス エイリーク アステリオス 清姫 カリギュラ ベオウルフ ナイチンゲール 茨木童子 源頼光 ??? ??? ???
ゲーティア ティアマト 殺生院キアラ キャスパリーグ ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ???
??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ???
新宿 明治維新 アガルタ 英霊剣豪 セイレム 1.5部
モリアーティ 土方歳三 シェヘラザード ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ???
ボブ 茶々 武則天 ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ???
ヘシアン・ロボ ??? ペンテシレイア ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ???
燕青 ??? コロンブス ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ???
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トップサーヴァント
大英雄として広く伝わる英雄の中の英雄、通常の七分類とは異なる特殊クラスで召喚された英傑

能力値については,実は明確なルールがあるんです。
A~Eの5種類を,筋力/耐久/敏捷/魔力/幸運の5つのパラメータに,同じアルファベットが被らないように割り振るっていう。
特例として,Aがない代わりにBが2つとか,Aが2つあるけどCも3つとかも,バランスが崩れない限りはアリってことにしています。あと宝具は別で,自由に設定していいことになっているので。
ただ,Fateシリーズの場合は,こうした能力値とは別のところで,Fateの世界観における総合的なサーヴァントの強さを,僕の方でランク付けすることになっています。
だから,能力値だけで強さが決まるわけではないんですけどね。

「星の開拓者」に近いですが,基本的には人類史の中で大きな希望を残した人が星属性です。
単に偉業を達成しただけではなくて,キラキラと光る星でなければならない。そういう概念的なものも含めたうえでの設定です。


○剣vs弓
編集部(予測)
真っ向勝負なら剣技に長け、強力な聖剣のあるセイバーが断然有利。一方のアーチャーは、
ランサーをして戦上手と言わしめた名手。遠距離狙撃や罠で自分のペースに持ち込めれば、
UBWで勝負をかける事も可能か。射出宝具に苦戦するだろうセイバー。が、鞘を展開して
懐に飛び込めば勝機は揺るぎない。よって、セイバーの勝利では?

奈須さ~んCHECK!
接近戦と遠距離戦の代表である2大鯖の激突。いかなる条件であろうと挑まれれば剣を取
るセイバーと、必勝の策をもって戦いにあたるアーチャー。戦闘スタイルばかりか二人の
性格の違いも見所になるのでは。しかし、いかな無限の剣製と言えど一騎打ちの形ではセ
イバーを抑えきれるかどうか。狙撃による一射必中と聖剣による一撃必殺。どちらに軍配
が上がるかは、さて、彼らではなくマスターの機転によるのではないでしょうか。


○騎vs槍
編集部(予測)
接近戦では能力に劣るライダーが撃破されるのはほぼ確実。得意の愛馬を駆るヒット&
アウェイ戦法も、体当たりなのでランサーに宝具を投げられたら終わりの可能性も。
対するランサーの弱点は、戦闘を楽しむその性格。宝具を出すのを邪魔するとは考え難い。
加えて女好きの彼が暗黒神殿の下の素顔を露そうとする彼女を制止する筈もなく……合掌。
魔眼を前に魔力Cの彼ではひとたまりもないだろう。よって、ライダーの勝利か?

奈須さ~んCHECK!
本編でも屈指のスピードを誇る両者。自身を弾丸と化し戦場を駆け回るライダーと、
不動のまま神速の槍捌きで迎撃するランサー。平均速度ではライダーが上回っていますが、
瞬間的な最大速度ではランサーに分があります。多種多様な宝具を持つライダーですが、
ランサーもルーン魔術による加護で魔眼対策はバッチリ。怪物退治はお手の物であるラン
サー相手に、魔物としての属性を持つライダーは苦戦を強いられそうですが……!?


○弓vs刀
編集部(予測)
アーチャー的に遠距離で勝負したい所だが、接近しないと姿を見せないアサシン相手に狙
撃は不可能だろう。となると剣の勝負だが、彼の剣技はセイバーをして神域に達した力量
と嘆息させる程で、勝ち目はない。弓も剣も通用しない以上、UBWを使うしか勝機は無く、
一方アサシンには相手に宝具の使用を促した経歴がある。宝具の撃ち合いなら手数に優る
アーチャーの勝利は時間の問題か。よって、アーチャーの勝利かも?

奈須さ~んCHECK!
真っ当な「殺し合い」ならアーチャーが有利。されどアサシンは他の鯖と異なる戦闘条件
で闘う曲者です。多くの鯖が攻性である反面、アサシンは防性。柳洞寺という鯖殺しの地
形とキャスターが作り上げた対魔術の防御結界は魔術・宝具を大幅に削減してしまう為、
強力な宝具でなければ致命傷は与えられない。となると、両者の戦いは剣技に寄る所が大
きくなるのは明白。地形効果によって狙撃を封じられたアーチャーがやや不利か……?


○弓VS騎
編集部(予測)
ロングレンジの場合、アーチャーの連続射撃に対して、ライダーにはベルレがある。使わ
れたが最後、防御の上昇で矢を弾かれて敗北する結果か。一方、ミドルレンジまでなら、
百戦錬磨の弓が優勢。能力に勝るも技術で劣る彼女が劣勢を覆すには、魔眼しかない。が、
弓も石になるには時間が掛かる為、その間にUBWを展開。となるとベルレで一気に勝負と
なるだろう。弓に避ける術はないが、アイアスで一時的に防ぐ事は可能。時間を稼ぎ天敵
たるハルペーを手に取れば、勝つ事も出来そうだが…。よって、アーチャーの勝利では?

奈須さ~んCHECK!
一考するとアーチャー有利なのですが、ロングレンジではライダー有利? と言われてい
る通り、相性は決して良くありません。勝ち方に拘らない、という点でも共通する二人で
すから、ローリスクハイリターンな戦法を選ぶのは必至。セイバークラスの聖剣を持ち出
したとしても、アーチャーには全性能を引き出す魔力がないので、ベルレフォーンを迎撃
するのは難しい。アイアス単体でベルレを防ぎきれるかどうかが勝敗の分かれ目か……?


○刀VS殺
編集部(予測)
敵との距離を一定に保ちつつ、投擲で急所を狙うのが真アサのスタイル。しかし、卓絶し
た剣技に中途半端な飛び道具が通用する筈もなく、40本の短剣全てを弾かれるだろう。
短剣が尽きた所で攻勢に転じれば小次郎の勝利は間違いないが、彼は山門からあまり離れ
られない。対するハサンも格闘戦は苦手なので、戦いは降着状態に。互いに手詰まりとな
れば宝具勝負。しかし射程の短い燕返しに対して、妄想心音は離れた場所から相手に触れ
ずに呪殺する事が可能。魔力Eの小次郎が倒れるは必須…よって、真アサシンの勝利か?

奈須さ~んCHECK!
鯖単体の対決なら、文句なく真アサシンに軍配が上がります。判定の通り、小次郎に妄想
心音を破る手段は無いのですから。ですが、その先があります。妄想心音の泣き所は「即
死」ではないこと。通常心臓を破壊されれば即死ですが、相手は鯖。特に霊としての属性
が強い小次郎は、心臓が破壊されたとしても戦闘能力は残っています。宝具使用後の隙を
突いて間合いを詰め、燕返しを放つ事も可能なのです。となると……結果は相討ち…?

Q.通常攻撃、宝具共にBランク以下であるランサー、キャスター、アサシン、真アサシン。
バーサーカーと戦った場合、やっぱり一方的な展開になるんでしょうか?
それとも中には渡り合える者がいたりするのでしょうか?

A.アサシン、真アサシンは単体では勝負になりません。
ランサーはルーン魔術と宝具の組み合わせで一時的にAランクに届くので、かなり不利な戦いになりますが「いくらか勝ち目のある」戦いを展開できます。
キャスターはセイバークラスの前衛が2人ほどいるのなら大魔術でダメージを与えられますが、それも2回か3回が限度でしょう。
ちなみに、本編でアサシンがバーサーカーを撃退しているのは地形の有利とキャスターの援護(バーサーカー本体への重圧)があったおかげです。
……いやまあ、それでもアサシンとバーサーカーの相性は最悪なので、撃退したこと自体、小次郎スゲーということになるのですが。

権能
 コードキャスト、スキル、宝具とはカテゴリーの違う特殊能力。
 事象の変動、時間流の操作、国造り、といった、世界を創造しうるレベルの力をこう呼ぶ。
 神代と呼ばれる時代……およそ6000年以上前……に在ったが、西暦以降、人類の文明レベルが向上した事でようやくその任を解かれ、過去の時代に引退したもの。
 通常のスキルは『このような理屈でこういう事ができる』というものだが、権能は『ただ、そうする権利があるのでそうする』だけのもの。
 神霊クラスのサーヴァントなら持ち得ていて然るべきものだが、この時代にその権威を振るうにはそれなりの代償(自身の崩壊)を必要とする。
 CCCではムーンセルを飲みこんだモノがこの域に達する。

守護者
人類の"存続するべき"無意識が生み出した防衛装置のようなもの。
『人類の滅亡を加速させる害悪が現れた場合、これを成立させる要素をすべて消去する』といった目的で守護者は現れ、仕事をこなす。
人知れず人類滅亡の危機を潰している、時代の補修人といったところ。この抑止力が働かなくなったとき滅びは速やかに進行し、人々はもう取り返しの付かない”終わり”と体面する。


「君の中の英霊は聖杯に選ばれた英霊だ!英霊の格は決してソロモンに引けを取らない!」
「ハ―――英霊の格、だと?そんなものが基準になると本気で思っているのか。」
「だが、確かにハッタリじゃねえ……英霊としての格より、出力そのものが違う。」
「テメエ、一体どうなってやがる!?」
「貴様が今口にした通りだよ。英霊としての格ではない。霊器(クラス)の格が違うのだ」
「挑発に乗るなモードレッド。格の問題じゃない。これは器、権限の問題だ。」
「ヤツはただ単に、俺たちより一段階上の器を持って顕現した英霊にすぎない。」
「我らが個人に対する英霊(へいき)なら、アレは世界に対する英霊(へいき)――」
「その属性の英霊たちの頂点に立つもの。即ち、冠位(グランド)の器を持つサーヴァント――」



細かく言うと、魔力が活動するためのエネルギーで、マスターとの契約が現世に留まる「要石」のようなもの。
マスターを失うとサーヴァントは自力で「要石」分を捻出しなくてはならなくなるので、結果的にすぐに消えてしまう。
召喚に必要な触媒が概念ではなく遺物だった場合、この遺物も要石として機能するのでさらに万全。

致命傷

 この世に留まる霊核

 アーチャーは、終わっていた。
 まだ息はあるし、出血も少ない。
 体を貫かれようが、それが急所でないのならいくらでも再生は可能の筈だ。
 ……それでも、アーチャーはもう戦えないと判ってしまった。
 ……アレはサーヴァントを殺すもの。
 いかに強力な英霊であろうと、その身がサーヴァントとして召喚された以上、あの“黒い影”には敵わない。

 眉間、首筋、そして心臓。
 穿つは三連、全弾急所――――――!!

 サーヴァントの威圧感は、肌で感じ取れる魔力量に比例する。
 柳洞寺で見たライダーは強力なサーヴァントだった。
 が、目の前にいるライダーは以前の、公園でセイバーに敗れた時のライダーだ。

 それに比べればアサシンの短剣(ダーク)は御しやすい。
 急所に刺されば死ぬが、弾けば防げるモノならば礫(つぶて)と何ら変わらないからだ。

 急所(とうぶ )


ライダーはアーチャーに斬り伏せられ、床に蹲(うずくま)っている。
ライダーの服は血で滲んでいて、即死ではないものの戦闘は不可能だろう。
アーチャーは腹を裂いただけよ。具現化の核たる心臓と首は壊していない。貴方が一人前のマスターなら、いますぐにでもライダーを治してあげなさい
ライダーは蹲ったまま動かない。
ライダーの足元は真紅に染まっていて、血はまだ流れ続けている。
それがあいつにとっての令呪の使用法なのか、ライダーはガクガクと体を震わせ、なんとか立ち上がろうとする。
あの夜と同じように、慎二の本はひとりでに燃え尽きていた。
締め切られた廊下に風が吹く。
それは倒れていた筈のライダーと―――蹲ったままの、桜の体から吹いていた。
身構える遠坂と、立ち上がった敵を無言で見据えるアーチャー。
ライダーは完全に治癒していた。

 セイバーによって傷つけられた体を癒す自然治癒

 確かにあの傷は敗北に至るものでしたが、致命的ではなかった。バーサーカーが立ち去った後、一時間ほどで治療を済ませました
「え……じゃあセイバーはもう完全に元通りなのか……?」
「無論です。ですが本調子、という訳でもありません。
 バーサーカーの一撃は単純なものだったので問題なく治療できましたが、ランサーの宝具による傷は別です。
 あの槍は特殊な呪いを帯びているのでしょう。彼につけられた傷は、まだ完全に治りきっていません」


「……おそらくは。ゲイボルクの伝承は諸説あります。曰く、足で投擲する呪いの槍だとか、貫いた瞬間に内部から千の棘を生やして相手を絶命させる魔槍だとか」
「……? なんか、まったく違う言い伝えじゃないのか今のは。そんなんで伝説の武器だなんて言えるのか?」
「ですから、続きがあるのです。ゲイボルクの能力は様々な形で伝えられていますが、その全てに“心臓を穿つ”という一節が残っている。」


伝説で言うエクスカリバーの鞘は、持ち主を不死にするという守りの宝具
伝説ではこの戦いで、騎士も騎士道も、全てが華と散ったと言う
エクスカリバーって言ったら、アーサー王の代名詞だろ。妖精に授かった剣で、切れない物はなく刃こぼれもしないっていう名剣だ
伝説に曰く。その槍は、敵に放てば無数の鏃(やじり)をまき散らしたという。
「……伝説で言うところの鏡の盾、だっけ?石化の魔眼をはね返したっていうのは」
ギリシャ神話に曰く、女怪メドゥーサは英雄ペルセウスの鏡の盾で魔眼を封じられ、その首を断たれたとか。

 伝説によれば、その剣は持ち主が手をかけるまでもなく鞘から放たれ、敵が抜刀する前にこれを斬り伏せたという。
 セイバーの伝承は色々あって何が正しいのかは分からないが、妻帯していた記述は多い。

 人々の想念、希望のみで編まれた伝説。
 神話に寄らず、人ならざる業にも属さず、ただ想いだけで鍛え上げられた結晶だからこそ―――あの剣は空想の身で、最強の座に在り続ける。

「勘違いするな。俺が英霊より強いというわけじゃあない。」
「英霊とは人類史を肯定するモノ。人間世界の秩序を護るものだ」
「我ら死徒は人類史を否定するモノ。君達のルールを汚すために存在してきた」
「故に、人が作りし宝具、あるいは神が人のために用意した宝具の加護を、我々は否定する事ができる」
「これは、純粋に相性の問題だ。私は蛇で、君らはカエル。ただそれだけの単純な話だ」
「もちろん、同じ宝具でも『座』の使者たる英霊が使うならば話は別だがな。英霊ならば私に勝てたやもしれん。だが、人の身である君達がいくら宝具を使おうと、敗北は必然だ。」


  • 鯖ボディ
「じゃあ次。サーヴァントは実体化していても、カテゴリー的には霊体なんだろ。となると、通常の武器ではサーヴァントを傷つけられないのか」
「……そうですね。通常のサーヴァントなら無効化できますが、サクラに囚われたサーヴァントは別です。
 セイバーは肉を与えられ、霊体に戻れない生命です。
強力な魔術品ならば、彼らが纏った黒い影を突破できるでしょう」

生身の人間でも令呪を十画使えば

 無防備な半身、セイバーの左腕をアゾット剣で切断する。
「――――な」
 砕けた。
 セイバーの腕を易々と切断する筈の剣は、セイバーに触れた途端砕け散った。

告解の黒鍵(つるぎ)が左右に五つずつ、右腕には前回(・・)から未使用のまま保存し、今も力を残している令呪が数個。
下級霊を相手にするには充分すぎる武装。
だがサーヴァントが相手では、全弾命中させても倒しきれまい。
いかに無名といえ、アサシンとて英霊の一つ。
選ばれた代行者が持つという“聖典”クラスの武装でなければ、倒しきる事は出来ないだろう。

魔力提供がなくなったおまえならば、私の聖言でも充分に通用するが
新しいマスターを得なければ、この森に漂う浮遊霊と大差はない。この身は一日を待たず下級霊に落ち、この世から消え去るだろう」
そうだ。マスターのいないサーヴァントであらば、代(わ)行者(たし)でも傷は与えられる。

「―――はい。神秘はより強い神秘の前に無効化される。
 私の鎧を通る事ができる神秘は、貴女たちの言う“魔法”か、神域に棲む幻想種だけです」
「魔法使い―――ライダーは魔術師だって言うのセイバー……!?」
「いえ、それほどの魔力は感じませんでした。
 彼女はライダーです。魔法使いがいるとすれば、それはキャスターだけでしょう。ライダーの宝具は、おそらく別のモノだと思います」
 セイバーの答えに、ほっと胸をなで下ろす遠坂。
 が、こっちはいまいち話が掴めない。
「セイバー。おまえの鎧っていうのはそんなに硬いものなのか? 魔法でなければ通らない、なんて言うけど、それならランサーのゲイボルクは魔法って事になるが」
「え……? ええ、確かにランサーのゲイボルクは魔法に近い“呪い”ですが……凛、シロウに説明してあげてくれますか」
「わたし? ……まあいいけど。ようするに士郎はセイバーは魔法じゃないと傷つかない、と勘違いしてるわけね?」
「あ、いや……別にそういう訳じゃないけど。
 ただ、そんなに頑丈な鎧なら凄いなって思っただけだ」
「そりゃ凄いわよ。セイバーに限らず、サーヴァントってのはみんな英霊なのよ? 霊体って事もあるけど、まっとうな手段じゃ傷一つつけられない。サーヴァントはそれ自体が神秘だから」
「物理的な手段でサーヴァントを傷つけられるのは、同じ英霊であるサーヴァントだけ。逆に言えばサーヴァント同士なら、ただのペーパーナイフでもセイバーを傷つける事はできる」



この世界における神話において二人が辿る結末は『stay night』でも『Fake』でも同じですが、過程は微妙に違うのです。
作品ごとの違いをあえて分類するなら、
Zeroは『stay nightと条件は同じだけど微妙に違う世界』
Apocryphaは『途中までは同じだけど今は完全に別の世界』
エルメロイの事件簿は『完全に同じ世界、ただし三田誠スパイスにより大気濃度がちょい違う濃 密魔術もの』
そして『strange Fake』は『同じ条件、同じ結末を迎えていながら、なぜか完全に違う世界』

どういうことかと言いますと、たとえば『Fate/stay night』のセイバーは出演していますとが、彼女は『Fate/stay night』という物語を体験してはいません。
あのセイバーとの出会いと戦いを一から始められる、というファンサービスでもあります。

ちなみにゲームに登場する『stay night』のセイバーは、『stay night』の物語が終わった後のセイバーではなくて、デフォルト状態のセイバーです。あくまで彼女は、●●●●●の英霊にすぎません。
なので、例えばゲーム中でセイバーとランサーが並んでいても『stay night』での話はしないよう心がけています。
メインの物語はあくまで『グランドオーダー』ですので、かつてあったかもしれない“別の大きな話”は持ち出さない。持ち出すのは個々の関連性だけに留めています。
例えば、アンデルセンはキャス狐に対して妙に当たりがきつかったり、小次郎はメディアを生温かく見て楽しんでいる、とか(笑)。

大河「TYPE-MOON作品では、作品が違っても世界観を共有していることが多いけど、エクストラの世界以外にムーンセル は存在しないと言うのは本当かしら?」
桜「はい、存在しません。それがフェイト/エクストラがifの世界と言われる所以でもあります。そもそも、 ムーンセルが存在したら、世界観を共有する月姫の根底が崩れてしまいます。」
セイバー「む?ゲーム本編で月姫のキャラクターが登場していた気がするが。あれは幻だったか? 」
桜「幻ではありませんが、月姫における人類史とは血続きではないということです。ぶっちゃけると、ファンサービスですね。」

大河「ムーンセルのサーヴァントは抑止の輪から呼び出されたものじゃなくて、NPCと同じように再現された コピーという認識は正しいのかしら?」
桜「はい、その通り正しいです。より正確に言うと、ムーンセルが記録している人類史からの完全再現となりま す。ただし、この人類史は仮言的に英霊の座と繋がっているので、一概にコピーとは言えません。要するに、ム ーンセルも自分で人類史を作っている認識なのですが、その人類史はそもそも英霊の座とまったく同じものなの で、同一存在として仮言的には重なり合っている、みたいな感じです。」
大河「ついでに言うと、抑止の輪はまた別ね。アーチャーさんは抑止の輪側の英霊だけど、エクストラのアーチ ャーさんは英霊の座から呼び出されたために、今回は抑止力の奴隷になっていないというわけ。」

なので、今回は戦闘数値には表れない英霊たちの立ち位置……属性の話をするとしよう。
一概に英霊と言うが、大きく四つに分類される。それが『人』『地』『天』、そして『星』だ。
『人』のカテゴリは西暦以後、人類に貢献した偉人が死後に英雄視され、共通認識となったものを指す。
本当に生前から超人だった、という例もあるが、基本的には死後に大衆によって神格化された英霊だ。
アンデルセンやシェイクスピア、アマデウス、ナイチンゲール女史などがあげられる。
次に『地』のカテゴリ。これは土着の幻想伝承に語られる英雄が
……そして、ここからが重要だ。四つ目のカテゴリ『星』。
天でも地でも人でもない。人類における希望。困難を打ち破る象徴。
これはあらゆるカテゴリに対してマイナスを持たない万能属性に見えるが、その本質は別にある。
この『星』と相克するカテゴリが存在する。それこそが五つ目の

疑似サーヴァントとは英霊に憑依された人間だ。これは何らかの理由でサーヴァントになれないもの……
高次元の生命である神霊や、カルデアの召還式では霊基が作りづらい英霊だな……
そういったものがサーヴァントとして召喚されるために、人間の体を霊基(うつわ)にして顕現するケースがある。
これが疑似サーヴァントだ。人間の体を触媒にした、強引な英霊召還方式だよ。

Q:サーヴァントの姿って、死ぬ直前の姿?それとも全盛期の姿?
A:基本的に全盛期の姿です。何かの強い呪い、ないし本人の執着があるのなら死ぬ直前の姿で現れることもありますが。


マスター適性
マスターとしての能力は次元違い(イリヤ)
アーチャーのマスターなら、私の能力を完全に引き出せる
マスターとしての適性はノーマルだが、“敵対する魔術師を殺す”事に関しては折紙付きだった。
マスターとして適性の高かった切嗣
衛宮士郎にはマスターとしての適性はなく
マスター適性、低めでしょうか?
青子は士郎と同じくらい

俺という未熟なマスターと契約した為、本来の力を出せない欠点を問いただす
なら、もしセイバーが本来のセイバーだったら
いいえ、私が万全であろうとバーサーカーを倒す事は難しい

故に彼女の魔力を、常に自分(マスター)以下の量に制限していたのである。
本来の彼女ならば、マスターを失った状態でも二日は活動できるだろう。

この国では知名度が低いですから存在が劣化していますが、それでも十分すぎる能力です。

本来あるべき契約。
自身に相応しいマスターを、ようやく、彼女は得るに至った。
正規のマスターを得、本来の力を取り戻したのか。

知名度
Q:サーヴァントが持つ能力や所有スキルの、ランクづけの標準は?また、格付けを行っている主体は何か?大聖杯の意思なのですか?それともマスターの主観?
A:召喚したマスター、土地柄によって多少は変動しますが、基本、英雄の残した偉業と、それを讃える人々の認識で決定されたワールドランキングです。

サーヴァントのステータスを左右する要素には土地、知名度、マスターの魔力の3つがある。
土地と知名度についてだが、これは英霊の伝説の舞台となった土地(文化圏)に近く、知名度が高いほど強い。
ここでいう“強い”とは、より伝説どおりの強さ、装備に近づくという意味だ。
また、マスターの魔力が強い場合も、サーヴァントは伝説通りの強さに近づく。
(コンマテ)

サーヴァント自体の能力は呼び出された英霊の格によって変わるから注意して
英霊の格……つまり生前、どれくらい強かったかってコトか?
それもあるけど、彼らの能力を支えるのは知名度よ
生前何をしたか、どんな武器を持っていたか、ってのは不変のものだけど、彼らの基本能力はその時代でどのくらい有名なのかで変わってくるわ
英霊は神さまみたいなモノだから、人間に崇められれば崇められるほど強さが増すの
存在が濃くなる、とでも言うのかしらね。信仰を失った神霊が精霊に落ちるのと一緒で、人々に忘れ去られた英雄にはそう大きな力はない
忘れられていようが知られていなかろうが、元が強力な英雄だったらある程度の能力は維持できると思うけど
じゃあ多くの人が知っている英雄で、かつその武勇伝も並はずれていたら
間違いなくAランクのサーヴァントでしょうね。
そういった意味でもバーサーカーは最強かもしれない。なにしろギリシャ神話における最も有名な英雄だもの。

サーヴァントの基本能力は、伝承での偉業とその認識のワールドランクで決定され、
クラスに当て嵌められて召喚された際、土地柄の知名度が低い程弱体化し、更にマスターの魔力が不足する程弱体化する。
という減点法なので、知名度補正と呼ばれるものは厳密には補正では無い場合もある。

土地での知名度
あいつ自身はセイバーやバーサーカーと同じか、きっとそれ以下だ
そもそも英霊の強さっていうのは召喚された土地での知名度によるんだろう
ならギルガメッシュなんて英雄、こっちじゃ知ってるヤツはそういないぞ
それはそうだけど、知名度による実力の変動だってそう大きいものじゃないわ
わたしにはどうも、あの金ピカは反則めいて見えたんだけど

ヘラクレス
少女のサーヴァントは最強である。
数いる英霊の中でも最高の知名度を誇るヘラクレスに対抗できるモノなど、それこそ一人か二人のみだろう。

アキレウス
アキレウス。知名度という点において、ギリシャ神話のヘラクレスに匹敵する大英雄だ。
恐らく世界規模で知られている英雄など、彼を含めて十人にも満たない。
だがしかし、その駿足で駆け抜けた生前の物語を知る者となると途端に減るだろう。

アーサー王
もっとも、私自身はそう高名な者ではありません
バーサーカーに比べれば数段ランクは落ちるでしょうし、知られたところでどうという事はないでしょうが
……ちょっと意外だ、セイバーも人間らしいところがあるというか、英雄としてバーサーカーに劣っている事を悔しがってる

アーチャーのマスターなら、私の能力を完全に引き出せる

クーフーリン
この聖杯戦争の舞台が日本でなければ、ヘラクレスやアーサー王に並ぷ光り輝く存在だったろう。

ケルトの神話なのでこちらでは馴染みは薄いが、あちらでは彼(か)のアーサー王を凌駕する大英雄である。

日本ではどちらも地形効果はゼロですが、舞台がアイルランドなら―――クーフーリンに一本かと。

Q:もし聖杯戦争の舞台はヨーロッパ圏であった場合、クー・フーリン(ランサー)はアーサー王(セイバー)やヘラクレス(バーサーカー)と互角以上の性能を持つことができたのでしょうか?
A:……いや、西欧圏でいうならふたりとも同じぐらいパワーアップするかと……
イングランドやアイルランドならぐるっと逆転しますが。ヘラクレスは西欧圏でも十全の力を発揮するかと。

ランサーは日本で土地効果は無いが、日本外ならばセイバーに並び、アイルランドならば凌駕する
この設定がラックされていないならば、ヨーロッパでのランサーとセイバーは互角以上ではなく互角
西欧“でも”の対象である十全の力を発揮した状況は日本以外に無いので、最高の知名度を誇るバーサーカーは西欧と日本で知名度による変動は無い
以上の前提と文章の流れから、以下の様に補足出来る

A:……いや、西欧圏でいうならふたりとも(ランサーとセイバーは)同じぐらい(に)パワーアップするかと……イングランドやアイルランドならぐるっと(力関係が)逆転しますが。
 ヘラクレスは西欧圏でも(日本で呼ばれた時と同じで)十全の力を発揮するかと。


なにげにパラメーター化されている各サーヴァントの能力。
Aが一番強いのは解るけど、B+とかA+とかなんなのん!?という貴方に少しだけルール説明をば。
仮に、通常値を10とした場合、Eは10で、あとは10ずつ上乗せし、Aは50となる。
で、B+とかA+というのは、その数値を瞬間的に倍化できる特殊能力の事を指す。
つまり、B+の能力は、通常はAには敵わないが、一瞬だけなら40×2で80、50のAランクを上回れる、というコト。
  1. (プラス)を持つ英霊は少なく、++(ダブルプラス)なんでいったらもう破格、+++(トリプルプラス)は別格だコノヤロー、という世界。
また、E~Aの数値に該当しない、そもそも別格な能力値はEXとして表される。
ギルガメッシュは各パラメーターこそ低いものの、 宝具がEXな時点で他の英霊とは一線を画している訳である。

Q:ステータス画面にあるサーヴァント能力の宝具ランクと、持ち物としての各宝具についているランクに違いってあるんですか?
A:原則同じです。
数値化も可能ですが、連中の能力はある意味言葉遊び的な「~より強いが~には負ける」みたいなものなので、
数値よりも大まかな概念としてのA~Eのカテゴリーに分けてみました。
ちなみに、+がつくものは一瞬だけ能力を倍化できる、とお考えください。

Q:サーヴァントの霊核とは、人間の心臓やのうと同じで、破壊されると即死する急所のようなものと考えてよいのでしょうか?
A:心臓、脳は確かに急所です。霊核とは別のものですが、より霊核に直結した器官、と考えられます。
霊核は魔力消費、肉体損傷によって弱体化し、その状態で強力な魔力、呪い、宝具を受けると現界を保てなくなり、サーヴァントは霧散します。


虚淵:キャスターがあまりに苦しすぎて、中国の仙人とかにしょうこな、と相談したんですが。そこで西洋縛り、というルールを聞いたので。
奈須:仙人は強すぎる、というのもあるしなー。

Q:日本が舞台にも関わらず、日本産の英霊が少ないのなぜでしょうか?これは聖杯という概念が西洋(キリスト教)によるものだからでしょうか?
A:その通りです。

奈須:「エクストラ」の聖杯戦争には、東洋の英雄がサーヴァントとして召喚されています。禁じ手、解禁です。
――本当ですか!? イレギュラーな存在は、アサシンの佐々木小次郎だけだったはずでは!?
奈須:「Fate/stay night」の聖杯戦争における召喚システムは、西洋の魔術世界でつくられたものだから、西洋の英霊しか召喚できないようになっているんです。
でも、「エクストラ」は世界そのものがイレギュラーだし、聖杯戦争のシステム自体がこれまでとは異なるので、東洋の英霊もアリにしようということになりました。

TYPE-MOON他作品で、アルク以外にサーヴァントとガチンコできるのは誰ですか?
一対一、宝具が極めて平均的なものであるなら…という前提でいきます。
二十七祖のほぼ全員、軋間紅摩、蒼崎青子。防衛戦だが戦闘になる、というのであればシエル。
式、志貴の主人公コンビはサーヴァントには及びません…でも、「両儀式」ならシエルクラスまであがるかも。

9月号のサーヴァントと他作品キャラ比較についての質問です。
対象は平均的な宝具を持ったサーヴァントとのことでしたが、本編でいうとどのくらいのランクの宝具を持った、誰がそれに近いのでしょうか?

まじめな質問です。
宝具のレベルはB、能力が数値で表せるものが平均的な宝具といえます。
ブロークンファンタズム、風王結界、ゲイボルグ(投げ)、といったものでしょうか。
逆に効果が概念的なもの、運命干渉系が特殊な部類です。
ゲイボルク(通常)はいかにアルクェイドが能力値的にランサーを凌駕していようと、運次第でコロっと殺されますから。

サーヴァントとの契約というのがカードゲーム内にあるので、
月姫キャラの中で魔術回路を持っているのは誰と誰なのか調べる必要がありまして。
その他のことも含めてきのこさんに色々質問しました。

やっぱりシエルやロアは契約できるみたいです。
青子も一応できるけど、士郎並みだとか…。

――では、ランサーもアーチャーも中身は同じなんですね。

奈須:
 英霊たちは、例え世界観が違っていても、
 人類のデータベースから召喚されるという設定上、
 パーソナリティは絶対に動かないんです。
 ランサーのように、外見に多少の差異が生じる場合もありますけどね。

そのときに私からは「千里眼」もち繋がりでギルガメッシュの現界時の記憶がどうなっているかを聞いたんです。
ギルガメッシュも、「千里眼」で見ようと思えばいろんな平行世界の可能性を見ることはできるのですが、
英霊の記憶や知識は召喚される世界に合わせてアジャストされるよう座が調整しているので、複数の記憶で混乱するようなことはないという答えでした。
仮に「千里眼」を使って自分が聖杯の泥に飲まれた世界の可能性を見たところで、ギルガメッシュは「そんな世界線はありえんな」と一蹴するのだろう、とも言われました(笑)。

「そうだ。元々“英霊”という物に意思などない。
 英霊となったモノは、以後、ただ人間を守る力として置かれるだけだ」
「何かこちらで不都合があった場合のみ呼び出され、その後始末をして消えるだけの存在。
 在るが無い物。人の世の危機を救おうが、誰にも認識されないもの。
 それが英霊―――守護者と呼ばれる都合のいい存在だ。
なってしまったが最後、意思を剥奪され、永遠に人間の為に働き続ける掃除屋にすぎん」

「当然だろう、我々はサーヴァントだ。誰が作った儀式(システム)だか知らんが、この戦いはよく出来ている。
 本来、本体からの触覚でしかない英霊にカタチを与え、本体そのものとして使役するのだからな。
 サーヴァントという殻を与えられた英霊は、その時点で元の人間性を取り戻せる。かつての執念、かつての無念と共にな

「……それこそおかしい。セイバーは聖杯が目的だって言った。
 けど、それはとっくに手に入れてる筈だ。
 セイバーは聖杯と引き換えに英雄になったんだから」
「―――いいえシロウ。私はまだ聖杯を手にしてはいないのです。
 アルトリア―――アーサー王の望みは、生きているうちに聖杯を手に入れる事だった。
 私は死ぬ前に聖杯を手に入れなければならなかった。
 その為に、もし聖杯が手に入るのなら、死後は守護者になってもよい、と条件を飲んだのです」
「凛の言う通り、
 人間は英雄になる為に世界と契約をし、人間以上の力を授かり、
 その代償として死後の自分を売り渡します。
 ……ですが私は、英雄になる時に世界の後ろ盾を必要としなかった。
 幸いな事に、アーサー王は英雄になる為の支援を必要としなかったのです」
 ……英雄になる為の支援を必要としなかった。
 つまりセイバーは、セイバー自身の力で、人々から英雄と呼ばれる存在になったのか。
「……ふーん。けど貴方は英霊としてここにいる。
 アーサー王は英雄になった後で、世界に違う交換条件を求めたってコト?」

「自然、我々も霊体に戻る。
 そうなったサーヴァントは守護霊のようなものだ。レイラインで繋がっているマスター以外には観測されない。
 もっとも、会話程度は出来るから偵察ならば支障はないが」
「うわ、便利。それじゃあ本当に、他のマスターを捜し出すなんて難しいんだ」
「ああ。だが魔術師は魔術師を知覚できるのだろう? それと同じでサーヴァントもサーヴァントを感知できる。
 優れた魔術を知るサーヴァントならば、遠く離れたサーヴァントの位置さえ把握するだろう」
 ……アーチャーの言う通りではある。
 マスターっていうのは優れた魔術師がなるモノだ。
 強力な魔力を帯びた魔術師は、それだけ魔力感知しやすくはある。
 けどわたしの知る得る限り、そこまで強力な魔力を帯びたヤツはこの町には存在しない。
「ふうん……で、アンタはどうなの? 他のサーヴァントの位置、判る?」
「マスター、私のクラスは何か忘れたのか。遠く離れた敵の位置を探るなど、騎士あがりにできるものか」


サーヴァントの戦いは、つまるところ宝具の戦いだ。
必殺であるソレを出さずに追い詰める事こそ手を抜いている証拠。

だからこそ宝具は切り札なんだ。
正体を明かすかわりに、避けきれぬ必殺の一撃を炸裂させる。
だがそれが不発に終わった時――――そのサーヴァントは、自らの欠点をもさらけ出す事になる。

サーヴァントの戦いは、この宝具のぶつかり合いにあると言っても過言じゃないわ

お互いの宝具が剣であり、その能力が互角ならば、あとは剣技のみの勝負だ。

……つまり。ライダーと戦うのなら、宝具を使われる前に倒せってコトか

英霊にとって“視認できない攻撃”はそう脅威ではない。
彼らはその先を行くもの、“理解していても防げない攻撃”こそが、互いを仕留める極め手となるからだ。

私の宝具は強力故、地上で使うには適していない。使えばどうしても人目につく。まだ他にマスターがいる以上、おいそれと使う訳にはいかなかった。

「……ふん。おまえの主を気遣ったつもりはない。単に使う必要がないだけだ。おまえとて宝具は使えまい。先ほどまで間桐慎二がマスターだったおまえでは、宝具を使うだけの魔力が溜まっていないからな」
「そうですね。シンジという主では私に魔力を与えられなかった。その為、現在私の宝具は使えません」
「……そういう事だ。使わぬ相手に対して魔力を消費する事もない。次でおまえを斬り伏せ、あの娘を斬り伏せればそれで終わる」

「――――マスター。今の私は万全です。魔力提供がないとは言え、五体満足ならばおいそれと敗れることはありません。
……まあ、相手がイリヤスフィールの場合のみ撤退する事になるでしょう。バーサーカーの宝具が何であるか、それを見極めるまでこちらも宝具は使えませんから」

「ん……ちょっとね。あいつ、確かに強かった。あれだけの数の宝具を持ってるんだから、その力は一級品でしょ。
 けど、実質はどうなのかって。わたし、あいつとバーサーカーに、そう実力差はないと感じてたんだけど」

「いや、あいつ自身はセイバーやバーサーカーと同じか、きっとそれ以下だ。
 そもそも英霊の強さっていうのは召喚された土地での知名度によるんだろう。ならギルガメッシュなんて英雄、こっちじゃ知ってるヤツはそういないぞ」
「―――それはそうだけど、知名度による実力の変動だってそう大きいものじゃないわ。
 わたしにはどうも、あの金ピカは反則めいて見えたんだけど……」

「いや、だから反則だって。あいつの持ってた宝具はみんな本物だ。……いや、そうじゃなくて、きっと本物の元になった武器なんだ。
 ギルガメッシュは一番古い神話の英雄で、あらゆる贅沢をつくした王様だったんだろう。なら、各地の神話の元になった原典を所有していてもおかしくない」

「……そうか。ならバーサーカーが敵わないのも当然よね。英霊たちにはそれぞれ弱点がある。全ての宝具の原型を持つんなら、相手の弱点となる物を持ち出せばいいだけの話だもの」
最終更新:2018年12月26日 01:05