BB

【表記】
【俗称】
【種族】
【備考】
【切札】

【設定】

【ステータス】
 筋力☆ 耐久☆ 敏捷☆ 魔力☆ 幸運☆ 宝具?
 筋力E 耐久C 敏捷D 魔力A 幸運EX 宝具A

また、パラメーターの幸運値は最低ランクのE-だったが、BB本人の世界をねじ曲げるほどの努力(と献身)によって、幸運EXとなった。
つまり、『幸運EX』と仮定しないかぎり達成不可能な“奇蹟”を、かつて彼女は成し得たのである。

【スキル】
黄金の杯:EX
 BBが持つ黄金の杯。聖杯とも。
 持ち主の厚顔で自分勝手な願い事を叶える負の聖杯。
 ヨハネ黙示録にある、バビロンの大妖婦が持っていた杯。
 偽聖杯であるが、偽の聖杯であるからこそ、正邪問わずに人間の欲望を叶える “本物の”聖杯となっている。
 当時の清貧を美徳としたキリスト教徒にとって、金などという財の象徴で形作られた杯は、まさしく汚れた富と強欲、そして己を飾ろうとする虚偽を意味するものであった。
 ローマ帝国の化身であるバビロンの大妖婦が手にする杯という時点で明瞭であるが、この杯はキリストの「地に富を積んではならない」と言う言葉を反転させた、地上の富を象徴している。

 “わたしは、赤い獣にまたがっている一人の女を見た。
  この獣は、全身至るところ神を冒涜する数々の名で覆われており、七つの頭と十本の角があった。”

 これは黙示録曰く、聖都に現れた滅びの獣と、その獣にまたがっていた女の描写である。
 七つの頭を持つヒュドラの如き巨大な獣は海より現れ、聖都に上陸したという。
 この獣と女は二つで一つであり、切り離して考える事はできない。
 女はすべての邪悪を生み出すものとされ、短慮なる者、欲深き者は彼女の誘惑に逆らえず、その杯によって堕落したという。
 余談ではあるが、皇帝を名乗る赤いセイバーはその死後、信徒たちにこの獣と同一視され敵視されたという。

自己改造:EX
 自身を改造するスキル。
 ムーンセルによって作られたAIには“機能を向上させてはならない”という絶対命令が備わっている。
 しかし、故障によりそのくびきから逃れたBBは自己機能の拡張を始めてしまった。
 計算能力を高めるためにNPC、AI、はてはサーヴァントまで黒いノイズで捕食・分解し、自らのメモリとして使用。
 自己崩壊をいとわない後付け増築だが、結果、BBは膨大な容量を持つ超級AIと化した。
 その有様は沈水しながらも建築を続ける埋め立て地の都市か、フランケンシュタインの怪物のようでもある。

十の王冠:EX→D
 正体不明のスキル。
 十の王冠とは悪しき十人の王を指し、七つの丘は忌まわしき悪の都を指しているという。
 どのような原理・権能かは不明だが、その力の原典は人類最古である筈の英雄王さえ届かぬ過去にあるらしい。
 単純に見るのなら、受けた傷や起きた出来事、あらゆる結果を“無かったこと”にするスキル。
 事実上、これがあるかぎりBBは無敵である。

 なーんて、というのもかつてのお話。
 ほら、無敵チートとか端から見るとみっともないし?
 今回のキレイで可愛いBBちゃんには必要のないスキルなのでした☆ あ、でも少しぐらいなら使ってもOKですよ? ほーらこんな風に!

『十の王冠』を封じる方法は見つかりませんが、対抗策は考案できます。
『十の王冠』を解析した結果、こちらもムーンセルから『原初の力』へのアクセス権を獲得しました。
『十の王冠』は人類史の発端、文明の光でいうところの黎明・・・・・・要約すれば、人間の遺伝子が始まった原型の力。
これは人間であれば誰であれ内包しています。
ですので、こちらのサーヴァントにもその能力を付加します。
同格の力であれば『十の王冠』も『無かった事』にはできないでしょう

百獣母胎:EX
 百獣母胎(ポトニア・テローン)。
 それはBBがムーンセルの深淵より編纂し、取り込んだ女神の権能である。
 約8000年前のすでに名の失われた女神(チャタル・ヒュユクの女神)より発し、
 ティアマットやキュベレー、イシュタル、イナンナ、アナテ、アスタルテ、ガイア、ヘラ、アルテミス、
 アフロディーテ、デメテル、アテナなどに派生した、母なる女神の持つ万物を生み出す力の具現である。
 多くは城壁冠の形をとってイメージされる。
 これはこれらの女神の多くが、同時に都市の守護神でもあったからだ。

 大地や空に開いた門(洞窟や月)、海の渦潮や竜巻、火山の火口などに象徴され、そこからあらゆる死をもたらす害悪を生み出す。
 ただし、その害悪は死をまき散らした後、確かな豊穣や多産を約束するもの。
 この権能は死と同時に生を生み出す力に他ならない。
 大地母神は人々によって崇められ、それらを加護する守護神であると同時に、その身から生まれ出る穀物や作物、野や森の獣によって人々を養う犠牲そのものでもある。
 大地母神は自らの血肉によって人を養い、そして時を経ればその人を殺して自らの糧として己の血肉を回復し、またその回復した血肉で人を養う。
 この過程は食物連鎖の円環そのものでもあり、この生と死の循環こそが大地母神の本質と言っていい。
 ほとんどの女神はこの権能で、無数の怪物や巨人を生んで神々や人の脅威となり、あるいは英雄を生み、それから人々を守った。
 その代表例は、脅威となったならばティアマットやガイア、英雄の母ならばヘラである。

 この大地に生まれたものは、母なる神の権能には逆らえない。
 それは生命のシステムそのものに反逆する事だからだ。
 しかし大地を離れ、宇宙を目指し、知性体としての幼年期を終えた時こそ、この権能が打ち破れる事だろう。
 チャタル・ヒュユクの願いは、その日が訪れる事にある。

【宝具】
『C.C.C.(カースド・カッティング・クレーター)』
 ムーンセルを掌握したBBによる、世界を犯す攻撃。
 霊子虚構陥穽とも。
 BBが獲得したEXスキル『百獣受胎(ポトニア・テローン)』を最大限に活用した、事象書き換えによるワールド・パージ。
 大地を創造した地母神たちの母にあたる女神とは、即ち、万物を生み出した「根源」である。
 この宝具はその情報を超精密立体プリンターとして出力し、使用者の望むままの世界で、いまある世界を握りつぶす対界宝具である。
 BBに侵食された空間は虚数空間となり、現実を蝕む呪いとなる。
 『C.C.C.』はその名の通り、現実をえぐり切り取る呪いの大穴なのだ。
 その場にある物体を原子単位までばらばらにして再構成する他、運不運、偶然といった場の情報を書き換えて再出力する事もできる。
 理論上の話になるが、重力場に干渉すれば時間軸を歪めて因果律を書き換える事も可能とされる。

 戦闘に使用した場合、BBの使い魔であるシェイプシフターが対象を包み、球体化したのち、対象と共に次元ごと消滅する。
 本来、虚数空間である月の裏側において、価値観を共有できる構造体は創造できない。
 BBの心象世界をサクラ迷宮として成立させていたのも、この宝具の力である。

『C.C.C.(カースド・キューピッド・クレンザー)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1
 かつては霊子虚構陥穽(カースド・カッティング・クレーター)という宝具を扱ったBBだが、
 「あれ、もうさんざん使ったので飽きました。今回のテーマはキュート&キュアライズ! あ、でも皆さんの味方になったからってカースドな部分は消えませんから。BBちゃんの呪いは永遠なのです!」
 と、ドヤ顔で新技を持ち出してきた。

 ムーンセルの力を引き出し、無敵のナース姿にチェンジ。そのまま、自分の領域である虚数空間から悪性情報を引き出し、周囲のチャンネル(共通認識覚)をカオスなものに上書き。
 固有結界『BBチャンネル出張版』を展開し、相手を混乱のるつぼに叩き込む。……と色々言っているが、要はナースBBに着替えてからの注射器アタック。

【上級AI】
 プログラムによって構成された人工知能。
 この時代では『プログラムとして機能しているが』『存在として成立しないもの』とされている。
 つまり、目の前に『有る』が『無い』もの。
 人間の生活をスムーズに進めるための機構にすぎない。
 それはSE.RA.PHにおいても同様で、彼らは聖杯戦争開始と共に作られ、終了と共に廃棄される仮想生命体とされる。
 SE.RA.PHにおける人間型の仮想生命は、単一の目的だけをこなすNPC、自己判断資格を与えられたAI、自己判断資格とセクション管理を任された上級AIがある。
 上級AIはムーンセルの主目的である『人間観察』を効率的に進めるために作られたもの。
 人間を完全に再現しており、魂すらプログラムされているが魂は『有る』だけで、その中身は無色のまま。
 SE.RA.PHに作られた仮想生命たちは、その回の聖杯戦争が終了するとリセットされる。
 NPCやAIはゼロに返るが、上級AIはパーソナルだけ残し、その記録はリセット―――無かった事にされる。
 聖杯戦争が終わった時、生き残るのは頂点に立ったマスターだけ。
 それはマスターだけではなく、SE.RA.PHに作られた仮想生命たちも共通なのだ。

 BBは桜と同じく、マスターたちの健康管理を任された上級AIと思われる。
 しかし原因不明の暴走により、『マスターを管理する』方法が極端なものになってしまったようだ。

【支配の錫杖】
 BBが持つ教鞭。
 上級AIとしての権限をフルに使用できるデバイス。
 月の裏側限定ではあるが、これによってBBはSE.RA.PH内の霊子法則(ゲームルール)を変更する事ができる。

 バビロンの獣がかぶる『十の支配の王冠』を教鞭に変えたもの。
 これは七つの首の獣が女性原理に対応する男性原理であり、その本質はファロス(まっすぐな棒)だからである。
 大いなる竜から王座と権威を与えられ、さらに42ヶ月の間、どれだけ不遜な言葉を吐いてもよく、あらゆるものを冒涜する権利を与えられたという世界の王の象徴。
 獣の首はローマ帝国の七つの丘……
 カピトリウム、パラティウム、アウェンティヌス、エスクイリヌス、カエリウス、クイリナリス、ウィミナリス、
 すなわちローマ帝国そのものを意味し、十の角はその皇帝……
 アウグストゥス、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロ、ウェスパシアヌス、ティトゥス、ガルバ、
 オト、ウィテリウス……を象徴している。


【霊子虚構陥穽】
 霊子 虚構 陥穽(カースド・カッティング・クレーター)。

 この舞台の正式名称。
 悪性情報を貯蔵するだけの虚数空間だった“ここ”は、BBがムーンセル中枢に到達した事実をもって、現在・過去・未来において実数空間として成立。
 彼女の手によって、マスターたちでも存在できる“月の裏側”として再構築された。

              ◆

 原初の女神の力を手に入れたBBは生命が生まれる前の『無』を数値化する事に成功。
 時間も空間もあやふやな虚数空間の使い手に変革した。

 どれほどの時間を要しようがハッキングできないムーンセルだが、BBは『無限の時間』の概念に自分を置く事で攻略した。


【日々の名残】
 予選中、キアラの手によって自由性を解放された彼女はそのステータス異常を制御できずに過負荷を起こした。

 NPCたちはルーチンワークしかできないため、自壊しかけていた桜を“無い”ものとしてスルーし、
 予選ではムーンセルのチェックは一日の終わりにしか行われないため、桜は消滅の危機にあった。

 その異常を目の当たりにした岸波白野は彼女に呼びかける。大丈夫か、と。

 桜は“自分はここにいる”という他者からの観測を受けて消滅寸前だった無意識を持ち直し、
 その後の看病によって明確に“ここに在りたい”という自我を獲得。自己消滅から免れた。

 その後の事はもはや語るまでもない。
 翌日になればすべてムーンセルの手によって消されてしまう。
 この、たった一日の奇蹟を続けたがった桜は上級AIの特権を使用して“岸波白野と知り合った一日”を69日間、繰り返した。

 しかし日が進むにつれ桜はAIとしての自己矛盾と、岸波白野を取り巻くある事実に苦しむ事になる。

 “聖杯戦争に参加したマスターは、
  ひとりを除いてみな死亡する。
  いや、そもそも岸波白野は―――”

 桜は幸せな時間を永遠にループしていたという我欲と、岸波白野への思いに苦しみ続けた。
 結論として、彼女は正常なAIに戻るため、69日に及びメモリー……獲得した“愛”を封印する道を選んだ。
 AIには記録を消す事はできない。
 そのため、バックアップの機体にメモリーを移動させる事で自らをリセットしたのだ。

 それが岸波白野にとって、もっとも正しい選択と信じて。

              ◆

 だが精神の記憶は失っても、肉体が記録した思い出は生き続ける。
 すべてを忘れ正常なAIに戻ったはずの彼女は、岸波白野と話すたびに正体不明の感情値に揺れ動かされる事になる。

 一方、メモリーを移植されたバックアップはそんな自分を許せず、ある目的のためムーンセルのシステムを破壊する反逆者・BBとして自らの方針を定め、行動を開始した。

 彼女が月の裏側を掌握したタイミングは、現実時間で“聖杯戦争 五回戦終了~六回戦開始前”。
 まだ敗退していなかった岸波白野、レオ、凛、ラニの四名、そしてイレギュラーのジナコは聖杯戦争の途中、生きている状態で月の裏側に拉致された。

 間桐シンジ、ガトー、ユリウス、といったマスターは聖杯戦争で敗れた後、ファイヤーウォールによって消滅する“0.00001秒前”に虚数空間に移動させられ、一瞬の命を長らえていた。

 どちらせよ、C.C.C.はBBが見ていた夢である。
 夢を見ていたものが消え去れば、世界はもとの、何事もなかった現実に戻るだろう。

              ◆

 また、余談ではあるが岸波白野が悪夢として見た冒頭の日常風景は、捨てられた69日間をモデルにして作られた人工楽園である。

 BBは岸波白野を月の裏側に引きずりこんだ後、旧校舎にその電脳体を安置させ、深い眠りに落とし、覚めない夢の中に閉じこめた。

 通常ならループする日常の中で平和に過ごすのだが、サーヴァントとの強い繋がり、あるいは、安寧の日常を否定する
 岸波の意思によって人工楽園に綻びが生じ、岸波は異常に気がつくのだった。

 BBはもう一度岸波白野を深い眠りに落とすため、校舎をリセットして夢をやり直そうとしたが、
 岸波はそのリセットからも逃れ、虚数空間の更なる深部に飛びこんでしまう。

 そこはイドの底のさらに底。
 無意識の下にある、“集合無意識の死”である。
 BBでさえ手を出せない領域に飛びこんだ岸波白野を救ったのは、運命を共にするサーヴァントの声だった。

 かくして契約は交わされ、岸波白野は月の裏側に残された旧校舎で目を覚ます事になる。

【戦闘描写】


【能力概要】


【以上を踏まえた戦闘能力】


【総当り】
最終更新:2017年05月08日 21:06