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糞スレ創作

1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/28(木) 00:58:52 ID:fLI3+Mcg
うんこー

2 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/28(木) 01:05:40 ID:hKSXURhC
ニートのお食事中にこんなスレを開かせるとは何事か

3 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/28(木) 03:16:27 ID:VlBPq7yZ
いかに一発のウケのみ狙って綺麗に落ちていくスレをつくるかという創作ですね、わかります

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/28(木) 18:30:49 ID:h3NZBA0L
それぼくのうんこだよう

5 名前:ラフィーナ ◆MTbY0dgxIw :2008/08/28(木) 19:56:47 ID:rKLC+k62 ?2BP(560)
僕のうんこ取らないでm9

6 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 17:45:54 ID:rshXR6IP
【お知らせ】♭♯♪ 第九回モエリーナ祭 〜歌〜 ♪♯♭【告知】

♪開催期間 2008/10/12(sun)00:00 - 2008/10/21(tue)23:59

♪企画趣旨 テーマに関連した男女カプ作品をみんなで楽しむ

♪募集要項 今回のテーマは「歌」
 テーマの扱い方やとらえ方などは全て描き手さんの自由です
 その他基本的なルールは開催地である投下スレのルールに従ってください。
 投下は男女カプ作品(女体化・夢・捏造女主は除く)に限ります。
 テーマと上記禁止事項にふれない作品であればお一人様何点でも投下できます、
 作品形式の制限は一切ありません、絵・文・漫画などご自由にどうぞ。
 投下にはアップローダもご活用ください。

♪参加方法 祭の開催期間中にスレにテーマに沿った作品を投下してください
 スレルールを守っていればURL張り付けや直接張り付けなど投下方法は問いません
 今回のトリップは「#歌」となります、名前欄の最後に#歌と記入してください
 トリップの#は半角ですのでお間違えの無いように。

♪モエリーナ祭開催地 小ネタ・SS投下スレ@男女板
 http://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/danzyo/1118422048/l50
 携帯版
 http://same.u.la/test/r.so/yy10.kakiko.com/danzyo/1118422048/l10

♪ 関連URL
 男女同人板@アップローダー 祭のバナーもこちら
 http://www9.uploader.jp/home/danzyoup/
 (テキスト、画像、音楽、動画などのアップが可能)
 男女同人お絵描き掲示板
 http://heavenbody.s40.xrea.com/cgi-bin/bbsnote/
 投下スレにリクエストするスレ 祭へのリクやお題投下はこちら
 http://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/danzyo/1138455242/

7 名前:テスト:2008/09/10(水) 01:54:38 ID:0htI+lkU
  へノ
\(●)/

8 名前:電脳プリオン:2008/09/21(日) 20:33:24 ID:w1m1UeZf ?2BP(1960)
VIPでやれ

9 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 20:10:26 ID:PHtGxErc
t

10 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 21:46:37 ID:aew568wO


11 名前: ◆U4jQgFN8e. :2008/09/27(土) 02:15:04 ID:Ml7bDvmt
 僕は元来、トイレでくつろぐことが出来ない人間である。

 こんな僕とは逆に、トイレこそが落ち着く場所であるという人間はたくさんいるようだ。
 新聞を読んだり雑誌を読んだり沈思黙考したりするには最高の場所である、とはよく聞く。

 信じられない。

 僕にとってトイレというのはただ単に汚いだけの場所である。
 用を済ませたならば一刻も早く出なければならない。それだけだ。

 僕は引越しが好きで、マンションを転々としているのだが、常にバス・トイレ別の物件にしか住まない。
 僕は無類のトイレ嫌いであると共に、無類の風呂好きでもある。風呂に入っているとき、
カーテンを隔てたすぐ傍に便器があるなどということは、僕には耐えられないのだ。

12 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 1  ◆U4jQgFN8e. :2008/09/27(土) 02:16:50 ID:Ml7bDvmt
つづく。

タイトル入れ損ねた。

13 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 2 ◆U4jQgFN8e. :2008/09/27(土) 14:44:12 ID:Ml7bDvmt
 ところで僕には付き合っている女性がいる。
 二十代前半のOLだ。
 彼女はペンションのような外観の、やや古びたアパートに住んでいる。
 学生時代から住み慣れた場所らしく、しばらくそこから動く気はないそうだ。
 幸い勤め先もさほど遠くはない。

 しかし彼女にとって「幸い」でも、僕にとっては「幸い」ではない。
 そのようなアパートのトイレが風呂と別々になっているはずはなく、彼女の家で入浴した際には、
間近に便器があることを意識しながら過ごさなければならない。
 僕にとっては吐き気がするほどたまらないことだった。


---------------------------
つづく

14 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 3 ◆U4jQgFN8e. :2008/09/28(日) 02:43:16 ID:Yq0sYtRc
 それならば無理に入浴しなくてもよいではないか、とも考えた。
 しかし僕としては、セックスの前後に入浴をしないのはさらにつらい。
 吐き気をこらえたまま体を洗ったほうがましだ。

 ただ、この両者を頭のなかで天秤にかけてみても、ほとんど状態は拮抗していた。
 入浴したほうがぎりぎりまし、という程度だった。

 もちろん彼女がどこか別の場所へ引越しすれば、すぐに問題は解決する。
 しかし彼女にはアパートを離れる気がまったくないのだ。
 というわけで仕方なく、僕の足は少しずつ彼女の家から遠のいていった。

15 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 4 ◆U4jQgFN8e. :2008/09/28(日) 23:46:43 ID:Yq0sYtRc
 そう、別に彼女の部屋を使わなければならないという決まりがあるわけではない。
 というわけで、二人で会うときはなるべく理由をつけて、僕の部屋かラブホテルを使うことにした。
 しばらくはそれでうまくいっていた。しかしそれも終わりを告げることになる。

16 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 5 ◆U4jQgFN8e. :2008/09/29(月) 18:57:02 ID:SEs20cp7
 あるとき、僕の部屋でパソコンをいじっていた彼女があっと声をあげた。
 どうしたのかと思いディスプレイの前まで駆けつけると、彼女が観ていたのはひとつの動画だった。
 僕と彼女のセックスを映したものである。
 収納スペースに隠したデジタルカメラで撮ったのだ。

 迂闊だった。
 僕はそれを編集するために、デスクトップに放置したままにしておいたのだ。
 編集作業も佳境に差し掛かろうかというとき、確かなんらかの用事が入り、
いつもは念入りに奥深くのフォルダに退避させるものを、すっかり忘れたままにしていたのだ。

17 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 6 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/01(水) 01:12:48 ID:qoLIOsI6
 彼女は隣にやってきた僕の顔も見ずに、頬をぴくぴくと引きつらせていた。
「これはどういうこと」
 彼女が言った。
 しどろもどろになりながら何らかの説明をしたのを、僕は憶えている。
 細部はまったく記憶にないが、要約すると「君のことが大好きだから、
ついついこんなことをしてしまったんだ」というような内容だったと思う。
 それは嘘ではなかった。しかし彼女はその説明では許してくれなかった。

18 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 03:24:03 ID:iKsrnp4N
意外と続くんだなこの話
最初はただ糞とかいいたいだけの1レス短編かと思ってた
意外といいじゃん

19 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 7 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/01(水) 18:46:23 ID:qoLIOsI6
 動画ファイルの名前に「017」という番号が振られていたことが、ますます彼女の怒りを煽った。
 十七本も撮っていたのか、と問い詰める彼女に、僕はただ「うん」としか言えなかった。
 通し番号を表す以外のどんな数字であるというのだろう。
 とは言え、何か他の理由を咄嗟にでっち上げることができればよかったなとは思う。
 先頭の0という数字はなんだ、百本以上も撮るつもりだったのか、と問い詰める彼女に、ここぞとばかりに僕は大声をあげた。
「なわけないだろ」
 これも本音だった。
 ただ、いつもの習慣で桁数を多く取っただけなのだ。
 しかしやはり彼女の怒りがおさまることはなかった。

20 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 8 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/02(木) 00:28:56 ID:/WBC62ce
 言い争いは続いた。
 なぜ二人の愛の営みを記録することがいけないのか、素晴らしいことではないか、という意見をぶつけたが、
カメラを隠していたということはやましいからではないのか、と返され、そのとおりだと思って黙り込んでしまった。

 僕は負けた。

 今までに撮ったすべてのファイルを削除すると僕が約束したことで、二人の喧嘩は一応の収束を迎えた。

21 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 9 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/02(木) 18:14:58 ID:/WBC62ce
 これ以来、彼女が僕の家に来ることはなくなった。

 しかし、会う回数自体は増えた。僕の家以外の場所で。
 彼女が僕のしたことを受け入れ、許し、関係を前以上のものにしようと努力していることが、
僕にもありありとわかった。
 僕も相応の努力を持って彼女に応えようとした。

 彼女の懸命な態度の心打たれた僕は、前以上に彼女を愛するようになったのだ。

22 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 18:25:51 ID:lyio+uel
おや別れなかったのか
これは意外な展開

23 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 10 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/04(土) 02:57:55 ID:daNpUZ3J
 しかし、僕にとって厄介な問題が新たに持ち上がってきた。
 彼女は僕の部屋のみならず、ラブホテルへ行くことも拒むようになったのだ。
 一体なぜなのか僕がいくら訊ねてもなかなか答えてはくれなかったが、あるときあまり関係
のない話題――芸能人が誰かとラブホテルへ入ったというスクープ記事に関してのものだっ
たと思う――に触れた際、その理由らしきものををぽろりと漏らした。

24 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 11 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/04(土) 02:59:46 ID:daNpUZ3J
 彼女は例の動画ファイル事件のあと、ネットで盗撮やハメ撮りなどに関することを調べた。
 そこで、どうやらラブホテルに隠しカメラが設置されていることが時々あり、何も知らないカッ
プルのセックスが撮られているらしい……という噂を目にしたというのだ。

25 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 12 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/06(月) 21:56:45 ID:rS6Bwnf1
 そんなことあるわけないよ、バレたらどれだけラブホテル側の損害になると思うんだ、
損害どころじゃない、営業停止だぜ、ああいうところでも商売なんてものは信頼が第一な
んだから、と僕が言うと、彼女は顔を伏せ、しばらくしてから顔を上げたかと思うと、両
目に涙をため、あなたこそ私の信頼を裏切ったわよねと言って、それきり何も言わなかっ
た。
 僕はかける言葉を失った。彼女の心はまだ癒えていなかったのだ。
 僕はそれ以上彼女の目を見ることが出来なかった。ためた涙をこらえたのか、拭き取っ
たのか、僕は知らない。まるまる一分も下を向いていた僕が目を上げたとき、彼女はすで
に元気を取り戻しているように見えた。

26 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 13 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/08(水) 04:37:54 ID:HJNU783+
 彼女とのセックスは、常に彼女の部屋ですることになった。
 セックスの前後にはもちろんシャワーを浴びた。
 便器はいつもそばにあった。カーテンを隔てて。
 僕は耐えた。
 何度同じ状況を味わっても、一向に慣れることなどなかった。
 常に苦痛だった。
 シャワーカーテンの向こうに、便器がある。そう思うと、いてもたってもいられない気分になった。

27 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 14 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/09(木) 22:51:41 ID:V5DhDsVi
 カーテンが僕の苦痛を緩和したとは思えない。時には、隠されているがゆえに、より向
こう側が気になってしまうものなのだ。
 なにか禍々しいオーラが、カーテンを隔てて絶えず放たれているのを僕は感じる。
 それに耐え切れなくなって、カーテンを勢いよく開ける。
 はっきりと確認すれば逆に不快は消え去るのではないか、と期待するのだが、いざ目の
前に便器が出現すると、先ほど以上の不快が体内に一気に込み上げ、すぐさまカーテンを
閉めてしまうのが常だった。
 端から見ると滑稽以外の何ものでもないだろうと思う。しかし僕にとっては死活問題だ
った。


28 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:31:41 ID:Kg2ewotQ
なんだこのスレは

29 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 01:18:45 ID:KKv9e15X
>>27
いいじゃない

30 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 18:23:12 ID:XKDX6xOp
とってもよろしくてよ

31 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 18:27:22 ID:yAv5ZzLX
自由にやったらいいんだよ
いつも読んでるから

32 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 15 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/13(月) 01:09:54 ID:UA1uyEHA
 僕と彼女は決して一緒に入浴することはなかった。なんらかの取り決めがあったわけで
はない。なんとなく最初からそうだっただけだ。しかしここへ来て、彼女が僕と一緒に風
呂に入りたいと言い出した。
 僕は迷った。もしかしたら、とんでもない醜態を晒すことになるかもしれない。しかし
逆に、彼女の裸体に注意を向け、その感触を味わうことによって、その間だけでもあの苦
痛を軽減できるかもしれない。
 果たして本当にそうなるか、僕にはわからなかった。しかしどちらにせよ断ることなど
できない。僕はかつて彼女を深く傷つけたのだ。再び失望させるわけにはいかない。
 僕は快諾した。少なくとも表面上は。

33 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 16 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/14(火) 19:19:14 ID:6O75kGaN
 湯を張った狭い浴槽のなかで、僕が彼女を背後から抱え込むようにして、なんとか座り
込んだ。二人とも脚を折り曲げ、窮屈ながらも体を浴槽にうずめた。
 他愛ない世間話を彼女がし始めた途端、僕はカーテン越しの便器が気になりだした。
 僕は彼女の体を優しく抱きしめ、その感覚に集中した。そして彼女の言葉に耳をそばだ
てた。他のことはなにも考えないようにした。

34 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 17 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/16(木) 00:52:13 ID:xW7lH/Rl
 しかしあの禍々しいオーラは容赦なく僕にぶつかってきた。考えまい考えまいと思うほ
ど、それは僕の細胞に侵入しようとしてくるようだった。しかし今までの経験上、結局我
慢してその状況にとどまるしかないわけであって、僕は引き続き彼女の感触と話に意識を
集中した。


35 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 18 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/16(木) 21:35:45 ID:xW7lH/Rl
 そして入浴は終わった。一瞬一瞬がとても鮮明だった。きわめて日常的な行為ではある
が、初めて彼女と共に行ったため、そして便器が傍にあるために、僕の精神は最後まで鋭
敏さを保っていた。

 彼女には何も気づかれていないようだった。思えば僕の弱さをさらけ出したところで、
何が悪いわけでもない。しかし僕はどうしても隠そうとするのをやめられなかった。

36 名前:コズミック・ギズモ 〜糞編〜 19 ◆U4jQgFN8e. :2008/10/17(金) 18:24:28 ID:M939WlOn
 ベッドに二人は横になり、そしてセックスが始まった。佳境に達したとき、突如として
吐き気が襲ってきた。僕は彼女の腹の上に嘔吐した。何度も何度も腹と胸を痙攣させなが
ら、ああ、これで今度こそ二人の関係も終わってしまったのだな、と思った。

37 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 19:58:20 ID:VMFscIoP
コメントよろしくおねがいします
http://nyon3.web.fc2.com/index.html

にょんはうんこ5 もよろしく!
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gamef/1210886972/




38 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 06:22:51 ID:kTvBigL1
寂しいだろ
上げてやるよ

39 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:29:43 ID:DkebLmrh
番外編いきます

40 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:30:37 ID:DkebLmrh


両腕を鉄の鎖に繋がれた男達が丘の上を歩き続ける、鋼の鎧に身を纏った兵士達と共に。
汗を浴びて浮き出た錆の臭いが鼻につく、振り払うように腕で汗を拭うと体に鉄の臭いが染み付いた、
やがて撒き上がる砂埃の中、一団が平原を見下ろす丘の上へと辿り着く、見下ろせば積み上げられた屍の山が見える。
死なねばここから逃げられない、死んでもここから出られない、俺達は生きながらに地獄へと堕とされたのだ。

思えば収容所で死んでいった者達は幸運だった、少なくとも自らを刃で斬り裂かれることはない、
そしてその日から、生きる為に生きる俺の闘いが始まった……



【剣奴】



丘の断崖を背にして作られた砦へと到着する、壁には無数の穴が穿ち、
それを見れば、この砦が最前線に位置する重要拠点であることが窺えた。
門前へと一人の騎兵が駆け出し、傍らの門兵へと声をかける。

「補充兵だ、少将はおられるか」

「現在少将は狩猟へいかれて留守です……後ろの連中は死体ですか? 」

「似たような物だな、死体でも槍を避ける盾にはなるさ」

「違ぇねぇ……開門! 」

一人の兵士が声を張り上げると城壁にいた兵士が滑車を回しとゆっくりと門を引き上げてゆく
補充兵達が砦の中へと一歩踏み出すと辺りからは澱んだ臭気が漂ってきた、正面には正規軍隊の兵舎が立ち並び
脇には傭兵達の張った簡易テントが立ち並ぶ……しかし剣奴達に用意されていたのはただの穴倉だった

「明朝から作戦行動を開始する、まず基本的な装備の説明、
それからこの砦に残っている他の剣奴達と合流し、作戦についての概要を伝える」

「それまでによく体を休めておけ!立てぬ者は『莚』役だ、分かったか!! 」

穴倉へと押し込まれた男達の中から嗚咽にも似た力無い返答が聞こえる、兵士の一人は舌打ちをくれ一瞥すると
歩哨を残しその場を立ち去っていった、入り口に程近い場所にいた俺に歩哨の一人が話しかけてくる。

「よぉ、アンタ等どこから来たんだ? 」

「海を…渡ってきた」

「海?と言うと本土からか、俺も大陸出身なんだよ、何か変わった……」

歩哨の一人が嬉しそうに頬を綻ばせると、もう一方が注意を促す。

「おい、その辺で止めとけ!どうせ明日には死んじまうんだ」

話しかけてきた歩哨は俺の顔を窺うと、罰が悪そうに背をそむけ、それからは二度と話しかけてくることは無かった。
沈み込むように壁に背をもたれると、周囲からは咳払いの声と衣擦れの音だけが聞こえてくる、
俺はゆっくりと目を閉じ、二度と目が覚めぬようにと神に願う、この悪夢を終わらせる為に……


41 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:31:18 ID:DkebLmrh

明朝、剣奴達は砦の脇にある訓練場へと連れられていた、並ぶ鉄の鎧の前に一人の兵士が現れると、
一枚の布を手にし、周囲にも見えるように振り上げると装備についての講義を始める。

「諸君らにはこれを各自に着てもらい、鉄装歩兵として最前線で戦ってもらう、
見ての通り、この鉄鎧は非常に強固な作りとなっている反面、重量の負荷が大きい」

兵士の中からまだ若い小柄な鉄装騎兵が歩みだしてくると、剣奴達から冷やかしの声が飛んだ。

「そこのお前、この兵と腕相撲で勝負してみろ……」

笑っていた大柄の男がその声を聞き、その場で立ち上がると、薄ら笑いを浮かべながら壇上で兵士と手を組んだ。
互いに呼吸を合わせ、開始と共に男が力を込めるが、兵士は顔色一つ変えることなく男の腕を捩じ込んでいき
ついには勝利すると、剣奴の中からどよめきの声が上がった。

ドゥッ……

「うがッ! ぐぅぅッ! 」

「このように……内部に張り巡らされた銅柱に封入された気体は、激しい瞬発力と靭性を生み筋力を補助する、
お前等の中には腕っ節に自信のあるものもいるのだろうが、そんなものはこの発明の前では何の意味も持たない」

続けて兵士はナイフを取り出し銅柱を接続するラインに突き立てると、小さな爆発が起こる。

「しかし、有益なだけではない、このように気体を各関節に送り込む線を断たれると、
瞬時に気体が空気と接触し、数秒後には爆発を起こす」

「じ、冗談じゃない、爆弾を背負って戦えって言うのかよ!! 」

剣奴の一人が兵士に意見をすると、兵士は壇上から降り男の顔を激しく殴りつける。

「その通りだ……しかし、反抗の意志など見せるだけ無駄だ、数時間後に封入された気体が底を尽けば
お前らは戦場のド真ん中で歩くことすらも出来ぬ鉄屑となるだろう!! 」

剣奴達は悲壮な表情を浮かべる、覚悟していたとはいえ戦い抜ければ生き残ることが出来る
淡い希望ですらも打ち砕かれたのだから。

「生きたければ常に勝利する事だ! 解散!! 」



一人の兵士が兵舎から現れる、騎士身分である為か、鎧には細かい装飾と紋章が刻み込まれ
兵卒とは違う清廉さを感じさせた、遠くから呼びかける男に気づくと青年は呼ばれた方向へと目を向ける。

「ヨハン、今日は早いな、もう出撃か? 」

「あぁ、早い内から出ないと日が暮れる前に森を抜けることが出来ないからな
そっちの方はどうだ?正面から取り戻せそうか? 」

「いや、こっちの方は厳しいな、敵は高所に見張り台を立てている
下手をすれば矢が降り注ぐ坂を馬で上る羽目になる、まともにやりあえば被害は大きいだろう」

「僕がアルメンテの森を抜けるまでの辛抱さ、では、いって来るよ」

ヨハンは片腕を振るいにこやかに微笑むと羽織ったマントを翻し戦場へと赴いた


42 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:32:05 ID:DkebLmrh

門の前では剣奴達が鎧を着込み、重い足取りで兵車である『棺桶』の中へと押し込まれていく、
後ろには正規の傭兵達が乗り込み剣奴たちの行動を見張っている中、
銅柱を装着しながら、一人の剣奴が誰ともなく喋りだす。

「みんな聞いてくれ、俺の名はフェルダー、以前の戦闘で生き残り、合流した剣奴だ」

傭兵の一人がフェルダーに近付こうとすると、もう一方の正規兵が腕を出しそれを止めた。

「先程、お偉方から聞いた通り、これから俺達はアルメンテの森へと向かう
おそらく敵は森の中に潜伏しているだろう、近付くまでが正念場だ……」

剣奴達が顔を見合わせ、やがて皆がフェルダーの話を聞き入るように耳を傾ける。

「まず盾を持っている奴は前の奴に渡せ、『棺桶』が開いたら集中攻撃を受ける『莚』はその場で前進、
身を低くして俺達も後に続く、その後は遮蔽物を捜してそこまで移動しろ、
遮蔽物が周囲に見当たらないときは低い所に身を隠すんだ」

一人の男がフェルダーを睨みつけ食って掛かる。

「そいつは良い考えだな、だがそれで上手くいくって保障はあんのかよ?」

フェルダーは肩をすくめると、男の質問に答える。

「悪いが……俺はお前等と心中する気はない、勝たなきゃ全員道連れだ、
俺達全員がだ、だからこそ皆で協力する必要がある」

兵車の中が静まり返り盾を持った兵士達が前の兵士へと盾を手渡し、
後列の兵士の一人が身を屈めると、皆もそれに応じるように身を屈める。
直後激しい振動と共に手綱を繰っていた兵士が後方へと怒鳴りながら目的地への到着を知らせた。

「目的地に到着した、切り離すぞ!! 」

直後に馬が兵車を切り離し反転すると、兵車は惰性で走行し、ゆっくりと『棺桶』の蓋が開いた。


43 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:32:51 ID:DkebLmrh

【アルメンテ掃討作戦】



平原の前に鬱蒼と生い茂る森の前へ五つの兵車が到達し、その内の一つの扉が開く。
剣奴達が飛び出したその時、空気を裂く様な音が森から放たれると、先頭に立っていた『莚』に飛来した槍が突き刺さった


「……!? 」
直撃を受けた男の体が激しい衝撃と共に四散し兵車の半分を粉々に吹き飛ばすと、
投げ出された剣奴達が朦朧とする意識の中で次々と飛来する槍の餌食となる、周囲には血が飛び散り。
平原の緑が血の赤で塗り潰されていく。


「先頭は早く進め、狙い撃ちにされるぞッ!! 」

消えてゆく兵車を横目で見ながら、フェルダーの号令と共に剣奴達が一斉に進みだすと、盾を構えた前列が駆け足で前進していく、
森からは無数の槍と鉛の榴弾が放たれ、兵車から出遅れていた後続の一人に砲弾の破片が命中すると、
フェルダーが抱え上げ、周辺の溝の中へと身を隠した。

「予想以上に飛び道具の数が多い……」

「で、大将さんよ、これからどうすんだ!?
俺達には時間がねぇ……このまま睨めっこしてる訳にもいかねぇぞ」

先程の男がフェルダーに話しかけると、負傷した男の抱えていた筒を取り出した。

「各員、射出槍を構えろ、だが、まだ撃つな」

フェルダーは比較的背の高い葦が生えている左側に展開していた俺に話しかける。

「君の名前は? 」

「名前は無い」

「……みんなも聞いてくれ、俺がこれから号令をかけたら、俺から向かって左にいる奴は射出槍を放て、
敵は怯んで射手の動きが止まる筈だ、その後、槍を持たない奴は葦の生えている左に走れ
そして残った右側の射手は迎撃に向かいだす連中を狙撃して援護しろ」

フェルダーを腕を振り上げると、敵の射撃の間隙を見計らい即座に号令をかける。

「撃てッ!!よし、走れ…死にたくなきゃあなッ!! 」


数本の槍が敵陣に放たれるとその内の一本が敵兵の体に深々と突き刺さる、
俺達は葦の中を駆けずり回り、飛んでくる槍の中を掻い潜り森の中へと進んでいった。

「うわぁぁぁッ! 」

「!? 」

敵陣から軽装歩兵が剣を手に持ち斬りかかってくる、しかし鉄甲を打ち破るほどの威力は無く、
肩に当たった剣は中ほどから二つに割れ、鉄装歩兵の返す反撃が男の体を捉えると真っ二つに両断する。


44 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:33:39 ID:DkebLmrh

「止まるな、走りながら戦えッ!! 」

フェルダーがそう言い切る間もなく、俺の目の前で敵と斬り合いになった剣奴の一人に槍が突き刺さり
その場で爆散すると、敵の軽装歩兵諸共に吹き飛ばされ絶命した。

「こいつは…酷いもんだ」

俺が思わずこぼしたその言葉に答えるように、隣を併走していたフェルダーが俺に話しかけてくる。

「負傷者を治療するほどの慈悲も無いのさ、運が良ければ爆発せずにゆっくり死ねる、
もっとも、止めを刺されなきゃの話だけどな」

森の中へと突入し木を陰にして近付いていくと、突如放たれた射出槍が木の幹を貫通し、
先行していた剣奴の装甲を貫くと腹部に突き刺さった。


「ガァッ! 糞ッ……!! 」

遠くから茂みの中を兵士が走る音が聞こえてくる、俺とフェルダーは顔を見合わせ、
フェルダーが右手を上げた、それに応じるかのように俺は左手を上げると、散開しながら敵兵の横へと走り抜ける。

「フッ!! 」

「う、うわぁッ!! 」


敵に存在を悟られることなく、不意を突くように敵を打ち倒すと負傷した剣奴の元へと走りよる。

「すまねぇ、大将……ドジッちまった」

「……腹を少し抉ってるだけだ運が良かったな、しばらくここで休んでいろ、
下手に動くと暴発する、えーと、名前は? 」

「シュタインだ、ハハッ……アンタ変わってるよ」

「何、借りはいずれ返してもらうさ」

森の中へ剣奴達が流れ込んでゆくとたちまち形勢は逆転した、横に広く展開していた部隊が
突然現れた横からの敵に翻弄され射手は射線を絞ることが出来ず、残りの兵車から飛び出してきた剣奴達も
次々と森の中へと雪崩れ込み、敵兵を血祭りに上げていく。

俺は周辺を警戒しながら、先ほど斬り倒した敵兵から兜を取り外す、まだ幼い少年は目を見開きながら
虚空を見つめるように事切れていた、俺はゆっくりと手で目を閉じさせると、
傍らに立つフェルダーは、遠く聞こえてくる喧騒に耳を傾けていた。


45 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:34:28 ID:DkebLmrh

戦いが終わり、後続の部隊が到着すると俺達は丘の上に立つ騎士達を見上げる、
同僚の剣奴の中から舌打ちが聞こえ、フェルダーが続く言葉を遮るようにその場で手を振る。
他の剣奴達は略奪品を傭兵達に取り上げられ、何やら揉めている、その姿を見ていたシュタインが口元を釣り上げ薄く笑った。

「馬鹿な連中だ、あんなもん持ってたって俺達にゃ何の意味もないってのに」

目の前で傭兵に食って掛かる剣奴が、振り向き様に首を刎ねられる。
フェルダーは目を背け俺の方を向くと、思い直したように話しかけてきた。

「君の名前は無いんだったかな?だが、呼ぶ時に不便だな……」

「カルロだ…カルロ・ロッシ、それが俺の名前だ」

燻し噛む俺を尻目に、フェルダーはにこやかに微笑んだ

丘の上の騎兵の中でヨハンが陣頭指揮を執っている、傭兵と剣奴達の争いを横目で見ながら、
傍らの兵士達に吐き捨てるように言い放つ。

「兵力が疲弊してるとはいえ、あんな野蛮人共の手を借りねばならんとはな、
しかし、本隊の到着を待つ前に大勢が喫するとは……一体何があった?」

「はい、指揮を執り行っていた兵の報告によりますと、
あちらで座っている剣奴達が側面へ回りこむように戦線に穴を開けたそうで、
しかし、ここに展開していた守備隊の規模は小さい物でしたから、そう難しいことではなかったかと」

「このまま森を抜け敵陣の側面を移動しつつ後方へと向かう、
その後、後方から送られてくる敵補給部隊を急襲するぞ、物資の運搬を終え次第、連中を先行させろ」

俺達は再び兵車の中へと押し込められる、以前と比べて兵車内が随分と広く感じた、
何人が死に、何人残ったのかなど覚えてはいない、顔を見上げるとフェルダーが寝息を立てて眠り込んでいる。
俺は兵車の木の隙間から見える、流れる外の景色をただぼんやりと眺め続けていた。


46 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:35:12 ID:DkebLmrh

頬にひんやりとした鉄の感覚が伝わってくる、眠りから覚め目を開けるとフェルダーがスープを手に取り、
俺の頬へと押し付けていた、俺はその場で首を回すとフェルダーの差し出した食事を受け取る。
水のように薄いスープに、豆が申し訳程度に浮かんでいる、俺は皿に口を付けそのまま流し込むように飲み干した。

「もう少し味わって食えよカルロ……シュタイン、傷の具合はどうだ?
布を貰ってきたぞ、こいつで傷口を押さえとけ」

「悪いな、大将……おい坊主、後ろの方を押さえといてくれ」

「だから俺の名前はルロワだって……」

一人の少年がその場で立ち上がると、シュタインの後ろから傷口を押さえた。
風が吹けば倒れるような細身の少年と、体格の良いシュタインの対比は傍から見ても滑稽である。

「はいはい……んじゃ宜しく頼むぜ、ルロワちゃん」

「!?」

ドスッ!

「痛ッ!何しやがるテメェ!!」

シュタインの言葉を聞くな否やルロワは怒りを露わにし激昂すると、シュタインの傷口を蹴り上げ身構える、
間に割り込むようにフェルダーが場を収めると、シュタインの傷を代わりに押さえた。

「チッ!ヒス野郎が……何考えてやがんだ?」

「まぁまぁ、君も落ち着け、こんな所で血を流しても何の得にもならないぞ」

「そういえば大将、俺達は今どこに向かってるんだ、砦とは逆の方向を走ってるぞ、
兵士の言う話じゃ、敵陣を突き抜けて走ってるそうだが?」

「おそらく敵陣を迂回して後方へ回り、補給路を断った後
砦の戦力と合わせるように、挟撃を仕掛け雪崩れ込むつもりだろうな」

俺は皿を床の上に置くとフェルダーに目を向け素朴な疑問を投げかける。

「随分と詳しいな…フェルダー」

「……実際の所はよく分からないよ、ともかく補給部隊を待ち伏せして襲うなら
今度はこちらが受け手に回る番だ、先手を討てる分、昨日の戦闘よりは楽に終わるさ」


47 名前:10/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2008/10/18(土) 20:35:30 ID:+6LXbosP
ほほう、がんばるねー支援

48 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:36:16 ID:DkebLmrh

【補給部隊急襲】



数時間後、目的地に到着した俺達は道に掘った塹壕の斜面に寝そべる様に並んでいた、確かに楽な仕事だが、
長時間、道の中央で敵部隊の到着を待ち続けているのも神経を食うものだ。

「俺ァ、何だか眠くなってきたぜ、カルロ、敵の姿は見えるか?」

「いや、まだ味方からの合図はない……」

「これなら昨日の戦闘の方がまだ楽だったな、敵が来たら起こしてくれ
俺は少し横になって休む……」

シュタインが溝の中で仰向けになるとそのまま眠り始める、それを見たルロワが
呆れた表情で言葉を漏らした。

「……呆れた奴」

「はっはっは、頼もしいもんじゃないか」

フェルダーが笑いながら時折地面に耳をつけ、近付いてくる音に聞き入っている。
彼の行動には信頼できる物がある、しかし俺は奇妙な違和感のようなものを彼に感じ取っていた。
剣奴の生き残りとして今まで残ってこれたのも、その経験による物だろう、しかし……

「カルロ、水飲む?」

一人の少年が俺に向かって水袋を渡してくる、昨日の戦利品だろうか懐に色々と貯め込んでいるようだ。

「マルケス…だったか」

「そうだよ、昨日倒した連中が持ってたのを拾ってきたんだ、
干し肉もあるよ、他にも色々……」

「いや、俺はいい」

落ち着きのない様子を見せるマルケスを他所に、俺はひたすら敵の訪れを待ち続けた……
やがて日が暮れあたりには虫の声が鳴り響く、ふと気付くと俺の脚をフェルダー小突くように蹴り
目に指を当て道の向こう側を指差した、遥か遠くから炎が揺らめいて近付いてくるのが見える。

「どういうことだ、フェルダー…傭兵からの合図がないぞ?」

「一部の人員を残して傭兵連中はこの場所から前進したらしい、どうやら予想以上に隊列が長いようだ、
後方では騎士団が待機してるが当てにはならない、敵陣にでも逃げ込まれたら厄介だ
分かってるとは思うが俺達が最前列、傭兵連中は最後尾の馬車を襲う……」

「ん、敵か?」

「頭を上げるなよシュタイン、隊列が長いならば従軍している兵の数も多いだろう、油断はするな
ルロワ、狙えるか?」

射出槍を構えたルロワがフェルダーに向かいハンドシグナルでOKのサインを出すと、
引率していた正規兵の合図を待つ。

49 名前:10/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2008/10/18(土) 20:37:03 ID:+6LXbosP


50 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:37:02 ID:DkebLmrh

不意に炎が揺らめくと、輸送部隊の動きが止まり、その場で反転し始める、
それを見たフェルダーの表情に焦りの色が浮かぶ。

「くっ、動きが急すぎる、まだ前列は俺達の所まで届いてないってのに、
仕方がない、このまま突っ込むぞ」

最後尾で待機していた傭兵達が前列の動きを待たずして、攻撃を始めると
ようやく正規兵が合図を出した、フェルダーが口元に手をやり、頭を低くして腕を振り上げる、
俺達は取り外していた銅柱を接続し稼動すると、静かに輸送隊へと近付いていく。

「何だ、一体どうした?」

「後続の馬車が襲われ……かッ!!」

ヒュゾッ!

報告を伝えに来た伝令にルロワの放った槍が食い込むと、
馬から投げ出されるようにその場から崩れ落ちる、ルロワは後方に待機していた、
マルケスの頭を小突くと催促を加えた。

「早く装填しろよ……ノロマッ!」

「て、手が震えて巧く入らないよ、あっ、敵が出てきたっ!?」

前列の馬車の荷台から兵士達が次々と降りて来るとルロワ達に向かって弓矢を放つ、
シュタインが装甲で鏃を弾きながら間に割って入ると、降りてきた敵兵士を次々と斬り伏せる。

「シュタイン!」

「フェルダーがお前等を援護しろってよ、ここから先は俺が一人で食い止める
お前等はそこで御飯事でもしてな……」

「くっ、早くしろマルケスッ!」

マルケスから装填された射出槍を受け取り、的を絞り発射すると
シュタインの脇をすり抜けるように戦線を離脱しようとしていた、敵兵の頭蓋を吹き飛ばした。

フェルダーと俺は併走しながら兵員輸送車を捜していた、一両の荷台の脇につくと、
突然の停車に状況を把握できていない敵兵が荷台から顔を出す、フェルダーが俺の顔を見て小さく頷くと、
車輪の手前に取り外した装甲板を敷き剣を滑り込ませ、梃子の原理で荷台を持ち上げていく。


51 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:37:49 ID:DkebLmrh

両者の力で荷台を横転させると、荷台から慌てて抜け出す敵兵を出会い頭に斬り伏せ
荷台の中へと進入する、一人の兵士に歩み寄ると、負傷した足を抱え後退りながら懇願するかのように命乞いをしている。
俺はそのまま敵の喉下に剣を突き立てると、横に振りながら首を刎ねた。

「こっちだ……敵がいたぞ!」

「!?」

荷台から出て来た所に敵の鉄装歩兵が現れる、フェルダーは片膝立ちに射出槍を構え、
飛び道具を持っている敵に向かい槍を放つ、命中した敵歩兵は、軽装の兵士を巻き込みながらその場で爆散する。


俺は不意をつくように敵の元へと走り抜け、敵鉄装歩兵と斬り合いになる、剣と剣が宙空で克ち合い火花を散らす、
こいつも俺と同じ剣奴なのだろうか?しかし俺の剣に迷いはない……例え他人を地獄の釜に突き堕としてでも。
斬戟の衝撃で敵がその場で倒れ込むと、上から覆い被さるように剣を突き立て、柄に接続された銅柱を捻る。

「あがぁぁッ!!」

突き立てた剣先が高速で発射され相手の装甲をベニヤのように貫く、俺が素早くその場から飛び退くと、
何かが漏れ出すような音が周囲に響き、見る間に敵兵は激しい爆発を起こし、衝撃で馬車を横転させた。
フェルダーが身を前に乗り出し、俺に停止するよう手を下げる。

「後は先行した他の剣奴と傭兵連中に任せよう、しかし大した腕だなカルロ、
傭兵でもそこまで動ける奴は滅多にいない……」

「慣れてるからな」

その言葉を聞いたフェルダーの体が揺れる、周囲は次第に静まり返り、待機していたシュタイン達も駆けつける、
俺達は形を変え徐々に広がっていく炎を遠巻きに見ながら、その場で立ち尽くしていた。
俺は今日も誰かに生贄を捧げ懇願する、せめて明日だけでも生きていられるようにと……


52 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:38:37 ID:DkebLmrh

俺達は掘っていた穴を元に戻し、本体の到着を待ち兵車の中で待機していた、マルケスは敵の補給物資を物色し、
他の剣奴達も賢くなったのか、金目の物には手をつけず、日持ちのいい食物や水を優先的に奪取する。
やがて袋をパンパンにして抱えたマルケスが、満足げな表情を浮かべ戻ってきた。

「沢山盗ってきたよ、みんなで食べよう」

ルロワが目を細めマルケスを睨みつけると、警告を促した。

「こういう時だけは調子良いな、お前は……
昨日も戦闘が終わるまで動かなかっただろ?あんな調子じゃ、こっちが足引っ張られるよ」

「マルケスは昨日、砲撃を脚に食らって負傷してたのさ、無理を言うもんじゃないよ」

肩を落とすマルケスを慰めるようにフェルダーが庇うと、マルケスは頬を赤く染めて、フェルダーの傍に腰を落とす。
ルロワは釈然としない様子で配られてきたパンに噛り付くと、水で喉奥まで流し込んだ。
シュタインが干し肉を奥歯で噛み千切りながら、フェルダーに向かい話しかける。

「いよいよ、明日は敵陣へ突入って訳か、俺らはどうやって動けばいいんだ、
今日みたいに、一日中地面に転がってるのは御免だぜ?」

「ん……そうだな、今度は敵の中継拠点を攻め落とす訳だから、恐らく昨日と同じように、槍や砲弾で敵は反撃してくるだろう。
だが、攻撃を一方向へと絞らせず、挟撃を仕掛ける手筈なら、恐らく俺達は斥候として……」

俺はフェルダーの続く言葉を遮るように、話の間に割ってはいる。

「つまり、俺達は敵の攻撃を引き付ける囮役か?」

「そうだな、そう考えていいだろう、無理に前へ進む必要はない、もう一方の部隊が攻撃を開始するまで
敵に射線を絞らせないように動き回りながら、何とか膠着状態へと持ち込むんだ」

シュタインが溜め息を付きつつその場で横になる、勝利して待遇が改善される訳ではない、
今日を生き延びたとしても、俺達はただの消耗品に過ぎないのだから。

各々が頭をもたげ、マルケスはフェルダーの傍に寄り添うように静かに眠っている。
今日一日を戦い、皆は僅かばかりの安息の時を手に入れ、俺は水袋に入った水を呷るように一口だけ口に含んだ。


53 名前:10/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2008/10/18(土) 20:39:33 ID:+6LXbosP


54 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:39:58 ID:DkebLmrh

轍を踏み走る馬車の音、木々のざわめく音と共に俺は目覚める、
顔を上げると、皆は各々準備に取り掛かかり、フェルダーとマルケスは装備の点検をしているようだ。
使えなくなった装甲板から銅柱を取り外し、石を細かく磨り潰した砂と水を入れると釘で孔を塞ぐ。

「あぁ、起こしちゃったかな、余った銅管を使って、手投げ弾を作ってた所なんだ」

「そんな材料が良く手に入ったな」

マルケスが袋一杯の小石を取り出して俺に見せてくる、どうやら先日の略奪品の一部のようだが、
その石がどんな物であるのかはよく分からない。

「臙脂石だよ、こうやって水に触れると蒸発しちゃうんだ、
この石をこうやって密封した容器に入れて水を注いで釘で蓋をする、中で充満したら
釘を抜いてこうやって投げる……」

マルケスが実演しながら投げた銅柱が、窓枠から車外に放り出されると、
小さな爆発音が聞こえた、恐らく鉄鎧の駆動方式もこの石の応用技術なのだろう。
フェルダーが作業を続けながら思いがけないことを口にする。

「石の量と水の配合比率で爆発の力は制御できるからな、鉄装歩兵相手には効かないが、
軽装歩兵を倒すくらいの威力はある、それに……この石があれば、あの鎧の稼働時間を引き延ばすことも可能だ」

「そいつぁいい、これで脱走の手筈が整ったって訳だ」

シュタインがマルケスの私物を漁りながら小声で冗談交じりに答える、彼としてはこのまま剣奴として朽ちる気はないという事か、
俺が黙々と作業を続けるフェルダーに目を向けると、否定することもなく口を吊り上げて笑い、俺もそれに答えるように笑った。
仮に脱出したとしても、戦時の最中、追手も深追いしては来ないだろう。

「ん、マルケス……なんだこりゃ、ヘッドドレスか?どこのお嬢様の私物漁ってきたんだ」

シュタインが笑いながら女物のフリルのついたヘッドドレスを取り出すと、
未だに眠り扱けているルロワを見て、にやりと笑みを浮かべ、寝入っている隙に取り付け始める。

「見ろよマルケス、結構似合ってるぜ、ハハッ!」

「あはは、本当だ」

「こうやって澄ましてる時は綺麗なんだけどなこいつは…てゆうかよ、干し肉切れちまったのか?」

ルロワの体がピクリと揺れると見る間に顔が紅潮していく、シュタインは目当ての物を探しながら荷物を漁り続ける。
不意に前との敷居戸が開くと、前方の兵士から現場到着を伝える声が聞こえてきた。

「間もなく到着だ!戦闘態勢に入れ!!」


55 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:41:39 ID:DkebLmrh

【アルメンテ奪還作戦】



馬から切り離された兵車が坂を緩やかに下っていく、『棺桶』の蓋が開き俺達は側面から兵車を飛び降りると、
その場で左右の方向へと散開した。友軍の旗を立てていた俺達の偽装を見破った敵陣から弓と槍が降り注ぐ。
右手へと展開したシュタインに向かい槍が放たれると、俺は射線を塞ぐように盾を斜めに構え、槍の軌道を逸らす。

「シュタイン、反撃を頼む…弓は後回しにして槍と砲台を狙え」

「了解……こ、これで良いのか」


シュタインの放った射出槍が見当違いの方向へと飛んでいく、俺がシュタインの方に顔を向けると、
入れ替わりに盾を持たせた。

「俺ァ、こういうの苦手なんだよ……」

「何、誰でも一つくらいは不得手はあるさ」

俺は筒に槍を装填し軽く捻る、射出槍を構えた軽装歩兵に照準を合わせ引き金を引くと
槍の先端が見張り台の上に立つ敵の胸元を捉え、敵はバランスを崩しながらそのまま地面へと落下した。

「カルロ、シュタイン!敵の砲台が動き始めたぞ、気を付けろ!!」

フェルダーの警告の後、後方に展開していた剣奴達に一発の砲弾が浴びせられる、
直撃を受けた盾役はその場で潰され爆発すると、周辺に立っていた剣奴が誘爆し粉々に砕け散った。


「まず、あの砲台を何とかしないことには埒があかない、ルロワいけそうか?」

「無理言うなよフェルダー、この槍じゃ……砲座は壊せない」

後方に待機していたマルケスが射出槍を銅管の付いたものに取り替えると、ルロワにその槍を手渡す、
ルロワは受け取った槍を肩につけ照準を合わせ、即座に砲台に向かい引き金を引くと、
飛来した槍が砲座へと飛び込み、銅管が爆発した。

「一発じゃ無理だ、マルケス急げッ!!」

こちら側の行動を察知した、もう一台の砲台がフェルダーのいる場所へと砲撃を加えると、
三人のいた場所の脇に被弾し、フェルダー達が吹き飛ばされる。


56 名前:10/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2008/10/18(土) 20:42:54 ID:+6LXbosP


57 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:43:46 ID:DkebLmrh

「フェルダーッ!…シュタイン、援護に向かってくれ!」

「何?盾はどうすんだ?」

「俺は必要ない、こっちで何とかする」

「だ、だがよ……」

シュタインの肩を叩くと、俺はそのまま両手に剣を持ち、坂を駆け下り始める。

「死ぬんじゃねぇぞ、カルロ!」

後方から呼びかけるシュタインの言葉を聞きながら、俺は身を低くして敵陣内へと飛び込んだ、
丸太と板を組んだ柵の隙間から槍の攻撃がつぶさに飛んでくると俺は身を翻し剣先を隙間へと向け剣先を射出する。


剣先が隙間から狙っていた歩兵を捉えると半身を切断し、俺は崩れ落ちた兵車の後ろへと一旦身を隠す、
しかし、この程度の強度では砲弾の攻撃は防げないだろう、敵が射角を変え砲塔をこちらに向けた瞬間。
後方からルロワの放った槍が砲座を捉えた。

喜ぶのも束の間、敵が次々と柵を乗り越え攻撃を開始する、直接数で押した方が有利と踏んだのだろうか。
次々と斬りかかってくる軽装歩兵を斬り伏せてゆく中、鉄装歩兵の姿を探し、
脇に下げていた銅管の釘を抜き敵集団に目眩まし代わりに投げ込む。

「フンッ……」

「!?」

炸裂する爆風と粉塵の中、鉄装歩兵が斬りかかってくる、敵の放つ剣を受ける手が痺れる、
やはり軽装歩兵とは違い一筋縄ではいかない、俺は一方の手で振り下ろされる剣を受け止め。
もう一方の剣先を敵の脚に向けて放つと、敵兵の鉄の具足を突き抜け、脚が弾けるように吹き飛んだ。

「悪いな……」

翻す剣で敵の首を切り落とすと、シュタインとフェルダーが戦線に加わる、
飛び道具を構えた軽装歩兵はルロワの狙撃により討たれ、次第に敵の反撃の勢いも弱まり壊走を始める。


58 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:44:37 ID:DkebLmrh

坂の上方で待機していた騎士団から、馬上のヨハンが歩み出ると、目の前で繰り広げられる信じ難い光景に目を見張った。

「これは一体……どういうことなんだ?」

たかが罪人、たかが剣奴が、柵を張る百数十人を超える軍勢に退く事もなく戦い、尚且つ圧し始めている。
自軍が勝つのは喜ぶべき事だが、ヨハンはその剣奴達の姿に恐怖と畏怖の念を抱いた。
本来、この作戦は敵が剣奴を打ち倒した後の虚を突き、挟撃を開始する手筈だったが、
この状態では兵を動かすことも出来ない、やがて敵軍が後退を始めると、剣奴達も柵の中へと踏み込み膠着状態となった。

戦地では、焦りを見せるフェルダーが射出槍を構えながら、俺達にその場で待機するように指示を出す。

「どうも様子がおかしい、挟撃するんじゃないのか?」

「予想が外れることもあるわな、それより大将、これからどうすんだ?
もう、稼働時間ギリギリだぜ、動ける内にここから撤退しちまおう」

フェルダーが膝を突き射出槍を落とすと、装甲の間から血が溢れ出してくる、それを見た俺は
彼の元へと駆け寄るとシュタインに指示を出す。

「この出血は拙い、シュタイン…ありったけの銅管を敵に向かって投げた後に坂を上るぞ
ここは他の連中に任せよう」

「大将には以前の借りもあるしな、よし行くぞ!」

投げた銅管が炸裂し、俺とシュタインは両側からフェルダーを抱えながら撤退した、
どこをどう逃げたのかはよく覚えてはいない、次々と敵陣営から飛んでくる弓矢を掻い潜り。
ルロワ達の待つ後方へと辿り着くと、急激な疲労と痛みにより意識を失い、奈落の底へ転がり落ちるように俺は眠りについた。


59 名前:10/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2008/10/18(土) 20:45:48 ID:+6LXbosP


60 名前:10/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2008/10/18(土) 20:47:42 ID:+6LXbosP
  

61 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:48:20 ID:Gdwd8BJM

再び目を覚ました時には俺は薄暗い地下室の中にいた、
周囲を見渡すと腕に布を巻いたルロワがこちらに気付いたのか、俺の方へと近付き水を手渡す。

「ルロワ、その傷はどうした?フェルダーは無事か?」

「俺は腕だけさ……フェルダーも飛んできた破片が関節に刺さっただけで
ちゃんと摘出できたよ、いまマルケスが着きっきりで様子を看てる、それより自分のなりを視てみな」

手渡された水を受け取り、体を見渡すと俺の脚には簡単な添え木を当てられ、首や腕には布が巻かれている。
体を動かすと軋むような音を立て、体中に鈍い痛みが走った。

「やれやれ……」

「今さっき兵隊に呼ばれてシュタインが出てった所だよ、最初の兵車が五十人、
昨日の時点で十七人、んで、今動けるのが俺達も含めて九人だ」

「随分と減ったな、だが砦との道は開いたんだろう?」

「あぁ、補充人員を当てて再編成するんだってさ、全部で百十九人、俺達は兵車一つで六人」

ルロワがそう言いつつ親指で後方を指すと、見慣れない一人の男が床の上で胡坐をかき座り込んでいる、
どうやら座ったまま眠っているようだ。

その夜、俺達は再び兵車へと乗せられ次の戦地へと赴く、
平和の安らぎは眠りの中に、しかし眠りは瞬く間に終わり、目覚めれば其処にはまた新しい戦場が待っている。
いつになったら終わるのか、飽くことなく続く戦火の中に身を委ね、俺はただ今を眠り続けた。




62 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:50:38 ID:Gdwd8BJM
以上(L−3)より(N−4)地点への侵攻作戦でした。

63 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:52:03 ID:C2RvC9PE
>>39
一体何の番外編なの?

64 名前:10/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2008/10/18(土) 20:52:42 ID:+6LXbosP
投下乙
意外と長編だったな

もうこのスレで思う存分創作しちゃえ

65 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:53:03 ID:Gdwd8BJM
これの
ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1223547316/88

66 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:55:37 ID:C2RvC9PE
ふーん
あまりよくわからんが乙

67 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:57:36 ID:+ok+1Cen
まぁ、いちいちこの調子で書いてたら大長編になるわな

68 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 15:04:30 ID:1n49JG9c


【ヴィジランテ旅団:パルミナ湾】


海の上を風がなびき、夕日に照らされた海が眼前には広がっている
最初の内は物珍しかった光景も今では慣れ切ってしまったけれど、彼女に限ってはそうでもないらしい。
私は彼女との距離を詰めると気配を察知したのか、ちらりとこちらに目を向け私の姿を確認したのち
再び眼前の海へと目を移した、こういう性格は猫によく似ていると思う。

「セリミアの具合はどう?」

「残念ながらこの国の外科技術では完治は難しいようです、
もう戦場に立つことは叶わぬかと……」

「彼女には申し訳ないことをした」

「皆、覚悟の上でここに来ています」

大陸よりきた旅団というのは表向きの話、島に潜入し武装蜂起を促し内乱を誘発させる、
それが私たちに与えられた任務。作戦の可否はさしたる意味も持たず、
ヒルデが先陣を切り戦う意図が、私にはいまだに掴めないままでいた。

「聖職者が人殺しの手伝いをする必要はないでしょ?
ヨハンナ、今ならまだ……」

「教会から放り出された私に、行き場などありませんわ」

リューゲル家の息女が、このような辺鄙な島に流されてきたのにも訳があると聞いた、
”爵位を持った人物の求愛を拒否した”たったそれだけのことで男は彼女を死地へと追いやったのだ。

「ヒルデ、もっと自重なさって下さいな
昨日の様なことがありませぬよう」

「赤い鉄装歩兵、いや胴の鎧かな?」

「おおよそ金で雇われた傭兵でしょう、
類稀な結束力と戦列保持で名高い傭兵集団、赤銅の盾……」

「こちらも兵の数を揃えないと対抗は難しいね
ヨハンナ、この街の有力者にもう一度話をしてみよう」

彼女は大きく伸びをすると腰を上げ、私に微笑みかける。

ヒルデ……貴女は貴女の思っている以上に罪作りなお人です。
貴女のその微笑で語りかけられては私は従属以外の意思を失ってしまう。
私は聖職者としてばかりでもなく人としての道をも違えてしまった。

願わくばこの身が地獄へ落ちようとも、貴女のお傍にいられることを今は神に祈るばかりです。


69 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 15:05:12 ID:1n49JG9c


【傭兵団 赤銅の盾:ベアトリス城 南西の砦】


不愉快な雑音で目覚めると、兵舎の外から響いてくる子供達と1人の阿呆の声が聞こえてくる。
軽く身支度を整え帯剣すると、ボウフラのわいた手桶の水で顔を洗い外へと歩き出す。
強烈な日差しで照り返す森の緑に目が眩む……時間は昼頃だろうか。

「そしてこの俺、アデニオンが港に到着してきた頃には
敵に囲まれていた我らが赤銅の盾は大ピンチに陥ったのだ!」

「……」

外では昨日の戦果を誇らしげに語る阿呆の周りを、子供達が取り囲んでいる。
とはいえ、こいつの話は大概お決まりのパターンで締め括る訳だが。

「ついに敵の大将が現れると俺達仲間を逃がす為、
ユリウス団長が殿を買ってでたッ!」

「やった! ユリウス団長だ!!」

団長の登場を聞いた途端、待ってましたとばかりに子供たちの表情が輝く、
何故だかその表情を見ると俺自身も嬉しくなってくる、子供達にとっても、阿呆にとっても。
無論、この俺にとってもユリウス団長は今を生きる”英雄”だからだ。

「次々と並み居る敵を薙ぎ倒すと、
敵の大将に向かい必殺の一撃を放つ……」

「”狂犬殲滅”!!」

「そう! 必殺の一撃を受けた、敵はあえなく壊走
腰を抜かして逃げていったぞ!!」

「あはははは!」


まぁ、この辺は脚色のつもりなんだろうが、この阿呆の場合本気でそう思ってそうだから困る。
被害状況を報告する為に、団長の宿舎へと向かう途中、小奇麗な礼装に身を包んだ参謀のバティアトゥスと顔を合わせた。
学の無い俺達傭兵団が文字の読み書きが出来るようになったのもこの男のおかげだ、
しかし、俺にはどうもこの優男が気に食わない。

70 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 15:05:44 ID:1n49JG9c

「これはお早いお目覚めだな」

「嫌味のつもりか? 団長はどこに?」

「訓練場の方へいかれたようなので今から向かう所だ
あぁそれと、この間の報告書、間違った文字が多かったので直しておいたぞ」

「そりゃ、お手数おかけしましたね」

差し出された本を無言で受け取る、読めということらしい。
団長の考えにより教養を身につけることが団員の勤めということになっている。
『学問を学び、常に向上せよ』とは優男の弁だ。

訓練場では兵の者達が立ち木に向かい、それぞれの型で剣を打ち込んでいる、
装甲に身を包んだ団長の元へと歩み寄ると、こちらに気付いた団長は兜のつばをあげた。

「よぉ、バティアにトリか?」

「団長、報告書上がりました」

「ご苦労さん、トリフォンもだいぶ板についてきたな」

「礼節には事欠きますがね」

一言多い奴の足を無言で踏むと、お返しとばかりに肘で俺の腹を突き返してくる、
やはりこの優男とは気が合わない。

「私の方からは口頭でご報告します、
環境に慣れないせいか宿舎内で病に伏せる子供の数が多いようです」

「薬か……金は足りそうか?」

「資金の幾分かを切り崩して薬品の購入に当てています、
やはり、ここは教育に当てる分を削ぐべきかと……」

「駄目だ、ベアトリスの軍師に話を通して、雇用を延長してもらえるよう伝えてくれ」

困窮により子を捨てる農民、商品にならず打ち捨てられた奴隷、生まれながらに親を持たぬ浮浪児達。
なかにはどうしようもない者も居るが、みな団長を慕い集って来た者達ばかりだ。
赤銅に輝く胴の鎧をその身に纏い、その者達を守る盾となる。

「団長――」

「ん、なんだトリフォン?」

お偉方の騎士連中は笑うかもしれないが、俺にとってはそれがとても誇りに思えるんだ。

「後退中の殿は俺がやりますんで、あまり無茶はしないでくださいよ」

俺の言葉を聞くなり団長は豪快に笑うと、隣にいた優男もつられるように笑いだした。


71 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 15:06:19 ID:1n49JG9c


【ベアトリス城】


城下を一望できる展望で、私はただぼんやりと空を飛ぶ鷹の動きを目で追っていた。
きっとあの鳥にも帰る巣があり、待っている子供たちがいるのだろう。
不意に強い風に煽られ金色の髪が風にはためく。

父と母が亡くなり6年の歳月が流れ、私はその王女としてその王位を引き継いだ。
それはおおよそ形ばかりに近いものであり、私は半ば幽閉される形でこの城での日々を安穏と過ごしていた。
しかし歳を経るごとに周りからの視線が変わってきたのがわかる。

無能な君主であれば、この城で実権を握る軍師リュゲルの反感を買うことも無いだろう、
私はただ城下で燃え上がる、戦災の炎や巻き起こる殺戮の噴煙を眺めることしか出来ないのだから。

「ベアトリス様、こちらにおられましたか」

「ドルバトゥール……帰ってたの?」

「はい、アルメンテの街は落ち、海戦能力を失ったパルミナも
すぐに陥落するものと思われます」

「国庫の半分を費やした和平交渉も無駄に終わったみたいね……
この島の全てを掌握して、次は大陸に攻め込むの?」

私のその問いかけに彼は困惑の表情を浮かべる、1対1で話すのならば道化を演じる必要もない、
彼は周囲に人がいないことを確かめると重い口を開いた。

「リュゲルの考えではそうなるでしょう、
貴女が王位についた際、叛意を翻した各地の領主達を掌握すれば
いずれは国の外へと目が向くことになります……」

「そして大陸統一が叶えば功罪の全てを私1人に押し付けて、私の首を刎ねる
それとも島が統一されてから、始末するのかしら?」

「そのようなことは……」

「私を馬鹿な女だとは思わないで、もう16だもの……それくらいの予測は出来るわ」

私が目を見つめると彼は目を背け視線を床に落とした、彼は嘘をつくと私の目を直視できない。
だからこそ私は彼を信頼できるのかもしれない、最もそれすら不確かなものであるのだけども。


72 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 15:06:51 ID:1n49JG9c

「えぇ、そうなる可能性は否定できないでしょう、
しかしそうなる前に、私が先んじて奴の首を落とすまでです」

「家臣の多くは奴に懐柔されてるわ、
他に裏で手を引いてるものもいるかもしれない……それに」

「他にも何か……?」

「奴は貴方が戦死するのを待ち望んでいるわ、心の底から」

彼の黒い甲冑に触れると、ひんやりとした感触が手の平を伝わってくる。
私の心中を察したのか彼は微笑みながら私の手を取り握り締めた。

「貴女の許可なく死ぬことは御座いません、御心配なく」

彼はそういうと展望の部屋の外へと歩みを向ける。
私は高鳴る胸を押さえ込むように彼の後姿へと声をかけた。

「ドルバトゥール、貴方を信じていいのね?」

「騎士は二君に仕えぬもの、そして私が仕えるのは
ベアトリス様……ただ御一人です」

鉄の具足が石床に触れ、次第に遠ざかっていくのが聞こえる。
1人になった私は展望から景色に目を移すと、先ほどの鷹がまだ青い空の上を周回しているのが目に留まった。

「貴方も……きっと独りぼっちなのね」


73 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 20:09:31 ID:t8chIg0/
age

74 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 23:01:19 ID:1qTN+oa8
5分で考えた中世騎士道風物語

国内異変編

王国がおかしい・・

そう思った主人公が国内調査

やがて国内の権力者の中にシャド-と呼ばれる化け物にすり変わっている者がいる事が判明

シャドーは誰だ、、、

75 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 03:48:34 ID:pG3u7Ood
おおやってるか
頑張れ
たまにだけど読むぞよ

76 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 17:59:08 ID:oMKnTBFG
内部告発により明るみに出たシャドーの存在

かくして、王国にシャドーブームが到来

シャドーグッズが山のように売れ、「オレ人間〜、お前シャドー」といったギャグが一世を風靡し、

「シャドー」が流行語大賞に輝き、今年の一文字が「影」になるなど、

世の中はシャドー一色に染まった

王国内部に潜伏していたシャドーもこのブームに便乗し、正体を暴露

その勇気をたたえられ、国民の人気ものに

かくして、国王の権威は失墜し、ここにシャドー共和国が成立する

大陸歴567年のことである

77 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:00:13 ID:JEvqk5ts


【ヴィジランテ旅団:パルミナ領主の館】


貿易都市パルミナを統括する領主ヒエロニムスの邸宅に私達一行が辿りついた頃、
慌しく伝令の者達が早馬を駆け、半ば狂乱状態という有様だった。
私が小さく咳払いをし喉の調子を整えると、側近と思われる男性に声をかける。

「お忙しい中、申し訳ありません、私旅団の……」

「今はそれどころじゃないんだ、後にしてくれ!!」

男が私の肩を撥ねつけるように腕で押すと、よろけながら尻餅をつく寸前
私の体をヒルデが支えあげる。どうやらみな殺気立っていて話が出来る状況ではない様子だ。
男の態度に憤然とした表情で従者のキアラが不満を漏らす。

「何かしら、あの態度」

「生きるか死ぬかの瀬戸際なのよキアラ、殺気だっていても無理はないわ、
ともあれ困ったわね……これでは話もできない」

「すみません、もしや大陸からこられた旅団の方ですか?」

玄関口で困惑していると、後ろから帯剣した青年から声をかけられる。
栗色の髪に碧眼の瞳、私と顔が合うと若干当惑した表情を浮かべたが
剣に刻まれた紋章を見せると、男は自らの身分を明かした。

「私はここパルミナで、民団の兵士長を務めております、
レオニウスと申します、よければ時間を頂けますか?」

「旅団の団長ヒルデガルド、こちらは聖堂の派遣員ヨハンナ
それと従者のキアラです」

「こちらで立ち話でもなんですので、お部屋を一つお借りしましょう」

そういうなり彼は屋敷の部屋の1つを無造作に開け私達を招き入れると、
中央のテーブルに向かい合う形で会話を始める。

「宜しいんですか?」

「パルミナ領主は幼少の頃、同じ私塾で学んだ仲で
幼馴染のような物でして」

「……それで私たちにお話とは?」

「貴女方がパルミナ北西部でベアトリス軍を翻弄したことは
噂で聞き及んでおります、それに貴女方が敵傭兵団の後方を突くことがなければ
海戦能力だけに及ばず、この街自体が陥落していたことでしょう」

突然に青年の口から忌憚のない意見が飛び出し、私達は困惑の表情を浮かべる。
”助けがなければ負けていた”と民兵を纏める兵長が認めてしまうことは
これまでの対応にはなかったことだ。

78 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:00:43 ID:JEvqk5ts

「領主は領民を守るのが責務であるゆえに
我々は防衛が主な任務であり、他の町や村と連携が取れているわけでは有りません。
つまりベアトリスへの対抗軍として、これまでそれらしい進攻作戦を行ったことがないのです」

「では、これから?」

「はい、受け手に回っていては敵の進軍が一点に集中することになります、
そこで我々は兵力を二分、進攻と防衛を二手に分けることで敵の兵力も分断する作戦を計画しました」

「表立っての反抗作戦となっては
ベアトリス軍に察知される恐れがありますわね」

私の予測では私達の旅団を別働隊として侵攻作戦に駆りだし、敵の進攻速度を削ぐ作戦なのだろう。
仮にパルミナが敗れたとあっても、進攻した意図を我々旅団の名で隠すことができる。
しかし、それは言うなれば”捨て石”である。

「実は今回の件で、私は兵士長としての身分を解任されることになりました。
現在では兵力の増員の手筈を整え、詳しい数は申し上げられませんが防衛側の兵力は揃っています、
そこで残り500ほどの兵を貴女方の編成に加えていただきたい」

「そのお言葉は有難いことですが、連携もままならぬようでは……」

「もちろん、その兵を率いるのは私です、
ヒエロニムスはゴネましたが、その為に解任の許可を貰いました」

その言葉にヒルデの表情に動揺が見える、彼女もこれが”捨て石”としての
侵攻作戦であることは見抜いていただろう、そこに加えこの男が参加したいと言い出したのだから
動揺するのも無理はない。男が椅子から立ち上がると団長に向かい頭を下げる。

「身勝手な発言とは重々承知の上でお願い致します、
それでも信用が得られないのならば、我々を戦列の前衛に配置されても結構です」

「……何故、そこまで?」

「このままではこのパルミナが落ちるのは必定、
そうなればヒエロニムスは――私は、友を守りたい」

彼らの間で何があったかは知ることはできないが、まず受けることは出来ない話である、
今まで我々旅団が上げてきた戦功は、最大戦力で最小戦力に当たる戦法。
真正面からぶつかることは、烏合の衆である我々旅団には自殺行為に等しい。

「わかりました、お引き受け致します」

「……!? ヒルデッ!!」

理解しがたい作戦を許諾するヒルデに私は思わず声を荒げる、ヒルデは手を上げ私の声を遮ると
頭を下げたレオニウスの肩に手を当て、顔を上げるように促し、あの笑顔で微笑みかける。
この私の怒りは無謀な作戦を承諾したヒルデに対しての物なのだろうか……

それとも。


79 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:01:15 ID:JEvqk5ts


【パルミナ山越作戦】


今現在、私達はパルミナ領の東西を分断する山岳地帯を東へと向かい、登りつめている。
馬車内では、レオニウスとヒルデがせわしなく軍議を交わしながら、話し込んでいる。
私は地図を広げ、到達地点であるパルミナ坑道の裏手の位置(F-3)を座標で確認した。

「先行した斥候からの報告はどう、レオニウス?」

「はい、山頂には見張りの兵力は居ないようです、
多少足を取られますが、この進路を選択したのは正解だったようですね」

「このまま山道を渡り裏をつけば、敵の坑山を制圧することが出来る
しかし問題は防衛に展開されている兵力ね」

旅団の兵力は1300ではあるが、負傷した兵力を除くと実戦に参加できるのは1000程度。
絶望的とはいえないまでも楽観できる数字ではない、大してベアトリス軍の兵力は
現時点の総数は傭兵も含め8000前後には膨れ上がっているだろう。

「北東のアルメンテ、北西のパルミナ、南西のガセルダ、
すでにアルメンテに展開していた兵力は、引き返し始めていることでしょう」

「最低でも2000以上の兵力が拠点防衛についていることは確実ですわね」

「いいえ、アルメンテから北方の砦(L-3)に兵力をまとめ、未だ落ちていないガセルダへと兵力を向ける筈、
パルミナへの侵攻も陸路より海路を優先する筈よ」

「最良とも言えないまでも、現時点で考えられられる方法で
最も堅実な作戦ですわ」

作戦を立案したのは私ではあるが、無謀な作戦であることに変わりはない、
しかし旅団の勝利の為、ここは彼の覚悟を十二分に利用させてもらうことにしよう。
敵の後方に戦列を展開すると、前衛にレオニウスの鉄装歩兵が歩み出る。

眼下では労働者達が鉱物の採掘作業に没頭し、防衛についた兵達は背を向けて展開している。
敵の数は予想を反し、800前後といった所、ヒルデの勘が的中した形となった。
私は脇に用意させた別働隊のフランチェスカに手信号で合図を上げると、
ヒルデの号令と共に一斉攻撃が開始された。


80 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:01:49 ID:JEvqk5ts

「全軍前進! 上空から鉄の雨を降らせろッ!!」

前もって用意した次々と放たれる弓矢の雨に次々と敵が倒れていく、
私はたちまち屍の山と血の海を築くと、私は戦域を見渡しながら鉄装歩兵の姿を探す。

「前列の友軍に矢は通らないッ! 矢を放つ手を休めるな!」

継続して頭上から振り続ける友軍の矢の雨を掻い潜りながらも、レオニウスの軍は
次々と敵兵を打ち倒していく、敵の鉄装歩兵が姿を現すと私の指揮する散兵隊は
弓矢から射出槍へと兵装を取り替え一斉射撃にて制圧射撃を開始した。
鉄の装甲をを撃ち抜かれ、密集していた敵兵は次々と爆散してゆく。

「神の御加護があらんことを……」

戦場で散っていく魂に形ばかりの祈りを捧げると、砦に向かい撤退してゆく敗残兵を追う
レオニウスの兵士達の姿が目に入る。

「ヒルデ、もういいわ! 兵を引かせて、追撃は無用よ!!」

「わかった……集合の合図を鳴らせ!!」

私は馬の背に飛び乗り、付近を哨戒しながら集合地点へと向かう、
到着した頃には他の者達は既に到達しており、なにやら揉めている。
どうやら、追走を止めたヒルデにレオニウスの兵達が反発しているようだ。

「レオニウス隊長、何故追走を行わないのですか!? 
これでは敵の反撃を許すことになります!」

「落ち着け、ヒルデガルド様にも訳があっての事だ……」

「ヨハンナ、言われた通り物資の収奪を行ってるわ、これからどうするの?」

「物資の搬入が済み次第パルミナへと輸送を行ってください、
身軽な者は負傷者を運びこの戦域から撤退、レオニウス隊は周囲の残党を掃討しつつ
施設の内側に部隊を展開し、ベアトリス軍の反撃に備えて頂きます」

私の言葉を聞くや否や兵卒が私の目を睨みつける。
レオニウスの顔を見つめながら、私は抑揚を込めぬ声で語りかける。

「”前列に配置しても構わない”そうでしたわよね?」

「はい、その通りです……」

この坑道から砦までの距離約60ゴード、早馬で駆けても3時間はかかる距離、
敵軍が兵を集め反撃に転じ、ここに辿り着くまでには日が暮れるだろう、全てはそれからだ。
私は馬上から空を見上げ、傾いた日の光を眺めながらその場を後にした。


81 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:01:56 ID:oMKnTBFG
他に住人もいるスレなんだからさ、
一方的な長文乱れうちは、どっか他でやってくれないかな

82 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:02:19 ID:JEvqk5ts


【ヨハンナの罠】


残存していた敵の掃討が終わり、既に日も落ち辺りは闇と静寂に包まれる、
所々に掲げられたかがり火を頼りに、私はお供の兵士を引き連れ前線部隊の元へと向かう。
鉄装歩兵達が茂みの中に潜み、周囲には馬防柵が張り巡らされていた。
私の姿を見つけた隊長のレオニウスが歩み寄り、兜のつばを上げる。

「ヨハンナ様、何か問題でも?」

「えぇ、今すぐこの馬防柵を撤去してください、作戦遂行の邪魔になります
それと、兵達には敵の姿を見つけ次第に撤退するよう、通達を忘れないように……」

「し、しかし、騎兵を静止しないことには、陣地内への進入を許してしまうことになります」

「それでいいのです、くれぐれも通達に不備がないよう
……では私はこれで失礼します」

反論を許す間もなく、踵を返しその場を後にすると別働隊のフランチェスカの元へと向かった。
坑道内から彼女が顔を覗かせると、進行状況を報告する。

「フラン、首尾はどう?」

「あらかた坑道内は調べ上げて、臙脂石の採掘場所は特定できたよ、
今、ヒルデが手早く撤退できるよう、山道を整備してる」

「では捕らえた捕虜を逃がして、敵に情報を知らせましょう、
わかってるとは思うけど、余計なことは喋っちゃ駄目よ」

「大丈夫、大丈夫」

不意に後方からざわめきの声が聞こえるとフランは地面に耳を当て蹄の音を聞き分けると
最後の仕上げにと行動の中へと戻っていった、私はヒルデの元へと駆けつけると
撤退の号令を出すよう彼女に伝える。

「来たわよヒルデ、撤退の合図をッ!!」

「わかった……撤退準備用意ッ!
もたもたしてる奴は一緒にあの世行きよッ!!」

山道を登り眼下には群がるように展開した敵兵が陣地内へと進入を開始した。
事前に逃がした敗残兵の情報から、低く見積もっても倍近い戦力を当てに来ただろう、
我々が山頂への撤退を終了すると、工作を終えたフランと殿を務めたレオニウスが合流する。


83 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:03:58 ID:JEvqk5ts

「炎は消しなさい、暗闇では射撃の的になるわよ……レオニウス、貴方の隊は全員揃った?」

「それが、後続が戦列に巻き込まれて、30人ほど遅れています」

「通達に不備がないよう、念を推したはずよ、
フラン、あとどの程度まで猶予はあるのかしら?」

「もう余裕はないよ!」

次々となだれ込む敵の兵団が追撃の為、山頂へと登り始めたのを確認すると
後続が全滅したのを確認し、私は号令をかけ一斉退避の号令をかける。

「一斉退避ッ! 振り向くなッ!!」

旅団が侵攻してきた山頂を逆走すると、後方から地鳴りのような怒号が響き渡る、
数度の爆音が散発すると、山を揺るがす程の巨大な爆発が敵の兵団を紙屑のように吹き飛ばす。
大混乱に陥り、岩石の直撃で下敷きになる敵を横目に眺めながら、私は作戦の成功を確信した。
併走していたレオニウスが呆気にとられた表情を浮かべると、驚嘆の言葉を漏らしている。

「何てことだ、これは一体……」

「採掘現場の臙脂石を使い、小規模の爆発を起こさせたわ。臙脂石が爆発する際に
用意しておいた水樽を破砕、狭い坑道に充満した水蒸気が次々と誘爆を繰り返し――」

轟音と共に坑道が潰れ山が崩れ始めると、逃げ遅れた敵兵は
飛来した岩盤の下敷きになり、濛々と立ち昇る土煙の中へとその姿が消えていく。

「――山をも切り崩す」

これによりベアトリス軍は鉄装歩兵の稼動燃料の不足により兵力を弱め、
我が旅団が今後の戦いにおいて、若干優位に立つことが出来るだろう。

レオニウスは私の顔を見つめながら、重苦しい表情で言葉を放った。

「ヨハンナ様、このような作戦であれば
前もって、私にも進言してくださいますよう」

「ごめんなさい……今後は気をつけるわ」

私は彼にそう言葉を返すと、空に浮かぶ月を見上げ薄く笑みを浮かべた。

84 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:06:54 ID:Jli9kg3q
この程度の長さで長文とか

85 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:09:15 ID:oMKnTBFG
ほれ、こことかどうだ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220023797/

86 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:16:24 ID:VHmOT+/a
俺、全然絵とか描けないからwwwwwwwwwwwwwwwww

87 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:16:49 ID:oMKnTBFG
こんなスレもあるな
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220713564/

立て逃げ多すぎwwww

88 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 18:35:02 ID:yOkDUHTp
設定メモスレは過疎ってるだけで
中身はちゃんとしてるな
ほんとどうしようもないスレ、他にあるかな

89 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 20:30:23 ID:ePwH0CmD
大戦争と人口爆発によって行き着いた先・・

それは、富める人々と貧しい人々の二極化だった。 
富める社会は、国が管理する大都市群。異質を排除する集団的潔癖社会。

貧しい社会は、国によって追い出された人々が集まってできたスラム街。戦争によって荒れ果てた荒野に隔離された。

そんな中、砂漠地帯を拠点とする放浪集団がいた。"流れ人"ーこれは、彼らが理想郷を探す物語である。 
流れ人の伝説によると、理想郷とは見つけた者が理想とする世界像を現実に実現してくれる異世界である。
探しても決して見つける事のできない世界
理想郷の理に従う者のみに道は開くという。

流れ人は誰にも味方しない。理想郷の理に従って生きるのみ 
しかし、一人の流れ人が理想郷の真実を知った時、世界は大きく動く。

主人公・・ある事件により友をあやめた過去を持つ青年。亡き友と誓った理想郷に行くために流れ人となる。願いは友を蘇らせる事。
理想郷を目指すうちに真実を知る事になる。

90 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 00:09:56 ID:JctbOoSy
【傭兵団 赤銅の盾:ベアトリス城 南西の砦】


城下町の酒場で出された干し肉に噛り付くと、アルコールでふやかし胃の中へと流し込む。
寄ってくる売春婦達を適当にあしらっていると、ベアトリス城へと向かっていた優男が酒場へと戻ってきた。
俺は手に持った銅のジョッキを抱え上げると、こちらに気付いたのか男は向かい合う形で席へと座る。

「どうだった参謀?」

「二つ返事で許可が下りたよ、色々と不味いことが起こったらしい」

「不味い? 何が不味いんだ?」

「北西にあるパルミナ鉱山が何者かの手によって爆破された。
恐らくはこの間顔を合わせた、反乱軍の仕業だろう、リュゲルは躍起になって行方を追っているようだ」

男は皿に置かれた干し肉の一つを口へと運び込むと、水で流し込みながら咀嚼する。
いまいち合点の掴めない俺は更に追求するよう言葉を加えた。

「鉱山が爆破されるとなんかあんのか?」

「パルミナ北西部は莫大な量の鉱床が眠る一大採掘地だ、
そこから運ばれてきた鉱石を城下町で加工し、南にある港(M-13)から大陸へと輸出。
この貿易によって外貨を得ている、つまり経済の要となる地域だった訳さ……」

「はっはは、雇い主に破産されちゃ、笑い話にもならねぇよ。
だが、それだけでどうにかなってるわけでもねぇだろ?」

「わからん奴だ、ベアトリス城を囲むように広げられた要塞都市の内側は豊かな穀倉地帯、
食料については問題ない。北東のアルメンテ陥落により、木材の供給は安定するだろう
しかしだ……南西ガセルダの油やパルミナ鉱床を失っていては工業全体が停止してしまう」

次々と繰り出される難解な言葉に俺の頭が混乱状態になってくる、
適当に理解した振りをしながら相槌を打つと、最後に優男がぽつりと言葉を漏らした。


91 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 00:10:31 ID:JctbOoSy

「要するに、鉄装歩兵の修繕や装備の補充、下手すれば外灯の明かりすらもままならんと言う事だ」

「お、おいおい、それを先に言えよッ! 一大事じゃねぇか!!」

「城に備蓄されていた資材や大陸から足りない分を買い付け、上手いこと回してくれるだろうが、
早急にパルミナを抑えなければ、我々の立場も危ういということさ。
船を失い交易路を断たれたパルミナとて、立場は同じことだがな」

ひとしきり説明を終えると、優男は酒場の外へ目を向け立ち上がると
俺も釣られるように席を立ち、酒の代金を皿の中に投げ込む、一先ず団長の指示を仰ぐべきだろう。

「そういえば、アデニオンはどうした? 先程から姿が見えないが?」

「上で店の姉ちゃんとよろしくやってるよ、
阿呆はほっといてさっさと団長の所へ行こうぜ、これから忙しくなりそうだ」

「……随分と楽しそうだな」

「水で酔ったのか? さっさと行くぜ参謀」

俺達は酒場の玄関を潜り夜の城下町へと繰り出す、確かにこの状況を俺は楽しんでいる。
戦いの中に身を置く内に恐怖だけが麻痺しちまったのかもしれない。
明日は戦場に立てると思うと、精神が昂ぶっていてもたってもいられなくなるのさ。

餓鬼が収穫祭のお祭りを楽しみにしてる時の感覚に似てるかもな。


92 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 00:11:05 ID:JctbOoSy


【傭兵団 赤銅の盾 宿舎】


団長の宿舎内に辿りついた頃には完全に酒で出来上がっている酩酊状態だったが、
優男の話を聞くにつれ酔いが冷めてきたのか、次第に真剣な顔つきになると
伸びた顎鬚を擦りながら考え込むように唸った。

「で、バティア、先方はどちらに俺達を回すと言ってきたんだ?
反乱軍討伐か?」

「いえ、どうも将軍のドルバトゥールと反乱軍は浅はかならぬ因縁があるらしく
我々はガセルダの南方攻略へ望むように、とのことです」

「砂漠地帯での戦闘か……鉄装歩兵じゃ進軍に問題がでるな。
装備を換装し、砂塵が入り込んでも問題が無いよう手を加えておけ
進軍を開始するのは明日の夜だ、気温が下がった状態であれば機動に問題はない。
それでいいな、トリ?」

「了解しました」

俺達は一礼すると団長の宿舎の外へでた、まだ就寝には時間がある。
機体の整備の為、俺が施設の方へと足を向けると後ろから優男に呼び止められる。

「こんな夜遅くに機体の整備か、トリフォン?」

「あぁ、暇なんでな、お前はどうなんだよ?」

「私は家内が待っているのでこれで失礼させてもらうよ。
最近娘がよくぐずるんだ……言うだけ無駄だとは思うが、お前も所帯でも持ったらどうだ?」

「真人間に生まれ変わったら考えとくよ」

俺が自嘲気味にそう答えると、呆れた表情を浮かべた優男は自分の宿舎へと戻っていった。
倉庫に辿りつき俺の紋章が入った銅鎧を引き摺り出すと、鎧の心臓部に印を刻む。
その傷の1本1本と名前を顔を思い起こしながら。

「ちびたれのクリグス……エノウスは借金未払いのままだったな」

無数の線で象られた、俺の紋章が月明かりに照らされ輝いている。
いずれは俺もこの線の一本になるのだろうか、最もそれを刻む奴がいればの話だが。

空を見上げると憎々しげなまでにでかい月が俺達を見下ろしている。
俺は枕代わりに鎧に頭をもたげるとそのまま眠りについた。

こんな夜も悪くない。


93 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 14:46:33 ID:VWvTW3UO


【剣奴:パルミエ鉱山跡地】


頬に触れた水滴により俺の意識は目覚める、どうやら未だに生きているようだ。
歪んだ兜に剣の石突を打ち付け強引に取り外し辺りを見渡すと、周囲は霧に包まれていた。
鎧に結露した水滴を指で拭い口に含むと、口に混じった砂利が音を立てる。

その場を立ち上がり鉱山を見上げると、岩肌が大きく裂け崩れているのが視界に入った、
瓦礫の下から覗く手足、頭蓋を押し潰され地面に押し広がる赤黒い染み。
目を凝らすと前方から肩を抱えた、二人組みの男達が近付いてくるのが見える。

「……誰だ」

「その声はカルロか? 俺だよシュタインだ
無事でよかったぜ、俺達ゃよほど悪運が強いらしい」

「カルロ、フェルダーとマルケスは見かけたか?」

現れた2人組みはシュタインとルロワだった、シュタインは足を引き摺り
ルロワは両耳から血を流している、恐らく爆風の衝撃で鼓膜をやられたのだろう。
俺は首を左右に振り否定すると、残りの仲間の姿を探す、敵の罠に逸早く気付いたのはフェルダーだ。
少なくとも生きている筈なのだが。

霧の中から膝をつきその場に佇む剣奴の姿が目に入り姿を追う。
そこにいたフェルダーはマルケスの頭を膝の上に乗せ、優しくその髪を撫で上げていた。
マルケスは目を閉じたまま、ただ眠り続けている、しかし地面に広がるその血だまりが
その眠りがもう二度と覚めることがないものだということを如実に示していた。


94 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 14:47:04 ID:VWvTW3UO

「……フェルダー」

「カルロ……マルケスが死んでしまった、
俺がもっと早く、敵の罠に気付いていればッ!」

「お前は悪くない、誰も悪くないんだ」

「何故こうもッ! 何故こうも上手くいかないんだッ!
俺達は必死にやってきたんだ、その仕打ちがこれかッ!!」

感情の高ぶりを抑えることが出来ないのだろう、普段見ることのないフェルダーの激しい怒りに
俺はただなだめる事しか出来ずにいた、俺自身の中にも狂気にも似た怒りが鬱積していくのがわかる。
彼が自らの怒りを感情で発露するように、俺はその怒りを殺意でしか示すことが出来ない。
不意に馬の蹄の音が聞こえてくる、爆発の際に逃れた馬が戻ってきたのだろう。

「シュタイン、荷台になるようなものを探してきてくれ、
俺は馬を捕まえる、この戦域から離脱するぞ」

「だがよ、カルロ……」

「逃げ出す好機は今しかない、北の森に紛れて東へ向かい
アルメンテまで帰還する」

周囲の霧が晴れる頃には、俺達は比較的傷の少ない装備と物資を馬車に積み込み戦場を後にした。
北の森を潜り、眼下に広がる海の見える崖の上に剣で穴を掘るとマルケスの遺体を埋葬する。
みな泣いていた、ただ一人の友の為に……

俺達は誰の為に戦うのか、国の為に、女の為に、守るべき者達の為に?
そのどれもが誤りだろう、俺達はただ傍らに肩を並べ、共に走る戦友の為に戦う。
彼は誰の為に生き、そして死んだのか……戦友達の死を無為な物にしてはならない。

俺達は馬車に乗り込むと次なる戦地を求め走り始める、血の恨みは血で洗い落とすことしか出来ないのだから。


95 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 14:47:38 ID:VWvTW3UO


【ベアトリス城 軍議室】


軍議室は重苦しい雰囲気に包まれていた、私はくまのロドリゲスの耳を弄りながら、
目の合った軍師と顔を見合わせにっこりと笑う、この笑いは本心からくるものなのだが
彼はそれに気付いているのだろうか?

「部隊の建て直しは進んでいるのか、ヨハン?
一刻の猶予も許さない、直ちにパルミナ付近を掌握し
採掘再開の目処が立つよう工員を派遣してくれ」

「はい、しかしながら、これ以上兵力を分散されると防衛の要となる
北方の砦の戦力が手薄となります……」

「構うな! 財務が優先だ!
所詮は卑族郎党、これ以上の反抗は無い!」

そう断言する軍師リュゲルに、ドルバトゥールは呆れた表情を浮かべると、
庇うようにヨハンの進言を後押しする。

「アルメンテの領主を倒したが、その血族と一部の騎士団が
南の森(P-7)に潜伏し予断を許さん状況だ、東西から挟み撃ちにされかねん」

「全ては滞りなく事が進むよう、君に任せたはず。
なぜ取り逃した? わざと取り逃したのではないだろうね!?」

「言葉が過ぎるぞリュゲル、軍規の乱れで略奪行為が横行し
街が混乱に陥った隙を突かれたのだ、数合わせに安価な兵員を持ち出したのが仇になったな」

彼が目を伏せ水を口に含むと、説き伏せられ言葉を返せない軍師が唸るような声を上げる。
ヨハンと目を見合わせ私が微笑むと、若い騎士は頬を紅潮させその場で俯いた。
そのとき部屋の扉が開き、伝令が駆けつけるとリュゲルに書簡を手渡した。


96 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 14:48:10 ID:VWvTW3UO

「軍議中だぞ! 何事だッ!!」

「はい、パルミナ領主ヒエロニムスを船上にて捕らえましたので
取り急ぎ御報告に挙がりました」

「おぉ! やったか、ではベアトリス様に対応をお聞きしよう
如何なさいますか?」

そういうと席を立ったリュゲルは私の眼前に立ち、私の言葉を待つ。
あくまでも命令を下すのは私であり自らの意思ではない、その為に必要な演出なのだ。
ここで否定の言葉を出そうものなら、それ相応の対応を受けることになるだろう。
私が押し出すように口を開くと、横から割り込むようにドルバトゥールが口を挟む。

「待てリュゲル、処罰に関しては俺が判断を下す
ヒエロニムスは処刑……それでいいな」

「えぇ……まぁ、いいでしょう」

「ではそのように処置いたします」

「いや、少し待て……なるだけ
人目の付かぬ場所を選び処断せよ、これは軍機扱いだ」

そう言うなり、リュゲルは礼金を受け渡すと、伝令は頬を綻ばせながら戻っていった。
扉を閉め、辺りが静寂に包まれると再びリュゲルが口を開く。

「これは好機だ、領主のヒエロニムスが、こちらと和解したという噂を流せ、
これにより反乱軍の結束を内部から揺さぶるんだ」

「成る程な……」

「ベアトリスとパルミエが和解すれば、反乱軍は双方にとっての敵となる
そうだ、反乱軍を捕らえた者には礼金を出すのはどうかな、ははは……いいぞ!
今夜中にはガセルダも落ちるだろう、ベアトリス平定の日も近い」

南東のリオニア列島は人口に乏しく、反抗するまでの手立ては有してはいない。
ガセルダが落ちれば事実上ベアトリス軍の勝利となるだろう。

その分、私の死期が近付いてくるのもわかるのだ。


97 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 16:42:41 ID:T4FYo52V

【そして千年後……、現代】

「隊長〜見つかっちゃいましたッス〜」

発掘作業員たちの動きがいっせいに止まる。
隊長と呼ばれた男が、豪奢な天幕から姿を現し、古の王城を睥睨する。
はるか千年の昔――この城に魔王と呼ばれる存在がいたという。
強大な魔力を持ち、魔軍を配下に、世界を圧政と恐怖で支配した、邪悪なる暴君。
その野望の跡地がこの、眼下に広がる廃墟だった。

学者なら涎を垂らしそうな古代文明の英知の結晶だ。
だが、男にとっては、この熱風吹きすさぶ砂漠の地で、夜な夜な飛び回る”蚊”ほどの価値もないものだった。
滅びた文明など、捨ておけば良い。
目の前に戦うべき敵が群がっているのだ。
「今」こそが、生きる場所であり、敵は大昔に死んだひからびた死体ではない。
どんな暴君であろうと、死んでしまえば農民の死体と変わらないのだ。

……だが、歴戦の将に王が命じたのは、この寂れ果てた、大昔にくたばり果てた無能の遺跡を発掘せよという任務だった。
将軍の、ただでさえ厳めしい顔が、不満でさらに岩のように硬くなっている。
いささか不満なのは、隠しようもない。

「案内せよ」

「はいっス〜」

部下の間のびした声が、瓦礫の山にこだました。
この男は喋り方が気に食わない。この仕事が終わったらぶっ殺すことにしよう。
将軍の顔に、わずかに笑みが広がる。

98 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 20:45:58 ID:r1NTIrTz
現時点の兵力

ベアトリス軍10000(鉄装歩兵減少中)

赤銅の盾1400?(負傷兵除く)

ヴィジランテ旅団2000(名声向上により拡充)

パルミナ4000(相次ぐ敗北により−2000)

アルメンテ残党1500(新型鉄装歩兵開発)

ガセルダ5000(防備中)

街・村残存兵力2000(戦意0)

リオニア(1000以下)

剣奴隊4

99 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/22(水) 19:49:14 ID:BgQNYRBA


【ヴィジランテ旅団:パルミナ村 船宿 涼風亭】


夜の砂浜に乗り上げ、聞こえてくるさざ波を遠くに聞きながら。私は揺り椅子に腰掛けリュートを奏でていた
押す波と引く波に動きを合わせるように音の形を変え、次第に緩やかな曲調へと変化させる。
宿から戸を軋ませ、ヒルデが姿を現すと私は奏でる手を止め目を向ける。

「申し訳ありません、もう御休みになられますか?」

「いいのよヨハンナ、少し話したいことがあっただけだから。
ちょっといいかしら……」

「えぇ、私に御相談に乗れる事であれば、何なりと」

「私ね、その……子供が出来たみたいなの」

そう彼女に告げられると私は平静を装い、編んだ髪をたくし上げ、手に取ったリュートを膝に置く。
共に行動していれば、すぐに気付くことではあったが、私の心中に沸き起こる疑惑の感情は
確信へと変わり、うねるような憎悪の霧へと変化してゆく。

「御相手はレオニウス様ですね、きっと神が
我々を勝利へと導く為に遣わされた、申し子に違いありません」

「あ、ありがとう、ヨハンナ、私頑張るよ。
この子の故郷を守る為に……私にも戦う理由が出来たんだ」

「あまり無理をされてはなりませんわ、
夜風も冷たくあたります、今日は御休みになられた方が」

「うん、ごめんね苦労ばかりかけて……」

私は首を左右に振ると、彼女はにこやかに微笑み、宿の中へと姿を消していった、
リュートを床に置き傍らに置いていた剣に持ち替えると、村の東に位置する待ち合わせ場所へと向かう。
ヒルデに宛てられたはずであった、レオニウスの書簡を片手に。


100 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/22(水) 19:49:45 ID:BgQNYRBA

暗がりの中で2つの影が浮かび上がる、1人は待ち人の彼、そしてもう1人は迎えの船頭だろう。
手に持った洋灯で私の顔を確認すると、軽装に身を包む彼は焦燥の表情を浮かべながら語りかけてくる。
彼はヒエロニムスが捕らえられた後に間者と通じ、ベアトリスの軍門へと下ろうとしていたのだ。

「レオニウス様、ヒルデガルドは来ませんわ。
貴方には伝え辛いことでしたが、こうなっては致し方在りません」

「ヨハンナ様、何故貴女が?」

「ヒエロニムス様は処刑されました、これがそのベアトリス軍の命令書の写しです。」

「馬鹿なッ、それでは話が違う! どういうことなんだ、
ヨハンナ様のおっしゃったことは事実なのか!?」

激昂したレオニウスが船頭に食って掛かると、男は顔を左右に振り否定する、
当然そんなことをこの男が知る筈もないだろう、そもそも私の差し出した書簡さえも偽造した
まるで謂れの無い代物なのだから、私は疑心暗鬼に陥ったレオニウスに畳み掛けるように言葉を放つ。

「冷静に御考えになってください、領主であるヒエロニムス様を処刑せずにして
島の平定がなるのか? そしてこのあまりにも不自然な和平の手筈、
甘言を用いて卑劣な罠に嵌め、我々を分断する作戦なのです!」

「お、俺ァ……何も知らねぇ!!」

「逃げる気かッ!」

さざ波を駆け抜け2人の影が走る、砂に足を取られた船頭の胸にレオニウスが剣を突き立て殺害すると、
息を荒げた様子でその場に膝を突き、友の死を嘆き始める。栗色の髪が海水に塗れ
叩きつける腕が砂にまみれる。

「私は……私はッ!」

「今となっては領主を失ったパルミナの結束は揺るぎ
流言に惑わされた者が疑心暗鬼に陥り、ベアトリス軍へと下っています」

「そう……そうです、もう一度体勢を立て直し、反撃の準備を!」

「では――進言致します」

流言を断ち切るにはきっかけが必要、ベアトリス軍が我らの敵であると再認識できるような。
私は抜いた剣を布に包むと彼の脇へと抉り込む、引き裂いた肉が骨を断ち、
呆然とした表情で固まるレオニウスの肝臓を引き裂いた。

「こ……か、何故……ヨハンナ様?」

「間者の誘いを寸前で踏みとどまり、不意を突かれながらも
敵と”相打ち”……御見事な最後でしたわ」

「な、ヒ……ヒルデ……」

男が彼女の名前を口にすると私の腕に更なる力が篭る、死に際に彼女の名前を呼ぶなど
貴方には許されないこと、ですがその魂はきっと神の御許へと導かれることでしょう。
貴方の死により、パルミナはより強固な結束を生むことになるのですから。


――神の御加護があらんことを――



101 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/22(水) 19:51:11 ID:BgQNYRBA


【ガセルダの炎】


夜のガセルダに居並ぶ軍勢およそ6000、状況で言えば五分五分、いや攻め手に回る分不利か?
昼間あれだけ吹きつけた砂嵐は既に止み視界は良好、兜の中に篭る粉塵を掃きだし、敵の姿を探す。
誘い込むように開かれた門の前には、敵の軍勢らしいものは見当たらない。

「参謀、どういうこったこいつは?」

「街中に部隊を展開したのち地勢を活かし、
各個撃破を狙うつもりか、いや……灯りも見えぬようではどう動くのか判断出来んな」

「こいつは何かある、油断するなよ、トリ」

「こういう地味なのは、柄じゃないんですがね、
アデニオン、先駆けて先行するぜ、ついてこい」

砂防用の外套から腕を伸ばし銅柱を銅鎧の本管に接続し稼動を開始すると、
傍に置いていた長さ1mほどの槍と剣を背負い、ゆっくりと門の傍へと侵攻していく。
別働隊の奴隷部隊が俺達傭兵の前を先行し、街中へと侵入すると、射出槍を構え周囲を哨戒する。

「トリ兄貴ィ、この辺りはあばら屋にテントばっかですね」

「砂漠の街は、みんなこんなもんだ
しかし妙だな……歩哨の姿すら見えねぇのはどういう了見だ」

「傭兵隊! 何をもたもたしている、進軍せよ!」

「へいへーい、隠密行動中にガナるんじゃねぇよ、素人将校が……
アデニオン、後続を引き入れて上手く回せ、俺は上方の城壁を確保する」

小声と手信号で合図を送ると、城壁の上へと向かう階段へと差し掛かる、
素早く転進しながら射出槍を階上へと向け、一歩づつ踏みしめる、射出槍の長さや推進剤の重量は大したこと無いが
全体の重さは結構なものだ、両手でしっかりと保持して抱えると腕が攣る、芋の皮むきでもしてた方がマシだ。

「おいおい、奥に入りすぎじゃねぇのか?」

階下を見下ろすと血気はやった奴隷隊の面々が貧民街を抜け、中央の住宅街を目指し進軍しているのが見える。
ベアトリス軍の学習の成果なのか、妙なことばかり覚えが早い。
俺は階下のアデニオンに手信号を送るが、流石にこの暗闇ではどうにもならない。

「チッ、灯りがいるな……お?」

願いが通じたのか灯りが視界の中へと飛び込んでくる、正確には火矢なのだが。
俺は次々と撃ち込まれる火矢をしばらく眺め思考する、貧民街に撃ち込まれた火矢がテントへと燃え移っている。
何かあると感じた団長の勘は当たったらしい、俺は音が漏れるのにも構わず、階下へと声を送る。

「アデニオン罠だッ! テントから離れろッ!!」


102 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/22(水) 19:51:43 ID:BgQNYRBA

街中に1発の爆音が轟く、そこには火達磨となった鉄装歩兵とテントの中に積まれた樽、
火矢が樽に突き刺さるとジワジワと引火し、激しい爆音と共に炸裂すると、
誘爆を繰り返された階下の街はたちまち火の海に包まれる。

「自らの街に火を放つだと、正気か!?」

鉄装歩兵の駆動系は熱に弱い、気圧を密封する銅柱に気体を封入する為、熱に当たると膨張するからだ。
俺は城壁から敵の姿を探す、周囲には何時の間にかガセルダの旗が立てられ矢継ぎ早に火矢が投げ込まれる。
中央の住宅街に潜伏していた伏兵が、火を放たれ退路を失った奴隷隊に襲い掛かるのが見えた。
俺は城壁から飛び降ると撤退命令を出す。

「総員撤退! 急げ、火に巻き込まれるぞ!」

「トリ兄ィ!!」

「アデニオン! こっち――」

次の瞬間、何かが弾けるような音が響くと俺の耳に衝撃が走る、兜から覗く眼前の景色が攪拌される。
アデニオンが……俺は思考をフラットに保つよう強く瞬きをする、止まない耳鳴りが収まり始めると
見失った男の姿を探した、舞い上がった鎧の銅板が足元に突き刺さる。

「何だ? な、何がどうなった?」

「トリ! 撤退しろ!」

「待ってください、今、アデニオンの奴がいたんです
助けてやらねぇと! 団長……」

「こっちにまで火の手が回るぞ、
連中に嵌められた、この街はオトリだッ!」

俺はその場から駆け出し門から外へと飛び出す、街の外では西から押し寄せる
伏兵に隊列を崩され混戦状態に陥っている、敵の軽装歩兵がこちらに射出槍を向けると
俺は背負っていた槍と剣を抜き、背嚢に連結された銅柱を捻り推進力を下方へと吹き上げると
伸び上がるように敵集団へと飛来する。

「と、飛んだぞッ!?」

空中でに繰り出した槍が怯んだ敵の胴体を貫くと、着地際に剣を翻し次々と敵の腹部を打ち抜いてゆく。
至近距離から放たれた射出槍が銅鎧に掠めると、装甲を削られ鎧の一部が弾け飛ぶ。

「らぁぁぁッ!!」

敵の射出槍を奪い片手で保持し発射すると、至近距離で胴体を打ち抜かれた軽装歩兵の体が宙を舞う。
踏み込むように前へと歩みを進めると、横から伸びた赤銅の腕に静止される。


103 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/22(水) 19:52:29 ID:BgQNYRBA

「止めんなバティアッ!」

「冷静に戦局を見ろトリフォン! こいつらは死兵だッ!
大仰に旗を立ててはいるが、戦力的には僅かでしかない」

「確かに俺達を数で囲む絶好の好機だった筈……
じゃあ、ガセルダ本隊はどこに?」

「恐らくは廃棄された北の監視塔(C-11)にでも潜ませていたんだろう
連中の狙いはベアトリス南方の砦(L-13)あるいは南北を閉じる関所(H-9)だ」

ここに導入された兵力が6000、南北で兵力を分けたベアトリスの防備は2000弱、
完全に裏を掻かれた形になる……後方を見渡すと未だに逃走を続ける敵兵を追う指揮系統の混乱した
正規軍の姿が目に入る、団長の撤退命令を受け赤銅の盾は戦域を離脱し、ガセルダ本隊の追走を開始する。

俺達は馬車に乗り込むと団員に全速力で馬を走らせた、薄暗い荷台が洋灯に照らされ周囲の色を浮かばせる、
外套に塗れた赤い血は誰の物なのか……今となっては知る術が無い。


104 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/23(木) 22:44:27 ID:BYnhbtKi


【ガセルダ本隊:ガセルダ港】


ベアトリス統治下であったガセルダの町(F-11)から敵部隊は壊走、占領統治下からの開放に成功した。
我が主であるイフティハルは叔父の砦攻略の命に逆らったためこの場に駐留、部隊を二分しての行動となる。
私がここまでの行動を手帳に記録すると、彼が横から手帳を覗き込み語りかけてくる。

「なんで隠すのさぁ」

「また書き直すおつもりなんでしょう?
正確性に欠く情報では”伝記”にはなりません」

『そして窮地に立たされたガセルダ軍を救うべく。
稀代の王者イフティハルの指揮による、猛反撃が始まるのである』

「勝手に書き込まないでくださいッ!」

町の指導者に用意させた司令部に突如伝令が舞い込む。
なにやら重大なことが前線で起きたのだろう、私は手帳を開き筆に墨をつけると伝令の言葉に耳を傾ける。
息咳かけてその場に膝をつき倒れ込むと、前線での情報が伝えられた司令室に衝撃が駆け巡った。

「領主様が……イフティハル候が前線で討たれましたッ!」

「な、なんとッ! それは誠かッ!?」

「これは、イフティハル様の伯父様が亡くなられた?」

「伯父きが――死んだ?」

我が主は椅子に座り込むと小刻みに体を震わせながら、机に肘を突き頭を抱えた。
部隊を打ち破られ抵抗力を奪われた今、我々ガセルダ軍に残された術はない。
側近の兵士長達は頭を抱え込み絶望の表情を浮かべる、我が主は抱え込んだ頭をゆっくりとあげると……

「へっぶし!」

派手にくしゃみした。


105 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/23(木) 22:45:04 ID:BYnhbtKi

「あぁ、悪い悪い出そうで出なかったんだよね、さっきから
で、叔父きの連れてた4000の部隊はどれだけ残ってる?」

「領主様が亡くなられたんですぞ、そのような態度!」

「そりゃ、飛び道具でびっちり固めた堅牢な砦に騎兵当てた所で
やられんのがオチでしょ、こちとらろくな攻城兵器も持ってないんだ」

続けて我が主の直属部隊の者が司令室へと駆け込んでくる、吹けば倒れるような老兵アル・アフダル。
老人は千鳥足で扉を潜り嘆き悲しむ側近の前を通り抜けると、我が主に経過を報告した。

「坊主、パルミナ側に船舶と伝令を送っておいたぞ、
アルメンテも今日中に兵を出すそうだ、ところで何ぞあったのか?
お通夜みてぇになっとるが?」

「伯父きが死んだ、兵を回収するんで
例の騎兵を取り急ぎ召集して、追走してるベアトリスの騎馬隊を迎え撃つ
……爺さん酒臭ぇな、また飲んでんの?」

「はは、酒は百薬の長よ!
頼むぜ、ガセルダの新領主さんよ!」

「街の方は適当に逃げ回った後に降伏するよう伝えてるから
少なくとも2日は時間を稼げる、それまでにベアトリス領に侵入だ」

何を根拠とした自信であるのかいささか疑問が残るものの、この作戦を立案したのもまた彼自身である。
下手をすれば彼の伯父が討たれる事さえも計算付くであったのか?
我々は司令室を出ると、敵騎兵を迎え撃つ準備を進めた。


106 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/23(木) 22:45:40 ID:BYnhbtKi


【鉄装騎兵】


戦列を朝焼けの昇る小高い丘の上に揃えると、敵の馬群が駆け舞い上げる粉塵が目に飛び込んでくる。
ちらほらと壊走を続ける味方の騎兵達の姿を確認すると、迎え撃つように戦隊を組む。
彼の考案した新兵器、鉄装騎馬の初披露だ。

「馬に銅柱を注げ! 馬上の射出槍は5本!忘れもんがない様各自確認!
馬はなるだけ殺すな! 敵兵は……まぁいいや」

「おいおい坊主、普通逆なんじゃねぇか?」

「なんで私まで戦場に借り出されてるんでしょう……」

「正確性に欠く情報では伝記にならんのだしょ? 文筆家殿
逃げ回ってれば、追ってる敵を味方が撃つから心配無用」

さらりと背筋の寒くなるようなことを言われたが気のせいだろう、気のせいにしたい。
何を思ってこの人の伝記など書きたいと思ったのだろう? 今となっては後悔先に立たずだ。
歩み出る彼の号令の元、僕の初陣が切って落とされた。

「全軍突撃! 鼎足の陣で突き崩すぞ!」

丘の上から異様とも思える速度で馬が駆け抜ける、常識であれば馬の足が縺れ転げ落ちてしまう事だろう。
しかし、人間用の鉄装を馬に施し筋力を補強された堅強な騎馬は、その勢いをものともせず敵の騎馬隊へと接近する。
僕は訓練どおりに馬上で射出槍を構えると、隊長であるアフダルのしわがれ声が戦場に響き渡った。

「第1陣、撃てぇいッ!」

友軍の放つ槍が騎馬に乗る敵兵を次々と撃ち落としていく、直進性の高い射出槍の騎射だからこそ出来る芸当だ。
1陣が横に退くとすぐに第2陣の騎乗掃射が加えられ、次々と追走に現れたベアトリスの騎馬達は踵を返し
隊列が乱れ始める、横目に我が主の姿を捜すと敵に背後を取られ追われている姿が目に入った。

「イフティハル様、後ろ、後ろ!」

「え? あぁなんだ、後ろか?」

馬上の射出槍を手に取りその場で仰け反るとそのまま後方へと射撃を行い見事敵兵に命中させる。
一体どういう鍛え方をすればそんな芸当が出来るのか甚だ疑問である。

「そろそろ諦めて敵が逃げてく頃合だな、3陣に合図をだせ」

併走する味方の兵に指示を出すと、伝令は空に向かい銅管を打ち上げ空中で炸裂する音で信号を伝えた。
逃げる敵兵の退路を塞ぐように味方の騎馬隊が姿を現すと、次々と騎射を放ち残存兵力を掃討。
鼎足の陣で3つに分けた部隊の内1隊が後方へと回り込み、退路を塞いでいたのだ。


107 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/23(木) 22:46:22 ID:BYnhbtKi

「初陣はどうだった文筆家殿、少しは俺を見直したか、ん?」

「冗談じゃありませんよ、これ以降は
戦場に借り出されるのは、御遠慮させていただきます!」

「つれないねぇ、これだからインテリは……」

「そこらじゅう残った馬だらけですね、これ全部捕まえるんですか?」

乗り手を失った馬達は思い思いに辺りを駆けたり、足元の草を食んだりしている。
馬にとってはこの争いも文字通り人事のようなものなのだろう、我々が戦場から帰還する頃には既に日が昇りきり。
太陽がガセルダから標榜する海に浮かぶ船の姿を現し出した。

「何だ……あれ?」

島の統治権を巡る争乱は佳境を向かえ、全面会戦の火蓋が切って落とされようとしていた。


108 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 20:26:04 ID:AnJROo6s


【剣奴:北の砦北部 捕虜収容所】


朝焼けの中、吹き抜ける風が兜の隙間から入り込むと、俺は目を細め手をかざす、
丘の上から見下ろす収容所では数十名の歩哨が警備に当たっている、有事の際には手薄になると思われていたが、
意外に警戒態勢は厳重なようだ、唯一幸運な事は俺たちの装備が連中と同じ物であるということか。

「……フェルダーいけるか?」

「もう大丈夫だ、各地で捕らえられた捕虜は奴隷として大陸へ売られる筈だ、
その前に俺達の手で解放する、俺達2人で先行。
残り2人は待機して後方を支援してくれ」

「飛び道具の支援は必要ない、こちらの存在がバレたら
銅管でこちらから連絡する。その後に援護してくれ」

「了解」

シュタインとルロワを残し、俺達は鉄装歩兵を稼動し丘の下へと滑り降りる、
何食わぬ様子で歩哨に立つ2人組へと近付くと、怪しむ歩哨の質問にフェルダーが答える。

「何だお前ら、どこから来た?」

「いやね、行軍中に仲間とはぐれちまったみたいで
海岸線を沿って戻ってきたんですよ」

「ち、何やってんだ……軍規懲罰もんだぞ、
まってろ、今から将校に連絡取ってやる、所属は?」

「だそうだけど、俺達どこ所属だったっけカルロ?」

俺が鞘に手をかけ抜剣と同時に敵兵の首を刎ね飛ばすと、フェルダーは肩口から敵の懐に飛び込み突きを放つ。
歩哨の死骸を見えぬよう、草むらの中に投げ込むと再び納剣し、敵の姿を捜す。
向かい側からこちらの存在に気付いた、6人の兵達が近付いてくる。

「……今度ばかりは自信が無い」

「俺が右側の4人を殺る、フェルダーは左側の2人に集中しろ」

「おい、お前ら!?」

こちらへと歩み寄る1人目の腹に全力で蹴りを打ち込むとその場で男は崩れ落ち、地面に伏せる。
抜刀と同時に繰り出された剣閃が、もう2人目の喉笛を切り裂き、発射された剣先が3人目の胸元を撃ち抜くと、
宙で翻し振り抜いた刃が4人目の頭蓋を縦に両断する。

「カルロ……君は一体何者なんだ?」

「ただの”奴隷”だ」

投げかけられる疑問の声に俺の記憶が反芻される、楽とは言えないまでも希望が満ち溢れていたあの時代。
産まれながらに親を持たぬ俺は流浪の老人に拾われる、老人は世に蔓延る魔を根絶する為に戦い続けていた。
大陸に溢れる魔物に単身立ち向かい、二振りの剣を振るい次々と屠るその姿に俺は憧れた。


109 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 20:26:35 ID:AnJROo6s

双剣のディマカエリ。

しかし、その強さも老いに勝つことは敵わない、患った病と傷が元でついには息を引き取った。
……俺に伝えた剣の技だけを遺して。

その後、魔の台頭により再び大陸は混乱に陥り、
狭まれた生存圏を巡る人間同士の小競り合いが始まると、俺は捕らえられ奴隷としてこの島へと送られた。
結局、彼の犠牲を持ってしても人々は一致団結することなど無かったのだ。

「”復讐に意味は無い”」

「どうしたカルロ、急に?」

「……俺の養父の遺言だ」

「耳が痛い言葉だな、俺もその人に学べたら少しは強くなれたかな?」

敵兵達がこちらの姿に気付くと武器を手に取り距離を詰め始める、十数人は越えたか。
覚悟を決め両手に剣を握り向かい合うと、敵陣より射出された槍を身を翻し避ける。
突撃してきた敵鉄装歩兵と剣を克ち火花を散らすと、突然側面より飛来した槍が敵の脇腹を貫いた。

「あれは?」

「見覚えがある、アルメンテの鉄装歩兵だ
巻き込まれないよう後退しながら戦うぞ、アルメンテヘの警戒も怠るな!」

次々と攻め入るアルメンテ軍により戦局は一方的な展開となった。
1人の鉄装歩兵が兜のつばを上げるとこちらへと歩いてくる、どうやら敵意は無いようだ。
兜から覗く耳がちらりと覗く、どうやら彼女は亜人のようだ、大陸ではよく見かけたものだがこの島では始めてお目にかかる。

「怪我は無い?」

「えぇ、なんとか……貴女は一体」

「私はアルメンテ解放戦線の副長、名はコルトリ・ウノ、
コルネリアとお呼び下さい」


110 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 20:27:25 ID:AnJROo6s


【大陸からの使者】


解放された奴隷たちが次々と収容所の中から現れると、俺達は後方の2人と合流し
制圧した屋内で顔を合わせた。これからパルミナへと向かい、ベアトリスに対する最後の反抗作戦を行うらしい。
フェルダーを除く3人は部屋の通されると先程の女がお茶を入れテーブルの上へと並べている。
シュタインは俺の袖を掴み声を潜めながら話しかける。

「おいカルロ、何だあの女……耳が尖ってるぜ?」

「亜人と呼ばれる種族だ、大陸ではさして珍しくも無い。
彼らは物珍しい目でみられるのを嫌がる、注意してくれ」

「あぁ、分かった」

「わぁ! 見ろよシュタイン、この人耳が凄ェ長いぜ!」

止めた傍から、ルロワが物珍しげに騒ぎ立てると険しい顔をしたシュタインが後ろから羽交い絞め
ルロワが外へと連れ出される、彼女は呆けた様子で俺と目が合うとくすりと笑う。

「……すいません」

「お気になさらず……慣れておりますので、それよりも先程の戦いぶり
拝見させて頂きました、お強いんですね、お名前は――」

「カルロ……ロッシです」

「では”双剣のディマカエリ”はただの字かしら」

俺は本能的に腰の剣に手をかけ相手の全身を見据える、大陸から来た者ならば知っていてもおかしくはない。
しかし彼女と俺は初対面の筈、少なくとも俺の幼少時の記憶が確かであればの話だが。
俺が警戒したのを察したのか女は距離をとり、剣の射程外へと身を退ける。

「奴隷身分に落ち、その身を死地に投げ込んでも
生きていらしたのには驚きました、流石は”神剣”に選ばれた者の業を継ぐ者」

「何の用だ?」

「人は愚かなものです、敵がいる内は結束し魔を討ち払おうと努力します。
しかし、外に敵がいなくなったと知るや、その剣を内に向け人同士で奪い合うのです」

亜人と人間の寿命の差から来る発言なのだろう、生き急ぐ人間と未来を見据える亜人とでは
根本的な思想自体が異なるのだ、彼らは人間を愚鈍と信じて止まない上に、
我々人間は彼らの長命から来る人知を超えた技術を恐れる。

「闇の深遠より這い上がる異形達の勢いは留まる事を知りません。
これでは同じ歴史が繰り返されるばかり、そのため連合の協力の下で
この騒乱の即時解決を図るよう取り決めました」

「大陸の異種族がこの島に干渉するのか?」

「いいえ、貴方達の手によって……」

女が窓の外を指すと馬車に見慣れない鉄装歩兵の鎧が積み込まれている、あの鎧が”干渉”なのだろう。
俺は彼女の目を一瞥し表へと歩みを進めると、後ろから呼び止められる。

「また大陸でお会いしましょう、”ディマカエリ”」


111 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 02:25:34 ID:8SyaSLn5


【蟻の世界】


”神は持たざる者にこそ、その救いの手を差し伸べる”

誰が言った言葉だろうか、もしその言葉が真実であればそれはとても残酷なこと、
そんな救いなど誰も求めてはいないのだから。私は馬車から降りると、北西の砦へと呼び付けられた。
ベアトリスの外城の城壁へと通じる螺旋階段を上ると吹き込む風と共に空が開ける。

海上に浮かぶ船が煙を噴き上げ砲弾を発射すると、城壁が揺れ積み上げた石垣が崩れ落ちる。
他の街とは違いベアトリス領を囲う外城は倍以上の高さ(20m)を有している、
その城壁が洋上の艦砲射撃により倒壊しようとしているのだ。

「ベアトリス様、こちらです!」

「……リュゲル」

軍師であるリュゲルが青ざめた表情で私の手を引く、戦艦が西側から砲撃を加え
風穴を開けてベアトリス領内への活路を開く、そんな馬鹿げた戦略を誰が思いつくだろうか。
こうなっては最も堅牢な南北の砦は意味を成さず、洋上からの侵攻を食い止めることは出来ない。

「今こそ、今こそベアトリス様の御力を我々に示して頂きたい!」

「え?」

その言葉に最も恐れていた事態が起きたことを私は確信した。
私がその場から離れようと後ろを振り返ると兵士達に出口を阻まれ退路を失ってしまう。

「嫌、嫌ァッ! それでは約束が違うッ!!」

「ベアトリス様、ここで持ち堪えれば我々の勝利なのです
何卒、その御力を我々にお貸しください」

「何が我々の勝利よ、勝ちたいのは貴方だけでしょう!」

「宜しいのですか? わが国が……貴方の故郷である
リオニアの人々がどうなろうと、構わないと仰るのですか!?」

リュゲルが私の目を睨みつけながら髪を掴み、洋上の船へと目を向けさせる。
私に選べと、リオニアの人々の命と、あの洋上の船に乗った兵達の命とを秤にかけろとこの男は言っているのだ。
先王が亡くなり平民との間に授かった私の存在が明るみになる10歳までの間、私はリオニアの島で生活していた。

私が戴冠するのを領主達は皆一様に反対した、平民出の小娘に頭を下げろなどと誰でも御免被るだろう。
しかし、それさえもこの男の謀略の内であったのだ。


112 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 02:26:08 ID:8SyaSLn5

「卑怯者ッ!!」

「この島を平定し、皆が一丸となり。大陸からの侵略に備えなくてはならないのですッ!
私は民衆の為に、全ては民を思えばこそのことッ!!」

「あの船の船員も……ベアトリスの民でしょう」

「では貴女は大陸の顔色を伺い、頭を小突かれながら謙って生きろと仰るのですか?
これは我々にとって必要なことなのですッ!」

私が頑なに要求を拒むと、彼が耳元で他の兵に聞こえぬよう囁きかける。

「ドルバトゥールにもしもの事があっても宜しいのですか?」

「な、何を言い出すの?」

「今であれば城壁の損傷は軽微、反乱軍の侵攻を最小限に食い止められます
ですが、これ以上倒壊を許してしまえば前線に立つ彼は窮地に立たされる、そういう事です
それに、もしもということも有りえますしね……」

私はその場に立ち上がり小刻みに震える手を上げると、周囲に満ちた力を収束させる。
空に雲が集い始め、黒い雨雲にも似た渦が黒い闇を覗かせる、周囲では兵達がうろたえ始め、
リュゲルの顔に笑みがこぼれる。

「素晴らしい……素晴らしい! これが魔の力かッ!
貴女は正しいのですベアトリス様、愛する者の為に戦うのは罪ではありませんッ!」

「……御免なさい」

空に浮かぶ闇の中から一筋の光条が放たれ洋上に浮かぶ船へと突き抜ける。
その瞬間、周囲に轟音が響き渡ると城壁を越えるほどの巨大な水柱が立ち上り
パルミナとガセルダ双方の港へと降りかかった。

ぱらぱらと降りしきる海水が城壁まで届き空に大きな虹を描く、何故私に……
何故私にこんな力を授けたのですか?

「はははははッ! 勝てるッ! 勝てるぞッ!
この力の前では反乱軍など蟻のようなものではないか、蟻の世界だッ!!」

私は救いなど求めてはいないのに。


113 名前:10/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2008/10/25(土) 09:59:25 ID:E/BrrBYv
がんばれー

114 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 18:38:29 ID:VuUuVMS4
西暦20xx年・・・。

日本は高度な技術を手に入れ、一昔前では想像もできないような便利な物を発明した。

自分の頭の中のイメージを映像にできる機械。周りに誰がいるかわかる地図。ピントを合わせて、かなり遠くの物を見れる眼鏡。 

全ての人には、それぞれ与えられた仕事があり、混乱は全くなく、平和だった。

そんな中、犯罪率0の日本で殺人事件が起こった。

警察官である主人公は、犯人を捕まえた。しかし、犯人は突然どろどろした液体に変わり、消滅した。 

実は犯人は、ある生物実験所から逃げだした液状生物だったのだ。 

さらに悪いことに、なんにでも化けることができるこの生物は実は日本の中にまだ複数いる事が、研究関係者の口から伝えられた。

全ての人に役割が与えられている社会。逆に言えば、一人でも、人に化けた生物がいると、社会の秩序が壊されてしまう。 

未来社会の崩壊をくい止めるため、日本政府は上に挙げた特殊な発明品の数々を使う対液状生物ハンターを編成した。 
そして、この戦いに主人公も巻き込まれる事に


115 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 12:56:53 ID:pLYwwtcV
セックス中のゲロが原因で戦争始まったって認識でおk?

116 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 13:05:08 ID:vQTRcJAi
作者が違うと思うぞ

117 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 18:38:30 ID:ZKg3tSc0

【歴史】*適当です

紀元300年 大陸の城郭都市がエルダードラゴン(賢竜)の襲撃により壊滅

紀元180年 時の賢者により”神剣”が作られる

紀元80年 大陸を捨て 島(現ベアトリス)への民族移動(現パルミナ)が始まる

紀元20年 シーサーペント(海竜)により移民船団の一つが沈没

紀元10年 ”英雄ベアトリス”が島に潜む魔族を掃討し 島を開放する

紀元6年  ベアトリス城の建造

王暦0年  英雄ベアトリスの死去により その夫が次期国王へと推挙される

王暦3年  大陸より流れ着いた漂着民(現ガセルダ)との紛争が起こる

王暦16年 名も無き英雄が魔族の首領を打ち倒す この際に受けた傷で両者は死亡 

王暦18年 剣闘士”ディマカエリ”(初代)の済む集落がベアトリス軍により壊滅

王暦20年 剣闘士”ドレト”王族”ルロワ”(本編の人とは別人)が国王を打倒

王暦24年 大陸へと進出”ディマカエリ”がエルダードラゴン(賢竜)を討伐する

王暦27年 ”ディマカエリ”がシーサーペント(海竜)を討伐 海上通商が再開される

王暦30年 大陸へと進出した”ドレト”が国王となり大陸を西部を制覇

王暦31年 亜人による異種族の連合が発足される 代表はベアトリス島より移民した人間族

王暦40年 連合が大陸西部を制覇 この時代より魔族が大陸北部の生存圏を脅かすようになる

王暦41年 ”不死身のドレト”死亡

王暦42年 連合の兵器工廟にて次々と新兵器が開発され 大陸や島へと輸出が開始される

王暦43年 内紛が激化 大陸から大量に採掘される金により”ベアトリス国”との経済格差が広がる

王暦50年 デーモン(悪魔)との戦闘中に受けた傷が元で”双剣のディマカエリ”死亡 

王暦55年 大陸の雇った海賊によるベアトリスに対する海上通商破壊が始まる

王暦56年 第四代ベアトリス国王が死去 娘である”ベアトリス”(現在)が戴冠

王暦57年 海上通商安全保障条約に関する取り決めをパルミナ・ガセルダ・アルメンテの領主による合意で取りまとめられる

王暦60年 大陸からベアトリス国に対する内政干渉 大陸側に有利な公約を纏めた三十三稿が出される

王暦62年 ベアトリス統一戦争勃発(現在)


118 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 18:40:22 ID:ZKg3tSc0
修正

○王暦40年 連合が大陸東部を制覇 この時代より魔族が大陸北部の生存圏を脅かすようになる

119 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 22:12:37 ID:KaDJSkOo

それぞれの所属の説明

・ヴィジランテ旅団
”内乱を誘発させる”の言葉通り、大陸の西側が送り込んだスパイ
領主と司令官、軍政両方の指導者を失ったパルミナを実質手中に収めた
鉱山爆破による産業破壊など西側に有利な工作を進め、既に目的は達成されている

・アルメンテ解放戦線
大陸の東側の資金支援を受けた解放軍、連合は双方の陣営に武器を販売していたが
元老院の判断により、内乱の終結を纏める政策を打ち出した
作中で撃ったり斬ったりしている武器のほとんどが連合製品

・ガセルダ本隊
かつて大陸から流れ着いた民族であり、軍により迫害された経歴が有る
領主が戦死したことで方針を転換し、内乱の早期解決によるベアトリスとの和平の道を模索中

・剣奴隊
アルメンテ解放軍の傘下に入り別働隊として行動中

・ベアトリス軍
元はベアトリスが”本国”であり西大陸は”植民地”だが、国力の逆転により内政干渉されている
また立場上、ベアトリス本国を守る為の盾として魔族と戦い続けた経歴により
西側が抱く本国への不信感と恨みも根深い、ベアトリス領はリュゲルの意志の元、開戦の意志を打ち出し
他の3領は厭戦、リオニアは中立


120 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 23:17:31 ID:KaDJSkOo

登場した装備の備考

・臙脂石
火薬の換わりに使われる、特殊な溶液や水に触れると大気中に溶け出し
空気に触れると瞬間的に膨縮する、地表に出てるものはすぐに蒸発するので
山などで採掘して取り出す、水蒸気を出すが熱の発生は少ない

・鉄装鎧
装甲を厚くした鎧で総重量で30〜50kg近くある、臙脂石によるサポートにより動作し
弓矢・機械弓・火薬を用いた貫通力の低い銃弾などを通さない
構造上の欠陥で間接にわずかな隙間が開く、銅と鉄をあわせた複合装甲や
裏側にキルト生地を用いた衝撃吸収、高度技術で作られたミスリル(ようはジェラルミン)製もある

・火薬
臙脂石の方が推進剤として優秀な為にあまり使われなくなった
火をつける際の爆薬としては優秀

・剣
1m前後の一般的な両刃剣、装甲を完全に撃ち抜くため、突きを加えると刃先が飛び出す仕掛けになっている
本体と刃先を止めてあるボルトを抜くと飛び道具にもなる、推進剤には臙脂石が用いられる

・弓矢
軽装歩兵用に未だに使われている弓、鉄装歩兵の導入により機械弓は大型化が進み
ハンドルを使っても人間の手では引けなくなった為、使われなくなった

・銃
火薬の取り扱いが面倒、弾丸が丸いため鉄装歩兵の装甲を撃ち抜けない
推進力の不足などにより、あまり使われない、大型化した大砲は現役

・射出槍
2m前後の槍、筒に1mほどの細長い槍を差し込んだ形になっており、臙脂石を推進剤に用いて射出する
有効射程は300m前後、鉄装を撃ち抜く場合50mの距離まで近付かなくてはならない
捕鯨銃のような物、貫通力が高く一般的な飛び道具といえばこちらになる


121 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 19:43:02 ID:40k8kMAT


【ヴィジランテ旅団 ベアトリス領内】


空に淡い雨雲が広がっている、私は外套を傘代わりに小雨に打たれる小麦の穂を眺めていた。
眼前に広がる肥沃の大地、大陸の荒れ果てた風土に比べればなんと豊かなことか、
不意に後ろから呼びかけられ案内を誘導を受けると、本部となる野営内へと入る。

「旅団のヒルデガルド様ですね? お待ちしておりました」

「いえ、残念ながら団長は病に伏せておりまして、
つきましては代行として、私がこの場へと馳せ参じた次第です」

「左様ですか、ではこちらへどうぞ」

薄暗い室内に各陣営の代表が集まり、急遽ベアトリス本領に対する会議が始められる。
私は周囲を見渡すと隣にいる亜人の女性と目が合う、恐らくは連合の手の物だろう。
向かいには髪を後ろへと纏めた、覇気の見えぬ男と付き添いの男がなにやら揉めている。

「この記号はどういう意味なんです?」

「槍だよ、こうやって向きを変えて配置すんの
さっきから質問責めだな、文筆家殿」

「僕、軍議に参加するのって初めてですから」

私が小さく咳払いをすると、ガセルダの代表と思しき男が頭を下げながら室内の人を払う。
見慣れない者達を数人残し会議が始められた、おおよそこの会戦は勝つ戦、
如何にして我々パルミナが有利な位置につけるかが争点となる。

「……まさしく恵みの雨ですわね、
旅団の代行で参りましたヨハンナと申します」

「イフティハルだ、いきなし、船を真っ二つにされたときはぶったまげたが
ツキはまだ、こちらにあるようだね」

「船を破壊する為に力を使用した以上、
しばらくの間、彼女の脅威は抑え込めるでしょう
私はアルメンテ領主代行、コルネリアと申します」

加えてこの視界の悪さでは近付く我々の動きを察知するのは難しくなる、
私は懐から一枚の羊皮紙を取り出し机の上へと差し出すと、立案した作戦を提言する。

「ベアトリス領内を分断するように広がる
水路の位置を纏めた物ですわ、皆様もご存知のとおり
我々はベアトリス城へと上りながら侵攻することになります」

「まともな方法で近付いては射撃の的になるねぇ」

「そこで水路に油を流し込み、火を放つことで敵の視界を立ち
地図上で示された位置をなぞるように侵攻すれば……」

「それでは、問題があるのではなくて?
水路を畑へと開いている今の時期、油を流せば農作物に被害が出るわ」

言葉を遮るように亜人の女性が語りかけてくる、確かに農作物に被害は出るだろう。
しかしその被害も織り込んだ上での作戦なのだ、私は一先ず自らの意見を飲み込み
彼女の考える作戦に耳を傾ける。


122 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 19:43:37 ID:40k8kMAT

「では、どのように?」

「敵の補給は行き届いておらず、火砲の運用すらままならない状況です
ひとまず補給を寸断する為に南の城門を押さえ、持久戦へ持ち込むのが上策かと」

「悠長に敵が降参するまで待つというの?
和議の条件は? 国王であるベアトリスの対応は如何なさるのかしら」

「アルメンテとしては助命することを和議の条件として出すつもりです」

女がそう告げると場には重苦しい空気が流れる、我々の目的は女系の女王である王家の血筋を断つこと
女王の死を持って終戦としなければ、今後の対応に不備が出るだろう。

「何を馬鹿な……」

「俺ら、ガセルダの方でも助命する方向で
和解しようと何度か使者を出してるんだけどね」

どうやら両者の間で何かしらの取り決めがあるのだろう、先日の戦艦にしろ
ガセルダ側の資金力で用意するのは困難な代物。私は下手に反論することを避け、
彼女の意見におおむね同意すると、水路の見取り図を手に取った。
直接処刑できなくとも、暗殺という手も有る……。

「現在、合同で混成した部隊をぶつけてるが
反応は相当鈍い、ベアトリス軍の大半は金で雇われた傭兵に奴隷だからな。
ガセルダ方面へ向かった部隊は砦の兵力合わせて8000、
これが指揮の混乱による脱走で5000程度にまで減少……」

「外城の城壁を利用すれば、2000程度の兵力でも防衛は可能ですわね」

「そうさね、南門に陣取り貿易港への道を塞いだ場合、
事が窮するのを待つ前にベアトリス軍は討って出てくる筈
城内の敵の規模は……まぁ多くて3000程度だな」

合同で展開されたこちらの兵力は10000を既に越え、
門の防衛に兵力を割いても8000、会戦を迎えるには十二分すぎるほどの余力がある。

「つまり、こちらの勝ちはこの時点で決定した訳だ、
この戦局がひっくり返ることはまずありえねぇ」

「油断されていると足元を掬われますわよ」

「その辺はおたくらを”信用”させてもらうよ
後ろからバッサリなんてのは御免だからねぇ、ははは
んじゃ、馬に飼い葉やる時間なんで、そろそろ失礼」

そう言うと男は2人席を立ち、本部の外へと歩きながらその場を離れる……喰えない男、
豪胆放逸な性格だと噂に聞き及んでいるが、あの目は何者も信用していない目に見える。
我々の内、いずれかが裏切る手筈を取り付けても、それも彼の予測の一つに入っているだろう。

私は連合の亜人の目を一瞥すると、軽く会釈をし後を追うように本部から外へと出る。
雨は本格的に降り始め、私の外套へと降りつける、雨の簾で塞がる視界を歩く内に
言い知れようのない不安に捕らわれてしまう。

私を”信用”出来る者などいるのだろうか?


123 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 19:44:32 ID:40k8kMAT


【ベアトリス会戦】


曇り空の中から降りつける雨が俺の頭を濡らす、遠くから聞こえてくる戦場の喚声が耳に障る。
雨音を掻い潜るようにコルネリアの鉄装が姿を現す、無用心にも護衛の姿は見えない。
俺が彼女と目を合わせると、こちらへと語りかけてくる。

「カルロ、濡れるわよ」

「汚れを落とすには丁度良い……前線の様子はどうだ?」

「心配はいらないわ、連合は物資の供給を止め
備蓄していた燃料も底をついている、もはやベアトリス軍に抵抗力はない」

「それで、俺に何をさせる気だ、
案山子としてここに立たせておく訳でもないだろう?」

俺がそういうなり彼女は兜を脱ぎ雨水を顔に浴び、纏めた髪を撫で上げると、
口頭で俺に依頼を伝えた、俺は彼女の声に耳を傾ける。

「貴方に頼む依頼は3つ、1つ目は軍師リュゲルの殺害
彼はこの戦乱を起こした首謀者、生かしておけば禍根が残るわ
2つ目に執政室の書庫に火を放つこと……」

「知られては不味い連合の資料でもあるのか?」

「えぇ、秘密裏に交わされた、ベアトリス軍と連合との同盟を記した文書よ
それに加えてもう1つ、ベアトリス女王を捕らえ、私の元まで連れてくること」

「……何故そんなことを?」

俺が疑問の言葉を放つと、彼女はわずかに動揺を見せたが
恐らくは機密に当たる情報を彼女は隠すことなく話し始める。

「この戦乱で彼女が命を落とせば、西大陸は島へと派兵する口実を得るわ
”王政を打倒した謀反人を討つ”という大義名分が手に入る」

「そこで連合が”人質”としてこの国の女王を確保することで
東西の緩衝を得るという訳か……」

「そう……そうね、国は実利に伴って動くもの、
島への侵攻を許せば、西大陸の覇権はますます成長することとなる」

俺は鉄装に銅柱を差し込み鎧を始動させると、戦場へと一歩踏み出す。
人が変えることの出来ることなど些細な物だ、どれだけ地獄の底で足掻こうとも
うねる様に変化する時勢の流れを人の力で断ち切ることなど出来はしないのだから。

「カルロ、貴方には何も遺らない、例え戦いの中で命を落としても
……貴方の養父様と同じように」

「彼が遺したからこそ……俺が今ここに居る」


124 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 19:45:37 ID:40k8kMAT

降りしきる雨の中、撥ね上がる泥に塗れながら俺は剣を振るうと、
次々と薙ぎ払われる敵の骸が水路を埋め尽くし、怖気づく敵兵が悲鳴を上げながら散り散りに逃げ出す。
道を塞ぐように立ちふさがる城壁に射出銃を向けると、城壁に上部へとフックをかける。

「随分と静かだな」

城壁を昇りきり数人の見張りを打ち倒すと、城壁から城の周囲を見渡す。
防衛についているのは100余名程度、俺は城壁から飛び降り警備を掻い潜るように
城へと近付き、背嚢の銅柱を捻り虚空へと舞い上がった。

城の窓枠を突き破り、城への侵入に成功すると
部屋の隅で1人の給仕が震えているのが目に入る。

「ひ……ひぃ……」

「リュゲルはどこに居るか知っているか?」

「リ、リュゲル様なら……し、執政室に篭っておられます
お願いします、命だけは……」

「安心しろ、そこまで俺は暇じゃない」

部屋から廊下へと出ると、広い通路を歩きながら執政室へと向かう、
見張りに気取られぬよう護衛の兵達を射出銃で打ち倒すと、部屋の扉を潜る。
部屋の中で頭を抱える男が物音で振り向くと俺と目を見合わせ、驚愕の表情を浮かべる。

「誰だ……お前は」

「ベアトリス軍師、リュゲルに相違ないな?」

「き、貴様は一体どうやって……
単騎でここまで攻め寄ってきたというのか!?」

「……悪いな」

俺は剣を翻し男の胸元を斬りつけると、鮮血を撒き散らしながらその場に倒れこんだ。
胸元に繋げていた胸飾りの鎖が切れ、金属音が部屋の中に響き渡る。

「こんな……こ、こんなバカなッ!
こんな所で私が……死ぬ筈がッ!!」

男は噴き出す血を押し戻すように掌を押し当てながら、落とした胸飾りを拾おうと腕を伸ばす。
俺は胸飾りを拾い上げ確認すると、そこには一人の女の胸像が描かれていた。

「か、返してくれ、マルキアを……私は」

胸飾りを伸ばした腕に掴ませると、リュゲルは描かれた胸像を見つめながら涙を流す。

「すまない、マルキア……き、君の仇は……討てなかった」

「……」

そういうと男は息が切れたように息を引き取る、この男も遺された遺志を継ぐ者だったのだろう。
俺は男の遺体を抱え上げ部屋の外へと遺体を移すと執政室へ火を放つと、
騒ぎに気付いた親衛隊が俺の前に姿を現した。

残すはベアトリスの身柄の確保のみだ。


125 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 19:46:08 ID:40k8kMAT


【戦乱の終焉】


闇夜の中を雨が降り続けている、先ほどまで聞こえていた戦いの喧騒も
今となっては届くことはない、恐らくはこの城もじきに落ちる。
強大な大陸な干渉に対し我々は最後まで無力だった。

「ベアトリス様……」

「ドルバトゥール、戦況は?」

「残念ながら力及ばず会戦に敗れました、兵員の指揮の低下に
歯止めがかからず壊走を続け、最早戦列の維持は困難です」

「ドルバトゥール、最後のお願い……頼んでも良い?」

補給を寸断され篭城することも適わないとなれば降伏するより他はない
私は彼の手を取り、両の目を見つめる。

「私を斬って貴方が王になるのよ」

「!? 何を仰るのですか」

「そうでもしなければ……この戦乱により根付いた民衆の不信は断てないわ
貴方が私を斬り、彼らに私の首を差し出すの、そうすれば――」

「私の命は助かる……そうお考えですか?」

私の心を見透かすように彼が言葉を紡ぐと私の言葉が詰まる、このまま和議を結び私が助命されようとも
彼に対する責任の追及が消える訳ではない。

「既にアルメンテ側との降伏勧告を受け入れ交換条件を提示しました、
貴女のお手を煩わせる事も御座いません」

「ベアトリスの名において貴方に命じます! 私を……!」

「残念ながら、その命令に従う訳にはいきません」

その場で踵を返す男の後ろから手を伸ばすと、彼はその手を跳ね除けながら。
私の目を見据え、けして視線を外すことなく言い放った。

「ベアトリス、やはり貴女はただの田舎娘のようだ――」

「!?」

両の目から涙が零れ落ちる、この城に来て6年もの間一度として流すこともなかった涙。
彼は騎士という身分の立場でしか私を見てはおらず、彼にとって私はただの身勝手な厄介者なのだ……

しかし、それでも……私は彼を失いたくはなかった。


126 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 19:48:43 ID:40k8kMAT


【騎士と奴隷】


鉄の甲冑が軋む音を立てる、この鎧を身に纏うのも恐らく今日が最後だろう。
兵には降伏を受け入れたことを通達してはいない、私は賊が来るのを待ち構えるように
通路の中央で身構える、侵入者がベアトリス様の部屋へと通るとあればこの道しか残されてはいない。

「来たか」

「……何者だ」

「私はベアトリス軍総司令、ドルバトゥール
生憎この先へ通すわけにも遺憾、貴様にはここで死んで貰う」

一気呵成の勢いで斬りかかる男の剣を篭手で弾きながら、こちらも剣を突き出し反撃を加える、
並みの手だれであればこれで勝負がつく、しかしこの男は容易に身を翻し私の剣を避けると
体を反転させながら繰り出す斬撃により私は腹部を貫かれた。

「まさか……これほどまでとはな、だが……」

私はその場で膝をつき前のめりに倒れこむ、腹部から溢れ出す血が掌を濡らす。
ベアトリス様は……まだ泣いておられるだろうか?

「これが……私の」

この城に来られた時、私は貴女に従属することを拒絶していました。
ただの平民の娘が物珍しげに部屋を荒らし、礼儀・作法などあったものではないのですから、
ほとほと手を焼いたものです。

「……」

しかしこうして死の淵に立たされた今でも、気にかかるのは貴女の事ばかり、
ベアトリス様……貴女様を遺しながら逝くことをお許しください。

叶うことならば……私は騎士としてではなく、一人の男として貴女を護りたかった。

叶うことならば……貴女と――


127 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 21:26:48 ID:5xm47YVl
ほれ、死ぬまで書け

128 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 06:21:21 ID:hCsO9OKU


【王暦78年 ベアトリス港】


港の大都市へと朝焼けの光が差し込む、ベアトリス統一戦争より十余年の歳月が流れ、
人々の心から忌まわしき過去の記憶は次第に忘れられようとしていた。
住宅地の一角に立つ屋敷の一室で、栗色の髪をした1人の少年がベットの上に横たわり寝息を立てている。
少年は窓を叩く小鳥に足音で目を開け、大きく伸びをすると窓の外へと目を向けた。

「ヒルデ起きなさい、朝ご飯できてるわよ」

「はぁい、今行くよ義母さん」

少年が頭を掻きながら食堂へと向かうと、義理の母であるヨハンナが食卓にスープを並べている。
彼は壁にかけられた生前の母の肖像画を眺め、口に出すことなく朝の挨拶を済ませ
彼女は席に座るように促されると、二人で食卓を囲み食事を始める。

「この間、街中でバティアトゥス先生とお会いましたわ、
ヒルデ……授業をサボってるらしいじゃないの」

「え!? ち、ちゃんと受けてるよ」

「誤魔化さないの、剣術の修練から逃げてるとお聞きしたわ
あまりご迷惑をおかけしては駄目よ、貴方は由緒ある
リューゲル家の子息としての自覚を……」

「だってトリ先生、木剣でビシバシ打って来るんだもん
それにほら、今の平和な時代、必要なのは学問だよ」

少年がその場を取り繕うように言葉を放つと、眼鏡の奥にある金色の目で睨みつけられる。
小柄な体に編み上げた髪、人目では穏やかに見える女性でも、
少年にとっては怒ると怖い義理の母なのだ。

「あ……もうこんな時間だ!
じゃぁ、義母さん、行って来ます!!」

「お待ちなさいヒルデベルト、まだお話は終わってません!」

後方に落ちる雷から逃れるように少年は脱兎の如く逃げ出すと、
朝から目覚め活気付き始める街並みの中を走り抜ける。港へ停泊しているガレー船を横目に見ながら、
歩みを止めると何者かの気配を感じ振り返った。

「キュ……」

「わ、何だ、この変な生き物、貨物船に紛れてきたのかな?」


129 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 06:24:14 ID:hCsO9OKU

もこもことした鼬のような生き物が首を捻りながら、こちらを見つめているのが目に入る。
生物を捕まえようと手を広げ、摺り足で近付くと少年の腕を潜り抜け。
近くにいた少女の体をかけ昇り、長い髪の中へと姿を隠した。

「あ……と、ごめんその動物……君が飼ってたの?」

「……別に」

金髪に碧眼の瞳に亜人であることを示す細長い耳、細い体躯に似合わぬ無骨な防具を体に身につけ、
腰には2本を剣を指しているのが見える、亜人と言えば経済的に恵まれた者が多く、
煌びやかな衣装に身を纏っているのを少年はよく見かけていた。

しかし、その少女から感じられるそれは、非常に泥臭いものであるように感じられ、
俄然その少女に興味の湧いてきた少年は自らの名前を名乗り、彼女に質問を加えた。

「僕、ヒルデベルト・ファナ・リューゲル、君の名前は?」

「名前は……ないの」

「え? あ、そうなんだ」

出鼻を挫かれ慌てた様子を見せる少年を尻目に、少女は船宿から出てくる男に目を向け
走り寄った。古ぼけた襤褸を外套のように頭から被り、口元だけは辛うじて確認することが出来る。
少女と同じように腰に指した2本の剣、脇には銃らしきものが覗き
背嚢には大小様々な武器が詰められている。

男は少女の元へと近付くと頭上から声をかける。

「どうしたロゼ、何かあったのか?」

「……何でもない」

少女は振り返ることなく男の後を追うように着いていき、雑踏に紛れその姿は見えなくなった。

賞金稼ぎ。
依頼により害獣を駆逐し、場合によっては賞金のかかった人の首をも斬る忌業。

自分とあまり年の変わらぬ少女がそのような立場にあることに少年は憤然としたやるせなさを覚えると、
遅刻した時間を取り戻す為に通学路の道を駆け出した。


130 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 09:40:46 ID:0hJ7X+WL


【地方警備隊 本部】


子供連れの剣士が警備隊本部の門を潜ると、物珍しげな好奇の視線が2人へと投げかけられる。
少女の風貌もさることながら、亜人と人間の二人連れという組み合わせもますます目を引く一旦となっていた。
男は近くの警備兵に話を通し、建物の奥から警備隊の隊長が姿を現す。

「カルロ? カルロか!?」

「しばらく見ない内に随分と出世したな、フェルダー
変わりないか?」

「あぁ、シュタインとルロワも街で商売を始めて
上手くやってるよ、それはそうと……」

フェルダーが男の外套の陰へと潜り込むように姿を隠すと顔だけを向け、いぶかしむ様子で警戒している。
おおよそ近隣に出没した悪魔の存在を聞きつけやってきた事の予測はついたが、少女に関しては予想外の来訪者であり。
頭を掻き何事かを尋ねるように口を開く。

「この子はどうしたんだい、見た所……
まさかコルネリアさんと?」

「お互いの長所を掛け合わせたらどうなる?」

「え?」

「その答えがこの子なんだそうだ」

そういうなり男は少女の頭に手を乗せると少女は顔を紅潮させて俯き、ぺこりと頭を下げる。
フェルダーは慌てて礼を返すと、少女の顔をまじまじと観察する、確かに双方の血を分けているようにも思え、
何故そのような子供に武装させているのか頭を捻る。

「じゃぁ、結婚したんだねカルロ、
遅ればせながらおめでとう、祝福するよ」

「いや? していないが……それはそうと
仕事の話だ、現れた魔物について詳しい話を聞かせてくれ」

「あ、あぁ……分かった」


131 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 09:41:18 ID:0hJ7X+WL

空いていた部屋の一室に通すとフェルダーはことのいきさつをカルロに告げると、
一個小隊が鎮圧に当たり、魔物が現れた山へと向かった兵達が未だ帰還していないことを告げた。

「馬車の交易で被害を受けた商工団から
突き上げを食らって、兵を出したんだが……下手をすれば」

「魔物は土塊からでも生まれることが可能だが
完全に実体化するまでは時間がかかる、まだ発見出来ていない可能性もあるさ
突然邪魔して色々とすまなかったなフェルダー」

「こちらこそ力になれなくてすまない、またねロゼ」

「……ん」

そそくさと逃げ出すようにロゼが玄関へと駆けて行くと、父親が頭を下げ娘の後を追う。
小隊の後を追うため乗り合いの馬車へと2人は乗り込むと、
少女は先程、父と話し込んでいた男について尋ねた。

「お父さん、さっきの人は?」

「昔の仲間だ……ここで戦争があった時のな」

「お父さん、沢山人を斬ったの?」

「……あぁ、斬った」

車輪が石に乗り上げ馬車が弾むと、男はかつていくとどなく乗せられた”棺桶”の様子を思い起こし
掌を見つめ鼻を撫で、懐から取り出した水筒の水を口に含んだ。

「強かったんだ」

「強弱は関係ない、重要なのは生き残ることだ
剣にしろ飛び道具にしろ、限られた間合いの範囲でしか効果はない
相手の得物を把握し、安全な位置取りを先んじて取るように心がけろ」

「へへ、私も”神剣”を使えるようになれる?」

男は少女の顔を見合わせ口元で薄く笑うと、少女は不貞腐れるように頬を膨らまし、
鉄の具足を男の具足と克ち合わせる……負けた奴は死ぬ、男はそういう世界で生きてきた。
強弱など何の慰めにもならない、一度生き残る時に、二度生き残る度に、積み重ねられる”死の確立”
何千もの死の刃を喉元に突きつけられ、無事で済む人間などいない筈だった。

神に愛されたと言うよりは、神に嫌われたと言う方が適切だろう。


132 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 19:40:24 ID:Hj4khL4a
さあ、上げて進ぜよう

133 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:36:00 ID:b3GhxCCz


【パルミナ北部 山岳地帯】


魔は魂のみの存在であり、その精神的質量により他界への扉を潜ることが出来ない。
死を持って生まれ変わることも滅ぶこともなく、強固な肉体を形成し幾度となく蘇る。
地に溢れる最も多い種族、人間を糧とする為に……。

馬車から降り目的地へと到着した二人は山道を昇り始めた、日は真上に位置し正午を告げる。
歩き続けていた2人の視界に、血の赤が飛び込んだ。

「どうやら間に合わなかったようだな」

「血が暖かい? まだ付近にいるのかも」

少女は寸断された胴から流れ出る血に手を触れると、周囲を見渡し敵の姿を捜す。
傷口は猛獣に食い千切られたような歯形が見られ一部の遺体は焼け焦げている、そのことは
現れた魔物が比較的大型であることを示していた。

「魔力持ちか……厄介な」


134 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:36:35 ID:b3GhxCCz

轟くような咆哮が森の中から聞こえてくると、2人は声のする方角へと駆け出す。
鬱蒼と生い茂る森林の中で銅鎧に身を包んだ隻腕の戦士が指揮を取り敵を囲んでいる。

「小隊長、野郎、まだ向かってきます」

「チッ、たまに招集がかかったと思えばこれだッ!
一箇所に固まるな、森林に散兵して敵の行動を拘束しろ!」

警備団の指揮を振るうトリフォンへと近付く巨躯の獣、浅黒い肌に丸太のような腕を振るい。
空気中に発生した球電による熱で地面を焦がす、隠れている木に雷が走ると浸透した電圧が貫通。
男の体を電流が駆け巡った。

森林の中から飛来した射出槍と銃弾が魔物の体を捉える、先陣を切り駆けてくる
賞金稼ぎの姿を兵士達は確認すると、小隊長は散兵している兵たちに号令をかけた。

「救援か? よし援護だ! 槍をありったけブチ込め」

次々と打ち込まれる槍に体勢を崩した魔物に男は足元から斬りかかる、その身長差およそ2倍。
振るわれる攻撃を身を翻して避け続け、攻撃に気を取られた魔物の体が前傾姿勢となる。

「ロゼ……今だ!」

鉄装歩兵の開発進歩により軽量化の進んだ武装は、稼働時間の延長と瞬発力の増強をもたらした。
1人の少女が跳躍し4mを越す巨体の頭部を目掛け握った剣を頭蓋へと突き立てる。
魔物の恐怖に満ちた眼を少女は冷徹な目で見下ろすと、柄を捻り剣先を射出し
脳内を攪拌し、頭蓋を完全に粉砕すると地面へと着地した。

「おいおい、冗談だろ?」

「怪我はないか?」

「あ、あぁ、なんとかな、かなり被害が出たが
まさかここまでのバケモンだとは思わなかったぜ……」

トリフォンが少女の顔を見て呟くと、ムッとした様子で少女は男を睨み返す。
はからずも少女の心象を悪くした男は兵を纏め帰還する準備を整えると、馬車へと乗り込み。
警備隊宿舎へと到着する、宿舎の前には男達の帰還を待っていた者が集まり。
馬車から降ろされた遺体を確認すると嘆きの声を上げた。

「……」

「セリミア、待たせて済まなかったな
今から本部へ報告に行って来る……もう少し待っててくれ」

女は足を引き摺りながらトリフォンの胸元に顔を預け、報告へと向かう男を見送ると
負傷して帰還した周囲の者達の搬送に協力した。


135 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:37:47 ID:b3GhxCCz


【新たなる神剣】


一通り作業を追え、宿舎の一室を借りた親子は談笑を交えつつ軽い食事を済ませると、
外から現れた来客の声に呼びかけられ、宿舎の扉を開ける。
そこには1人の女、ロゼの母であるコルネリアが立っていた。

「お母さん!」

「ふふ、元気にしてた、ロゼ?」

「うん……今日はね、凄くおっきい奴やっつけたんだ。
ロゼが止めを刺したんだよ!」

頭を撫でられ上機嫌の娘に母は微笑みかける、血生臭い日常もまた少女にとっては生活の一部である。
現れた女は椅子に座り込む男の前に腰を下ろし語りかける。
来るべき時が来たのだと、男は覚悟を決めた。

「カルロ……いえ、ディマカエリ
娘に……ロゼに”神剣”を譲ってくださらない?」

「あぁ、実力的には申し分はない、譲ろう」

「では、”神剣”は今どこに?」

男は薄く笑うと女の顔を見据えその場を立ち上がる、ロゼに剣を持つように呼びかけ
自らも剣を取るとし表へと歩き出し、見晴らしのよい丘の一つでその足を止めた。

「お父さん、どこにいくの?」

「カルロ、一体どうしたの? さっきから様子が……」

「”神剣”はここだ……」

妻子の方へと振り返るなり男はそう言い放ち、胸元に指をさす、困惑した表情を浮かべるコルネリアの顔を少女は覗き込むと、
父である男は剣を抜き、娘である少女へとその切っ先を突きつけた。

「な、何の冗談なのカルロ?」

「”神剣”が必要なんだろう、コルネリア……魔を討ち倒す破邪の剣、
ベアトリス建国に至る英雄を作り出した神器を……」


136 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:38:21 ID:b3GhxCCz

男が少女の下へと剣を振り下ろすと、寸前の所で身を退き剣の届かぬ射程外へと逃れる。
焦燥した表情で逃げ惑う少女に次々と剣閃を振るい、その全てを少女は避けてゆく。

「お父さん、やめて!」

「戦え、ロゼ!!」

「嫌だよ、いつもの動きよりずっと遅いもの、
お父さんだって本気じゃない! なんでこんなことを!」

「これが”神剣”に選ばれる者の運命めだッ!!」

娘に容赦なく突きつけられる剣戟を止めるように母が仲裁に入ると
男はその身を乗り出す女を跳ね除け、更に攻撃を加え少女を追い込んでいく。
コルネリアは次第に理解し始めていた、男の語ることがどのような結果を生むのかを。

「カルロ、もういいわっ! もう必要ない」

「コルネリア、もう後へと引き返すことは出来ない……
ロゼはもう既に選定され、その力の一端を見せ始めている」

「そんな……」

ロゼの放った剣戟を篭手で逸らし少女の腹部に突きを放つと、鎧の一部を弾き飛ばす。
その瞬間、少女の目に飛び込んでくる映像、偶然にももう一方に持っていた剣が父の胸板を貫き
流れ出る鮮血、少女はその場でへたり込み、立ったまま少女を見下ろす父の顔を見上げる。

「お父さん……お父さん!」

「ロゼ、お前は悪くない、誰も悪くないんだ
悪いのは俺だけだ……これでいい」

「……御免なさい」

「”復讐に意味はない”努々忘れるな」

口から噴き出す鮮血が溢れ男の胸元を濡らす、魔に翻弄され戦い続けた男は
ようやく訪れた安息の眠りを微笑みながら受け入れる、惜しむらくはこんな地獄でも手放したくは無い
護るべき者が出来てしまったことだろう。

息を引き取る直前、男が口をつく言葉は掻き消されついには目覚めることの無い、深い眠りについた。

その瞬間、ロゼの頭に記憶が流れ込んでくる、それは100年以上の長きに渡る戦いの歴史。
様々な戦場で”神剣”は常に戦いの渦中へと身を投じ、無限に生まれる魔と戦い続ける。
戦いに向かうのはいつの時代も持たざる者達であった。

――愛する者あれば命を惜しむ

――守る物あれば命を惜しむ

――誇るものあれば命を惜しむ

”神剣”とは何の見返りも齎されることなく、魔を屠る義によってのみ生かされる”奴隷”なのだ。

少女は息を整え、た母の元へと歩き出し、父の遺体を膝の上に乗せ流す母の涙をみる。
しかし少女は不思議と父の死に涙を零すことはなかった。

父から受け継いだ魂は今、確かにここにあるのだから。


137 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 13:46:45 ID:r8KZNtSB


【ベアトリス湾 酒場】


数日後の街角、まだ日も落ちぬ頃、雑踏をかき分けるように女が酒場の敷居を跨ぐと
酒瓶に埋もれながらうずくまる、女の元へと近付き顔を覗き込む。虚ろな目に沈む瞳は濁り
あの会戦の時に見た、女の精悍さは見る影も無くなっていた。

「合席しても宜しいかしら、コルネリア」

「ヨハンナ……私に何か用?」

「貴女の耳にも入っているでしょう、西側の管轄する地域を連合へ明け渡す調印に対し。
北部領土委譲に対して反対する西側の抗戦派が兵を出しているわ」

「条約で決まったことでしょう、最も
そう仕向けたのは連合の上層部だけど」

女はそう履き捨てると懐から書簡を取り出しヨハンナに向かって投げ渡した、
そこには東西の代表を中立であるベアトリス島へと召喚し、条約を再締結する日時と場所が書かれている。
重要な文書を易々と明け渡すコルネリアにヨハンナは眉をしかめ問いただす。

「どういうおつもりかしら?」

「あげるわ、もう……どうでもよくなったの
倒すべき敵を目の前にしながら、つまらないいざこざばかり。
うんざりしたわ、人間も亜人も皆同じよ」

「彼を失って、冷静さを欠いているのかしら?
貴女らしくもない……」

「馬鹿な男よ――」


138 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 13:47:21 ID:r8KZNtSB

女はそういうとなみなみと注いだ酒を呷る、殲滅した筈のベアトリス島にまで及ぶ魔の顕現。
本国では既にあらゆる場所から侵攻を始めた魔物の襲撃により、小さな集落や村は壊滅する危機を迎えていた。

「人は強い者には逆らわず、自分より弱い者にその剣を向ける
その事が分かっていながら、あの人は命を賭けたの……」

「彼に近付いたのにも目的があったのでしょう?」

「そう、私の言う事は何でも聞いてくれるのよ
統一戦争の後、奴隷商から彼の命を買い上げた時から。
あの人の命と引き換えに、私が望むものも手に入れたわ……」

杯を持つ手が震え、俯きながら言葉を放つとコルネリアは相手の目を見据え愚痴をこぼす、
互いに愛情があるわけではなかった、その事は死んだ男も生き残った女自身も理解していた。
”神剣”を手に入れ亜人の下へと繋ぐ、その為の逢瀬だった。

「ふふ、あの人ったら、寝てても私が言うまで手を出さないのよ。
それで、夜までずっとそのまま抱き合って眠るのが好きだった、笑っちゃうでしょう。
初心な娘みたいに、彼が傍に居てくれるだけでだけで安らぐの」

「随分と酔っているみたいですわね」

「……もう用は済んだんでしょう? 帰って頂戴」

女が杯を机の上に叩き付けると、ヨハンナは席を立ち、その場から離れ去っていった。
1人残された女は手元に残った酒を呷る。心に残る邪魔な記憶を消そうと、酒を注ぎ思い出を塗り潰す為。
次々と思い起こされる記憶を誤魔化す為に1人ごちる。

「彼が恨み言の一言でも言ってくれれば、まだ救われたのに……」

女の両の眼から涙が溢れ出す。

「馬鹿な――人」


139 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 13:47:59 ID:r8KZNtSB


【ベアトリス港 郊外の山林】


数人の子供達が山林の中を探索している、剣術の教練をしているスパルタ教師が
魔物に不覚をとったと言う話を耳にし、大人達の鼻を明かす為に山林の探索に踏みきる事となった。
勇ましく指揮を振るう年長組の少年を先頭に、少年達は周囲を見渡す。

「どうよヒルデ、見つかったか?」

「そう簡単に見つかりっこないって、早く戻ろう……
帰りが遅くなると義母さんが煩いんだ」

「何ビビッてんだよ、聞いた話じゃこの森に出る奴は
小さい方なんだ、俺達なら余裕だって!」

しばらく歩みを進めると開けた林へと抜け、そこに蠢く小さな人影のようなものが蠢いていた、
歪んだ顔に爛々と輝く黄色い眼孔、避けた口が笑うように歪むと、細い体躯を撓るように沈み込ませ
林の木々に飛び移るように跳躍した。

「な、なんだッ! さっきのはどこ行きやがった!?」

「上だよ! 木の上を移動してるんだ!」

1人の少年に圧し掛かるように魔物が飛びつくと地面に押し倒され
錯乱した少年はあらぬ方角へと射出槍を放ち、放たれた槍が仲間の肩を掠める。
悲鳴を上げのたうつ仲間を救うためヒルデは手に持った剣で斬りつけるが、魔物の体を弾くだけに留まった。

「き、斬れないの? なんでッ!?」

「クソッ! 槍だッ……槍を撃てッ!!」

指揮を取る少年が槍を放つように指示をするが、素早く動く魔物に照準が合わせられず
次々と山林の奥へと槍が消えていく、飛び道具を失い負傷者を抱えた少年達が後退るのを見計らったように
魔物の体躯が伸び上がり、ヒルデの顔面へと爪を振るった。


140 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 13:48:31 ID:r8KZNtSB

次の瞬間、放たれた銃弾が魔物の体を弾き飛ばす、いつぞや出会った少女は銃を懐に戻すと
2本の剣を握り魔物へと迫る、跳躍し視界から消える魔物を追うように少女は跳躍すると
木に足をかけ空中で体勢を反転し、すれ違いざまに魔物を斬りつけた。

「君は、あの時の?」

地面へと着地した少女の髪の中からもこもこした生き物が顔を出す、
ロゼは少年のことを思い出したのか、動けなくなった少年達の顔を見据え話し始める。

「何をしているのこんな所で?」

「そ、その、魔物を退治しに来たんだ……」

ヒルデと少女は互いの顔を見合わせると、少女は目を逸らし足元に転がる魔物の姿を見つめる。
息も絶えだえに動く魔物を取り囲むようにヒルデが仲間に指示を出し、
仕留めるよう伝えると、ロゼが見咎めるように口を挟む。

「止めを刺すだけなら、そこまでする必要はないわ」

少女はヒルデに剣を手渡すと魔物の前に立たせ、止めを刺すように促す。

「貴方が止めを刺したらどう?」

少年は血の泡を吹きながらもだえる魔物の前でしばらく立ち尽くしながら、
思い直したように剣を振り上げる、しかし、体は硬直したように動かず、その剣を振り下ろすことが出来ない。
魔物の目に浮かび上がる絶望の眼が彼自身の脳裏に焼き付く。

「で、出来ないよそんなこと」

「自分の手を汚すことなく戦うのは、卑怯者のやること……」

ロゼの振るう剣が魔物の頭蓋を打ち砕き顔面を潰すと、吐き気を催した少年達が思わず目を逸らす、
少女は返り血を浴びた剣を懐から取り出した布で拭い落とし、ヒルデに手渡した剣を受け取ると
踵を返しその場から歩き出し、姿を消した。

「何だ、あの女おっかねえ、ヒルデの知り合いか?」

「前に港で見かけたんだ」

ふと、少年は自分の手が揺れていることに気付いた、恐怖から来る震えが全身を揺らし、
抑止しようと意識するほど震えはますます大きくなっていく、先ほど魔物が斬れなかったのも
心のどこかで命を奪うことに対する恐怖心を抱いていたからだろう。

もしくは自分の感性とは異なる人種との出会いがそうさせたのか、少年には分からなかった。


141 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 13:49:06 ID:r8KZNtSB


【ベアトリス港 邸宅】


玄関先で仁王立ちする義母に注意を受け少年は頬をつねられると、家の中へと迎えられる。
浴室で体を洗い流し、浴びていた返り血が溶け出すと少年は何度も体を洗い流した。
食事の席に着き、義母と顔を見合わせ少年は語りかける。

「義母さん、亜人って知ってる?」

「えぇ、東の連合を統括する異種族を総括して
亜人と呼ぶのですわ、我々西大陸とを二分する大国……
近い内に争うことになりますわね」

「争うって? 戦争になるの、嫌だよそんなの」

少年がそう答えるとヨハンナは食事をする手を休め、グラスに注いだ水を口に含み。
彼の顔を見つめる、戦乱の世の中にありベアトリス女王を内へと引き入れた連合の力は
西大陸に匹敵するほどにまで成長することとなった。

「貴方が産まれる前に起きた統一戦争も、西大陸に対する牽制。
連合との密約が元になって起こった騒乱ですわ
半ば彼らにその責任がある……」

「でもそれだと、あの娘と戦うことになるよ」

「あの娘?」

「亜人の女の子に助けてもらったんだ、今日はそれで遅くなって……」

その言葉を聞くなりヨハンナはそれ以上食事に口をつけることなく席を立ち、自室へと向かった。
義母がこうなる時は決まって、とても機嫌が悪いことを知っていた少年は口をつぐみ
自分の部屋へと戻ると、椅子に座り込み剣術の教本を開いた。

「読むのは簡単なのに、上手くいかないなぁ」

眉をしかめ近くにあった木剣を手に取り、部屋の中で剣を振るい始めるが
覚悟を伴わなければ、実戦に活かせることはないと、傍と理解した少年はベッドの上へと身を投げ出した。
表は薄暗く夜の帳が街を包み始めると、少年の自室に義母が現れ、少年の傍へと腰を下ろす。


142 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 13:49:48 ID:r8KZNtSB

「義母さん、さっきはごめんね」

「いいのよヒルデ、貴方はとても優しい子ですもの
争いを好まないのも仕方の無い事ですわ」

「義母さん?」

しなだれる様に少年の肩に女が顔を近付けると、俯く少年の顔に手を添え互いに見つめ合う。
女は強引に唇を重ね合わせると身を退く少年をそのままシーツの上へと押し倒し、顎の根元を押さえ舌を捻じ込む。
唇から唾液の糸を引き女は唇を離すと、震える少年の顔は紅潮し両の腕で顔を隠す。

「可愛い、私のヒルデ」

「何故? 何故こんな……」

「貴方を愛しているから」

彼女はその本心を少年に打ち明ける、憧れを抱いていた彼の母が産んだ最後の忘れ形見、
性格は父親似ではあるものの、その姿かたちは母親の生き写しと見紛うばかりの姿をした少年。
女は羽織った衣類を脱ぎその肌を外気に当てると、今まで抑えてきた黒い欲情を歳の離れた少年の前に曝け出した。

「あ……」

「いいのよヒルデ、全てを私に任せていいの
何の心配もありませんわ」

今まで肉親同然に慕ってきた義母の豹変振りに戸惑う少年は、自らの上に跨る女の体を直視する。
透けるように白く張りのある肌、そして自らを見下すように微笑みかける金色の瞳、
そこにいたのはただ1人の女だった。

「義母さん……」

「今日みたいな事が二度とあっては駄目よ、分かるわねヒルデ?」

少年が体を引き攣らせると抵抗力を失ったのか呆けた表情で頷く、女は満足そうに微笑むと
彼の胸に顔をつけ首元まで舌を這わせる。

――彼の全ては私の物――

その証を刻み込むように女は首筋に強い口付けを交わした。


143 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 16:22:00 ID:Mskttzyk
ごめんスレタイ「糞スレ創作」って見えたけど違うスレ開いてるみたい俺バカだなアハハ

144 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 04:29:04 ID:JRwu6kJC
また他所に移るのか?

145 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 08:40:58 ID:rCBt0lNq
エロ禁止令

146 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 08:57:44 ID:iTlHzSDy
まだ容量だいぶ残ってるね

147 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 23:12:07 ID:+8SbEkL7


148 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/08(土) 04:11:40 ID:Beh5Oe+j
オレをストーカーするくらいの技能があるなら、
もっと他のことに力・エネルギーを傾けた・使った方が人生賢明だ
そのサイバーの技能だけは大したもんだしな
もっと建設的に使った方がいいというものだ

149 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/08(土) 04:24:46 ID:fM/57cCg
何のことでしょう^^
誤爆?

150 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 23:41:45 ID:RRODlmKp
【急報】

「ヴィジランテ旅団が壊滅しただと!?」

「……は、たった今、レイヴンがもたらした情報です。情報部の面々も見聞し、事実である…・・と」

「国王陛下は、この報をご存じなのであろうな」

「いえ、まず情報部より至急、将軍のもとに報告さしあげろと。作戦内容について、大幅な変更を余儀なくされるであろうからと」

「うぅむ……ご苦労だった。下がり、休息するがよい」

伝令士が退室すると、男は長年執務をともにしてきたオーク材の椅子に体を沈めた。
まるで、へヴィ級の拳闘士が鮮やかな一発をもらい崩れ落ちた。そんな風に。
そして、震える手を机上のベルに伸ばし、力なく左右に振った。
試合終了のゴングの音のように、それは室内に鳴り響いた。

「これより、軍議を招集する。将校らを叩き起こし、軍議の間に集めろ」

執事にそういうと、自身もくまさんパジャマから、ものものしいプレートメイルに着替え始めた。

おりしも、王国歴78年の真冬。
一日中しとしとと降りしきる長雨が、王国最強の騎士団の葬送歌のように鳴り響いていた……。

151 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 04:44:25 ID:PWw1QnvT

なぜなにヨハンナさんのコーナー

聖堂の派遣員ヨハンナと申します
ちょっくらばかり、補足説明致しますわ
ヴィジランテ旅団は懲役免除を餌に集められた諜報部員
つまり私(わたくし)も犯罪者と言うことになりますわね

・ヒルデガルト
爵位を持った爺に言い寄られて、強姦されそうになった所を
脱走して逃げたのが問題になり、とっ捕まってしまいましたの
家督を継げない娘はこの時代、貢物扱いでしたので仕方ありませんが
頑なに拒んだヒルデに目をつけた諜報官が旅団を率いる団長として抜擢させました
レオニウスとの間に出来た息子である、ヒルデベルトを出産する際に死亡しました

・ヨハンナ
私はリアレス教の司祭で教鞭をとっておりました、この際に読んだ書物のおかげで
人並みには軍略をこなすことが出来ますの、教職は教え子に手を出したのがバレてクビになりましたわ
男は汚らわしくて触れるのも嫌いなので、無論お相手は女生徒ですのよ

・キアラ
ヒルデお付きの従者ですわ、ヒルデベルトが死亡した際に本国へ呼び戻されました
二重スパイと言うやつですわね

・フランチェスカ
壊滅した盗賊団の頭の娘ですわ、手先が器用で口もよく回るので重用されていますの
現在では私に隷属しております

・セリミア
騎士の娘でしたが犯罪に巻き込まれ、喉を潰された挙句に功罪の全てを押し付けられた娘ですわね
ドルバトゥールに切られ落馬した際に足を悪くしましたの、トリガシラとか言う男と所帯を持ったようですわ

と言うわけで騎士団でもなければ、旅団が全滅しても特に問題はありませんの


152 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 04:47:40 ID:PWw1QnvT
×ヒルデベルトが死亡した際に
○ヒルデガルトが死亡した際に

153 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 08:00:52 ID:UVScj/O8

バティアトゥス先生の余談講義

元赤銅の盾、参謀バティアトゥスだ
現在ではベアトリスはパルミナとガセルダを隔てた関所を撤去し
ベアトリス港としてまとめ交易をしており
大都市となったベアトリス街で教職についている

・ユリウス
ベアトリス会戦時に受けた傷が元で現役を退き、溜め込んでいた私財を元手に
救貧院を設立、そこで学園長をされている、ちなみに教育水準のレベルは
東連合>ベアトリス>西大陸だ

・トリフォン
ベアトリス会戦時に大砲の直撃を受けたにもかかわらず、腕一本で済んだ悪運の強い男だ
学園に就職した私の推薦で軍事教練の教職についている
副業で自警団にも参加しているようだ、セリミアとか言う女と同居中らしい

・アデニオン
ガセルダ侵攻作戦時に死亡したが死体はまだ見つかっていない
遺体のほとんどが原形を留めていないのが主な原因だ

・バティアトゥス
ベアトリスの学園で講師を務めている
官僚の幾人かが歴史を歪曲する為にベアトリスに残された書物を焚書したが
リオニアから大量の国書が見つかり、ここ数年でベアトリスの教育水準は飛躍的に高まった
失われた技術により、インフラの整備も進んだと言われている


魔法についての講義

・ベアトリス女王
ベアトリス国は代々女系の女王が戴冠する、血統を示すのは容易であり
受け継いだ強大な魔力の顕現を示すのは大概の場合、女王の血を引いている
元来”魔力持ち”は魔族との混生配合によって産まれるため
ベアトリス女王は魔と人間の中間種ということになる

・魔力
幽離(アストラル)空間から現存世界にエネルギーを転移することで魔法を生み起こすのが魔力だ
体の中に生来備わっている魔人血統としての魔力持ちと、自然世界に漂う魔力を収束できる魔力使いの二つがいる
分かりやすく言えば天才型と努力型がいる、人間と亜人の間にある差別意識はこの思想が根底にある

・亜人
亜人とは文字通り亜種に分類される人類だ、魔人血統を持つものが交配を繰り返し
血が薄まったものだと言われている、魔法を学問として昇華させたエルフ、頑強な肉体を持つドワーフ
精密作業に向いているホビット等が連合に参加している

亜人が長命と言われており120年程度
人間のこの時代の平均寿命は40歳前後である為、充分長命と言えるな


154 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 08:01:30 ID:UVScj/O8

読んでもつまらない裏設定

・ベアトリス戦争について
ベアトリスは島国であり、島にある4つの領土と植民地である西大陸からの税によって国政が賄われている
官職は軍務・執政の二大権力と行政における複数の大臣によって成り立っており、女王による任命制
軍師であるリュゲルは女王の意思を任意に操作させ、自分の手駒を官職につかせると暴走を始め
傀儡王政と化したベアトリスは各地の領主との税率や政策との行き違いから、疎遠となり
ついにはベアトリス統一戦争を引き起こした

・何故戦乱が起きたか?
小さな島国では資材を賄いきれない為、外国からの輸入に頼ることになる
各地の領主達は貿易による交易でその領土を拡大し、資金を得て女王に納める税と収益を上げていた
しかし、ここでちょっとした問題が起こる、東の連合と結ばれた”同盟条約”
国力をつけ、ベアトリスに匹敵する力を身につけた西大陸の独立を恐れた
先代のベアトリス国王が秘密裏に連合と結んだものだ

・国益の齟齬
抑止力となるべく結ばれたこの同盟条約に危機感を抱いた西大陸の官僚達は
海賊を敢えて無視し、ベアトリス商船に対する略奪と通商破壊活動を推奨して行った
貿易なくして経済が立ち行かない、ベアトリスに対する”脅迫行動”だ、リュゲルは妻子と共に不運にもこの海賊行動に巻き込まれ
この事件が彼の復讐心の一端を担うことになる、この事件から大陸とベアトリスの確執は深まり
修整不能な事態へと転がり落ちていく

・安全保障と三十三稿
ベアトリス領内における三領が官僚の決定を無視し、個別に西大陸との安全保障条約を締結した
この判断を翻意とみなしたベアトリスの官僚達は各地の領主に税率を上げ脅しをかけるものの反発を食らう
疑心暗鬼に陥ったベアトリス領は国内から孤立し、ベアトリス領からの安定した食糧供給を停止
三領を分断するように砦や関所を設けて反抗に備えた

そして西大陸より半ば独立を求める脅しとも取れる”三十三稿”の条約を突きつけられ
武力によるベアトリス統一を宣言”ベアトリス統一戦争”となった


155 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 15:17:07 ID:gb2D/Aul

天才イフティハルが語る西大陸の興り

ガセルダの若き新領主、イフティハル様による
西大陸の興国の歴史と現在の政況を説明しますよっと
植民地である西大陸は無数の領土により分かれており、小康状態の内紛が続いてるが
それらを取りまとめて西大陸と呼ぶ、一枚岩の大国とは名状しがたい状況な訳だな

・イフティハル
完全無欠の完璧人間、それがイフティハルだ
鍛え抜かれた肉体、美術彫刻を思わせるような優美なルックス
それもその筈、かの英雄”不死身のドレト”の孫にして、ガセルダの新領主である
早く俺もカッコイイ通り名が欲しいぜ

・マルコ
俺の取り巻きにして、家来第一号の文筆家
おふくろ以上に口煩いので会話すると説教になること、請け合いだ

・アル・アフダル
俺の教育係としてつけられた酒臭い爺さんだ
大人の遊びも色々と教えてもらったぜ、特に七並べが最高だな

知らなくてもよかった大陸予備知識

・西大陸の興国
歴史年表を見ての通り、元々人類は東西の大陸に分かれて住んでいた種族
しかしながら、魔族の台頭により生きる場所を失った人間達は、大陸を捨てて逃げちまった
その後、島国ベアトリスで力を蓄えた人々が兵を従え帰郷、大陸に蔓延る魔族を屠り
西大陸を救った、その中でも突出していた人物が”不死身のドレト”だ

・不死身のドレト
不死身のドレトは謎の多い人物であり、通り名の通り戦場では不死身だったとも言われる
魔物から奪い返す土地が、そのまま自らの領土となった時代
彼のような英雄が、より多くの領土を手に入れることは必然であったと言えるな
魔族どもから奪った広大な土地はそのまま中央都市「ゴード」となり
他の領土は中央の衛星都市となった

・中央都市ゴードによる植民支配
ゴードにはベアトリスから流れてきた貴族達が溢れ帰り、専制政治による植民地支配が始まった
王族に任命された大臣が国政を取り仕切り、俺等の英雄を顎でコキ使う
そんな状況を見かねた国民の中で反発が生まれ、タカ派とハト派が内部分裂を起こした

・南北を分けるジャルムとガラム
特に未だに魔族との戦闘が絶えない、北部の辺境都市ガラム
砂しかない南方都市ジャルムは、旨い所だけつまみ食いして持っていった貴族に対し猛反発
現在でも続く内紛の元となった訳だ、北方領土移譲に関する
領土移譲条約などは西大陸に反発するガラムを連合が上手いことノセた形だ

・政局の暴走
貴族連中の増長を見咎めたのは西大陸の一部だけに留まらず
ベアトリス本国もそうだった、特に大量に採掘される金の存在により、経済状況は逆転
大臣を解任すると、貴族達は労働量を減らし希少鉱物の採掘量を制限、本国に脅しをかけ始めた
新しく任命された大臣も即座に金と女の賄賂で骨抜きにされ、実質貴族が国を取り仕切った
洗脳教育により、国内では独立を望む声が高まり、国民の不安は怪しげな宗教で封殺
所得格差による貴族階級が、平民以下を一方的に支配する枠組みが完成された

・ガセルダの立ち位置
ドレトが中央都市ゴードを作り上げたとはいえ、これと言って高い評価を受けた訳じゃない
西大陸で名を馳せた英雄の親族は本国ベアトリスのガセルダへと送られる、要するに”人質”だ


156 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 15:17:38 ID:gb2D/Aul

ロゼの亜人連合説明コーナー

作者の文章力では分かりにくい点を説明する
鉄装鎧の技術、剣闘士、賞金稼ぎ、神剣使い……etc
次いで東の連合についても補足する

・ロゼ
私です

・カルロ・ロッシ
神剣使いとしてお祖父さんに養われ業を受け継がれた、ロゼのお父さんです
ベアトリスに送られる前は連合の所有下にある奴隷で、地面に打ち込まれた杭に鎖で繋がれ
体から流れる血の臭いに引き寄せられた魔物を斬る、連合北領砦に収容されていた最後の剣奴でした
その後ベアトリス軍に買い付けられ、戦役でも生き残ったのでお母さんに買われました

・コルネリア
神剣の研究者であり、真偽を図る為に神剣使いを死地に送り込んで検査していました
お父さんが戦闘で死ぬように仕向けたのは全て実験であり
神剣が呪いだということには気付いていなかったようです

・神剣使い
魔族を滅ぼす為に賢者によって作り出された剣……と言うのは建前で
その実体は自らを殺害した人間に肉体の身体情報を移し変える、呪いの一種
この呪術自体「かけられた者が戦いの中で死ぬ」ことを前提に作られている
ロゼの体の中にも百数十年に及ぶ戦闘経験が蓄積された
犠牲の数が多いほどより強くなる


細かい設定あれこれ

・剣闘士
見世物で奴隷同士が殺しあう競技、お祖父さんはここ出身

・賞金稼ぎ・用心棒
人に害を与える魔物の駆除や犯罪をして逃げる賞金首を殺してお金を貰う仕事
陸路での交易(トレーダー)を護衛する者や盗賊や魔物から村などを護る用心棒は”ヴィジランテ”と呼ばれる
仲介役となる案内所(ギルド)に書類を出せば誰でもなれる

・鉄装鎧の進歩
3〜5mm装甲板が当たり前の時代から、近年では最大装甲厚が10mmの物まで現れた
戦地以外では全身を覆うものよりも軽装の物の方が主流、臙脂石の出力向上と鉄柱(シリンダ)の小型化
限界最大積載量が増大が300sを越えても動けるようになった


157 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 15:18:11 ID:gb2D/Aul

謎の集団”亜人連合共同体”の解説

・東の連合の実体
亜人は様々な種族に分かれるけど、内向的なために外交的な摩擦や衝突が起きにくいのが特徴
ベアトリスから流れてきた移民は彼らの生活に馴染み、政治に興味を持った各種族は代表を集め共同体を発足
西大陸の中央都市ゴードと同じくして、連合を統括するエルフによりフランティエが誕生する
活発な研究や学問が行われ、研究成果や正否を判断する為に他国との干渉を強めることが多くなった
ベアトリス女王が訪れたことにより王都に指定された

・ベアトリス王女のその後
純粋な魔人としての意味合いを持つ、王女の存在は亜人の発祥を示す
最も興味深い検体であり、フランティエによる最重要の学術研究対象として保護されている
また亜人の人種的優劣を唱える人類学者にも大きな影響を与え、連合内の劣等種(人間)排泄論にも拍車がかかった

・失われた力を求める亜人
選りすぐられた種、前時代の失われた力を取り戻す為の研究が連合では積極的に行われた
”神剣”や”亜人の起源”、”魔法の探求”や”技術開発と兵器転用”に至るまで幅広い分野で研究が行われている
お祖父さんが倒したと言われている”竜”の存在を示す研究、魔物に幽離(アストラル)段階で
人為的に手を加え、自由に生成(召喚)する研究も進められている

・連合の規模拡大と経済成長
豊富な食料・資材と工業力によりめざましい発展を遂げ、ベアトリス戦役による
交易で多大な収益を上げることに成功した、これにより”戦争成金”ともいうべき富豪層が次々と現れ
武器や兵器などを製造する工場が次々と増産、より富を得る為の政策に影響を与えている
その政策とは”他国の争いに火を注ぎ更なる収益を上げる”と言うもの

・北部領土移譲問題
西大陸における北部領土ガラムにて、領土移譲問題に関する取り決めが行われた
西大陸中央の意思決定に逆らうガラムが、北部からの魔物の侵略と中央からの突き上げにより
連合を頼り事実上泣きつく形となった、ここを交易の中心として足がかりにしたい連合と
連合の内陸侵攻を恐れる大陸、更にはガラム反抗軍とゴード中央軍の戦中利益を狙う財閥の思惑により
情勢は混沌の様相を呈してきた……


158 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 16:50:24 ID:Q6Uh10g6
シャアード・ワードを作ろう!
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221835124/

こっちも盛り上げてくれ〜

159 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 21:31:33 ID:PANBb08l

 【軍議の間】


「彼奴らめが全滅したというのは真の話なのか?」

「ああ、〈情報部〉のシメオン・スターアイが確認済みだそうだ。
 連中の生首がキレイに7つ、カーラーン城の狭間胸壁に並べられておったそうだ。
 ご丁寧に、女勢のおっぱいを切り取って、口に含ませてな」

「……星の目殿か。これで〈教会〉の連中が騒ぎたておるな。
 なんせ彼奴らめに祝福を与え、”神の代行者なり!”と判子を押したのは
 教皇聖下、御自らなのだからな」

「神の栄光を帯び、矢も剣も通じぬ、魔法さえも跳ね返す。
 そんな無敵の方々をぶっ倒しちまった連中は、どんな神様の祝福を受けていたのやら」
 あんがい、向こうの方が霊験あらたかなのかも知れませんな」

「聞き捨てならんな。つまり、我らが神より連中の神の方が力がある……そう言いたいのか貴校は」

「めっそうもない。ただ、祈り一つで矢をはじく。
 そんな便利な鎧があれば自分もぜひ欲しいと思っていましたところ、
 それがとんだ欠陥品だったことを知り、ガックリと肩を落としているだけのこと。
 ああ、せっかくヘソクリを貯めていたんですがねぇ」

「……連中に、信心が足りなかったのだッ!」

「まあ、そのへんで止めておけ。
 とにかく、今、我々が話すべきはヴァリアンテ騎士団のことではない。
 我々がいかにして、カーラーン城を落とすか、それについてだ」

「うむ、まず現状の再確認について語りたい。オートン」

「はっ」

(机の上に、巨大な地図が広げられる)

160 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 18:15:41 ID:D7yvmypQ


【中央都市ゴード 錬兵工廟】


中央から広がる高級邸宅に群がるように立ち並ぶ貧民街を隔て、
その合間を縫うように工業地域が広がっている。鉄板を金槌で打ち付け薄く引き延ばし、鋲で止め製作する簡易な製作工程。
ほぼ全ての武器・防具が職人の手作業で作られる製造現場は、よく言えば職人芸であり悪くいえば前時代的である。
イフティハルは頭を掻きながら考え込むと文筆家が彼に声をかける。

「随分と慌しい操業ですね、やはり最近は物入りだからでしょうか?」

「大昔の全身鎧と言えば装甲の厚さが1mmにも満たないものが、ほとんどだが
それよりも薄い上に炭素の焼き付け工程すらもしてねぇな」

「?……鋼じゃないんですか、これ?」

「こんなもん着て戦うくらいなら服の方がマシだねぇ」

男はそばに置いてあった完成した鎧を拳で叩くと、ぽこんと間抜けな音が響いた。
大凡の場合、連合製の2mm装甲板を打ち抜くのに必要な弓の張力は50Kg、それだけの力で弓を引き続け
標的に狙いを合わせ動く敵を撃ち抜くのは至難の業である、結果として戦場では狙うのが容易な機械弓に取って代わられ
最終的には巻き上げの必要もなく動体静止能力(マン・ストッピングパワー)が高い射出槍に取って代わられた。

「下手するとやすりで削れるんじゃない?」

「色んな方面から苦情が来るような発言は慎んでください、
鎧がやすりで削れる筈ないでしょう」

臙脂石を用いた不燃機関の研究が進まず、西大陸は連合との技術開発に遅れを取り、
未だに機械駆動方式を用いた鉄装鎧の自主開発の目処が立たないまま、技術と工業水準は停滞を続けていた。
更には平和と享楽に浸かった国民達の徴兵義務は疎かにされ、ガラムへと向かう兵の多くが
無産市民で構成されており、士気が低いのが現状である。

ここにきて西大陸にある技術力の無さと、軍隊としての錬度の低さが浮き彫りになった形となる。
イフティハルは香草を口にいれもさもさと齧ると、思案に耽りながら工廟を後にした。

「御館様、西大陸は勢力的に一番大きいのに、何故兵が集まらないんでしょう?」

「負けたら死ぬ戦況ならまだしも、大義名分もない貴族連中の領土争いの為に死にたがる奴などいる筈もない、
平和な時代に生きてるのに突然剣を渡され、戦うことを強制されれば誰でも逃げ出すでしょ
尚且つ労働の中心にある男手が死んだら、残された親族は路頭に迷うのがオチ。
死にたくない兵士を戦地に連れて行けば士気も低くなるさね」

「じゃぁ、ベアトリス軍のように傭兵や奴隷で部隊を構成すれば……」

「傭兵や奴隷で兵員の埋め合わせをするのは、正規兵の数があればこその話だ。
例え話、正規兵が100人で奴隷兵が1000人集めたとして奴隷達は言うことを聞くのか?
正規兵の数が補充する数を上回っていなければ、奴隷や傭兵連中の運用は危険だよ」


161 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 18:16:13 ID:D7yvmypQ

二人が官邸の広場に差し掛かり周囲を見渡すと、こちらへと歩いてくる男の姿が目に入る。
注意深げに辺りを見渡し、二人の前で立ち止まるとイフティハルが書状を突き出し、男は言葉を投げかける。

「これはどうもイフティハル様、ようこそお越しいただきました
この度の戦況、どのように予測されますかな?」

「ガラムの勝ちだな、防衛側で装備も潤沢
条約が再締結されるまでの間、中央軍がどれだけ連中の領土に食い込むか……」

「しかし、それでは中央が許すまいでしょうな」

「連合はベアトリスに一旦、陸揚げした物資をガラムへと輸送している
状況から見てベアトリスがガラムを支援する形だ、統一戦争の王女に対する
待遇がここに来て仇になったねぇ」

海運での交易を保障している西大陸にあって、ガラムへの物資搬入を差し止めることは出来ない。
つまり兵站を断ち切り、篭城を切り崩すのが不可能となっている以上、西大陸の取るべき選択肢は限られてくる。
条約を反故にしベアトリスからの補給路を断つ、下策だが街に篭城する敵を力攻めで落とす、或いは先んじて戦略的要所を押さえ
防衛が困難であれば破壊、譲渡する前に連合の動きを前もって封じる。

「大臣の判断により既に第一陣は出兵を済ませ
ガラムの街へと向かっております……」

「負けた時のこと考えねぇのか、お偉いさん達は……
ガラム要塞はどうなってんの?」

辺境から中央都市へと続く陸路の間にそびえる岩山を切り崩して作られたガラム要塞。
南下する魔物の侵攻を食い止めるために北向きに作られた物だが、南向きに手を加えれば陸路を封じる防衛線となりうる。
ガラムの行動は経済的に抑え込めるにしても、この要塞を先んじて奪取されるのは好ましくない。
連合が中央都市へ侵攻するためのルートを確保されることと同義であるからだ。

「兵は与えられる命令以外では動かぬものです……」

「俺がガセルダから連れてきた兵の内5000は自由に使ってくれ
だが残り2000はこちらで遊軍として別行動させて貰う」

「し、しかしそれでは、こちらとしましては……」

「援軍要請の書状には5000と書いてあったんだ、余りの2000は
俺の指揮下に置くのがスジってもんでしょ? 何か問題でも?」

イフティハルはにやりと笑みを浮かべながら強い語調で男に言い放つと、呆れ顔の行政官を残しその場を立ち去った。


162 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 20:33:48 ID:yuurGviO

 【カーラーン城攻囲戦(3日前)】

「あ、あの、閣下。陣はどこに設営いたしましょう?」

「まだ早い。それよりも、地勢を検分したい。
 今の季節、ホワイト・リバーは兵馬の渡河は無理だと言ったな」

「ええ……基本的には……まず無理かと思われます」

「お前は、この地のルートウィン家の出身だと聞いたが?」

「はい、我が家はホワイトリバーのクロス王家の旗手諸侯を務めて参りました。
 今もそれは変わっておりません。これからも、永遠に揺るがぬ忠誠を捧げております」

「クロス王は、ホワイトリバーに唯一の橋をかけその地位を築いたという。
 だが、70年前。 橋を挟んで王の双子の兄弟が争いを繰り広げたとき、お前たちルートウィン家の始祖は
 秘密の通路から川を渡り、敵の背後をついて功をあげ、その家名を起こしたと聞く。
 あれは、吟唱詩人のホラ話だというものもいる。
 あの河を渡れるはずがない。ルートウィン家は兄の軍を裏切って、強襲を仕掛けたのだと。
 その証拠に、奴らはミミズ捕りから成りあがったではないか、と」

「根も葉もない、嘘っぱちです!」

「ああ、だからその証拠をオレに見せてくれないかな?」



その夜、夜陰にまぎれ、赤茶けた泥水を跳ね上げながら、わずか300つの騎影が河を渡り始めた。
彼らが陣を敷いたのは、河を渡ってすぐ、カーラーン城の目と鼻の先であった。

「さあ、特等席ができたぞ」

そう言い放つのは、王国最強と謳われるヴィゼリア騎士団団長、ヨゼルダ・ハーラルであった。

163 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 22:55:36 ID:67TlaL79


【盾、潰える時】


日が水平線へと沈み夜がふける頃、いつ頃から振り出した雨が舗装された石畳を濡らしていく。
降りしきる雨霧がたちまち周囲の空気から熱を奪うと、教練から帰宅する途中
足止めを食らった男が憎々しげに空を仰いだ。

「降り出したな……」

「よぉ参謀、お前も立ち往生か?」

横から現れたバティアに声をかけられたトリフォンは不意に差し出された、雨避けの外套に目をやった。

「どういう風の吹き回しだ?
ひょっとしてお前が呼び込んだ雨じゃねぇだろうな?」

「まぁ、たまにはな……お前は風邪をひく心配など無用だろうが
お前の女房を寒空の下待たせるのは忍びない」

「まだ一緒になった訳じゃねぇよ」

「わざわざ指輪代の為に自警団で危険な思いをしなくとも
副業の一つや二つ紹介してやった物を……」

参謀にそう言葉を返された男は言葉に詰まると、口を尖らせ否定するように目を逸らす。
差し出された外套を手早く奪い取ると、噴き出すのを堪えるように笑う参謀に
手を突き出し。親指を下に向け煽った。

「笑ってんじゃねぇよ……この」

「またな、色男」

「あぁ、またな……こいつは借りにしておくぜ」

背を向けて男が雨の中を歩き出すと、前髪にかかる雨粒が忘れていた記憶を呼び起こしていく、
ベアトリス会戦時、南門で足止めを食らうこととなった赤銅の盾一団は砦に残っていた正規軍と合わせ
打ち破ることの出来ない戦いへと身を投じていた。

あの時も雨が降っていた、泥の中を這いずり回り、城壁へと接近し攻城櫓を誘導する手筈。
しかし敵の放った数発の砲弾が攻城櫓を打ち砕き、そのまま瓦礫の山に飲まれ彼は腕を失ったのだ。
会戦に破れ、仲間と腕を失い、今こうして雨の中自分の帰りを待つ者の元へと帰ってゆく。

「……チッ」

牙を失った男は二度と戦うことは出来ない、自警団の仕事を引き受け、自らに残された可能性に縋る道も断たれ、
自らの無力感に打ちひしがれる。安息の中につかる自分自身の姿と脳裏に焼き付く戦友の死。
トリフォンは胸から下げた紋章を握り締め口を結ぶと、橋の下に佇む不審な影に気付いた。


164 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 22:56:51 ID:67TlaL79

三人の男に囲まれるように少年は逃げ道を塞がれ、持っていた麻袋を男達の前で振り回す。

「そう興奮するなよ坊主、何も命まで盗ろうって訳じゃない
ちとばかし、俺等と一緒に来て貰えれば済む話なんだよ」

「寄るなっ! 僕は……」

「ヒルデベルト家の御子息様だろ? その点はよぉく存じ上げておりますとも」

「何故それを!? お前ら何者だ?」

男達に囲まれていた少年ヒルデは、懐から木工作業用のナイフを取り出し突き出すと、
敵は軽々とその攻撃を避け、がら空きとなった腹部に向かい膝で蹴り上げた。

「ぐ……あがぁぁっ!!」

「所詮素人だなお坊ちゃん、さて……」

「ヒルデッ! そこ動くなッ!!」

「……先生?」

加勢に現れたトリフォンは外套を脱ぎ捨て川岸を滑り降り、修練用の木剣を片手で構え相手に向け突きつける。
突然現れた予想外の邪魔者に一瞬身動ぎした男達は相手が隻腕だと分かるや否や
口元に笑みを浮かべ、左右から同時に撃ちかかる。

瞬時に敵の得物の判別を終えたトリフォンは、細身の剣と木剣を克ち合わせると、剣は根元から折れ地面へと突き刺さる。
呆気に取られた男の一人は首元に追撃を打ち据えられ地面に倒れ込んだ。

「な、なんだこのカタワ野郎はッ!?」

「そりゃ、こっちの台詞だ……うちの生徒に何の用だ?」

「ひ、ひははは、多少は出来るみてぇだが、テメェは運がないぜ
おい、ゼラー! 仕事だッ……この野郎をブッタ斬れッ!!」

「お……おぁ?」

後ろで待機していた男の前に剣を投げ出され、鎖の擦り合わされる金属音が周囲に響く。
頭から被せられた麻布から除く手足は明らかに手錠で繋がれており、
それだけを見ればゼラーと呼ばれた男が奴隷であることが分かる。

「何もたもたしてんだ、早く拾えッ!」

敵が剣を拾うのを待たずしてトリフォンは前屈みに剣を拾おうとする奴隷へと斬りかかる、
この状況であれば、どのような敵であろうと自らの勝利は揺るがない、彼自身の経験がそう判断したのだ。
赤銅の盾千人長 トリフォン、数多の戦場を駆け戦い続けた男の最大の不運は、
常軌を逸した強敵との交戦経験がないことによる”油断”だった。


165 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 22:57:25 ID:67TlaL79

「な……何ッ……!?」

「ん……」

トリフォンの腹部から鮮血が滴る、自らの予測した距離よりも遥かに遠い間合い。目まぐるしく動く思考の波に流され、
彼は相手の足元を注視する、奴隷の男は足の指で剣を握り、トリフォンの斬り下ろしの隙に蹴り込むように
突きで合わせたのだ。予想外の出来事、思考に混じる雑念を吹き飛ばし、
トリフォンは木剣を強く握り直すと、敵の追撃に備える。

ゼラーは足の指で握った剣を空中に放り上げ手に取り、両者共に顔を見据えあう。
その刹那、トリフォンは敵の動きを先んじて捉えると先程と同じように剣の腹を横薙ぎに打ち払いにかかる――

「……」

雨は激しさを増し、ベアトリス港の街並みを埋め尽くすように満たしていく、赤い屋根の借家に住む女は
痛む傷を抑え彼の帰りを待ち続けていた。突然降り出した雨に濡れて帰って来るだろう。
そう思い水を拭う為の布を手元に用意して、ただ道の先の向こう側を見つめていた。

「……す…まない」

橋の上に体を横たえ、息を吐く度に喉元から空気と血が漏れ出し、雨水の中へと解けていく。
手には仲間達の命を刻んだ紋章を握り締め、ただ心の中で懺悔の言葉を繰り返し、

やがて、男の命の火は雨の中で消えていった。


166 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 23:59:24 ID:Ql98EHiM
まだあるのかこのスレ
24時間ノンストップオナニーだな

167 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:57:09 ID:L3GhGxT5
シェアードの方が尻切れで終わったんで
こっちはまともに終わらせたい

168 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 03:15:27 ID:E9loqQtk
何故か自分がストーカーされてると思い込んでる
微妙にキの字入ってる人なんでそっとしておいてあげた方がいいぞ

基本的に淡々とSS投下していくだけの人畜無害だから

169 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 06:50:39 ID:U1bQ0bBR
シェアード青春で普通の日常書いてたのだろw

170 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 23:49:52 ID:S+hSR/6r


【王都フランティエ フランティエ宮殿内】


宮殿に朝日が差し込み、庭に咲く色とりどりの緑が光に照らされざわめく、
王宮の一室、けだるい倦怠感の中で女は目覚めると、枕元に備え付けられた水差しを
カップへと注ぐと水を一口含み溜め息をついた。あれから16年の時が経ち少女の面影も無くした女は、
かさつく髪を指で解きほぐすと窓ガラスに映りこむ自らの姿を見る。

ベアトリスから離れた今でも、軟禁生活は終わることはなく彼女に自由が与えられることはなかった。
時折訪れる医者の処方箋や検査により、体調も思わしくなく、無気力な日々を過ごしている。

「ベアトリス様、良い御目覚めでしたか?」

「クロウリィ、今日は気分が優れないの……」

若くしてフランティエ連合を束ねる国家元首であるクロウリィと、廊下で顔を合わせると男は頭を下げる。
短く整えられた黒髪に薄く見開いた目、まるで作り物のような細い手足からは、異様な雰囲気が感じられ、
女は彼と視線を交わすことなく足早に立ち去ろうとする。

「どちらに行かれますので?」

「庭です、この時期になると薔薇が咲くの
こんな窮屈な場所では、他に楽しみなどないものね」

「これは手厳しい御意見です、しかしベアトリス本島に比べれば……」

「その話はもうしないように釘を刺しておいた筈よ、クロウリィ
もう思い出させないで頂戴」

思い起こされる記憶、思えばあの島では何一つとして良い思い出などなかった、
連合により自分自身が魔と人の混血であることを知らされた少女ベアトリスは、あの日全てを知ったのだ。
物心付く幼い時からリオニアに放逐されていたのも、家臣が自らを見つめる冷徹な視線の意味も、
最愛の人が振り返ってくれなかったのも、全て。


171 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 23:50:25 ID:S+hSR/6r


自分自身に秘められた力を誇りに思えた時期もあった、少女時代、同世代の村の子供たちの憧憬を集め、
ある日王族であることを知らされ、夢のような王宮生活に胸を高鳴らせた純朴な少女。
あの時の自分に今のような落ちぶれた姿など想像しようもなかったことだろう。

「――ドルバトゥール」

不意に流れ出る涙を女は指で拭う、他の男の腕に抱かれても消えることのない記憶。
階上からその様子を窺っていた元首は泣き崩れる女の姿を一瞥し鼻で笑うと、
当初の目的であった執務室に入り、部下である男に語りかける。

「どうだカステル、神剣使いの絞込みは順調か?」

「はい、新たに999人の捕獲した奴隷を”蟲毒”にて選定しましたが
残念ながらそれらしい者の発見には至っておりません」

カステルと呼ばれた頬のこけた男は細かい状況を記した書簡をクロウリィに手渡す。

「忌々しい神剣使い共め……引き続き選定を続けろ、
ガラムに向かわせた兵の動きを西大陸の諜報部に流してやれ」

「しかし、それではこちらにも相応の被害が……」

「劣等種が何人死のうが、こちらには問題無い
炙り出すには丁度良かろう、候補に残った男はまだ生きているのか?」

「”ゼラー”は現在リューゲル家へ向かっております
直に経過報告が寄せられることでしょう」

側近の言葉に耳を傾けていた男は細い目を見開き、口元を歪めると顔を押さえ込むように笑い始める。
甲高い不快な笑い声が執務室に響き渡ると側近の男も口元を釣り上げる。

「”神剣使い”同士の殺し合いか、これは結果報告が見物だな……ハッハッハッ!
カスどもめ、これが力だッ! 矮小な人間が些細な力を身につけた所で
絶対的権力の前では児戯に等しいッ!」

「仰る通りで……」

「西大陸に集められた25000の兵力、これを損耗させ、最後の仕上げを行う
統一戦争と同じく抜かりのないようにな」

そう言い放つ男の形相は邪悪なる者が放つ”魔”の微笑であった。


172 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 02:13:32 ID:mchPig/t

【最後の希望】

「条件を言え、聞くだけは聞いてやろう」

「早々に旗印を捨て、大手門を開放し呂。
そうすれば、将兵の命は保証する。エモン公に仕えたいものは残ることを許す。
嫌であれば、武装解除と引き換えに好きなところに行ってもよい」

「ほう、なかなか寛大な処遇だな。で、俺はどうなる?」

「黒衣をまとうことを許す。ネッド・スタークの私生児はいまや〈壁〉の総帥だ」

「それもまた、貴様の父親の差し金か? 
亡き姪……ケイトリンはけっしてあの小僧を信用していなかったと記憶する――シオン・グレイジョイを信頼していなかったのと同じように。
どうやらケイトリンの判断は、どちらについても正しかったようだ。やはり、貴様の口車には乗るまい。
せっかくだが、おれは暖かい地で死ぬ。獅子の血で真っ赤にそまった剣を片手にな」

「われらの剣もまた、タリーの血で紅く染まることを忘れるな。
どうあっても城を明け渡さぬというなら、城攻めに踏み切らざるをえぬ。
あたら数百の命を無駄に散らせてよいのか」

「我が勢の討ち死にが数百なら、貴様らは数千だ」

「いまさら抵抗を続けてなんになる。戦は終わった。貴様の主君、〈若き狼〉は死んだのだ」

「歓待の儀礼をことごとく踏みにじり、惨殺しておいて、なにをぬかす」

「それはフレイ家の所業だ。おれの与り知ることではない」

173 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 02:16:42 ID:mchPig/t

【最後の希望2】

「なんとでも好きに言い訳するがいい。あの謀には、タイウィン・ラニスターの匂いがぷんぷんするぞ、〈王殺し〉よ」

「しかし、父もまた死んだ」

「あの醜い小人にはらわたを刺し貫かれたのだというな。
腸から糞尿をもらしながら、糞の海に血反吐を吐いてくたばったという。
なんとも、悲惨な末路よ」

「・・・もう一度言う。ロブ・スタークはもはやこの世にはおらぬ。
そして、〈若き狼〉とともに、その王国は滅び去った」

「ふん、片手を失ったのみならず、視力までも失ったか。
目をあげて上を見ろ。われらが城壁の上にはためく大狼の旗が見えぬか」

「見えるとも。狼の孤影が哀れでならぬ。ハレンホールは堕ちた。シーガード城もメイドンプールもだ。
ブラッケン家はひざを屈し、タイトス・ブラックウッドを使い鴉の木城館に押し込めている。
パイパー家、ヴァンス家、ムートン家――貴様の旗主らはみな降人となった。
残るはこのリヴァーラン城のみ。
そして、我らが軍勢は、貴公の守兵の20倍の兵力を擁する」

「つまり、20倍の糧秣を必要とするわけだな」

「……」

174 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 02:26:58 ID:1r4VxTrJ
返し方おかしいwそこで糧秣かw
ムアコックっぽいのかなksks

175 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 16:11:33 ID:4ZGS8CHy


【ベアトリス港 港湾地区】


走り抜ける皮靴が飛沫をはね、放たれた刺客達が二人の親子の元へと迫る。
大方金で雇ったゴロツキの類であろうと予測していたヨハンナだったが、統率されじわじわと包囲を狭める動きに
追手が連合から放たれた暗殺者であることを確信した。

「養母さん……先生が」

「気をしっかり持つのよ、ヒルデ
恐らく、連中は連合の手の者に違いありませんわ」

「れ、連合がなぜ僕等の命を狙うの?」

ヒルデベルトの問いに答えることなく、女は忍び寄ってくる男達の前に立ち塞がる。
彼女自身狙われる理由は予測も付かないことだったが、何があろうとも彼を護らなくてはならない。
飛び道具を持つ敵が居ないことは彼女にとっても幸いであった。

「女、貴様には用はない大人しく
その子供ををこちらに引き渡してもらおうか」

「子供を渡せと脅されて、差し出す母がいると思って?」

「ほざけ、これだけの手勢相手に素手で敵うとでも思っているのか
息子の前で無様な痴態を晒したくはなかろう?」

「下品な脅し文句、育ちが知れますわ……」

雨は止むことなく厚く覆った雲が朝の光すらをも遮っている、男達が間合いを詰め
剣を振るい襲い掛かる剣をヨハンナは半身で避け、腕を掴み大きく円周を描くように投げ飛ばすと
受身を取れずに顔面から石畳に激突した男が悶える。

「二人まとめて御相手して差し上げても宜しいですわよ
……最も、貴方がたの体が持てばのお話ですけど」

「二人同時にかかれッ!!」

男達が狙いを上半身と下半身を別々に薙ぎ払う、逃げ場を失った女は敢えて前へと踏み込み。
剣を掴む腕を握リ動きを受け流すと、その場で振るい投げ二人の男を衝突させる。
身動ぎする男達の前を悠々と歩きながら、ヨハンナは溜め息をつく。

「次はどなた?」

「クッ……ユシエルは何をやってるッ!?
さっさとゼラーを連れて来いッ!」


176 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 16:12:05 ID:4ZGS8CHy

男がそうがなると、いかにも小者感の漂う貧相な男が従えていた奴隷に指示を出し、
女の前へと歩み出る、虱がわかぬよう短く切られた髪に呆けたような眼差しをした奴隷は
雨を避けるように周囲を飛ぶ羽虫が気になるのか、きょろきょろと目で追っている。

「ゼラー、今度はあの女を斬れ、分かるな!?」

「ゆぁ……ぅ?」

「め、飯は後だ! この仕事が片付きゃ俺達は一気に大金持ちだ
腹いっぱい飯が食えるぜ!」

「えぅ!」

ゼラーがヨハンナと向かい合い剣を向ける。
意識を集中し身構える瞬間、剣を持つ男の腕が視界から消え、危険を察知した
女は身を捩り回避。足元で気絶している男から剣を奪うと次々と襲い掛かる
見えない剣を寸前の所で見切り受け止めていく。

目の前で繰り広げられる常軌を逸した戦いに、双方の陣営には重苦しい沈黙が流れた。
人間の反応速度では到底見切れぬ男の剣速もさることながら、その攻撃をただの女が追従している。

「あ、ありえねぇ、あの女ゼラーの剣を見切ってやがる」

「むぅ……」

業を煮やした男が渾身の力で剣を振るうと、風を裂く音を周囲に轟かせながら
女の体を両断するよう刃が走る。しかしその攻撃すらも直前で見切って返すが、女は息を荒げ、
互角の勝負に思われた戦いも持久力の差によりじわじわと追い詰められていく。
養母の危険を察知したヒルデは、懐から短刀を抜くと養母に駆け寄った。

「ぼ、僕も戦うよ!」

「下がってなさいヒルデッ! 彼等の目的は貴方ではないわ……そうよね?」

「まさか……この女が”神剣使い”か
ユシエル、ゼラーに指示しろッ! 何があろうともこの女を殺せッ!」

女は既にこの時、諦めにも似た覚悟を心に抱いていた。
彼等の狙いが最愛の人ではなかったことを幸運とすら思う。彼の両親の命を奪った
自らが罰せられるべき罪なのだと、既に信仰を捨てた彼女にもその時が来たのだと理解できた。
奴隷の剣がこちらの剣の腹を打ち抜き、刀身が中ほどから割れ、敵の剣が自らの体に食い込む時。

女は静かに目を閉じそれを受け入れた、冷たい石畳に倒れ冷たい雨に打たれると、
ふと頬に当たる暖かさに再び目を開ける。女の体を抱き咽び泣く少年の涙が頬を伝い彼女の顔へと落ちてゆく。
彼の名前を呼ぼうと動く口から血の泡を吹き、ただ女は心に願った。
形ばかりの物ではない、自らの命を神に捧げた祈り……

――この子に神の御加護があらんことを――


177 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 16:12:39 ID:4ZGS8CHy


【北領の魔窟】


ガラム要塞に辿りついた、イフティハルが目にしたものは、おおよそ信じがたい光景であった。
地を埋め尽くすように蠢く異形の集団、魔の群れがわずかに残されていたガラムの警備隊を食らい、
要塞からは黒煙が上がり完全に破壊されている。わが目を疑う男の前に老兵が歩みでる。

「どうなっとるんじゃあ、これは!?」

装甲騎兵が前に乗り出し岩上を這い回る昆虫型の魔物に向かい射出槍を放つと、
ばらけるように散開し槍を避け、灰色の肌をした魔物達を先頭にこちらへと間合いを詰めてくる。
明らかに統率された動きをみせる集団と間合いを取るよう、馬を引かせた途端、
占拠された要塞の中から火の粉を散らしながら炎が投げ込まれた。

「伝令ッ! ガラムの街へ向かった連中を叩き起こして
こっちに連れて来い、大至急だッ!」

「そ、それが、イフティハル様
ガラムの街へとむかった5000の兵からの先程伝令が……」

「折り返し連絡を入れろ、睨み合ってるだけなら問題ないだろう」

「ガラムの街が陥落しました、川から引いていた
地下用水路の上水道を掘削し潜水兵が侵入、門を開いた街中に兵が流れ込み
双方の被害は甚大です……」

采配を振るいながらも、イフティハルは状況を頭の中で整理する。地下を巡る用水路の位置など
内通者がいなければ知りえない情報、そんな情報を開示し戦わせた所で得る物など何も無いのだ。
このままでは大陸と連合の緩衝を大きく崩し全面会戦の火種となる。

「本気で戦争する気か、状況が見えてないのか?」

「親方様……空を」

見上げた空に浮かび上がるその姿、その場に居合わせた兵士達の心を満たしたのは絶望であった。
煌々と輝く金色の瞳、ささくれ立つ鱗に口元から覗く牙、口伝により伝えられていた竜の姿。
街の城壁ほどもある巨体がイフティハルの2000の軍の中央へと舞い降りると、
吠える声に大気が震えあがり、兵は恐慌状態に陥る。


178 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 16:14:23 ID:4ZGS8CHy

「引け、撤退だッ!」

退却の合図を出すと兵馬は混乱に陥る、訓練された馬すらも本能により危険を察知し、
馬上の兵士を振り落とし逃げ惑おうとする、撤退の足元が揃わぬ兵を見かねた老兵が殿へと買ってでた。

「若造、先に逃げとれ」

「こんな時に冗談はよせ、爺さん
あれにはどう計算しようが勝てっこねぇ!」

「しっかりと考えておるさ、秘策をな」

立ち止まる老兵の後姿を男は眺めていたが、意を決して彼を残し
その場から撤退を始めた。策を弄してもどうにもならないことをイフティハル自身は理解し、
突きつけられた非情の選択を黙することしか出来ない自らの未熟さを呪った。

「……死ぬなよ爺さん、博打の勝ち逃げは許さんぜ」

そう言い残し去っていく若き領主を老兵は見送ると、竜の目の前に立ち塞がる。
逃げた者達を追おうと翼を広げる竜の体に射出槍を発射するアフダルだったが、肉厚の皮膚に遮られ、
その行動は竜を激昂させるだけの行為で終わった。

「精々粋がるがいい、わしを今ここで喰ろうたところで
必ずやあの若造が貴様の首を取る!」

竜が素早い動きで口を開くと馬上のアフダルごと顎で食い千切る、半身を失いながらも
老兵は驚くほど冷静に射出槍を装填し、竜の口内に掛かる上半身を起こすと、喉の中をめがけ槍を発射した。

「悪食めが……」

遠くから響き渡る竜の悲鳴に馬を止めた若者は足を止め、その場を振り返る。
辛くも生き残った者達は、戦勝で喜びに湧きあがるゴードへと帰還した。


179 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 19:25:03 ID:1i2ZJNaW


【神剣 フライング・ソード】


※「セイレン家の乙女は、他者の視界を盗み見ることができるという。
   お前は男にしか見えんが、どうやってその技を私に説くと言うのだ?」

#「わたしが陛下にお教えするのは、あのような小手先の技よりももっと大きなものです。
   国全体を司り、世界を動かす・・・まさにそういう大きな力です」

※「ほぅ、そのような力があれば興味深いがな」

#「敵に対し、”我々自身の目で物事を見させ、我々自身の口で語らせる”。
   それが出来れば、敵のあらゆる美点は無へと帰し、かの国の世論は我々の思うがままとなりましょう」
    世論、すなわち情報こそが剣よりも魔法よりも強力な力なのです」

※「すまぬが、意味がわからぬ。貴様、まさか酔っているのではあるまいな?」

#「ホホ、ホ……。酒は10年の昔にとうに断ちました。
   代わりに今、私を酔わせるのは酒よりももっともっと美味く甘美なものです」

※「それは、なんだ?」

#「勝利ですよ、陛下」

※「勝利・・・詳しく語るがよい」

#「その昔、暗愚王の時代。一人の天才鍛冶職人がとてつもなく素晴らしい剣を作り出しました。
   その剣はとてつもなく美しく、それだけでなくどんな伝説に謳われる名剣にも劣らぬ切れ味を誇り、
    そして量産が可能で、安価でした。
     しかし、その力を恐れた私の祖先は、帝国に雇われ工作活動を開始しました。
      すなわち、その剣は柄をひねると簡単に剣が飛ぶ。1年で錆びて使いものにならなくなるとね」

※「馬鹿な。自らの国を勝利に導く発明だぞ。誰も信じまい」

#「信じる? 信じるとは、多くのものが言っていることを、ただ知るというそれだけのこと。
   多くのものが、その剣は飛ぶ、1年で錆つくといえば、それは”そういうこと”になるのです」

※「そして、暗愚王はどうしたのだ?」

#「鍛冶職人を呼び付け、首をはねました。
   彼自身が発明した、まさにその剣でもってね」

※「その後、彼の国は滅びたのだったな……」

#「ええ、その剣がやがて人々の記憶から枯れ果て、忘れられたころ。
   敵国によって正式装備に採用され、鍛冶職人を処刑したその剣でもってまた
    暗愚王も自らの首をはねられたのです」

※「そしてお前は、その逆のことができるというのだな」

#「さすが陛下は暗愚とは程遠い、懸命さであらせられる」

※「クク、知っているか貴公。
   その笑み、王が私でなければ即刻打ち首に処したいほど無気味だぞ」

180 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 19:46:58 ID:0CZgkYSS
鎧を着てる奴が剣で打ち抜けないから剣型のパイルバンカーになってるんだろw

181 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 19:56:06 ID:gIKGMRn8
槍や弓ならまだしも、剣で鎧がかまぼこみたいに斬れるとかジョークの域だから

182 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 20:40:24 ID:pCfqLw3w
誰か、西大陸のカステル大公と東連合のクロウリィ国家元首の演説書いて、
双方が正義を主張して民衆を煽るような文でよろ。

183 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 21:10:26 ID:927njyK2


【ついに完成! 神剣 フライング・ソード】


※「ついに完成したようだなこれが例の飛んでる剣か」

#「ホホ、ホ……資料を掘り起こし、完璧なかたちでコピーいたしました」

※「どれどれ、うっお―――っ!! くっあ―――っ!! ざけんな―――っ!
  重い、重すぎるわ……何でこんなに重いのだ、これは」

#「当時の平均的な装備の剣で12キロ前後あります」

※「昔の人間は巨人か何かだったのか? 
  こんなものはとてもじゃないが振り回せないぞ」

#「ロストテクノロジーですので、詳しい資料は紛失してしまったのでありません」

※「肝心な所で頼りにならんな、で石突きを抑えて柄を廻せば飛ぶんだったな」

#「臙脂石という代物が我々の技術では精製不可能な為
  火薬で代用いたしました」

※「ポチッとな」

ドコンッ!

#「ああっ、王の腕が曲ってはいけない方向にっ」

※「こんなもの片手で保持しながら撃てるかっ!
  しかも熱いっ、熱すぎるわっ」

#「火薬以外の炸薬でないと駄目なようですねぇ」

※「”ですねぇ”じゃないだろ貴様、処刑するぞ」

#「昔の連中は魔法使いが多かったのでしょう」

※「遺跡からたまに発掘される鉄の機械人形となんか関係があるのやもしれんなぁ」

#「ロボットアニメのように鉄の鎧着込んで斬り合ってたと?」

※「こやつめハハハ、我が国でも開発出来ないロボットがそんな大昔にある筈なかろう」

#「ハハハ、ワロス」

184 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 13:49:13 ID:geV0fqRh


【抗いの薔薇】


西大陸と東の連合との戦いは混迷を極めた。命を捨てて戦う者達の多くを失い、
不足した兵の数を補う為に子供・女・老人達まで徴兵により戦力として投入され、
その大部分が異形の者達に襲われ命を失った。

こちらの動きを見透かされたように現れる敵に恐怖し、人々は安全を提供する権力に縋り
独立した兵力で抵抗を続けていたガセルダ、アルメンテの両軍も、度重なる兵力の疲弊により
次第に追い詰められていった。

正義の介在しない地獄の到来である。

異形の魔物達にとって人間は食料に過ぎない、人間が家畜を飼うのと同義であり
生存個体を管理調整、場合によっては互いに争わせ遺された死骸に魔物達が群がった。
闘争本能を失った人類は豚に成り下がり、何時襲われるとも知れない恐怖に震え。
何時か現れ、自分達を救ってくれる英雄の到来を待ち侘びた。

「……誰かが命を賭けて救ってくれる、皆そう思っている」

誰かの手を汚し罪を着せるのは容易な事であり、過去の神剣使いの中には
人を救いながらも、あらぬ誤解から処刑され、命を落とした者もあった。少女は剣を手元で返すと眼前の集団を睨みつける、
神剣に込められた想い、人間に対する憎悪、亜人に対する憎悪、魔に対する憎悪。
しかし彼女は復讐の為に剣を振るう訳ではない、ただ前へと進む為に……。

「……私の邪魔をしないで」

襲い掛かる異形の魔物達を次々と斬り、地に伏せていくロゼは、あらかた周囲の敵を片付けると
鉄装鎧に銅柱を差し込み充填させる。眼前にそびえる魔物達の本拠。かつて城塞都市として栄えた、
北領にある始まりの地。瓦礫の山と化した筈の城砦は元の姿へと修復され、禍々しい魔の力が感じられる。


185 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 13:49:58 ID:geV0fqRh

「これはまた可愛いお客様ですね、今日は随分と来訪者の多い日だ」

「貴方は?」

城壁の上に現れた男が口に手を当てほくそえむと、少女は周囲に散らばる鉄装騎馬の残骸を発見する。
屍が積み上げられた残骸の中に立つ異形の魔物達が少女の姿を見つけると、
剣を振るい上げながら次々と打ち付ける。

「まさかとは思いますが、御一人で来られたのですか?
だとしたら、見くびられた物です。」

周囲から次々と集まる異形が少女へと襲い掛かり、幾度となく斬ろうとも次から次へと増援が現れる。
灰人(オルク)の物量に不覚を取り。振りぬかれた金槌が腹部へと直撃し跳ね飛ばされた。

「ふ……ぁ!」

「ま、こんなものでしょう、御伽噺に現れる勇者気取りですか? 
たった一人で万機の軍勢を相手取るなど甚だ笑止、”神剣使い”とは
どれもこれもおつむの足らない連中ばかりだ……」

「はぁ……は……」

「ゼラーという神剣使いもそうでしたね
友人の男を捕らえ、犠牲になるよう促したら、あっさり死んでくれましたよ。
あんな取るに足らないチンピラの為にね……これだから人間と言うものは面白い」

立ち上がるロゼに遠方から放たれた火弾が飛来し、小さな体を跳ね飛ばす。
足元に転がす男の死体から射出槍を取り上げると灰人を射撃し、返す刀で敵を斬り上げる。

「仕方がない、ベアトリスを持って来い」

男が側近にそう言うと、側近は魔力を開放する為の生ける人形と化したベアトリスを、男に差し出した。
魔王の血を引くベアトリスの力により、この世に彷徨い続ける魔の魂は肉体を得て復活し、その手駒となる。
男が女を城壁で抱え上げると、空に広がる暗雲が渦巻き、周囲を光が包みだす。
勝利を確信したクロウリィは、この世ならざる者に新たな肉体を与えるため、その呪文を口にした。

「彷徨える魂よ、再びこの地に集いその力を示せ」

大地が光に包まれ周囲が魔力の源で包まれ、集められていた魂達は解放され新たな肉体を得る。

「ハッハッハ! 必死扱いて魔を狩ってきた君には申し訳ないがね
彷徨う魔の魂から幾らでも再生可能なのだよ……残念だったなッ! 豚がッ!
魔力の残りカスで出来た、貴様等人間が魔族に逆らうなど許されるとでも思っていたのかッ!」

「……」

「可哀想になぁ、君にも青春があっただろうに、
愛も欲も我慢して、その身を戦いに捧げてきたのにねぇ。
男と愛することも知らず、その身を綺麗に着飾ることも知らずに、醜く朽ちていく気分はどうかな?
意味のない努力、今までご苦労、奴隷は奴隷らしく……絶望の肥溜めの中で死んでいけッ!」

「……よくまわる舌ね」

少女がそう吐き捨て大きく溜め息をつくと、眼下の光景を眺めた魔の笑みが次第に強張る。

一人の少女を追い詰める為に行った、男のその行為は最大の誤算だった。


186 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 13:55:33 ID:aU4YDuRz
支援ぬ

187 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 17:57:57 ID:jMhV3shK


【魂の枷】


魔の権化達はその目で見た、少女の周囲に集う無数の子供達の姿を、神剣の元に集う真の精鋭達。
神剣に集められた魂が生前の姿を形作り、その力を解放していく。絶望の果てにある、たった一度の奇跡。
灰人は本能でその脅威を感じ取り退くと城壁のクロウリィが怒鳴りつける。

「な、何をやっている、相手はただのガキだッ!
押し潰してしまえッ!」

男は城壁の上から指揮を執り、空に現れた竜がこちらへと近付いてくる、その瞬間、鉄装騎馬の屍の山から
一発の信号弾が頭上に上がり、周囲に展開し伏せていた兵達が次々と飛行する竜に砲撃を加えた。
深手を負い死んだ筈のガセルダの兵達が次々と起き上がり、
イフティハルは咳き込みながら文筆家に声をかける。

「ぶほッ、あーった、マジに生き返るとは思わなかったぜ
文筆家ぁ、無事か?」

「折角、伝記を真面目に書いてきたのに、一気に胡散臭くなっちゃいましたよ」

伏兵の鉄装騎馬とコルネリアの率いるアルメンテの鉄装兵士団が合流すると、
城門を開き雪崩れ込んでくる竜人(リザードマン)達と衝突する、硬い鱗と武装に包まれた
鉄装歩兵の能力差は僅差、野に伏し体力を消耗していた部隊は次第に圧されていく。

「怯むな! ここで敗れれば我々に明日はないっ!」

コルネリアの奮起を促す声が轟くと、膠着した戦列に一陣の風が吹き込んでくる、次々と舞い上がる鮮血の中で
両の手に握られた二本の剣が煌く。女は我が目を疑い、その剣を振るう男の姿を目で追う。
いつか見た姿をそのままに現れた”双剣のディマカエリ”。

「カルロ……」

「……長いこと待たせたな」

「待ちくたびれたわ、もう」

そう女が微笑むと男は目を伏せ微笑み返す、城壁を覆うほどの巨大な牛頭(ミノタウロス)が
囲むように展開した兵を蹴散らすと、四人の奴隷が立ちはだかり、次々と足元を斬りつけていく。
鎧の筋力補強すらも無しに生身で魔と立ち向かう剣闘士集団は一瞬にして牛頭を血祭りに上げると
すたすたと城門を潜り、場内へと侵入する。

「しばらく振りに空を見上げることが出来たと思えば、
まったく……世の中世知辛いものだなぁ、ドレト」

「こ、これでも俺、頑張ったんですよゴードさん
それよりほら、さっきのニ本剣の奴がディマの息子ですよ
……って、何やってんだディマ?」

「テリウスにおれい」

「ども……」

「後でしろ、後で!
敵さんがおいでなすったぜ、抜剣!!」


188 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 17:58:56 ID:jMhV3shK

鉄装鎧で武装した灰人達の攻撃を悠々と避けながら、装甲の繋ぎ目に剣を突き立て打ち倒し、
鉄装歩兵が城塞内に踏み込むと本城をめがけ兵士達が駆け抜けていく。何が何やら分からぬまま
自警団を指揮するフェルダーに従うマルケスは眉をしかめる。

「僕達、パルミナ鉱山に攻め込むんじゃなかったっけ?」

「予定は変更されたのさ、シュタイン、ルロワ援護しっかり頼むぞ」

「任せな大将!」

シュタインが親指を立て、ルロワの射出槍が次々と現れる灰人を貫く、場外では門を確保する為に残った、
バティアトゥスの指揮する部隊が、迫り来る巨人の兵団を射出槍で食い止めている。

「我々が、ここで盾になり後方を守る……
一匹たりとも城内へと踏み込ませるな!」

3mに程近い身長を誇る巨人が腕を振り上げると。光の中から赤銅の鎧に身を包んだ男が飛来。
巨人の顔面に槍を突き立て、肩に飛び乗ると首筋を剣で斬り裂き、地上へと舞い降りた。
参謀はようやく現れた男に微笑みかけると、赤銅の盾は振り返ることなく敵と向かい合った。

「借りを返しに来たぜ、優男」

「フ……利子は高くつくぞ、色男」

「先駆けて突貫するぜ、アデニオン、ついて来いッ!」

「ま、また俺ですか!?」

渋々従い後を着いてくるアデニオンを従え、次々と巨人達が地面へと崩れ落ちていく。
居城へと逃げ込んだクロウリィは、眼前で繰り広げられる信じがたい光景に目をみはる。
次々と復活を遂げる英雄達を前に人間と魔の本質的な能力の差は呆気なく覆され、男は頭を掻き毟る。

「クソッ! クソッ! こんな筈では……カステルの奴は何をしている!」

門衛棟を落とされ、かろうじて城壁を守るカステルの部隊を次々と奴隷が斬り伏せていく。
近寄ろうと踏み込む灰人は一瞬にして斬り裂かれ、驚異的な検速になす術もないまま追い詰められると
灰人達が発射した射出槍の攻撃を空中へと飛んで避け、慣性の勢いで突進するゼラーの剣がカステルの体を捉える。

「貴様等は! 一体!?」

「バーカ……」

「!?」

カステルの体を城壁から蹴り落とすと、ゼラーは城壁から身を乗り出し相棒の姿を捜す。
目を凝らし数10m先の城外で蟲に追われている相方のユシエルを発見したゼラーはニカリと笑うと
救出に向かう為、城壁の上から水堀の中へと飛び込んだ。


189 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 17:59:35 ID:jMhV3shK

ヒルデベルトはパルミナの一兵士として合同軍に参加していた、灰人達の軍勢に押され戦列を崩すと
衝突の衝撃で少年は弾き出される、撃ち込まれた射出槍を、すんでの所で一人の男に助け出され
励まされるように声をかけられる。

「怪我は無いか?」

「あ、はい……有り難う御座います」

「君のような少年が戦地に立つ必要は無い……
後は私たちに任せておきなさい」

鉄装歩兵の鎧を着込んだレオニウスは兜越しに少年に伝えると、懐の剣を抜き、灰人の集団に突撃する。
空いた背後を塞ぐように、もう一人の鉄装歩兵が背中合わせにお互いを守りあうと
レオニウスは背中越しにいるヒルデガルトに語りかける。

「す、すまない、助かったよ」

「あまり無茶をしては駄目、
落ち着いて手の届く範囲の敵から片付けるわよ」

「分かった!」

背中合わせの二人は互いの素性に気付くことなく、敵の戦列を切り崩すと、勢いを押し戻した
パルミナの軍勢が灰人の戦列を突き抜け、背後を突くように散回する。一際巨大な肉体を持つ重武装の灰人が
前列に乗り出すと、一人の女が一騎打ちを買って出る。
振り落とした灰人の剣を、打ち落とし面で捌きながら頭蓋を切断すると、溜め息を付きながら踵を返す。

「お話になりませんわね」

「お、やっぱヨハンナじゃん!
セリミア捜してるんだけどみっかった?」

「フラン、随分と久しぶりね
セリミアは妊娠中だから、ここには来てない筈よ」

「え?……まさかヨハンナの子?」

冗談で返すフランの頭を拳骨で叩くと、ヨハンナは遠くに見える二人の男女の姿を見つめる。
全てが元に戻った今自分自身は身を引くべきなのだろう。背後に殺気を感じ振り向くと、
かろうじて生きていた巨漢の灰人がフランに剣を振り下ろす。

「フラン、危ないッ!」

友を庇うように覆い被さったヨハンナは、背後から止めを刺され崩れ落ちる灰人の後ろから現れた少年と目を合わせる。
呆然と互いに見つめあう視線に思わず頬を紅潮させ視線を逸らすと、
胸元に飛び込んでくるヒルデベルトをそっと抱きしめた。


190 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 18:00:40 ID:jMhV3shK

全てにおいて戦いは人間達に対し優勢に働きかけ、その戦力は居城にまで迫った。
苛立ちを抑えきれずに、あたりを歩き回るクロウリィに意識を取り戻したベアトリスが笑いかける。

「フッ……フフ、アッハハハハ!」

「何が可笑しい、何が可笑しいベアトリスッ!
貴様も道連れだぞ……統一戦争も、東西衝突も、魔物が現れたのも全てお前に責任がある!
貴様が魔王として生まれ、その本分を違えたからこうなったのだ」

「人のこと勝手に利用するだけ利用して……そんなに恨めしいならさっさと殺しなさいよ
もう私の魔の力も必要ないでしょ? 先に行ってあんたが地獄に落ちてくるのを待っててあげるわ!」

「ならば……ここで死ねッ!」

鬼気迫る形相で抜いた剣を女の胸元へ突き立てようとクロウリィが剣を下ろした刹那、
暗闇の中から現れた漆黒の騎士が篭手で剣先を逸らし、すれ違いざまにクロウリィの腹を抉る。
何が起こったのか理解できぬまま男は口から血を噴出すと、目を見開いたままその場で崩れ落ちた。

「ド……ドルバトゥール?」

「申し訳御座いません……敗北を喫し、
貴女様の許可なく死んでしまったことを深くお詫び致します」

「もう二度と私の傍から離れないって……誓って」

「騎士の宣誓なら初めてお会いした時に交した筈ですが?」

「……馬鹿ね」

車椅子から寄りかかるように二人の男女が抱き合うと目を見合わせ、口付けを交わした。
ようやく叶った夢が、すり抜けてしまわない様に。


191 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 18:01:15 ID:jMhV3shK

堕ちた竜の前でイフティハルは腰を下ろし、老兵の魂に祈りを捧げる。
恐らくは神剣に選定されず蘇生することが出来なかった者もいるだろう。
犠牲の上に成り立つ平和などイフティハル自身は認めたくは無かったのだ……

「あれ……親方様、なんだか竜のお腹動いてません?」

「え……マジで、折角しんみりしてたとこなのに」

竜の中から剣を掻っ捌きながら老兵が姿を見せると、申し訳なさそうに互いに顔を見合わせる。

「博打で負けた借金を取り立てるまでは
死んでも死に切れんわい、ガッハッハッハ!」

「プッ、クク、ハハハハ!」

「何、暢気に笑ってるんですか、二人とも……」

なお、文筆家が書いたイフティハルの伝記はあまりに突飛なストーリーから、
あまりウケは良くなかったようである。


192 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 22:16:08 ID:mgXO1meD
第一部、完ッ!!!

193 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 22:18:49 ID:7zyMqM28
終わった?

194 名前:第2部開始!:2008/11/22(土) 22:46:26 ID:mgXO1meD


【戦場を望みて】


$「で、レディ。貴女はこの戦い、どちらの軍勢に分があるとお考えかな?」

%「そう……ねぇ。黒鷲には力はあるけど、勢いが足りない。
   逆に白鷺は兵も少なく装備も貧弱、でも彼等には大義があるわね。
    どちらかというと、どちらにも分がありそうに思えるわ。難しい質問ね」

$「つまり、両軍ともに決定的な何かが足りない……と」

%「そういうこと」

$「では、貴女がどちらかに加勢すればどうでしょう?」

%「フフ、そうすればわたくしが加勢した側が勝つわね。問題は単純になる」

$「そして、その反対側の軍勢に、私が加わったらどうなるでしょう?」

%「あら、貴方が剣の封印を解くと仰るの? それは誘惑? 
   そんなことなら、すぐにも彼らを皆殺しにしてこなきゃいけないわ。
    ギャラリーが多いのは燃えるけど、あんな風にいると戦うのに邪魔だもの」

$「いえ、例えばの話です。私が剣の封印をとくのは、今後、ただ一度きりのこと。
   それ以外には、二度と剣は抜かない……そう誓いを立てましたからね」

195 名前:第2部開始!:2008/11/22(土) 22:47:01 ID:mgXO1meD
%「ホント、残念。貴方の剣が描く花は、とてもとても美しいのに」

$「貴女の股の間にある花こそ、この世でもっとも美しいと人々は噂していますがね」

%「残念ね、この花はわたくしを剣で打ち倒したものだけが拝むことができるの。
   貴方が剣を抜かないというのなら、永遠に見ることは叶わないわね」

$「正直を言うと、それだけが唯一の心残りでね」

#「後悔は人生のスパイスというわ。悔いのない人生など、黒胡椒の入っていないスープも同じ。
   わたくしとて、ただの女として生きていればと思う事がないと思って?」

$「不運にも、私は辛いものが苦手なので」

#「あら、甘党だったの?」

$「意外ですか? 私の家は戦争で親を亡くし、二人の姉との暮らしでしてね。
   一番上の姉が毎夜、寝る前に入れてくれたホットココアは今も思い出の味です。   
    二番目の姉が教えてくれた、唇の甘い味わいとともにね」

196 名前:第2部開始!:2008/11/22(土) 22:48:13 ID:mgXO1meD
#「……その涙は、とても悲しいものだったでしょうね。
   貴方に悪い悪戯をした、二番目のお姉さんは今、どこで何をしているの?」

$「行方は知りません。姉と私を置いて、家を出て娼婦になったと聞きました。
   恐らく、今もどこかの娼館で働いているのでしょう」

#「必死に、貴方を探しているのかも知れないわよ。でも、7才のころ別れたままの弟。
   顔立ちも変わる、手がかりがない。見つけても、名乗り出すことができない。
    英雄になった貴方の名声を、地に落としてしまうのが怖くて」

$「そんな殊勝な姉であれば、あのような真似はしなかったでしょう」

#「人生には、間違いというものが往々にしてあるものなのよ。
   剣一筋で生きられる男の貴方とは違って、女にはいろいろあるものだから」

$「貴女にも、多くの人生がおありなのでしょうね」

#「そう、わたくしもまた、娼館で働いていたことがあったわ」

$「これほど高潔で美貌の貴女が……? 王都にあるという王族専用の〈絢竜の花園〉でしょうか?」

#「いえ、わたくしがいたのは、うらぶれた田舎町の小汚い娼婦の館。
   戦争で親を亡くし、女二人と弟一人、食べるものも着るものもない貧しい暮らし。
    育ち盛りの幼い弟にまいにち、寝る前の一杯のホットココアを飲ませてあげたくてね……」


しかし、2人は気づいていなかった。
今まさに、自分たちが見下ろす戦場で、恐ろしい悪鬼が目覚めようとしていることに……。

197 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 06:42:11 ID:80diQeR3


【西暦2010年 シアトル発007便 太平洋上空】


航空機の窓から流れる雲空の合間には、灰色の街並みが広がる。
照らされる太陽の光が機内で、眠りにつく一人の男の瞼をこじ開けるように照らす。
男はシートから身を起こし、ミネラルウォーターのキャップを捻り蓋を開けると
一口に含み周囲を見渡す。

清廉な容姿に流れるような金髪、その場から立ち上がった実業家風の青年男性は、
手荷物の中から顔に似合わぬ一振りの剣を取り出すと、その場でゆっくりと剣を抜いた。
一瞬場を包む静寂、乗客たちが次第に男の奇行に気付き始めると
客室搭乗員が男の前に駆け寄り話しかける。

「お、お客様一体何を!?」

「少しばかり空の散歩を……ね」

男の握る剣から奇妙な光が溢れ始めた瞬間、地鳴りのような音が機内を包むと
旅客機の機体が歪に捻じれ、壁面に亀裂が生じた。旅客機のコクピット内では
急激に高度を下げる旅客機に管制からの連絡が入り、機長が応対する。

「メイデイ! メイデイ! こちらシアトル007便、非常事態発生!
高度が上がらない……どうなってるんだ!?」

機長が慌しく緊急事態を管制室へと告げる、操縦をオートパイロットから手動に切り替え
操縦桿を起こすも、機体高度は上がることなく墜落し続けている。
高度を上げようと機首を挙げるにつれ機体は悲鳴を上げるように捻じれ
ついには機体が真っ二つに寸断され、海上へと墜落していく。

機体から投げ出された貨物がひらひらと舞い落ち、客室の乗客たちは
空へと投げ出されないようシートへとしがみつく、海面に叩きつけられ、
墜落した航空機内に海水が流れ込んだ。

『……この事故により383人中237人もの乗客が死亡
詳しい事故原因について生存した146名から事件直後の状況……』

「お母さんTVのチャンネル変えていい? 今日の占い気になる」

「どこのチャンネルも、昨日起きた事件の緊急速報よ
まったく、アンタは年中お気楽なんだから」

「きっと、お母ぁちゃんに、似たのねぇ」

茶碗を持った女子高生は箸をくるくると回すと味噌汁をすすり、
焼き魚を箸でほぐし口へと運ぶ、何の変哲もない母子家庭の朝の光景。
”九条由樹”は手元の携帯の時刻をちらりと確認すると、かきこんだご飯を喉に詰まらせ咳きこむ。

「何やってるの? もう少し落ち着いて食べなさい」

「友達と電車に乗り合わせる約束してるの、けんど間に合わんで!」

「はいはい、行ってらっしゃい」

「行ってきます!」

腰元まで伸ばした黒髪をひるがえし、少女は通学路を駆けだす。
あれから幾千年の時が流れ、砂の足場に組まれた日常が今、崩れ去ろうとしていた。


198 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 21:30:59 ID:TQFjFAUM
さあ、頑張るんだ

199 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:50:55 ID:qI2fP5Hw
投下に期待

200 名前:糞スレ:2009/01/02(金) 09:38:02 ID:qgLKdoo3
kusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokuso
kuso
kuso   〜〜〜 荒らし & AA諸君 思う存分 カキこ よろ 〜〜〜      
kuso     ↓↓ここ ↓↓↓
kuso    ブス45歳meramerakyarokyaro = chiharu24jp32転売目
kuso    >>http://pc11.2ch.net/test/read.cgi/yahoo/1229612303/l50
kuso                                 
kuso  荒らし & AA 自由演技 掲示板 へ 変更!!             
kuso   ここ 栄誉ある 「馬鹿&糞スレ}認定 記念         
kuso   荒らし & AAアート フリーゾーン に 変更!!           
kuso                                  
kuso   テーマ   : 馬鹿&糞スレ だから それ見合ok     
kuso                                 
kuso   キーワード : アート内に さらーり 混入 なお嬉     
kuso       梨加  りか  リカ ←これ必須ww         
kuso       高田 ミトハウス 3675 麗奈(仮名)577 おばさん  
kuso       芹沢  大蓮南  ババ― 181            
kuso       子犬3匹 301号 ニュースキン 東大阪市  6725   
kuso       弥刀 0825 おばちゃん 1丁目 近畿大阪銀行    
kuso                                 
kuso   注意点   : スレッドではkusoで発言           
kuso           >>1 ←糞スレ主 逆恨み          
kuso           >>1 ←無視、ムシ、虫、ムシ         
kusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokusokuso



201 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/02/07(土) 10:22:59 ID:CetzBG/J
やたら懐かしい気持ちになるスレだな
ここもモエリーナ来てるし

202 名前:10/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2009/02/08(日) 00:11:05 ID:XoNkETVy
このスレに書き込もうとしたら
名前欄にこんなのが残ってた

203 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 00:14:28 ID:AF7fV2Ia
あるあるw

204 名前:創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 00:16:50 ID:XoNkETVy
なんと4ヶ月前だよ!

205 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 19:06:29 ID:PjX5KNH7
ファザコンのロゼ
ttp://218.219.242.231/~kuroneko/imgboard1/img-box/img20090310190235.jpg

206 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 15:29:16 ID:sI8BGx4B
うめええええ
がなぜこのスレ……

207 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 18:03:08 ID:bAb23AII
小説書いた本人が挿絵描いて何か問題でもあるのかね?

208 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 20:46:10 ID:lbwX5nkq
うますぎて吹いたw

209 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 21:32:22 ID:06J+scdb
ちょwwwゲロ上手じゃんwww

210 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 14:17:33 ID:coqyk9d4
880 名も無き冒険者 sage ▼ 2009/03/22(日) 14:16:07 ID:ibpkCI8L [2回目]

名無しの魔術だな

名前がないので、100人が1000人にも10000人にも見えてしまう
これを個々の田中さん、山田さんと置き換えていくと2ちゃん世論なんて何のあてにもならないのがよくわかる

メーカーも実際、2ちゃんなんて完全に捨て置いてるだろ?

211 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 08:04:06 ID:vek3RtCQ
98 名無しじゃなきゃダメなのぉ! sage ▼ 2009/03/23(月) 07:47:59 ID:qzeTZfPf [2回目]

>>96
ハッキリ言おう、無いと

まず「外注」という時点で「そのゲームに何の愛着もない連中が書くわけ」
で、そいつらは当然請負会社だから「大量に並行して仕事をかけもちしてるわけ」
どうやっても、流れ作業で文字を埋めるような仕事になる


ライターだけは、本当に自社で育てるしかない

212 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/28(土) 19:31:07 ID:EMWGXQ9E
ま、自分の頭で考え、身をもって体験し、
それで感じた感動から言葉を発するんだな

それが本当の知恵であり、真実の言葉といえるだろうな

敵意100%の連中のネガキャンを鵜呑みにしてりゃ、世界は歪むばかりだぜ

213 名前:創る名無しに見る名無し:2009/04/01(水) 13:25:11 ID:Oh5xSXcn
答えがないのが真実

それでも人は己に問い続けなければならない、

―― 考えろと

214 名前:創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 11:48:32 ID:iwuE2WQC
>マクドと言う奴等には、マックは敵、と言っていた。
>関西のマクド派にとってマックは敵らしい。

たった少数の「マックは敵、と言っていた。」だけで
「関西のマクド派にとってマックは敵らしい。」という結論を導きだしてしまう

これがまさに2ちゃんの恐怖だね

215 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 01:43:31 ID:Z76fqvMx

荒涼と広がる白い大地、いかなる生物をも拒絶する死の大地の中を、
二人の少年が歩き続けていた、見渡す限りに広がる土の上に倒れ込むと
流れ出す汗が大地に深く染みる。

フランティエ北領域に位置するオーキス自治領。
人々は未だ、争いを捨てきれずにいた。


【白い風】


岩を切り崩し建設された石造りの家屋が立ち並ぶ、北領大地オーキス。
かつて死の大地に沈んだといわれる、遺跡の発掘及び、希少鉱物の採掘により
低い食料自給率を補い、外部との交易により生活を支えている東連合の一国である。
北から吹き込む風により、痛んだ外壁に申し訳程度に付けられた門をくぐり
交易に訪れた者達が頻繁に行きかっている。

「……」

街の中へと行きかう人々の間を縫うように、無骨な鉄の塊に身を包んだ長身の女が
風に煽られぬよう覆っていた外套から少し顔を覗かせる。

「お嬢さん、表じゃ外套は脱がない方がいいよ
北から吹き込んでくる風に皮膚がやられっちまうからね」
「……お聞きしたいことがあるのだけれど」

女がそう言うと、話しかけた自警団の男は女が腰に下げた二振りの剣を目にやり言葉を返す。

「観光に来たって訳でもなさそうだが?」
「アヴロー家に用があるの……」
「アヴロー? あぁ、あの家の連中なら……」

男はそういうなり遠くに見える丘の上を指差した。
遠巻きから見える影は木で組まれた踏み台から首に縄がかけられ、
五人の家族が北の風に吹かれ静かに揺れている。

「”魔人”だったんだよ、知ってるだろう?
魔に魂を売った人間が、国主であるクロウリィと西大陸のカステルを謀殺したって話さ
おかげで東西戦争の講和は破綻、奴等の所為で大勢の人間が戦争で苦しんだんだ」
「子供まで吊ったの?」
「おいおい、あいつらは土塊で出来てるんだぜ?
人間じゃねぇんだ、何でも矢で蜂の巣にされて血の一滴すら流れなかったそうだぜ」

女はそこまで話を聞くと外套を再び羽織り、その場を振り返ることなく街中へと歩き出す。
重い足取りのなか、土を踏みしめる度に具足と剣が克ち合い、虚しく音を立てた。

宿屋の扉をくぐり、併設されているギルドに貼り出された依頼書に女が目を通していると、
受付に座り込んでいた老人は、久方ぶりの来客に慌てた様子で語りかける。

「ようこそオーキスへ、直ぐにこちらの登録を照会致します……お名前をどうぞ」
「ロゼ……」

女はそう答えるとその双剣を腰から降ろした。


216 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 01:44:23 ID:Z76fqvMx

日は傾き夜の空に月が浮かぶ頃、頼りない蝋燭の光が部屋を照らし出す。
蟲の泣き声一つとて聞こえない静寂の中で
かすかな衣擦れの音を聞いたロゼは寝台から体を起こし音の方角へと声を向けた。

「……誰」
「夜分に申し訳ありません、クロウリィ元首の従者トットです」

軋む音をたて開く扉の向こうから見慣れた顔が覗くと
ロゼはその場で立ち上がり上着を羽織った。

「お久しぶり」
「ロゼさんもお変わりない様で……」
「そう? 割と背は伸びた方だと思うのだけれど」
「しかし、アヴロー家の方々は残念な事に」

従者がそう呟くと、ロゼは寝台の横に置いた水の注し口から
ゴブレットに水を注ぐ。

「……そうね、回収できなかった」
「まだ……魔と戦える程の力は戻らないのですか?」
「神剣は殺害した相手の魂を喰らうことで力を増す魔剣、魂を解放し、力を失った
今の私には武装した街娘ほどの力しかないわ……無理な相談よ」

そういうなり、ロゼは暫く振りに袂の剣を抜き、錆びた剣先に息を吹きかける。
神剣に封じられた数千に及ぶ人々の魂は開放され、かつて神剣使いに倒された者達は
魔の力を経て魔人となり、第二の人生を得て各地へと旅立っていった。

「で、では、また魂を集めれば……」
「もういいのよ……人の命を犠牲にして魔を倒す力なんてもう必要ない……」
「しかし、魔を倒し、封じる事ができるのは”神剣使い”だけです!」
「なら……私を殺しなさい」

そう言うとロゼは袂に掴んだ剣をトットヘと差し出す、
決意にみちた眼差しがその発言に偽りがない事を示していた。

「……そ、それは」
「私を殺せば貴方が”神剣使い”よ、この呪いはそう作られているのだもの」
「……」
「気に病む必要はない、平和は犠牲の上でしか作られないのだから
誰だって生存競争の中で誰かを捧げて生きているでしょう?
貴方の主であるクロウリィだって……私の中で生きている」

トットは震える手で剣へと手を伸ばすと、汗の滲んだ顔を腕で拭った。

「……で、できません」
「ふふ……ただの冗談よ、”おつむの足りない”貴方に
最初から期待なんてしていないわ」
「!?」

凍てつくような微笑を湛えた女がかつての従者と向かい合い薄く笑う。
女は窓際から覗く白い大地に浮かぶ月を望むと
掌から立ち上る青い炎を揺らしながら呟いた。

「自らの手を汚すことなく戦うのは、卑怯者のやること……か」


217 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 20:48:42 ID:P+pdYmng
固有名詞がたくさん出て混乱するが、これは面白そう
重めの雰囲気がいい味出してるな
でもなんでこのスレでww

218 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 20:07:33 ID:om6eblbX
普通は先に話を作ってから漫画を描く


>>40の漫画
ttp://www5c.biglobe.ne.jp/~maru_01/sinken.htm
>>197の漫画
ttp://www5c.biglobe.ne.jp/~maru_01/possession.htm

219 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 22:59:58 ID:vsM7X9gq
なんか濃い漫画キター

220 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 16:45:16 ID:KJbW+Iz3
>>218
両方ともおもしろかったー!

221 名前:少年A ◆lDWSbsWJ/k :2009/06/21(日) 19:46:25 ID:uSeA8x/i

 こんな詩


あの子は凄く文学家で
僕なんかよりも
たくさんの詩を読んだり書いたりなんかしていて
廊下ですれ違うときなんか
きっと僕の心をひょひょいのひょい と
お手玉のようにしてもて遊んでいるんだ

僕がクラスの仕切り屋に苦笑いをするときなんか
きっと僕のことを
なんて太宰治みたいに
八方美人な人なのかしら
なんて思っているんだ

いつかの国語の時間に
僕の詩が発表されたときなんか
その秀でた文学力で
きっと僕がこんな詩を書いてるなんてことは
すぐに気づいただろうな


ああ

あの子もこんな僕の詩を
書いてはいるのだろうか
いや あの子は凄い文学家だ
こんな心理的な
こんな詩なんか
あの子はとうの昔に
書いてしまっているはずだろうな




222 名前:創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 02:20:35 ID:UT+SHjGp
少年Aさんじゃないっすかw

223 名前:保守:2009/10/28(水) 02:15:17 ID:n2eVx/Am
保守しとく

224 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 18:38:46 ID:JpVqydOp
ガキィーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
ギャンギャンッ!!!!!!!!!!!!!ガッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズズゥーー…ン… ドッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ゴゴォ… バガァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ビッ ギィーッ カァッ!!!!!!!!!!!!! トンッ… ヒュッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ババババッ!!!!!!!! ガインッ!!!!!!!!!!!!!!
ゴガガガガガァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「うおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バッッキィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ ズザザアァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドゥムッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「く」
「これで終わりだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビッ
ジイィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ジュウゥゥゥゥ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ちくしょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バゥウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズズ……!!!!!!!!!!!!!!
「終わったか
また宇宙が始まるぞ……」

ドンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

225 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 18:50:11 ID:JpVqydOp
ダダダダ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ひィーひィー…」
「はやくしろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「だめだもう走れねえヒフー…」
「はやくしないとやつにおいつかれ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

フワフワ… スタンッ!!!!!

「わたしから逃げられるとでも?」

「わわわぁー
パッと見10代くらいのまさに“魔女”って感じの格好をした女が空を飛んできてそして俺達の目の前に着地したよおっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ひィー魔女め」
ヒュッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ピタァッ!!!!!!!!!

「無駄よ」

「うわぁ〜
投げ付けた石が空中で停止したよおっ!!!!!!!
きっとこの魔女の魔法だあっ!!!!!!!!!!!!!!」

「説明ありがとう
さぁ死にましょうか」
ヒュルルルルッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「いやだぁーーーーーーーーーーーーーーーー」
「逃げろー」
ダダダーッ

「…うふふ…
逃がさないッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

226 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 19:01:10 ID:JpVqydOp
ボソボソ
「フンガーガ ボルド メコレ」

ブウォオッ…
ドッカァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ブチブチッ!!!!!ズッシャアァァーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ボトボトボトッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「う、うわぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!
モルオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あんたもよ
チョッピリーノ グッチャラス メコレ」

メリメリメリメリメリ…
「ほ ほごごォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
く くく首ゃぎゃああああああああああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

メリメギッ…ブッチィィィーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!
ブシャアァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜… ガクガク ドサッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ふぅこんなものね」

227 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 19:08:57 ID:JpVqydOp
わたしの名前はフーリャンよ
今をときめく大魔女

わたしの目的は世界征服なの

くだらないかしら?
別にいいのよ

だってこんなの 私の長い人生の中の暇つぶしの一つにすぎないのだから


「今日は調子がいいわ
久々に町を一つ二つほど滅ぼしちゃいましょうか」
ザッザッ

228 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 19:24:16 ID:JpVqydOp
辺境の町 モッコリ


ボオォォォォーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズズゥウゥゥン… バキィッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ゴゴゴゴゴゴゴ…

「わー」
「きゃー」
「わー」

「ボバッチ カレズス メコレ」
ズムッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ぐはぁっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「クレステ ヒャーリャーズ メコレ」
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
グサグサグサグサグサグサグサグサァァーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ぐげゃーーーっ!!!!!!!!!!!!!」

「ウンコ メコレ」
ブフォオォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「くっせぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「あははは
ん?」

ザザザザァーッ!!!!

「武器を持った男が十数人 私を取り囲んだわ」

「おいやっぱ逃げちまった方がいいんじゃねぇか…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」
「今更なに言ってんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この数だ…絶対やれる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「そうだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こんな糞魔女…俺達でブッ倒してアレしちまえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「魔女といえども相手は女… 力で潰せ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「…………………」
ズズズズズ…
「なめられたものね…
数…?力…?
そんなもの 私の前では無意味だと
その身に思い知らせてあげるわ」

229 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 19:45:25 ID:JpVqydOp
「マスクリート リウィン ヒャックリング サーネイル バオ メコレ」

ズッ… ズズッ… ズズズゥウゥーーン… ッッ…
ズッドオォオォオォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バキバキバキバキキキキィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜… ガガガガガガァッ…

ヒュウゥウゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜ン…


「あらら
ちょっとやりすぎちゃったかしら
まわりも吹っ飛んじゃったわ
もうちょっとゆっくり破壊したかったのに…仕方ないわね」

230 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 20:02:07 ID:JpVqydOp
「ひえー…
た たしゅけて」
「いやよ」 ニッコリ
ボムッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ほぎゃあぁーっ…」




「はぁーさて
全部破壊しきれてないけど飽きたし帰ろうかしら」
くるり すたすた…

「…!」 ピタリ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

「なにかしらアレは…
大きな光の柱が空に向かって高く伸びているわ
あすこは…町の広場の方かしら?
……………」

ゴゴゴゴゴゴゴォ………

「なにか気になるわね
行ってみましょうか
……」


ザッザッザッ

231 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 20:17:18 ID:JpVqydOp
スタスタスタ…
「………ッッ!!」
ゾクゾクゾクッ!!!!!!!!!!

「何…この感覚は…ッ
広場に近づいていく程強まっていく寒気…!
まさかこの大魔女フーリャンがこの先の“ナニか”に恐怖しているというの…!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

ザッザッザッザッ… ザリッ…

「……………」
ヒュウゥゥーーン…
「私の堪が言っているわ
ここから先は本当にヤバイと
でも私は…」
ザッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「あえてそこに足を踏み入れる!!!!!!
だって気になるもの」


ズウゥゥゥゥゥ…

「むむ」

ギュギュンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぐっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
何なのこの力の波動は!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
体が向こうに引っ張られる……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
少しでも気を抜けば私とて体を持って行かれそうだわ……ッ …面白いッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

232 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 20:27:06 ID:JpVqydOp
ドドドドドドドドドドドドドドドッ…

「………………」

ブフウォオォォォォーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ひえぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「いやああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ヒュルゥウゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!


「……
力のない人間達が吹っ飛ばされていく
全員が同じ方向…広場に向かって…
やっぱりあの光柱の所に何かあるんだわ」


233 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 21:33:02 ID:Q9aOs7ZW
意外と視えるもんだなw
続きにきたい

234 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 21:33:06 ID:JpVqydOp
すすすー

「やっと広場が見える所まで来たわ
…しかしこれ以上はさすがにヤバイわね
中心に近づくほど引っ張られる力が増していくわ…
!!」

ズズズズズ…

「広場の中心から上へと伸びる光柱…
その光柱の下に直径2メートルほどの黒い球体が一つ…」

『うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
ギュウゥーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズブブブブブブッ……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「…人間達がその黒い球体の中に飲み込まれていくわ
アレがこの謎の力を発しているモノの正体かしら
もう少し様子を見ましょう」


ヒュオォォォオォオォォォオオオオォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「たしけてぃえぁああぁぁああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「も゙ォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ぎぃやあぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ほほーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ヒュルルルルーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズブズブズブズブズブズブズブズブ…


「あははは
人間達が吸い込まれていくのを見てるのもいいけど、そろそろ飽きたわね
うーむ」

235 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 21:37:42 ID:8s+MWBKb
ワロタw

236 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 22:01:13 ID:2xs4Trff
ありだなw

237 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 22:10:10 ID:JpVqydOp
ヒュウオオォォォォォ…

「…?
なんか吸い込み力が弱まったわね…
よし今のうちに近づいて観察しましょう」
スッ…
「おっと…一応魔力全開でバリアを張っておきましょう 念のため
ショージョー シューシィー メコレ」
ブゥンッ
「これでオッケーね」

スタスタ
ザッ!!!!!!!!!

「ふむ…
見事な“球”ね
触ってみたら……いや、それは危険ね
ふーむむ…」

ガコッ…

「ん?」

「い いたいよお…」

「子供だわ
瓦礫に埋もれていて吸い込まれずにすんだのね
あ そうだわ」
スタスタ

「…?
おねぃちゃん誰…?
た 助けて……」

「よいしょ」
ヒョイ
「よいしょー」
ポーーイ

「わぁッ…?!!」
ズブォッッ!!!
ズブブブブブブブブッ…
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
いやぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズプンッ…

「やっぱり触るのは危険ね」

238 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 22:11:51 ID:Q9aOs7ZW
おいw

239 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 22:15:30 ID:2xs4Trff
こんなもん誰も読まねえよ。

そんな風に思ってた時期が、俺にもありました。

240 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 22:30:18 ID:JpVqydOp
「そうだわ
私の魔法をぶつけてみましょう
んんッ…」
コオォォォ…
「レッギーラ パーレス メコレ」

ドギャアアアアアアァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ ガギギギィィーーーーーーーーーーーーーーーンンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

きらーんっ

「な なに!!!!!!!!!!!!!!!!!?
この…
ヒャクダン レガルド カー メコレ」

ズッダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッッッッ ドトドドドドトドドドドトドドドドトドドドドトドドドドトドドドドトドドドォーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
パッコォーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
しゅううぅぅ…

きらーんっ

「バ バカな
ヒュレイダ メコレ」

カキィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドシャシャッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ガラガラガラガラ…

きらーんっ

「この…ッ!!!!!!!!
ミレルオ ガインガイン メコレ」

ガインガイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

きらーんっ

「ポヨヨラ オッパオ メコレ…!」

ボイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

きらーんっ

「ワイレイヤ メコレ!!」

ヒュルルッ ギュギュギュッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
スピィーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

きらーんっ

「ウンコ メコレ!!!」

ブフォオォオオォォォオオォオォオォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

きらーんっ

「ちっくしょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

241 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 23:09:57 ID:JpVqydOp
「ハァハァ……くぅっ…!!!
ありえないわ…!!!!!この球…私の魔法を全て無効化している!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

きらーんっ
ユラユラユラ…

「…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この‥球ァ…ッ…
まるで私を馬鹿にしているかの様にゴロゴロと左右に揺れているわ
こいつ意思があるのかしら?」

ユラユラユラユラユラユラ…

「とりあえずくそむかつくわね…ッ
後悔なさいこのM球ァ…
私の究極魔法を味わわせてあげるわよ…ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

242 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 23:21:33 ID:JpVqydOp
「ハアァァァァッ…
喰らいなさい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
アンギール レット ファイニアラード ラ モン ファゲトール ダ ヌ ゥーラ メコレ」

ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎぃぃいぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぃいぃぃんッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ギュアァァアァァァァァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ… ズッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズ…ズズズズゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…ッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ババァーーーーー〜ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ひぃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッ!!!!!!!!!!
カッア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
コオォォォ…

「ん…はぁッッ…!!!!!!!!!!!!
対象を次元の果てへと送り込む私の最強魔法よ…ッッ!!!!!!!!!!!!
どう……?!!!!!!!!!!!!!!!!」

シュウウゥゥゥゥ…





きらーんっ




「…ッ!!!!!!!!!
…そんな…ッ」

243 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 23:34:05 ID:JpVqydOp
ガクリ
「私の最強魔法まで…
こいつは一体…」

ユラユラユラ…

「…………!
なに…?! わたしはつまりこの意味不明の球に“負けた”ということ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
ありえないわッ…!!! わたしは最強………最強の魔女だというのにッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ユラユラユラ…

「揺れるな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
カタキン野郎!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




「むむっ
その声はフーリャンだな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
見つけたぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

244 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 23:36:42 ID:JpVqydOp
「…む?」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やはりフーリャンかァーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あぁ…無意味ちんこじゃない」


「誰が無意味ちんこじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
俺はお前を倒すために生まれてきた勇者ペロスケでい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

245 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 23:55:40 ID:JpVqydOp
「私を倒すために生まれてきた……? あははは
あんたなんて私にフられたのを逆恨みしてるだけのただのみじめでEDの無意味ちんこじゃないの」

「無意味ちんこはやめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「本当にしつこい男ねアンタも」

「うっせー糞魔女!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
見たところこの町をこんなんにしたのはお前だろうッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
許すまじ…!!!!!!!!!!! 罪なき人々の命を奪う貴様はマジ許すマジ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
マジ許すマジ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「『マジ許すマジ』を気に入ってんじゃないわよ」

「今日こそお前を討る!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…が、今ここで
『許して下さいペロスケ様。貴方様にはもう絶対服従ですわ』っつって腹でも見せたら許さん事もないが…」

「お断りよ」

「交渉決裂!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
マジ許すマジ!!!!!!!!!!覚悟せいやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

246 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 23:59:04 ID:Q9aOs7ZW
>マジ許すマジ
ちょっとツボったwくだらねえwww

247 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 00:17:42 ID:iTDzWupi
チャキンッ バババッ!!!!!!!!!!!!!!
「とーうっ!!!!!!!
必殺のスーパーミラクルウルティマニアックハイパードラゴニックスーパーチャージオリジンスーパースラッシュ斬を喰らえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「トメィティオ メコレ」
くいっ

ビタァァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぐおぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
空中で動きが止められてしまったぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ウンコ メコレ」
ブファオオォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「くっせぇえぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ウンコ メコレ」
ブッッッッフウゥゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ギィヤァッーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
鼻がもげるゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ゲリ ウンコ メコレ」
ビチチッ ブチュウッ チュブブブブリィフィウゥウゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ぽ゙ォオォォォェ…」 ゲロッ

「ほいしょー!」
くいっっ!


ドスンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「うぶるるるァッ…無念……」ゲロゲロ
ガクッッ

「あんた程度なら指一本で充分」

248 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 00:24:48 ID:G6hL3xGM
マジ許すマジwww
これは流行るw

249 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 00:41:40 ID:iTDzWupi
しぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ったく、やぁっと静かになったわねえ
さてどうしましょう
せっかくだしこの無意味ちんこをあの球に放り込んでみようかしら…?」

「ふんぬッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガバッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ハァハァ…地獄を見たぜ…」

「あらもう起きたの」

「き 貴様……アレは…酷いぞ…
正々堂々戦え糞魔女コラーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「まだやるの?」

「い いや…今日はさっきのアレで戦意喪失したからやめておく…
はっはっは…命拾いしたな………」

「まぁどうでもいいわ
用が済んだらさっさとその無意味なちんこを切り取って実家へ帰れ」

「無意味じゃねぇッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ちんこナメんじゃねーぞ…
ちんこナメんじゃねーぞオラァァァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ナメないわよ」

「…ん?それはなんだ」

250 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 00:50:00 ID:iTDzWupi
「変な球よ
私は今こいつを調べているのよ」

「ふむ
何か嫌なオーラを感じるな」

「あら分かるのね」

「ああ…なんとなくだがな」
ペタペタ


「あ」

「ん?」
ズププッ…
「ん??」

251 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 01:11:07 ID:iTDzWupi
ズボボボォッッッ… ズッボアァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズルズルズルズルズルズルズルズルズルゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぎょおぉぉぉぉぉおぉおおぁぉぉぉおぉおおぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なゃん…こォアッ…しゅーこまれろぶろろるォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズッブ…ズッブ…ズッブ…

「あァ…ハハ
それ触っちゃダメよ」

「言うのが遅ェミ゙ョおぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぉおぉぉぼるぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズッボボボボボボボォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「………………」

ズルルルル〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッ!!!!!!!!!!!!
「見てないでたしけろコラァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ンズボボボボボボボボ……

「はは…
さすがに一般人よりはしぶといわねぇ…
…まったくしょうがない」
カンッ
「スビリィーク メコレ」


スッパァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「うぎゃあーーーーーーー!
俺の右腕がァーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…はっ!でも助かった…」

252 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 01:34:50 ID:iTDzWupi
「うぐぅ…俺の右腕が……
フ、フーリャンてめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
他に方法がなかったのかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「しょうがないじゃない…
ていうかコレはアンタの不注意が原因でしょう
助けてもらっただけ感謝しなさいよ…」

「う あ あぁ うむ…それもそうだな…
まさかお前が助けてくれるとは思わなんだ。すまんな…」

「……
もういいからアンタはさっさとちんこ切り取って実家に帰りなさいよ」

「いーや!!
俺もこいつの正体が気になる!!
こうなったら最後まで付き合わせてもらうぜ!!!」

「いらないし…」

「そういうなよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



ゴロン…




253 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 01:52:25 ID:iTDzWupi
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

ゴロゴロゴロゴロン……


「なんか激しく揺れているぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ザワッ…

「……この感じは…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
何かが‥“出てくる”‥!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「な 何かってなんだよ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「とりあえずヤバイモノには違いないわ…
無意味ちんこ 下がりなさい」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ズズズズゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜…


ピッカアァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
シュゴゴゴゴォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「くっ」
「うーあぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


シュウゥゥゥゥゥ…

254 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 02:01:00 ID:iTDzWupi
「……………………アレ?」
「………」
「おい…球はパックリ割れたが…何もいねぇぞ…」
「…………」

ズッ…

「ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
後ろよッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バッ!!!!!!!!!!!!!

「え…っ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バババッ




フワン………
フワフワフワフワフワァ〜〜〜…

「な なんだこいつは
小さい…バスケットボール位の大きさの黒いガスの塊みたいなのがフワフワ浮かんでやがるぜ」
ザッザッ

「近づいちゃダメよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
無意味ちんこ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うっ」
ピタッ


フワフワ…

「………」

フワフワ

「………」

フワフワ

『ツいに時が来たのか……』


「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「しゃ、しゃべりやがったぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

255 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 02:08:19 ID:iTDzWupi
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

『長き時が経っているようだな…』

「しゃ、しゃべった…」

「あんた何者…?」

『………人間……
忌ま忌ましい人間め……
まだ世界に存在しておったか……』

「ちょっと!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私の質問には即座に答えなさいよこのガスポケモン野郎が!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
何者だって聞いてんのよ私は!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「お前は何に対しても無駄に高圧的だな」


『……私は“エス”…
この世界を無へと導くもの…』

「この世界を…無に?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドドンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

256 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 02:25:51 ID:iTDzWupi
『時は来た
契約に従い、私はこの世界を無にかえす…』

「契約…?いってぇどういう事だ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
お前は一体なんなんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

『私の存在を説明した所でお前達には理解できまい…』

「うっせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私をそこいらの凡もやしと一緒にすんなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

『……目障りな人間め…
世界の前にお前達を終わらせてやろうぞ…』
キュウゥゥー…ン
キュンッ

「ぬっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うわぁーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
サササッ!!!!!!!!!!!!!!

ドカァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「や 山が吹っ飛んだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
い 今の避けてなかったらヤバかったぜ…」

「無意味ちんこ…
あんた足手まといだからさっさと逃げなさいよ…」

「お お前やるつもりかよ…」

「この世界は私の物になる予定なの!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
というわけだから無にかえされたら困るのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そういうことかよ…」

257 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 02:37:39 ID:iTDzWupi
「お前の世界征服は勇者的に考えたら到底許すわけにもいかないが…
今はそんな事も言ってはいられん
とにかくここは共闘しようじゃねーか フーリャン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「いやいいし…」

「そういうな…むむっ!
危ない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガバァッ ズザザザァ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!


キュインッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドカァーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「あ 危なかったな…
今俺がお前を助けなかったらお前ヤバかったぞ…
あ……………………
へへっ こうしてお前と顔を近づけるのも随分久し」
ボゴォッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
「ぶごぉおぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「さっさとどきなさいよ
今の攻撃を私が気付いていないとでも思ったのアンタ……」

「うごぉーッ…く くそ魔女めぇ……」

258 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 13:00:21 ID:iTDzWupi
キュンキュンキュン…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「…来るぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

キュイィー…ン ドッガァァアァアアァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

259 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 19:23:42 ID:iTDzWupi
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「はっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
威力はデケーがスピードは遅ぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
簡単に避けられるぜそんな攻撃!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 今度はこっちだバァアロォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ダダダダダダッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ゲリ ウンコ ア ゲロ メコレ」

ブヴィーーーッビヂヂヂチチチィィーーーッッ ブリャッ ブッブッ… ブリブリプゥウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ボぶチョッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ゲロゲロゲロ ビッッッッチャアァァァアァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ホンぐァごドゥエェェェおォエェ゙ェェェェォ゙ェ゙ェェェ゙ェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バタンッ ガクッ… ガバ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「何すんだテメェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 プ〜ン

「くっさ
よらないでよ」

「てめぇのせいだろうがァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

260 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 19:47:02 ID:iTDzWupi
「あんたまさか剣で奴に挑む気?」

「まぁ…そうだが」

「はぁ…
あんたはちんこだけじゃなく脳みそも無意味なのね」

「んだとーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「奴に触れるのがどれほど危険か さっき身をもって体験したでしょバカ
まぁ もう一本の腕もいらない っていうんなら止めないけど」

「…はッ、な なるほど確かに…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「つまりアンタは奴との相性が非常に悪い
死にたくなかったら今すぐ土に潜って8年眠れ」

「ぬ〜…勇者の俺が戦わぬなど…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

『うるさい奴らだ
次こそ終わらせる』

キュィーン キュィーン キュィーン ………

261 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 21:04:38 ID:iTDzWupi
バキュウゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
シュパァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「な なにぃー
奴の放ったビーム的なものが途中で拡散して四方八方から俺達に襲い掛かってくるぜーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「随分と器用な事も出来るのね
でもこれで私をとったつもりかしら?」
カカンッ
「ラーメン クイタシ メコレ」
モゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

キュキュキュキュキュキュキュキュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「よっしゃ!!!!!!!!!!!!!
バリアで防いだぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

シュウゥゥゥゥゥ…
しーん…

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「え!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」


「奴がいない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

バンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

262 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 21:22:28 ID:iTDzWupi
キョロキョロキョロ
「い いないぞ」
「くっ 気配も感じない
逃げたのかしら」
「ははは
俺の凄さに恐れをなしたんだな」

ヒュウウゥゥゥゥ…



ポポゥ………
ポウゥゥー…ン……

「…ん」

フワフワ…ピタァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ずわァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こ こ 腰!!!!!!!!!!!!!!!!!!腰ィッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
腰に奴がくっついているゥウゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「この…ッ」


『その程度で大魔女気取りのお前から“終わらせて”やろう』


ズギュルッ



263 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 21:46:12 ID:iTDzWupi
ズギュッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズギュズギュズギュギュギュウゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「す 吸い込まれッ……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…フーリャン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ダダッ

「ち 近づくな無意味ちんこ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こんなの私の力で…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ハァーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギュイィイィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ズギュギュギュギュギュギュギュギュウゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…

「ぐうっ…ダメ‥だァッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギュギュギュギュ…


『無駄だ
お前程度の魔力では私からは逃れられない…
…ふ ふ ふ お前は今恐怖しているな…
忍び寄る死の予感に…』

「…バカな事をッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズルズルズル…

『隠しても無駄だ…
私は人の心を読めるのだ…』

「………くっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

『死ぬ前に教えてやろう
私は“世界の終わり”……
私はこの世界を終わらすために今この時代に復活したのだ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

ズギュウゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぐぐぐゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…」

『なかなかしぶといがそろそろ限界だろう
私の中で絶景を見よ』

ズッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「させねぇッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バババッ

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
無意味ちんこ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

264 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 22:13:42 ID:iTDzWupi
「フーリャン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バッ
「お前は!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ババッ
「こォのッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
カカンッ
「くォのォーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
くいっ くいっ
「俺!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
パシィーンッ
「様ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
パパンッ
「が!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ダンッ
「助けて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビシィッ
「やぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜… ぁ」
くるーん
「るゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜… んゥ」
バババッ
「ぶツェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜… あぁ噛んだ…」
キラァーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「長い 死ね」

265 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 22:48:21 ID:iTDzWupi
ズブズブ
「無意味ちんこ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
もういいからアンタどっか行きなさいよ…」
ズブズブ

「それはならん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
勇者的に考えたらこのままお前を放ってくわけにはいかんだろが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ズブズブ
「アンタに何が出来るのよ…
カッコつけてないでさっさと逃げなさいよバカ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


チッチッチッ
「俺はなフーリャン
お前に対抗するため魔法の勉強を一時期していたんだぜ
でも駄目だった…
長い事勉強して得られた魔法はたったの一つ……しかも意味分からんやつ…
だが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この魔法が役に立つ時は今まさにこの時だった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンてめー驚け!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!そしてこの俺を尊敬しやがれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…アデュー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
カカッ!!!!!!!!!!
「…イキリタス ハィハイィ〜ン メコレッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ズブズブ
「…!!!!!!!!!!!!!!!!!
この呪文はッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

266 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 00:48:51 ID:SONnDsHV
「“ポイントチェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンジ”ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

カカカァーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


パッパッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

ズブブブゥ〜ッ…
「上手くいったぜ…これで俺とお前の状況が逆転したぜ…」

「対象と自分の位置を入れ換える魔法……
あ あんた…ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ぐ ぐぁぉー…体が吸い込まれるぜ
さすが大魔女だなフーリャン… ずっとこれをこらえていたのか…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「む 無意味ちんこ
あんた…こんな…どういうつもりなの…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ズブ〜
「ど どういいつもりって…
ただの勇者的な行動だぜ
誰かのために自分を犠牲にする…これぞまさに勇者よ」

「…バカじゃないの…アンタは…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヒトのために死ぬなんて…分からない…私には分からないわ…」

チュッパチュパ
「へっへ… やったぜ… やっとお前にギャフンと言わせたぜ
もう我が人生に悔いなしだぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
……あァいや…一つだけあるかも 心残りが」

クッチャクッチャ
「お前の本当の笑顔を…見たかっ」

ズボッ モグモグ ゲ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ップ…


「無意味…ちんこ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

267 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 01:11:00 ID:SONnDsHV
シーハーシーハー
『ふぅ食った食った
む』

「………………………」

『まだいたのか』
フワフワ…

チャキンッ
「………………………」

『…愚かな
今の青いのが作ってくれた逃走のチャンスをみすみす逃してまた私に挑むとは』

「逃げる…?
冗談言わないで…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私は大魔女フーリャン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
逃げなどしない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
チャキィーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


『…そうか
ならば次は一思いに終わらせよう…』


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



ダダダダダダダダダダダダダダ…

「…?」

『?
なんだ?』


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「んにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃあぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドドォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ねっ…!!!!!!!!!?」

『また変なのがきた』

268 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 01:43:33 ID:SONnDsHV
ダダダダダァーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「にゃにゃあァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズダァーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
クルクルクル… スチャッ!!!!!!!!!!!!
「にゃあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バババーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「この痛い忍者コスプレ女は…
ねこ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「コスプレって…あなたには言われたくないねぇフーリャンちゃあぁーん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あんた何故こんな所にいるのよ」

「たまたま通ったらあなたのオーラとそれとは別の邪悪なオーラを感じたのよう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ていうかこの奇妙なガスポケモンもどきは何よう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ヤバイ奴よ
あんた逃げた方がいいわ」

「それならあなたも一緒にね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
まずはアイツの動きを止めましょー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ハァッ」

みょいんみょいんみょいん…

「りんぴょうとうしゃかいりきおとこのわきのあせ…破ァッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


『むむっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?』
ガキィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
『グァァァッ謎の光が私を包み込んだらなんか動けなくなってしまったーーーーー何だこれはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』

269 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 02:05:09 ID:SONnDsHV
「きったァ〜っ にゃんの必殺の封印術が見事にヒットしたよお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃんこの隙に逃げるよぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「私が逃げるなんてありえないわ」

「なーにゃーてッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そんな疲労困憊っぽいナリでこんなヤバそうなのと戦う気?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ここは一先ず撤退した方がいーでしょ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ふざけないで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こんなガス野郎に背中を見せるなんて屈辱よ」!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「むう…」


ボゴッ…

「うッ…」
ガクン… ガシッ!!

「ごめんねフーリャンちゃん
…ひゃー…これは後が怖いなぁ…まぁ 仕方ないか…
…んじゃあガスさん そういうことで バイチャー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギュンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズダダダダダダダダダダダダダダダァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

『ぐっ…待て…
ぐぐぐゥ…力の放出も制限されている…ちょこざいな…
ぬぅ このままでは…』

ヒュオォォォ…

270 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 02:13:07 ID:SONnDsHV
ヒュウウウウゥ〜〜〜〜〜ン……

ダダダダダダダダダダダーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
キキキィ〜〜〜〜〜ッ ザッ…ザッ…

「はへ〜〜〜〜…
人抱えて走るのはキツいねぇ〜」

「うーん」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヤバ 起きちゃう
急がなきゃ」


ダダダダーッ!!!!!!!!!!!!!!!

271 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 02:19:17 ID:SONnDsHV
ザザザッ… ザクッ

「むむっ…着いたぁ
にゃんの隠れ家ナンバー18!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ここにフーリャンちゃん置いてさっさと逃げちゃおぉうっと」

ガチャッ… ギィィ…

「ベッドに寝かしとけばいいかぁ
あーいっと」
ポーイッ

バフッ…ガキィーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ごボぐァハあぁぁァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 ドクドク

「ヤッベ
布団の下に鉄アレイ置いたままだった
…………逃げよッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

スタタタタタタタタタタァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

272 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 02:27:01 ID:SONnDsHV
ヒュオォォ…

「うーん… ハッ …ッ!!!!
あーいたたたたたたた… んッ!!!!!!!!」
ベッチョリ
「なんで頭から血が…
ん…?そういや私は一体どうしていたんだっけか…」


ポクポクポクポクポクポクポクポクポクポク… チーーンッ!!!

「…ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あぁ思い出したァ…ねこォォッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いない…逃げたわねあのバカ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!
大方この頭の血もアイツかしら…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ぬぬぬぬ…許さない…!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ヒョウゥ〜〜〜ン…

「はァァ……私から逃げられると思っているのかしら…?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ワイラーリュ ヤイウ メコレ」

ヒュンッ…ヒュンッ…
ヒュルルンッ ヒュルルンッ ヒュルルルルルゥーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

273 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 02:38:47 ID:SONnDsHV
ザザザザァ〜〜〜〜〜〜〜…

ドダダダダダダダダダダダダダダダタダダダダダァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズサァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ここまで来たらもー安心かなぁ」



ヒュウン ヒュウン ヒュウン …

「む?
なーにゃーこの音は…?」

ヒルルルルルルルゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「うわわわわァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!
蛇のようなモノが私の方に迫って来るよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
きっとフーリャンちゃんの魔法だよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
逃げなきゃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ズダダダダダッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヒュルルァルァルァルァルァルァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「わぁーーー!
追い付かれるよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ダダダダ…ガッシィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「んにゃーっ!!!!!!!!!!!!!
捕まってしまったァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ギチギチギチギチッ!! ギュッギュッギギューッ!!!

「うわァーーーーーーん!!!!!!!!
体にガッチリと巻き付かれてしまって逃げ出そうと思ってどんなに暴れても全然無意味だよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


…ヒューーーーーーーーーーーーーーーー…ン

「わぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
戻っていくよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
助けてぇッ こーーーーーーーーーろーーーーーーーーーーーさーーーーーーーーーーれーーーーーーーーーーるゥーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ヒューン…

274 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 09:54:07 ID:lacB/bjE
ねこフイタw名前ねこかよwww
しかもフーリャン一撃昏倒させるとか強すぎだろw

「あーいっと」に胸がきゅんとしたのは言うまでもないが。

275 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 13:11:21 ID:ivnJK7bk
最後のシーンでえっちなことを想像した俺の心は既に汚れてしまっているようだ

276 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 21:45:17 ID:SONnDsHV
ヒュルヒュルヒュル…
ギィ…ガチャン

「………………た ただいまぁ」

「あぁら ねこ
おかえりなさい
さあ死にましょうか」

「嫌だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「余計な事した揚句わたしに一撃与えて逃げるなんて随分大胆な事したわねえ」

「一撃なんて与えてないよぅっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
事故よぅ事故ォッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「こんがりコースとぺったんこコース、みじん切りコースなんかあるけどどれが好みかしら?」

「どれも嫌ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!この通り!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この通りだから勘弁してよぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ペコペコペコ

「………………………………

…しょうがないわねぇ…まぁいいわ 許してあげる」


「マ マジで?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
み 妙に素直ね……」

「でも
ウンコ メコレ」

ブフォオォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「くっせぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

277 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 22:17:34 ID:SONnDsHV
「それで済んだだけラッキーと思いなさいよ」

「うぅ…それはそうかもね…
ところでフーリャンちゃん
あなたは一体何と戦っていたの?」

「……」


カクカクシカジカ


「エス…
この世界を終わらせる者…?
うわー…そんなクレイジー思考 フーリャンちゃん以外にいたんだ…」

「なんか言った?」

「いやなにも」

「あぁ…そういや無意味ちんこが奴に殺されたわね…」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
無意味って…ペロスケ君の事!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「最後まで無意味なちんこだったわ」

「そ そんな……………
…はっ そうか フーリャンちゃんがなんかいつもと様子が違うのはペロスケ君が死んだからなのね…!!!!!!」

「無意味ちんこの事なんてどうでもいいのよ
とにかく私はあのガス野郎が気に食わないの
奴に背中を見せてしまったことがとても許せない(ねこのせい)!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
無意味ちんこの事なんてどうでもいいのよ」

「あぁそう…」

278 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 22:23:08 ID:ivnJK7bk
ツンデレですね
わかります

279 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 22:30:14 ID:SONnDsHV
「ん そういやねこ
あんた奴に変な封印かけてたわよね」

「うにゃ 『光の封印』をかけといたのよぅ
ヤバそうな奴だったから思わず最上級の封印術使っちゃった」

「それ凄いの?」

「うにゃ
『光の封印』はかつて地上を暴れ回った魔王も封じたという最強クラスの封印術よぅ
一度かかったら動く事も力を使う事も出来ないよ!」

「ふーん……… よし」

「んにゃ?」

「ねこ!さっきの町に戻るわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
動けなくなったアイツを超嗤った後にボコ殴りよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

280 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 23:08:18 ID:7IupQlQq
「えー… ちょっ…いいじゃん別に行かなくても
ペロスケ君を殺してフーリャンちゃんをめっさ追い詰めた奴なんでしょ…?
怖いわよぅ」

「うるさい
私が言ってるんだから黙って付いてきなさいよ」

「というか なんでにゃんまで…」

「もし 奴があの場所にいなかったら…
あんたをぶっアレすためよ」

「封印はちゃんとヒットしたんだから居るわよぅ」

「念のためよ
あんま文句言うとゴキブリ食わすわよ」

「…………………………
…分かったわよぅ!!!!!!!!行くわよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「最初から素直にそう言いなさいよバカ」

「うぅ…」



281 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 23:10:16 ID:lacB/bjE
擬音がないと物足りないおれは明らかに中毒者

282 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 23:19:00 ID:7IupQlQq
「さっさと準備して出発するわよ」
ガチャガチャ

「あい〜っす…
はぁ…」


ガサゴソガサゴソ

「にゃんの封印なら絶対大丈夫なのにぃ…
……………うむ?そういれば…じゃない そういえば…
フーリャンちゃんがここまで私の力(封印術)を頼りにするのってこれが初めてかな…?
それほどその“エス”ってのがヤバいって事なんだろーけど…それでも
……なんか嬉しいなぁちょっと」
ニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤ

「そこのキモいねこ
なに笑ってんのよ」

ギクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「なーにゃッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
な、なんでもないわよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!にゃひひ」

「?
じゃ、行くわよ」

283 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 23:31:43 ID:7IupQlQq
ヒュヒュウゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン…

ザッザッザッザッ…
「んむー…寒い
もう夜になってたんだねぇ…」

「…………ん?」


…ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「みつけたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おいみんな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!フーリャンがいるぜぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「うわはっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんかすごい強烈で痛いコスプレ集団がこっちに向かってくるよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「強烈で痛いコスプレ ってあんたに言われたくはないわね」

「そういうフーリャンちゃんにも言われたくないけど…
ねー、アレらは何?魔女ハンターか何かかなあ」

「………
…あいつらは………………………」

284 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 23:51:44 ID:7IupQlQq
キキキィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー… ズサァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「…ヒュハー…ヒュハー…
見つけたぜ…大魔女フーリャン…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……………」

ヒソヒソ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ね ねぇ…
この人らは何…?」

ボソッ
「…無意味ちんこの仲間(パーティ)よ」

「えっ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ペロスケ君の…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「うちのリーダーがいつもの様に『フーリャン見つけたーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』って叫んで走って行ってしまってはぐれてしまったんだ
で お前の所に来なかったか?」

「……………………」

「………」

「リーダーの事だ
きっとお前ん所に来たはずだぜ
…おい?…それで、うちのリーダーはどうした…?」

ボソソッ
「フーリャンちゃん…ど どうする…?」

「…」

285 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 23:54:13 ID:/FG0rbqK
これはひどい、まさにスレ体現
いいぞ、もっとやれ

286 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 00:07:48 ID:7IupQlQq
ゴゴゴォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

「……」

「吐きやがれ魔女っ子め!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
言わないと俺達のハイパートライヒップスマッシュΣ改が炸裂しちゃうぜ」

「なにそれむしろ炸裂しちゃって欲しいんですけど」

「無意味ちんこは…………………………………………………………………………」
ヒュオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…
「無意味ちんこなら向こうにある霊峰タートルヘッドの山頂にテレポートさせたわ
全裸で」

「え…」

「なっ なにィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そいつは大変だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!こうしちゃいられねぇッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おいオミーら!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!リーダーが凍死する前に助けにいくぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
くっそ、フーリャン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!覚えてろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
スタタタタァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヒュウゥゥゥゥゥーーーーーー…ン…

「…本当の事言わなくて良かったのぅ…?」

「………
今言ったって面倒臭いだけじゃない
それより 先を急ぐわよ…ねこ」

「……あい」

287 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 00:29:45 ID:912LF5bW
辺境の町モッコリ の廃墟

「着いたわ」

「凄い破壊っぷりだねー
これも“エス”が…」
ゴクリッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「いやこれは私だけど」

「…」

「奴を探すわよ
えーどこだったかしら」


キョロキョロ… カザコソ… スタスタ…

1時間後

ヒュルルルルルルゥ〜〜〜〜〜…

「キッコー ウーラ メコレ」

ビッシィイィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「んにゃぎゃあーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いきなり縛り上げられたァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ねぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜こォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…
奴はどぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜こに居るのかしらァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

ギュッギュッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「しっ 知らないよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギュギュッ!!!!!!!!!

「え………?
あんた…奴には“最強の封印”をかけた って言ってなかったかしら?…ん??
たしか……“動けなくなる”…とか“力が使えなくなる”…とか
あんたはそう…言って…いなかったかしらァッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シュゴゴゴゴゴゴゴゴォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ギュギューーー… ギュッッ!!!!!!!!!!!!!!!
「いーーーーーーーーーーーーーやァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今度こそッ こ〜〜〜〜〜〜〜ろ〜〜〜〜〜〜〜〜さ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜れ〜〜〜〜〜〜〜〜〜る〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

288 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 00:53:27 ID:912LF5bW
フッ…
「もぁっぷ!!!!!!!!!!!
し 縛りが解けた…」
スタッ

「…もういいわ
元々あんたの封印術には期待してなかったし…正直」

「にゃ、にゃんですとッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「じかに対峙した私には分かる
奴があの程度の封印ごときで身動きが封じられるはずがないもの」

「そんなぁ…」
ガガーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「どこかに向かって移動した様子はないわ
気配がスッとなくなってる感じ…
テレポートでもしたのかしら…?
とにかく手掛かりかなんか探すわよ
はあ…」
ザッザッザッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「うにゃー…」
シクシク


ヒュルヒュルヒュルル…

289 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 01:31:09 ID:MoIyUr+f
ドッチャン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ガラガラガラガラァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バキッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!グンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズオォッ…ギャギィイィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヒュタッ すすすっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バッコォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「手掛かりなんもなし…ねぇ」

「もっと隈なく捜しなさいねこ」

「フーリャンちゃん何もしてないじゃなぁーい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「うるさいわね
得意分野が“封印”のくせにまともに封印も出来ないアンタが出来る事っていったらこのくらいでしょ
チャッチャとやれ」

「うぅ…何も言い返せないよぅ…」
ガラララ… ギギィーッ
「んにゃ?」
スタスタスタ

ズズズ… ググゥーッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぬわァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「!?
ねこ どうしたの」

「ひ 人だわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
子供がいる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

バババァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

290 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 01:39:42 ID:MoIyUr+f
「男の子が瓦礫の中で身動き取れなくなっているよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…子供?
どうでもいいじゃない」

「うぅぅ…」

「今助けてあげる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
どっこい掌握」
ヒョーイ ガララッ

「いたた…」

「…大丈夫…?」

「う…うぅ…
うっ…魔女が……町の人達を殺しちゃったんだ…」

「そう…」

「あはは、この町も運が悪かったわね
私に狙われるなんて」

「うぅっ…… …ねぇ…オバハン達は誰…?」

「誰がオバハンじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私はまだ十代よ!!!!!!!!!!!!!!!!!ぶっアレす!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
マッサツ メコ…」

ガババッ
「わぁ〜
子供に何やってんねよぅ大人げない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ちぃっ…」

291 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 01:45:04 ID:MoIyUr+f
「ご ごめんなさい…
僕……目が見えなくなったんだ…それで…」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
目がッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ?
まさか…魔女に…?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
キッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「睨まないでよ
なんなのアンタ」

「ち 違うよ
目は魔女のせいじゃないんだ」

「…え?」

「…!」

292 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 01:51:37 ID:MoIyUr+f
「回想するよ…」

フンワ フンワ フンワワァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…ン


「僕 さっきみたいに瓦礫に埋まって動けなくなってたんだ
その時はまだ目も見えてたよ… でも…」

フワフワフワ…

「アッチの方から変な黒いフワフワがこっちに近づいてきたんだ…」



「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
黒いフワフワ………奴か…………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



「黒いフワフワは僕の顔に超近づいて目を覗き込んだんだ…
で、こう言ったよ」



『仕方がない
お前の“目”を借りる…』



「そして…」

ズギュウゥウゥゥウウゥゥウゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「回想終わるよ…」

293 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 02:03:14 ID:MoIyUr+f
「あぅあッ………………………………………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガックシ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ちょ、ちょっと…大丈夫!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」
ガシィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「黒いフワフワは…僕の…僕の目の中に入って来たんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うぐぅっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「なっ なーにゃーてッ…
め めめ 目に…?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「目に………… まさか」
ザッザッザッ…
「子供、ちょっと目を見せなさい」

「え…?」

くいっ…
じろじろっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「なるほど
つまり奴は“鏡写しの転移(ワープ)”をしたってわけね」

「なにゃそれ」

「鏡とか 何かを写すものを介してワープする魔法よ
鏡やなんかは(私が)破壊し尽くしてたから仕方なくこの子供の目を使ったのね」

「ひ ひどい」

「しかし随分と旧式の方法を使うのね…
いやもしかしたら奴は身動きは取れるようになっていても“力”の方はある程度封じ込められてるのかもしれないわね」

294 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 02:24:35 ID:MoIyUr+f
「ワープ方法が旧式すぎてワープ先が特定出来ない…ちっ」
スッ…
「もうコレ以上手掛かりはなさそうね
この町にはもう用はないわ
行くわよねこ…… っと‥そうだわ」
キラーンッ

「なにゃッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
チョッ…待っ…‥!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ササササァーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ガシッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「フーリャンちゃんッ…
な 何をするつもりなの?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「何って…決まっているでしょう
その子供を消すのよ」

「そんな…ひどいよッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「生かしておいてなんになるのよ」

「でもっ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
かわいそうだよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…?
なんのお話…?」


295 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 02:28:05 ID:MoIyUr+f

「あの子供を生かしてたって ここに置いてったらどうせすぐ死ぬわよ」

「……し 死なないッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
じゃ じゃああの子は私が引き取るよぅッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「はあ?
あんたが…?あの子供の面倒を見るっての…?
あきれた…。あんたには無理よ」

「無理じゃないよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やってみなきゃ分かんないじゃないのよぅッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「無理よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いいからどきなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
とにかく私をオバハン呼ばわりしたあの子供はブッアレしときたいのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「嫌だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
……“封”ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ガッチィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ぬ…あァッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ね ねこォ!!!!!!!!!!!!!!!!私に封印を……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんのつもりッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「こういうつもりッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バイチャーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギュンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダァーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「んあぁっ…逃げた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こらっ…ねこォッ!!!!!!!!!!! …待ちなさいねこーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
くっ…動けない…!!!!!!!!!!!!!!!
ぐうぅぅ…ッ ねこ…ッ ねこコラァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



ヒュオォオオオォォ〜〜〜〜〜ン…

296 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 02:39:50 ID:8r9N2PUm
ちょwwwwwwww

297 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 12:28:48 ID:85C3MX73
フーリャン相変わらず非道だなw
マジ許すマジ

298 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 12:33:26 ID:MoIyUr+f
ビュビュビュウゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…

スタァァンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ジャッ!!!!!!!!!! ジャッ!!!!!!!!!! ジャジャジャッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヒュバババババババババパバババビバババババァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「わぁっ
風をすっごく感じるよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「にゃひひひ でう?気持ち良いでしょう?」

「うん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これで目が見えたらなぁ…」

「………………
ねぇ君 名前はなんていうの?」

「僕はマスラオだよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おねーちゃんは?」

「マスラオ君ね
にゃんは…にゃんの名前は……
とりあえずねこって呼んで」

「うん ねこ姉ちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「よろしくね…
今日から私があなたの面倒を見るよぅ
親代わり…にはなれないけど、本当のお姉ちゃんになれるように頑張るよ…」

シュタッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ザッフザフザフザフーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「それよりヤバイなー
思わずフーリャンちゃんに“封”をかけちゃった…
これはヤバイ これはさすがに殺られる…
もう二度と出会わない様に気をつけなきゃ…」
ズダダダダダダダダァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

299 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 16:48:45 ID:MoIyUr+f
ザザザァーーーー…ン……

ザガァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「兄貴ィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
見て下せェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
町が!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
俺達が襲う前から壊滅してますぜェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドシャアァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「本当だなぁ子分よォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんでだろォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーなァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「しらねェェェェェェェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そうだよなァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
まどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーでもいいかァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
さっさと略奪開始だぜぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ヒョヒョオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイィッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズゴゴゴゴゴゴォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

300 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 20:17:35 ID:MoIyUr+f
ガサガサガサァーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「くそがッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
何もにゃー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「しかも人っ子一人いやしませんぜ兄貴ィ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「どゆことなんだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「アァッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「どうしたんだァーーーーーーーーーーーーーーーマ゙ァアァアァァァァアァァアァオ゙ォ゙ーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「女だッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
女が倒れてますヅィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「な なにィ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
本当だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!こいつァ大変だぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
触診開始ヒャッホオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ダダダダダァーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「マッサツ メコレ」

スパァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
パックリ!
「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「シャキシャキ メコレ」

タタタタタタタタタタァーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ごえぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ みじん切りィッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バラバラバラボトボトボトォ〜


「やっと封印が解けたわ
ちくしょうねこめッ…!!!!!!!!!」

301 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 20:59:55 ID:MoIyUr+f
「…………」
ザァァァーーーーー…
「やはり時間が経ちすぎたわ
ねこがどこに行ったのか分からない…ちィっ」
ジャッジャッ!!!!!!!!!!!!!!!
「一度ならず二度までも…
ねこごときに不覚をとるとは…
私としたことがどうも…あいつには心を許しすきたわ」
ザッザッ…
「次見つけたら火口で綱渡りさせてやろうかしら…」
ザッザッザッ… ピタッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「……………………」
ヒュオォォォ〜ン…
「これからどうしましょ」
ポクポクポクポク… チーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「とりあえず奴を…
私の天敵ガス野郎が向かった先でも探るとしましょうか」
カカカンッ

「フワラル レーロー メコレ」
フワッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


タタンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ブワァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヒュウゥーーーーーーーーン…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

302 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 23:28:28 ID:MoIyUr+f
ミョイン ミョイン ミョイン ミョイン ミョイン…

『なんたることか』
フワフワフワ…
『動ける様にはなったが“力”の解放は制限されたままだ…
このままでは“契約”を果たすことが出来ない…
どうにかしてこの縛りを消し去らねば』

フワフワフワ…ミョイーン

『これほどの縛りを消し去るには相当の量の“アレ”な必要だ
しかし… む』



ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ…


『これは…………
そうかこの時代にも“こういう連中”はまだ存在しているのか
ふむ』

ポクチーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

『ふ ふ ふ
ひらめいたぞ
少々遠回りだが、致し方ないあるまい』

フヨフヨフヨ〜

『見ていろ…世界…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私は必ずこの世界を“終わらせて”やる…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

ズズズズズズズズズズズ………ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

303 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 23:29:33 ID:MoIyUr+f


304 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 23:35:15 ID:MoIyUr+f
「そういうわけで私はあの後ガス野郎の事を調べた
でも何にも手掛かりを掴めなくて3日で飽きたので家に帰ったの」



それから1年後



チュン…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
チュンチュンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
チュチューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
コォッケ コォッ コォオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ガバァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「うるせぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…あらもう朝なの」

ギッ パタパタ シャア〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「さわやかな朝ね
そうだ今日の朝食は鶏の丸焼きにしましょう」

305 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 23:45:05 ID:MoIyUr+f
「……………………」

サァーーー… ササァーーーーーーー…

「暇ね」

サワサワサワサワァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…

「私ほどの魔女になるとやることなくて暇だわ」

ポカポカ…

「そういえば最近あまり町を襲ってなかったわね」

ギィー…ギィー…

「そろそろまた…いや 面倒臭いわね…」

ユラユラユラ…

「ねこでもいれば退屈しないけど
今居ない蟯虫の事考えてもしょうがないわね…まったく」

………

「………………………」

………

「んごォーーーーー…」

スヤスヤ

「んごォーーーーーーーんごォーーーーーーーーーーー…ギリギリギリギリ…」


ポンッ

「ンゴ… …んん…?」

ポンポン…

「なによ…」
ムクッ


「どォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーもォーーーーーーーーーーーーーーーーーおはようございますゥー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
わたくしィ、『超神会』の者ですがァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

306 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 00:04:25 ID:C5+gSLnt
「うるさい」

バッコォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドブーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぐほァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
鼻っ柱に躊躇なき一撃ィッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
い いきなり何をッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「それはこっちのセリフよ
この私が庭で気持ち良く眠っていたのを邪魔しないでよアホ」

「そ それは謝ります…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
しかし…どうか…どうか私の話を聞いてください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「お断りよ」

バッキィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ガクガク…ドサァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぐわあぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
スネを思いきり蹴られたァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

スタスタスタ
「家の前の立て札を見なかったかしら?
『新聞・訪問販売・そもそも訪問自体絶対禁止』!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ということだから私が怒る前に帰りなさい
そして死ね」
スタスタスタ…

「あぁ待って…」


バターーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ガチャッ…

「ったく こんな山奥まで何しに来たのかしら」

307 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 00:53:09 ID:C5+gSLnt
ドンドンドンドンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドンドンドンドンドンッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「待って下さァーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
話しを話しを聞いてくださァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
とても良い得なお話ですよッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
すぐッ…すぐ終わりますから!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ね!!!!!!!!!!!!!!!!!?ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
流し聞きでもいいですからァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ねェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「本当うるさいわねッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…じゃー何なのよ聞かせてもらおうじゃないの?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
その“得な話”ってやつを!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ドンドンド… ピタリッ
「ハイィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーありがとうございますゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

(どうでもいい話だったらブッアレす!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)


「わたくし達『超神会』は我らが神の加護のもと安らかなる日々を築き上げていこうというとっても素敵な集まりなんですゥ
我らが神は全知全能の慈悲深き神であらゆる人達をその優しき慈悲で包み平穏の心を齎して下さるのですゥ
事実過去にたくさんの大罪を犯し魂が罪で汚れた者も神の慈悲によって魂が浄化され今では立派な綺麗なニート
そして更に『超神会』に入ればいかなる難病もたちどころに治ってしまうのですよ!
それはもうイボ痔水虫EDそして不治の病まで!!!神の力にかかれば一瞬でホイ!!!!
まさに奇跡ですよ!!!!!! そんな奇跡が『超神会』では毎日当たり前の様に起きているのですよ!!!!!!!!
あなたも『超神会』に入れば魂が満たされる事間違いなしですゥ これは私が保証しますよ!!!!!!!!!
しかも入会費もたったの2000ウンクぽっきり!!!!! これはおったまげた!!!!!!!!!!!
あなたもどうです?」


「アレす」

308 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 01:38:52 ID:EWj1HadH
PERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERA…
「つまりですね… ………で……………が………なんですよォ〜
その他にも!!……………すると………………に………も付いてくるんですよ〜
ただね………で……だけど…………して…………するわけで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
PERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERAPERA…

「うーんどうやってアレしましょう
普通にアレするのはつまらないわね…
…あ 体の皮を一枚一枚剥がしていくとかどうかしら
そんな魔法あったかしらねぇ」

PERAPERA…
「あなたも感じているはずです
今のこの世の中に対する不安を」
PERAPERA…
「知っていると思いますが 今この世界は極悪非道な大魔女の脅威に晒されています」

…ピクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「……!」

309 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 02:07:18 ID:EWj1HadH
「魔女…」
ボソリ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「えぇ!!!! 極悪非道の大魔女フーリャン!!!!!!!!!!!!!
ご存知でしょう?!!!!!!!!!」

「まあ」

「フーリャンはその絶大な魔力と魔法の力を振りかざし今までにいくつもの町や村を消滅させてきたらしいですよ!!!!!!!!!!
恐ろしいですよねぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そうね」

「それでね!そのフーリャンの容姿はこの世のモノとは思えないほどに化け物じみた醜さなんですって!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…いやちょっと待て」

「それでね フーリャンはその醜い容姿を美しくするために
夜な夜な若い男の人を襲っては精エネルギーを吸っているそうですよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……誰なのそんな噂流したやつ…」

「本当…嫌ですよね…
魔女フーリャンなんてこの世から消えてしまえばいいのに…」

「うるせーアホ」

「…プククッ
し しかし…“化け物じみた醜さの容姿”ってどんな姿なんでしょうね
きっと面白い顔に違いないでしょうねぇ…プクククククッ…」

「……」

「あー…ブハハハハハッ
見れるモンなら一度見てみたいですわねぇ〜
化け物じみた醜い容姿(笑)」

ガチャンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「………………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「あ あら…?
いきなりどうなさいました…?」
…はっ まさか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私の話をもう少し聞きたくなりましたか?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「………………………ンよ」
ボソッ…!!!

「…え?」

「私がその大魔女フーリャンだっつってんだコノヤロがァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

バババァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

310 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 18:05:18 ID:C5+gSLnt
「…は?」
ポカーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「聞こえなかったかしら?ダボが
私がッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そのッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
魔女フーリャンじゃあぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……………… え???????????????????????????????????????????????????
??????????????????????????????????????????????????????????????????????
????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????」

「?が多いんじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガシィィィッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ひィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「誰がッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
化け物じみた醜い容姿じゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガキィーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぐっふ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヘ ヘッドバッドォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「誰ッッッがッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガッキィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ポごぉッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「私が夜な夜な男の精えねるぎーを吸ってる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

カギギンッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ジャブォオォガッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「誰が吸うかァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
誰が吸うかァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガキンッ ガキンッ ガキンッ ガキンッ ガッキィーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「………」
ブクブク… ドサッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ハァー…ハァー…
まったく嫌になっちゃうわ」

311 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 22:37:24 ID:C5+gSLnt
「…………」

しぃ〜〜〜〜〜〜〜ん…

「やっと静かになったわ
よいしょ」
ゲシィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ポーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズザザザァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「……………」
ぐぐぐっ…
「うぅ…」
ゾザザザザァ…

「あら
まだ生きてたのね」

「あなたは…本当に…魔女…ッ?」
ガクガクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ニンマリッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「えぇ 証拠を見せてあげましょう
…マッジャック ナンヌヌ メコレ」


ボッバババァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
メキメキ………ベギィイィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
シュウゥゥゥ…

「ひ ひゃ〜
木が爆発したァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あなた…マジ魔女?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「何?
まだ信じていないの?
じゃ、次は向こうの山を吹き飛ばしてあげましょうか?」
ゴゴゴゴ…

「ひぇ〜
お助け〜」
スタコラサッサー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ふぁ〜あ…
これで本当に静かになったわね」

312 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 23:11:03 ID:C5+gSLnt
ザッザッザッザッザッザッザッザッザッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「………」
ガクガクガク… ドサァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ヒュー…ハァー…ヒュー…ハァー…
あ あの女……ほ 本当にあの大魔女フーリャン……?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガクガクガク…
「ど どうしましょう…どうしましょう…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガチガチガチガチガチ… ピィーーンッ!!!
「そ そうだこれはむしろチャンスだ…!!!!!!!!!
これを上に報告して援軍を呼んであの魔女を討てばそれは私の手柄…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そうなればきっと今の“白”から抜け出せる…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…うん そうだ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ハ…ハハハハハハハハハハハハ…
う うふふふふ…っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ゴゴゴォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

313 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 23:29:36 ID:EWj1HadH
スヤスヤスヤスヤ…
「ンゴォー…ンゴォー…ンゴォー…」

ワイワイガヤガヤ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ンゴォー…ン…ゴォ…?」

ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

スクッ
「随分…外が騒がしいわね
一体何?」

ドンドンドンドンドンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「魔女ォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
出てこい魔女ォッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いるのは分かっているんだぞオラァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「なによまた?
しかも今度は汗臭そうな男の声だわ」

314 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 23:42:41 ID:EWj1HadH
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「出てこいやクルルルァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
出てこないなら力ずくで…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ゲリ ウンコ メコレ」

ビチチチィーーーーッ ブヂュルルルッ ブボボボボボボリョッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ベチョオォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ チュブブブォッ ブゥッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ブリュヂュヂュッ ブリィィィィッッ ドッブォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ブリブリブリィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ぐわぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
くっせヤ゙ァアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーォアァァォガァアァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ゴロゴロゴロォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ぉ…ぉオォぉアッ…なんだ今のは…ッ扉からこの世のモノとは思えぬ激臭がァッ…
…グアッッッッ」 ゲロッ

「い 今のが魔女フーリャンの魔法ですよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ラランラン様ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「むむ
今の声はさっきの女…
………まったく面倒なのに目をつけられたわね」

315 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 00:03:36 ID:e8LKUXKD
ガチャンッ!!!!!!
「なんなのよアンタら」

「ひぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ラランラン様ッ こいつですよ魔女フーリャンはァアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ほう なかなかめんこいな
噂とは大違いだ」

「私の質問には1秒以内に答えなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
アンタ達は何なのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「はっはァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
俺様はラランラン様だァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「知るか!!!!!!!!!!!!!!!
あんたの名前なんか興味ないのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私が聞きたいのは えーなんだっけ…?
『凡人の会』だったかしら…?」

「ちょ 『超神会』!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なにその地味な人達の集まりみたいな名前!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「どうでもいいのよ
で その『超神会』が私になんの用?」

「ハッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
白々しいな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!極悪非道の魔女め!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
俺様は神の命によるこの世界の“癌”であるテメェを殺りに来たんだぜッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ピククッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「……ほう?」

316 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 00:19:49 ID:e8LKUXKD
「この私をアレしにわざわざここまで来たわけね」

「その通りおじさんだぜェーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガチャチャチャアァーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

…ニヤリッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ふん 愚かな牛男ね
もしかしてあなた自殺願望でもあるの?」
ズズズズ…ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ゾクゾクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ほう…」
ビリビリ…ッ
「おいホワイト会員
お前に奴の凶悪なオーラはちとキツイ
どこかに隠れてなァ…」

「しかしラランラン様ッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「俺は問題ねぇよ
なんせ俺はブロンズ会員だからな…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…?
ホワイト…?ブロンズ…?」

「わ わかりました」
ザザザザァーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ふっふっふっ…くくくくくっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
邪魔者はいなくなった…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
さァ…ヤり合おうぜ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……」

ヒュオォーー…
ズズズンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

317 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 00:40:34 ID:e8LKUXKD
「ポコツン ヒョリラータ メコレ」

グワンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ガッシィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
なんだこれは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
巨大な手が出てきて俺様の体を鷲掴みにしてしまったァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
グワンッ グワンッ グワンッ グワンッ グワンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「う うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
すごい勢いで振り回されて目が回るぜェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオエェェェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ゲロッチョ
バチコォーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッッッ バチコォーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッッッ バチコォーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ガッ…ゴォッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ガゴガアァッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
何度も何度もしつこいくらいに地面に叩きつけられて体力自慢の俺様もさすがにギブアップ寸前でヤバいぜェエェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ていうか何も出来ねぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そーれ」

グルングルングルンッ
ヒュバァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぐぎょオォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
豪速球ウィィウゥェェェゥェェォェィィゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドッカアァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
シュウゥゥゥ…
ピクピクッ

「ラランラン様ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「お話しにならない」

318 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 00:48:25 ID:e8LKUXKD
「ラランラン様ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ラランラン様ァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ピクピク… ググググググ…
「おぃ… ホワイ…ト…会員……
すぐに…“アレ”を呼べ………」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
アレを…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
わ 分かりました…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ダダダッ

319 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 01:04:57 ID:e8LKUXKD
「…!」


キュラキュラキュラ…


「なにかが沢山近づいてくるわ
…さすがにもう我慢の限界よ」

キュラキュラキュラキュラキュラキュラ…
メキメキ…バキィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ベキィィッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
メギギギギィィッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズラァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「大魔女ォッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
見よこの鋼鉄の戦車軍団をォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…あら随分物騒なモノを持っているのね」

「戦車の数は30台!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
完全にお前の家を取り囲んだッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
木っ端微塵にして土に還してやる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「………ふっ」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
何がおかしいのです?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「滑稽ね
これで私を追い詰めたつもり?」

「なにっ…?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あなたの目の前に居るのは世紀の大魔女フーリャンよ
そんな玩具では私に傷一つ付けられないわ」

「ほざけェェェェッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

320 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 01:25:03 ID:e8LKUXKD
「砲撃開始!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あの魔女に我々が神に代わり鉄槌を下すのだァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ギュオォォォーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ…
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドゴォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バッッッッッッッッドアァァァアァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッッッッッッツッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ギュガガガガァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ギュガガガァァァッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バギュガアァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズッッダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダアァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ギュギュギュウゥーーーーーーーー… バウンバウンバウンバウンバウンバウンゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ガララガララララァーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ズッドォオオォォォォオオォッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ボオォォアァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドウゥゥゥンッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


しゅうぅぅぅぅぅ…

「ハァハァハァ… は ははははっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
山の地形が変わってしまいましたね…でもォッッ
奴は消し炭になりましたわッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
神様ァーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やりました…やりましたァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「ははは…おめでたい奴ね」


「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

321 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 02:04:45 ID:e8LKUXKD
「何故だァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
何故砲撃の中心にいながら無傷でいられる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」
モ゙ォ゙ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ふっ
ノロすぎて魔法を使う必要もなかったわ
ただ 飛んでくる砲弾やそして爆発をゆっくりと歩きながら避けただけ…」

「バ バカな
ああ神よ…」

「ふん 神…?」
下らないわね… イイコトを教えてあげる
大魔女は 神よりも偉いのよ」
スウゥッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「神を越えた大魔女の鉄槌 喰らいなさい
ボンバリア ゴルド ドッド バーンレイド ビーマインデール ニア メコレ」

ギュギュギュギュギュギュギュウゥゥゥゥゥ…… ヒィイィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーー…ンッッッ…………
カカカカカカカカカカカァァァァァァンッ……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ボボッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ボッガアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズッドオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ブッワァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
じゃじゃじゃあぁあああああぁぁぁぁぁあぁぁあああああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ギュオォギュオォォギュゴゴゴゴォオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンンンッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ビョビョビョビヨォォェォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーービャアアアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
イギイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バフウゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……ン……
ジュジュジュジュジュウゥーーーーーー…

「はい終わりと
…はぁーあ
ガラクタ共をぶっ飛ばしたのはいいけど 私の家もぶっ飛んじゃったわ」

322 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 02:31:08 ID:6mN0Wh+O
「家も跡形もなくブッ壊れちゃったし どうしましょうか」
ザッザッ…
「…ま 家なら世界中にあるし 引っ越せばいいか
じゃあどこにしようかしらねぇ…
あ そうだわ あそこにしましょう
あそこならココ以上に人気もないし
よしじゃあさっそく」
カカカカカンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「フワラル レーロー メコレ」
ブワァッ!!!!! バササッ!! バササッ!!!
「よいしょ…ッとォッ!」
タンッ!!!!
ブワッサァッ!! ブワッサァァァッ!! ブワッサァァァァンッ!!!
ヒューーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

323 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 02:34:47 ID:6mN0Wh+O
シュウゥゥゥゥ…

「うぐ… うっ…うぅぅ…」
ザリィッ…
プルプル…ガサゴソ… ピピピッ…
「報…告………しなければ…
総帥様…に…………
やはり魔女フーリャンは危険だと………野放しにすべきではないと…
ハァハァ…我らが神よ…どうか『超神会』に…いやぁ‥世界に‥ご加護を‥…」

324 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 02:48:44 ID:6mN0Wh+O
どこか



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
ズウゥゥゥゥゥゥーーーーーーーー…ン……

カツコツカツコツ… スッ…
「………神よ
今日も世界に平穏をありがとうございます」


ダダダダダダダタッ!!!!!!!!!!!
「総帥様ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
キキキィーーーーーー…スタタタンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「騒々しいな
神の御前であるぞ」
ギロッ!!!!!!!!!!!!!!!!

「も 申し訳ありません!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
しかし重大なご報告があります…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…………なんだ」

「ホワイト会員ミョン子からの報告です…
大魔女フーリャン討伐のため出撃したブロンズ会員ラランランおよび同行した戦車部隊は
大魔女フーリャンによって全滅しました…ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…何?」

「大魔女フーリャンは討伐隊を全滅させるとどこかへと飛び立った模様です
……ホワイト会員ミョン子はそれを伝え終わると力尽きたようでそのまま…………」

「………………
後で迎えを送れ
悪女フーリャンに殺された会員達を弔ってやらねば」

「はっ…」

「世界征服を狙うこの世界唯一の大魔女フーリャン…
やはりこの者を消し去らぬ限り世界に平和は訪れぬか……
………」
ズズズズズズ…
「…ミャンチューを呼べ」


ドンッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

325 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 15:37:28 ID:6mN0Wh+O
スタスタスタ…
「総帥様
ミャンチューを連れて参りました」

「うむ 入れ」

ガチャアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「うぇーすボスゥー」
ダラダラダラ…
「ボスの方からオイラを呼ぶなんて珍しい事もあるもんでェ…へへ」

「ミャンチュー…!!!!!!!
“ボス”はやめろ“総帥様”とお呼びしろ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「細ぇな…どっちも意味ゃー同じだ
ねぇ?ボス…」

「貴様…ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「構わん
それより本題に入ろう」

「うぇ〜い そうでぇそうでぇ
…んでェボス…どんな楽しい用でオイラを呼んだんで…?」

「悪の権化大魔女フーリャンと接触した」

「!!!!!!!!
…へぇ… そりゃあまた」

326 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 18:11:41 ID:6mN0Wh+O
「大魔女フーリャン…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こりゃまた大物だ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「大魔女フーリャン討伐のためブロンズ会員一人と数十台のスーパー戦車を向かわせたがその全てが全滅…
多くの罪なき会員達の命を失ってしまった…」

「くくく
そりゃ大変ですねェ」

「そこでだミャンチュー
今度はお前にフーリャンの討伐を命じる」

「オイラですかィ
たとえ“ブロンズ”がやられたとしてもまだ“シルバー”に“ゴールド”がいるじゃありゃませんかィ」

「相手は大魔女フーリャン…“シルバー会員”“ゴールド会員”では荷が重い
しかしお前ならば…いや!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
大魔女フーリャンを倒す事が出来るのは…お前しかいない…ッ ミャンチュー…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

327 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 18:28:31 ID:6mN0Wh+O
「めんどくせー」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ミャンチュー貴様!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
総帥様になんちゅーこつを…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
変な名前の癖に調子に乗るなよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズイィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「構わん」

「オイオイ待てよそんなにキレるなよ…へへ
めんどくせーけど “やらない”とは言っちゃいねーぜェ」

「おぉ…やってくれるか…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「いい暇つぶしだ
それに大魔女フーリャンの顔を一度拝んでおきてーし
…それでオイラァどこに行きゃ良い?
フーリャンはどこにいやがるんで?」

「知らん
討伐隊を返り討ちにした後どっかに行って現在行方不明」

「あァッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おいおいまさかオイラに探すトコから始めろって言うのかよ」

「うむ
お前の鼻なら大魔女フーリャンの向かった先をかぎ分けられるはずだ」

「ったくしょうがねーぜェ…
オイラがフーリャン倒してきたらそりゃあもうイイご褒美をくれるんだよなァ…?」

「うむ期待してよいぞ」

「よっしゃー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やる気がでてきたぜェ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
んじゃーパッパと終わらせてくらァー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
タタタタタタタタタッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「…頼んだぞ…
ミャンチューに神のご加護があらん事を…」

328 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 18:39:18 ID:6mN0Wh+O
「まったく…
…総帥様 ミャンチューで本当に大丈夫なのですか?」

「うむ」

「奴は『超神会』に入ってはいるものの
信仰心というものを全く持ち合わせておらぬ不遜な男です
あのような者をのさばらせておけば そのうちに大きな問題を起こしそうで心配ですよ…」

「それでもミャンチューの“力”は使える…
それに先程も言ったが大魔女フーリャンを倒せるのは恐らくミャンチューしかおらぬだろう…」

「…………………………」

「今は奴に全てを賭けるしかなかろう…
『超神会』の“プラチナ会員”…ミャンチュー・ミャミャミャ〜ミャン☆に…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「本当に変な名前ですよね」

329 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 19:02:23 ID:6mN0Wh+O
バサッ バサッ バサッ …バサササササァーーーーッ… トン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
キラキラキラ… シャワワワワァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…

「やっと着いたわ
ここに来るのは何年ぶりかしら」
スッ…
「…………………」
フッ
「今度は私一人だけど」

トントントン… ガチャンッ…
もんわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん…
ゴミゴミゴミィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「…ゴミだらけじゃない
ハァ…まずは掃除ね」

330 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 19:17:23 ID:6mN0Wh+O
ゴッシゴッシゴッシゴッシゴッシ…
バッシャアァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ブオォォォォオウウウゥゥゥゥゥゥーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ボウッ… ボウゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドッッッッッッッッカアァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ガラガラガラガラガラ…グッシャアアァァァァァーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
わーわーきゃーきゃー…



…キラキラキラ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「綺麗になったわ
私って掃除は得意なのよね
ちょっと張り切りすぎてどういう訳だか向かいの山を吹っ飛ばして麓の町をブッ潰しちゃったけど
問題なしね」
ゴシゴシッ
「あぁもう汗だくよ
風呂にでも入りましょう」

331 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 19:30:54 ID:6mN0Wh+O
シャワシャワシャワァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜… カポーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ふぅ
やっぱり露天風呂が最高よね
景色も前が全く見えなくて外という意味が全然無くてとっても素敵だわ」

ドドドドドドドドドドド…

「『マリカースゴイ山』…
四方を凄い絶壁と凄い滝に囲まれた凄い山
やっぱり隠れるにはもってこいの凄い場所ね
ここならあの変なのもこれないでしょう」
チャププン…
「しかしあの変なの連中は一体なんなのかしら
えー…『長身会』っていったっけか…
新手の宗教かなにかかしら…
それにしては戦車とか随分アレなの持ってたけど
まぁどうでもいいわ」
バシャーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

332 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 20:32:31 ID:6mN0Wh+O
前の家 …の跡


ザッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ここだな」
キョロキョロ
「ヒュー
えらくド派手にやってくれたんだなぁ…くくくく」
ザッザッザッザッ…

シュウゥゥゥゥ…
「ここが魔女さんの家の跡かィ
…さーてね」
スタンッ ガシィッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

……くんくんくんくんくんくん…

「焦げくせぇ匂いの中に感じるちょいエレガンスで高貴な強烈な香水の香り…
こいつが魔女の匂いだな」

くんくんくんくんくんっ…
ススススゥー…

「こっちの方向に… ……むっ」
ガバガバァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ここで匂いが途切れている…
魔女らしく空でも飛んだか…?
……だが 俺の鼻は逃がさんぜ」
タタタタンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「やっぱりだ
強烈な香水の匂いが所々の木やらなんやらかんやらアレやコレに微かだがくっついているぜェ
この香水の匂いがする木やらなんやらかんやらアレやコレを辿っていきゃあ…魔女の居る場所に辿り着けるに違ぇねー
逃がさんぜ… 追い詰めて存分に楽しませてもらうぜェ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

シュタタタタタタタァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

333 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 21:07:48 ID:6mN0Wh+O
引越して一週間

「……………………」

ピーーー ヒョロヒョロヒョロォーーーーー…

「暇ね」

ざわざわざわざわざわざわざわざわァ〜…

「私ほどの魔女になるとやることなくて暇だわ」

ヒュウゥン…ヒュウゥン…

「そういえば最近あまり町に行かないわね」

ゴオォォォォォ…

「魔女の私だってたまには買い物でもしたいのよね」

ブオォ〜〜〜〜〜〜〜ン…

「それに最近まともなモンを食べてないわねぇ
久しぶりのせいか畑は荒れ放題で野菜もまともに取れないし
場所が場所だから動物も少ないし」

グウゥゥ…

「………………………」

ギュゴォーーーーー ギュグルルルルルゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜…

「………たまには町に降りてレストランで食事なんてのもいいかしらね」

スクッ!!!!!!!

「よし」

スタスタスタ

「久々に人間社会へ足を踏み入れちゃいましょう
フワラル レーロー メコレ」

334 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 21:34:53 ID:e8LKUXKD
バッサァーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ブワァーン… ブワァーン… ブワァーン…
バサッッ… ヒュイィィーーーーーーーーーーーーーーーーーー………


同時刻 マリカースゴイ山の下


ズダダダダダダダダダダダァーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ヒュウゥーーーー…
よっし…多分魔女はこの山だなァ
くくくく…しかしまた 険しい場所に行きやがったぜェ
そうこなくっちゃな」
ガシッ…ザッ


ヒイィィィィィーーーーーーーーーーーン…

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ババババッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「空から真新しい香水の匂いが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ちィッ魔女野郎め!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
またどっかへ飛んできやがったか?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「カァーッ!!!!!!!!!!!!!!
また追うか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
………………………!
…いや …そうだ…!!!!!!!!!!!!!!
いいこと思い付いたぜェェェ…」
ニヤアァァァァァァ…リイィィィィィィ…

ドンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

335 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 22:58:16 ID:e8LKUXKD
ヒュウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーン…
バササァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…

「…どうせ行くなら大きい町がいいわね
ここから近くだと…『都市コリコリムネノシコリガキニナール』とかかしらね」
バサァーーーーーーーーーーーーーーンッ……

「うん?
アレは…」

バッサァッッ……
スタンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「なにあれ」



「や やめて下さァァ〜〜〜〜〜〜〜〜いッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ズイズイズズ〜〜〜イッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ハァハァ…
奥さァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん…
あなたも『超神会』に入りましょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜やァ?
入ればあなたにももれなく神のご加護があるよォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜????????????」

「い いりませんっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そんなの!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「いらないィ〜〜〜〜?????
そんなのォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?????
いけない奥さんだなァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…
仕方ないから神に代わってぼくがじきじきにおしおきしてやるよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こっちこいぼくのフォースを見せてあげるよほほォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギギギンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「いやぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

スタスタスタ

「ん?」

「………」

「なんだぁ???????チミはぁ?????????????????????」

336 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 23:07:10 ID:e8LKUXKD
「……………」

「黙っていないで答なよぉ〜〜?
…あッ?!まさか君 『超神会』に入りたいとか?!!!!!!
オヒョヒョヒョ!!!!!!! 歓迎するよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
でもまずはぼく流の入会の儀式としてぼくのフォースを…」

「ウンコ メコレ」

ぶっふふふぉおおおぉぉおぉおぉぉぉぉおおぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「くっせぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バタンッ ブクブクブク!!!!!!!!!!!!!!!!!

「よし」

「あ ありがとうございます…」

「ついでに
ウンコ メコレ」

ぶぁっぶぁあぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「くさァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バッタァーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「よし」

337 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 23:12:51 ID:J9+1uMpN
何が「よし」だwww

338 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 23:31:36 ID:e8LKUXKD
ガサガサガサゴソゴソ…
「よく考えたら私はお金を持っていなかったわ」
ガサゴソガサゴソ…
「私ほどの魔女ならお金を払わずに店を出ても問題ないけど
それだと色々面倒な事になるし」
ガサガサ… ガッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「見つけた 財布!
どれ…… ほう…これは」すっ…
「喜びなさい
あなたのお金が私が有効に使うわ」
ザザッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「準備オーケー
行きましょうか『都市コリコリムネノシコリガキニナール』へ」

339 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 23:43:18 ID:e8LKUXKD
ざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
わいのわいのわいのわいのわいのわいの!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ゴッチャゴチャアァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ッ…………………………………」

ドカッ ドカドカドカァァァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「くゥッッ…なんという人の波
これが都会…」

ジャンジャカァァァァーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ジャンジャカジャアァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「そして何よりうるさいッ!!!!!!!!!!!!!!!!
ハァー…ハァー…ハァー…
ぬぬっ …………!」
スタタタァーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!
「とりあえず路地裏に避難ね…
……ちっ これだから人間社会は嫌いなのよ
凄くイライラするわ…
滅ぼしたい…」
パチンッ!!!!!!!!!!!!!!!
「あー ダメダメ
こういう場所は色々便利だから滅ぼすのは最後にしないとね…
とにかく人の少なく静かな場所を探しましょう」

340 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 00:05:44 ID:lQpJFhmf
「ふー
ここはさっきの所よりは落ち着いているわね
それでもまだ人多いけど」
グギューー…ルルルルルルゥゥ〜〜〜〜〜〜〜…
「あぁ
これ以上我慢したら極端に痩せそうだわ
どこでもいいから店入ろう」

スタスタスタ…
ガランゴロンガラァーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!





ズルズル バクバクバクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
もしゃっ……… ぐじゅじゅるゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
くっちゃくっちゃくっちゃ… …ジュルリッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズルズルズブブブブズゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ビヂュヂュッ…
シーハーシーハー

「なかなかおいしかったわ
久々に満足よ」
パンパン
「ふー…さて次は買い物でもいきましょうか
どこかに素敵な杖に素敵なトンガリ帽子 素敵なマントとか売ってないかしら」
フーーーーーーーーー…
チラリ…
「…………………………………
…………………ん……」

ワイワイガヤガヤ…

「……え…?」

ドクンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「…………え??」

ガタァッ タタタタタタッ ベッチャアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ど どうしましたお客様?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
窓にそんなに顔をくっつけて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「…………!!!!」
ドクンッ… ドクンッ… ドクンッ…
ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ハァ…ハァ…ハァ…… 嘘……………
ハァハァ…ハァハァハァー…んっ…くッ……… …ゴクリッ!!
………ハァッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

341 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 00:39:27 ID:lQpJFhmf


ゴロゴロゴロ…

「あれれ?
突然雲行きが悪くなったぞ」
「嵐が来そうだな」




ドクンッ…!!!!!!!! ドクンッ…!!!!!!!!!!! ドクンッ…!!!!!!!!!!!
ガクガク…
「ハァッ………ハァッ……ハァーーー……ハッ…
み 見えたわ… 私には……見えた…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギラッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「お客様?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
め 眼力がスゴイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドックン… ドックン…
「ハァハァ…ハアァァッ……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギリギリギリッッ…
ギュウゥッ… ガクンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「お お客様ーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…胸!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!? 胸が苦しいんですか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「………………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガクガクガクガク… ブルブルブルブル… ガクガクブルブル…ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「だ だだだ 大丈夫ですかーーーーーーーーーーーーーーー?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
お客様ァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガクガクガクガクガクガク… ピタリッ!!
「……………………」
…スクッ!!!!!!!!!!!!

「お…お客………様…?」

「…………………………………」
………ニヤリィィィッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ひィィィッッ!!!!!!!!!?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「ふ……ふふふ…ふふふふふふふふッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ズオォォッ!!!!!!!!!!!!!!!

「見ィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
つけたァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ねぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

342 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 00:48:36 ID:CZ31DNcd
眼力www

343 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 01:33:22 ID:zHSj+TSH
「あぁ…この感情は何
怒りや喜び… その全てを通り越し私は今無の境地と至りつつある」
ペッカァーーーーーーー…

「お お客様の顔が…まるでお地蔵様のよう…………ッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「自分でも驚くほどに穏やかなる心
なんという悟り」
スタスタスタ…

「お客様…どこへ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
お お支払いがまだ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…………………」
ストッ

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
お客様ッッッ これは多すぎます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……………」
ガチャッ… カランコロンカラーン…

ゴラゴロゴロ… カッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドンガラガッシャアァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「耳がとても澄んでいる
そして風が私に彼の者の居場所を教えてくれる」

スッ… スタスタスタスタ…


ざわざわざわ…
「なんだったんだあの女は」
「あぁぁ…きっとあのお客様は天界から来た天使様なのだわ」
うっとり
「ただの情緒不安定にしか見えんが…」

344 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 01:37:14 ID:zHSj+TSH
ゴロゴロゴロ… ポツ…
ポツ… ポツ… ポツ…

サァーーーーーーーーーーーーーーー…


カツ カツ カツ カツ…
「…………」
カツ カツ カツ カツ カツ カツ…
「……………見つけた」

345 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 02:01:15 ID:zHSj+TSH
ザザザザザザザザザザザザァァァァーーーーーーーー…

「うわぁっ!雨降って来たよぅっ!!!!!!!」
ダダダダァーッ!!!!!!!!!!
「フィイィ〜〜〜…一旦路地裏で雨宿りィ〜
予報じゃー一日中晴れだったのになあー」

ザァザァザァザァ… ブルブルッ!
「んあぃーっ……寒いッ!!
うーむむ どーしょっかなあ…
あんまりいい情報手に入れてないけど、一回“アッチ”と合流しようかな…?」

ゴロ…ゴロゴロ…
ピシャアァーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「………!!!」
ゾクゾクゾクゥゥッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「な なに?なんか一瞬寒気が……」

ドシャアァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーンッ カカァッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

コツ…
「…!」
コツ… コツ… コツ… コツ… コツ…

「な なーにゃ…?
足音が…迷いなくこちらへ向かって来るよぅ…?」

ザァアァァァァァァーーーー…

コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ…
ゾクゾクッ!!!!!!
「なーにゃにゃ…?
何故か体が勝手に震えるよぅ…?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
プルプル…

コツコツコツコツコツコツ…コツ…コツ… カッ!
「……!!?」

ザァァァァァァー…

「…………」

ザザザァァァァァーー…

「……………」

ザザーーーーーーー…

「…え?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

…カッ!!!!!!!!!!!!!!!! ドンガラガッシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ピカァァァァーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あ…あぁぁぁぁぁぁぁ…………あぁあぁぁ…
その…シルエット…は…ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フ フーリャン…ちゃん?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ぎ ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

346 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 02:17:13 ID:zHSj+TSH
ザザァーーーーーーーーーーーーーーーーン…
カカァッ!!!!!!!!! ゴロゴロゴロォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…!!!!!!!!!!!!!!!

「あわわわわ…フーリャンちゃん………」

「…………」

「あの…あのね…
あの時はね?あのー…アレで…いや…」

「…………」

「………………
………ど どうしたの…?」

「…………」
ニコッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ゾクゾクゾクゾクゾクゾク〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ひ ひえぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ごめん許してェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヒュンッ!!!!!!!!!!!!
カカンッ…カーン…
プシュシュシュウゥーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「…………」

「え 煙幕だよっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ご ご ご…ごめんねフーリャンちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バイチャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドギュンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ダダダダダダダダダダダァーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

347 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 02:24:28 ID:zHSj+TSH
「…………」




スタタタタタタタタタッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ハァハァ…ハァハァ…!
う うひーーーーーーーーーーーーーッ…!!!!!!!」
ザザザザザザザザザザザザザザザザザッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「こ こんな所でフーリャンちゃんと出会うなんて…
ハッ まさかこれは夢…!!!!!!!?
いやそうだ…き きっと夢だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギュウゥ〜〜〜…
「痛いッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
う うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
現実だよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ビチャビチャビチャビチャビチャ…
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ…

「…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ギューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「…………」

「う…うわわわわわわわァあぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんか凄い無表情で追ってくるよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
に 逃げろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


348 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 13:32:12 ID:zHSj+TSH
「ハァハァハァ…っ
道が狭くて走りにくいよぅっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
クルッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「…………」
タッタカタッタカタッタカタッタカタッタカタッタカァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「うわァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃんすぐそこまで来てるよぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュウゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「…………」

「なんでそんなマネキンみたいな顔をしてるのーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
怖いよぅっ…怖いよおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この一年で何があったというのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズタタタタタタタタタタタァァーーーーーーーーー…

349 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 13:43:05 ID:zHSj+TSH
タタタタタタタタタタ…ッ
「駄目だこのままじゃッ………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こうなったらッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
サササッ… キラリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「吸盤手裏剣!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これで足止めゴメンチョリッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シュバババババババババババァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「…………」
ゆらりっ…
スカッ!!!!!!!!!!!!!!!!! スカッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! スッカァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「なーにゃーてッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この狭い路地で投げ付けた手裏剣を全てよけおった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「今の私の目には全てが止まって見える…
なんという悟り」

「い 意味わかんにゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いやああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

350 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 13:51:25 ID:zHSj+TSH
「バクサーレ メコレ」

バッグオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「わァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…アレ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃんが狙ったのはにゃんではない…建物?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
……ハッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガラガラガラッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドカァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「破壊された建物の瓦礫がにゃんのゆくてを阻んだよぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ザッザッザッ…

「ハッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…………」

「フ フーリャンちゃん…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

351 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 19:11:37 ID:zHSj+TSH
「久しぶりねねこ」

ニ ッ コ リ ッ !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
な なにこの変な感じ…」

「会いたかったわ」
スタスタスタスタ…
ガシッ…

「ひっ…」


ギュッ……


「えっ…………?」
ドキン…!

「正直 あなたにまた会えるとは思わなかった
嬉しいわ」
ポン… なでなで…

…ブワッ!!!!!!!!!!
ぽろぽろぽろ…
「………うぐっ…
フー…リャン…ちゃんっ…!!!!!!!!!
フーリャンちゃんにそんな事言われるなんて……にゃん…嬉しウグゥ…… ングズズズ…ッ」
ガクッ…
「………フーリャ…ンちゃんッ……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ごめんね……ごめ゙んねェ゙ッ………グズゥ〜…
私…私ィィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…」

ニコ…
「…………」
なぜなぜ

「フーリャンちゃん……許して…くれる…?」

「…………ねこ」
ニッコリ…


なで… ガッシィッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

カッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「だァーーーーーーーーーーれが許すかァァアァァアアアアァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ねぇええぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜こおぉぉおぉおぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「いぎゃあぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやっぱりィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ころされるッ… こォーーーーーーーーーーーーろォーーーーーーーーーーーさァーーーーーーーーーーーれェーーーーーーーーーーーるゥーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

352 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 23:03:52 ID:zHSj+TSH
「ギャックェビ ウーラ メコレ」

グババッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バッシィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ギュギュギュギューーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「いやァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんかすごい体勢で縛られたみ゛ょごォオォォオオォオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ねこォ…
あの時の屈辱をあなたにも味わわせてあげましょう」
ニイィィィィィ…

「あやややァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
元のフーリャンちゃんに戻っているうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「コッチョジーズ ベーレ メコレ」

ボルルルルゥウゥゥゥーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いにゃやぁあぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「やっぱり“ねこ”には“ねこじゃらし”よねェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


… コチョッ
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ…
「ぎゃにィヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャあァァァァーーーーーーーハアアァァァーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
イヒヒヒヒヒヒヒ…ヒャアァッ…ヒャハハハハハハハハハハハハハハハァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ボハホヘガひひひひィィえェェェェェうェッハハハハハハハァーーーーッッッッッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やみゃ…ボッハハハハハヒーーーーーーーーーーーーーーハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

353 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 23:35:48 ID:zHSj+TSH
5時間後


コチョコチョコチョコチョコチョオォ〜〜〜…
「……………ッ…… カッ……カッ…カッカッ……
コハハッ………ッッ ……………ッ… アッアッアッ…
ワラッ………アッしゅぎィっ……ぇてェッ……こッッッッ……………こォッ…………コホホホぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぇヘェェェ…ぐあぁぁぁぁぃぁぁぁぁぁはははァッはははァァ…
…ッ ッッ……………ッ…ッ………ッッッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「バチョール メコレ」

バッシャアアァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぶるゃるゃるゃるゃるゃるゃるゃッッッッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビッチャアァ…

「ビリーガン メコレ」

バリバリバリバリバリィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃあぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ぷしゅうぅぅ…
「も もう許して」

「まだよ
まだこれからよねこ」
ニヤァァァリ…

「こ 殺される本当に殺される…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


チャリッ…

「…む?」


ダダダダダダダダダダダッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ねこ姉ちゃんに何をやっている!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ババババッ!!!!!!!!!!

「目に真っ黒布を巻いた変なコスプレの子供が突然現れたわ
…“ねこ姉ちゃん”……?」



「い いぬー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
き 来ちゃダメェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

354 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 23:55:57 ID:lQpJFhmf
「…いぬ?」

シュバババババババッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ねこ姉ちゃんから離れろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ババッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「まさかこいつあの時の子供?」

「いぬダメよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この人には手を出しちゃダメェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「姉ちゃん今助けるよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
サササッ キラーンッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「吸盤手裏剣乱れ打ちーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズババババババババババババハァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「とう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ササーッ

スポンスポンスポンスポンスポォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「いぎゃにゃあああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー盾に使われたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「姉ちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こ このやろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

355 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/26(木) 00:06:20 ID:Tnob2T5X
「訳分かんないけど
そっちがやる気なら相手にしないわけにはいかないわ」

「お お願いやめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ウンコ メコレ」

ブファファファファアァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

くんくんっ
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バババッ!!
「“無臭打”ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バババァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「匂わナイス!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
きらーんっ!!

「……
こいつやるわね」

356 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/26(木) 02:23:28 ID:Tnob2T5X
「本気出しちゃうわよ」
ゴゴッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ゾクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シュザッ!!!!!!!

「ダメぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
2人共ダメぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ゴロゴロゴロ… ピシャアァァァッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「………」

「…………」

ガチャチャアァーーーーンッ…


タタッ!!!!!!!!!!!!!!!
「お巡りさんこっちですさっきから騒がしいのは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「本官におまかせをォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「…ちっ
公僕のおでましね
面倒だからここは一旦休戦としましょう」

「…姉さん」

「にゃ にゃんは大丈夫…
大丈夫だからあの人に手を出しちゃダメだよぅ…」


ザザザザザッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

357 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/26(木) 02:28:26 ID:mWOJHdzc
なんかねこに萌えてきた
台詞の半分はエクスクラメーションマークなのに……
悔しい!でも(ry

358 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/26(木) 02:41:32 ID:Tnob2T5X
廃工場

「ひとまずここにいましょう
さて」
キッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「…ゴクリッ!」

「色々なアレを説明してもらいましょうかねこ」

「うっ…」


カクカクシカジカ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「なるほどね
やっぱりそいつはあの時の子供なのね」

「…うん…」

「ならば」
ニヤリッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ま 待ってぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バババァッ!!!!!!!!!!!!!!!!! ガシィッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「離しなさいよねこ
私にはあいつをアレする権利がある
私をオバハン呼ばわりしたアイツをね」

「ど どんな権利よぅ…!
ていうかまだ根に持ってたんだ…」
ヒソヒソ

「ハッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
お前またねこ姉ちゃんに何かしているな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
させない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ババッ
「わっ!!!!!!足元に何かが!!!!!!!!!!!!!
どぅりゃジャンプっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ポーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
スタッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「……?!!
…ねこ…そういえばあの子供
目が見えないんじゃなかったっけ…?」


「にゃふっふっふ…
実はね…」


「もったいぶってないでさっさと言いなさいよ」

グサッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぎゃにゃーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
目突かれたァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

359 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/26(木) 02:55:55 ID:Tnob2T5X
「見えない目を補うために聴覚やら嗅覚を超絶に強化させたのよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
もちろんにゃんの指導の賜物よぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あーすごいすごい
でも無駄な努力だったわね
何故ならあの子供は今日私にアレされるのだから」

「や やめてよぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「アレ?」
テクテクテク… ずいっ クンクン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「なによ」

「あなたもしかして
一年前にねこ姉ちゃんが僕を助けてくれた時に一緒にいた“お姉さん”じゃありませんか?」

「!」

「そうですよねやっぱり!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この香水の匂いは嗅ぎ覚えがありますもん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……」

「僕は“いぬ”です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あの時は失礼な事を言ってごめんなさい “お姉さん”」

「……
…ねこが育てた割にはしっかりしてるわね…」

360 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/26(木) 18:51:05 ID:hhhUZd6t
「ふぅん」

ヒソヒソ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「お願いよぅフーリャンちゃあん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いぬだけは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!いぬだけはアレさないでぇッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「………」

ヒソヒソ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「お願い…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「いいわよ」

ヒソヒソ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「えっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「許してあげる」

ヒソヒソ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「本当にッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃん…ありがとぅっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あの子供は許す
でもねこ あんたはダメよ」
ギラリッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぴょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

361 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 00:23:04 ID:XJuoODZO
「ところで“いぬ”ってなによ」

「この子の仕事上でのコードネームよぅ…
私達みたいな影の仕事は本名を隠していたた方が便利なのよぅ」

「あら
その子も派遣忍者やってんの」

「はい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「にゃんは反対したんだけどねぇ…
でもいぬがどうしても って言うからさぁ」

「ふーん
最近の子供にしてはアレね
しかし私にまで本名を」隠すなんて気にくわない
いいなさいよ

「え えーと…」

「言っちゃダメよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃんも聞かないでよぅっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「うるさい ララミー」

「にゃんの本名も言わないでよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ねこ姉ちゃん“ララミー”なんだ…」

362 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 01:03:51 ID:XJuoODZO
「あの…お姉さん…」

「なによわん公」

「…わん公…って僕ですか
いやあの…お姉さんのお名前は…?
なんとお呼びすればいいのかと…」

「この私にそれを聞くとはおそれおおくも恥知らずな糞野郎ね
まぁいいわ教えてあげる
私はこの世を揺るがすスゴイヤツ
人も神もを越えた最凶最悪の女
世紀の大魔」

グバババーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ダメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガバッ ズザザァ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「むぐぐっ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
モゴモゴ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

363 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 01:27:57 ID:XJuoODZO
モガモガモガッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ね 姉ちゃん?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

グァバァッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「モガッ……なにすんのよララミーこらァアァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「本名やめてぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そしてフーリャンちゃんも本名名乗るのやめてぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「はあ?
なんでよ」

ヒソヒソ…
「忘れたのぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
あなたはあの子の町を壊滅させちゃってんのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あァ… ハハ
そういやそうだったわね」

「あの子はその事をまだ忘れてはいない…いや忘れられるはずがないわ
いぬは表には出さないけど心の奥底では町をあんなんにした犯人を憎んでるの
で いつか復讐したいと思っているのよぅ」

「あらそう
………」
くるり ツカツカツカ…
「わん公
私の名前は大魔じ…」

「お゙い゙いぃ゙ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズザザザザザーーーーーーーーーーーーッ ガッバァァァァーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

364 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 02:25:47 ID:MDheDC3H
「ダイマジ…?」


グッイィ〜〜〜〜〜ンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「モガモガモガガッ!!!!!!!!!!
プハアッ ねこあんたいい加減にしなさいよマジ」

ヒソヒソ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「お願いだからァ…
言ィ〜〜〜〜〜〜〜わァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜なァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜でェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「私今日アンタのお願い聞いてばっかじゃない
これ以上素直に許すと私の株が下がるわ」

ヒソヒソ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「…………フ フーリャンちゃあぁぁぁぁん…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ジュルリジュルリ

「泣いても無駄よ」

ドサッ… ビッシィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヒソヒソ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「この通り!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!…これが最後のお願いよう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これからにゃんは一生フーリャンちゃんの言う事なんでも聞くからァッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ピククンッ
「……一生?」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ニヤリィィィッ
「言ったわね…ふふふふッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…分かったわ それなら良いわよ
……でも いい?ねこ
今日からあなたは私の一生奴隷決定よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バババーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「にゃんの人生終了」

365 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 02:56:47 ID:MDheDC3H
ガック〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「うぅぅ……」

「姉ちゃん今土下座してなかった?」

「わん公」

「は はい?」

「私の名前を教えてあげる
私は“ダイマジ・ゴンザレス”よ
これからは『フー様』と呼びなさい」

「どこから“フー”が?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「さて
色々あったらお腹が減ったわ
ねこ」

「え…な なに?」

「どこかの超高級料理店に案内しなさいよ
なんか食べましょう 当然払いはあんたね」

「え えぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「なにか問題でも?」

ビックゥー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「い いやぁ…あの…………分かったわよぅ…
うぅ…」

366 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 09:07:37 ID:MDheDC3H
テクテク!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「あー食べた食べた
なかなか悪くなかったわよ」

「あぃあ…私の財布がすっからかんよぅ…」

「しかしアレね
何の気無しに来たこの町にアンタ達がいるとわね
やはり私ほどになると奇跡の偶然もたやすいものよ」

「うにゃー…今日は最悪の日だよぅ」

「ていうかアンタらここで何してたのよ
ただの買い物って風貌じゃないわね」

ギクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「うッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「姉ちゃん…どうする?」

「この人に隠し事しても無駄…
まぁ話すだけなら大丈夫でしょ」

「で なによ」

「実はねにゃん達はね…
この町で『超神会』について調べていたのよぅ」

ピクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「『超神会』…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「あれ… まさかフーちゃん知ってるのう? 『超神会』を…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……」

ポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポク… チーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「いや全然知らない」

367 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 16:00:49 ID:MDheDC3H
「初耳ね」

「だよね〜
フーちゃん新聞見ないもんね〜」

「あんたにフーちゃんって言われるとなんかムカつくわね…」

「『超神会』は“超神”って神を信仰する宗教よぅ
んでねぇここ一年で急に力をつけてきたのよぅ」

「へー」

「『超神会』って前までは数あるそういうアレの中でもドマイナーもドマイナー 超弱小の部類だったんだけど…
一年くらい前からメキメキと凄いスピードで頭角を現して来たの
今では私設の軍隊を持つまで立派に成長しちゃったわけよぅ」

「ふーん」

「『超神会』は強い力を振りかざして人を無理矢理超神会に入会させたりしてもうやりたい放題
私設軍隊を使って脅して町の人間全員を『超神会』に入会させたなんて話もあるわ」

「最悪じゃない」

「でも誰もそれを止める誰も人間はいない…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
何故なら『超神会』はすでに政治にまで介入しちゃっているから…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「随分スポーティーなのね」

「このままでは世界はいずれ『超神会』に征服されてしまう…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ピクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「世界征服…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ほほう…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

368 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 17:16:44 ID:MDheDC3H
「フ フー様ッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんか殺気立ってません!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「フフ 別に」

「にゃ にゃん達はとある人物からの依頼で『超神会』について調べてるのよぅ
それでこの町に『超神会』のシルバー会員が居るっていうから探してたんだけど
どうもガセだったみたい……」

「シルバー…? 何?」

「『超神会』に入会してる会員達はランク付けされてるの
入りはじめは“ホワイト”…
そこから貢献度に応じてブロンズ→シルバー→ゴールドと上がっていくわけよぅ
ランクが上がるごとに扱いがよくなっていくよぅ。シルバーからはお金がもらえるよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…ふむ …………
……………あら?」

「んにゃ?」

「そういれば私会ってたかも 超神会」

369 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 17:22:31 ID:MDheDC3H
「な なーにゃーてッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ホワイトだとかブロンズだとか言う連中がポンコツ戦車引き連れて私の家にけしかけてきたから全部ブッ飛ばしてやった気がするわ」

「んなっ なーーーーーーーーーーーーーーーにゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーてッえええええええええええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「ブッ……えェッ!!!!!!!!!!!!?」

370 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 19:57:34 ID:MDheDC3H
「フーちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
それ詳しく聞かせて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「いやよ」

「えぇぇッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「お腹が膨れたら眠くなったわ
私はもう家に帰って寝る」

「そんにゃ…」

「フワラル レーロー メコレ」
バッサァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ねこ あんたの体には私特製の“印”を付けといたからね
これでもう私はあんたの居場所がすぐ分かるから雲隠れしたって無駄よ」

「ぎょおぉーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いつの間にィィィィーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「じゃそういうことで」
タンッ ブワワッサァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「えっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
い いぬ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!追うわよぅッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

バダダダダァーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

371 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 22:13:41 ID:MDheDC3H
ブァッサ ブァッサ ブァッサ ブァッサ ブァッサ ブァッサ ブァッサ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ダダダダッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ねぇ姉ちゃん…
僕目が見えないからアレだけど…
フー様今飛んでるよね…?」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
……そ そうね…
フーちゃんは今たくさんの風船につかまって空を飛んでるのよぅ」

「えぇっ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そんな事が可能なんですか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「う うにゃ
風船が100万個もあれば楽勝よぅ」

「100万個…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ど どこから用意したんだ…」

「こ 細かい事はいいじゃないよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
全力で追わないと置いてかれるわよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「は…はいっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

372 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 23:18:58 ID:MDheDC3H
ダダダダ…キキキイィィィィーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「こ これは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「だ だだだ…断崖絶壁ィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ね 姉ちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!
これはさすがに追えないよおっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「フー…ちゃん なんて所に家が…」


バサササ…
「ん?
ははは アイツら私についてきてたんだ
そうね せっかくだから私の家に上げてやって雑用でもさせましょうか ねこに」
ピッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「フワラル ローロー メコレ」
キラリィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ふわっ…!!!!!!!!!!!!!!!!
「あいあっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」
「わわわわァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
姉ちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!僕たちも体が浮かんだよ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これは一体どういう事!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「じょ 上昇気流よッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
にゃん達は今ッ上昇気流に乗っているのにょオオオォオォォオォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ふわふわふわふわァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…

373 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 00:15:22 ID:cUZ8H9xp
フワァ〜… スタッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「着いたわ」

フワ…フワ…フワ…フワ… スタンッ!
「あ あやー…こ 怖かったあ…」

「姉ちゃん僕やっぱり上昇気流は納得出来ないよ」

「細かい事はいいのよわん公
それよりねこ あんた庭掃除でもやりなさいよ」

「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
にゃんでにゃんがァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ん?」

「…あい… 分かったわよぅ…」


キキンッ… ゾクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

バババッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「むっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「な 何よぅこの異様な気配ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「家の中に何かいるようです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ゴゴゴゴゴゴォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

374 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 01:49:32 ID:cUZ8H9xp
「私の家に上がり込むとはいい度胸じゃない」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
ガチャッ ギイッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「…出て来たっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「よお…
長い外出だったじゃねーかァ
…えらく待ったぜ?」

「あんた何者よ」

「ふふふ…
待ちくたびれてさァ…家ん中物色してたらホラ
こんなもんが」
スッ… ピラピラ

「むむっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あいつなんか持ってるよぅッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
むむむむむ… …ハッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……」

「う うあやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ど どうしたの姉ちゃん?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「へ 変態だあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「本当いい度胸じゃない
…ブッアレす!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

375 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 02:12:31 ID:cUZ8H9xp
「フーちゃんの家に変態がいるよおっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「一体何!!!!!!!!!!!!!!!!!? 奴は一体何を持っていたの姉ちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
ねえッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレすブッアレす…」
スタスタスタ…
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォ……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

(フ フーリャンちゃんのこの殺気は……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…本気だッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

「くくく…おーおー怖い怖い」

376 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 02:36:59 ID:cUZ8H9xp
「…姉ちゃんどうするの?
フー様が不審者に向かっていくよ アブナイ奴なら僕らも行った方が…」

「そ そうね
じゃ じゃあにゃんが行くからいぬはここで待ってて」

「え なんで?」

「な なんでもよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
絶対にそこから動いちゃ駄目よぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 」

「…わ 分かったよ」


ザッザッザッ ズイッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「人の家で何をやってんのよゴミ」

「ほほー 噂より大分かわいいじゃねーか
くくくくく…ふんふん ふーん」
ヒラヒラ

「返しなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バシィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「へっ…怖いなぁ」

ザザザッ タンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「フーリャンちゃん大丈夫!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「ん〜…? 大魔女フーリャンに仲間がいたとは初耳だなぁ」

「…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私を知っている…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
あんた何者よ」

「へへへっ!!!!!!!!!!!!!!!!!
いいぜ教えてやらー…
オイラは今を輝く『超神会』のプラチナ会員…
ミャンチュー・ミャミャミャ〜ミャン様だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
『超神会』!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

377 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 02:49:06 ID:cUZ8H9xp
「な なーにゃーてッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こいつ『超神会』のやつ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
で でも“プラチナ会員”って何よぅ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
つーか名前ひどいな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「へへ
プラチナ会員は超神に認められた最上級の特別会員さ
プラチナクラスは現在オイラの他に10人といねぇ
つまりエリート中のエリートってわけさ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「なるほどね
じゃああんたは私を倒しにきたって事ね」

「そうさ
アンタこの前大分やらかしちゃったからねぇ…
だからこそ“プラチナ”であるオイラに大魔女討伐の白羽の矢がたったのさァ
ま 楽な仕事でェ…」

「楽な仕事…?
ふん 面白い」
ザザザンッ… ヒュオォォォォォォォ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「あんたにこの私が倒せるっての!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
バクラシム ハンギルロ モッコリ メコレ」

ギュギュウゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

378 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 19:10:19 ID:cUZ8H9xp
バッギュズズズウウゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゥウウンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ダガガガガガガガガガガガガッッ…バッゴォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バギギギィィィィッッッッズガッゴオォオオオオォォオォオォオオォ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ジャージャージャージャアァアアァアァァア−−−−−−−−−−−−ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
デッドオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

シュウゥゥゥ…


「な なんだ今の…?!!!!!!!!!!!!!!
爆発…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
姉ちゃんとフー様は大丈夫なのかッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

379 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 21:54:00 ID:cUZ8H9xp
「変態は灰になるのがお似合いよ」

「自分の家まで吹っ飛ばしてどうすんのよぅ」

「変態に汚された家などいらないわ」

「んにゃしかし…なんか色々言ってた割にはあっけなかったね」

「ふん 男は大口叩きしかいなくて嫌ね
前にもそんな奴居たような気がするけど 誰だったかしら
ペロなんとかとか言う奴… まぁどうでもいいけど」

「ひ ひどい」

380 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 22:14:08 ID:cUZ8H9xp
ガラガラッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「安心しなよ…
オイラはまだ死んじゃいねぇ…
これからたっぷり楽しませてやらーァ」

「…どういう事?
わたしの魔法は直撃したはず」

「くっくっく
あァ直撃したぜぇー…
だが効きゃしねェんだよ魔法なんぞ…オイラにはな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…?!!!!!」

「…教えてやるぜ大魔女さんよ
プラチナランクの会員は皆、“特殊な能力”を備えているんだぜェ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
それは“超神”から与えられた究極のチカラ…『神通力』だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バババァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「じ 神通力…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

381 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 22:33:46 ID:cUZ8H9xp
「ださいわね」

「ぐふっ 悪かったな
しかしナメんな その力は絶大だぜ」

「んじゃーあんたがフーリャンちゃんの魔法直撃しても無傷だったのはその『神通力』の力ってわけ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そうだぜ
『神通力』は人によって能力の性質が異なるが…
オイラの『神通力』はお前大魔女フーリャンにとっちゃまさに“天敵”と言える能力なんだぜッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「天敵…!!!!!!!!」

「そうだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
俺の『神通力』は魔法攻撃やら不思議攻撃やらなんやら全て完全無効化する…その名も『アンチマジックぼでー』だッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドッンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「さァ魔女さんよ お前の命運もここまでだぜッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

382 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 22:44:55 ID:cUZ8H9xp
「…くだらない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ガッピョーヌ シノヌ メコレ」

グッサグサァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「蚊に刺された程度だぜ」

「ボヤボージ ショシャ メコレ」

ぼおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ぬるいぜ」

「カキラキ トウシン メコレ」

ヒュオォォォォォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッ ビュッビュッビュウゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「フィィ〜 気持ティえぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

「ゲリ ウンコ メコレ」

ブッチュブブブブブゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜…ブリッ ベチョッ グプチョオォォッッ バチュチュウゥッッ ブリッ ブブゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「匂わナイス!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「そんなバカな…」
ガクッ…

「くくく さぁ次はこっちの番だぜ」
ゴゴゴゴ…

383 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 22:50:53 ID:3GDmyU8Z
匂わナイスwwwww
台詞回しのセンスがパネェwww

384 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 23:01:13 ID:cUZ8H9xp
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォ…ッッ
「!!!!!!!!!!!!
邪悪なオーラが…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
駄目だジッとなんてしてられないッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
僕も行こう…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



「へへへ 何度やろうとオイラに魔法は効かんッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
魔法のないお前なんてただの女… 可愛がってやぁ〜るぜェ?」

「…なめないでよッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私にはこんな魔法だってあるのよッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
オニク メコレ」
モリモリモリモリ… ムッキムキィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「にゃわわァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃんの上腕二頭筋が凄いコトにィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

385 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 23:39:34 ID:cUZ8H9xp
「私の怒りの鉄槌を喰らいなさいよ輪ゴム頭!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
清純派パンチ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ズドッゴォォオォオオォオーーーーーーーーンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「んにゃーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
凄い威力だぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…どうッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

しゅううぅ… ガシィィッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…ニヤリッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「…で?」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「プラチナ会員 ミャンチュー様をナメんじゃねーぜッ オラァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガンッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「くぁっ…」
ガガッ… ズザァーーーーーーーーーーッ

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そんなまさか…ッ フーリャンちゃんが殴り倒されるなんて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「終わりだ」
ググッ…

386 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 23:52:02 ID:cUZ8H9xp
ダダダダダッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「させない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…“封”!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガッッシィィーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「むむっ?!!!!!!!」

「フーリャンちゃん今のうちにッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ダダダッ!!!!!!

ピキィッ…パリーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「“封印術”か… だが それも効かねェよッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドガンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「あにゃがッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドザザァ〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「…ねこッ…」

ズイィッ!!!!!!!!
「他人の心配してる場合じゃねーぜ…魔女フーリャンよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ザッザッ… ポトッ…

「…え?????????????????????????????????????????????????
魔女…フーリャン…????????????????????????????????????????????????????」

「…あぁん?」

「…っ!」

「!!!!!!!!!!!
い いぬ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

387 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 00:02:27 ID:OCrCkVG3
「なんだこのガキわ」

「い いぬ」

「……」

「ね 姉…ちゃん…
魔女フーリャン…って… え?
それって…僕の町をメチャクチャにした魔女…だよ…ね」

「………!」

「ほほう
お前この大魔女フーリャンに故郷を滅ぼされた奴か
なんだそりゃ?なんでそんな奴が滅ぼした張本人と一緒にいるんだァ…? ハハ面白ェな」

「魔女フーリャン…ってフー様の事…?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そ それは」

「姉ちゃん…まさかそれを知ってて 僕に隠していたの?」

「ギャハハハ そりゃヒデー話しだな」

「僕に嘘をついていたの?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「い いぬ!!!!!!!!!
話を聞いて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ダダー

388 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 00:12:35 ID:OCrCkVG3
「僕の町を…僕の友達をッ…
全部消し去った魔女……倒す!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ダダダダダダダァーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「駄目よ…マスラオーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ババッ… ガッシィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「離せよ姉ちゃんッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
僕は奴を倒して…みんなの仇をうたなきゃいけないんだァーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そんなの…駄目ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「はっはっは おいガキ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
オイラと一緒にこの糞魔女をブッ殺そうぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そうすりゃこいつに殺された連中の無念はきっと晴れるはずさ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……ッ」

「くくっ 魔女フーリャン…
お前がやって来た事のツケがここで回ってきたな
さぁ終わりのときだ 覚悟しなァ…くけェーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

389 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 00:27:16 ID:OCrCkVG3
「くっ」
ググググ…ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!

「おいおいどんなにあがいてももうお前にもう勝ち目はねーぜ…諦めて膝をついてな」

「……」
ギロリッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「おいガキィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
さっきから待ってやってんだぜッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そんなコスプレ女なんかさっさと突き飛ばしてこっち来いよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「姉ちゃん…離してくれッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
姉ちゃんなら知っているはずだよ…僕のこの憎しみをッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「分かってるけど…でもダメェッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「なんでだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんであんな奴を庇うんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そ それは」

「僕薄々感づいてたよ
姉ちゃんはずっとあの魔女に怯えてた事…
なんでそんな奴と一緒にいるんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!! なんで庇うんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そ それは… だって…
フーリャンちゃんは………」

390 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 00:41:28 ID:OCrCkVG3
「フーリャンちゃんは…にゃんの…
にゃんの唯一の…友達…なんだもんッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「と 友達だって…!!!!!!!!!!!?」

「フーリャンちゃんがにゃんの事をどう思ってるのかは分からないけど…
それでもにゃんにとってフーリャンちゃんは
ずっと ずっとずっと一人だったにゃんの…初めての…そしてたった一人の…友達…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ぶわっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「………………………………………ねこ」


「それに…マスラオ…!
にゃんはあなたに誰かを殺して欲しくないのよぅっ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そんなの…ひどいよ…
じゃあ僕のこの思いはどこにぶつければいいんだよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドサッ… ぶわわっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「それは…にゃんにも…分からないよぅッ……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドササ… ぶわわわァ〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「…」

「…カッ!!!!!!!
なんだこりゃ 超マンネツー 超シラケッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
しょーがねーな オイラ一人殺っちまうか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

391 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 01:07:47 ID:OCrCkVG3
ゴゴゴゴ…

「死ね」
ザッザッザッザッザッ…

ザアアァァァァァ…


「…殺しなさいよ」

「なに?」

「さっさと殺せ っつってんのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…どういうつもりだよ?」

「…別に
あんたの言う通りもう諦めただけよ
さぁ…好きに殺しなさい」

「…………」

「……」

「………」

「……」

「……やめた テメーは殺さねー」

「…何?」

「殺しはしねーが
テメーにとっちゃ“死”よりもツライ状態にしてやろう…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
キュキュッ…!!!!!

392 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 01:35:28 ID:OCrCkVG3
「何なのその手袋は… …!!!!!!!!!
そ その印は…」

「気付いたか
そうだ こいつは“退魔の手”だ」

「あんた…魔女狩りかっ…」

「そうだぜぇっへへ
オイラは大昔より代々続く魔女狩り一族に生まれた男なのさ 実は
だからこそオイラの『神通力』もあんなんなんだろうなァ…」

「…まだ 存在していたのね」

「いや ウチもとっくに廃れちまってるよ
だがオイラは独学で退魔の技を身につけたんだ
へへ… オイラは多分この世界で唯一の魔女狩ラー(魔女狩りの人)なんだろーなー」

「……」

「さーて話しは終わりだぜ…
今 オイラが奪い取ってやる…“魔女の全て”を…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

393 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 01:45:24 ID:OCrCkVG3
ダダダダァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ラ゙ァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「くそッ…」
ババババァァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「遅ぇんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガガガッ…… ギギギィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「ぐッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」





ヒョオォォォォォ…



…ニヤリッ!!
「………くくくっ」

「…………!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヨロッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「あ あん…た……私の体から…何…を…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
「くっくっくっくっくっ…
ぎぃやぁーーーーーーーーーーっははははははははははははははははははァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こいつだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビシィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「お前の…“マコン”さッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バババンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

394 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 01:49:07 ID:2Qa6JKMx
プラチナ会員って本当に強かったのか

395 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 02:04:33 ID:OCrCkVG3
「マ…コン……ッ!!!!!!!!!!!!!!!?」

「“魔魂”…!!!!!!!!!!
簡単に言やぁ魔力を司る魔女の要ともいえるアレだぜ…
こいつが無くなれば…魔力は消え 魔女は魔女ではなくなり…ただの人と成り下がる…」

「……!!!!!!!!!」

「こいつを無くしたお前ァもう魔女じゃねー
ただの…人間さ」

「返…せッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズダダッ… スカッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「やーなこった
こいつはオイラのコレクションに決定したんだよ
お前の力も無力化出来たし オイラの仕事は無事終わりー
じゃ オイラは帰るぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あとは死ぬなり諦めてただの人として生きるなり勝手にしなー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ま 待ちなさい…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あん?」

「…死ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ハイハイ
じゃーさーなら」
タタンッ

「ぐ… う うぅ…」
ドサッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ヒュウゥゥゥゥ…

396 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 02:12:31 ID:OCrCkVG3



「――――――…ちゃんっ」




「――――リャンちゃん…!!!!!!!」


「う…んン……ン…」


「…フーリャンちゃん起きてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「うるせェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガバァッ!!!!!!!!!!!!!!!

「…わぁ起きたァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…ねこ」

397 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 02:20:50 ID:OCrCkVG3
「ちゃんとしたベッドじゃないけど…我慢してね
だってフーリャンちゃんが自分の家吹っ飛ばしちゃったんだからね」

「……………………ねこ
…わん公はどうしたの」

「…一人になりたいっていってどっか行っちゃったよぅ
モモンガの術で」

「あんた…追わなくていいの?」

「…行けないよ………
……それに フーリャンちゃん一人残してけないし さ…」

「……」

「………」


バギィィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「おぶドゥッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
な なんで殴るのよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…なんとなくよ」

398 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 02:33:45 ID:OCrCkVG3
「…………………」
グググッ…

「どうしたのフーリャンちゃん?」

「………なんでもないわ
…………」
ドクン…ドクン…ドクンッ…
(魔力を感じない…… やっぱり…)



――― お前ァもう魔女じゃねー
     ただの…人間さ ―――



「…私は…………」

ドククンッ………!!!!!!!!!!!!!!!!

「んぅっ…?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
ど どうしたのフーリャンちゃんッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「か 体が…熱ッ……あァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビクッ…ビクビクゥッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「フーリャンちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃあぁん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



ギュギュギュギュギュッ…
「うぁっが…あ… ハァッ…
いあぁぁ… あっあァっ…ぐぐぐっ…」
ギギギギギググググゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜…ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



わたしの からだ どうなっちゃう の …?

399 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 02:38:48 ID:OCrCkVG3
3時間後

ボヤヤァァ〜〜〜〜〜〜ン…


「ん…」


あら…やっと いしきが もどったようね


「…ん…?」


…? なにかしら
ちょっと からだに いわかんが…?


「……んあぁ?」


なによ なんか ねこの あほが あほがおで こっちみてるわ
なにニヤついてんのよ コイツ…

400 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 02:50:55 ID:OCrCkVG3
「……?」


なによこれ なんか… て ちいさくない…?
えぇっ…? て だけじゃないわ
…か からだが… ちぢんでいるッッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ガバァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「なにこれェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「きゃ きゃわいぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃんきゃわいいいいぃぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「こ こらァッ くそねこっ…はなしなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ペチペチッ!!!

「きゃわいぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あ あんた…ふだんいじょうに キモイわよっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんなのよ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「はいっ 鏡ィ〜」
スッ

「…はぁ?
……………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
んなっ なんじゃこりゃあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

キラリィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「わ わたし…こどもになってるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドドドォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

401 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 00:46:36 ID:dKLczRdm
「んじゃーフーリャンちゃんが子供になっちゃったのはその魔魂ってのがなくなってせいって事?」

「そうとしかかんがえられないわ」

「ふーん… きゃわいぃ」

「さすがのわたしは うまれたときから きょうだいな まりょくをひめていたらしいからね
つまり わたしは魔魂とともにうまれ魔魂とともに せいちょうした しょうしんしょうめいの だいまじょ
だから魔魂がうばわれたせいで なんとなく わかがえった…のかもしれない」

「きゃわいぃ
これ何歳くらいの頃のフーリャンちゃんの姿になるのぅ?」

「さあ
7さいくらいじゃないの」

「きゃわいぃ」

「いちいちうるさいわね」

「怒った顔もきゃわいぃ」

「あー…こいつブッアレしてぇ…」

402 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 01:08:27 ID:d7GfGBjV
「ぁこーらっ
そんな事言っちゃ駄目でしょっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
なでなで

パシィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「…あんた かんぜんに わたしをバカにしてるでしょ」

「あやぁ ごめん… あまりにもきゃわいぃからつい…」

「つぎ こどもあつかいしたら アレすわよ」

「ハイハイ」
なでなで

「…アレす!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バクサーレ レゴルゴ メコレ」

403 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 01:19:20 ID:d7GfGBjV
バチバチバチバチ… シャワワァ〜〜…

「わあっ 綺麗な花火!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……」
ガクゥゥゥッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こんなわたしいやァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「フーリャンちゃん落ち着いて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
魔力の源奪われたんだから仕方ないじゃないのよぅっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

スッ…
「…きめたわッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
わたしの魔魂を やつから うばいかえしてやる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ザッザッザッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「え えぇッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ちょ フーリャンちゃあんっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

404 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 01:36:41 ID:dKLczRdm
ズンズンズンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ちくしょー こんなみじめなままなんて わたしのプライドがゆるさないッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ババッ ガシィィッ
「待ってよぅフーリャンちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
奪い返すったってアイツがどこにいったか分からないじゃないのよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「うっせーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
しんでもさがしだすのよッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
はなしなさいねこ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ジタバタジタバタ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「あっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バシッ タタタタタァーッ!!!!!!!!!!!!
「フーリャンちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そっちは断崖絶壁よぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
どうやって降りるのよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

405 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 01:48:37 ID:dKLczRdm
「わたしの まほうにきまってんじゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フワラル レーロー メコレ」
ブワァ〜〜〜〜ッ …ボロ〜ン…

「…ッんぐにゃはッ…にゃひゃひゃひゃひゃひゃッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フーリャンちゃんの背中からブッ壊れた傘の骨組みみたいのが出て来たよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
それじゃさすがに飛べないよ〜っ… ぐぷぷッ…にゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃあぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

カアァァッ…
「わ わらうなァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ウンコ メコレ」



ス〜〜〜ッ…


「……」

「……」

「………」

「…ぶふぅッ」
ごろごろごろごろッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「にゃっははははははははははははッ あひゃにゃははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
スカしっ屁が出ちゃったよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
でも地味に臭いッ …ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バンバンバンッ!!

「くそやろォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


406 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 02:37:00 ID:dKLczRdm
ガックシ…
「そんな… ダメダメじゃない…
まほうのつかえないわたしなんて…ただの
こうまんで…むだにこうあつてきで…わがままで…みがってで…そしてかわいいフツーのオンナじゃない…」

「じ 自覚はあったんだ… そういうの…」

407 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 23:10:19 ID:dKLczRdm
「しょーがないなあ… あい」
スッ

「なんのつもりよ」

「にゃんの背中に乗って!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
『ももんがの術』でここから飛び降りるのよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「なんでわたしが」

「そうしなきゃここから降りれないでしょー」

「…………」

「ほらほら」

「……あんたにたよるのはちょっとアレだけど…
しかたないわね…」
がしっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「よいしょー
あややっ 軽い軽い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
じゃ 行くよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ダダダッ シュバァァーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「『ももんがの術』!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

バッフォオオォォォォォッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フワフワ…

「どうっ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
にゃんの忍術ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ただパラシュートだしただけじゃない」

408 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 00:21:54 ID:Yp3cpY8m
フワフワ… ヒュウゥゥ…ン

「風が気持ちいいね フーリャンちゃん」

「べつに」

「なんかこうしておんぶしてると お馬さんごっこしてるみたいね
ふふふ」

「……………
そうね あなたはウマよ
ほら ほら」
ガッガッ!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ぐほォッ!!!!!!!!!!!!!!!!
横腹蹴らないでフーリャンちゃんッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヒュアアアァァァァ…
「でもさ フーリャンちゃんさあ」

「なによ」

「アイツを追うにしてもドコに行ったんだか分からないじゃないのよぅ」

「そんなの『超神会』の ほんぶかなんかにいけばいるんじゃないの
そこでやつをブッアレして わたしの魔魂を…とりかえす!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「えェッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
殴り込みにでも行くのぅッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 無理だよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「むりか どうかはアンタがきめることじゃないわ」
ゲシゲシッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「痛い痛い!!!!!!!
そんな姿で殴り込んだって返り討ちにされるだけよぅっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「む… ま まぁたしかに そうね…」

「それに 『超神会』の本部の場所フーリャンちゃん知ってんの?」

「しるわけないじゃない
でもねこ あなたは『超神会』をしらべてたんなら ほんぶのばしょくらい しってるでしょう」

「知らないよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
どんなに調べても『超神会』の本部の場所は謎なのよぅっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「な なんですってェ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
ちっ…まったくアンタはホントどうしようもないねこね
じゃあどうしましょうか…」

409 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 00:49:23 ID:Yp3cpY8m
フワァー… ストン
「やっとしたについたわ
まったく じかんかけすぎよバカ」

「自分があんなトコに家作っといて何言ってんのよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「うるさいバカ
……さて と」
テクテク…

「どこ行くの?」

「わたしのもう1つの いえ よ
ちょっとしらべべたいコトがあるから」

「それってドコにあるの?」

「アッチのオッポチンちほうだったかしら」

「オッポチン地方?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
と 遠いよぉーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
まさか歩いてくつもりィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「うるさいわね
アンタそろそろどっかいけば?
わたしのまりょくがなくなったから あなたにつけたわたしのしるしはなくなっているハズよ」

「…え?
…………あッッッ 本当だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「これでアンタは わたしにつねにいばしょをしられるコトはなくなったわ
いまにげれば わたしはアンタをおえない」

「…………」

「さっさと わんこうでもさがしにいったら?」

「…むー…」

410 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 00:56:17 ID:Yp3cpY8m
「…いや にゃんは行かないよ」

「…なに…?
…どういうつもりよ…」

「今のフーリャンちゃんを一人置いてどっか行けるわけないじゃないのよぅ…」

「…よけいなおせわね」

「それにフーリャンちゃんは……にゃんの…友達だもん
友達が困ってたら助けてあげるのは当然じゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…ともだち………なんて
いつからアンタはわたしと“たいとう”になったのよコラ」

「べ 別にいいじゃないのよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
にゃんが勝手にそう思ってるだけだしっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「…ったく…
まぁいいわ…すきになさい」

「うん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

411 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 01:16:24 ID:Yp3cpY8m
テクテクテクテク…


「オッポチンの家に行って何を調べるの?」

「魔魂についてよ
わたしは魔魂をうばわれたけど どうやらかんぜんにまりょくをうしなったわけじゃないみたい
たぶん魔魂のカケラがまだわたしのなかにのこっているのよ」

「ふーん」

「もしかしたらその魔魂のカケラからかんぜんな魔魂にかいふくさせるほうほうかなんかがかいてあるかもしれないわ」

「えー
そんな都合よくいくかなぁ」

「うっさいわね
まさかまさかの なんてコトもあるかもしれないじゃない」

「あ じゃあもし魔魂を元に戻す方法が本当にあったら
わざわざ『超神会』に殴り込みに行かなくてもよくなるよね」

「は?なにいってんのよ
魔魂がもとにもどったとしても
やつにとられた魔魂は…ぜったいにとりかえすッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
もう魔魂っていうか 魔魂をうばったアイツをブッアレしなきゃわたしのきがすまないのよッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「フーリャンちゃん執念深いもんね…」

「えー そうね
わたしをこんなすがたにしたアイツには… このよでいちばんのきょうふとぜつぼうを…
あたまのてっぺんからあしのゆびさきまでッ きざみこんでやるのよッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

フーリャンの戦いはこれからだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

412 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 01:18:05 ID:Yp3cpY8m


413 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 01:23:11 ID:x9x0IPBv
なん……だと……

414 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 01:34:29 ID:Yp3cpY8m
「総帥様
ミャンチューが帰ってきました」

「おぉ…本当か!」

ヒョイッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「よーぉ、ボォーーーーーースッ 久しぶりだぜぇッ」

「ミャンチュー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ボスではない 総帥様と呼べぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「それでどうだった ミャンチューよ
魔女フーリャンは倒したのか?」

「いや」

「何ッ 貴様ァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「待ァーてよ 話しを聞けよ
ホラ見ろ」
スッ…
コオオォォォォォォォォォ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「おいミャンチュー
そのちょっとエロっちい玉はなんだ?
バンヌか?」

「バンヌじゃねー
魔魂さ」

「なんだよバンヌじゃないのか」

「あぁ 残念ながらバンヌじゃねー」

「まぁ確かにバンヌだったらもっと濡れてるもんな」

「へへへ あんた久しくバンヌなんて見てなさそうだしなぁ…
だからこいつをバンヌと間違えたんだな」

「う うるさいっ バンヌくらい毎日のように触って… …っ!
お おっと 総帥様の前で卑猥な言葉を連呼しすぎたな…」

「バンヌとはなんだ」

415 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 01:40:17 ID:x9x0IPBv
良かった続いたw

416 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 02:15:37 ID:Yp3cpY8m
「つまりそのバンヌ…じゃない 魔魂が取られた魔女フーリャンは魔法は使えないと?」

「ああ
こいつは魔力を生み出す源だからなぁ
それがオイラの手にある今…あの女はただの人間さ」

「どうせなら完全に息の根を止めれば良かったものを…」

「オイラは力のないヤツは殺さねー主義なんでぇ
ところでよボス オイラァ一応任務は達成したんだぜぇ?
褒美はくれるんだよなぁ?」

「もちろんだ
だが それについてはまた今度だ
今日は戻るがよい」

「………そうかィ まぁ期待してるぜ
くくくくっ…」
ザッザッザッザッ…

バタンッ…


「総帥様
これでこの世界の脅威は消え去った訳ですね」

「うむ…
あとは…一人でも多く会員を集め我らが神の望みを叶えるだけだ…」
スッ…


ドクンッ… ドクンッ… ドクンッ…


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

417 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 02:41:40 ID:Yp3cpY8m
ザッザッザッザッザッザッザッザッ…


「…お?」

「貴様 ミャンチューか…」

「おやおやコレは
ゴールド会員のアポストロフィーサンじゃねーか」

「…帰っていたのか」

「あぁ 無事任務を終わらせてなァ」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
貴様…あのフーリャンを倒したのか…?」

「あぁー くっく…まぁ倒しちゃいねーが
魔女としての力を無力化させてやったぜ」

「………」

「くくっ なんだなんだその顔は
そうか お前もフーリャンと戦いたかったのか
だがゴールドのお前じゃ無理だな オイラだからこそ倒せたんだ
くくく…ハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
はぁーあ……っと じゃあなー」
スタスタスタ…

「……」
ギリリッ… ギュッ!!
「ちィ…」

「アレ?
アポストロフィーサンさん どうしました?怖い顔して」

「…………なんでもない」
ギラリッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(何故あのような男が私より“格上”なのだ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
神に対する信仰心も忠誠心…そして実力も 私の方が…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
気にくわん…いつか私も“プラチナ”まで昇り詰めてやる…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

418 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 03:13:48 ID:Yp3cpY8m
ザッザッ…
「ねねっ フーリャンちゃん
手繋いで歩こーよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「しね」


ザッザッ… ガサササァッ バッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「姉ちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「い いぬーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
い い 今までどこに行ってたのよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ちょっと走ってたんだ…」

「し 心配してたのよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ごめんなさい…
……? アレ…?
姉ちゃんの横に小さい子がいる…?
誰ですか…?」

「わたしよ」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
お前は?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

419 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 15:59:25 ID:Yp3cpY8m
「お お前は…魔女かッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そうよ」

「で でも…何だか…幼いぞッ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

「いぬ…実はね」


カクカクシカジカナントカカントカ


「…そんな事が……
…ふんっ… いい気味だ…
今まで魔法で人を殺して来た罰だッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「なんですってこのクソガキ」

「い いぬっ…」

「姉ちゃん こんな奴放っとこうよ」

「ねこはドMだからわたしといっしょがいいんだって」

「へ 変な事言わないでよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いぬごめんね…にゃんは最後までフーリャンちゃんに付き合うって決めたのよぅ…」

「……………」

420 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 16:52:39 ID:Yp3cpY8m
「…それなら!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
僕も付いていくぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ババン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「えぇッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「なんでよ」

「お前が姉ちゃんになんかしないか監視するためだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あんたわたしをアレしたがってるんでしょ?
そんなやつといっしょにいたくないわよ」

「あぁそうだ…でも
でも今は殺さない…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
殺すのはお前の力が戻ってからだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「なぜ?
いまならかんたんにわたしをアレせるわよ」

「弱くなったお前を殺したって意味がない…
僕は“大魔女”のお前を倒すんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「い いぬ…」

「…いいのよねこ
それならいいわ よろしく わんこう」
ニヤリッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「…ふんっ」

421 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 17:15:46 ID:Yp3cpY8m
テクテクテク… ドカッ


「あぁー… もうつかれた…」

「またかよ
何回目だよソレ」

「フーリャンちゃん子供の姿だもん 仕方ないよね」

「わんこう」

「なんだよ気安く呼ぶな」

「わたしをおぶりなさい」

「はあ?」

「わたしはつかれたのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
いいからおぶりなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「嫌だね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
それが人に頼む態度かよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「じゃ じゃあフーリャンちゃん
にゃんがおんぶしてあげよっか?」

「あんたはいや」

「なんでよぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

422 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 18:08:54 ID:Yp3cpY8m
スタスタ… スタ… スタ…… スタ………

「ハァハァハァ…
いつになったらオッポチンのわたしのいえにつくのよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ジタバタジタバタジタバタッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「こ ここからじゃあと3日かなぁ
オッポチンって結構遠いんだよぅ?フーリャンちゃん」

「まえのわたしなら1にちもかからなかったわ」

「そりゃあまぁ今は魔法使えないしさ…」

「ぐぬぬぬ」

「こいつが今まで凄かったのって全部魔法のおかげだったんだな
魔法なきゃ凡人以下じゃん」

「うっせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
わんこうはだまってのぐそでもしてりゃいーのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「おまけに下品だし」

「うっせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
わたしはただはつげんがだいたんなだけよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「その大胆な発言が下品なんでしょフーリャンちゃん」

「あーもーうっさいッ 2りいっしょにすぐしね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ぐぅ〜…
「あー おなかすいた…」

「あっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あっちに小さな町が見ゆるよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今日はあそこで休もうよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

423 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 18:20:42 ID:Yp3cpY8m
希代の凡町 フッツー


「じみなまちね」

「まぁ 休む分には静かでいいじゃんよぅ
とりあえず宿でも探しましょ」

テクテクテクテク…

「あ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ツカツカツカ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「なに?
なんかまちのにんげんらしきヤツがキモいえがおでちかづいてきたわ」

「ようこっそーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
『超神会』公認の町 フッツーへ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「………
『超神会』こうにんの…まち?」

「……姉ちゃんっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
チラリ

「…うん…ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

424 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:54:56 ID:Yp3cpY8m
「『超神会』こうにんのまちってなによ」

「つまりですねぇお嬢ちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
このフッツーは『超神会』の“支部”を名乗る事を許された町なのですよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「だから?」

「支部となったこの町では 毎朝“超神”様に祈る事を許されるのです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「それで?」

「それだけではないのですよ実は!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
『超神会』公認となった所にはなんと!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
『超神会』本部から会員様が来て下さるのですよっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

425 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 21:13:26 ID:Yp3cpY8m
「…にゃんと!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
本部の会員……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そうですスゴイでしょー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
その会員様から我々は毎日毎日ありがたぁ〜〜いお話を聞いているのですよォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あっそうだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今日ちょうど集会があるんですよぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
せっかくなんでアナタ方も…」
ギラギラ

(むっ これはヤバイ…)
ガッ ガッ
「あーーーーーーーーーーーーーーーッ…
フーちゃん いぬ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
もうお腹ペコペコだねぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そろそろ宿行こっか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガシッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「は はい」

「なによねこはなしなさいよッ」

「そゆわけでバイチャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

スタコラサッサッサアアアァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ヒュオオォォォ…

「……ぬぬ」

426 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 21:43:39 ID:Yp3cpY8m
サアァァァァァ…
「…………」

ザッザッ…
「今の旅の方々は…我らの同志ではないようですね…」

「ハ…ハアアァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
シ “シルバー会員”…ポテトチップス様ァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「今は夜…騒がしいですよ」

「も 申し訳ありませんッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「いやだからうるさいですよ」

「やっぱりさっきの人達は非会員だったんですね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私もそう思ったんですよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あぁそう… 君少し黙って」

「で どうします?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「………
我らの使命は一人ででも多く同志を増やすこと…
言わずもながですよ」

「ハイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
“言わずもがな”ですね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「………」

427 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 22:20:29 ID:Yp3cpY8m
ガチャリ

「ふぅとりあえず今日はここに泊まりましょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ねこ さっきはあわててなんだったのよ」

「んにゃ〜… ちょっとアレ以上話を聞くのはヤバイかな と」

「…姉ちゃん」

「…うん 多分この町……」

「なによ
わたしにわかるようにはなしなさいよ」
プク〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「この町は多分『超神会』に完全に支配されてしまった町よぅ」

「しはい…ですって?」

428 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 22:56:22 ID:Yp3cpY8m
「前にフーリャンちゃんに話したけど
『超神会』は強大な武力をチラつかせて町一つの人間を強制的に丸々会員にしちゃう事もあるのよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そしてこの町は まさしくソレ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「『超神会』公認…そのうえ本部の会員まで来てちゃもう確定的だね」

「ふーん…
でもここにくるとちゅうですれちがったれんちゅうのかおはとてもしはいされているようにはみえなかったわ」

「洗脳されてんだよ」

「せんのう……
ずいぶんぶっそうね」

「そういう噂もあったんだよね〜
でもこれは…本当にソレっぽいよぅ…」

「あまり長居出来なさそうだね」

「うにゃ 朝になったらすぐに出た方がいいね〜」

429 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 00:37:53 ID:0XILT16J
パクパクムシャムシャ…
「はぁ〜 まずぅい
あじもじみねココは」

「ぁコ〜ラッ フーリャンちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
口に食べカス付けてぇ〜〜〜〜〜〜 メッ よ メッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
きゃわいぃなぁもぉっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そのいいかたやめなさいよくそねこ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ぱちーんっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「…わたし おふろはいるわ」
パタパタ… ばたんっ

「………」

「あぁもう食べ物残してぇ〜…」

「姉ちゃん… なんで姉ちゃんはアイツを“友達”と言えるの?
これまでこき使われたり脅されたりしてたんでしょ?
それになんたって…アイツは悪虐非道の大魔女だよ?」

「……………
………こう言うといぬは怒るかもだけどさ…
ああ見えて親しい人には優しいトコを見せたりするのよ…
たまァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜にね」

「よっぽどレアなんだねそれ…」

430 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 01:31:19 ID:0XILT16J
「にゃんとフーリャンちゃんが出会ったのは確か…もう6年くらい前だったかなぁ
あの当時のにゃんはさァ…今よりも汚い…とてもいぬには言えないような仕事をしていたのよぅ…
ある意味 いぬが悪虐非道って言ったフーリャンちゃんともドッコイくらいよぅ…」

「ね 姉ちゃんが…」

「で ある日ね
にゃんはその仕事である大きなミスをおかしちゃってね
それが原因で依頼主に捕まってボッコボコにされちゃったのよぅ…」

「……」

「もう駄目だッ こォーーーーーーーーーーーろーーーーーーーーーーーーさァァァーーーーーーーーーーーーーーーれるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
って思ったその時ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
さっそうと現れたのがフーリャンちゃんだった…」


ザアァァァァァァァ…シャワワァ〜…
「♪ふーんふんふん…ふぅ〜〜ん……へっくちッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…だれかわたしのうわさをしてるわね」


「するとフーリャンちゃんはにゃんを囲っていた依頼主とその部下をバッタバッタと薙ぎ倒していったの」

「あの魔女が姉ちゃんを助けた…って…?」

「助けた…っていうかまぁ完全な気まぐれだったんだろーけどさァ…
それでも にゃんにとっては命の恩人よぅ…」

431 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 02:05:26 ID:0XILT16J
「依頼主とその部下を入念に埋めたフーリャンちゃんはにゃんの方に近づいてきたのよぅ
その時の顔ったらホント…怖かったわよぅ…
でもね…」


『随分とボコられたみたいね』
スッ… なでなで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「そう言って傷だらけのにゃんの顔を優しくなでてくれたの…
でもそん時のにゃんは任務を失敗してしまった事と死ぬ直前までボコられたショックで放心状態だったのよぅ
そしたらフーリャンちゃんはパチーン!!!!!!!!!!!!!! ってにゃんの頬っぺたを思いきり叩いた
そして…」


『この私に助けられたのよ?
もっと笑いなさいよ ね』
ニコッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「あの顔は今でも忘れられない
とっても優しい顔…
にゃん…あの顔にキュンと来ちゃったのかなァ…」

432 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 02:42:25 ID:0XILT16J
「その後 にゃんはフーリャンちゃんの後を追った
今思えば多分 にゃんはもう一度あの優しい顔を見たかったのかもしれないね…」

「……」

「フーリャンちゃんはしつこくついてくるにゃんに何度も魔法攻撃を仕掛けて来たけど それでもにゃんは諦めなかった
見失っても見失っても 追い掛けた
それを繰り返すうちやっと名前を覚えてくれるようになって フーリャンちゃんの方から話し掛けてくれる様にもなったのよぅ…
そこからちょーーーっと仲良くなって…なんだかんだあって…今に至る…って感じかなぁ」

「………」

「生まれた時からずーーーーーーーーーっと一人だったにゃんの 初めてで…唯一の友達がフーリャンちゃんなのよぅ…
だからにゃんは…フーリャンちゃんを失いたくないのよぅ…たとえ…大魔女でも……
ごめんね ごめんねいぬ…」

「…………」

「……」

しぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ガチャッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「わんこう タオルとって」

「……なんで僕が…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「いいから さむい」

「フ フーリャンちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
にゃんが持ってくよぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「アンタはいや」

「なんでよぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

433 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 23:41:40 ID:0XILT16J
ホッホー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ホオォ…ホオォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ホアッ…ホアアアァ… ホアァァッ ホアッホアッホアホアッ… ホォォオォォアッチャアアアアアァァァァアアァァアアァァアアアアアァアァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
破ァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「そとのフクロウがうるさいわね」

「じゃあそろそろ寝よっか
明日は朝一番に出発するわよぅ」

「あさいちばん?
むりね わたしはまいにちひるすぎにおきることにしてるのよ」

「えーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今回は我慢してよぅフーリャンちゃあん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ちっ しかたないわね …ん?
アラ わんこう なんであなたはじべたでねてんのよ
ほんとうの いぬのまねかしら?」

「…ベッドが2つしかないんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
見れば分かるだろ…」

「あァ… ははは そうだったわね
なんならわたしのベッドにいれてあげましょうか?」

「嫌だね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「じゃあフ」

「あんたはいやよ」

「……」

「ならいいわ おやすみ」

「………」

「おにゃすみぃ…」

グー グー グーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

434 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 23:57:20 ID:0XILT16J
ホー… ホー…


しぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



……ザザザザザァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「……」
くいっ くぃっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

シュバババババッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ガチャチャッ……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ザリザリザリザリッ…ズザザザザザザァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ぐーるぐーるぐーるぐーる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バババッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズララララララァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ザッザッ… ピッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「上出来だ
さァ諸君 これより布教を開始する」
バババババーンッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


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