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ガンダム総合スレ「オデッサ・シ-クレット・ファイル 第1章」

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オデッサ・シークレット・ファイル 第1章


MAMAN書き ◆R7VZxu4aYKCk さん作

久しぶりにさわりだけ書いて見たストーリー。
というか触りだけなら4つくらい書いて自分で書いてて広がりそうだったのがこれだけだった

多分サンダースとケーラ・スゥと不死身の第4小隊とユウが全部出る話の方が受けはよさそうなんだけど……


23 :MAMAN書き ◆R7VZxu4aYKCk :2010/09/23(木) 03:01:07 ID:ND7J2aYt

 宇宙世紀〇〇七九年十月、南コーカサス地方にある鉱山を改造したジオン軍基地があっ
た。キシリア・ザビの密命を帯びたマ・クベ少佐が直接運営する、公国本土には申告され
ていない鉱山基地の一つである。
 そこにはキシリア配下の突撃機動軍中佐ハリー・ゲトーを司令官とした、小規模だが精
強な部隊が守備を担当していた。実質的にキシリア直属である彼らは比較的補給も潤沢で
あり、また新兵器、新装備についてもいち早く配備される事が多かった。
 その鉱山基地でMS隊を預かる者の名をクワン・ユー大尉と言う。一週間戦争にも参加
し、その後地球降下作戦で地球の土を踏んだ生粋のスペースノイドである。
 今クワンは新たに配備されたMS支援兵器のレクチャーを受けるべく、格納庫に向かう
ところだった。
「今回はどんなものが配備されるんだ?」
 隣を歩くメカニックにクワンが訊ねた。まだ何も聞かされていなかった。
「前線にMSを速やかに展開させるための無人支援兵器ですね」
「つまり、ド・ダイみたいなものか」
「現時点の技術で考えればあれよりも安全性は高いですね。その分地形の制限は受ける事
になりますが」
「陸上移動か」
「それなら振り落とされる心配もないですからね。私に言わせればまともなコンセプトだ
と思いますよ、珍しくね」
「そう願いたいものだな、この前のあれは酷かった。危うく部下が減るところだった」
 本心から嫌そうにクワンは呟き、以後は何も言わなかった。メカニックも自分から話し
かける事はせず、格納庫までは無言だった。
格納庫のドアの前ではクワンの部下が二人指揮官の到着を待っていた。そのうちの一人、
浅黒い肌と分厚い胸板がインパクトを与えるパンナ・パンナ中尉が敬礼する。
「隊長、今日は何を見せてもらえるのでありますか?」
「MSの部隊展開を助ける支援兵器だそうだ」
 クワンは受け売りで説明した。
「……それは、安全なものでありますか?」
「少なくともこの前の代物よりはましだと聞いている」
「それは比較としては不適当では……」
 口を挟んだのはもう一方、ターニャ・ヴォルコファ少尉である。こちらは白皙の肌に薄
い金髪とパンナとは好対照だ。
「まあ、詳しくはこれから説明を聞くとしよう。私もまだ詳しくは知らないんだ。さ、入
るぞ」
 一同は格納庫の中に入っていった。

「これは……」
 クワンが思わず絶句した。ターニャが後を継ぐように見た通りを言葉にする。
「バイク……ですか?」
「正確にはサイドカーだな」
 パンナが補足する。そして目の前にある「それ」についての解説は一点を除き説明は完
了していた。
 彼らの目の前に現れたのはその通り、サイドカーだった。旧世紀、二十世紀初期に戦場
でも数多く投入され、民生用としては中期以降まで道路の主役の座にあった、側車付の
オートバイである。

 ただし、MSサイズの。
 直径6Mを超えるホイールに巨大なハンドル、シートまで通常のバイクをほぼそのまま
巨大化したようなディテールを持ち、文字通り巨人用のバイクと言った外観である。それ
単体でマゼラアタックと同等のサイズを持つ側車部分にシートはなく、クローズドなコン
テナから長い砲身が突き出していた。恐らくはマゼラトップの主砲に自動給弾システムを
組み込んだものだろう。
「……これが最近では珍しいまともなコンセプトの兵器か?」
 クワンの口調に咎めるような響きがあるのも無理からぬ事だろう。しかし、メカニック
は冷静だった。
「確実に機動性は上がりますし、実際結構な荒地でも走破しますよ。転倒のリスクは多少
はありますが、ド・ダイで上空数百メートルから振り落とされるよりはマシでしょう」
 パンナが肩をすくめながら両手を広げ、ターニャはこめかみに指を当てた。
 クワンだけは辛うじて態度に出す事を抑え、現実的な質問をする事で事態を把握する事
にした。
「これはどんなMSでも使えるのか?」
「残念ながらドムは対応していません。ザクとグフだけです。もっともグフも左手をマニ
ピュレータに換装している事が条件ですが」
「ん、操作は左手で行うと言う事か?そこはバイクと逆なんだな」
「右腕で武器を扱えた方がいいでしょう?」
 メカニックが答えた。一理はある。
「出力は四九五kw、熱核反応炉と燃料電池のハイブリットです。バイクは前後輪側車全
て駆動する三輪駆動。制御プログラムは既にMSにインストールしてあります。仮に皆さ
んの中にバイクの運転経験がない方がいたとしても心配は無用です」
 ターニャがさりげなく横を向いたが、誰もそれを指摘しなかった。
「今回は十六台が配備されていますので、搭乗可能なMS全てに行き渡ります。訓練はす
ぐにでも始められますがいかが致しましょう?」
 メカニックの言葉にクワンは頷いた。
「まず俺達がこれから三日以内にこいつを操れるようになろう。隊のメンバーにはその間
にマニュアルを熟読してもらう。早く使いこなすにこした事はないからな」

ここまで

【メカニックデータ】
FBX-500
ジオン軍がMSを戦場に速やかに送り込む事を目的に開発したMS用バイク。サイドカー型とする事で攻撃力を付与している。
既にド・ダイYSが実用化されていたが、低空をMSを上に乗せた状態で低速飛行するド・ダイは対空砲火にも弱く、また
急旋回なども不可能であり、さらに万が一MSが転落した場合ほぼ確実にMSは作戦行動の続行が不可能になるダメージを
受けるため、より信頼性、安全性の高い車両型トランスポーターの開発が提案された。
作中メカニックが言う通り、一年戦争当時の技術水準ではSFSよりも確実なコンセプトである。
作中では言及されていないが側車は左に装着され、全高約5mほどのコンテナとなっている。180mmマゼラトップ砲の他、
グフカスタム用の75mmガトリング砲や2連装90mm機関砲等武装は数パターンあり、また、降車時は側車から取り外し手持ち
武装として使用可能となっている。

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トンデモ兵器と言うのは何時の時代でも新兵器の黎明期に生まれるもので、Vガンダムで個人的には失笑した大型バイクも
一年戦争の時代ならあるかも、と想像して考えた兵器。
トライクタイプも考えたが、ザクがまたがっている姿を想像するとトライクよりアナクロなサイドカーの方がらしいと思ったので
こちらを採用。スロットル関係を左手に設定したのは本文で書いた通りの考証の結果。

【キャラクターデータ】
クワン・ユー
ジオン軍大尉。一週間戦争と続くルウム戦役双方に参加し、巡洋艦、戦艦各3隻を撃沈したエース。地球で辺境の鉱山基地
に配備されている現状は不満だが、南コーカサスのワインは気に入っており、地域の住民との関係も良好を保っている。
現在はグフカスタムに搭乗。0053年生れ、26歳。名前の由来は「関羽」別に外見は似ていないが、グフがワイン色に塗られている

※続きは、第2章



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