第一話
アルバイトの帰り、青木淳子はいつものように暗い夜道を歩いていた。
相変わらずこの時間は人通りが少ない。だがそれが彼女にとっては好都合だった。
今日は2週間に一度の「例の日」だった。その日になると夜誰もいない倉庫に行き、「発散」させるのだ。
それを人に見られでもすれば化け物扱いされ社会的抹殺は避けられない。だから人がいないほうが好都合なのだ。
今日は2週間に一度の「例の日」だった。その日になると夜誰もいない倉庫に行き、「発散」させるのだ。
それを人に見られでもすれば化け物扱いされ社会的抹殺は避けられない。だから人がいないほうが好都合なのだ。
さて、何の気なしに倉庫の前までたどり着いた淳子だったが、扉を開けた瞬間、別世界が広がっていた。
「…何これ…」彼女は思わずつぶやいていた。あたり一面大砂漠。草や木の類は全く見当たらない。
空はというとどんより灰色がかっている。
「…何これ…」彼女は思わずつぶやいていた。あたり一面大砂漠。草や木の類は全く見当たらない。
空はというとどんより灰色がかっている。
後ろを振り返ると、入ってきたはずの扉は…「消滅」していた。
…帰れない。すなわちこの大砂漠に彼女はひとり取り残されたのだ。一瞬にして日常から非日常へと放り出されてしまった淳子。
…帰れない。すなわちこの大砂漠に彼女はひとり取り残されたのだ。一瞬にして日常から非日常へと放り出されてしまった淳子。
これからどうすればいい?
とにかく、ここで突っ立っていても仕方がないので淳子は歩き出した。この砂漠にも果てはあるだろう。
とにかく、ここで突っ立っていても仕方がないので淳子は歩き出した。この砂漠にも果てはあるだろう。
そう信じて。
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