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スカウト

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スカウト

やはり女が欲しい。

(ん?)

すまん、いきなり性欲の権化のような発言をしてしまったか。
俺はヒーロー学園悪部バイオ科からやってきたテュポンだ。
この島に来てもう随分になる。

さて俺は今この島で悪の組織を結成しようと考えている。

なんで女かって?

ヒーロー物のお約束ではないか。

悪のヒロインと正義のヒーローが恋に落ちて、
ヒーローが戦えなくなるみたいなのを期待しているのだ

その弱ったヒーローをぶちのめすが楽しみでしょうがない。
まだ組織すら存在していないのに、この想像力我ながら素晴らしい計画性じゃないか。

(しかし、どうしようか。)

何しろスカウトするのは、悪の組織だからな。

「君……君…悪のヒロインなってみない?」
「はぁぁ?お巡りさん~(ユキチ)」

となるのが見え見えである。

出来れば相手と2人っきりというのが好ましい。
断られたときの処理も考えて、あの館の中は避けたほうが良さそうだ。

候補は3人
ジークリンデ
はさみ
フェアリー・テール

魔女っ子は最近関係各所の規制が厳しくなって来ているので自粛だ。
アメリカに進出する際は人質として前面に押し出して、
ヒーローを無効化するというのも良いかも。
あの国のヒーローは女・子供に弱いと評判である。

求める性格は
少しおおざっぱなくらいがいい。

自分で言うのもなんだが俺は几帳面だから、俺と子分のクッションになってもらわねば。

あと、ヒロインとはいえ最低限の強さと教養を持っていて欲しい。
小規模な我が組織には、お姫様的なヒロインにのほほんと居てもらうゆとりはない。
むしろジャンヌダルクよろしく、敵の本陣へ先陣を切ってくれるような人材……
そういう人材を求めている。

「あらテュポンさん?」
(ん?この声は?)
グラスを持ったまま振り返ると、そこにはジークリンデが立っていた。

「珍しいな。1人か?」
「ええ……。同じモノください。」

『かしこまりました。』
バーテンダーがグラスに酒を注ぐ。
「テュポンさんってこの島で何かしてるの?」
この女何を企んでいる?

「さっき出掛けようと思ったら、館の前でテュポンさんを待ってるって人がいたから……。」

あの馬鹿……、あれほど館には近づくなと言ったのに。
ヒーロー実習の巻き添えを食ったら、漁夫の利どころではなくなることがわからないのか。
「それで?」
「何してるのかなぁ?と思って。
 確か雑誌に写真を投稿してるって言ってたよね?」
「ああ……。」
「写真見せて~。」
ふん……、その程度の小道具は用意している。
これがキャバクラだったら、写真撮ってあげるから部屋においでとか言えるのにな。
流石に一つ屋根の下の住人にはできない。

「ねぇ、私も写真撮るんだけど良かったらチーム組まない?」
「は?いや、それは困るというか何と言うか……。」

「なんで?どうして?ずっと1人で見張るの大変でしょ?」
「実はな、俺の撮る写真はただの写真じゃない。
 俺はいずれ世界を征服する男だ。」
「へえぇ、夢が大きいのね。
 ジークフリードにも見習わせたいわ!」
この女既に酔っているのか?
顔が真っ赤である。
「いや、まぁ今は悪の組織の仲間を探してる状況なんだが……。」
「面白そう。アタシも手伝ってあげようか?」

「いや、しかし家族にも組織のことは内緒にせねばならん。
 もし喋ったら……。」

「喋ったら?」
「世にも恐ろしいことが起こるであろう。」
「ふぅーん。
 まぁたまには1人で行動するのも悪くないし、面白そうだから私も入ってあげるよ。
 年間費とか入会費とかいくらかかるの?」
この女……、悪の秘密結社をビデオ屋の会員かなにかと勘違いしてないか?

「で……その組織の名前って何ていうの?」
「名前?」
「そうよ、まさか考えてないの?」
「卒業と同時に組織を乗っ取る予定だったので、特に名前は考えてなかったのだ。」
「なるほど、ヒーロー学園の学生は大変なのね。
 じゃぁ、私が考えてあげるわ。」

こうしてまず1人仲間が出来た。
卒業まで後120日……

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