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温泉界へご招待 ~死者の慰安旅行~

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mintsuku

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温泉世界へご招待 ~死者の慰安旅行~


「気持ちいいわね……」
「ゆっくりすんのも悪くないね……」

 湯気が立ち込める風呂。屋外故に風が吹く度怪しく湯気が揺らめく。そう。ここは温泉界。

「他にも来てんのかね?」
「まさか……。来たらダメでしょ」
「まぁそうだ」

 仲良さそうに温泉に浸かる二人の女性。当然素っ裸。一人は控えめ。一人はぺったんこ。
 今のところ風呂には二人と一匹しか居ない。一匹?

「うむ……。やはり温泉は良い。自然にもあるしな……」
「あなたは設定的に来たらダメなんじゃ……」
「これでも神格がある。多少のムリは効く」
「……というかアンタ普通に浸かってっけど」
「我は狐よ。人間の小娘見たとて何とも思わぬ。なにより我は雌。正真正銘の雌狐よ。問題は無い」
「まぁいいわ。考えるのも面倒……」

 二人と一匹はそのまま温泉で鋭気を養う。ただの温泉旅行ではないのだから。

「……死んでまた出番あるってホント?」
「出れないだけよくね? それに姉さんのほう何かやってんじゃん」
「我は出るかどうかも決まっていないのだ。羨ましいぞ二人とも」
「……気まぐれに付き合うのも大変よ」

 何の話だろうか。
 とにかく、二人と一匹はのんびりゆったりリラックス。
と、たまたま巡回していた管理人の湯乃香が二人と一匹を見るなり一言。

「ペットのご同行はご遠慮願います」

 神格を持つ狐は二人の小娘のペット扱い。カチンと来るかと思いきや。

「……。コ…… コォーン」
「今更野性ぶってもダメ」

 結構厳しい。

「だとよ」
「……」
「残念ね」
「…… うぅ」
「ホレ、油揚げやっから諦めなさいな」
「……うわぁぁぁあああああああん!!」

「……帰っちゃった」
「大体死んでないし、人様のモノにお邪魔してるから、いいペナルティよ」

 二人も厳しかった。
 と、今度は姉のほうが何かを見つける。
 よ~く見ると、栗色の髪の白人男性。混浴だったのか。 姉は思わず首まで浸かり身体を防御。ある意味デヴューしている妹は臆せず声をかける。
 なぜなら彼もこの温泉世界慰安旅行のメンバーだったりする。

「……おーい。そこのあんちゃん!」
「……」
「…… おーい!」
「……ブツブツブツブツ……」
「どうしたんだ?」

 見るからに様子がおかしい。すぐ近くに生まれたままの姿のうら若き乙女が居るというのに、体育座りで膝を抱えて、顎まで湯に浸けブクブク言わせながらブツブツ独り言。

「……こえぇ」
「やめなさいよ」
「気にならない?」
「え? あ……。うん」
「聞き耳立てて来るわ」

 妹は水牛を狙うワニのように静かに接近し、耳をすませば。その白人男性は気配からして腐っている。

「……どれどれぇ?」
「ブツブツ……」
「聞こえないな……?」
「死んだ……。たった……で……」
「死んだ? だから来てんじゃないのか……?」
「二話で死んだ。たった二話で。二話で死んだ……! 主人公なのに……」
「……」


 死者は今日も元気です。



無限桃花姉妹・悪世巣寄生「【無限桃花】創発発のキャラクター総合2【H・クリーシェ】よりご来場
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