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はぢめてのおつかい編の前フリ

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はぢめてのおつかい編の前フリ

「わはははははははっ! 行って来る!」

 と。
 >>155で記憶が飛び出して行った、そのすぐ後の事です。

「師匠……? あの人に任せちゃって大丈夫だったんでしょうか?」

 倉刀が不安そうに訊ねます。

「さあ? どうだかな」

 ですが、ハルトシュラーさんはあまり気のないご様子。

「さあ、って師匠!」
「落ち着け、今ははさみさんを看る事が肝要だ。
 ……辛そうではあるが、一秒一刻を争う容体ではない。それに……」

 ハルトシュラーさんは、先程記憶が騒がしく出て行ったばかりの門を見ます。

「あの、おかしな男が、自分から『行く』と言ったんだ。
 ……奴に、任せてみようじゃないか?」
「師匠」

 助け合い。
 そして、信頼。
 それはどちらも、共同生活に欠かせないものなのです。

「それより、はさみさんを楽にしてやらないとな」
「はいっ! でも師匠、どうすれば?」

「……油」

 それに答えたのは、なんとフェアリー・テールさんでした。

「油が合わなくてこうなったのですから、別の油を塗り直せば良いのではないですか?」
「フェアリー・テールさん」

 はさみさんと喧嘩していた筈の、フェアリー・テールさんが。
 ここにも――助け合いと信頼が生まれました。あぁ何と美しい光景。

「それもそうだな。色々試せば、どれかははさみさんに合うだろう。
 おい管理人! 屋敷にはどのような油がある?」
「調理用のサラダ油に整髪用の椿油。あとは、どうだったかな?」
「根こそぎ持って来い。倉刀も手伝ってやれ」
「はいっ!」
「あ。私、ベビーオイルとか持ってますよ」
「有りだな、それも持って来てくれ。私も創作道具から探してくる」
「了解です」

 テキパキと方針が決まり、みんなはそれぞれの役割を果たす為に解散しました。One for all, All for oneですね。


 ……まぁ。
 その結果が、>>159での更にぐったりしたはさみさんに繋がる訳ですが。
 あ、はさみさんが何か言ってます。

「……ア○ゾンで注文したから……今日にでも丁子油、届くのに……」

 …………。
 本当に便利な時代ですよねえ。

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